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JP2993740B2 - 低可視光透過率および低可視光反射率を有する光学素子 - Google Patents
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JP2993740B2 - 低可視光透過率および低可視光反射率を有する光学素子 - Google Patents

低可視光透過率および低可視光反射率を有する光学素子

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JP2993740B2 JP8514790A JP51479096A JP2993740B2 JP 2993740 B2 JP2993740 B2 JP 2993740B2 JP 8514790 A JP8514790 A JP 8514790A JP 51479096 A JP51479096 A JP 51479096A JP 2993740 B2 JP2993740 B2 JP 2993740B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、低可視光透過率および低可視光反射率を有
する、太陽エネルギー制御用窓フィルムのような光学素
子、並びにその製造方法に関する。
背景技術 ガラス着色産業においては、透明ガラス上での可視光
透過率(VLT:Visual light transmission)が50%未
満、好ましくは30%未満である太陽エネルギー制御用被
覆またはフィルムが望まれている。同時に、このような
被覆またはフィルムは透明ガラス上で15%未満、好まし
くは10%またはそれ以下の可視光反射率(VLR:Visual l
ight reflecttion)を有することが望まれている。
窓ガラス産業において太陽エネルギー制御のために従
来用いられている金属蒸着プラスチックフィルムについ
ては、可視光透過率(VLT)は、フィルム上の金属層の
厚さを増すことにより低下させることができるが、可視
光反射率(VLR)の増加を伴う。例えば、25%のVLTを有
する典型的な金属被覆ソーラーフィルムは、30〜35%ま
たはそれ以上のVLRを有する。即ち、VLTとVLRとは、相
反する性質であり、産業界で受け入れられるような中庸
の妥協点がない。現在のところ、VLTを許容できる水準
に設定し、VLRは望ましい値よりも高いままにしておく
のが一般的である。
産業界の要求に答える別の方法は、染色プラスチック
フィルムまたはシートを、単独で、または金属蒸着フィ
ルムまたはシートの基材として用いることである。しか
しながら、染色フィルムは、非常に低い太陽エネルギー
制御性能しか持たず、色は経時的に退色する。その結
果、染色フィルムは、産業界の要求に対して満足できる
解決策となっていない。
低VLT金属蒸着フィルムのVLRを減少させるさらに別の
試みは、狭いスペクトル帯で反射を制御するために、酸
化チタンまたはインジウム錫酸化物(ITO)の被覆を、
金属のフィルムまたは層に接して設けることである。古
典的な光学材料によれば、高い屈折率の物質の層の間に
金属フィルムを挟むことにより、可視光透過、すなわち
所謂誘起透過を増し、反射を少なくすることができる。
一般的な場合、これには、厚さ70〜100nmの酸化チタン
またはインジウム錫酸化物の層が必要であるが、その製
造には時間がかかり、制御が困難である。その結果、こ
の方法は、実際に採用するには費用がかかり過ぎ、費用
をかけたとしても、VLT/VLRの背反性をせいぜい部分的
にしか解決できない。
米国特許第4,799,745号(再審査証明書B1 4799745)
は、インジウム、錫、チタン、珪素、クロムおよびビス
マスの酸化物であることが好ましい、直接接触している
中間誘電性スペーサ層により分離された金属(例えば、
銀、金、白金、パラジウム、アルミニウム、銅、ニッケ
ルおよびこれらの合金)の2またはそれ以上の透明層を
含んでなるファブリー−ペローの干渉フィルタを用いた
赤外反射フィルムを開示している。関連した米国特許第
5,071,206号(米国特許第4,799,745号の一部継続出願に
対して発行された)は、接触して交互に重ねられている
7層の誘電層および銀層を有する基材を含んでなる色補
正赤外反射フィルムを開示している。これらのフィルム
は、低可視光反射率を有するが、相互にスパッタ蒸着さ
れた物質の5〜7層を必要とするので、高価であり、製
造は簡単ではない。可視光透過率を低下させようとする
と、作業はより困難になる。
国際特許出願公開WO94/04356は、炭素系ポリマーシー
トの反射率は、ポリマーの屈折率よりも大きい屈折率を
有す無機物質の不連続な樹枝状結晶様(dendritic)層
をスパッタ蒸着することにより低くすることができるこ
とを教示している。無機物質は、タンタル、ニオブ、チ
タン、ハフニウム、タングステンおよびジルコニウムか
ら選択される主金属の酸化物、窒化物または酸窒化物で
あってよい。主被覆に加えて、インジウム、錫および亜
鉛から選択される副金属の酸化物、窒化物または酸窒化
物を含んでなる上層を形成してよい。多区画窓ユニット
において内部プラスチック表面として用いる場合、被覆
は、着色および曇りを最小にしてポリマーフィルムの光
透過率を増す。すなわち、反射率は減少するが、透過率
は減少しない。
従って、低VLTおよび低VLRの両方を有する安価な被覆
または被覆フィルムの開発が、産業界ではなお強く望ま
れている。
発明の開示 本発明の目的は、改良された光学素子、特に、低可視
光透過率と低可視光反射率とを有する、太陽エネルギー
制御用フィルム、およびそれを経済的に製造する方法を
提供することである。
本発明の別の目的は、低VLTおよび低VLRと共に良好な
太陽エネルギー排除特性を有する、改良された太陽エネ
ルギー制御用フィルムおよび/または被覆を提供するこ
とである。
本発明によれば、このような改良されたフィルムおよ
び/または被覆は、薄膜光学技術、現代の物質科学、お
よびVLT/VLR背反性に対する新しいアプローチにより得
られる。特に、従来の技術とは対照的に、本発明は、ま
ず反射率に着目し、次いで透過率に着目する。
本発明の特別な目的は、第1に、ある程度の可視光透
