JP2980362B2 - シアル酸含量の高いグリコオリゴペプチド混合物及びその製造法 - Google Patents
シアル酸含量の高いグリコオリゴペプチド混合物及びその製造法Info
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Description
混合物及びその製造法に関する。
特に断りのない限り同じ)を占め、分子中に糖鎖を有
し、人乳カゼイン中には高濃度に含まれ、各種の生理活
性を有することが知られている。κ−カゼインは、レン
ネットによりフェニルアラニン−メチオニンの結合が加
水分解され、パラκ−カゼイン及びグリコマクロペプチ
ドに分解されることが既に知られている[ジャーナル・
オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistr
y)、第111巻、第333ページ、1980年]。
イン)及びシアル酸結合蛋白質をプロテアーゼ処理して
得られるシアル酸結合ペプチド(具体的にはκ−カゼイ
ンをレンネットで加水分解したグリコマクロペプチド)
の利用については、例えば、特開昭63−284133号公報
(感染防御剤)、特開平1−163110号公報(皮膚老化防
止剤)、特開平1−163112号公報(抗色素沈着剤)、特
開平1−163114号公報(養毛剤)、特開平1−163125号
公報(抗炎症剤)、及び特開平2−207089号公報(細菌
毒素中和剤)等の発明が開示されている。
子量が7000〜20000と大きく、抗原性が残存しているの
で、これらを利用するうえで種々の問題があった。
公報には、シアル酸結合蛋白質にプロテアーゼを作用さ
せ、得られた生成物をゲル濾過、イオン交換クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の分画
手段によってシアル酸結合ペプチドが得られる旨の記載
がある。しかし、得られたシアル酸結合蛋白質における
シアル酸含量については、前者においては5g/100g以上
との記載はあるが本発明におけるように20g/100gもの値
を示唆する記載はなく、後者においては全く記載がな
い。また、加水分解の方法及び条件、分離,精製の方法
及び条件、特にシアル酸含有量の高いペプチドの分離,
精製の方法及び条件、得られたペプチドの特性等につい
て具体的な説明はなされておらず、感染防御及び細菌毒
素中和の効果の試験により確認しているのは、κ−カゼ
インにレンネットを作用させて得られるグリコマクロペ
プチド(及びパラκ−カゼイン)のみである。
分解して得られる親水性の画分(グリコポリペプチド)
をプロテアーゼを用いて加水分解し、フィッシャー値
(芳香族アミノ酸のモル含量で分枝アミノ酸のモル含量
を除した値)が30から60の範囲であるペプチド混合物及
びその製造法を発明し、既に特許願を提出した(平成1
年特許出願第119194号、以下この出願の発明を先発明と
記載する)。先発明のペプチド混合物は、フィッシャー
値に注目したものであって、肝疾患用の栄養剤、特に経
口栄養剤として用いられることを意図しており、その製
品は消化,吸収が良く、風味が優れている等の効果を有
する。
について更に研究を行った結果、先発明におけるペプチ
ド混合物の分子量分布100〜6000の各種画分[これらの
試料における分子量分布は、反応時間(分解率)を変更
することによって得られたものであって、分子量分画に
よって分画したものではない。上記先発明の明細書、試
験例1、及び表1参照]の中で分子量分布が500〜2000
の画分にシアル酸含量の高いペプチドが存在することを
発見した。
ドのプロテアーゼによる加水分解、次いで限外濾過,ゲ
ル濾過,又は遠心分離等を行い、分子量分布500〜2000
の画分を採取することにより、目的とするシアル酸含量
の高いグリコオリゴペプチド混合物を分離することに成
功し、本発明を完成した。
りも分子量が低く、シアル酸含量が高く、実質的に抗原
性がなく、かつ生理活性が高いグリコオリゴペプチド混
合物を提供すること、及びκ−カゼインを原料とする上
記グリコオリゴペプチド混合物の製造法を提供すること
である。
質を有するシアル酸含量の高いグリコオリゴペプチド混
合物が提供される。即ち、 (a)分子量分布が500〜2000であること、 (b)シアル酸含量が20g/100g以上であること、 (c)シアル酸/窒素の分子数比が0.08以上であるこ
