JP3074576B2 - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
コンクリート製品の製造方法Info
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Description
を含有し、高流動性、高充填性、高分離抵抗性を有する
生コンクリートを用いた、コンクリート構造物やコンク
リート製品(構造物と製品を含めてこの明細書では『製
品』と称する)の製造方法を提供することを目的とす
る。
与して、打設時の締固め不要の状態でコンクリート構造
物を構築する方法として、土木施工1989年10月号
記載のいわゆる「ハイパフォーマンスコンクリート」
(東京大学工学部、岡村甫教授開発)、あるいは水中不
分離性コンクリートに使用する不分離性混和剤を用いた
ものが開発されている。
術には次のような問題点がある。 〈イ〉 ハイパフォーマンスコンクリートの場合、厳選
した材料を使用し、非常に粉体量の多い状態で、かつ微
量の増粘剤によってコンクリートの流動時の分離抵抗性
を確保する必要がある。そのために使用材料の品質管理
および製造管理に非常な厳密さが要求され、現場で配合
するようなコンクリートへの利用が相当困難である。 〈ロ〉 水中不分離性混和剤を使用したコンクリートで
は、流動性が悪いため、過密配筋された部材に対して締
め固めをせず充填することは困難である。また単位水量
が多くなるため水密性が低下し、中性化に対する抵抗性
が小さくなること、乾燥収縮が大きくなること、大きな
空気泡となるため凍結融解に対する抵抗性が低下するな
ど耐久性に問題がある。
めになされたもので高流動性、高充填性、高分離抵抗性
を有する生コンクリートを用いた、コンクリート製品の
製造方法を提供することを目的とする。
状況の下で完成されたものである。すなわち、本発明
は、セメント系硬化材に、β−1、3−グルカンおよ
び、高性能減水材を添加した生コンクリートを一定の空
間内に充填して硬化させて行うコンクリート製品の製造
方法である。次に本発明の製造方法に使用するコンクリ
ートの構成材料について説明する。
トとしては、例えば、ケイ石、ケイ藻土、高炉スラグ、
フライアッシュ、シリカフュームなどの改質材料を含む
ポルトランドセメントにて代表される種々のセメントを
挙げることができる。上記の改質材料は超微粉末例えば
シリカフューム等のシリカ質の超微粉末(200,00
0cm2/g以上)を併用するとより好ましい効果が得
られる。すなわち、このような超微粉末は一般に使用さ
れるセメント類の大きさに比べて1オーダ以上小さいた
め大きな表面積を有し、そのために粘性が増加し、流動
性ならびに充填性を確保するために必要な分離低減剤の
使用量を減少できる。分離低減剤の使用量が減少する結
果、完成したコンクリートの圧縮強度の向上をはかるこ
とができる。
ルカンは、グルコースが主にβ−1,3−結合によって
結合されている多糖類であって、具体的には、カードラ
ン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナ
ラン、酵母グルカン等を挙げることができる。本発明に
おいては、特に、カードランが好ましく用いられる。カ
ードランは、例えば、ニュー フード インダストリー
(New Food Industry)、第20巻第
10号第49〜57頁(1978年)に記載されている
ように、β−1,3−グルコシド結合を主体とし、通常
加熱凝固性を有する多糖類、即ち、水分の存在下で加熱
することによって、凝固する(ゲルを形成する)性質を
有する多糖類である。
ネス属又はアグロバクテリウム属の微生物によって生産
される多糖類が挙げられる。具体的には、アルカリゲネ
ス・フエカリス・バール・ミクソゲネス菌体10C3K
によって生産される多糖類(アグリカルチュラル・バイ
オロジカル・ケミストリー(Agricultural
Biological Chemistry)、第3
0巻第196頁(1966年)や、或いはアルカリゲネ
ス・フエカリス・バール・ミクソゲネス菌体10C3K
の異変株NTK−u(IFO 13140)によって生
