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JP3071874B2 - 精製漆の製造方法 - Google Patents
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JP3071874B2 - 精製漆の製造方法 - Google Patents

精製漆の製造方法

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JP3071874B2
JP3071874B2 JP3159628A JP15962891A JP3071874B2 JP 3071874 B2 JP3071874 B2 JP 3071874B2 JP 3159628 A JP3159628 A JP 3159628A JP 15962891 A JP15962891 A JP 15962891A JP 3071874 B2 JP3071874 B2 JP 3071874B2
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真千子 田川
泰 大藪
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漆器などの漆塗り製品
に用いる精製漆の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精製漆の品質は日本工業規格(K−59
50)に規定されており、当該規格に規定する品質を備
えた精製漆は、通常原料漆液又は生漆に所謂「なやし」
処理や「くろめ」処理を施すことにより製造されてい
る。即ち、先ず木製又はステンレス鋼製の桶内へ原料漆
液又は生漆を入れ、これを回転羽根で攪拌する(「なや
し」操作)。次に、攪拌した前記漆液を加熱して漆液内
の水分を除去し(「くろめ」操作)、最後に水分調整を
した漆液からごみ等の固形物を除去することにより、精
製漆を製造するものである。
【0003】前記従来の精製漆の製造方法は極めて長い
歴史を有するものであり、優れた実用的効用を奏するも
のである。しかし、従来の精製漆の製造にも解決すべき
問題点が多く残されている。先ず第1の問題は、生漆等
の精製漆処理に要する時間の点である。即ち、従前の製
造方法は何れも所謂バッチ処理方式であり、且つ一回の
精製漆の製造に8〜10時間を必要とし、精製能率が極
めて悪いと云う難点がある。第2の問題は、漆塗膜の乾
燥に要する時間や漆塗膜の品質の点である。即ち、従来
の製法により製造した精製漆(透漆・黒漆)は一般的に
高粘度であるため、漆塗膜が硬化するまでに時間が掛か
り(例えば、20℃・80%RHの条件下で10〜12
時間を必要とする)、漆塗りの作業能率が著しく悪いう
え、形成された漆塗膜が透明性、耐光性及び耐候性(光
沢保持率)等の点で劣ると云う問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のこの
種精製漆の製造方法に於ける上述の如き問題、即ち漆
の精製処理能率が低いこと、精製漆の粘度が高く、漆
塗膜の乾燥に長時間を必要とすること、形成された漆
塗膜の品質が比較的低いこと等の問題を解決せんとする
ものであり、低粘度で漆塗膜の乾燥時間が短く且つ高品
質の漆塗膜の形成を可能とした精製漆を、高能率で連続
的に、しかも安価に製造できるようにした精製漆の製造
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、チルド、スチ
ール、セラミックス又は天然石を素材とする複数のロー
ル相互間若しくはプラスチックコーティングをした複数
のロール相互間で、原料漆又は生漆を連続的に混練する
ことを発明の基本構成とするものである。
【0006】
【作用】原料漆液又は生漆は上方より低速回転側のロー
ル相互間へ供給される。供給された原料漆は、ロール外
表面に付着した状態で回転し、隣接するロール相互間で
混練されると共に、順次高速回転側のロール外表面へ付
着して行く。その間に原料漆液内の水分は蒸発等によっ
て除去され、且つ漆液そのものの練り込みが行なわれ
る。最外端のロール外表面へ付着した漆液はスクレーパ
ーによって掻き取られ、漆液内の固形物を除去した後、