過制御性を有し、格別に低い可視光反射率を有する光学
素子または要素を開発し、第2に、所望の水準の透過制
御性を達成するように2またはそれ以上の素子または要
素を組み合わせることである。
本発明の第1の要旨は、光透過率を制御するのに適し
た金属の、厚いというよりむしろ非常に薄い層またはフ
ィルムを用いることにある。この目的に適した金属に
は、クロム、ニッケル−クロム合金およびステンレス鋼
が含まれる。このような金属の非常に薄い層またはフィ
ルムは、マグネトロンカソードスパッタにより、基材に
蒸着され、生成したフィルムは、不連続で、樹枝状結晶
様であり、非干渉性である。金属は、表面平滑な干渉性
連続層を形成しない。フィルムにおける表面不整の故
に、金属は、光輝または鏡様反射性表面を有しない。代
わりに、光は散乱および/または吸収され、金属フィル
ム自体は低VLRを持つ。
金属フィルムまたは被覆は薄いので、被覆された基材
に、所望程度の可視光遮断効果を与えない。すなわち、
被覆された基材のVLTは、所望水準よりはるかに大き
い。本発明により提供されるアプローチによれば、2ま
たはそれ以上の被覆基材を組み合わせて複合フィルムに
することにより、可視光遮断効果を増し、VLTを低下さ
せることができる。複合フィルムの中では、金属被覆表
面は、複合構造の内部表面であり、個々の金属被覆表面
の低VLRを保ちながら所望の低VLTを達成するように、被
覆の光遮断効果が組み合わせられる、すなわち足し合わ
せられるように、光学的にデカップリングされている。
好ましくは、金属表面は、複数の被覆基材を積層して単
一の複合フィルムにするために用いられる接着剤の介在
層により光学的にデカップリングされている。
そこで、本発明は、低VLTおよび低VLRを有し、それぞ
れが金属の非干渉性薄フィルムを担持した基材からなる
2またはそれ以上の要素またはサブユニットの積層アッ
センブリからなる、非常に安価な太陽光制御用フィルム
を提供する。
フィルムの反射率、透過率および/または暗さをさら
に制御するには、サブユニットの1つまたはそれ以上
に、複合フィルムの透過率および/または反射率を低下
し、あるいは可視光吸収率を増加する付加成分を配合す
る。
上記のように、古典的な光学材料は、高い屈折率を有
する物質の層の間に金属層を挟むことにより金属の反射
率をさらに低下できることを示唆している。従って、本
発明が提示する新しいアプローチを採用する場合、1ま
たはそれ以上の高屈折率被覆を、上記の低VLR金属フィ
ルムと組み合わせて使用するのが好ましい。この目的に
従来使用されていた物質、例えば酸化チタンを反射率低
下のために引き続き使用してよいが、本発明は、非常に
重要な第2の新規な要旨の発明を提供する。
本発明の第2の要旨は、優れた品質と卓越した性能を
持ち、経済的に製造できる、低反射率素子または要素を
製造するために、好ましい高屈折率物質として、高酸素
含有量の新規な合成ビスマス酸化物(BiOx)を用いるこ
とにある。
この第2の要旨において、本発明は、金属の薄い光学
的フィルムの上にまたは隣接して蒸着されたBiOxフィル
ム中の酸素対ビスマスの原子比が約1.7〜2.5、すなわち
BiOx(x=1.7〜2.5)となるように、制御された酸素分
圧雰囲気中で、酸素と反応させながらビスマスをマグネ
トロンカソードスパッタリングにより蒸着すると、多層
フィルムの可視光反射率は非常に減少するという発見に
基づいている。
反応スパッタにより合成されたBiOx(x=1.7〜2.5)
フィルムは、可視領域において2.5〜2.7の高い屈折率を
有している。この屈折率は、酸化チタン(TiO2)の屈折
率に匹敵し、可視光透明な材料の屈折率よりも実質的に
高い。加えて、合成BiOxの動的蒸着速度は、酸化チタン
のそれよりもはるかに大きく、より容易に制御でき、従
って、容易に、迅速にかつ経済的に製造できる著しく高
い性能の高屈折率被覆を提供することができる。
基材、高屈折率物質の層、および金属の非常に薄い不
連続または非干渉性フィルムの組み合わせは、非常に経
済的に製造でき、著しく低いVLRおよびVLT製造範囲を有
する光学素子、要素またはサブユニットを提供する。
本発明の第3の要旨は、このようなサブユニットまた
は要素の2つまたはそれ以上を、所望の水準のVLTを得
る為に個々の要素のVLT制御因子を加え合わせあるいは
組み合わせるように、相互に組み合わせることにある。
要素の組み合わせは、好ましくは、介在接着層により分
離され、従って光学的にデカップリングされた独立干渉
フィルタを規定するように、介在接着層によって要素を
積層および結合することにより達成される。2ユニット
アッセンプリにおいて、各金属フィルムは約50%の可視
光透過制御を与え、3ユニットアッセンプリにおいて、
各金属フィルムは約1/3の可視光透過制御を与える。
すなわち、それぞれが低反射率の金属薄フィルムを含
むサブユニットの2つまたはそれ以上と、高屈折物質、
特にBiOx(x=1.7〜2.5)のフィルムまたは層を組み合
わせることにより、本発明は、良好な太陽エネルギー排
除特性、低可視光反射率および低可視光透過率を有す
る、太陽エネルギー制御用フィルムおよび/または被覆
を提供する。
また、本発明の1つの目的は、改良された太陽エネル
ギー制御用(ソーラー)フィルムまたは被覆を、効率よ
く経済的に大量生産する方法を提供することである。
本発明の製法の好ましい形態によれば、最初に、基材
物質の通常の透明フィルムまたはシートを、マグネトロ
ンカソードスパッタリングステーションに通し、そこ
で、高屈折率物質の層をスパッタリングにより基材上に
蒸着する。高屈折率物質は、好ましくは、酸素対ビスマ
スの原子比が約1.7〜2.5の範囲である高酸素含有量の合
成ビスマス酸化物が基材上に蒸着されるように制御され
た酸素分圧雰囲気中で酵素と反応させながらビスマスを
スパッタリングにより蒸着したビスマスを含んでなる。
合成BiOxの動的蒸着速度は、非常に高く、従って、被覆
またはフィルムは、容易に、速くかつ経済的に、基材上
に形成される。次ぎに、被覆基材は、マグネトロンカソ
ードスパッタリングステーションに送られ、そこで、高
屈折率被覆の上に、非常に薄い金属フィルムがスパッタ
リングにより速くかつ経済的に蒸着される。
2つの被覆またはフィルムのスパッタリング蒸着は、