産される多糖類(特公昭48−32673号)、アグロ
バクテリウム・ラジオバクター(IFO 13127)
及びその変位株U−19(IFO 12126)によっ
て生産される多糖類(特公昭48−32674号)等を
用いることができる。カードランは、上述したように、
微生物によって生産される多糖類であるが、本発明にお
いては、これを未精製のままにて用いてもよく、或いは
必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。
1,3−グルカンの1種であって、微生物であるユーグ
レナ(Euglena)が細胞内に蓄積する貯蔵多糖の
1種である。このようなパラミロンは、例えば、カーボ
ハイドレート リサーチ (Carbohydrate
Research)、25,231−242(197
9)、特開昭64−37297号あるいは特開平1−3
7297号公報によって既に知られている。しかし、カ
ードランと異なって、パラミロンの粉末は、加熱凝固性
をもたないので、加熱凝固性をもたせるために、必要に
応じて、アルカリ処理してもよい。パラミロンも、本発
明においては、これを未精製のままにて用いてもよく、
或いは必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。微
生物起源のβ−1,3−グルカン、特に、カードランや
パラミロンを後述のアルカリで処理すれば、二価又はそ
れ以上の多価金属イオン、例えば、カルシウムイオン、
マグネシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、コバルトイ
オン等の存在下に金属イオン架橋ゲルを形成する性質を
有するβ−1,3−グルカンを得ることができる。この
ような金属イオン架橋ゲル形成能を有するグルカンは、
微生物起源のβ−1,3−グルカンをアルカリ水溶液に
溶解させ、そのアルカリ水溶液を水溶性有機溶剤に接触
させて、β−1,3−グルカンを析出させ、好ましくは
pH6〜7に中和することによって得ることができる。
ルカンを得る別の方法として、上記β−1,3−グルカ
ンのアルカリ水溶液を凍結させ、その凍結物を水溶性有
機溶剤に接触させて、β−1,3−グルカンを析出さ
せ、中和することによって得ることができる。このよう
にして得られたグルカンは、必要に応じて、脱水し、粉
末状に乾燥してもよい。上記方法において、グルカンを
析出させるための水溶性有機溶剤としては、メタノール
のようなアルコールが好ましく用いられ、また、グルカ
ンを溶解させるためのアルカリ水溶液としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム等の水溶液が好ましく用いられる。このようにし
て得られるβ−1,3−グルカンは、前述したように、
金属イオン架橋ゲル形成能を有するので、例えば、本発
明において、通常、カルシウムイオンの存在する組成物
に成形助剤として特に好ましく用いられる。本発明にお
いて、β−1,3−グルカンは分離低減剤として作用す
る。すなわち、β−1,3−グルカンはコンクリートの
粘性を増大させ、その結果内部に含まれている水及び骨
材の流動性、打設時における分離を防止することができ
る。
する高性能減水剤としては、通常のコンクリートに使用
できるものが挙げられ、本願明細書では高性能AE減水
剤及び流動化剤を含むものとする。具体的には、ナフタ
リンスルホン酸ホルマリン高縮合物で代表されるナフタ
リン系と、スルホン化メラミンホルマリン縮合物である
メラミン系、カルボン酸系、リグニン系のものが挙げら
れる。これらの材料は、粘性の増大したコンクリートの
流動性ならびに充填性を改善するために使用されるもの
であり通常の減水剤の2倍程度の減水が可能である。さ
らに本発明の製造方法に使用する生コンクリートは、単
に水量の減少、適当量の空気の連行等を目的に、種々の
混和剤を含有せしめてもよい。その例としては、AE
剤、AE減水剤、減水剤などが挙げられ、通常のコンク
リート用のものが使用できる。
の混合方法は基本的には従来のコンクリートの混合方法
と同一である。この混合は通常の順序で水を添加する方
法に従って実施できる。とりわけ水を2回に分けて添加
