JP2977624B2 - グリース組成物 - Google Patents
グリース組成物Info
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Description
を有し、かつ、低温から高温まで広い温度範囲で使用可
能なグリース組成物に関するものである。
多い。この中の代表的なものに転がり軸受が挙げられ
る。特に、はじめからグリースを充填し、ゴムシールあ
るいは、金属シール等でグリースを密封した密封転がり
軸受の性能は、その使用しているグリースの種類によっ
て決まるところが大きいと言われている。この密封軸受
用グリースに対する要求は、軸受の使用箇所によって様
々である。最近の動向については、「中道治:月刊トラ
イボロジ5(1988) 11 」に詳しく記載されているが、お
おむね高温長寿命性、低温起動性、低漏洩性、低騒音性
などが求められる。これらの要求性能を、その価格面を
含め全て満足するグリースは無いのが現状であるが、上
記文献にも記載されている通り、密封転がり軸受には基
油にエステル系合成油を使用したグリースが多用されて
いる。同書によると、低温から高温まで使用可能とした
ワイドレンジグリースとしてリチウム石けんを増ちょう
剤としたものや、高温長寿命グリースとして、ジウレア
化合物を増ちょう剤としたグリースがエステル系合成油
を使用しているグリースとして記載されている。これら
に使用されている基油は、エステル系合成油の中でもペ
ンタエリトリットの脂肪酸エステルが主である。ペンタ
エリトリットの脂肪酸エステルは、低温からある程度の
高温まで使用可能であり、均整のとれた性能を示す。鉱
油に比べて、低温性・耐熱性に優れるのは言うまでもな
く、ジエステル系合成油と比べては、耐熱性に優れる。
これは、β炭素が第四級炭素であるためと言われてい
る。本出願人による特開平1−259097号公報およ
び特願平1−162703号明細書に高温用グリースの
基油として使用されているアルキルジフェニルエーテル
油は、耐熱性には優れているものの低温性に劣り、 -40
℃での使用は不可である。さらに、エステル系合成油
は、油性に優れており、ポリαオレフィン油、シリコー
ン油と比べて潤滑性に優れている。
増ちょう剤との相溶性がある。例えば、増ちょう剤とし
て広く使用されているリチウム12ハイドロキシステアレ
ートは、エステル系合成油に 210〜240 ℃で完全に溶解
する。グリース製造工程で増ちょう剤を完全に溶解する
ことは、均質なグリースを得、またグリース中のきょう
雑物をろ過によって除ける利点がある。これは、グリー
スの低騒音性に良好な結果を与える。しかし、ポリαオ
レフィン油は、リチウム12ハイドロキシステアレートを
溶解しない事より得られたグリースは、低騒音性に劣
る。
性の大きい基油ほど溶解性が大きく、良溶媒となる。従
って、低騒音性を要求されるグリースにもエステル系合
成油は最適と言うことができ、本出願人による特開昭6
3−162790号公報に示したウレア系グリースに対
しても最も優れた基油となる。
ある程度の高温まで広い温度範囲で使用可能であり、油
性に優れ、増ちょう剤に対し良溶媒となり、低騒音性に
優れたグリースを提供し得るペンタエリトリットの脂肪
酸エステルも高粘度のものができないという欠点を有し
ている。粘度の変更は脂肪酸の種類の変更によるが、 -
40℃での使用を前提とすると、40℃の動粘度が30〜35 c
Stが限界である。従って、ペンタエリトリットの脂肪酸
エステルを基油としたグリースは、高荷重下および、高
温下、即ち油膜厚さが問題とされる条件での使用が難し
く、耐熱性の限界もこの点に起因するとされている。
は、低温性を損ねることなしにペンタエリトリットの脂
肪酸エステルより高粘度のエステル系合成油を基油とす
ることで、高温下が長寿命を有し、かつ、低温から高温
まで広い範囲で使用可能なグリース組成物を得ることに
ある。
う剤を含有する密封軸受用グリース組成物において、基
油が、40℃の動粘度が50cSt以上であり、流動点が-35℃
以下のジペンタエリトリットと炭素原子数3〜10の脂肪
酸とのエステルであり、増ちょう剤がリチウム石けん又
はウレアであることを特徴とする密封軸受用グリース組
成物である。本発明に使用されるジペンタエリトリット
の脂肪酸エステルは、反応式(1)により合成されるも
ので、原料となるジペンタエリトリットは、ペンタエリ
トリットの2分子縮合体で、工業用ペンタエリトリット
中に10〜15%含まれ、分別結晶により得られるものであ
る。
ルを潤滑油として使用することは以前より考えられてい
たが、実際に潤滑油として使用した例は殆ど無く、まし
てやグリースの基油としての使用は皆無である。これ
は、立体障害等の問題で反応式(1)に示す反応が難し
いこと、原料のジペンタエリトリットが高価であること
などの理由で、合成そのものが十分に検討された事がな
かった為と考えられる。
テルの合成に使用する脂肪酸は、天然品、合成品、およ
び直鎖状、分枝状の区別なく、炭素原子数3〜10の脂
肪酸であればすべて使用可能である。また、増ちょう剤
としては、リチウム石けん、ジウレア、トリウレア、ポ
リウレア等のウレア系増ちょう剤が使用可能である。
してジペンタエリトリットの脂肪酸エステルを使用する
ことを特徴とするが、他種の基油との併用も可能であ
り、例えば使用できる基油は、鉱油、ジエステル油、ジ
ペンタエリトリットエステル以外のヒンダードエステル
油、ポリαオレフィン油、フェニルエーテル系合成油、
シリコーン油等が挙げられる。また、本発明によるグリ
ース組成物には必要に応じて酸化防止剤、錆止め剤、極
圧・耐摩耗剤、油性剤、固体潤滑剤等の添加剤を添加す
ることができる。
酸エステルは、原料アルコールにジペンタエリトリット
を使用したことで、従来のペンタエリトリットエステル
より、高分子量化することが可能となり、高粘度化を実
現でき、本発明による該グリースの耐熱性を向上した。
また、低温性を損ねることもなかった。ペンタエリトリ
ットエステルを同様に高分子量化するには、反応する脂
肪酸の分子量を大きくすることが考えられるが、これ
は、低温性を損なうことが既知である。この現象は、さ
したる確証はないが、以下のように考えられている。ペ