と、 (d)アミノ酸残基の数が5〜20であって、グルタミン
酸,スレオニン,セリン,プロリン,アラニン,バリ
ン,アスパラギン酸,イソロイシン,グリシンを主たる
構成アミノ酸とすること、 (e)エライザ(ELISA:Enzyme Linked Immuno Sorbent
Assey)抑制試験法により測定した抗原残存活性が10-5
以下であること。
り加水分解し、得られた加水分解物から分子量約7000前
後のグリコポリペプチド含有画分を分取し、分取された
画分に含まれるグリコポリペプチドをプロテアーゼによ
り加水分解し、得られた加水分解物から分子量500〜200
0の画分を採取する。それによってシアル酸含量の高い
グリコオリゴペプチド混合物が得られる。
合物の製造に使用される出発原料は、κ−カゼインであ
る。κ−カゼインは公知のいかなる方法によっても得ら
れるが、例えば、特開昭59−914848号公報記載の方法、
特公昭59−48964号公報記載の方法、ギルダール等(Gir
dhal et al)の方法[ジャーナル・オブ・フード・サイ
エンス(Journal of Food Science)第43巻、第397ペー
ジ、1978年]等があり、主として獣乳から調製すること
ができる。
し、反応液を加熱して酵素を失活させ、凝集して沈澱す
る疎水性のパラκ−カゼインを濾過又は遠心分離により
分離,除去し、親水性であり,かつシアル酸が結合して
いる分子量約7000前後のグリコポリペプチド含有画分を
分別し、この画分のグリコポリペプチドをプロテアーゼ
により加水分解し、ペプチド混合物を得る工程は、前記
先発明に記載された方法を適用することができる。
いるプロテアーゼは、レンネット以外のプロテアーゼで
あって、パンクレアチン等のエンドペプチダーゼが望ま
しい。この工程における加水分解の条件(例えば、酵素
の量、温度、pH,時間等)には特に制限は無いが、過度
の分解を避けるのが望ましい。加水分解の停止は、加熱
により行う。
とする分子量500〜2000の画分を分別する方法として
は、分子量分画が望ましい。分子量分画には限外濾過、
ゲル濾過、遠心分離等の公知の方法の何れもが採用でき
るが、限外濾過による方法が特に推薦される。尚、分子
量分画は、必要に応じて反復して行われる。
のペプチドを含有するか否かは、高速液体クロマトグラ
フィーにより確認することができる。同一の原料から同
一条件で反復して製造するときは、高速液体クロマトグ
ラフィーによる分子量分布の分析結果と対応する他の特
性値(例えば、電気伝導度、溶出容量等)又は条件(例
えば、分画の反復回数)を予め決定し、次回からはその
特性値又は条件を指標として、目的とする画分を採取す
ることができる。
方法により濃縮し、乾燥し、シアル酸含量が高いグリコ
オリゴペプチド混合物の濃縮物又は粉末を得ることがで
きる。
ド混合物の理化学的性状について記載する。上記により
得られたシアル酸含量が高いグリコオリゴペプチド混合
物は、アミノ酸残基数が5〜20であり、主たる構成アミ
ノ酸はグルタミン酸,スレオニン,セリン,プロリン,
アラニン,バリン,アスパラギン酸,イソロイシン,グ
リシンであり、分子量分布が500〜2000、シアル酸含量
が20g/100g以上、シアル酸/窒素の分子数比が0.08以上
のシアル酸結合オリゴペプチド混合物である(試験例1
参照)。
シアル酸結合ペプチドよりも分子量が低いので実質的に
抗原性がなく、シアル酸含量が従来のシアル酸結合ペプ
チドの6.2g/100g(シアル酸/窒素の分子数比は0.02)
に比較して3倍以上であり、生理活性が高い特徴を有す
る。
件を検討するために行った。
ドの加水分解物を調製した。ただし、分画を8回反復
し、各回における各内外液を試料とした。
(宇井信生等編、「タンパク質・ペプチドの高速液体ク
ロマトグラフィー」、化学増刊第102号、第241ページ、
株式会社化学同人、1984年)により次の条件で測定し、
分子量500未満のペプチド画分が全ペプチドに占める割
合を算出した。
割合が0%となった最初の試料について、次の方法によ
り窒素及びシアル酸の量、並びにアミノ酸組成を測定し
た。
ニコン社製)を用い、試料をケルダール分解し、分解液
のアンモニウムイオンを比色定量した。