して練り混ぜる方法をより好ましくは採用できる。この
方法自体は、分割混練方法として一般化している方法に
従って実施すればよい。この分割混練法を使用すると、
コンクリートの分離抵抗性がより改善される。その結
果、所定の流動性、分離抵抗性ならびに充填性を確保す
るために必要な分離低減剤ならびに高性能減水剤の使用
量を減少させることができる。また、β−1,3−グル
カンを含有せしめた固目の生コンクリートを調製した
後、打設直前に高性能減水剤を添加して練り混ぜる方
法、高性能減水剤を含有せしめた分離した液状コンクリ
ートにβ−1,3−グルカンを添加し、練り混ぜて生コ
ンクリートにする方法あるいは通常の生コンクリートを
調製した後、β−1,3−グルカンおよび高性能減水剤
を同時または順次添加して練り混ぜる方法など、何れの
方法を用いても良い。
は、コンクリート自体にまたは型枠に軽い振動を与えな
がら流し込む方法、型枠の下部から圧入して上部まで生
コンクリートを押し上げながら充填する方法、生コンク
リートを器壁に吹き付けて流下または落下させて型枠中
に充填する方法、生コンクリートを型枠の壁に沿って流
下、あるいは一方の開放部から直接または案内管(トレ
ミー管)を使用して流下または落下させて充填する方法
など、流体を容器に充填する方法であれば何れの方法を
採用してもよい。また、従来の生コンクリートの充填方
法、例えば、コンクリートまたは型枠に強い振動を与え
る方法で行ってもよい。さらに、既に硬化したコンクリ
ートの上部、下部、側部または間隙などに本発明の生コ
ンクリートを流し込む方法を行うと、硬化したコンクリ
ートの凹凸部にまで隙間なく充填できる。上記で述べた
本発明の生コンクリートの充填方法は、水中でも同様に
行われ得る。本発明の生コンクリートを型枠に充填する
際、生コンクリートの漏れを防ぐため型枠を密閉状とし
て、一部に空気が抜けるようにしておくことが望まし
い。
い組成分配合を以下に例示する。なお以下の記載におい
て、結合材料とはセメントとその改質材料との混合物を
いう。結合材料(ポルトランドセメント、フライアッシ
ュおよび高炉スラグの合計量としてコンクリートの単位
体積当たり250〜700kg/m3)に対して、β−
1,3−グルカンを0.01〜1.0重量%、より好ま
しくは0.2〜1.0重量%、高性能減水剤を0.2〜
6.0重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%の
範囲とする。またシリカヒューム等のシリカ質の超微粉
末を結合材料の一部と置換して用いる場合は、結合材料
中のシリカ質粉末が約6〜30重量%となるようにする
のが好ましい。たとえば単位結合材料(ポルトランドセ
メント、フライアッシュおよび高炉スラグの合計量とし
てコンクリートの単位体積当たり350〜800kg/
m3)に対しシリカヒュームの単位量は50〜100k
g/m3とし、β−1,3−グルカンを0.02〜1.
0重量%、高性能減水剤を0.5〜3重量%の範囲とす
る。
せず、泥状液体としての性質を示すため一定の空間の内
部に打設する際に振動機による締固めを必要としない
か、するとしても型枠に固定した振動機をわずかかける
程度で、短時間で骨材の分離もなく、容易に型枠の隅々
にまでコンクリートを充填できるものである。そのため
に型枠が複雑な形状であってもよく、コンクリートの
流動性などによって型枠の形状が制限をうけず、また
振動装置が届かない密閉空間、広い空間での打設を行う
ことができる。振動を必要としないから、作業者の健康
の維持、環境の保全が大幅に改善される。また、コンク
リート打設終了後にもブリージング等の材料分離は生じ
ないため、複雑な形状の空間であっても、均等質で耐久
性の大きいコンクリート構造物の建造あるいはプレキャ
スト部材等の製作が可能である。なお『一定の空間』と
は構造物の外形を包囲する状態で板体(型枠)を組み合
わせて構成した空間のことである。その容積はコンクリ
ート部材のように数立方メートルのものから、ビルやダ
ムやタンクのように巨大なものまで本発明の「コンクリ
ート製品」の対象とすることができる。
して流動性、充填性、分離抵抗性の試験を行った。