基材を、単一のスパッタリングステーションを持つスパ
ッタリング装置に2回通すか、または基材の移動方向に
沿って連続的に配置された2またはそれ以上のスパッタ
リングステーションを持つ装置に通すことにより、行う
ことができる。基材は、ガラスまたはプラスチックのシ
ートまたは連続ウエブからなっていてよい。いずれの場
合にも、基材は、高屈折率の薄層および金属の非干渉性
フィルムにより、非常に効率よくかつ迅速に被覆され、
これにより、経済的で、非常に高い性能特性を有する太
陽エネルギー制御用素子または要素が得られる。
得られた素子または要素は、非常に低い可視光反射
率、並びに金属フィルムの性質および厚さに主として依
存する可視光透過率を有する。2またはそれ以上の素子
または要素を相互に積層することにより、可視光透過率
を実質的にいかなる水準にでも容易に制御することがで
きる。
複合体製品中の複数の被覆に異なる物質を使用するこ
とにより、光学的性能をさらに変化させることができ
る。
従って、本発明は、非常に改良された低VLTおよび低V
LR光学素子、およびそのような素子を効率的かつ経済的
に大量生産する方法を提供する。
これらおよび他の目的ならびに本発明の利点は、添付
図面を参照して行う以下の詳細な説明から明らかとなる
であろう。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の低反射率素子または要素2つを有す
る、本発明に従って提供される太陽エネルギー制御用フ
ィルムの好ましい態様の、拡大した断面模式図である。
図2は、図1の複合構造の別の態様の同様の模式図で
ある。
図3は、本発明の低反射率素子または要素3つを有
し、窓ガラスまたは窓に接着されている、本発明に従っ
て提供される太陽エネルギー制御用フィルムの好ましい
態様の同様の模式図である。
図4は、図3の複合構造の別の態様の同様の模式図で
ある。
図5は、本発明のフィルムおよび従来の市販太陽エネ
ルギー制御用フィルムについての特性透過および反射ス
ペクトルを比較するグラフである。
図6は、本発明のフィルムおよび従来の市販フィルム
の透過および吸収特性を比較するグラフである。
図7は、本発明の低反射率素子または要素を製造する
ための装置の模式図である。
図8は、ビスマスの反応スパッタリングのために酸素
分圧を順次増加させた場合の、動的蒸着速度と、高酸素
含有量ビスマス酸化物の原子比との相関を示すグラフで
ある。
発明を実施するための最良の形態 以下、発明者が本発明を実施する最良の形態であると
現在考えている好ましい形態について説明する。
本明細書および請求の範囲において使用する場合、以
下の用語は、次ぎのような意味を持つ。
「可視放射線または光」は、380nm〜750nmの波長を有
する電磁放射線を意味する(CIEスタンダード)。
「透明」は、可視放射線を透過する性質を有すること
を意味する。
「可視光透過率」、「可視光透過」および略号「VL
T」は、透明光学素子、例えば透明ガラス窓を通過する
可視放射線または光の割合(%)を意味する。
「可視光反射率」、「可視光反射」および略号「VL
R」は、光学素子により反射される可視放射線または光
の割合(%)を意味する。
「可視光吸収率」、「可視光吸収」および略号「VL
A」は、光学素子により吸収される可視放射線または光
の割合(%)を意味する。
一般に、VLT、VTRおよびVLAの和は、100%に等しい。
「SC」または「遮光(shading)係数」は、窓システ
ムの太陽エネルギー制御能の効率の建築学的尺度であ
る。これは、ある窓システムを通しての太陽熱ゲイン
の、窓が透明な遮光性のない2重強化窓ガラスのより作
られていた場合の同じ条件での太陽熱ゲインに対する比
として表される。遮光係数が低いほど、太陽エネルギー
を制御する窓の能力が高い。(ASHRAE Standard Calcul
ation Method)。透明ガラスの係数を1.00とする。1.00
未満のSC値は、単一の透明窓ガラスよりも熱遮蔽が優れ
ていることを示す。
金属層またはフィルムについて用いる「非干渉」は、
干渉がなく、規則正しい連続性または配列がなく、独立
した要素からなり、相互に矛盾し、均質でないことを意
味する。
「スパッタリング蒸着」または「スパッタリング蒸着し
た」は、物質の層をマグネトロンカソードスパッタリン
グ装置を用いて基材上に蒸着する方法またはそのような
方法の生成物を言う。
図1は、本発明に従って提供された太陽エネルギー制
御用複合フィルムの好ましい態様の、拡大したスケール
での模式的部分断面図を示す。図1において、10で示す
複合フィルムは、それぞれが基材14、高屈折率物質の層
16および金属の不連続非干渉性樹枝状結晶様薄層18を含
んでなる2つの光学的サブユニット、要素または素子12
を有している。
基材14は、ソーラー(太陽エネルギー制御用)フィル
ムに従来用いられている透明支持物質のいずれから成っ
ていてもよく、特にウエブ状で供給される可撓性ポリマ
ーフィルムから成る。好ましいポリマーは、通常約1〜
2ミルから約50ミルの厚さを有するポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムである。このようなフィルム
の屈折率は、通常、1.4〜1.7の範囲にある。
層16は、基材14よりも高い屈折率、好ましくは、2.0
またはそれ以上の屈折率を有する物質から形成される。
また、物質は、基材上にスパッタリングにより比較的簡
単に蒸着できるものであることが好ましい。適当な物質
には、クロム酸化物(酸化クロム、二酸化クロム、三酸
化クロム;CrO、CrO2、CrO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、
酸化チタン(TiO2)および窒化珪素(Si3N4)が包含さ
れ、これらは全て、基材14上に直接または反応的にスパ
ッタリングにより蒸着され得る。しかしながら、後に詳
述するように、高屈折率の層16に好ましい物質は、酸素
対ビスマスの原子比(AR)が約1.7〜2.5である高酸素含
有量の合成ビスマス酸化物である。通常のビスマス酸化
物Bi2O3は、光学物質として考慮するには可視スペクト
ルにおいて大きすぎる吸収性(VLA)を有しており、層1
6の材料とは見なされない。制御された酸素分圧雰囲気
