JP2962035B2 - フォトクロミック組成物とそれを用いた光学記録媒体 - Google Patents
フォトクロミック組成物とそれを用いた光学記録媒体Info
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- JP2962035B2 JP2962035B2 JP4081810A JP8181092A JP2962035B2 JP 2962035 B2 JP2962035 B2 JP 2962035B2 JP 4081810 A JP4081810 A JP 4081810A JP 8181092 A JP8181092 A JP 8181092A JP 2962035 B2 JP2962035 B2 JP 2962035B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック組成
物およびそれを用いた光学記録媒体に関する。
物およびそれを用いた光学記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可逆的な色の変化を生ずる材料と
してフォトクロミック材料が知られている。フォトクロ
ミック材料のうちで最もよく検討されているものにスピ
ロピランが挙げられる。
してフォトクロミック材料が知られている。フォトクロ
ミック材料のうちで最もよく検討されているものにスピ
ロピランが挙げられる。
【0003】現在までに数多くのスピロピランが発表さ
れている。例えば(化2)に示すスピロピランに紫外線
を照射するとメロシアニンに変化し、赤色を呈する。こ
のメロシアニンは可視光を照射すると元のスピロピラン
に戻り無色化する。
れている。例えば(化2)に示すスピロピランに紫外線
を照射するとメロシアニンに変化し、赤色を呈する。こ
のメロシアニンは可視光を照射すると元のスピロピラン
に戻り無色化する。
【0004】
【化2】
【0005】スピロピランのこのような性質は、例えば
光学記録媒体に応用することができる。例えば、ディス
ク上にスピロピランを塗布し、紫外線によって着色状態
にして全面を初期化する。この媒体に、着色体から無色
体に変化するのに適当な波長のレーザー光を照射するこ
とにより、その部分に記録を行なうことができる。ま
た、紫外線を照射することによってそのスポットは再び
初期化することができる。なお、無色体を初期状態と
し、紫外線照射によって着色体化することで記録状態に
することももちろん可能である。
光学記録媒体に応用することができる。例えば、ディス
ク上にスピロピランを塗布し、紫外線によって着色状態
にして全面を初期化する。この媒体に、着色体から無色
体に変化するのに適当な波長のレーザー光を照射するこ
とにより、その部分に記録を行なうことができる。ま
た、紫外線を照射することによってそのスポットは再び
初期化することができる。なお、無色体を初期状態と
し、紫外線照射によって着色体化することで記録状態に
することももちろん可能である。
【0006】さらに、このような特徴を応用して波長多
重光記録方式が提案されている。例えば特開昭61−2
03450号公報に記載されている記録媒体は、それぞ
れ吸収感度の異なるフォトクロミック材料を積層した記
録媒体に対し、それぞれの層の記録波長のレーザ光を照
射することにより、各層に独立に記録を行う方法であ
る。この記録方式を利用することにより、1スポットへ
の複数ビットの高密度光記録が可能になる。
重光記録方式が提案されている。例えば特開昭61−2
03450号公報に記載されている記録媒体は、それぞ
れ吸収感度の異なるフォトクロミック材料を積層した記
録媒体に対し、それぞれの層の記録波長のレーザ光を照
射することにより、各層に独立に記録を行う方法であ
る。この記録方式を利用することにより、1スポットへ
の複数ビットの高密度光記録が可能になる。
【0007】このような波長多重光記録をフォトクロミ
ック材料で行なうためには、(1)着色体の安定性が高
いこと、(2)吸収ピークが鋭いことが要請される。
ック材料で行なうためには、(1)着色体の安定性が高
いこと、(2)吸収ピークが鋭いことが要請される。
【0008】この両方を満たす有力な方法として、スピ
ロピランの着色体が分子集合状態の一つである会合体を
形成することを利用することが挙げられる。会合体には
J会合体とH会合体がある。J会合体は発色団分子の末
端同志の相互作用で形成し、H会合体は発色団分子の面
同志の相互作用で形成する。しかし、一般にこのような
複雑な形状のスピロピランが会合体を形成することはき
わめてまれで、その会合体を容易に得ること、もしくは
制御することはきわめて難しい。
ロピランの着色体が分子集合状態の一つである会合体を
形成することを利用することが挙げられる。会合体には
J会合体とH会合体がある。J会合体は発色団分子の末
端同志の相互作用で形成し、H会合体は発色団分子の面
同志の相互作用で形成する。しかし、一般にこのような
複雑な形状のスピロピランが会合体を形成することはき
わめてまれで、その会合体を容易に得ること、もしくは
制御することはきわめて難しい。
【0009】スピロピラン会合体の一例として、例えば
日本化学会誌、1129頁(1990年)に記載されて
いるように、LB膜中において、インドリン環の5’位
と7’位に臭素を有し、2本の炭化水素鎖をもつスピロ