な、多数本の鉄筋21が最小間隔35mmで配置してあ
る型枠2内に、本発明のコンクリート1を打設した。型
枠2は、高さが500mm、幅が825mmで斜面22
によって天上部の一部が被覆されているものを使用し
た。この実験によると、型枠2内にコンクリート1を単
に流し込むだけで、振動をまったく与えずに約99秒後
には型枠内に密実にコンクリート1を充填することがで
きた。(図1〜図4)
検討する試験を行った。その結果のデータを次表に示
す。
の低下は認められない。耐塩分浸透性、耐海水性、化学
抵抗性、耐中性化性能等は通常のコンクリートよりも十
分に優れている。〈圧縮強度の比較〉振動を与えないで
製造したコンクリート製品の圧縮強度を、一般のコンク
リート製品の圧縮強度と比較した。図5に示すコンクリ
ート壁用の型枠に、次の2種類のコンクリートを打設
し、28日後に図示する位置からコアサンプルを採取し
て圧縮強度試験を行った。 〈1〉上記の分離低減剤高性能減水剤などの添加剤を添
加し、かつ生コンクリート(本発明のコンクリート)に
は振動を与えなかった。 〈2〉上記の添加剤を添加せず、(分離低減剤などを添
加しないコンクリート、従来のコンクリート)しかし振
動を与えた。その結果を図6に示すが、本発明のコンク
リートを使用した場合に、振動をまったく与えていない
にもかかわらず、コンクリート製品のすべての位置で圧
縮強度に変化がなく、かつ振動を与えた比較例よりも圧
縮強度が大きいことが分かった。
メント(粉末度3250cm2/g程度)、高炉スラグ
微粉末(4300cm2/g程度)およびフライアッシ
ュ(3000cm2/g程度)量を変えた次表の5種類
の配合についてコンクリートの練りまぜ試験を行い、ス
ランプフローの測定ならびに充填試験を行った。充填試
験には図7に示すようなU字型の容器を使用した。この
容器の一側をコンクリート充填室A、他側を測定室Bと
し、両室の下部には連通窓を開設してある。この連通窓
に35mm間隔で鉄筋を設け、試験開始まではシャッタ
ーによって閉鎖している。試験時にはA充填室に試験対
象のコンクリートを充填し、シャッターを引き揚げ、B
測定室へのコンクリートの上昇寸法Hを測定して充填性
の判断基準とするものである。なお、本試験で、従来の
生コンクリートは連通窓の鉄筋(35mm間隔)に阻ま
れて、A充填室からB充填室へ移動しなかった。
り、このような粒度の結合材の組み合わせに対してこの
評価試験方法によると、良好な流動性ならびに充填性を
得るための単位結合材料(セメント+高炉スラグ微粉末
+フライアッシュ)の最低量は、400kg/m3(2
00+200+0)以上となる。これは、鉄筋の純間隔
が35mmの多段配筋の場合における充填性を対象にし
たものであるが、鉄筋の純間隔がこれより大きい場合に
は単位結合材料の最低量は、350kg/m3程度まで
低減可能である。
にシリカフュームを用いた場合の配合ならびに試験結果
を次表に示す。この表で、配合No.1は基準配合であ
る。それに対してNo.2〜No.5は、フライアッシ
ュを全く使用せずシリカフュームで代替させる場合であ
る。この結果、必要な結合材(C+B+SF)の量は4
50kg/m3程度でよいことが分かった。なぜならこ
の程度の結合材料ではスランプフローで示す流動性は若
干低下するが、その一方で充填性は極めて良好で、充填
高さは十分に保たれているという特徴が判明した。
付近から生コンクリートを注入した場合の充填状態の試
験を行った。ここで包囲された空間とは、目的の構造物
の外形に沿って板体を組み立てて構成した型枠内部のこ
とである。従ってこの空間の大きさは目的とする構造物
の形状によって変化するものであり、数メートル立方の
小型のものから、巨大なビルやタンク、塔なども対象と
することができる。 〈試験体〉試験体は図8に示すように高さ3.6メート
ルの柱体の型枠4であり、柱の断面は600ミリ×60
0ミリである。柱型枠4の内部には、構断方向の鉄板を
補強板5として900ミリピッチで取り付けた。 この
補強板5の中心には直径180ミリの通過口6を設け4
隅には直径30ミリの空気抜き孔7を開口した。
リートを使用した。
クリートはほぼ水平面を保持した状態で上昇し、補強板
