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JP2996586B2 - モータの相互力算出方法 - Google Patents
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JP2996586B2 - モータの相互力算出方法 - Google Patents

モータの相互力算出方法

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JP2996586B2
JP2996586B2 JP35353793A JP35353793A JP2996586B2 JP 2996586 B2 JP2996586 B2 JP 2996586B2 JP 35353793 A JP35353793 A JP 35353793A JP 35353793 A JP35353793 A JP 35353793A JP 2996586 B2 JP2996586 B2 JP 2996586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの相互力を演算
により求めるようにしたモータの相互力算出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】モータの数値解析を行うにあっては、モ
ータの基本形を相互に影響を及ぼし合う2つのコイルと
考えることができる。そしてこの2つのコイル間に働く
力を求める方法は、次の3つに大別でき、それぞれが適
宜採用されている。すなわち、 直接力により求める方法(ローレンツ力等)、 電磁場の応力分布から求める方法(マクスウェルの応
力法)、 エネルギー保存の法則から求める方法(エネルギー変
位法)である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の算
出方法では、上記いずれの方法を用いても、磁石又はコ
イルの状態及び条件が変わる度に数値計算を行い求める
必要があった。例えば、 モータ1回転分のトルク波形を求めるには、1回転の
相対位置を数十に分割させ、その回数だけ数値計算を行
わなければ求めることができなかった。また、 B側磁石の形状(厚さ,巾,長さ,形など)、強さ、
着磁波形(磁極数や形など)等が変わった時の相互力を
求めるには、変わった回数だけの数値計算を行わなけれ
ば求めることができなかった。このときの数値計算に要
する時間は、要求数やコンピュータの能力にもよるが、
1回当たりに数時間かかることも珍しくない。そのた
め、例えば1回転のトルク波形を求めるだけでも数十回
の計算が必要となり、演算時間を短縮することが要請さ
れている。
【0004】このような事情に鑑み本発明は、モータの
相互力を求めるための演算時間を大幅に短縮することが
できるようにしたモータの相互力算出方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第1発明は、コイルと磁石、又はこれらの何れか一方ど
うしを、相対的に移動可能に配置して相互力を利用する
ように構成したモータの相互力算出方法において、一方
側のコイルまたは磁石による磁束密度分布を一度求める
だけで、他方側の磁石のあらゆる状態及び条件における
相互力、逆起電圧、有効磁束等を、相互インダクタンス
の性質及びエネルギー保存の法則を利用することにより
求めるようにした構成を有している。
【0006】また第2の発明は、コイルと磁石、又はこ
れらの何れか一方どうしを、相対的に移動可能に配置し
て相互力を利用するように構成したモータの相互力算出
方法において、一方側のコイルまたは磁石による磁束密
度分布を一度求めるだけで、他方側のコアレスまたはス
ロットレス構造によるコイルのあらゆる状態及び条件に
おける相互力、逆起電圧、有効磁束等を、相互インダク
タンスの性質及びエネルギー保存の法則を利用すること
により求めるようにした構成を有している。
【0007】このように本発明は、モータにおける相互
力を相互インダクタンスの性質及びエネルギー保存の法
則に基づいて求める方法に関するものである。以下、そ
の説明を行う。一般に、外部からのエネルギー授受がな
