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JP2986243B2 - レトルト食品米飯類の製造方法 - Google Patents
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JP2986243B2 - レトルト食品米飯類の製造方法 - Google Patents

レトルト食品米飯類の製造方法

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JP2986243B2
JP2986243B2 JP3110787A JP11078791A JP2986243B2 JP 2986243 B2 JP2986243 B2 JP 2986243B2 JP 3110787 A JP3110787 A JP 3110787A JP 11078791 A JP11078791 A JP 11078791A JP 2986243 B2 JP2986243 B2 JP 2986243B2
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仁 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレトルト食品米飯類の製
造方法に関し、詳しくは手作り製品(粥等)と同様の食
味を有するレトルト食品米飯類、特に粥類の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に粥等のレトルト食品米飯類は、洗米・浸漬した米を計
量し、これと酸素除去処理を行わない水を容器に充填・
密封した後、調理と殺菌を同時に行って製造されてい
る。このようにして得られたレトルト食品米飯類は、手
作りのものに比べ簡便性の観点から一般に喫食される機
会が多いが、家庭で作る米飯類のような米独特の香り
(炊飯臭)が弱く、ムレ臭様のレトルト臭があるため、
必ずしも良い評価を得ていなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題を解決したレトルト食品米飯類の製造方法を確立
すべく鋭意検討した結果、調理の温度パターンを手作り
製品の温度パターンに類似させ、使用する水等の酸素量
を調整することにより風味の良いレトルト食品米飯類が
得られることを見出し、本発明を完成した。
【0004】すなわち、本発明は第1に洗米・浸漬した
精米を水と共に耐熱性があり、実質的に酸素透過性のな
い容器に充填した後、加圧加熱殺菌処理を行うレトルト
食品米飯類の製造方法において、レトルトによる調理と
殺菌を、製品の品温を0〜40℃とし、100℃までの
昇温時間を8〜12分とすることを特徴とするレトルト
食品米飯類の製造方法を提供すると共に、第2に洗米・
浸漬した精米を水と共に耐熱性があり、実質的に酸素透
過性のない容器に充填した後、加圧加熱殺菌処理を行う
レトルト食品米飯類の製造方法において、容器内の酸素
量を常温で生米100gあたり2〜10mgとなるよう
にヘッドスペース中の酸素量及び水中の酸素量を調整す
ると共に、レトルトによる調理と殺菌を、製品の品温を
0〜40℃とし、100℃までの昇温時間を8〜12分
とすることを特徴とするレトルト食品米飯類の製造方法
をも提供するものである。
【0005】本発明においてレトルト食品米飯類とは、
粥等の米と水の比率が米:水=1:5以上のものをい
う。
【0006】レトルト食品米飯類における食味の低下
は、調理の温度パターンあるいは加圧加熱殺菌処理中の
熱や酸素により米の成分の一部と反応して生成した物
質,分解した物質等が原因と考えられる。
【0007】通常の米の調理においては、加熱開始から
100℃までの加熱上昇期にかかる時間は10分程度が
適切であることが知られている。この時間が10分より
短い場合、米の吸水が悪く十分に糊化せず米の膨潤が十
分でないため食味の低下を招く。一方、10分よりも長
い場合、沸騰前に吸水が進み容器内での米の対流が見ら
れないため、米の硬さや水分にムラが生じる。従来は、
レトルトによる調理と殺菌を行う際の初期品温(加熱開
始)から100℃までの昇温時間が2〜3分と短かった
ため、食味の低下を招いていた。
【0008】そこで、本発明の第1ではレトルトによる
調理と殺菌、すなわち加圧加熱殺菌処理工程での温度パ
ターンを初期品温(加熱開始)から100℃までの昇温
時間を8〜12分とすることにより、食味を向上させる
ことに成功した。
【0009】一方、米飯の香気については、以下の知見