ピラン(化3)(C)に紫外線照射を行なうと、着色体
がJ会合体と称する会合体を形成することが知られてい
る。このJ会合体の吸収極大波長は650nmであり、従
来のスピロピランの単量体の波長領域である580nm付
近と比較して吸収波長が長波長域に移動する。
日本化学会誌、1129頁(1990年)に記載されて
いるように、LB膜中において、インドリン環の5’位
と7’位に臭素を有し、2本の炭化水素鎖をもつスピロ
ピラン(化3)(C)に紫外線照射を行なうと、着色体
がJ会合体と称する会合体を形成することが知られてい
る。このJ会合体の吸収極大波長は650nmであり、従
来のスピロピランの単量体の波長領域である580nm付
近と比較して吸収波長が長波長域に移動する。
【0010】5’位と7’位に臭素を持たないスピロピ
ランもJ会合体を形成するが、(化3)(D)のスピロ
ピランのJ会合体は臭素の影響で、約30nm深色移動す
る。したがって、臭素のあるスピロピラン(すなわち
(化3))と、臭素のないスピロピランのそれぞれJ会
合体を含むフォトクロミック組成物を利用することによ
り、波長多重記録が可能である。
ランもJ会合体を形成するが、(化3)(D)のスピロ
ピランのJ会合体は臭素の影響で、約30nm深色移動す
る。したがって、臭素のあるスピロピラン(すなわち
(化3))と、臭素のないスピロピランのそれぞれJ会
合体を含むフォトクロミック組成物を利用することによ
り、波長多重記録が可能である。
【0011】
【化3】
【0012】一方、インドリン環の5’位にヘキシル基
を有し、1本の炭化水素鎖をもつスピロピラン(化4)
(E)は、二分子膜中において紫外線照射を行なうと、
着色体がH会合体と称する会合体を形成することが知ら
れている(Journal of Physical Chemistry 94巻3769頁
(1990年))。
を有し、1本の炭化水素鎖をもつスピロピラン(化4)
(E)は、二分子膜中において紫外線照射を行なうと、
着色体がH会合体と称する会合体を形成することが知ら
れている(Journal of Physical Chemistry 94巻3769頁
(1990年))。
【0013】このH会合体の吸収極大波長は490nmで
あり、スピロピラン(化4)(E)の単量体の波長領域
580nm付近と比較して吸収波長が短波長域に移動す
る。
あり、スピロピラン(化4)(E)の単量体の波長領域
580nm付近と比較して吸収波長が短波長域に移動す
る。
【0014】
【化4】
【0015】また、これらのJ会合体あるいはH会合体
は、単量体と比較して吸収ピークの移動が起こるだけで
なく、吸収ピークが鋭くなり、着色体が安定化するとい
う特徴を有する。したがって光学記録媒体の記録層の要
請が満足され、波長多重光学記録媒体用材料として利用
することが可能である。
は、単量体と比較して吸収ピークの移動が起こるだけで
なく、吸収ピークが鋭くなり、着色体が安定化するとい
う特徴を有する。したがって光学記録媒体の記録層の要
請が満足され、波長多重光学記録媒体用材料として利用
することが可能である。
【0016】また、多重度の高い波長多重記録を行なう
ためには、このような会合体の吸収波長ができるだけ重
ならないようにすると同時に、狭い波長領域に複数個用
意することが必要になる。
ためには、このような会合体の吸収波長ができるだけ重
ならないようにすると同時に、狭い波長領域に複数個用
意することが必要になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】一般にインドリン環に
ハロゲン基を有するスピロピランの着色体は、会合体を
形成しにくい。なぜなら、ハロゲン基を有するスピロピ
ランは、ハロゲン基の電子吸引性によって着色状態の安
定性が低下して無色体への戻り反応が促進されるため、
ハロゲン基のないスピロピランと比較して、会合体を形
成するのに十分な濃度の着色体を得にくいからである。
ハロゲン基を有するスピロピランの着色体は、会合体を
形成しにくい。なぜなら、ハロゲン基を有するスピロピ
ランは、ハロゲン基の電子吸引性によって着色状態の安
定性が低下して無色体への戻り反応が促進されるため、
ハロゲン基のないスピロピランと比較して、会合体を形
成するのに十分な濃度の着色体を得にくいからである。
【0018】しかし、インドリン環にハロゲン基を持っ
ていても、例えば(化3)(C)のような同時に2本の
長鎖を有するスピロピランは、ハロゲン基のないスピロ
ピランよりも会合体を形成しにくいものの、特定の組成
にすることによってJ会合体を形成する。しかし、J会
合体であるため単量体のスピロピランの吸収波長よりも
長波長化し、短波長の会合体は形成できない。このよう
なJ会合体の問題点を解決するためには、発色団分子の
面同志の相互作用に起因したH会合体を形成する必要が
ある。
ていても、例えば(化3)(C)のような同時に2本の
長鎖を有するスピロピランは、ハロゲン基のないスピロ
ピランよりも会合体を形成しにくいものの、特定の組成
にすることによってJ会合体を形成する。しかし、J会
合体であるため単量体のスピロピランの吸収波長よりも
長波長化し、短波長の会合体は形成できない。このよう
なJ会合体の問題点を解決するためには、発色団分子の
面同志の相互作用に起因したH会合体を形成する必要が
ある。
