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JP3058779B2 - 筆記状態測定方法および装置 - Google Patents
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JP3058779B2 - 筆記状態測定方法および装置 - Google Patents

筆記状態測定方法および装置

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JP3058779B2
JP3058779B2 JP5078968A JP7896893A JP3058779B2 JP 3058779 B2 JP3058779 B2 JP 3058779B2 JP 5078968 A JP5078968 A JP 5078968A JP 7896893 A JP7896893 A JP 7896893A JP 3058779 B2 JP3058779 B2 JP 3058779B2
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種筆記具の筆記状態
を定量的、客観的に測定する筆記状態測定方法および装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、筆記具の分野においては、筆記目
的の多様化に伴い、多種多様な筆記具が開発され、使用
されている。
【0003】このような筆記具の多様化に伴い、例えば
筆記目的に最適な筆記状態を有する筆記具の開発を行な
う等のために、各筆記具の筆記状態を知得する必要性が
あった。
【0004】この知得すべき筆記状態の代表例として
は、筆記時における筆記摩擦力(手に感ずる重い筆記、
軽い筆記等の差異)、筆記のなめらかさ(スムースに書
けるか、ざらざら、または、ぎしぎしするか等)等が挙
げられる。
【0005】従来は、このような筆記状態を知得するた
めに、検査員が人手により筆記具の筆記を実際に行なっ
て、筆記時における筆記摩擦力や筆記のなめらかさ等を
感応に基づいて判断していた。
【0006】このような従来方法は、極めて定性的、主
観的であり、筆記状態を定量的、客観的に知得する方法
としては、なじまないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで従来は、回転す
るドラムに筆記具を当接させて一方向筆記を継続させて
いる間に、当該筆記具の動摩擦係数を測定する方法が提
案されていた。
【0008】しかしながら、この従来方法においては、
筆記具の動摩擦係数のみを測定するものであるために、
前述した筆記状態の一部のみを把握できるにとどまり、
筆記具の筆記状態を真に把握できるものではなく、その
測定に精密性を欠如するものである。
【0009】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、各種筆記具の筆記状態を定量的、客観的に知得
することができ、また、各筆記具の良好な筆記状態に対
して測定データを比較することにより、筆記具における
不具合のある構成部分の解明を正確、かつ、簡易に行な
うことができ、また、筆記具の生産ラインにおける抜取
り検査や、品質管理等に利用することのできる筆記状態
測定方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明の筆記状態測定方法は、記
録媒体と筆記具とが相対移動している筆記動作中の筆記
具に付与される摩擦状態および振動状態の各経時的パタ
ーンを同時に計測するとともに、計測によって得られた
摩擦状態および振動状態を組み合わせて観察して前記筆
記具が有する前記筆記動作中の筆記摩擦力および筆記の
なめらかさからなる筆記状態を検出して前記筆記具の筆
記状態を測定することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載の本発明の筆記状態
測定方法は、請求項1に記載の筆記状態測定方法におい
て、前記筆記具に付与される摩擦状態は、摩擦力を計測
することにより測定され、前記筆記具に付与される振動
状態は、振動加速度および/またはアコースティックエ
ミッションを計測することにより測定されることを特徴
とする。
【0012】また、請求項3に記載の筆記状態測定方法
は、請求項1または請求項2に記載の筆記状態測定方法
において、測定データを貯蔵するとともに、前記測定デ
ータを所定の表示条件に応じて表示させることを特徴と
する。
【0013】また、請求項4に記載の筆記状態測定装置
は、筆記具を記録媒体と相対移動させて筆記動作を行な
わせる筆記動作付与手段と、前記筆記動作中の筆記具に
付与される摩擦状態を計測する摩擦状態計測手段と、