5の下面と上面に十分に充填された。(図9)コンクリ
ートの硬化後に型枠4を解体した。そして外部から、補
強板5の上下のコンクリートの充填状態を観察した。そ
の結果、通過口6よりも最も離れた型枠4の面まで十分
に充填され、空隙が存在しないことがわかった。次に、
内部の充填状態を観察するために各補強板5の上部と下
部においてコンクリートを切断した。その結果、充填が
きわめて困難な補強板5の下部の隅々まで、全面にわた
って完全に均質なコンクリートが充填されていることが
分かった。
試体を切り取り、圧縮強度の試験を行った。その結果は
次表の通りであり、強度が十分に出ていることが分かっ
た。
合成コンクリート製品を製造した。『合成』とはコンク
リートと鋼板とを一体に形成し、コンクリートの圧縮強
度と、鋼板の引っ張り強度とを有効に利用する構造であ
り、したがって型枠は解体せずコンクリート製品の一部
となる。 両者を一体に構成するために内外型枠8,9
の内側には多数本のボルトをジベル10として突設す
る。さらに内外の型枠を多数本のトラス11によって連
結しておく。こうした包囲空間に前記した配合の生コン
クリートを、下部から注入する。すると前記した生コン
クリートはきわめて流動性が良好であるから、多数本の
鋼材が内部で交差していても流動性が阻害されることな
く十分に隅々まで充填出来る。また分離抵抗性が大きい
から、流動中に骨材が分離することがない。さらに打設
終了後もブリージングが発生しないから、均等質で高耐
久性を有する合成製品を製造することができる。
壁面に吹き付け、あるいはコンクリート製品の型枠に落
下、流下、させて充填する。ここに『吹き付け』とは、
生コンクリートを圧縮空気を利用して対象物の表面に衝
突させて付着させる方法、『落下』とは生コンクリート
を型枠などの内部に自由に落として型枠内部を充填する
方法、『流下』とは仮の通路を作って、その通路にコン
クリートを載せて対象とする型枠内部へ流し込む方法で
ある。従来のコンクリートであれば、こうした方法では
比重の大きい骨材だけがモルタルに先行して飛び出した
り、型枠や壁面に衝突して周囲に飛散してしまう。しか
し本発明の製造方法であれば遠方から吹き付けたり、高
所から流下、落下させてもそうした分離が生じることが
ない。 〈飛散率の比較〉そのために飛散率の比較を行った。前
記した分離抵抗性の高いコンクリートと、分離低減剤を
添加しない従来のコンクリートの各々1リットルを、所
定の高さから床面に落下させた。そして周囲へ飛散させ
ずに、中央に残った部分の重量(W2)を測定した。そ
して最初の重量(W1)からの低下重量を求め、その結
果を飛散損失率(%)=(W1−W2)/W1として求
めた
コンクリートを使用すれば、自由落下させたにもかかわ
らずその飛散損失率がきわめて少ないことが分かった。
したがってコンクリートの吹き付け作業において熟練の
少ない作業員によっても、熟練者と同様にほぼ均一な状
態で壁面への吹き付けを行うことができる。 〈圧縮強度の比較〉図11に示すような型枠に、次の2
種類のコンクリートを5メートルの高さから落下させ、
あるいは直接打設した。 (1)分離低減剤を添加したコンクリート(高流動性コ
ンクリート、本発明のコンクリート)を落下させた。 (2)分離低減剤を添加しないコンクリート(従来のコ
ンクリート)を落下させた。 (3)分離低減剤を添加しないコンクリート(従来のコ
ンクリート)を、ていねいに型枠内に充填し、振動を与
えて締め固めた。以上の3種類のコンクリート製品から
打設後28日を経過してサンプルを採取し、圧縮強度を
比較した結果を図12に示す。その結果、本発明の方法
で生コンクリートを落下させて製造した製品の圧縮強度
は、ていねいに生コンクリートを充填して振動を与えた
コンクリート製品の圧縮強度とほとんど相違がないこと
がわかった。一方、分離低減剤を添加しなかったコンク
リートを落下させたものは、圧縮強度から判断して到底
実用に耐えないものであることも判明した。生コンクリ
ートを壁面に吹き付ける工法であっても同様の効果を得
ることができる。
ートを使用して、コンクリート製品の打ち継ぎを行う。
打ち継ぎとはすでに硬化したコンクリートに接してまだ
固まらない生コンクリートを打設し、両者を一体にする
