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JP2984112B2 - 骨充填材 - Google Patents
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JP2984112B2 - 骨充填材 - Google Patents

骨充填材

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JP2984112B2
JP2984112B2 JP3286868A JP28686891A JP2984112B2 JP 2984112 B2 JP2984112 B2 JP 2984112B2 JP 3286868 A JP3286868 A JP 3286868A JP 28686891 A JP28686891 A JP 28686891A JP 2984112 B2 JP2984112 B2 JP 2984112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体用移植材に関する
ものであり、更に詳しくは歯周骨欠損等、骨、歯の硬組
織に使用する骨充填材に関するものである
【0002】
【従来の技術】骨折や骨腫瘍の手術のために骨欠損や空
隙が生じることがある。このような骨欠損部や空隙を補
綴するために、近年人工の骨充填材料が開発されてい
る。その中でも、ハイドロキシアパタイト、トリカルシ
ウムフォスフェートなどのリン酸カルシウム系粉末が現
在、広く使用されており、また多くの動物実験が行われ
一般臨床にも用いられている。
【0003】特開昭62-221358 号及び特開平1-181871号
公報にはキチン、コラーゲン、ポリビニルアルコール等
の高分子材料とリン酸カルシウム系化合物を複合化した
骨充填材が提案しており、骨充填材の充填時の操作性の
改善、及び充填後の動揺を防ぐ為に毒性のない高分子材
料を用いている。
【0004】
【従来技術の課題】上記公報において説明される骨充填
材は、生体組織への充填時の移動、動揺を防止するため
に非常に有効なものであった。しかし、キチン、コラー
ゲンを用いた場合は骨組織の増殖生成を部分的には誘導
するが、その他の場合では骨組織の増殖生成の誘導がな
い。したがって十分な新成骨の増殖生成を誘導する骨充
填材の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための課題】上記課題を解決するた
め、本発明はリン酸カルシウム系粉末粒子とカルボキシ
ルメチルキチン並びにコラーゲン及び/又はゼラチンを
含む複合体とから成る骨充填材を提供する。
【0006】
【実施例】本発明者は、各種高分子材料について新成骨
の増殖生成について研究してきた。その中でキチン、及
びその誘導体であるカルボキシルメチルキチンへの新成
骨の増殖生成が良好であることを知見した。一般にキチ
ンは水との溶解が難しいく成形しにくいという不具合が
あるが、カルボキシルメチルキチンは水、エタノール等
の溶媒に容易に溶解し、膜状、スポンジ状に成形するこ
とができる。さらに、コラーゲン又はコラーゲンよりも
成形性がよく生体反応性が類似しているゼラチンと複合
化するとさらに新成骨の増殖生成が促進されることを知
見した。さらに、コラーゲン及びゼラチンを混合して使
用しても同様な結果であった。
【0007】この際、コラーゲン及び/又はゼラチンが
10wt%より少ないときには新成骨の増殖生成がカルボキ
シルメチルキチン単体と顕著な差が見られず、また50wt
%より多い時にはコラーゲン又はゼラチン単体と顕著な
差が見られなかった。
【0008】また、リン酸カルシウム系粉末としては、
ハイドロキシアパタイト、トリカルシウムフォスフェー
ト、リン酸カルシウム系ガラスが臨床応用されている。
