JP3017066B2 - セラミック凍結成形体の凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治具 - Google Patents
セラミック凍結成形体の凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治具Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック凍結成
形体の凍結乾燥方法に係り、更に詳しくは、セラミック
凍結成形体を短時間で乾燥でき、かつ乾燥後の成形体の
表面状態も良好な凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治
具(台座)に関する。
形体の凍結乾燥方法に係り、更に詳しくは、セラミック
凍結成形体を短時間で乾燥でき、かつ乾燥後の成形体の
表面状態も良好な凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治
具(台座)に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの成形法として、従来、プ
レス成形、射出成形、鋳込成形など各種方法が知られて
いるが、このような成形法の1つとして、近年、凍結成
形法と呼ばれる成形法が注目されている。セラミックス
の凍結成形法は、セラミック粉末を水等の分散媒と混合
し、得られた混合物(原料スラリー)を成形型に充填し
て、これを凍結・硬化させることにより、所望の形状の
凍結成形体を得る成形法であり、複雑形状の付与が可能
であること、成形型材の自由度が大きいこと等の利点が
ある。
レス成形、射出成形、鋳込成形など各種方法が知られて
いるが、このような成形法の1つとして、近年、凍結成
形法と呼ばれる成形法が注目されている。セラミックス
の凍結成形法は、セラミック粉末を水等の分散媒と混合
し、得られた混合物(原料スラリー)を成形型に充填し
て、これを凍結・硬化させることにより、所望の形状の
凍結成形体を得る成形法であり、複雑形状の付与が可能
であること、成形型材の自由度が大きいこと等の利点が
ある。
【0003】凍結成形法によって得られた凍結成形体
は、焼成する前に乾燥して分散媒を除去する必要があ
る。通常この乾燥は、凍結成形体を凍結状態のまま真空
中におき、分散媒を昇華させる凍結乾燥法により行われ
る。一般に、この凍結乾燥には棚段式の凍結真空乾燥機
が使用され、凍結成形体は凍結真空乾燥機のチャンバー
(真空槽)内において、棚板に直接載せられた状態で乾
燥される。
は、焼成する前に乾燥して分散媒を除去する必要があ
る。通常この乾燥は、凍結成形体を凍結状態のまま真空
中におき、分散媒を昇華させる凍結乾燥法により行われ
る。一般に、この凍結乾燥には棚段式の凍結真空乾燥機
が使用され、凍結成形体は凍結真空乾燥機のチャンバー
(真空槽)内において、棚板に直接載せられた状態で乾
燥される。
【0004】乾燥対象である凍結成形体を載置するため
の棚板は、通常それ自体が冷却又は加熱できるようにな
っており、乾燥中に凍結成形体が溶融する可能性がある
場合には、棚板を冷却して凍結成形体の温度を下げ、ま
た、圧力と温度との関係より凍結成形体の溶融が考えら
れない場合には、昇華乾燥を促進させるために、逆に棚
板を加熱して凍結成形体の温度を上げるといった温度制
御がなされる。
の棚板は、通常それ自体が冷却又は加熱できるようにな
っており、乾燥中に凍結成形体が溶融する可能性がある
場合には、棚板を冷却して凍結成形体の温度を下げ、ま
た、圧力と温度との関係より凍結成形体の溶融が考えら
れない場合には、昇華乾燥を促進させるために、逆に棚
板を加熱して凍結成形体の温度を上げるといった温度制
御がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
凍結乾燥方法においては、図5のように、凍結成形体1
0が棚板14に直接載せられた状態で凍結乾燥が行われ
るが、棚板14と直接接触している凍結成形体10の棚
板14に対する設置面(棚板に接する側の面)16は、
棚板14表面と密接しており、凍結成形体10の周囲の
雰囲気との通気性が無いので、この設置面16からは昇
華乾燥がほとんど進行せず、このため凍結成形体の乾燥
に時間がかかるという問題があった。また、棚板14と
直接接触している凍結成形体10の設置面16は、表面
状態が悪化(変色、色ムラの発生等)するとともに、変