筆記動作中の筆記具に付与される振動状態を計測する
振動状態計測手段とを有し、前記摩擦状態計測手段およ
び振動状態計測手段によって前記筆記動作中の筆記具に
付与される摩擦状態および振動状態の各経時的パターン
を同時に計測するとともに、計測によって得られた摩擦
状態および振動状態を組み合わせて観察して前記筆記具
が有する前記筆記動作中の筆記摩擦力および筆記のなめ
らかさからなる筆記状態を検出することを特徴とする。
【0014】また、請求項5に記載の筆記状態測定装置
は、請求項4に記載の筆記状態測定装置において、摩擦
状態計測手段は、摩擦力を計測する微小荷重センサによ
り形成されており、振動状態計測手段は、振動加速度を
計測する振動加速度センサおよび/またはアコースティ
ックエミッションを形成するアコースティックエミッシ
ョンにより計測されていることを特徴とする。
【0015】また、請求項6に記載の筆記状態測定装置
は、請求項4または請求項5に記載の筆記状態測定装置
において、測定データを貯蔵するデータストーレージ手
段と、前記測定データを所定の表示条件に応じて表示さ
せるデータ表示手段とを有することを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の筆記状態測定装置を本発明の筆記状態
測定方法に従って動作させることにより、各種筆記具の
筆記状態を定量的、客観的に知得することができる。
【0017】すなわち、筆記動作中の筆記具に付与され
る摩擦状態および振動状態を同時に計測して、前記筆記
具の筆記状態の主要な要素である筆記摩擦力や筆記のな
めらかさを測定することができる。
【0018】この測定結果により、各筆記具に特徴的な
筆記状態のパターンを認識することができ、筆記状態の
判断をより適切に行なうことができる。
【0019】更に説明すると、本発明方法により得られ
た各筆記具の筆記状態は、それ自体再現性のあるもので
あり、各筆記具にとって固有のデータとなり、人の指紋
や声紋と同様に機能するものであり、筆記具にとっては
ペン紋というべきものである。このように本発明によれ
ば、各筆記具のペン紋を測定し、それを貯蔵することが
できる。
【0020】従って、各筆記具の良好な筆記状態に対し
て測定データを比較することにより、筆記具における不
具合のある構成部分の解明を正確、かつ、簡易に行なう
ことができ、また、筆記具の生産ラインにおける抜取り
検査や、品質管理等を行なうことができる。
【0021】測定データを貯蔵することにより、時間、
空間をこえた測定データの資料化やその有効利用を図る
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図16につ
いて説明する。
【0023】先ず、図1から図3について本発明の原理
を説明する。
【0024】図1は本発明の筆記状態測定装置の概略を
示しており、図2は検出部およびデータ処理部を示して
いる。
【0025】図1において、符号1は紙等の記録媒体2
が上面に固定保持される筆記台であり、本実施例におい
ては紙面左右方向および紙面鉛直上下方向に移動自在と
されている。この筆記台1に保持されている記録媒体2
の上面に対して筆記具の1例であるボールペン3の先端
のボール4が所定の筆圧(例えば、100g)をもって
当接させられている。測定時には、筆記台1を記録媒体
2と一緒にボールペン3と相対移動させるように移動さ
せて、記録媒体2の上面にボールペン3をジグザグ状移
動させてに筆記させる。
【0026】このような筆記を行なうボールペン3の筆
記状態を測定するためには、多種類のデータを計測し、
それらをもって解析することが望ましい。
【0027】そこで本実施例においては、少なくともボ
ールペン3の筆記動作時における摩擦状態と振動状態と
を測定できるように形成している。
【0028】一方の摩擦状態については、圧縮引張型の
微小荷重センサ5によりボールペン3に付与される摩擦
力を検出することによって測定するように形成してい
る。この摩擦力は摩擦係数にも換算できるものであり、
手が筆記具から感じる筆記時の重さ、軽さを計測するこ
ととなる。
【0029】他方の振動状態については、ボールペン3
の水平方向および垂直方向について、それぞれ振動加速
度センサ6H、6Vおよび/またはアコースティックエ
ンミッションセンサ(以下、AEセンサという)7H、
7Vにより、ボールペン3に付与されるにより振動加速
度を測定したり、振動エネルギを測定するように形成し
ている。これにより、摩擦力以外のいわゆる一般的に書
味、筆記感といわれる状態(硬い、ごりごり、なめら
か、引っ掛かり、きしみ等)を計測することとなる。
【0030】また、図1に示すように、筆記台1自身に
水平方向および垂直方向の振動加速度センサ8H、8V