い状態で、保持しているエネルギーの大きさが変化した
場合には、エネルギー保存の法則より何らかの仕事が行
われたことになる。つまり、今2つの物体が相対的にd
x移動することによってエネルギーがdW変化したとす
ると、 dW=F・dx すなわち、 F=dW/dx の力が働いたことになる。この様に、エネルギーの変位
から力を求める方法をエネルギー変位法(または仮想変
位法)という。
【0008】ところでモータの保持する磁気エネルギー
は、その形態の違いから2つの形により表すことができ
る。1つは、実際に磁気エネルギーが分布している状態
(部分)を表したものであり、もう1つは、磁気エネル
ギーを発生・保持している状態(部分)を表したもので
ある。前者は、影響を及ぼしている領域の磁気エネルギ
ー(H・B/2)を総て加え合わせてやれば求めること
ができるが、広い範囲に及んでいるため実際には困難で
ある。それに対して後者は、その形態からある部分に集
中しており、簡単に求めることができる。この発明は、
後者により求めた磁気エネルギーから、いろいろな状態
・条件における相互力を容易に算出する方法である。
【0009】まずモータの基本形は、相互に影響を及ぼ
し合う2つのコイルと考えることができ、その2つのコ
イルが発生・保持する磁気エネルギーWを表すと、 W= LJIJ 2/2 + MIJIC + LCIC 2/2 =ΦJIJ/2 + ΦMJICCIC/2 =ΦJm/2 +ΦMJICCIC/2 =ΦJm/2 +ΦMCm + ΦCIC/2 となる。ここでLは自己インダクタンス、Iは電流、M
は相互インダクタンス、Φは磁束、mは磁気モーメント
(磁化)であって、各式中の第1項は磁石自身の保持す
る(発生する)エネルギー、第3項は電機子コイル自身
の保持する(発生する)エネルギー、さらに第2項は2
つのコイル(または磁石)が相互に影響し合って保持し
ている(発生している)エネルギーである。
【0010】次にモータにおける各種電磁力の式を、エ
ネルギー変位法に基づいて表してみる。外部からのエネ
ルギー授受が無く、上記磁気エネルギー式中のI及びm
の値が固定状態である場合において、2つのコイルを相
対的にdx移動させることにより生じるエネルギーの差
をdWとすれば、dW=F・dxより、そのときに働く
力F(トータルの力T)は次式で表される。 F= dW/dx = (dΦJ/dx)・(m/2) + (dΦMJ/dx)・IC + (dΦC/dx)・(IC/2) = (dΦJ/dx)・(m/2) + (dΦMC/dx)・m + (dΦC/dx)・(IC/2)
【0011】上式中の第1項は磁石自身によって発生す
る力、すなわちコギングである。また第2項は磁石とコ
イルの相互作用による力(相互力)、すなわち通常のモ
ータの駆動力である。さらに第3項はコイル自身によっ
て発生する力、すなわち電磁石による吸引力である。
【0012】この式より第2項の相互力は、相対位置当
たりの磁束(ΦMJまたはΦMC)の差に、ICまたはmをか
け合わすことにより求められることがわかる。従来のや
り方によれば、両側部材(以下、A側部材及びB側部材
とする。)の相対移動や、他方側のB側部材としての磁
石(またはコイル)の状態及び条件により、この第2項
を構成する要素の値が変化するため、変えた回数分だけ
数値計算を行う必要があった。しかしながら実際のモー
タの場合を考えてみると、両側のA側部材及びB側部材
が相対移動しても、あるいは他方側のB側部材としての
磁石(又はコイル)の状態及び条件が変わっても、一方
側のA側部材としての磁石(又はコイル)によって発生
した磁束密度分布自体は変わらない場合がほとんどであ
る。
【0013】例えば相対移動の場合において、他方側
のB側部材としての磁石(又はコイル)と交差する磁束
は相対移動に伴い変化するが、磁束密度分布自体は相対
的に移動しているだけで変化しない構造の場合が多い。
また他方側のB側部材としての磁石(またはコイル)
の形状、位置、大きさ、強さなどが変化した場合には、
交差する磁束はそれに応じて違ってくるが、磁束密度分
布自体は変化しない場合が多い。上記のような構造の場
合、磁束密度分布自体は変化していないため、一度数値
計算にて磁束密度分布を求めて記憶しておけば、その都