中でビスマスをスパッタリングすることにより、高吸収
性ではなく2.4〜2.7の屈折率を有する高酸素含有量の合
成ビスマス酸化物を形成することができる。
高屈折率物質の層16の厚さは、複合フィルム10の所望
のVLTおよび層18に選択する金属およびその厚さに依存
する。これらのパラメータは相関している。一般に、20
〜25%に等しいかまたはそれより大きいVLTを有する複
合フィルムの場合、層16の厚さは約0.1〜10nm(ナノメ
ータ)の範囲であり、20〜25%に等しいかまたはそれよ
り小さいVLTを有する複合フィルムの場合、約10〜50nm
の範囲である。
複合フィルム10の各光学サブユニットまたは要素12中
の金属層18の形成は、本発明を成功裏に実施する為に、
非常に重要である。各層18の反射率またはVLRは、複合
フィルム10の所望のVLRとほぼ同じであるか、かなり近
似している必要があり、同時に、かなり少ない数のサブ
ユニットが共同して複合フィルムのVLTを所望のVLTパー
セントまで減少させるように合理的な水準の可視光遮蔽
効果を達成しなければならない。このような相矛盾する
目的を達成する為に、各金属層18は、可視光を散乱、拡
散および/または吸収できるが、サブユニット12を通し
て可視光の透過を部分的に遮蔽するかまたは減少するの
に十分な厚さを有する非干渉性フィルムでなければなら
ない。本発明によれば、これは、選択された金属の薄層
のスパッタリング蒸着により達成される。
金属の非常に薄い層または被覆のスパッタリング蒸着
により、金属は、間隔をあけたクラスター状(孤立した
岩または森の中の木に類似)に蒸着される。フィルムま
たは被覆は非干渉性であり、樹枝状結晶状または魚卵岩
状(oolitic)と言われることもある。金属は、ある厚
さを越えて蒸着を続けた場合に生じるような干渉性で平
滑な表面の高屈折率層にはならない。金属層の厚さは、
所望のまたは特定のVLTに依存するが、一般に約20nmを
越えず、好ましくは約1〜20nmの範囲、より好ましくは
2〜5nmの範囲にある。本発明により意図されている低
反射率フィルムの場合、被覆は、各金属層18のVLRが約1
2%の水準を越えないように十分に薄く、不規則でなく
てはならない。
使用される金属は、好ましくは、クロム、ニッケル−
クロム合金ならびにステンレス鋼から選択される。層16
および18の材料の選択は、複合フィルムの色調を決定す
る。例えば、ステンレス鋼はグレーのフィルムを与える
傾向がある。他の変化は、サブユニットまたは要素12の
1つを、他のサブユニットまたは要素12に用いた材料と
は異なる材料から形成することにより得られるが、これ
は、複合フィルム10の中でサブユニットが相互に、物理
的に分離されており、光学的にデカップリングされてい
るかぎり、許容される。
図1に示されているように、2つのサブユニットまた
は光学要素12は、金属を被覆した表面が互いに向き合う
ように積層され、通常の積層用接着剤からなる介在透明
層20により離されている。従って、複合構造中では、2
つのサブユニットの可視光遮断能は累積的であり、一緒
になって複合フィルムのVLTを所望の水準まで低下させ
ることができる。さらに、高屈折率物質の層16は、透過
率および/または反射率をさらに低下させ、並びに/若
しくは吸収率を増加させる為に、非干渉性金属フィルム
18を補うように使用することができる。従って、屈折層
16および金属層18は、互いに可変的に、所望の結果、す
なわち複合フィルム10の特定のVLT、VLR、色調および暗
さに相互依存している。
窓用フィルム産業において使用できるように製品を仕
上げる為に、基材14の一方の露出表面を、耐スクラッチ
および摩耗性硬質被覆層22により被覆し、他方の基材14
の露出表面は、感圧接着剤24により被覆し、窓、窓ユニ
ットなどへの複合フィルムの積層を容易にする。フィル
ムの用途によっては、感圧接着剤24を、通常の剥離紙26
によって保護する。この技術分野において常套である
が、好ましくは紫外線吸収添加剤などを感圧接着剤24に
配合する。
図1の複合フィルムを簡単にした別のフィルムを図2
に示す。図2の例は、図1の構造と同じVLTおよびVLR制
御能を有してはいないが、図1の構造の設計を必要とす
るよりも低い要求の用途において、合理的に低いVLTお
よびVLR制御特性を有する実用的で経済的なフィルムで
ある。2つの構造は類似しているので、図1の対応する
要素と同じまたは相応する図2の要素は、添字「a」を
付した同じ数字で示してある。図から理解されるよう
に、2つの構造の相違は、図2では高屈折率物質の層16
が存在しないことである。
比較的高い可視光透過率(例えば、25〜50%)、かな
り低いが過度には低くない可視光反射率(例えば、13
%)を規定し、暗色フィルムは必要としない透明ガラス
上でのソーラーフィルム用途の場合、図2の簡略化され
た複合構造は、相当に有用である。
所望の可視光遮断効果を有する金属フィルムは、9〜
10%の低いVLRを提供する様に、十分薄く不規則な層と
して容易にスパッタリングにより蒸着することができ
る。1つの例として、それぞれ厚さ2.5nmで各基材14a上
にスパッタリングにより蒸着された2枚のクロム層18a
を有する図2に示すように構成された太陽エネルギー制
御用フィルムにより、透明ガラス上で45%のVLTおよび
9%のVLRを有する複合フィルムを製造できた。他の例
では、各クロム層の厚さを3.5nmに増したところ、25%
のVLTおよび13%のVLRを有する複合フィルムが製造でき
た。比較として、単一金属層を有し25%のVLTを与える
通常のソーラーフィルムのVLRは、30%またはそれ以上
である。
すなわち、図1のより複雑な構造であるか、図2の簡
略化された構造であるかによらず、本発明は、低可視光
反射および低製造コストという点で、従来技術よりも著
しく有利である。さらに、規格が上記よりもいくらか厳
しい場合、構造を、図1および図2の構造の混成構造と
する、すなわち、2つの制御要素12/12aを、図1のより
複雑なフィルタ12の1つと図2の簡略化された要素12a
の1つから作った構造とすることができる。
規格がさらに厳しくなった場合、構造を、図3および
図4の構造とすべきである。これらの図では、ソーラー
フィルムは窓ガラス28に接着されて図示されている。図