ンタエリトリットエステルは、β位に第四級炭素をもつ
ことで、分子内の自由な回転が可能であるため、低温で
も固化しにくいが、脂肪酸を大きくすると、その立体障
害から、低温での流動性に欠けてくる。しかしながら、
ジペンタエリトリットエステルでは、分子内にβ位の第
四級炭素を2つもつことで、自由な回転を維持しながら
分子量を大きくすることができる。この場合、脂肪酸の
分子量は小さくするか又は、変更せずに済むので、立体
障害の影響は避けられるために、低温性を損ねる割合は
小さいと推論される。
な油性、増ちょう剤に対する良溶媒という特性も維持さ
れている。
体的に説明する。
を評価した。 (イ)混和ちょう度 ・・・ JIS K 2220 による (ロ)きょう雑物 ・・・ JIS K 2220 による (ハ)低温トルク ・・・ JIS K 2220 による (ニ)軸受音響試験 ・・・アンデロンメーターにより
試験した。 試験条件:軸受 608, 回転数 1800 rpm スラスト荷重 2 kgf グリース充填量 0.35ml 評 価:ノイズ数、アンデロンレベルの結果より点数
(100点満点)で示す。 (ホ)軸受潤滑寿命試験:ASTM D 1741 による。 但し、試験温度は 150又は180 ℃
を増ちょう剤とした場合(実施例1,比較例1〜4) リチウム12ハイドロキシステアレート(以下Li(OH)Stと
略記) を増ちょう剤とした場合の結果を表2に示す。
尚、表に示したグリースは全て、以下の方法で製造し
た。表中の基油全量にLi(OH)St全量を加え、撹拌しな
がら加熱した。 210〜240 ℃で完全溶解したならば、
1000メッシュに流し、これを通過させ、冷却した。こ
れを3段ロールミルで混練した。但し、比較例3は上記
で 240℃でも完全溶解まで達せず、1000メッシュ上で
Li(OH)Stが析出、滞留してしまい通過不能であったた
め、メッシュは通過させず、冷却、に移行した。
合(実施例2、比較例5〜8) ジウレア化合物の中で、末端脂環式ジウレアを増ちょう
剤とした場合の結果を表3に示す。表に示したグリース
は全て、以下の方法で製造した。表中の基油半量に、
シクロヘキシルアミン 132.6g をとり、70〜80℃に加温
した。別容器に基油半量とジフェニルメタン4,4´
−ジイソシアネート 167.4g をとり、70〜80℃に加温
し、これを反応容器に加え、30分間撹拌した。 165℃
迄昇温しながら撹拌を続け、放冷した。これを3段ロ
ールミルで混練した。
のグリース組成物は、基油としてジペンタエリトリット
の脂肪酸エステルを使用したことにより、高温下におい
て長寿命を有し、かつ低温から高温まで広い温度範囲で
使用を可能にした。
ースは、ペンタエリトリットの脂肪酸エステルより高温
下の軸受潤滑試験で長寿命を有し、かつ低温トルクの増
加も僅かであった。他の基油との比較では、増ちょう剤
の種類によらず鉱油、アルキルジフェニルエーテル油の
使用により低温トルクが低く、PAOより高温下の軸受
潤滑寿命が長く、均整のとれた性能を示している。ま
た、製造工程中、Li(OH)Stを完全に溶解し、メッシュ通
過によりきょう雑物を除去でき、低騒音性に優れるグリ
ースを得ることができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 基油と増ちょう剤を含有する密封軸受用
グリース組成物において、基油が、40℃の動粘度が50cS
t以上であり、流動点が-35℃以下のジペンタエリトリッ
トと炭素原子数3〜10の脂肪酸とのエステルであり、増
ちょう剤がリチウム石けん又はウレアであることを特徴
とする密封軸受用グリース組成物。 - 【請求項2】 増ちょう剤がリチウム12ハイドロキシス
テアレートである請求項1記載の密封軸受用グリース組
成物。 - 【請求項3】 増ちょう剤がジウレア化合物である請求
項1記載の密封軸受用グリース組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4140791A JP2977624B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | グリース組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4140791A JP2977624B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | グリース組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04236298A JPH04236298A (ja) | 1992-08-25 |
| JP2977624B2 true JP2977624B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=12607508
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4140791A Expired - Lifetime JP2977624B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | グリース組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2977624B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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|---|---|---|---|---|
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-
1991
- 1991-01-18 JP JP4140791A patent/JP2977624B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04236298A (ja) | 1992-08-25 |
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