形しやすいという問題もあった。
凍結乾燥方法においては、図5のように、凍結成形体1
0が棚板14に直接載せられた状態で凍結乾燥が行われ
るが、棚板14と直接接触している凍結成形体10の棚
板14に対する設置面(棚板に接する側の面)16は、
棚板14表面と密接しており、凍結成形体10の周囲の
雰囲気との通気性が無いので、この設置面16からは昇
華乾燥がほとんど進行せず、このため凍結成形体の乾燥
に時間がかかるという問題があった。また、棚板14と
直接接触している凍結成形体10の設置面16は、表面
状態が悪化(変色、色ムラの発生等)するとともに、変
形しやすいという問題もあった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、凍結成形体の
乾燥時間を短縮できるとともに、凍結成形体の表面状態
の悪化や変形を防ぐことができるセラミック凍結成形体
の凍結乾燥方法を提供することにある。
たものであり、その目的とするところは、凍結成形体の
乾燥時間を短縮できるとともに、凍結成形体の表面状態
の悪化や変形を防ぐことができるセラミック凍結成形体
の凍結乾燥方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、セラミ
ック粉末と分散媒との混合物を成形型内に充填し、これ
を凍結・硬化させた後、離型して得られる凍結成形体
を、凍結乾燥する方法において、熱伝導率が15W/m
K以上の材料で作製された乾燥治具であって、当該乾燥
治具に凍結成形体を載せたときに、凍結成形体の乾燥治
具に対する設置面と凍結成形体の周囲の雰囲気との間に
通気性が確保できるような構造を有する乾燥治具を用
い、当該乾燥治具に凍結成形体を載せた状態で凍結乾燥
を行うことを特徴とするセラミック凍結成形体の凍結乾
燥方法、が提供される。
ック粉末と分散媒との混合物を成形型内に充填し、これ
を凍結・硬化させた後、離型して得られる凍結成形体
を、凍結乾燥する方法において、熱伝導率が15W/m
K以上の材料で作製された乾燥治具であって、当該乾燥
治具に凍結成形体を載せたときに、凍結成形体の乾燥治
具に対する設置面と凍結成形体の周囲の雰囲気との間に
通気性が確保できるような構造を有する乾燥治具を用
い、当該乾燥治具に凍結成形体を載せた状態で凍結乾燥
を行うことを特徴とするセラミック凍結成形体の凍結乾
燥方法、が提供される。
【0008】また、本発明によれば、セラミック粉末と
分散媒との混合物を成形型内に充填し、これを凍結・硬
化させた後、離型して得られる凍結成形体を、凍結乾燥
する際に用いる乾燥治具であって、熱伝導率が15W/
mK以上の材料で作製され、かつ、当該乾燥治具に凍結
成形体を載せたときに、凍結成形体の乾燥治具に対する
設置面と凍結成形体の周囲の雰囲気との間に通気性が確
保できるような構造を有することを特徴とする乾燥治
具、が提供される。
分散媒との混合物を成形型内に充填し、これを凍結・硬
化させた後、離型して得られる凍結成形体を、凍結乾燥
する際に用いる乾燥治具であって、熱伝導率が15W/
mK以上の材料で作製され、かつ、当該乾燥治具に凍結
成形体を載せたときに、凍結成形体の乾燥治具に対する
設置面と凍結成形体の周囲の雰囲気との間に通気性が確
保できるような構造を有することを特徴とする乾燥治
具、が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の凍結乾燥方法は、従来の
方法のように凍結成形体を凍結真空乾燥機の棚板上に直
接載せて真空凍結乾燥を行うのではなく、上記のような
特定の材質及び構造の乾燥治具(台座)を棚板上に敷
き、この乾燥治具に凍結成形体を載せた状態で凍結乾燥
を行うものである。
方法のように凍結成形体を凍結真空乾燥機の棚板上に直
接載せて真空凍結乾燥を行うのではなく、上記のような
特定の材質及び構造の乾燥治具(台座)を棚板上に敷
き、この乾燥治具に凍結成形体を載せた状態で凍結乾燥
を行うものである。
【0010】本発明において使用される乾燥治具は、凍
結成形体を載せたときに、凍結成形体の乾燥治具に対す
る設置面(乾燥治具に接する側の面)と凍結成形体の周
囲の雰囲気との間の通気性(以下、単に「通気性」とい
う)が確保できるような構造を有する。このような構造
の乾燥治具に載せて凍結成形体の凍結乾燥を実施する
と、従来方法では昇華乾燥がほとんど進行しなかった、
凍結成形体の棚板に対する設置面(本発明では乾燥治具
に対する設置面)からも昇華が進行し、乾燥時間が大幅