疑似体液中での溶出実験によりトリカルシウムフォスフ
ェート、リン酸カルシウム系ガラス、及びハイドロキシ
アパタイトがカルシウム、リンの溶出に優れていること
を発見した。トリカルシウムフォスフェートが70wt%以
上では溶液が酸性に、又リン酸カルシウム系ガラスが20
wt%以上では浸漬液がアルカル性になっていしまう。生
体への補綴物が生体内で酸性やアルカリ性の物質を溶出
するのは生体に悪影響を与えるので好ましくない。その
ため上記リン酸カルシウム系粉末はトリカルシウムフォ
スフェート0 〜70wt%とリン酸カルシウム系ガラス0 〜
20wt%を含むものが好ましい。
【0009】一方、トリカルシウムフォスフェートとハ
イドロキシアパタイトは、リン酸水溶液中にCa( H O)
を滴下し得られた生成物を900 〜1300℃の温度で熱処理
することによって得られるが。トリカルシウムフォスフ
ェートは水と良く反応するので乾式粉砕し、ハイドロキ
シアパタイトは乾式、又は湿式の方法にて粉砕する。
【0010】また、リン酸カルシウム系ガラスとしては
バイオガラス又はアパタイトとウオラストナイトを含ん
だ結晶化ガラスを用いる。これらの材料も水と親和性を
有するので乾式粉砕する。
【0011】上述のような方法で得られたトリカルシウ
ムフォスフェートを0〜70wt%、リン酸カルシウム系ガ
ラス0 〜20wt%とハイドロキシアパタイトを含むリン酸
カルシウム系粉末を、コラーゲン及び/又はゼラチンを
10〜50wt%含むカルボキシルメチルキチン水溶液に浸漬
し、脱泡、風乾後100 〜160 ℃で真空熱架橋することに
よって骨充填材を得る。
【0012】実施例1 減菌水100ml にカルボキシルメチルキチン4gとゼラチン
2gを加え、カルボキシルメチルキチン/ ゼラチン溶液を
作製した。湿式粉砕した平均粒径5 μm の1000℃で焼成
したハイドロキシアパタイト60g と、乾式粉砕した平均
粒径55μm の1200℃で焼成したトリカルシウムフォスフ
ェート35g と、乾式粉砕した平均粒径45μm のアパタイ
ト/ ウオラストナイト混合粉から作製されるリン酸カル
シウム系結晶化ガラス5gを前記カルボキシルメチルキチ
ン/ ゼラチン溶液に浸漬し、脱泡、風乾後、140 ℃の温
度で24時間真空熱架橋した。その後350μm の平均粒
径に分級しカルボキシルメチルキチン複合体3とリン酸
カルシウム系粉末粒子2とから成る骨充填材1を作製し
た。
【0013】図1 及び図2 に示す如く、骨充填材1にお
いてはゼラチンを含んだ上記のカルボキシルメチルキチ
ン複合体3が充填後膨潤し、リン酸カルシウム系ガラス
2a、トリカルシウムフォスフェート2b、及びハイド
ロキシアパタイト2cのリン酸カルシウム系粉末粒子2
を包囲、固定する。なお、ハイドロキシアパタイト2c
は湿式粉砕された場合図1に示すように骨充填材1全体
に微細な粒子としてほぼ均一に分散する。
【0014】コントロールとして、水溶液のカルボキシ
ルメチルキチンで包囲されたハイドロキシアパタイト顆
粒(以下、ハイドロキシアパタイト顆粒と略称する)を
作製し、これと本発明の骨充填材1とを別々に家兎の大
腿骨に埋入し、経時的に観察した。埋入後、1週、4
周、8周後に屠殺し、周囲組織を検出しホルマリン液に
て固定した、脱灰後、樹脂包理、染色し、病理標本を作
製した。
【0015】〔埋入1週間後〕本発明の骨充填材1で
は、一部溶出が見られ、又周囲には新成骨、骨牙細胞の
生成が見られた。一方、比較例としてのハイドロキシア
パタイト顆粒の周囲にも若干の骨牙細胞生成が見られ
た。
【0016】〔埋入4週間後〕骨充填材1では、さらに
溶出が進み、周囲に活発な新成骨の増殖生成が見られ
た。一方比較例のハイドロキシアパタイト顆粒にも、周
囲に若干の新成骨の増殖生成が見られた。
【0017】〔埋入8週間後〕骨充填材1では、溶出が