【0019】一方、ハロゲン化スピロピランのH会合体
は、J会合体よりも一般に形成しにくい会合体である。
これは、前述したようにJ会合体が分子の末端同志の相
互作用で形成されるため、ハロゲン基導入による分子構
造の変化が会合体形成にそれほど大きな影響を及ぼさな
いのに対し、H会合体は分子の面同志の相互作用で形成
されるため、分子の形によって会合体形成のしやすさが
大きく異なり、J会合体と比較してさらに会合体の形成
は難しいためである。また、1本鎖を有するスピロピラ
ンは比較的H会合体を形成しやすいが、ハロゲン基を導
入すると、ハロゲン基の立体障害の影響で面同志の相互
作用がしにくくなるため、H会合体を形成し難くなる。
実際、ハロゲン基をインドリン環に有するスピロピラン
がH会合体を形成するという報告例はこれまでにまだな
い。
は、J会合体よりも一般に形成しにくい会合体である。
これは、前述したようにJ会合体が分子の末端同志の相
互作用で形成されるため、ハロゲン基導入による分子構
造の変化が会合体形成にそれほど大きな影響を及ぼさな
いのに対し、H会合体は分子の面同志の相互作用で形成
されるため、分子の形によって会合体形成のしやすさが
大きく異なり、J会合体と比較してさらに会合体の形成
は難しいためである。また、1本鎖を有するスピロピラ
ンは比較的H会合体を形成しやすいが、ハロゲン基を導
入すると、ハロゲン基の立体障害の影響で面同志の相互
作用がしにくくなるため、H会合体を形成し難くなる。
実際、ハロゲン基をインドリン環に有するスピロピラン
がH会合体を形成するという報告例はこれまでにまだな
い。
【0020】本発明は、1本鎖のハロゲン化スピロピラ
ンと特別なマトリクスとの組成物によってこれを解決
し、500nmより535nmに吸収極大波長を有するH会
合体を形成する新規なフォトクロミック組成物を提供す
ることを第1の目的とするものである。本発明はまた、
このフォトクロミック組成物を用いた波長多重用の光学
記録媒体を提供することを第2の目的としている。
ンと特別なマトリクスとの組成物によってこれを解決
し、500nmより535nmに吸収極大波長を有するH会
合体を形成する新規なフォトクロミック組成物を提供す
ることを第1の目的とするものである。本発明はまた、
このフォトクロミック組成物を用いた波長多重用の光学
記録媒体を提供することを第2の目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、数多くのスピロピランの置換基と会合体形成と
の関係を鋭意検討した結果、本発明のフォトクロミック
組成物は、一般式が(化1)で示されるスピロピラン
と、脂肪族エステルあるいは脂肪族アルコールの内の少
なくとも1つを含む組成物である。(ただし、Rは炭素
数1から30のアルキル基、Yはハロゲンである。)ま
た、組成物中のスピロピラン(化1)のアルキル基R
は、炭素数9以上であることが好ましい。
るため、数多くのスピロピランの置換基と会合体形成と
の関係を鋭意検討した結果、本発明のフォトクロミック
組成物は、一般式が(化1)で示されるスピロピラン
と、脂肪族エステルあるいは脂肪族アルコールの内の少
なくとも1つを含む組成物である。(ただし、Rは炭素
数1から30のアルキル基、Yはハロゲンである。)ま
た、組成物中のスピロピラン(化1)のアルキル基R
は、炭素数9以上であることが好ましい。
【0022】前記第2の目的を達成するためには、この
フォトクロミック組成物を記録層として用いた光学記録
媒体である。
フォトクロミック組成物を記録層として用いた光学記録
媒体である。
【0023】
【作用】本発明に用いるスピロピラン(化1)は、1位
にメチル基を有し、8位のアルカノイルオキシメチル基
(RCOOCH2)のみが疎水性基となり得るため、例
えば(化3)(C)に示したような2本鎖のスピロピラ
ンとは異なる。即ち、(化3)で示したスピロピラン
は、2本鎖の長鎖同志が相互作用するため、色素骨格が
長鎖と垂直に配向した方が安定になる。それに対し本発
明におけるスピロピランは1本の炭化水素鎖であるた
め、色素骨格は長鎖の長軸方向と平行方向に配向する方
が安定になる。
にメチル基を有し、8位のアルカノイルオキシメチル基
(RCOOCH2)のみが疎水性基となり得るため、例
えば(化3)(C)に示したような2本鎖のスピロピラ
ンとは異なる。即ち、(化3)で示したスピロピラン
は、2本鎖の長鎖同志が相互作用するため、色素骨格が
長鎖と垂直に配向した方が安定になる。それに対し本発
明におけるスピロピランは1本の炭化水素鎖であるた
め、色素骨格は長鎖の長軸方向と平行方向に配向する方
が安定になる。
【0024】このような1本鎖のスピロピランと、脂肪
族エステルあるいは脂肪族アルコールとの組成物では、
理由は明かではないが、次のような作用に基づき、H会
合体を形成するものと想定される。まず、1本鎖のスピ
ロピランが、両親媒性を有するために、スピロピラン骨
格と疎水性基との作用でミセルを形成する。これによっ
て、スピロピラン環が面同志で配向するH会合体構造の
原型を形成する。しかし、スピロピラン環同志だけでは
凝集力が弱いため、H会合体の形成能力に欠け単量体が
メインとなる。しかし、このようなH会合体の原型を形
成したスピロピラン骨格に、例えば脂肪族エステルもし
くは脂肪族アルコール等のような凝集力がはるかに強い