に短縮する。
結成形体を載せたときに、凍結成形体の乾燥治具に対す
る設置面(乾燥治具に接する側の面)と凍結成形体の周
囲の雰囲気との間の通気性(以下、単に「通気性」とい
う)が確保できるような構造を有する。このような構造
の乾燥治具に載せて凍結成形体の凍結乾燥を実施する
と、従来方法では昇華乾燥がほとんど進行しなかった、
凍結成形体の棚板に対する設置面(本発明では乾燥治具
に対する設置面)からも昇華が進行し、乾燥時間が大幅
に短縮する。
【0011】また、凍結成形体を棚板に直接載せず、凍
結成形体と棚板との間に上記のような乾燥治具を介在さ
せると、乾燥後の成形体の表面状態の悪化や変形も抑制
される。この理由は明確ではないが、上述のように凍結
成形体の乾燥治具に対する設置面からも、他の凍結成形
体表面と同様に昇華乾燥が進行するため、凍結成形体が
均一に乾燥されるとともに、凍結成形体の全表面が乾燥
初期段階で既乾燥層となることがその一要因として考え
られる。
結成形体と棚板との間に上記のような乾燥治具を介在さ
せると、乾燥後の成形体の表面状態の悪化や変形も抑制
される。この理由は明確ではないが、上述のように凍結
成形体の乾燥治具に対する設置面からも、他の凍結成形
体表面と同様に昇華乾燥が進行するため、凍結成形体が
均一に乾燥されるとともに、凍結成形体の全表面が乾燥
初期段階で既乾燥層となることがその一要因として考え
られる。
【0012】図1及び図2は、乾燥治具の具体的な構造
の例を示したもので、それぞれ(a)が平面図、(b)が側
面図、(c)が側面の部分拡大図である。図1の乾燥治具
2は、多数の貫通穴4及び溝6を設けて網目状の構造に
したものである。この例では、乾燥治具に凍結成形体を
載せたとき、凍結成形体の乾燥治具に対する設置面は、
貫通穴4及び溝6を介して凍結成形体の周囲の雰囲気に
通じる。すなわち、図3に示すように、凍結真空乾燥機
のチャンバー内において、棚板14に上記の乾燥治具2
を敷き、この乾燥治具2上に凍結成形体10を載せる
と、棚板14の表面と、凍結成形体10の乾燥治具2に
対する設置面12と、乾燥治具2の貫通穴4とによって
空間が形成され、更にこの空間が溝6によって凍結成形
体10の周囲の雰囲気に通じる。よって、この状態で凍
結乾燥を実施すると、乾燥治具2の貫通穴4及び溝6の
部分に露出している凍結成形体10の設置面12からも
昇華乾燥が進行する。
の例を示したもので、それぞれ(a)が平面図、(b)が側
面図、(c)が側面の部分拡大図である。図1の乾燥治具
2は、多数の貫通穴4及び溝6を設けて網目状の構造に
したものである。この例では、乾燥治具に凍結成形体を
載せたとき、凍結成形体の乾燥治具に対する設置面は、
貫通穴4及び溝6を介して凍結成形体の周囲の雰囲気に
通じる。すなわち、図3に示すように、凍結真空乾燥機
のチャンバー内において、棚板14に上記の乾燥治具2
を敷き、この乾燥治具2上に凍結成形体10を載せる
と、棚板14の表面と、凍結成形体10の乾燥治具2に
対する設置面12と、乾燥治具2の貫通穴4とによって
空間が形成され、更にこの空間が溝6によって凍結成形
体10の周囲の雰囲気に通じる。よって、この状態で凍
結乾燥を実施すると、乾燥治具2の貫通穴4及び溝6の
部分に露出している凍結成形体10の設置面12からも
昇華乾燥が進行する。
【0013】また、図2の乾燥治具2は多数の溝8を設
けて表面を凹凸状にしたものであり、このような構造に
したことにより、乾燥治具に凍結成形体を載せたとき
に、通気性が確保される。すなわち、図3に示すよう
に、この乾燥治具2に凍結成形体10を載せると、凍結
成形体10の乾燥治具2に対する設置面12は溝8を通
じて凍結成形体10の周囲の雰囲気に通じるので、この
状態で凍結乾燥を実施すると、乾燥治具2の溝8の部分
に露出している凍結成形体10の設置面12からも昇華
乾燥が進行する。
けて表面を凹凸状にしたものであり、このような構造に
したことにより、乾燥治具に凍結成形体を載せたとき
に、通気性が確保される。すなわち、図3に示すよう
に、この乾燥治具2に凍結成形体10を載せると、凍結
成形体10の乾燥治具2に対する設置面12は溝8を通
じて凍結成形体10の周囲の雰囲気に通じるので、この
状態で凍結乾燥を実施すると、乾燥治具2の溝8の部分
に露出している凍結成形体10の設置面12からも昇華
乾燥が進行する。
【0014】なお、本発明で用いられる乾燥治具は、熱
伝導率が15W/mK以上、好ましくは50W/mK以