およびAEセンサ9を固着して、ボールペン3と記録媒
体2との相対移動を行なわしめる駆動系の振動加速度お
よび振動エネルギを測定するように形成して、筆記状態
の解析に役立てるとよい。
【0031】次に、図2の検出部およびデータ処理部を
説明する。
【0032】図2においては、ボールペン3に対する一
方の摩擦状態について微小荷重センサ5を設け、他方の
振動状態について水平方向および垂直方向の振動加速度
センサ6H、6Vを設けている。また、筆記台1自身に
ついて水平方向および垂直方向の振動加速度センサ8
H、8VおよびAEセンサ9を設けている。更に、測定
環境を測定するために、温度センサ10および湿度セン
サ11を設けている。
【0033】前記微小荷重センサ5、水平方向および垂
直方向の振動加速度センサ6H、6V、8H、8Vおよ
びAEセンサ9によって計測されたデータは、それぞれ
一旦動作制御手段12内のメモリ等の貯蔵手段13内に
貯蔵され、その後所定の表示条件に応じた内容で、画像
デスプレイおよび/またはプリンタからなる表示手段1
4により表示される。
【0034】更に説明すると、前記微小荷重センサ5に
よる測定値は増幅器・変換器15により適正なディジタ
ルデータに変換される。また、水平方向および垂直方向
の振動加速度センサ6H、6V、8H、8Vによる各測
定値は、それぞれ4チャンネルの増幅器・変換器16に
より適正なディジタルデータに変換される。また、前記
AEセンサ9による計測値は、計測回路系17を介して
適正なディジタルデータに変換される。
【0035】更に、前記温度センサ10および湿度セン
サ11により検出された温度および湿度は、それぞれ増
幅器・変換器18、19により適正なディジタルデータ
に変換されて、前記表示手段14に表示される。
【0036】図3は筆記状態の測定を全自動化させたも
のである。
【0037】すなわち、図2における破線の左側の計測
部をIEEEバス20を介してコンピュータ21に入力
されるようにし、必要な信号処理はコンピュータ21に
より行ない、コンピュータ21のデスプレイやプリンタ
22からなる表示手段に測定した筆記状態を表示するよ
うに形成されている。更に、筆記動作制御系23を介し
て筆記台1の駆動系であるモータ(図示せず)等に指令
を発して、筆記台1の移動速度を可変調整できるように
している。また、温度コントローラ24および湿度コン
トローラ25を介してヒータおよび加湿器(共に図示せ
ず)に指令を発して、測定環境を可変調整できるように
している。
【0038】次に、本発明の具体的実施例を図4から図
16について説明する。
【0039】図4は本発明の筆記状態測定装置の1実施
例を示している。
【0040】本実施例においては、構成各部はベッド3
1上に配設されている。このベッド31の右側には、前
後部にそれぞれ支柱32aを有する支持台32が固定さ
れており、各支柱32aには水平の回転軸33をもって
それぞれ垂直杆35の下端部が枢着されている。各垂直
杆35の上端部には、回転軸34をもって略矩形枠状に
形成されたシーソー体36が、その長手方向中央部を枢
支されてる。また、垂直杆35の上端部の左右側には傾
倒止め39が相互に遠近自在に配設されており、両傾倒
止め39の間隔を調整することにより、垂直杆35の回
転軸33を中心とした揺動幅を所定幅内に規制して、前
記垂直杆35をほぼ垂直に支持するようにしている。シ
ーソー体36の回転軸34より右側部分には、微小荷重
センサ37がヘッド1上に固定された図示されていない
台座によって図示の位置に保持、固定されている。この
微小荷重センサ37の一端から突出したかぎ状の検知部
38内に、前記回転軸34の中央部が微少すき間を介し
て挿入して配設されている。前記傾倒止め39による垂
直杆35の姿勢揺動幅は、回転軸34が微小荷重センサ
37のかぎ状の検知部38の幅を越えて移動して、微小
荷重センサ37に引張荷重および圧縮荷重を付与できる
大きさとされている。シーソー体36の右端には、ネジ
杆40が水平方向に突設され、ネジ杆40にバランスウ
エイト41が螺合されている。また、シーソー体36の
左端には、各種の筆記具42を把握できる筆記具ホルダ
43が付設されている。この筆記具ホルダ43は、図示
点Aを中心に、筆記具42を任意の角度で保持できるよ
うに形成されている。また、筆記具ホルダ43の左端に
は、図示するように、振動加速度センサまたはAEセン
サ44(本実施例においては振動加速度センサ)が付設
されている。この振動加速度センサ44の一端は、ネジ
杆等を介して筆記具42を丁度通常人手が筆記具42を
握る位置に相当する部分Bを押すように形成されてい
る。シソー体36、ネジ杆40、バランスウエイト4
1、筆記具ホルダ43、筆記具42、振動加速度センサ
44は一体となって、回転軸34によって支持されると