両親媒性物質が混入すると、スピロピラン骨格の周りを
凝集力が強い物質が取り囲むことによって、凝集力が強
い脂肪族エステルまたは脂肪族アルコールの補助により
スピロピラン環同志が凝集し、H会合体が形成すると想
定される。確かに、(化1)のスピロピランのR基の炭
素数が9以上の場合、スピロピランに両親媒性が顕著に
なり、この仮説に基づく作用でH会合体を形成するた
め、飛躍的に着色体の安定性が増すことは充分に説明で
きる。但し、このような仮説だけでは、(化1)のスピ
ロピランのR基が低級アルキル基の場合でも、本発明の
効果が発揮される理由は明確には説明できない。従っ
て、本発明は他の作用にも基づくことが考えられる。
族エステルあるいは脂肪族アルコールとの組成物では、
理由は明かではないが、次のような作用に基づき、H会
合体を形成するものと想定される。まず、1本鎖のスピ
ロピランが、両親媒性を有するために、スピロピラン骨
格と疎水性基との作用でミセルを形成する。これによっ
て、スピロピラン環が面同志で配向するH会合体構造の
原型を形成する。しかし、スピロピラン環同志だけでは
凝集力が弱いため、H会合体の形成能力に欠け単量体が
メインとなる。しかし、このようなH会合体の原型を形
成したスピロピラン骨格に、例えば脂肪族エステルもし
くは脂肪族アルコール等のような凝集力がはるかに強い
両親媒性物質が混入すると、スピロピラン骨格の周りを
凝集力が強い物質が取り囲むことによって、凝集力が強
い脂肪族エステルまたは脂肪族アルコールの補助により
スピロピラン環同志が凝集し、H会合体が形成すると想
定される。確かに、(化1)のスピロピランのR基の炭
素数が9以上の場合、スピロピランに両親媒性が顕著に
なり、この仮説に基づく作用でH会合体を形成するた
め、飛躍的に着色体の安定性が増すことは充分に説明で
きる。但し、このような仮説だけでは、(化1)のスピ
ロピランのR基が低級アルキル基の場合でも、本発明の
効果が発揮される理由は明確には説明できない。従っ
て、本発明は他の作用にも基づくことが考えられる。
【0025】一方、5’位と7’位のハロゲン基は、そ
の電子吸引性によって吸収波長を深色移動させる効果を
もたらす。また、6位のニトロ基の電子吸引性は、スピ
ロピランが紫外線照射によって着色状態に変化した際に
生じるフェノキシアニオンの安定性を向上させる効果を
もたらす。
の電子吸引性によって吸収波長を深色移動させる効果を
もたらす。また、6位のニトロ基の電子吸引性は、スピ
ロピランが紫外線照射によって着色状態に変化した際に
生じるフェノキシアニオンの安定性を向上させる効果を
もたらす。
【0026】さらに本発明のフォトクロミック組成物に
さらに炭化水素あるいはエーテル基含有化合物を混合さ
せることにより、H会合体の吸収極大波長がさらに長波
長に移動する。これは、理由は定かではないが、スピロ
ピランのような極性基を発色団として有する着色体は、
炭化水素あるいはエ−テル基含有化合物のような比較的
極性の低い物質中では、例え溶液中であっても、会合体
の基底状態のレベルが上がり、励起状態との差が小さく
なるためであると考えられる。
さらに炭化水素あるいはエーテル基含有化合物を混合さ
せることにより、H会合体の吸収極大波長がさらに長波
長に移動する。これは、理由は定かではないが、スピロ
ピランのような極性基を発色団として有する着色体は、
炭化水素あるいはエ−テル基含有化合物のような比較的
極性の低い物質中では、例え溶液中であっても、会合体
の基底状態のレベルが上がり、励起状態との差が小さく
なるためであると考えられる。
【0027】
【実施例】本発明におけるスピロピランは、スピロピラ
ン骨格のN位にメチル基、6位にニトロ基、8位にアル
カノイルオキシメチル基(−CH2OCOR)、5’位
と7’位にハロゲンを有する。8位のアルカノイルオキ
シメチル基(−CH2OCOR)としては、アセトキシ
メチル基からトリアコンチロキシメチル基までの間の炭
素数1〜30の直鎖アルキル基を有する何れかを指す。
ン骨格のN位にメチル基、6位にニトロ基、8位にアル
カノイルオキシメチル基(−CH2OCOR)、5’位
と7’位にハロゲンを有する。8位のアルカノイルオキ
シメチル基(−CH2OCOR)としては、アセトキシ
メチル基からトリアコンチロキシメチル基までの間の炭
素数1〜30の直鎖アルキル基を有する何れかを指す。
【0028】このスピロピランと、脂肪族エステルある
いは脂肪族アルコールの内少なくとも1種とを含む組成
物によって、本発明のフォトクロミック組成物を構成す
る。
いは脂肪族アルコールの内少なくとも1種とを含む組成
物によって、本発明のフォトクロミック組成物を構成す
る。
【0029】これらの各成分を混合し、エタノールなど
のアルコール類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン
類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサン、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)などの各種溶媒に溶解、塗布、乾燥することに
よってフォトクロミック薄膜を得ることができる。
のアルコール類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン
類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサン、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)などの各種溶媒に溶解、塗布、乾燥することに
よってフォトクロミック薄膜を得ることができる。
【0030】さらにバインダーとしてポリメチルメタク
リレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ゼラチ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの高分子材
料、あるいはポリスチレンスルホン酸のアルキルアンモ
ニウム塩などのイオン性高分子材料を加えることもあ
る。
リレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ゼラチ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの高分子材
料、あるいはポリスチレンスルホン酸のアルキルアンモ
ニウム塩などのイオン性高分子材料を加えることもあ
る。
【0031】本発明に供される脂肪族エステルとして
は、例えばステアリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、
酢酸オクタデシル、プロパン酸ドデシルなどが挙げられ
る。また、本発明に供される脂肪族アルコールとして
は、例えばステアリルアルコール、イソブチルアルコー
ル、エイコシルアルコールなどが挙げられる。これらは
何れも本発明のスピロピラン(化1)よりも両親媒性が
高い物質であり、炭素数が10〜30程度、好ましくは
14〜26程度が適する。
は、例えばステアリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、
酢酸オクタデシル、プロパン酸ドデシルなどが挙げられ
る。また、本発明に供される脂肪族アルコールとして
は、例えばステアリルアルコール、イソブチルアルコー
ル、エイコシルアルコールなどが挙げられる。これらは
何れも本発明のスピロピラン(化1)よりも両親媒性が
高い物質であり、炭素数が10〜30程度、好ましくは
14〜26程度が適する。
【0032】さらに、上記組成に加え、例えばオクタデ
カンなどの炭化水素、あるいは例えばジオクチルエーテ
ル、ジオクタデシルエーテル、オクタデシルメチルエー
テルなどのエーテル系材料を含む組成物は、同様にH会
合体を形成し、その吸収極大波長はさらに約10nm長波
長に移動するため、吸収極大波長を調整することがで
き、光学記録媒体の記録層に用いる場合には有力であ
る。
カンなどの炭化水素、あるいは例えばジオクチルエーテ
ル、ジオクタデシルエーテル、オクタデシルメチルエー
テルなどのエーテル系材料を含む組成物は、同様にH会
合体を形成し、その吸収極大波長はさらに約10nm長波
長に移動するため、吸収極大波長を調整することがで
き、光学記録媒体の記録層に用いる場合には有力であ
る。
【0033】本発明のフォトクロミック組成物を光学記
録媒体として使用する場合は、上記溶液より製膜したあ
と、紫外線照射を行なって光反応により着色させ、全面
を初期化する。本発明のフォトクロミック組成物では、
鋭いピークを有するH会合体が形成され、単量体と比較
して104倍程度安定化する。このH会合体は、従来知
られている臭素を持たないスピロピランに見られるH会
合体と比較して、その吸収極大波長は約30nm長波長に
移動するという特徴を有し、今までに得られていなかっ
た500nmから535nm域に吸収極大波長λmaxを有す
る新規なH会合体である。
録媒体として使用する場合は、上記溶液より製膜したあ
と、紫外線照射を行なって光反応により着色させ、全面
を初期化する。本発明のフォトクロミック組成物では、
鋭いピークを有するH会合体が形成され、単量体と比較
して104倍程度安定化する。このH会合体は、従来知
られている臭素を持たないスピロピランに見られるH会
合体と比較して、その吸収極大波長は約30nm長波長に
移動するという特徴を有し、今までに得られていなかっ
た500nmから535nm域に吸収極大波長λmaxを有す
る新規なH会合体である。
【0034】(実施例1)以下に、本発明の実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。
いて図面を参照しながら説明する。
【0035】本発明のスピロピランの一例(以下BSP
0122と称する。)の化学構造式を(化5)に示す。
0122と称する。)の化学構造式を(化5)に示す。
【0036】
【化5】
【0037】次に製造方法を説明する。 ステップ1(化6) 3-クロロメチル-5-メトキシサリチルアルデヒド((化
6)の1)11.3g(52.6mmol)とベヘン酸銀20.
6g(52.6mmol)を混合し、ベンゼン中(不均一系)
で加熱還留した。40時間後ろ過し、ろ液を濃縮した後
ベンゼン:ヘキサン=1:5で再結晶して、3-ドコサノ
イルオキシメチル-5-ニトロ-サリチルアルデヒド((化
6)の2)の黄色針状結晶11.1g(21.3mmol、収
率40.5%)を得た。
6)の1)11.3g(52.6mmol)とベヘン酸銀20.