見られなくなったが、周囲は新成骨に囲まれていた。
【0018】一方、比較例のハイドロキシアパタイト顆
粒の周囲では、一部繊維性組織が見られたが、増殖生成
した新成骨は一部を包囲するに過ぎなかった。
【0019】実施例2 滅菌水100ml にカルボキシルメチルキチン2gとコラーゲ
ン2gを加え、カルボキシルメチルキチン/ コラーゲン溶
液を作製した。乾式粉砕した平均粒径50μm の1000℃で
焼成したハイドロキシアパタイト20g と、乾式粉砕した
平均粒径40μmの1300℃で焼成したトリカルシウムフォ
スフェート35g と、乾式粉砕した平均粒径45μm のアパ
タイト/ ウオラストナイト混合粉から作製されるリン酸
カルシウム系ガラス30g を上記カルボキシルメチルキチ
ン/ コラーゲン溶液に浸漬し、脱泡、風乾後、100 ℃の
温度で12時間真空熱架橋した。その後500μm の平均
粒径に分級しカルボキシルメチルキチン複合体3とリン
酸カルシウム系粉末粒子2とから成る骨充填材1を作製
した。
【0020】上記骨充填材1 を、実験的に歯周病をおこ
させたビーグル犬の上顎の第4 臼歯部周囲に充填し、経
時観察を行った。
【0021】2 ヶ月までの観察では、骨充填材1の流出
はなく、又動揺もレントゲン検査では観察されなかっ
た。ビーグル犬の屠殺後、組織学的検索を行ったとこ
ろ、歯の周囲には新成骨の増殖生成が見られ、良好な歯
周支持組織が再生していることが認められた。
【0022】以上のように本発明の骨充填材1 は従来技
術であるカルボキシルメチルキチンにより包囲されたリ
ン酸カルシウム系粉末粒子よりなる骨充填材よりも優れ
た生体適合性、骨形成能を備えていることが証明され
た。
【0023】実施例3 滅菌水100ml にカルボキシルメチルキチン2gとコラーゲ
ン2gを加え、カルボキシルメチルキチン/ コラーゲン溶
液を作製した。乾式粉砕した平均粒径70μm の1000℃で
焼成したハイドロキシアパタイト35g と、乾式粉砕した
平均粒径60μmの1300℃で焼成したトリカルシウムフォ
スフェート50g を上記カルボキシルメチルキチン/ コラ
ーゲン溶液に浸漬し、脱泡、風乾後、100 ℃の温度で14
時間真空熱架橋した。その後450 μm の平均粒径に分級
しカルボキシルメチルキチン複合体3とリン酸カルシウ
ム系粉末粒子2とから成る骨充填材1を作製した。
【0024】図3に示す如く、骨充填材1においてはコ
ラーゲンを含んだ上記のカルボキシルメチルキチン複合
体3が充填後膨潤し、トリカルシウムフォスフェート2
b、及びハイドロキシアパタイト2cのリン酸カルシウ
ム系粉末粒子2を包囲、固定する。
【0025】上記骨充填材1 を、実験的に歯周病をおこ
させたビーグル犬の上顎の第4 臼歯部周囲に充填し、経
時観察を行った。
【0026】2 ヶ月までの観察では、骨充填材1の流出
はなく、又動揺もレントゲン検査では観察されなかっ
た。ビーグル犬の屠殺後、組織学的検索を行ったとこ
ろ、歯の周囲には新成骨の増殖生成が見られ、良好な歯
周支持組織が再生していることが認められた。
【0027】また、乾式粉砕した平均粒径45μm のアパ
タイト/ウオラストナイト混合粉から作製されるリン酸
カルシウム系ガラスと湿式粉砕した平均粒径50μm の10
00℃で焼成したハイドロキシアパタイトとを上記カルボ
キシルメチルキチン/コラーゲン溶液に浸漬し上述の方
法で作製した骨充填材1と、乾式粉砕した平均粒径45μ
m のアパタイト/ ウオラストナイト混合粉から作製され
るリン酸カルシウム系ガラス30g と乾式粉砕した平均粒
径60μm の1300℃で焼成したトリカルシウムフォスフェ
ート50g を上記カルボキシルメチルキチン/コラーゲン
溶液に浸漬し上述の方法で作製した骨充填材1について
上述の方法による動物実験においても同様な結果が得ら
れた。
【0028】実施例4 滅菌水100ml にカルボキシルメチルキチン2gとコラーゲ