精製漆として貯留されて行く。
【0007】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の実施例の説明図であり、図に於い
てAは原料漆液又は生漆、1は原料タンク、2は漆液供
給口、3a・3b・3cは混練用ロール、4はスクレー
パ、5は機台、6は濾過器、7は精製漆タンク、Bは精
製漆である。
【0008】前記原料漆液Aはウルシの樹に傷をつけ、
にじみ出る樹液を採取した液であり、一般に荒味と呼ば
れているものである。また、生漆は、前記原料漆液をこ
して樹皮などの固形物を取り除いたものである。当該原
料漆液もしくは生漆Aとしては、日本産、中国産などの
他に種々のものがあるが、特に産地を限定されるもでは
ない。尚、本実施例に於いては於いては、中華人民共和
国の城口産の生漆Aが原料として使用されている。
【0009】前記混練用ロール3a・3b・3cはセラ
ミックを素材として形成されており、その外径は約50
mm、長さは200mmに選定されている。また、前記
各ロール3a・3b・3cは、水平面上に並列状に配設
され、機台5へ回動自在に支持されている。即ち、各ロ
ール3a・3b・3cは夫々隣接するロールが逆方向へ
回転するように、駆動装置(図示省略)により回転駆動
され、且つ各ロール相互間の間隙Gは間隙調整装置(図
示省略)により適宜寸法に調整されている。尚、前記各
ロール3a・3b・3cは、その回転周速度が原料供給
側から精製漆の取出し側へ向けて順次速くなるように回
転駆動されており、本実施例では第1ロール3aの回転
速度が80rpm、第2ロール3bの回転速度が200
rpm、第3ロール3cの回転速度が640rpmに夫
々設定されている。また、前記各ロール3a・3b・3
cの回転速度やロール間隙Gは、原料漆液Aの精製処理
量や原料漆液Aの粘度等によって適宜に調整され。
【0010】前記本実施例に於いては、混練用ロールと
してセラミックス製ロール3a・3b・3cを使用して
いるが、これに代えてチルド製ロールやスチール製ロー
ル、天然石製ロールを使用することも可能である。ま
た、所謂プラスチックコーティングを施したコーティン
グロールであってもよい。また、本実施例では外径50
mmのロールを使用しているが、ロールの外径は適宜に
選定可能である。例えば、外径250mmのロールを使
用した場合には、第1ロール3a、第2ロール3b、及
び第3ロール3cの回転数を夫々30rpm、60rp
m及び90rpmに選定している。更に、本実施例では
同外径の3本のロール3a・3b・3cを水平面上に並
列状に配列しているが、ロールの数は奇数本であれば何
本でもよい。また、各ロールの外径は夫々異なってもよ
く、この場合には、ロールの回転周速度が、下流側ほど
速くなるように各ロール回転数を制御する。更に、各ロ
ールは、軸心方向に見て彎曲状や三角状となるように配
列してもよく、ロール本数が増加した場合には彎曲状の
配列とする方が望ましい。
【0011】原料漆液Aの精製に際しては、先ず各ロー
ル3a・3b・3cを夫々矢印方向へ所定の速度で回転
させる。次に、バルブ1aを開放し、原料タンク1から
適宜量の生漆Aを流出させ、供給口2から第1ロール3
aと第2ロール3bとの間隙Gの上方へ供給する。供給
された生漆Aは、各ロール3a・3b・3cの外表面へ
付着した状態下で隣接するロール相互間に於いて混練さ
れ、定常状態になれば、供給口2から供給された生漆A
にほぼ見合う量の精製漆B´が、スクレーパ4によって
第3ロール3cの外表面から連続的に除去され、濾過器
6上へ流下する。尚、供給された生漆Aは粘度が比較的
高いため、その全量がロール3a・3b・3cの各表面
へ付着した状態となり、機台5上へ滴下する漆は皆無と
なる。
【0012】濾過器6では、そのスクリーン6aによっ
て精製漆B´内のごみ等の固形物が除去され、最終製品
である精製漆Bが精製漆タンク7内へ貯留されて行く。
尚、前記濾過器6は、精製漆B´内のごみ等を連続的に
除去し得るものであれば、如何なる構造のものであって
もよいことは勿論である。
【0013】前記実施例(生漆A・中華人民共和国の城
口産、ロール3・外径50mmφ、セラミック製、ロー
ル長さ・200mm、ロール回転数80rpm・200
rpm・640rpm)に於いては、生漆Aの供給量を