ビツール酸を添加し、549nmで比色定量した。
酸アナライザー(HITACHI,835 Amino Acid Analyzer、
日立製作所社製)によりニンヒドリン発色して比色定量
した。
表す) (3−3)第6回内液のアミノ酸組成(モル%) アスパラギン酸 5.5 スレオニン 21.9 セリン 12.4 グルタミン酸 22.3 グリシン 4.5 アラニン 7.5 バリン 7.4 シスチン 0.1 メチオニン 0.4 イソロイシン 5.1 ロイシン 1.0 チロシン 0.7 フェニルアラニン 0.4 トリプトファン 0 リジン 1.4 ヒスチジン 0.2 アルギニン 0 プロリン 9.2 これらの結果から、分画操作を6回反復すれば、分子
量500未満のペプチド混合物が存在しなくなることが明
らかとなり、この試料の分子量分布は500〜2000であ
り、SA/N比は0.14であり、主たる構成アミノ酸はグルタ
ミン酸,スレオニン,セリン,プロリン,アラニン,バ
リン,アスパラギン酸,イソロイシン及びグリシンであ
ることが判明した。
(GOPと記載する)。
分解し、得られた加水分解物から沈澱を分離して得られ
た、親水性で,かつシアル酸が結合している分子量約70
00前後のグリコポリペプチド(GPPと記載する)。
プレート(ヌンク社製)に乳清蛋白質をコーティング
し、洗浄し、ウサギ抗乳清蛋白質血清と試料の混合液を
プレートの穴に供給して反応させ、洗浄後アルカリホス
ファターゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(ツァイメド・ラ
ボラトリー社製)を反応させ、のち洗浄し、p−ニトロ
フェニルリン酸ナトリウムを添加し、30分後に5N水酸化
ナトリウムを添加して反応を停止させ、反応生成物をマ
イクロプレートリーダー(MTP−32、コロナ電気社製)
で測定した。
た。即ち、GOPはカゼインの10万分の1の抗原性を示し
たのに対して、GPPはカゼインの約32分の1の抗原性を
示し、GOPの抗原性はGPPのそれに比して極めて低下して
いることが判明した。
に行った。
調製した。
リン酸緩衝液(pH7.0)に0.05%(W/V)の濃度で溶解し
た。
/V)の濃度で溶解した。
水に1%(W/V)の濃度で溶解した。
00単位/mg)を精製水に0.1%(W/V)の濃度で溶解し
た。
銅イオン溶液0.02mlを試験管に採取し、同温度に加温し
た酵素溶液0.08mlを添加し(全量2.0ml)、37℃で3分
間反応させた。次いで反応停止液2mlを添加して反応を
停止させ、分光光度計で波長640nmでの吸光度を測定し
た(この吸光度をBとする)。対照として試料溶液の代
わりに0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1.0mlを添加して同様
に処理し、吸光度を測定した(この吸光度をAとす
る)。尚、試験溶液が白濁している場合には、酵素溶液
の代わりに0.1Mリン酸緩衝液0.08mlを添加して同様に吸
光度を測定し(この吸光度をCとする)、反応液の濁り
部分に由来する吸光度を除去した。
(%)を次式により計算した。
から明らかなようにGOPのチロシナーゼ活性阻害率は各
濃度において、GPPのそれを上回り、GOPには顕著なチロ
シナーゼ活性阻害作用が認められた。
及び相当するオルソー2価フェノール類の分子状態酸素
による酸価を触媒する酵素であり、キノコ、ジャガイ
モ、リンゴ等多くの植物及び動物の組織に存在し、動物
においては組織特に皮膚表皮細胞のメラニン色素の形成
に関与していることが知られている(化学大辞典編集委
員会編、化学大辞典、第5巻、第976ページ、共立出
版、昭和35年)。皮膚又は粘膜にメラニンが沈着して黒
色を呈するアジソン病で皮膚の色が増加するのは、チロ
シナーゼ活性を促進するメラノトロピンと拮抗する副腎
皮質ホルモンの分泌減少に起因することも知られている
(化学大辞典編集委員会編、化学大辞典、第1巻、第65
ページ、共立出版、昭和35年)。更にチロシナーゼは、
食品の鮮度低下にも関与しているとも言われている。
プチド混合物は、種々の生理活性が期待できる。
する。尚、これらの参考例及び実施例は、説明のための
例示であって、本発明をそれらの参考例及び実施例に限
定するものではない。
0.5%水酸化ナトリウム水溶液に12%の濃度で加温しな