ン1gとゼラチン1gを加え、カルボキシルメチルキチン/
コラーゲン/ ゼラチン溶液を作製した。乾式粉砕した平
均粒径80μm の1000℃で焼成したハイドロキシアパタイ
ト90g を上記カルボキシルメチルキチン/ コラーゲン溶
液に浸漬し、脱泡、風乾後、100 ℃の温度で13時間真空
熱架橋した。その後700μm の平均粒径に分級しカル
ボキシルメチルキチン複合体3とハイドロキシアパタイ
ト2cのリン酸カルシウム系粉末粒子2とから成る骨充
填材1を作製した。
【0029】図4 に示す如く、骨充填材1においてはコ
ラーゲンを含んだ上記のカルボキシルメチルキチン複合
体3が充填後膨潤し、ハイドロキシアパタイト2cのリ
ン酸カルシウム系粉末粒子2を包囲、固定する。
【0030】上記骨充填材1 を、実験的に歯周病をおこ
させたビーグル犬の上顎の第4 臼歯部周囲に充填し、経
時観察を行った。
【0031】2 ヶ月までの観察では、骨充填材1の流出
はなく、又動揺もレントゲン検査では観察されなかっ
た。ビーグル犬の屠殺後、組織学的検索を行ったとこ
ろ、歯の周囲には新成骨の増殖生成が見られ、良好な歯
周支持組織が再生していることが認められた。
【0032】また、乾式粉砕した平均粒径45μm のアパ
タイト/ ウオラストナイト混合粉から作製されるリン酸
カルシウム系ガラスを上記カルボキシルメチルキチン/
コラーゲン/ ゼラチン溶液に浸漬し上述の方法で作製し
た骨充填材1と、乾式粉砕した平均粒径60μm の1300℃
で焼成したトリカルシウムフォスフェートを上記カルボ
キシルメチルキチン/コラーゲン溶液に浸漬し上述の方
法で作製した骨充填材1について上述の方法による動物
実験においても同様な結果が得られた。
【0033】なお、本発明の骨充填材1は商品として、
図5に示すようにリン酸カルシウム系粉末粒子2とカル
ボキシルメチルキチン複合体3の粒子が混在している状
態のもとに、又は図6に示すようにリン酸カルシウム系
粉末粒子2の表面にカルボキシルメチルキチン複合体3
をコーティングした状態のものがビンなどの容器Yの中
に入れられ販売されたり保存される。
【0034】以上のように本発明の骨充填材1 は従来技
術であるカルボキシルメチルキチンにより包囲されたリ
ン酸カルシウム系粉末粒子よりなる骨充填材よりも優れ
た生体適合性、骨形成能を備えていることが証明され
た。
【0035】
【発明の効果】本発明の骨充填材1 を用いれば生体にと
って毒性もなく、充填後の動揺、流出もなく新成骨の増
殖生成の見られるインプラントが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】湿式粉砕したハイドロキシアパタイトを用いた
本発明骨充填材の充填後の状態を示す一部拡大断面図で
ある。
【図2】乾式粉砕したハイドロキシアパタイトを用いた
本発明骨充填材の充填後の状態を示す一部拡大断面図で
ある。
【図3】本発明骨充填材の充填後の状態を示す一部拡大
断面図である。
【図4】本発明骨充填材の充填後の状態を示す一部拡大
断面図である。
【図5】本発明骨充填材の商品段階での一態様を示す一
部拡大断面図である。
【図6】本発明骨充填材の商品段階での別態様を示す一
部拡大断面図である。
【符号の説明】
1: 骨充填材 2a: リン酸カルシウム系ガラス 2b: トリカルシウムフォスフェート 2c: ハイドロキシアパタイト 3: カルボキシルメチルキチン複合体 Y: 容器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム系粉末粒子とカルボキシ
    ルメチルキチン並びにコラーゲン及び/又はゼラチンを
    含む複合体とから成る骨充填材。
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