6g(52.6mmol)を混合し、ベンゼン中(不均一系)
で加熱還留した。40時間後ろ過し、ろ液を濃縮した後
ベンゼン:ヘキサン=1:5で再結晶して、3-ドコサノ
イルオキシメチル-5-ニトロ-サリチルアルデヒド((化
6)の2)の黄色針状結晶11.1g(21.3mmol、収
率40.5%)を得た。
【0038】
【化6】
【0039】ステップ2(化7) 2-メチレン-1,3,3-トリメチルインドリン((化7)の
3)0.8g(4.9mmol)と、ステップ1で合成した3-
ニトロ-5-ドコサノイルオキシメチルサリチルアルデヒ
ド((化7)の2)2.1g(4.1mmol)を20mlのエ
タノ−ル中で1時間加熱還流した。濃緑色の反応溶液を
冷却して析出した沈澱を80mlのアセトンから3回再結
晶して、(化7)のスピロピラン4を2.0g(3.0mmo
l、収率73%)得た。
3)0.8g(4.9mmol)と、ステップ1で合成した3-
ニトロ-5-ドコサノイルオキシメチルサリチルアルデヒ
ド((化7)の2)2.1g(4.1mmol)を20mlのエ
タノ−ル中で1時間加熱還流した。濃緑色の反応溶液を
冷却して析出した沈澱を80mlのアセトンから3回再結
晶して、(化7)のスピロピラン4を2.0g(3.0mmo
l、収率73%)得た。
【0040】
【化7】
【0041】ステップ3(化8) N−ブロモコハク酸イミド8.9g(8.1mmol)を酢酸
/クロロホルム=75ml/75mlに溶解させた。その溶
液にステップ2で得たスピロピラン4の2.0g(3.0m
mol)のクロロホルム溶液を30分かけて滴下した。1
5分後、ヘキサンと水の混合物にあけ、ヘキサンで3回
抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、有機
層を乾燥濃縮後カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル=10/1)で精製し、さらにエタノールか
ら2回再結晶して、スピロピラン(BSP0122)
2.0g(2.4mmol、収率81%)を得た。
/クロロホルム=75ml/75mlに溶解させた。その溶
液にステップ2で得たスピロピラン4の2.0g(3.0m
mol)のクロロホルム溶液を30分かけて滴下した。1
5分後、ヘキサンと水の混合物にあけ、ヘキサンで3回
抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、有機
層を乾燥濃縮後カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル=10/1)で精製し、さらにエタノールか
ら2回再結晶して、スピロピラン(BSP0122)
2.0g(2.4mmol、収率81%)を得た。
【0042】
【化8】
【0043】最終生成物の構造はNMRにより確認し
た。各スペクトルの帰属を(表1)に示す。
た。各スペクトルの帰属を(表1)に示す。
【0044】
【表1】
【0045】この様にして得たBSP0122の10-3
Mの濃度でクロロホルムに溶解させ、スピロピランを3
部に対しステアリン酸メチルを1部を加え、石英ガラス
からなるディスク上に回転塗布法により薄膜を作成した
(回転数2000rpm)。
Mの濃度でクロロホルムに溶解させ、スピロピランを3
部に対しステアリン酸メチルを1部を加え、石英ガラス
からなるディスク上に回転塗布法により薄膜を作成した
(回転数2000rpm)。
【0046】この薄膜を30℃〜40℃に加熱しつつ紫
外線(366nm)を照射することにより着色させ、初期
化した。初期化したディスクの可視吸収スペクトルは
(図1)Aのようなスペクトルであった。
外線(366nm)を照射することにより着色させ、初期
化した。初期化したディスクの可視吸収スペクトルは
(図1)Aのようなスペクトルであった。
【0047】このディスクに、波長510nm、20mJ/c
m2のレーザ光を照射することにより、(図1)のBに示
すように、照射部の吸収ピークは減少し、記録を行なう
ことができた。このスポットは紫外線を照射することに
より(図1)のCに示したように消去され、再び(図
1)のAの初期状態に戻すことができた。なお、未記録
状態および記録状態は室温暗所で少なくとも1年程度と
いう長期の間、全く変化はみられなかった。これは、理
由は明かではないが、本実施例のフォトクロミック組成
物は、(化5)に示したように8位のアルカノイルオキ
シメチル基のアルキル基の炭素数が21であることに起
因したものと想定される。
m2のレーザ光を照射することにより、(図1)のBに示
すように、照射部の吸収ピークは減少し、記録を行なう
ことができた。このスポットは紫外線を照射することに
より(図1)のCに示したように消去され、再び(図
1)のAの初期状態に戻すことができた。なお、未記録
状態および記録状態は室温暗所で少なくとも1年程度と
いう長期の間、全く変化はみられなかった。これは、理
由は明かではないが、本実施例のフォトクロミック組成
物は、(化5)に示したように8位のアルカノイルオキ
シメチル基のアルキル基の炭素数が21であることに起
因したものと想定される。
【0048】この会合体は、単量体と比較して短波長域
に鋭い吸収極大を有することから、H会合体であると考
えられる。なお、加熱は必ずしも必要ではないが、より
安定性の高い膜を得るためには加熱することが望まし
い。
に鋭い吸収極大を有することから、H会合体であると考
えられる。なお、加熱は必ずしも必要ではないが、より
安定性の高い膜を得るためには加熱することが望まし
い。
【0049】(実施例2)実施例1で得たBSP012
2の10-3Mの濃度でクロロホルムに溶解させ、スピロ
ピランを3部に対しステアリン酸メチルを1部、エイコ
サン1部を加え、石英ガラスからなるディスク上に回転
塗布法により薄膜を作成した(回転数2000rp
m)。
2の10-3Mの濃度でクロロホルムに溶解させ、スピロ
ピランを3部に対しステアリン酸メチルを1部、エイコ