上の材料で作製されたものとする。前述のように凍結乾
燥においては、棚板を冷却又は加熱することにより、凍
結乾燥中の凍結成形体温度を調節制御して、凍結成形体
の溶融防止や昇華乾燥の促進を行うが、本発明のよう
に、凍結成形体と棚板との間に乾燥治具を介在させた場
合には、凍結成形体を棚板に直接載せた場合に比して、
棚板温度に対する凍結成形体温度の追従性が悪くなり、
凍結成形体の温度制御が困難になる。
伝導率が15W/mK以上、好ましくは50W/mK以
上の材料で作製されたものとする。前述のように凍結乾
燥においては、棚板を冷却又は加熱することにより、凍
結乾燥中の凍結成形体温度を調節制御して、凍結成形体
の溶融防止や昇華乾燥の促進を行うが、本発明のよう
に、凍結成形体と棚板との間に乾燥治具を介在させた場
合には、凍結成形体を棚板に直接載せた場合に比して、
棚板温度に対する凍結成形体温度の追従性が悪くなり、
凍結成形体の温度制御が困難になる。
【0015】この問題を解消するためには乾燥治具を高
熱伝導率の材料で作製する必要があり、このため上記の
ように熱伝導率を規定した。熱伝導率が15W/mK未
満の材料で作製された乾燥治具を用いると、例えば凍結
成形体の溶融防止のために棚板を冷却したとしても、凍
結成形体の温度が十分に下がらないため、凍結乾燥中に
成形体内部が溶融して、完全な凍結固体での昇華乾燥が
実施されず、乾燥後の成形体内部に欠陥が発生する。
熱伝導率の材料で作製する必要があり、このため上記の
ように熱伝導率を規定した。熱伝導率が15W/mK未
満の材料で作製された乾燥治具を用いると、例えば凍結
成形体の溶融防止のために棚板を冷却したとしても、凍
結成形体の温度が十分に下がらないため、凍結乾燥中に
成形体内部が溶融して、完全な凍結固体での昇華乾燥が
実施されず、乾燥後の成形体内部に欠陥が発生する。
【0016】同様に、乾燥治具を介在させたことによる
棚板温度に対する凍結成形体温度の追従性の悪化を緩和
するため、乾燥治具の厚みは、なるべく薄くすることが
好ましく、具体的には10mm以下とすることが好まし
い。
棚板温度に対する凍結成形体温度の追従性の悪化を緩和
するため、乾燥治具の厚みは、なるべく薄くすることが
好ましく、具体的には10mm以下とすることが好まし
い。
【0017】また、本発明で用いられる図1及び図2の
ような乾燥治具は、体積割合が5%以上(空間部分の割
合が95%以下)の構造体であることが好ましい。ここ
で、体積割合とは、乾燥治具に形成された穴や溝などの
空間部分の体積も含めた乾燥治具の体積に対する、実際
の乾燥治具の体積の割合を意味する。この体積割合が5
%未満(空間部分の割合が95%超)では、乾燥治具を
高熱伝導率の材料で作製したとしても、棚板の温度が凍
結成形体に伝わりにくく、上記のような温度追従性悪化
の問題が生じる可能性がある。
ような乾燥治具は、体積割合が5%以上(空間部分の割
合が95%以下)の構造体であることが好ましい。ここ
で、体積割合とは、乾燥治具に形成された穴や溝などの
空間部分の体積も含めた乾燥治具の体積に対する、実際
の乾燥治具の体積の割合を意味する。この体積割合が5
%未満(空間部分の割合が95%超)では、乾燥治具を
高熱伝導率の材料で作製したとしても、棚板の温度が凍
結成形体に伝わりにくく、上記のような温度追従性悪化
の問題が生じる可能性がある。
【0018】本発明で用いられる乾燥治具として、上記
のように穴や溝などを設けて通気性の確保を図ったもの
の他に、乾燥治具を多孔質体で構成して、乾燥治具材自
体に通気性を持たせたものも使用することができる。こ
の場合、多孔質体の気孔率は10%以上であることが好
ましい。気孔率が10%未満では、凍結成形体の乾燥治
具に対する設置面からの昇華乾燥が十分に行われず、本
発明の効果が薄れる。
のように穴や溝などを設けて通気性の確保を図ったもの
の他に、乾燥治具を多孔質体で構成して、乾燥治具材自
体に通気性を持たせたものも使用することができる。こ
の場合、多孔質体の気孔率は10%以上であることが好
ましい。気孔率が10%未満では、凍結成形体の乾燥治
具に対する設置面からの昇華乾燥が十分に行われず、本
発明の効果が薄れる。
【0019】なお、穴や溝などを設けた場合、多孔質体
で構成した場合のいずれにおいても、凍結成形体の乾燥
治具への設置面の面積に対する、凍結成形体と乾燥治具
との接触面積の割合が5%以上であることが好ましい。
昇華乾燥の進行が可能な凍結成形体表面の面積(昇華面
積)を増大させるという観点からは、前記接触面積の割