が得られている。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】上記反応により生じたH2 S,NH3,CH
3 CHOの3者が香気の主成分であり、適当な割合で混
合すると米飯の香気を呈することがわかっている。すな
わち、硫化水素,アンモニア,カルボニル化合物が米飯
香気の必須成分であると考えられる。また、特開平2─
16943号公報において加圧加熱殺菌処理を行うこと
により生じるレトルト臭は、中鎖アルデヒドに起因する
と報告されている。通常の米の調理の場合は、レトルト
食品米飯類のように完全密封系で作られないので、調理
初期に一定量以上の酸素が存在しても、水から100℃
までの加熱する過程で、香気成分が出現する前に水中の
溶存酸素かつヘッドスペース中の酸素が追い出され、そ
れが原因となり食味を低下させるとは考えられない。
【0013】しかしながら、レトルト食品米飯類は完全
密封系で製造されるため、適正な酸素量が必要である。
適正な酸素量より過剰又は未満の場合香気成分の適当な
バランスをくずし、食味が低下すると考えられる。
【0014】レトルト食品米飯類の食味に影響を及ぼす
酸素は、容器に充填するときのヘッドスペースと使用す
る水の両方に含まれる。通常のレトルト食品米飯類の製
造においては、ヘッドスペースの調整は充填装置の脱気
装置(押さえ板)等により行われ、250g入り容器の
場合空気として3〜5ccに調節することが可能である。
ヘッドスペースが3cc未満の場合は、製品の製造工程
上、密封不良を招く危険性があり、一方5ccを超える
と、従来でも製品の品質としては良い評価が得られてい
ないので好ましくない。そこで、本発明ではヘッドスペ
ースの調整は常法通りに行い、使用する水の酸素量を後
述する方法により調整する。
【0015】本発明の第2では、容器内の酸素量が生米
100g当たり2〜10mgとなるようにヘッドスペース
中の酸素量と水中の酸素量を調整すること以外は、前記
本発明の第1の方法と同様にして行うことにより、手作
り製品と同様の香気を有する製品を得ることができる。
【0016】使用する水の酸素量を調整する方法は、既
知の手法により行えばよく、例えば脱酸素水製造装置を
使用したり、水を高温にして使用したり、N2 置換する
ことなどの方法を適用することができる。
【0017】上記した通り、レトルト食品米飯類の製造
にあたって、本発明の第1ではレトルトによる調理と殺
菌、すなわち加圧加熱殺菌処理工程での温度パターンを
初期品温(加熱開始)から100℃までの昇温時間を8
〜12分とし、また本発明の第2ではヘッドスペース中
の酸素量と水中の酸素量を調整し、かつレトルトによる
調理と殺菌、すなわち加圧加熱殺菌処理工程での温度パ
ターンを、初期品温(加熱開始)から100℃までの昇
温時間を8〜12分とすることを特徴とし、それ以外は
通常のレトルト食品米飯類の製造方法によればよい。
【0018】本発明をより具体的に説明すると、精白米
を3回程度洗米し、120分程度水中に浸漬したのち十
分水切りを行い、この米と水(本発明の第2では酸素量
を調整した水を用いる)を計量して耐熱性があり、実質
的に酸素透過性のない容器へ充填・密封シールし、上記
したレトルト条件下で調理と殺菌を同時に行った後、冷
却すればよい。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。
【0020】実施例 以下に示す方法により、250g容量の白がゆ7分がゆ
のレトルトパウチ食品を製造した。原料精米を丁寧に3
回洗米した後、浸漬し、30分間ザルで自然脱水させ
た。洗米・浸漬により吸水し生米26.5gは33.1
gとなったので、増加した重量分を水で調整した。この
ようにして調整した生米と水を生米:水=1:7となる
ように計量し、耐熱性があり、実質的に酸素透過性のな
い容器に充填し、製品1〜2はヘッドスペース中の空気
量が3〜5ccとなるように密封シールし、また、製品3
〜4は、ヘッドスペース中のガスをN2 とし、その量が
3〜5ccとなるように密封シールした。次いで、密封シ
ール品をレトルトにより調理と殺菌(加圧加熱殺菌処
理)を同時に行った後、これを冷却して250g容量の
白がゆ7分がゆのレトルトパウチ製品1〜4を得た。た
だし、製品1は従来法に従い通常の水を用い、初期品温
(加熱開始)から100℃までの昇温時間を2〜3分間
とし、次いで120℃にて25分間本殺菌をした。製品
2は通常の水を用い、初期品温(加熱開始)から100
℃までの昇温時間を8〜12分間とし、次いで121℃
にて8分間本殺菌をした。製品3は水として、水中の溶