サン1部を加え、石英ガラスからなるディスク上に回転
塗布法により薄膜を作成した(回転数2000rp
m)。
【0050】この薄膜を30℃〜40℃に加熱しつつ紫
外線(366nm)を照射することにより着色させ、初期
化した。初期化したディスクの可視吸収スペクトルは
(図2)Aであった。
外線(366nm)を照射することにより着色させ、初期
化した。初期化したディスクの可視吸収スペクトルは
(図2)Aであった。
【0051】このディスクに、波長520nm、20mJ/c
m2のレーザ光を照射することにより、(図2)Bのよう
に、照射部の吸収ピークは減少し、記録を行なうことが
できた。この照射部は紫外線を照射することにより(図
1)Cのように消去でき、再び初期状態Aに戻すことが
できた。なお、未記録状態および記録状態は室温暗所で
1年以上の間、全く変化はみられなかった。
m2のレーザ光を照射することにより、(図2)Bのよう
に、照射部の吸収ピークは減少し、記録を行なうことが
できた。この照射部は紫外線を照射することにより(図
1)Cのように消去でき、再び初期状態Aに戻すことが
できた。なお、未記録状態および記録状態は室温暗所で
1年以上の間、全く変化はみられなかった。
【0052】また、この会合体も、単量体と比較して短
波長域に鋭い吸収極大を有することから、H会合体であ
ると考えられる。なお、加熱は必ずしも必要ではない
が、より安定性の高い膜を得るためには加熱することが
望ましい。
波長域に鋭い吸収極大を有することから、H会合体であ
ると考えられる。なお、加熱は必ずしも必要ではない
が、より安定性の高い膜を得るためには加熱することが
望ましい。
【0053】(実施例3)本発明のスピロピランの一例
(以下CSP0110と称する。)の化学構造式を(化
9)に示す。
(以下CSP0110と称する。)の化学構造式を(化
9)に示す。
【0054】
【化9】
【0055】次に製造方法を説明する。 ステップ1(化10) N−クロロコハク酸イミド8.9g(8.1mmol)を酢
酸/クロロホルム=75ml/75mlに溶解させた。その
溶液に実施例1(ステップ1)において、ベヘン酸銀の
代わりにデカン酸銀を用いて合成したスピロピラン
(5)0.96g(2.7mmol)のクロロホルム溶液を
30分かけて滴下した。15分後、ヘキサンと水の混合
物にあけ、ヘキサンで3回抽出した。有機層を炭酸水素
ナトリウムで洗浄し、有機層を乾燥濃縮後カラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製
し、さらにエタノールから2回再結晶して、スピロピラ
ン(CSP0122)1.1g(2.5mmol、収率93
%)を得た。
酸/クロロホルム=75ml/75mlに溶解させた。その
溶液に実施例1(ステップ1)において、ベヘン酸銀の
代わりにデカン酸銀を用いて合成したスピロピラン
(5)0.96g(2.7mmol)のクロロホルム溶液を
30分かけて滴下した。15分後、ヘキサンと水の混合
物にあけ、ヘキサンで3回抽出した。有機層を炭酸水素
ナトリウムで洗浄し、有機層を乾燥濃縮後カラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製
し、さらにエタノールから2回再結晶して、スピロピラ
ン(CSP0122)1.1g(2.5mmol、収率93
%)を得た。
【0056】
【化10】
【0057】最終生成物の構造はNMRにより確認し
た。この様にして得たCSP0110を実施例1と同様
の方法で薄膜を作成した。この薄膜を30℃〜40℃に
加熱しつつ紫外線(366nm)を照射することにより着
色させ、初期化した。初期化したディスクは実施例1の
図1と同様の吸収特性を示した。このディスクに、波長
510nm、20mJ/cm2のレーザ光を照射することによ
り、実施例1と同様に照射部の吸収ピークは減少し、記
録を行なうことができた。このスポットは紫外線を照射
することにより再び初期状態に戻すことができた。な
お、未記録状態および記録状態は室温暗所で3カ月以上
全く変化はみられなかった。この会合体は、単量体と比
較して短波長域に鋭い吸収極大を有することから、H会
合体であると考えられる。
た。この様にして得たCSP0110を実施例1と同様
の方法で薄膜を作成した。この薄膜を30℃〜40℃に
加熱しつつ紫外線(366nm)を照射することにより着
色させ、初期化した。初期化したディスクは実施例1の
図1と同様の吸収特性を示した。このディスクに、波長
510nm、20mJ/cm2のレーザ光を照射することによ
り、実施例1と同様に照射部の吸収ピークは減少し、記
録を行なうことができた。このスポットは紫外線を照射
することにより再び初期状態に戻すことができた。な
お、未記録状態および記録状態は室温暗所で3カ月以上
全く変化はみられなかった。この会合体は、単量体と比
較して短波長域に鋭い吸収極大を有することから、H会
合体であると考えられる。
【0058】(実施例4)下記に示すスピロピランを実
施例1におけるベヘン酸銀のかわりにそれぞれに対応す
る脂肪酸の銀塩を原料にして合成した。こうして得たそ
れぞれのフォトクロミック材料は実施例1と同様に、長
鎖脂肪酸エステルあるいは、長鎖脂肪族アルコールとの
混合によってH会合体を形成し、さらに炭化水素あるい
はエーテル系材料を混合することによってその吸収極大
波長は長波長に移動した。ステアリン酸メチルとの混合
膜(条件A)、ステアリン酸メチルおよびエイコサンと
の混合(条件B)の吸収極大波長を表2に示す。安定性
とは、室温暗所にて放置したときに半分が無色体へ戻る
時間を表す。特に、Rとしては炭素数9以上のスピロピ
ランが安定性が高く好ましかった。この理由は、Rが9
以上になるとスピロピラン環の親水性部に対し疎水性が
充分に発揮でき、スピロピランと脂肪族エステルのエス
テルまたは脂肪族アルコールのアルコールとが凝集力を
有し、スピロピランのRと脂肪族エステルまたは脂肪族
アルコールの疎水性基の相互作用に基づく両親媒性を有