ともに、同回転軸34を支点にしてあたかもシーソーの
ように揺動可能である。また、筆記具42の先端である
筆記点Cに付与される垂直荷重は、バランスウエイト4
1のネジ杆40上の位置を選択することにより、可変調
整することができる。また、前記筆記具ホルダ43への
筆記具42の着脱を自動化できるように構成することに
より、筆記具42の生産ラインにおいて、筆記具42の
自動抜取り検査を可能として、品質管理をできるように
してもよい。
【0041】また、筆記用紙等からなる記録媒体45
は、筆記具42の筆記点Cによる筆記線46が記録媒体
45内に収まるように筆記台17の上面に適宜な方法に
より配設されるようになっている。この筆記台17は下
面側に、直動システム(リニアボールスライド)のスラ
イダ片48が固着されている。このスライダー片48は
ベース片49に摺動自在に装着されていて、前記筆記台
17の矢印d方向への往復直線運動を可能にするように
している。このベース片49の左端は、軸受部材54、
54によりベッド31の前後方向に軸支されているボー
ルネジ51と螺合しているボールナット50に固着され
ている。また、ベ−ス片49の右端は、前後端にそれぞ
れ車輪53、53を有して前後方向移動自在な支持ブロ
ック52に固着されている。ボールネジ51はその後端
部に設けた変速モータ55によって回転駆動される。こ
れにより、記録媒体45、筆記台47、直動システムの
スライダ片48およびベース片49、ボールナット5
0、支持ブロック52、車輪53等は、変速モータ55
の回転駆動によるボールネジ51の回転により、矢印e
の方向へ移動自在に形成れている。
【0042】また、筆記台47の左端に付設された連結
シャフト56と、ベッド31上の左端に付設された変速
モータ57によって回転駆動される回転板58にとりつ
けられた連結シャフト59とは、連結棒60によって連
結されている。この連結棒60の両端部はいわゆるユニ
バーサルジョイント構造になっている。従って、変速モ
ータ55による筆記台47の矢印e方向の移動に関わり
なく、変速モータ57による回転板58を介しての回転
を、連結棒60を介して筆記台47へ伝達することによ
り,筆記台47の矢印d方向への往復運動に変換するこ
とができる。
【0043】前述した本実施例の筆記状態測定装置は卓
上型様で小型であり、装置全体を温度、湿度の調整環境
に設置し、環境条件を制御することが容易である。
【0044】次に、本実施例装置を用いて、任意の筆記
具に対する筆記状態の測定方法を説明する。
【0045】先ず、最初に両傾倒止め39により垂直杆
35を両側よりしっかりと密接保持し、回転軸34の中
央部が微小荷重センサ37のかぎ状の検知部38内に収
まるようにする。なぜなら、筆記具42のセット等の作
業中に、不慮の動作により過大な力を繊細な負荷能力し
かもたない微小荷重センサ37のかぎ状の検知部38に
かけた場合、破損のおそれがあるためである。次に、筆
記具ホルダ43に任意の筆記具42を挿入し、振動加速
度センサ44の一部をなすネジ杆により固定する。この
とき筆記具42の記録媒体45に対する筆記角度θは、
筆記ホルダ43を図中、点Aを中心に回転させることに
より、所望の角度に設定する。次に、記録媒体45を筆
記台47の上面の所定位置にセットする。次に、バラン
スウエイト41をネジ杆40上を移動させることによ
り、筆記具42にかかる筆記荷重を調整する。
【0046】上記作業完了後、両傾倒止め39の垂直杆
35への密接保持を解除し、すなわち垂直杆35との間
にすき間を設けて、回転軸34を自由状態にする。これ
により、微小荷重センサ44の左端から突出したかぎ状
の検知部38の支持のみにゆだねる。
【0047】次に、変速モータ55および変速モータ5
7を駆動することにより、筆記台47は矢印d方向への
往復移動と、矢印e方向(ea方向またはeb方向のい
ずれか一方向)への移動を開始する。
【0048】これにより、記録媒体45上には、図4に
示すように、ジグザグ状の筆記線51が書かれることに
なる。
【0049】このとき、例えば筆記台47がda方向へ
移動する場合は、筆記点Cを介して記録媒体45は、シ
ーソー体36と一緒に回転軸34をfa方向へ押すこと
になり、微小荷重センサ37のかぎ状の検知部38は、
圧縮荷重を受けることになる。一方、筆記台47がdb
方向へ移動する場合は、逆に引張荷重を受けることにな
る。いずれにしても筆記による記録媒体に平行な方向の
微小荷重(筆記抵抗力、摩擦力)を繊細に感知すること
ができる。
【0050】この時、垂直杆35の上下両部分におけ
る、回転軸33、34を利用したピンポイント支持機構
によってシーソ体および筆記具42を支持しているため
に、外乱負荷の最小化を図ることができ、筆記の摩擦力
の繊細な感知を可能にすることができることは明らかで