合が小さい方が望ましいが、小さすぎると前述のような
温度追従性悪化の問題が生じる。
で構成した場合のいずれにおいても、凍結成形体の乾燥
治具への設置面の面積に対する、凍結成形体と乾燥治具
との接触面積の割合が5%以上であることが好ましい。
昇華乾燥の進行が可能な凍結成形体表面の面積(昇華面
積)を増大させるという観点からは、前記接触面積の割
合が小さい方が望ましいが、小さすぎると前述のような
温度追従性悪化の問題が生じる。
【0020】本発明において凍結乾燥の対象となる凍結
成形体は、セラミックスの凍結成形法、すなわち、セラ
ミック粉末と分散媒との混合物(原料スラリー)を成形
型内に充填し、これを凍結・硬化させた後、離型すると
いう方法により得られたものである。凍結状態であれ
ば、凍結成形体の形状は限定されない。
成形体は、セラミックスの凍結成形法、すなわち、セラ
ミック粉末と分散媒との混合物(原料スラリー)を成形
型内に充填し、これを凍結・硬化させた後、離型すると
いう方法により得られたものである。凍結状態であれ
ば、凍結成形体の形状は限定されない。
【0021】この凍結成形体の作製に用いられるセラミ
ック粉末としては、特にその種類を限定するものではな
く、例えばアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニ
ア、サイアロン等の粉末が使用できる。また、これらの
焼結体特性等を改良するために、種々の助剤を加えたも
のも使用できる。
ック粉末としては、特にその種類を限定するものではな
く、例えばアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニ
ア、サイアロン等の粉末が使用できる。また、これらの
焼結体特性等を改良するために、種々の助剤を加えたも
のも使用できる。
【0022】分散媒としては、水系、非水系のいずれの
分散媒も使用することができる。非水系分散媒について
は、特にその種類を限定するものではないが、ベンゼ
ン、キシレン、トルエン、メタノール、エタノール等が
好適に使用できる。また、水系分散媒と非水系分散媒と
の混合物も使用可能であるとともに、必要に応じ、分散
剤、結合剤、消泡剤、界面活性剤等の添加物を加えたも
のも使用できる。セラミック粉末と分散媒との比率とし
ては、混合物中のセラミック粉末の体積濃度が60%以
下であることが好ましい。
分散媒も使用することができる。非水系分散媒について
は、特にその種類を限定するものではないが、ベンゼ
ン、キシレン、トルエン、メタノール、エタノール等が
好適に使用できる。また、水系分散媒と非水系分散媒と
の混合物も使用可能であるとともに、必要に応じ、分散
剤、結合剤、消泡剤、界面活性剤等の添加物を加えたも
のも使用できる。セラミック粉末と分散媒との比率とし
ては、混合物中のセラミック粉末の体積濃度が60%以
下であることが好ましい。
【0023】本発明の凍結乾燥方法により乾燥された成
形体は、一般的なセラミックスの焼成工程により、焼結
体とすることができる。本発明の凍結乾燥方法により乾
燥された成形体は、凍結乾燥による表面状態の悪化や変
形が抑制されているので、最終的に得られるセラミック
焼結体も表面状態が良好で、形状精度に優れたものとな
る。
形体は、一般的なセラミックスの焼成工程により、焼結
体とすることができる。本発明の凍結乾燥方法により乾
燥された成形体は、凍結乾燥による表面状態の悪化や変
形が抑制されているので、最終的に得られるセラミック
焼結体も表面状態が良好で、形状精度に優れたものとな
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0025】〔実施例1〕窒化珪素粉末38vol%、分
散剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)2vol%、結合
剤(ポリビニルアルコール)2vol%及び水58vol%を
混合し、これを−70cmHgで3分間真空脱泡して原料ス
ラリーを作製した。この原料スラリーを使用して、寸法
70×50×20mmの角板を成形した。成形方法として
は、上記寸法の成形部を有するアルミ合金製成形型に、
原料スラリーを0.5kg/cm2の圧力で充填し、約−75
℃の冷媒中に7分間浸漬させて、原料スラリーを凍結さ
せた。
散剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)2vol%、結合