3および図4の構造では、可視光透過率および可視光反
射率は、図1に関連して説明した制御要素を3枚用いる
ことにより、非常に低い水準まで低下されている。要素
の類似性および実質的同一性の故に、図1で使用したの
と同じ数字を、図3では添字bを付して、図4では添字
cを付して使用している。
図3では、本発明のソーラーフィルムは、10bで示さ
れており、3つのサブユニット12bを含み、サブユニッ
トそれぞれは、ポリマー基材14b、高屈折率被覆16bおよ
び薄い非干渉性金属フィルム18bからなる。3つのサブ
ユニットは、3つの金属表面18bが複合アッセンブリ10b
の内部にあり、介在接着剤層20bにより相互に積層され
るような関係で組み合わせられる。各接着剤層の厚さ
は、典型的には約0.5〜5.0μmである。本質的に、この
アッセンブリは、最初の2つのサブユニットの間に第3
のサブユニットが挟まれている以外は、図1の構造と同
じである。
3つまたはそれ以上の金属薄フィルム18bを用いるこ
とにより、複合フィルムのVLTを、非常に低い水準、例
えば20%またはそれ以下に低下させることができ、か
つ、非常に低い水準、例えば10%またはそれ以下のVLR
を提供するように、各フィルム18bを、十分に薄く不規
則に、すなわち樹枝状結晶状に十分維持することができ
る。高屈折率の層16bも、非常に低いVLRの達成を助け、
暗さが所望の特性である場合にはフィルムに暗さを与え
るのを助ける。
感圧接着剤層24bは、複合フィルムを窓28に接着する
ために、複合フィルムの外表面14bの1つの上に供給さ
れ、耐スクラッチおよび摩耗性硬質被覆22bは、例えば
窓を洗う場合に複合フィルムを損傷から守るために、複
合フィルムの他の外表面14b上に供給される。
複合フィルム10bは、通常窓28の内側表面または室内
側に接着される。図3および図4に示されているよう
に、窓の右側表面がフィルムを接着する内側または室内
側であり、左側表面は外に向いている。図3において、
内部または中央のサブユニット12bの金属層18bは、窓ガ
ラスまたは窓28に向いており、これにより、窓の室内側
および外側の両方で同じ水準の反射率が得られる。すな
わち、VLR(ガラス側)=VLR(室内側)である。
図4に示す複合フィルム10cは、内部または中央サブ
ユニット12cの向きが逆である、すなわち金属表面18cが
室内側を向いていることを除き、図3の複合フィルム10
bと同じである。これにより、アッセンブリのガラス側
でのVLRが低下し、室内側でのVLRがわずかに増加する。
すなわち、VLR(ガラス側)<VLR(室内側)となる。従
って、図4に示すようにサブユニットを配置すると、外
側反射率VLR(ガラス側)を、図3のアッセンブリの外
側反射率に比べて数%低くすることができる。
図1のソーラーフィルムの変形例である図2に関連し
て説明したように、最終製品についての規格が許すな
ら、図3および図4の高屈折率層16bおよび16cの1つ、
2つまたは全てを除いてもよい。
本発明の太陽エネルギー制御用フィルムと既存の市販
太陽エネルギー制御用フィルムとを比較評価する為に、
市販フィルムに使用されているのと同じPET基材を用
い、クロムの薄い不連続層でスパッタリング被覆し、酸
化物または高屈折率プレコートは省いて、サンプルを製
造した。次いで、複数枚のクロム被覆フィルムを接着剤
により積層して、図2に示すような2つの基材および2
つのクロム層を有する複合フィルム(以下、DCr2とい
う)、および図3に示すような3つの基材および3つの
クロム層を有する複合フィルム(以下、TCrという)を
作成した。また、図1に示すような試験試料(以下、DC
r1という)も作成した。これらのフィルムについて、VL
RおよびVLT特性を試験し、市販のソーラーフィルムと比
較した。
出願人であるDeposition Technologies,Inc.アメリカ
合衆国カリフォルニア州サンジエゴ在)は、金属、すな
わちチタン(Ti)、ステンレス鋼(SS)、もしくはイン
コネルまたはニクロム(NiCr)の単一層により被覆され
たポリマー基材からなる種々の太陽エネルギー制御用フ
ィルムを製造し、またSolar Bronze(商標)(SB)とし
て市販されている多層フィルム(ポリマー基材、ステン
レス鋼の薄層、銅の薄層およびステンレス鋼の薄層から
なる)も製造している。これらのフィルムはそれぞれ、
異なる可視光透過性または遮断性を有する多数のグレー
ドで市販されている。典型的には、グレードは、光遮断
効率によって区別され、例えば、25%の可視光透過能お
よび75%の可視光遮断能を持つSolar Bronzeフィルム
は、「75SB」と表示される。同様に、「75Ti」および
「75SS」は、それぞれ75%の可視光遮断能および25%の
可視光透過能を有するチタン被覆フィルムおよびステン
レス鋼被覆フィルムを表示する。
研究、開発および実験の期間中に識別する目的で、本
発明のソーラーフィルムは、逆に表示する。すなわち、
2桁の数字は、遮断能ではなく透過能を表す。従って、
「DCr2−45」フィルムは、図2に従って構成され、45%
のVLTを有するフィルムである。同様に、「TCr−30」
は、3つの薄いクロムの不連続層(酸化物予備被覆無
し)および30%のVLTを有するフィルムである。
試験結果は、以下の比較に示されるように、VLR低下
における本発明のフィルムの有効性を立証している。フィルムの種類 VLT VLR VLA SC SB50 45 19 36 0.46 SS50 50 14 36 0.67 Ti50 49 15 35 0.64 NiCr50 44 15 41 0.59DCr2−45 44 9 47 0.66 SB75 22 35 44 0.27 SS75 23 30 48 0.41 Ti75 23 30 48 0.41 NiCr75 20 31 49 0.37DCr2−25 23 13 64 0.52 DCr1−20 20 12 68 TCr30 30 10.5 59 0.56TCr20 20 10.5 69 0.49 本発明の有効性は、図5および図6のグラフによって
も明らかである。図5および図6は、それぞれ異なる水
準の可視光透過率(VLT)における数種のソーラーフィ
ルムの可視光反射率(VLR)及び可視光吸収率(VLA)を