作業である。コンクリートは一般に硬化時、あるいはそ
の後に収縮するから、硬化したコンクリートの下に新た
なコンクリートを打設して両者を一体化させる作業が最
もむ難しい。そこで図13に示すようにすでに硬化した
コンクリートC1の下方に、新たに生コンクリートC2
を打設する場合について説明する。こうした方法は、例
えば立て坑を掘削しながら補強してゆく場合のように、
前回のコンクリートの下部へ、生コンクリートを打設し
てゆく場合に利用される。本発明の方法で使用するコン
クリートは、流動性が良好で充填性にすぐれているか
ら、すでに硬化したコンクリートの下面の隅々まで十分
に充填することができる。その上コンクリートの分離抵
抗性が大きいため、ブリージング水が発生せず打ち継ぎ
のコンクリートC2の上面が低下することがない。その
ために境界面に欠陥部分がなく、良好な一体性を得るこ
とができる。 〈打ち継ぎ強度試験〉次に本発明の方法で製造した製品
の継ぎ目と、従来の生コンクリートを使用して製造した
継ぎ目との引っ張り強度の結果を比較した。すでに硬化
したコンクリートC1としては材令1年のコンクリート
を使用した。
目において採取したコアの引っ張り強度、透水係数を比
較して結果は次の通りであった。
って製造した製品は、打ち継ぎ強度が向上するのみなら
ず、継ぎ目の弱点である透水係数も一桁向上しているこ
とがわかった。
ートを使用して、水中コンクリートの打設を行う。この
場合に特別な装置を必要とせず、従来と同様にトレミー
パイプを使用し、その上端から生コンクリートを投入す
る方法を採用できる。トレミーパイプの先端は水中の型
枠の底部や、掘削した溝の底部に位置させておく。こう
して打設したコンクリートは、まずじょじょに平面的に
広がる。この広がったコンクリートが一定の厚さに達す
ると、その水平面を水中に維持したまま上昇する。その
ために最初に打設された部分が常に最上部に位置してお
り、かつその上面が水平状態を維持しているから、スラ
イム、安定液をその上に載せたまま上昇することとな
り、内部へ巻き込むことがない。そのために均等質で品
質のよい水中コンクリートを打設することが可能であ
る。 〈流動性の比較〉従来のコンクリートと、本発明の方法
に使用するコンクリートとの水中打設における流動性を
比較した。そのために複数の着色生コンクリートを使用
し、トレミーパイプで水中に打設した。そして、硬化後
に複数のコアを採取し、垂直方向の流動性を推測した。
その結果を図14に示すが、最初に打設された生コンク
リートGはそのまま水平層を維持して上方に押しあげら
れ、以下青色B、赤色Rなどがほぼ水平層として維持さ
れていることがわかった。
減剤を添加しない状態の生コンクリートをコンクリート
工場で製造する。したがってこの段階では従来のコンク
リート工場をまったく改造することなくそのまま利用で
きる。こうして製造した生コンクリートを、ミキサー車
で打設する現地まで運搬する。打設現地に到着したミキ
サー車に対して、打設直前に前記した分離低減剤を投入
する。分離低減剤は粉末の状態であるが、水に溶解しな
いために分散性が良好であり、練り上がった生コンクリ
ートの内部に十分に分散して混合される。 〈分散性の比較〉次に分離低減剤を、コンクリートの混
合時に添加しても、打設の直前に添加してもその効果が
ほぼ同様である点を確認する試験を行った。
加する時期を、混練と同時に添加する場合と、打設現場
で添加する場合とを行い、その結果を比較した。
加の方法と同様のスランプフローおよび空気量がえられ
ている。したがって特殊な生コンクリートを使用するに
もかかわらず、特別な装置を必要とせずに製造すること
ができる点はきわめて実用的である。さらにコンクリー
ト工場では1日借り切る場合でないかぎり、他の種類の
生コンクリートを次々製造してゆくことになるが、他の
コンクリートとの関連を考慮することなく通常の方法で
製造することができる。
な効果を達成することができる。〈イ〉分離抵抗性の大
きい、高流動性、高充填性を有する生コンクリートによ
って複雑な形状の製品の製造が可能である。その充填の
際にコンクリートの分離が発生せず、水や骨材を均一に
抱き込んだまま空間の隅々まで流動して行く。さらに、