剤(ポリビニルアルコール)2vol%及び水58vol%を
混合し、これを−70cmHgで3分間真空脱泡して原料ス
ラリーを作製した。この原料スラリーを使用して、寸法
70×50×20mmの角板を成形した。成形方法として
は、上記寸法の成形部を有するアルミ合金製成形型に、
原料スラリーを0.5kg/cm2の圧力で充填し、約−75
℃の冷媒中に7分間浸漬させて、原料スラリーを凍結さ
せた。
【0026】こうして得られた凍結成形体について凍結
乾燥を実施した。凍結乾燥は、図1に示すような、通気
性を有する網目状の乾燥治具2(アルミ合金製、厚み3
mm)を使用し、凍結真空乾燥機のチャンバー内におい
て、図3のように棚板14上に乾燥治具2を敷き、この
上に凍結成形体10を載せた状態で実施した。凍結乾燥
条件としては、凍結成形体の共晶点が−5℃であったこ
とから、凍結乾燥中の溶融を防ぐため、棚板温度を−1
0℃に設定し、真空度は約0.1Torrとした。
乾燥を実施した。凍結乾燥は、図1に示すような、通気
性を有する網目状の乾燥治具2(アルミ合金製、厚み3
mm)を使用し、凍結真空乾燥機のチャンバー内におい
て、図3のように棚板14上に乾燥治具2を敷き、この
上に凍結成形体10を載せた状態で実施した。凍結乾燥
条件としては、凍結成形体の共晶点が−5℃であったこ
とから、凍結乾燥中の溶融を防ぐため、棚板温度を−1
0℃に設定し、真空度は約0.1Torrとした。
【0027】このような条件で実施した凍結乾燥の所要
時間、乾燥後の成形体の平面度、及び乾燥後の成形体の
内部状態を調べたところ、結果は表1に示すとおりであ
った。表に示すとおり、凍結乾燥は52時間と短時間で
終了し、乾燥後の成形体の平面度も良好であった。ま
た、乾燥治具材料の熱伝導率が十分に高いため、棚板か
らの熱伝導も良好で、乾燥後の成形体内部にクラック等
の欠陥は確認されなかった。
時間、乾燥後の成形体の平面度、及び乾燥後の成形体の
内部状態を調べたところ、結果は表1に示すとおりであ
った。表に示すとおり、凍結乾燥は52時間と短時間で
終了し、乾燥後の成形体の平面度も良好であった。ま
た、乾燥治具材料の熱伝導率が十分に高いため、棚板か
らの熱伝導も良好で、乾燥後の成形体内部にクラック等
の欠陥は確認されなかった。
【0028】〔実施例2〕乾燥治具として、図2に示す
ような、通気性を有する表面が凹凸状の乾燥治具2(ス
テンレス鋼製、厚み3mm)を使用した以外は、実施例
1と同様にして凍結乾燥を実施し、凍結乾燥の所要時
間、乾燥後の成形体の平面度、及び乾燥後の成形体の内
部状態を調べた。結果は表1に示すとおりであり、実施
例1とほぼ同等の結果が得られた。
ような、通気性を有する表面が凹凸状の乾燥治具2(ス
テンレス鋼製、厚み3mm)を使用した以外は、実施例
1と同様にして凍結乾燥を実施し、凍結乾燥の所要時
間、乾燥後の成形体の平面度、及び乾燥後の成形体の内
部状態を調べた。結果は表1に示すとおりであり、実施
例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0029】〔比較例1〕乾燥治具を使用せず、図5に
示すように、棚板14上に凍結成形体10を直接載せた
以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥を実施し、凍結
乾燥の所要時間、乾燥後の成形体の平面度、及び乾燥後
の成形体の内部状態を調べた。結果は表1に示すとおり
であり、棚板と直接接触していた凍結成形体の設置面か
らは、昇華乾燥が不可能であったため、乾燥に72時間
という長い時間を費やした。また、棚板と直接接触して
いた凍結成形体面の状態が悪化し、乾燥後の成形体の平
面度は、実施例1及び2に比べてかなり大きな値となっ
た。
示すように、棚板14上に凍結成形体10を直接載せた
以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥を実施し、凍結
乾燥の所要時間、乾燥後の成形体の平面度、及び乾燥後
の成形体の内部状態を調べた。結果は表1に示すとおり
であり、棚板と直接接触していた凍結成形体の設置面か
らは、昇華乾燥が不可能であったため、乾燥に72時間
という長い時間を費やした。また、棚板と直接接触して
いた凍結成形体面の状態が悪化し、乾燥後の成形体の平
面度は、実施例1及び2に比べてかなり大きな値となっ
た。
【0030】〔比較例2〕乾燥治具として、図4に示す
ような、通気性の無い平板状の乾燥治具2(アルミ合金