比較している。グラフは、3つのクロム層またはフィル
ムを含む本発明のソーラーフィルム「TCr」、図2に示
した2つのクロム層またはフィルムを含む本発明のソー
ラーフィルム「DCr2」、および図1に示した2つのクロ
ム層を含む本発明の単一フィルム「DCr1」についての結
果を示し、かつ、これらの結果を、相互に、並びに上記
のチタンフィルム「Ti」およびSolar Bronzeフィルム
「SB」のVLRおよびVLTと比較している。市販のステンレ
ス鋼フィルムおよびニッケル/クロムフィルムについて
の曲線は、「Ti」の曲線に非常に類似しているので、グ
ラフの明瞭化のために示さなかった。
グラフに示されているように、本発明のソーラーフィ
ルムは、市販フィルムに比べて、非常に小さい反射率お
よび非常に大きい吸収率を持つ。また、グラフは、2つ
の金属層を有するフィルムよりも3つの金属層を有する
フィルムを用いた方がVLRを低下でき、高屈折率層を組
み合わせるとさらに低下できることを示している。
上記表のデータから分かることは、本発明のソーラー
フィルムの遮蔽または遮光係数「SC」は、実験用サンプ
ルからのみ決定されたものではあるが、市販フィルムに
比べて、非常に良い水準に保持されている。高屈折率物
質の層をさらに改良すれば、遮光係数はさらに改善され
るであろう。
非常に改良された性能特性を提供することに加え、本
発明のソーラーフィルムは、通常のマグネトロンスパッ
タ装置および通常のフィルム積層装置を用いて、非常に
効率よく、経済的に製造できる。スパッタ装置は、太陽
エネルギー制御用サブユニット12、12a、12bおよび12c
を生成するのに用いられ、次いで、サブユニットは、先
に記載した配列のいずれかで、組み立て、積層される。
サブユニットのスパッタリングによる形成に適した装
置の1つを、図7に模式的に示す。この装置は、真空チ
ャンバ40を有し、この真空チャンバは、チャンバ内を真
空にする装置(図示せず)、並びに不活性ガス(例え
ば、アルゴン)および/またはウエブに反応物被覆(例
えば、ターゲット物質の酸化物)を蒸着させるためにタ
ーゲット物質と反応させる酸素のようなガスをチャンバ
内またはチャンバの選択された部分に導入するための手
段42および43を備えている。チャンバには、被覆すべき
連続ウエブ基材物質のロールを受容する巻出リール46、
および被覆された後の基材物質のウエブを巻き取る巻取
リール48が設置されている。基材ウエブは、スパッタリ
ング操作に一般に使用されているあらゆる材料、例えば
PETのようなポリエステルから作られていてよい。二点
鎖線により示されているように、ウエブ50は、複数のガ
イドローラ52により案内され、少なくとも1つ、好まし
くは2つのウエブ被覆ステーションに送られ、通過す
る。図示された装置では、被覆ステーションは、ウエブ
搬送方向に並べられた、第1スパッタ蒸着ステーション
56および第2スパッタ蒸着ステーション58を有してい
る。
可変速ウエブ駆動システム(図示せず)が、ウエブを
所望の被覆特性に応じて設定された速度で被覆ステーシ
ョンを通過させるために、設置される。典型的には、ウ
エブ材料のロール全体が被覆され、チャンバから取り出
される。
2つの蒸着ステーション56および58は、好ましくは同
じ構造であり、それぞれ、ウエブを支持し冷却する為の
比較的大きい直径の内部冷却された回転ドラム56a、58
a、およびウエブ上に被覆をスパッタ蒸着させる為の1
つまたはそれ以上のマグネトロンカソード56b、58bを有
している。各カソードには、ウエブ50上への蒸着の為に
イオンボンバーされる物質のターゲット56c、58cが載せ
られている。
本発明を実施するには、2つの蒸着ステーションは、
2つのステーションにおいてそれぞれ異なるスパッタリ
ング操作が行えるが、全てを同じチャンバ内でウエブの
一回のパスで行えるように、適当な隔壁および/または
バッフル59により、包囲され、隔離されている。本発明
の好ましい実施形態では、第1ステーション56は、基材
上に高屈折率物質の層16、16bまたは16cを蒸着する為に
使用され、第2ステーション58は、金属の薄い不連続フ
ィルム18、18a、18bまたは18cを蒸着する為に使用さ
れ、これにより、巻出リール46から巻取リール48への基
材の一回パスで、サブユニット12、12a、12bまたは12c
が形成される。
各被覆操作をモニタし、基材上での被覆の厚さおよび
組成が適当であるようにする為に、ステーション56、58
それぞれの下流側に化学モニタ62a、62bが設けられてい
る。
先の説明から理解されるように、第2ステーションに
おいて蒸着される材料は、金属または合金、好ましくは
クロムおよびニッケル−クロム合金並びにステンレス鋼
の非常に薄い不連続フィルムである。このような金属の
スパッタリングは、特にフィルムの薄さ、例えば1〜20
nmから見て、非常に直接的に、容易にかつ迅速に行われ
る。金属のスパッタリングは、好ましくは、実質的に包
囲されたステーション58に導入管43から供給される不活
性ガス分圧雰囲気中で行われる。
光学フィルムで通常使用される高屈折率物質、特に最
も高い屈折率を持つ物質である酸化チタンの蒸着は、遅
く、困難である。金属フィルムの蒸着速度と合わせる為
に酸化物の蒸着速度を高めるには、ステーション56によ
り多くのマグネトロンカソードを設けるが、および/ま
たはステーション56と58との間に別の酸化物蒸着用ステ
ーションを加えることが必要であろう。知られているよ
うに、高屈折率化合物は、それ自体をターゲット56cと
してよく、あるいは金属のターゲットを、導入管42から
ステーション56に供給された反応性ガス、例えば酸素お
よび/または窒素の分圧雰囲気の存在下に反応スパッタ
リングしてもよい。たとえそのようにしても、基材への
TiO2の蒸着は非常に遅く、時間がかかり、得られた製品
も高価であるので、経済的に製造するには、たとえ屈折
率が所望の値よりもかなり小さくても、別の酸化物また
は窒化物を用いることがある。
酸化ビスマスBi2O3は、遠赤外領域での使用が文献に
記載されているが、可視領域での光学材料とは考えられ
ていない。これは、酸化ビスマスは可視領域で吸収性が
高く、従ってソーラーフィルム市場では用途が見つかっ
ていないからである。
本発明は、酸化レベルが高い合成されたBiOx(x≧1.