がら溶解し、得られた溶液のpHを8.0に調整した。この
溶液に40%塩化カルシウム水溶液248gを加え(最終濃度
0.3M)、60℃で15〜30分間撹拌してカルシウムと充分に
反応させ、溶液が均一状態となったのち、連続遠心分離
器を用いて上澄液を分取した。この上澄液を分画分子量
約6000のウルトラフィルトレーションモジュール(SIP
1013、旭化成工業社製)を用いてカルシウム濃度が初
濃度の1%以下に脱塩し、凍結乾燥し、純度約70%のκ
−カゼイン粉末約120gを得た。
粉末4000gを、5%の濃度で水に溶解し、pHを6.3に調整
し、市販の微生物由来レンネット(各糖産業社製)を25
00mg添加し、35℃で30分間反応させ、70℃で10分間加熱
して酵素を失活させ、遠心して上澄液を分離した。この
上澄液を分画分子量約3000のウルトラフィルトレーショ
ンモジュール(SPE 1013、旭化成工業社製)を用いて
蛋白質濃度を3.2倍に濃縮し、市販のプロテアーゼ(プ
ロテアーゼアマノA、天野製薬社製)0.5g及び乳酸菌体
懸濁液(固形分濃度8%)6.25gを添加し、51℃で20時
間反応させ、のち反応液を80℃で10分間加熱して酵素を
失活させ、4℃で2時間冷却し、ケイソー土20gを加え
て濾過し、得られた濾液1000gを分画分子量約3000のウ
ルトラフィルトレーションモジュール(SEO1013、旭化
成工業社製)を用いて分画した。第1回分画は上記水溶
液1000gをモジュールに循環させ、外液500mlを得るまで
継続し、次に内液(500ml)に蒸留水500mlを加え、第2
回分画は混合液をモジュールに循環させ外液が500mlと
なるまで継続し、以後第2回分画と同じ操作を更に4回
反復し、得られた内液350gを凍結乾燥し、シアル酸含量
の高いグリコオリゴペプチド混合物3.4gを得た。このシ
アル酸含量の高いグリコオリゴペプチド混合物について
前記試験例と同一の方法で測定した分子量分布、窒素と
シアル酸との比率、抗原性残存活性及びアミノ酸組成は
次のとおりであった。
す) アミノ酸組成(モル%) アスパラギン酸 5.4 スレオニン 21.7 セリン 12.6 グルタミン酸 22.0 グリシン 4.4 アラニン 7.6 バリン 7.4 シスチン 0.3 メチオニン 0.2 イソロイシン 4.7 ロイシン 0.9 チロシン 0.8 フェニルアラニン 0.5 トリプトファン 0.1 リジン 1.5 ヒスチジン 0.3 アルギニン 0.2 プロリン 9.4 発明の効果 本発明によって奏せられる効果は、次のとおりであ
る。
混合物は、実質的に抗原性がない。
混合物は、高い生理活性を有する。
Claims (2)
- 【請求項1】κ−カゼインの加水分解物であって、次の
(a)〜(e)、 (a)分子量分布が500〜2000であること、 (b)シアル酸含量が20g/100g以上であること、 (c)シアル酸/窒素の分子数比が0.08以上であるこ
と、 (d)アミノ酸残基の数が5〜20であって、グルタミン
酸、スレオニン、セリン、プロリン、アラニン、バリ
ン、アスパラギン酸、イソロイシン、グリシンを主たる
構成アミノ酸とすること、 (e)エライザ(ELISA:Enzyme Linked Immuno Sorbent
Assay)抑制試験法により測定した抗原残存活性が10-5
以下であること、 の理化学的性質を有することを特徴とするシアル酸含量
の高いグリコオリゴペプチド混合物。 - 【請求項2】κ−カゼインをレンネットにより加水分解
し、得られた加水分解物から分子量約7000前後のグリコ
オリゴペプチド含有画分を分取し、該画分に含まれるグ
リコオリゴペプチドをプロテアーゼにより加水分解し、
得られた加水分解物から分子量500〜2000の画分を採取
することを特徴とするシアル酸含量の高いグリコオリゴ
ペプチド混合物の製造法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2301417A JP2980362B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | シアル酸含量の高いグリコオリゴペプチド混合物及びその製造法 |
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