ある。
【0051】一方、筆記具42が記録媒体45との間
で、筆記することにより筆記点Cを主な発現点として、
さまざまな微細な現象、例えば振動、びびり、ひっかか
り、ぎしぎし等の微細な現象を、一例として振動加速度
センサ44により加速度単位で計測採取し、他例として
音のエネルギすなわちAE(アコースチック・エミッシ
ョン)単位で採取する。
【0052】この時、振動加速度センサ44またはAE
センサ44の取付位置は、例示するように、筆記具42
の人が通常使用時に把持する部分に近接して設置するこ
とが望ましい。但し、例えば、筆記台47上の適宜な位
置Gでもよい。また、同時に複数の計測点を設置しても
良い。
【0053】このように本実施例によれば、筆記の摩擦
力を荷重として、また筆記感(書味)という感応評価と
もいうべき感触を振動加速度またはAEという形で同時
複数的に計測、表示、記録することができる。
【0054】次に、前記のようにして計測された筆記状
態の測定結果を説明する。
【0055】A:筆記具の種類に基づくデータ的特徴を
図5から図9について説明する。
【0056】この場合の筆記具の種類は、油性ボールペ
ン、水性ボールペン、鉛筆(HB)、万年筆、油性サイ
ンペンの5種類である。筆記条件は各筆記具において同
一とし、筆記荷重100gf、筆記角度65°、筆記速度
0.3m/分とした。図5から図9において、それぞれ
上部に振動加速度特性が示され、下部に摩擦力特性が示
されており、横軸は時間を示し1目盛りが2秒であり、
縦軸は振動加速度および摩擦力を1目盛り0.01Gお
よび10gの単位で示している。
【0057】各図の特徴は次の通りである。
【0058】油性ボールペンの場合(図5) 振動加速度は小さい。筆記の摩擦力は小さいが、動摩擦
時に凸方向に丸みをおびたパターンを示す。なお、前記
振動加速度は振動加速度センサ44によって検出したも
のであるが、AEセンサによって検出したデータもほぼ
同様に変化する特性を示した。他の測定例の場合におい
ても同様であった。また、AEセンサは周波数特性を測
定目的に応じて適正な値に調整するようにして行なわれ
る。
【0059】水性ボールペンの場合(図6) 振動加速度は大きく、変化密度も大きい。筆記の摩擦力
は大きく、動摩擦時に中央部が凹入したパターンを示
し、短形波に近い。
【0060】鉛筆(HB)の場合(図7) 振動加速度は極小である。筆記の摩擦力は小さく、静摩
擦から動摩擦への切替わり時に、それぞれ立上り突起と
立下り突起のあるパターンを示し、また摩擦力のバラツ
キも小さい。
【0061】万年筆の場合(図8) 振動加速度は中位である。筆記の摩擦力は大きく、縦長
短形波パターンを示し、摩擦力のバラツキも大きい。
【0062】油性サインペンの場合(図9) 振動加速度は小さい。筆記の摩擦力は水性ボールペンの
場合とほぼ同様である。
【0063】前記各データより次のことが判る。
【0064】先ず、各種筆記具に特有のパターンが見ら
れる。
【0065】また、人が通常使用しているときに感じる
筆記具に対する感覚的、感応的評価と、一定条件下で測
定装置により測定した測定結果とは必ずしも一致しな
い。例えば、一定の筆記荷重のもとで油性ボールペンと
万年筆の筆記の摩擦力を比較した場合(絶対評価ともい
えるが)万年筆の方が大きい。通常人が手で書いた時に
得る感応的評価に従えば、万年筆の方がより軽くなめら
かに書けると思う人が多いのであるが、これはもともと
人が万年筆で書くときの筆圧(筆記荷重)はボールペン
にかける筆圧よりも小さいために、結果として筆記の摩
擦力が相対的に小さく感じられることによると思われ
る。
【0066】筆記具の性質を解析するときに、筆記の摩
擦力と筆記具の振動を組み合わせて、同時に観察解析す
ることにより任意の筆記具が有する性質がより鮮明に把
握できる。
【0067】例えば、図7の鉛筆が示す性質は、他の筆
記具に比べて筆記の摩擦力も小さく、特に筆記具の受け
る振動は上記5例の筆記具中最小の値を示している。こ
れは元来、鉛筆が固形芯中に持つ固体潤滑性が筆記摩擦
力および振動の軽減に寄与している結果と思われる。
【0068】例えば、油性ペンのデータ(図5)と鉛筆
のデータ(図7)とを比較観察してわかることは、筆記
線46をシグザグ筆記とすることにより、筆記方向の反
転が行なわれるわけであるから、この時に示される特徴
は、各種筆記具における筆記方向転換時における静摩擦
から動摩擦へ、動摩擦から静摩擦への移動時のパターン
を示すことになる。すなわち、油性ペンの場合、筆記方
法の反転時に比較的なめらかに順増、順減の様相を示
し、全体パターンとしては丸味をおびた形となる。
【0069】一方、鉛筆の場合は反転時において、動摩
擦から静摩擦移行時には、摩擦の突出は顕著ではない