7)の形成により、吸収性が高くない薄膜が製造でき、T
iO2に匹敵するような非常に高い屈折率が得られるとい
う発見に、一部基づいている。特に、本発明の製法で
は、合成BiOxは、TiO2よりも25倍またはそれ以上速い蒸
着速度を有しており、従って、TiO2の経済上の問題を取
り除き、より優れた性能でより受け入れやすい製品を製
造することができる。
BiOxフィルムの蒸着は、反応スパッタリング蒸着、作
動(actuated)反応蒸発蒸着および真空アーク蒸着によ
り行うことができるが、図7に示したような反応スパッ
タリング蒸着が好ましい。詳細には、ターゲット56cは
ビスマスからなり、酸素の分圧雰囲気中でスパッタされ
る。酸素の分圧は、酸素対ビスマスの原子比が少なくと
も1.7から約2.5までの合成ビスマス酸化物、すなわちBi
Ox(x=1.7〜2.5)の層が形成されるように、変えるこ
とができる。
基材50上に蒸着された合成BiOx(x=1.7〜2.5)のフ
ィルムの厚さは、所望の性能特性に応じて、約0.1〜約5
0nm(10〜500Å)の範囲で変えることができる。推奨さ
れる厚さ範囲は、VLT≧35%のソーラーフィルムでは0.1
〜10nm、VLT≦35%のソーラーフィルムでは10〜50nmで
ある。製造速度は、一般に、厚いフィルムでの約20フィ
ート/分(fpm)から薄いフィルムでの約50fpmまで変化
させることができる。本発明が意図する多くの用途にと
って、約50fpmの基材速度において適用された約40nmの
フィルム厚さは、非常に受け入れやすい製品を提供す
る。
しかしながら、ビスマスの所望の酸化程度も、製造因
子になるであろう。図8は、合成されたビスマス酸化物
BiOxの反応スパッタリング蒸着速度、酸化物中の酸素対
ビスマス原子比、およびスパッタ蒸着真空チャンバ内の
酸素分圧の相関を示すグラフである。図8において、酸
素分圧(OPP)は横軸に示され、動的蒸着速度(DDR)は
左の縦軸に、原子比(AR)は右の縦軸に示されている。
右下がりの曲線はDDRであり、右上がりの曲線はARであ
る。DDRは、2つの試験ランから計算された。ARは、ヘ
リウムイオンビーム・ラザフォード後方散乱測定および
オージェ電子分光分析プロフィールにより測定し、市販
のバルクBi2O3に対して較正した。理由は明らかになっ
ていないが、オージェプロフィールは常に、特により高
いAR値において、ラザフォード後方散乱測定よりも高い
AR値を与えた。それにもかかわらず、一般的には、OPP
が増加すると、ARは上昇し、ARが1.7に等しいかまたは
それ以上になった時、フィルムは透明になる。
図8のグラフに描かれているように、ARが1.8であるB
iOxは、約7.5×10-5Torrの酸素分圧および約3.5nm×cm2
/J(厚さ(nm)×面積(cm2)/エネルギー(ジュー
ル))のDDRにおいて蒸着でき、ARが2.5であるBiOxは、
約12×10-5Torrの酸素分圧および約2.5nm×cm2/JのDDR
において蒸着できる。対照的に、TiO2の反応スパッタリ
ングについてのDDRは、一般的に約0.1nm×cm2/Jであ
る。すなわち、本発明により提供される合成BiOx(x≧
1.7)は、TiO2よりも25〜35倍速く蒸着することがで
き、このことは、屈折率が本質的に同等であることを考
えると、経済的に非常に有利である。さらに、BiOxの高
い蒸着速度により、金属の蒸着と同じウエブ速度で酸化
物の蒸着を行うことができ、従って、本発明の太陽エネ
ルギー制御用フィルムを非常に経済的に製造することが
できる。
製造速度および所望の被覆品質を考慮すると、好まし
いARは、1.8〜2.2の範囲にある。
オージェプロフィール測定により、基材上のBiOx被覆
は非常に均一であることが示される。さらに、倍率5000
0倍の走査電子顕微鏡(SEM)写真により、1.7またはそ
れ以上のARを持つBiOxフィルムを製造する為にOPPを増
加させるにつれ、被覆の表面は顕著に滑らかで均一にな
り、これにより吸収が著しく減少し、本発明にとって理
想的な高い屈折率のフィルムが得られる。
従って、本発明は、低可視光透過率および低可視光反
射率を有する非常に耐久性のある太陽エネルギー制御用
フィルムの経済的な量産方法を提供する。
本発明の目的および利点は、便利で、経済的で実際的
な方法により達成されることを示した。
本発明の好ましい形態を説明したが、種々の変化、再
配置および変更を、請求の範囲に規定された本発明の範
囲を離れることなく、行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G02B 5/20 - 5/28

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低可視光透過率および低可視光反射率を有
    する太陽光制御用フィルムであって、 可視光透過を部分的に遮断するのに有効であり、予め選
    択された低可視光反射率を持つ金属の薄い非干渉性透明
    フィルムをその上に有している、透明基材物質の第1の
    シート、および 可視光透過を部分的に遮断するのに有効であり、予め選
    択された低可視光反射率を持つ金属の薄い非干渉性透明
    フィルムをその上に有している、透明基材物質の第2の
    シートを含んで成り、 第1および第2シートは、金属フィルムが向き合うよう
    にして、相互に分離されて光学的にデカップリングされ
    るように、結合されており、 結合されたシートは、非干渉性フィルムの遮断効果の和
    にほぼ等しい組み合わせ可視光透過遮断効果と、非干渉
    性フィルムのたった1つの可視光反射率と実質的に等し
    い可視光反射率とを有する複合フィルムを形成し、透明
    ガラス上で、各非干渉性フィルムの可視光反射率は、可
    視光透過率が約50%またはそれ以下の場合には複合フィ
    ルムの可視光反射率が約12%を越えず、可視光透過率が
    約35%またはそれ以下の場合には約15%を越えない 太陽光制御用フィルム。
  2. 【請求項2】基材物質のシートの少なくとも1つは、複
    合フィルムの可視光透過率および可視光反射率をさらに
    制御する為に、基材と金属の非干渉性フィルムとの間
    に、高屈折率物質の層を有する請求項1に記載の太陽光
    制御用フィルム。
  3. 【請求項3】高屈折率物質は、窒化珪素、クロム、ニオ
    ブおよびチタンの酸化物並びに酸素対ビスマスの原子比
    が約1.7〜2.5である合成ビスマス酸化物から選択される
    請求項2に記載の太陽光制御用フィルム。
  4. 【請求項4】金属の非干渉性薄フィルムは、クロムおよ
    びニッケル−クロム合金並びにステンレス鋼から選択さ
    れる請求項1に記載の太陽光制御用フィルム。
  5. 【請求項5】可視光透過を部分的に遮断するのに有効で
    あり、他の非干渉性フィルムと実質的に同じ低可視光反
    射率を持つ金属の薄い非干渉性透明フィルムをその上に