度数値計算を行って磁束密度分布を求めなくても、記憶
している磁束密度分布の必要個所のデータを取り出し、
それに応じたm(又はIc)とかけ合わせてやることに
よって、磁気エネルギーの相互成分を求められることが
わかる。すなわち、各変更に対応したm(またはIc)
のデータを作成し、記憶している磁束密度分布とかけ合
わせることにより、相互力が求められる。
【0014】
【作用】そして上記手段においては、従来なら数十回、
数百回にわたって演算を要する内容が、一度の数値解析
と後のデータ処理のみによって実行され、従って演算時
間が大幅に短縮されるようになっている。具体的に本発
明にかかる手段によれば、数値解析・データ処理をする
ことによって、次の様なことが可能となる。まず一方側
のA側部材としての磁石又はコイルによる磁束密度分布
を一度求めれば、後はデータ処理だけで、他方側のB側
部材としてのの磁石のあらゆる状態・条件における相互
力、逆起電圧、有効磁束波形などを算出することができ
る。ここで磁石のあらゆる状態・条件とは、磁石の形状
(厚さ、幅、長さ、凹凸等)、磁石の強さ、着磁波形
(サイン、台形、スキュー、磁極数、厚み方向の着磁分
布等)など磁石側のあらゆる状態を言い、相互力は、一
方側のA側部材による磁束密度分布と磁石の磁化を掛け
たものを足し合わせることによって磁気エネルギーを求
めて算出する。通常、磁石側の磁性体(ヨーク等)は平
坦な形状となっており、一方側のA側部材と磁石側とが
相対移動してもA側部材の発生する磁束密度分布は変化
しない。このような構造の場合、一方側のA側部材によ
る磁束密度分布を一度求めておけば、後はデータ処理に
よって、対向する磁石の磁化分布を変えるだけで磁石側
のあらゆる状態及び条件における相互力を算出すること
ができる。
【0015】より具体的には、仮の磁石要素を設けるか
空間点を設けて磁束密度分布を求めておき、それに必要
な状態・条件の磁石の磁化を掛け合わせれば良い。そし
て磁化分布を回転移動させれば一回転分のトルク波形が
求められる。また磁化分布を変えて演算すれば、どのよ
うな磁石の強さ、スキュー着磁等の着磁波形でも求めら
れ、また範囲を変えれば磁石のどのような厚さ、幅、長
さ、形状(ギャップ長の影響等)でも求められる。
【0016】次に、通常コアレス・スロットレスの場合
には、相対位置が移動しても、一方側のA側部材による
磁束密度分布自体は変わらないため、A側部材による磁
束密度分布を一度求めれば、後はデータ処理だけでコイ
ル側のあらゆる状態・条件における相互力、逆起電圧、
有効磁束などを算出することができる。ここで、コイル
側のあらゆる状態とは、コイルの形状(形、厚さ、幅、
大きさ等)、コイルの位置などコイル側のあらゆる状態
を言い、また条件とは、1回転分のトルク波形、逆起波
形、トルク定数、逆起定数、有効磁束などの求めたい条
件をいう。
【0017】通常、コアレス・スロットレスの場合に
は、コイル側の磁性体(コア・ヨーク等)は平坦形状と
なっており、一方側のA側部材とB側部材とが相対移動
してもA側部材の発生する磁束密度分布は変化しない。
このため一度A側部材による磁束密度分布を求めておけ
ば、後はデータ処理でコイル側の状態・条件を変えてや
るだけで、コイル側のあらゆる状態及び条件における相
互力を算出することができる。
【0018】具体的には、仮のコイル要素を設けるか空
間点を設けて磁束密度分布を求めておき、それに任意の
位置・形状のコイルを設定し、有効磁束を求めれば良
い。そしてコイル条件を回転移動させれば一回転分のト
ルク波形が求められる。またコイルの位置・形状条件を
変えて演算すれば、コイル側のあらゆる状態における相
互力が算出される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。図
1に示されている実施例では、まずステップにおい
て、要素の組立が行われる。この要素の組立は、数値解
析に必要な固定要素についての組立を行うものであっ
て、条件を変えてその影響を見たい要素は不要である。
すなわち一方側のA側部材としての磁石(又はコイル)
による磁束密度分布を求めるのに必要な要素の組立を行
うものである。また磁束密度を直接求めるために仮要素
を設けてもよい。またこのときの解析の手法は問わず、