が、静摩擦から動摩擦への移行時に突出した変化が観察
できる。このデータが何を意味するかは、観察考察者の
判断によることであるが、いずれにしても、この様な測
定システムから得られるデータは、対象筆記具の有する
特徴を内在していることは事実であり、解析にとって有
用である。
【0070】B:同一種類の筆記具に対して、構成部分
の材質を変更した場合のデータ的特徴を図10および図
11について説明する。
【0071】この場合の筆記具の種類は、油性ボールペ
ンである。筆記条件は各筆記具において同一とし、筆記
荷重100gf、筆記角度65°、筆記速度0.3m/分
とした。図10および図11において、それぞれ上部に
振動加速度特性が示され、下部に摩擦力特性が示されて
おり、横軸は時間を示し1目盛りが2秒であり、縦軸は
振動加速度および摩擦力を1目盛り0.01Gおよび1
0gの単位で示している。
【0072】各図における油性ボールペンの材質は次の
通りである。
【0073】図10の油性ボールペンの材質は、ボール
が超硬ボールであり、ボールホルダはしんちゅうであ
る。
【0074】図11の油性ボールペンの材質は、ボール
が超硬ボールであり、ボールホルダはステンレスであ
る。
【0075】一般のボールぺんの場合、ステンレス製チ
ップの場合は、しんちゅう製または洋白製のチップに比
べて書味がかたく、なめらかさに欠けると言われてき
た。図11に用いたステンレス製チップは、書味のかた
さを改良したものである。
【0076】前記各データより次のことが判る。
【0077】図10と図11のデータを比較観察してわ
からることは、従来のしんちゅう製チップのデーラに見
られる特徴として、筆記の摩擦力はステンレス製と同等
もしくは少し高めであるが、全体のパターンとして、丸
味を帯た摩擦力の微細変動のばらつきも少い。また、振
動性においてはステンレス製に比べて小である。
【0078】一方、ステンレス製チップのデータに見ら
れる特徴は、確かになめらかさを求めて改良した効果が
筆記摩擦力の少なさとして表わされている。但し、微細
な変動においては、しんちゅう製に比べてバラツキが大
きい。
【0079】また、振動性においては絶対値としてはし
んちゅう製に未だ劣る結果を示している。これは、ステ
ンレスチップの硬さから来る微細なびびり感を反映して
いると思われる。
【0080】図10と図11による2本のボールペンを
任意の人に使用してもらい、その使用感をたずねた場
合、一人はステンレス製のボールペンを良しとし、他の
人はしんちゅう製のものを良しとするが、これは一面的
には、人の手が、例えば筆記の摩擦力を優先して感じる
か、振動性を優先して感じるかの差に由来するかもしれ
ない。
【0081】いずれにしても、人が感じ表現する感応
的、感覚的評価、表現を客観的、定量的評価に変えて、
これに様々な角度からの解釈を可能にすることは意義の
大きいことであると思われる。
【0082】C:同一筆記具に対して記録媒体を変更し
た場合のデータ的特徴を図12および図13について説
明する。
【0083】この場合の筆記具の種類は、水性ボールペ
ンである。筆記条件は各記録媒体に対して同一とし、筆
記荷重100gf、筆記角度65°、筆記速度0.3m/
分とした。図12および図13において、それぞれ上部
に振動加速度特性が示され、下部に摩擦力特性が示され
ており、横軸は時間を示し1目盛りが2秒であり、縦軸
は振動加速度および摩擦力を1目盛り0.01Gおよび
10gの単位で示している。
【0084】各図における記録媒体の材質は次の通りで
ある。
【0085】図12の記録媒体の材質は、普通コピー用
紙であり、図13のものはつや出し、なめらか高級紙で
ある。
【0086】図12および図13に示すように、本実施
例によれば、同一の筆記具を使用しても、記録媒体であ
る筆記用紙の差による表面粗度や、インクの吸収性の差
異が、筆記の摩擦力および振動性に与える影響を良く観
察解析することができる。
【0087】D:1つの測定データの任意時点における
採取、拡大、解析を行なう場合のデータ的特徴を図14
から図16について説明する。
【0088】図14のaからdは、同一のデータに対す
るものであり、この場合の筆記具の種類は、水性ボール
ペンである。筆記条件は筆記荷重100gf、筆記角度6
5°、筆記速度0.3m/分とした。図14のaからd
おいて、それぞれ上部に振動加速度特性が示され、下部
に摩擦力特性が示されており、縦軸は振動加速度および
摩擦力を1目盛り0.01Gおよび10gの単位で示し
ており、横軸は時間を示し、各図においてスケールが変
更されている。
【0089】この測定データの任意時点における採取、
拡大の一連の動作を説明する。
【0090】図14のaからdのデータ例は水性ボール
ペンによる筆記データであり、例えばデジタルストレー