製、厚み3mm)を使用した以外は、実施例1と同様に
して凍結乾燥を実施し、凍結乾燥の所要時間、乾燥後の
成形体の平面度、及び乾燥後の成形体の内部状態を調べ
た。結果は表1に示すとおりであり、比較例1とほぼ同
等の結果であった。
ような、通気性の無い平板状の乾燥治具2(アルミ合金
製、厚み3mm)を使用した以外は、実施例1と同様に
して凍結乾燥を実施し、凍結乾燥の所要時間、乾燥後の
成形体の平面度、及び乾燥後の成形体の内部状態を調べ
た。結果は表1に示すとおりであり、比較例1とほぼ同
等の結果であった。
【0031】〔比較例3〕乾燥治具の材質をプラスチッ
ク製とした以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥を実
施し、凍結乾燥の所要時間、乾燥後の成形体の平面度、
及び乾燥後の成形体の内部状態を調べた。結果は表1に
示すとおりであり、乾燥は44時間と短時間で終了し、
乾燥後の成形体の平面度も比較的良好な結果であった。
しかし、乾燥治具材料の熱伝導率が低いため、棚板から
の熱伝導が悪く、凍結成形体が十分に冷却されなかった
ので、凍結乾燥中に成形体内部が溶融し、完全な凍結固
体での昇華乾燥が実施されず、乾燥後の成形体内部に欠
陥が発生する結果となった。なお、実施例1及び2より
も乾燥が短時間で終了したのは、上記したように、凍結
成形体の冷却が不十分であったため、乾燥中に成形体温
度が上昇し、乾燥が促進されたためと考えられる。
ク製とした以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥を実
施し、凍結乾燥の所要時間、乾燥後の成形体の平面度、
及び乾燥後の成形体の内部状態を調べた。結果は表1に
示すとおりであり、乾燥は44時間と短時間で終了し、
乾燥後の成形体の平面度も比較的良好な結果であった。
しかし、乾燥治具材料の熱伝導率が低いため、棚板から
の熱伝導が悪く、凍結成形体が十分に冷却されなかった
ので、凍結乾燥中に成形体内部が溶融し、完全な凍結固
体での昇華乾燥が実施されず、乾燥後の成形体内部に欠
陥が発生する結果となった。なお、実施例1及び2より
も乾燥が短時間で終了したのは、上記したように、凍結
成形体の冷却が不十分であったため、乾燥中に成形体温
度が上昇し、乾燥が促進されたためと考えられる。
【0032】
【表1】
【0033】上記実施例は、凍結成形体の共晶点が−5
℃と低いため、凍結乾燥時に棚板の冷却が必要な場合の
例である。圧力と温度の関係より凍結成形体の溶融が考
えられないときには、昇華乾燥を促進させるために、逆
に棚板を加熱して凍結乾燥を実施する場合もあるが、こ
の場合においても、本発明の凍結乾燥方法を適用するこ
とにより、凍結乾燥時間を短縮し、また成形体の表面状
態の悪化や変形を抑制することができる。
℃と低いため、凍結乾燥時に棚板の冷却が必要な場合の
例である。圧力と温度の関係より凍結成形体の溶融が考
えられないときには、昇華乾燥を促進させるために、逆
に棚板を加熱して凍結乾燥を実施する場合もあるが、こ
の場合においても、本発明の凍結乾燥方法を適用するこ
とにより、凍結乾燥時間を短縮し、また成形体の表面状
態の悪化や変形を抑制することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来法では昇華乾燥がほとんど進行しなかった、凍結成
形体の棚板に対する設置面(本発明では、乾燥治具に対
する設置面)からも昇華乾燥が進行するため、凍結成形
体の乾燥時間が大幅に短縮される。また、成形体の表面
状態の悪化や変形も抑制され、表面状態及び形状精度の
良好な乾燥成形体が得られる。
従来法では昇華乾燥がほとんど進行しなかった、凍結成
形体の棚板に対する設置面(本発明では、乾燥治具に対
する設置面)からも昇華乾燥が進行するため、凍結成形
体の乾燥時間が大幅に短縮される。また、成形体の表面
状態の悪化や変形も抑制され、表面状態及び形状精度の
良好な乾燥成形体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾燥治具の一例を示す説明図で、(a)が平面
図、(b)が側面図、(c)が側面の部分拡大図である。
図、(b)が側面図、(c)が側面の部分拡大図である。
【図2】乾燥治具の他の一例を示す説明図で、(a)が平
面図、(b)が側面図、(c)が側面の部分拡大図である。
面図、(b)が側面図、(c)が側面の部分拡大図である。
【図3】本発明の凍結乾燥方法による凍結乾燥時の状態