磁束密度分布が正確に求められる手法であればなんでも
よい。例えば、有限要素法、境界要素法、差分法、磁気
モーメント法等である。
【0020】次にステップ2において、磁石の磁化の強
さ、電流の大きさ等の一方側のA側部材としての固定要
素について条件設定が行われた後、ステップ3において
本計算が実行される。この本計算では方程式を解いて磁
束密度分布あるいは特定部分の磁束密度等が算出され、
次のステップ4において、上記ステップ3で求められた
磁束密度分布が記憶される。
【0021】さらにステップ5においては、他方側のB
側部材としての磁石要素又はコイル要素の条件データの
作成が行われる。具体的には、磁石要素の条件データと
しては、磁石の形状(厚さ,幅,長さ,凹凸等)、磁石
の強さ(磁化の強さ等)、着磁波形(磁極数,サイン・
台形などの着磁波形,スキュー着磁,厚み方向の着磁分
布等)、磁石位置(ロータとステータとの相対位置関係
等)などがある。またコイル要素の条件データとして
は、コイル形状(コイルの形状,コイルの厚さ,コイル
の幅,コイルの大きさ等)、コイルの位置(磁石側に対
する相対位置関係等)、コイルの電流(コイル巻き数,
流す電流等)などがある。
【0022】ついでステップ6で、上述したステップ4
における磁束密度分布と、ステップ5における磁石磁化
分布またはコイル電流分布とが掛け合わせられ、相互成
分の磁気エネルギーが算出される。このような演算は、
必要に応じて条件変更が行われた後(ステップ5)、複
数回数にわたって繰り返される。ここで求められたエネ
ルギーの差は、次のステップ7で相対移動させた距離で
割られ、それによって相互力が求められる。また必要に
応じて、逆起電圧、トルク定数、有効磁束なども計算さ
れる。このときの演算も、必要に応じて条件変更が行わ
れた後(ステップ5)に、複数回数にわたって繰り返さ
れる。
【0023】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかるモータ
の相互力算出方法は、エネルギー保存の法則と相互イン
ダクタンスの性質をモータの数値解析に取り入れ応用す
ることによって、相対移動するコイルと磁石又はこれら
の何れか一方どうしの組合せにおける一方側に発生する
磁束分布を求め、その後はデータ処理のみによって他方
側のあらゆる状態・条件における相互力を求めるもので
あるから、従来なら数十回あるいは数百回の演算を要す
る内容を、一度の数値計算とその後のデータ処理だけで
行うことができ、その結果、数値解析を極めて能率的に
行うことができ、演算時間を大幅に短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における演算手順を表したフ
ロー図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルと磁石又はこれらの何れか一方の
    部材どうしを、相対的に移動可能に配置して相互力を利
    用するように構成したモータの相互力算出方法におい
    て、 上記両部材のうちの一方側の部材を構成するコイルまた
    は磁石による磁束密度分布を一度求めるだけで、他方側
    の部材を構成する磁石のあらゆる状態及び条件における
    相互力その他の必要な値を、相互インダクタンスの性質
    及びエネルギー保存の法則を利用することにより求める
    ようにしたことを特徴とするモータの相互力算出方法。
  2. 【請求項2】 コイルと磁石又はこれらの何れか一方の
    部材どうしを、相対的に移動可能に配置して相互力を利
    用するように構成したモータの相互力算出方法におい
    て、 上記両部材のうちの一方側の部材を構成するコイルまた
    は磁石による磁束密度分布を一度求めるだけで、他方側
    の部材を構成するコアレスまたはスロットレス構造によ
    るコイルのあらゆる状態及び条件における相互力その他
    の必要な値を、相互インダクタンスの性質及びエネルギ
    ー保存の法則を利用することにより求めるようにしたこ
    とを特徴とするモータの相互力算出方法。
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