    有している、透明基材物質の第3のシートを含み、該第
    3のシートは、その上の金属の非干渉性フィルムが第1
    および第2のシート上の金属の非干渉性フィルムから分
    離され、光学的にデカップリングされるように、第1お
    よび第2のシートの間に挟まれ、それらに物理的に結合
    されている請求項1に記載の太陽光制御用フィルム。
  6. 【請求項6】基材物質のシートの1つ、2つまたは全て
    は、複合フィルムの可視光透過率および可視光反射率を
    さらに制御する為に、基材と金属の非干渉性フィルムと
    の間に、高屈折率物質の層を有する請求項5に記載の太
    陽光制御用フィルム。
  7. 【請求項7】複合フィルムを窓に結合するために複合フ
    ィルムの一方の側に感圧接着剤の層を有し、複合フィル
    ムを損傷から保護する為に複合フィルムの他の側に保護
    被覆を有する請求項1に記載の太陽光制御用フィルム。
  8. 【請求項8】低可視光透過率および低可視光反射率を有
    する太陽光制御用フィルムであって、 高屈折率物質の薄い透明層と、高屈折率物質の層の上に
    ある金属の薄い非干渉性透明フィルムとをその上に有し
    ている透明基材物質の第1のシートであり、該金属フィ
    ルムは、被覆基材を透過する可視光を部分的に遮断する
    のに有効であり、予め選択された低可視光反射率を持
    つ、第1のシート、および 高屈折率物質の薄い透明層と、高屈折率物質の層の上に
    ある金属の薄い非干渉性透明フィルムとをその上に有し
    ている透明基材物質の第2のシートであり、該金属フィ
    ルムは、被覆基材を透過する可視光を部分的に遮断する
    のに有効であり、予め選択された低可視光反射率を持
    つ、第2のシートを含んで成り、 第1および第2シートは、金属フィルムが向き合うよう
    にして、相互に分離されて光学的にデカップリングされ
    るように、結合されており、 結合されたシートは、非干渉性フィルムの遮断効果の和
    にほぼ等しい組み合わせ可視光透過遮断効果と、非干渉
    性フィルムのたった1つの可視光反射率と実質的に等し
    い低可視光反射率とを有する複合フィルムを形成し、透
    明ガラス上で、各非干渉性フィルムの可視光反射率は、
    可視光透過率が約35%またはそれ以下の場合には約15%
    を越えず、可視光透過率が約50%またはそれ以下の場合
    には約12%を越えない 太陽光制御用フィルム。
  9. 【請求項9】被覆基材を透過する可視光透過を部分的に
    遮断するのに有効であり、他の非干渉性フィルムと実質
    的に同じ低可視光反射率を持つ金属の薄い非干渉性透明
    フィルムをその上に有している、透明基材物質の第3の
    シートを含み、該第3のシートは、その上の金属の非干
    渉性フィルムが第1および第2のシート上の金属の非干
    渉性フィルムから分離され、光学的にデカップリングさ
    れるように、第1および第2のシートの間に挟まれ、そ
    れらに物理的に結合されている請求項8に記載の太陽光
    制御用フィルム。
  10. 【請求項10】高屈折率物質は、反応スパッタリングに
    より基材物質上に蒸着され、酸素対ビスマスの原子比が
    1.7〜2.5である合成ビスマス酸化物からなる請求項8に
    記載の太陽光制御用フィルム。
  11. 【請求項11】高屈折率物質は、クロム、ニオブおよび
    チタンの酸化物ならびに窒化珪素から選択される請求項
    8に記載の太陽光制御用フィルム。
  12. 【請求項12】各基材上に蒸着された金属が、クロム、
    ニッケル−クロム合金またはステンレスステンレス鋼を
    含んでなる請求項1に記載の太陽光制御用フィルム。
  13. 【請求項13】複合フィルムの可視光透過率は、25%〜
    50%の範囲にある請求項1〜11および19のいずれかに記
    載の太陽光制御用フィルム。
  14. 【請求項14】低可視光透過率および低可視光反射率を
    有する太陽光制御用フィルムの製造方法であって、 透明基材の上に、被覆基材を透過する可視光透過を部分
    的に遮断するのに有効であり、予め選択された低可視光
    反射率を持つように十分薄くかつ非干渉性である金属の
    透明フィルムを蒸着し、 複合フィルムの内部で非干渉性金属被覆が向き合い、相
    互に分離され、光学的にデカップリングされるように、
    かつ金属被覆が合わせて、複合フィルムを透過する可視
    光透過率の予め選択された低い水準を与えるのに十分な
    組み合わせ可視光遮断効果を提供するように、複数の被
    覆基材を組み合わせて複合フィルムとし、 被覆基材を相互に積層して、非干渉性金属被覆の遮断効
    果の和にほぼ等しい複合された可視光透過遮断効果およ
    び非干渉性金属被覆のたった1つの可視光反射率と実質
    的に等しい低可視光反射率を有する複合フィルムを提供
    し、各非干渉性金属被覆の可視光反射率を、透明ガラス
    上で、複合フィルムの可視光反射率は、可視光透過率が
    約35%を越えない場合は約15%より大きくなく、可視光
    透過率が約50%を越えない場合は約12%より大きくない
    ようにする、 製造方法。
  15. 【請求項15】被覆基材を相互に積層し、1つまたはそ
    れ以上の接着剤の介在層により相互に分離し、光学的に
    デカップリングする請求項14に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】まず高屈折率物質の薄い透明層を基材上
    に蒸着し、次いで高屈折率物質の上に金属被覆を蒸着す
    る工程を含む請求項14に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】高屈折率物質は少なくとも2.0の屈折率
    を有する請求項16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】酸素対ビスマスの原子比が1.7〜2.5であ
    る合成ビスマス酸化物を基材上に反応スパッタリングに
    より蒸着し、次いで合成ビスマス酸化物の上に金属の薄
    層をスパッタリングにより蒸着する工程を含む請求項14
    に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】各基材上に蒸着された金属が、クロム、
    ニッケル−クロム合金またはステンレスステンレス鋼を
    含んでなる請求項14に記載の製造方法。
  20. 【請求項20】金属は、スパッタリングにより基材に蒸
    着する請求項19に記載の製造方法。
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