ジオジロングラフにより任意時点で図14のaに示す測
定データを採取し固定する。この採取されたデータはデ
ジタル化されてオジロングラフ内に貯蔵されているた
め、適宜操作によってデータを加工表現することが可能
である。例えば、図14のbからdに示す各データは、
図14のaに表示されたのデータを、それぞれの時間軸
(横軸)を2倍、4倍、10倍に増速して表示したもの
である。
【0091】これにより、図14のaに示すデータ上で
は一見して単なるバラツキにしか見えない測定値が、時
間軸を拡大することにより、各特性の変動をそれぞれ特
徴付けて観察して、解析することができ、例えば、同一
筆記具の改良の可能性の判断基準を明確にすることがで
きる等の利用を図ることができる。
【0092】このように、本実施例においては、一旦採
取したデータを目的に応じて自由に加工することができ
る。
【0093】図15のaおよびbは他の拡大例を示し、
ステンレスチップを用い太さが0.5mmの水性ボール
ペンを前記測定例と同様な筆記条件のもとで測定したデ
ータの内、筆記の摩擦力特性のみを表示したものであ
り、横軸は1目盛り0.2秒の時間を示し、縦軸は1目
盛り4gの摩擦力を示す。そして、図15のaは立上が
り時の特性を示し、bは立下がり時の特性を示してい
る。
【0094】図16のaおよびbは更に他の拡大例を示
し、Ni−Siチップを用い太さが0.7mmの水性ボ
ールペンについて、図15のaおよびbと全く同様にし
て筆記の摩擦力特性のみを表示したものである。
【0095】前述したように、本発明方法および装置
は、筆記状態を測定する上で極めて有用なものである。
【0096】すなわち、各種筆記具の筆記条件(筆記速
度、筆記角度、筆記荷重、各種筆記具搭載可能、筆記用
紙、下敷、筆記環境の温湿度等)を測定目的に応じて変
更することができ、また、同時に多チャンネルで測定
し、表示することもできる。更に、測定値のアナログ−
デジタル変換機能とストレージ機能(デジタルストレー
ジオシロスコープ)とを発揮し、ストレージ後のデータ
の加工、再生、表示機能等を発揮することができる。ま
た、各筆記具の良好な筆記状態に対して測定データを比
較することにより、筆記具における不具合のある構成部
分の解明を正確、かつ、簡易に行なうことができ、ま
た、筆記具の生産ラインにおける抜取り検査や、品質管
理等を行なうことができる。
【0097】なお、本発明方法および装置の原理は筆記
状態の測定以外の他の産業分野においても利用可能であ
る。例えば、摩擦力、摩擦係数、振動状態の比較を必要
とする分野に極めて良好に利用することができる。
【0098】また、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更することができる。
【0099】
【発明の効果】このように本発明の筆記状態測定方法お
よび装置は、構成され、作用するものであるから、各種
筆記具の筆記状態を定量的、客観的に知得することがで
き、具体的には、筆記動作中の筆記具に付与される摩擦
状態および振動状態を同時に計測して、前記筆記具の筆
記状態の主要な要素である筆記摩擦力や筆記のなめらか
さを測定することができ、得られた測定結果により、各
筆記具に特徴的な筆記状態のパターンを認識することが
でき、筆記状態の判断をより適切に行なうこと、すなわ
ち各筆記具の良好な筆記状態に対して測定データを比較
することにより、筆記具における不具合のある構成部分
の解明を正確、かつ、簡易に行なうことができ、また、
筆記具の生産ラインにおける抜取り検査や、品質管理等
を行なうことができ、更に測定データを貯蔵することに
より、時間、空間をこえた測定データの資料化やその有
効利用を図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筆記状態測定装置の概略を示す構成図
【図2】検出部およびデータ処理部のブロック図
【図3】筆記状態の測定を全自動化させるための検出部
およびデータ処理部のブロック図
【図4】本発明の筆記状態測定装置の1実施例を示す斜
視図
【図5】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す線
【図6】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す線
【図7】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す線
【図8】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す線
【図9】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す線
【図10】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す