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図4】比較例に用いた乾燥治具を示す説明図で、(a)
が平面図、(b)が側面図である。
が平面図、(b)が側面図である。
【図5】従来の凍結乾燥方法による凍結乾燥時の状態を
示す説明図である。
示す説明図である。
2…乾燥治具(台座)、4…貫通穴、6…溝、8…溝、
10…凍結成形体、12…乾燥治具に対する設置面、1
4…棚板、16…棚板に対する設置面
10…凍結成形体、12…乾燥治具に対する設置面、1
4…棚板、16…棚板に対する設置面
Claims (6)
- 【請求項1】 セラミック粉末と分散媒との混合物を成
形型内に充填し、これを凍結・硬化させた後、離型して
得られる凍結成形体を、凍結乾燥する方法において、熱
伝導率が15W/mK以上の材料で作製された乾燥治具
であって、当該乾燥治具に凍結成形体を載せたときに、
凍結成形体の乾燥治具に対する設置面と凍結成形体の周
囲の雰囲気との間に通気性が確保できるような構造を有
する乾燥治具を用い、当該乾燥治具に凍結成形体を載せ
た状態で凍結乾燥を行うことを特徴とするセラミック凍
結成形体の凍結乾燥方法。 - 【請求項2】 乾燥治具が、体積割合5%以上の構造体
である請求項1記載の凍結乾燥方法。 - 【請求項3】 乾燥治具が、気孔率10%以上の多孔質
体である請求項1記載の凍結乾燥方法。 - 【請求項4】 乾燥治具の厚みが10mm以下である請
求項1記載の凍結乾燥方法。 - 【請求項5】 凍結成形体の乾燥治具への設置面の面積
に対する、凍結成形体と乾燥治具との接触面積の割合が
5%以上である請求項1記載の凍結乾燥方法。 - 【請求項6】 セラミック粉末と分散媒との混合物を成
形型内に充填し、これを凍結・硬化させた後、離型して
得られる凍結成形体を、凍結乾燥する際に用いる乾燥治
具であって、熱伝導率が15W/mK以上の材料で作製
され、かつ、当該乾燥治具に凍結成形体を載せたとき
に、凍結成形体の乾燥治具に対する設置面と凍結成形体
の周囲の雰囲気との間に通気性が確保できるような構造
を有することを特徴とする乾燥治具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32863495A JP3017066B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | セラミック凍結成形体の凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32863495A JP3017066B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | セラミック凍結成形体の凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09165254A JPH09165254A (ja) | 1997-06-24 |
| JP3017066B2 true JP3017066B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=18212461
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32863495A Expired - Lifetime JP3017066B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | セラミック凍結成形体の凍結乾燥方法及びそれに用いる乾燥治具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3017066B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4235095B2 (ja) * | 2002-12-25 | 2009-03-04 | 株式会社永谷園 | 凍結乾燥味噌の製造方法 |
-
1995
- 1995-12-18 JP JP32863495A patent/JP3017066B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09165254A (ja) | 1997-06-24 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991214 |