存酸素量を約0.7〜1.5mg/lとなるように調整し
た脱気水を用い、初期品温(加熱開始)から100℃ま
での昇温時間を8〜12分間とし、次いで121℃にて
8分間本殺菌をした。製品4は水として、水中の溶存酸
素量を約3〜7mg/lとなるように調整した脱気水を用
い、初期品温(加熱開始)から100℃までの昇温時間
を8〜12分間とし、次いで121℃にて8分間本殺菌
をした。
【0021】得られた4種類の白がゆ7分がゆレトルト
パウチ製品および手作り製品について、官能パネル10
名により、下記に示す評価項目およびカテゴリーにより
単一試料法で官能評価を実施した。結果を表1に示す。
なお、表中の数値はパネル10名の平均値である。
【0022】
【0023】
【表1】表 1
【0024】表1の評価結果より、従来の製造方
法と比べて調理と殺菌の温度パターンを変更する(製品
2)だけでも評価は良くなることが認められる。さら
に、容器内の酸素量を調整すると、評価はより良くなる
ことが認められる。
【0025】炊飯香気や風味の面においては、従来法の
場合(製品1)はレトルト臭を有しており、それが異風
味であると認知された。調理と殺菌の温度パターンのみ
を変更した場合(製品2)もそれと同様の傾向にあった
が、従来の製造方法ほど悪くはなかった。容器内の生米
100g当りの酸素量を極端に少なく調整した場合(製
品3)、炊飯臭の強さは手作り製品以上を有していた
が、炊飯臭の好ましさは製品1および2以下であった。
これは製品1および2で認知されたレトルト臭とは異な
り硫化水素臭または硫黄臭を有し、これらがあまりにも
強く、好ましくないため、異風味と認知され、総合評価
を下げていた。また、容器内の生米100g当たりの酸
素量を調整した場合(製品4)は、炊飯臭の強さや炊飯
臭の好ましさは手作り製品に近づき、硫化水素臭または
硫黄臭を有していたが、レトルト臭は感じられず、異風
味については手作り製品と同等であった。
【0026】これらのことより、調理と殺菌の温度パタ
ーンを変更するか、あるいは調理と殺菌の温度パターン
を変更し、かつ容器内の酸素量を調整することによりレ
トルト臭のない手作り製品に近い製品を製造することが
できることがわかった。また、米飯の香気主成分である
硫化水素,アンモニア,アルデヒド(カルボニル化合
物)の割合は、容器内の酸素量に影響されるものと思わ
れた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、調理の温度パターンを
手作り製品の温度パターンに類似させ、さらには容器中
の酸素量を調整するという簡単な方法により、手作り製
品と同様の食味を有する商品価値の高い風味の良いレト
ルト食品米飯類を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 直哉 神奈川県川崎市高津区下野毛2丁目12番 1号 クノール食品株式会社内 (72)発明者 佐々木 仁 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 松尾 則繁 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−249462(JP,A) 特開 昭63−36750(JP,A) 特開 平2−16943(JP,A) 特開 昭62−51959(JP,A) 特開 昭58−179445(JP,A) 特公 昭42−27282(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗米・浸漬した精米を水と共に耐熱性が
    あり、実質的に酸素透過性のない容器に充填した後、加
    圧加熱殺菌処理を行うレトルト食品米飯類の製造方法に
    おいて、レトルトによる調理と殺菌を、初期品温を0〜
    40℃とし、100℃までの昇温時間を8〜12分とす
    ることを特徴とするレトルト食品米飯類の製造方法。
  2. 【請求項2】 洗米・浸漬した精米を水と共に耐熱性が
    あり、実質的に酸素透過性のない容器に充填した後、加
    圧加熱殺菌処理を行うレトルト食品米飯類の製造方法に
    おいて、容器内の酸素量を常温で生米100gあたり2
    〜10mgとなるようにヘッドスペース中の酸素量及び
    水中の酸素量を調整すると共に、レトルトによる調理と
    殺菌を、初期品温を0〜40℃とし、100℃までの昇
    温時間を8〜12分とすることを特徴とするレトルト食
    品米飯類の製造方法。
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