線図
【図11】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す
線図
【図12】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す
線図
【図13】筆記具の振動加速度特性と摩擦力特性を示す
線図
【図14】aからdは筆記具の振動加速度特性と摩擦力
特性を示す線図であり、aは現図、bからdはaに表示
されたのデータを、それぞれの時間軸(横軸)を2倍、
4倍、10倍に増速して表示した線図
【図15】aおよびbは拡大した他の筆記具の振動加速
度特性と摩擦力特性を示す線図
【図16】aおよびbは拡大した更に他の筆記具の振動
加速度特性と摩擦力特性を示す線図
【符号の説明】
1、47 筆記台 2、45 記録媒体 3、42 ボールペン、筆記具 5、37 微小荷重センサ 6、8、44 振動加速度センサ 7 AEセンサ 12 動作制御手段 13 貯蔵手段 14 表示手段 21 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松川 宏一 東京都台東区蔵前4丁目5番9号 オー ト株式会社内 (72)発明者 山中 厚 東京都台東区蔵前4丁目5番9号 オー ト株式会社内 (72)発明者 中山 和典 東京都台東区蔵前4丁目5番9号 オー ト株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−102998(JP,A) 特開 昭60−69523(JP,A) 実開 平3−70999(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B43L 13/00 B43K 1/00 G01H 17/00 G01L 5/00 G01N 19/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体と筆記具とが相対移動している
    筆記動作中の筆記具に付与される摩擦状態および振動状
    態を同時に計測するとともに、計測によって得られた摩
    擦状態および振動状態の各経時的パターンを組み合わせ
    て観察して前記筆記具が有する前記筆記動作中の筆記摩
    擦力および筆記のなめらかさからなる筆記状態を検出す
    ることを特徴とする筆記状態測定方法。
  2. 【請求項2】 前記筆記具に付与される摩擦状態は、摩
    擦力を計測することにより測定され、前記筆記具に付与
    される振動状態は、振動加速度および/またはアコース
    ティックエミッションを計測することにより測定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記状態測定方法。
  3. 【請求項3】 測定データを貯蔵するとともに、前記測
    定データを所定の表示条件に応じて表示させることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の筆記状態測定
    方法。
  4. 【請求項4】 筆記具を記録媒体と相対移動させて筆記
    動作を行なわせる筆記動作付与手段と、前記筆記動作中
    の筆記具に付与される摩擦状態を計測する摩擦状態計測
    手段と、前記筆記動作中の筆記具に付与される振動状態
    を計測する振動状態計測手段とを有し、前記摩擦状態計
    測手段および振動状態計測手段によって前記筆記動作中
    の筆記具に付与される摩擦状態および振動状態の各経時
    的パターンを同時に計測するとともに、計測によって得
    られた摩擦状態および振動状態を組み合わせて観察して
    前記筆記具が有する前記筆記動作中の筆記摩擦力および
    筆記のなめらかさからなる筆記状態を検出することを特
    徴とする筆記状態測定装置。
  5. 【請求項5】 摩擦状態計測手段は、摩擦力を計測する
    微小荷重センサにより形成されており、振動状態計測手
    段は、振動加速度を計測する振動加速度センサおよび/
    またはアコースティックエミッションを計測するアコー
    スティックエミッションにより形成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の筆記状態測定装置。
  6. 【請求項6】 測定データを貯蔵するデータストーレー
    ジ手段と、前記測定データを所定の表示条件に応じて表
    示させるデータ表示手段とを有することを特徴とする請
    求項4または請求項5に記載の筆記状態測定装置。
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