し、H会合体の割合が増すためと想定される。
施例1におけるベヘン酸銀のかわりにそれぞれに対応す
る脂肪酸の銀塩を原料にして合成した。こうして得たそ
れぞれのフォトクロミック材料は実施例1と同様に、長
鎖脂肪酸エステルあるいは、長鎖脂肪族アルコールとの
混合によってH会合体を形成し、さらに炭化水素あるい
はエーテル系材料を混合することによってその吸収極大
波長は長波長に移動した。ステアリン酸メチルとの混合
膜(条件A)、ステアリン酸メチルおよびエイコサンと
の混合(条件B)の吸収極大波長を表2に示す。安定性
とは、室温暗所にて放置したときに半分が無色体へ戻る
時間を表す。特に、Rとしては炭素数9以上のスピロピ
ランが安定性が高く好ましかった。この理由は、Rが9
以上になるとスピロピラン環の親水性部に対し疎水性が
充分に発揮でき、スピロピランと脂肪族エステルのエス
テルまたは脂肪族アルコールのアルコールとが凝集力を
有し、スピロピランのRと脂肪族エステルまたは脂肪族
アルコールの疎水性基の相互作用に基づく両親媒性を有
し、H会合体の割合が増すためと想定される。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】このように本発明のフォトクロミック組
成物は、1位にメチル基、8位にアルカノイルオキシメ
チル基、5’位と7’位とにハロゲンを有するスピロピ
ランと、脂肪族エステルまたは脂肪族アルコールの内少
なくとも1種とを含むため、従来のH会合体よりも長波
長に吸収ピークを有するH会合体を形成することができ
る。さらにその組成物と、炭化水素あるいはエーテル系
材料との混合によりさらに長波長にH会合体を形成する
ことができ、これを用いて光学記録媒体を構成すると
き、その工業的価値は大である。
成物は、1位にメチル基、8位にアルカノイルオキシメ
チル基、5’位と7’位とにハロゲンを有するスピロピ
ランと、脂肪族エステルまたは脂肪族アルコールの内少
なくとも1種とを含むため、従来のH会合体よりも長波
長に吸収ピークを有するH会合体を形成することができ
る。さらにその組成物と、炭化水素あるいはエーテル系
材料との混合によりさらに長波長にH会合体を形成する
ことができ、これを用いて光学記録媒体を構成すると
き、その工業的価値は大である。
【図1】本発明の実施例1で用いたスピロピラン(BS
P0122)とステアリン酸メチル混合膜の記録膜の可
視吸収スペクトル
P0122)とステアリン酸メチル混合膜の記録膜の可
視吸収スペクトル
【図2】本発明の実施例1で用いたスピロピラン(BS
P0122)とステアリン酸メチルとエイコサン混合膜
の記録膜の可視吸収スペクトル
P0122)とステアリン酸メチルとエイコサン混合膜
の記録膜の可視吸収スペクトル
A 初期状態 B 記録後 C 消去後
Claims (5)
- 【請求項1】下記一般式(化1)で示されるスピロピラ
ンと、脂肪族エステルあるいは脂肪族アルコールの内の
少なくとも何れか1種とを含む組成物よりなることを特
徴とするフォトクロミック組成物。 【化1】 - 【請求項2】組成物が、炭化水素あるいはエーテル基含
有化合物の内少なくとも何れか1種を含むことを特徴と
する、請求項1記載のフォトクロミック組成物。 - 【請求項3】Rが炭素数9以上のアルキル基であること
を特徴とする、請求項1記載のフォトクロミック組成
物。 - 【請求項4】一般式(化1)で示されるスピロピラン
と、脂肪族エステルあるいは脂肪族アルコールの内少な
くとも何れか1種とを含む組成物を、記録層に用いたこ
とを特徴とする光学記録媒体。 - 【請求項5】記録層に、炭化水素あるいはエ−テル基含
有化合物の内少なくとも何れか1種を含むことを特徴と
する、請求項4記載の光学記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4081810A JP2962035B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | フォトクロミック組成物とそれを用いた光学記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4081810A JP2962035B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | フォトクロミック組成物とそれを用いた光学記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05279660A JPH05279660A (ja) | 1993-10-26 |
| JP2962035B2 true JP2962035B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13756854
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4081810A Expired - Fee Related JP2962035B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | フォトクロミック組成物とそれを用いた光学記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2962035B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102007404A (zh) * | 2008-04-16 | 2011-04-06 | 巴斯夫欧洲公司 | 优化的时间-温度指示剂 |
-
1992
- 1992-04-03 JP JP4081810A patent/JP2962035B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05279660A (ja) | 1993-10-26 |
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