約0.3l/minとした場合に、水分含有量が2〜5
wt%の精製漆Bを約0.21l/minの割合で連続
的に取り出すことが出来る。即ち、約10lの精製漆B
を製造する場合には、本実施例では生漆Aの供給開始か
ら約10lの精製漆Bの取り出しまでに約10分間かか
り、且つロール等に付着した生漆Aの損失量は約1%と
なる。これに対して、従来の精製漆の製造方法によれ
ば、約10lの精製漆Bを得るのに約60分間かかり、
且つ桶等に付着した生漆Aの損失量は約5%となり、本
件発明に於いては、生漆Aの精製時間が大幅に短縮され
る。
【0014】また、前記実施例により得られた精製漆B
と、従来方法により製造した精製漆との各種性能の比較
試験を行った。尚、試験試料には外径200mmの皿用
の木製生地を使用し、且つ下地仕上げや漆塗りは、両者
とも同じ条件としている。また、精製漆の性能比較試験
に於いて、下記の表1乃至表4は精製漆を所謂「黒漆」
とした場合を、表5精製漆を所謂「透漆」とした場合の
各性能を夫々示すものである。
【0015】表1は漆塗膜の乾燥時間の対比を示すもの
であり、漆塗膜の厚さ40μm(平均厚さ)、乾燥温度
20℃、PH75%の条件下に於ける対比である。
【0016】
【表1】
【0017】表2は漆塗膜の硬度の立ち上がり(スオー
ドロッカー)を対比したものである。
【0018】
【表2】
【0019】表3は、漆塗膜の耐光性(光沢保持率)の
対比を示すものであり、JISK−5400に規定する
試験法により実施したものである。
【0020】
【表3】
【0021】表4は漆塗膜の耐候性(光沢保持率)の対
比を示すものであり、JISK−5400に規定する試
験法により実施したものである。
【0022】
【表4】
【0023】表5は、精製漆Bを所謂「透漆」とした場
合の乾燥時間、粘度、光沢等の対比を示すものである。
【0024】
【表5】
【0025】
【発明の効果】本発明では、複数本のロール相互間で原
料漆又は生漆を連続的に混練する構成としているため、
従来の製造方法に比較して漆の精製処理を短時間で行う
ことが出来、精製漆の製造コストの大幅な引下げが可能
となる。また、ロール相互間で原料漆又は生漆が均等に
且つ加圧下で混練されるため、従来の製造方法による精
製漆に比較して、精製漆の粘度が低下すると共に乾燥時
間が短縮され、更に耐光性や耐候性、透明性が大幅に向
上する。この様に、本発明で得られた精製漆は、その品
質が日本工業規格(JIS K−5950)の一級品に
適合する優秀な性能を有すると共に、製造コストの大幅
な引き下げによって安価となり、漆器などの漆塗り製品
の品質の向上、漆塗り作業の能率の向上及び製品コスト
の引き下げ等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
Aは原料漆液又は生漆、Bは精製漆、1は原料タンク、
2は漆液供給口、3は混練用ロール、4はスクレーパ、
5は機台、6は濾過器、7は精製漆タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09F 1/02 C08L 93/00 C09D 193/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チルド、スチール、セラミックス又は天
    然石を素材とする複数のロール相互間若しくはプラスチ
    ックコーティングをした複数のロール相互間で、原料漆
    又は生漆を連続的に混練することを特徴とする精製漆の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 奇数本のロールを並列状に配設し、隣接
    するロールを夫々逆方向へ且つ回転周速度が一方向から
    他方向に向かって順次速くなるように回転駆動すると共
    に、低速側のロール相互間へ上方より原料漆又は生漆を
    連続的に供給し、高速側のロールの外表面より混練した
    漆を連続的に掻き取るようにした請求項1に記載の精製
    漆の製造方法。
  3. 【請求項3】 奇数本のロールを水平面上に並列状に配
    列して成る請求項2に記載の精製漆の製造方法。
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