硬化した場合に収縮することがない。したがって型枠内
部に複雑な形状障害物の突出しているような製品の製造
が可能となった。 〈ロ〉その上に生コンクリートに振動を与えず、ただ流
し込むだけでも型枠の済み々まで充填させることができ
る。そのために振動を与えられない製品の製造が簡単に
できる。また締め固めに必要だった人員が不要となり、
作業の省力化が可能である。人間の介在がそれだけ省略
できることから、コンクリート工事の大幅な機械化、ロ
ボット化が可能となる。 <ハ>締め固め不足にともなう材料の分離を防止できる
とともに、過剰な締め固めによる材料分離も防止でき
る。そのために水密性、耐久性が大きく、均等で安定し
た品質のコンクリート製品の製造が可能である。 <ニ>他の分離抵抗性の大きいコンクリートと比較し
て、使用する材料を厳選する必要がないので、規格を満
足するものであれば何でも使用できる。そのために過剰
な品質管理が不要であり、広く一般の現場での応用が可
能である。 <ホ>無振動締め固めによるプレストレスコンクリート
部材の製造に利用できる。
空間の内部に、前記した配合の生コンクリートを下部か
ら注入する方法を採用することができる。すると前記し
た生コンクリートはきわめて流動性が良好であるから、
多数本の鋼材が内部で交差していても流動性が阻害され
ることなく十分に隅々まで充填出来る。また分離抵抗性
が大きいから、流動中に骨材が分離することがない。さ
らに打設終了後もブリージングが発生しないから、均等
質で高耐久性を有する合成製品を製造することができ
る。 <ト>実施例6に示すように高い位置から落下させた
り、遠方から吹き付けて製品を製造することができる。
本発明の方法であれは、高い位置から自由落下させたに
もかかわらず周辺への飛散損失率がきわめて少ないこと
が分かった。したがってコンクリートの吹き付け作業に
おいて熟練の少ない作業員によっても、熟練者と同様に
ほぼ均一な状態で壁面への吹き付けを行うことができ
る。 <チ>実施例7に示すように、コンクリート製品の打ち
継ぎを行う方法を採用することができる。特に既設のコ
ンクリートの上に生コンクリートを載せる場合ではな
く、既設のコンクリートの下面以下に生コンクリートを
打設する場合である。こうした方法は、例えば立て坑を
堀削しながら補強してゆく場合のように、前回のコンク
リートの下部へ生コンクリートを打設してゆく場合に利
用される。本発明の方法で使用するコンクリートは、流
動性が良好で充填性にすぐれているから、すでに硬化し
たコンクリートの下面の隅々まで十分に充填することが
できる。 その上コンクリートの分離抵抗性が大きいた
め、ブリージング水が発生せず、打ち継ぎのコンクリー
トC2の上面が沈下することがない。そのために境界面
に欠陥部分がなく、良好な一体性を得ることができる。
リートを打設して製品を製造する方法を採用することが
できる。こうして打設したコンクリートは、まずじょじ
ょに平面的に広がる。この広がったコンクリートが一定
の厚さに達すると、その水平面を水中に維持したまま上
昇する。そのために最初に打設された部分が常に最上部
に位置しており、かつその上面が水平状態を維持してい
るから、スライム、安定液をその上に載せたまま上昇す
ることとなり、内部へ巻き込むことがない。そのために
均等質で品質のよい水中コンクリートを打設することが
可能である。 <ヌ>実施例9に示すように、まず分離低減剤を含まな
い通常の配合のコンクリートを製造し、打設現地に到着
したミキサー車に対して、打設直前に前記した分離低減
剤を投入する方法を採用することができる。分離低減剤
は粉末の状態であるが、水に溶解しないために分散性が
良好であり、練り上がった生コンクリートの内部に十分
に分散して混合される。表11から明らかなように、本
発明の方法でも、同時添加の方法と同様のスランプフロ
ーおよび空気量がえられている。したがって特殊な生コ
ンクリートを使用するにもかかわらず、特別な装置を必
要とせずに製造することができる点がきわめて実用的で
ある。さらにコンクリート工場を1日借り切る場合でな
いかぎり、他の種類の生コンクリートを次々製造してゆ
くことになるが、他のコンクリートとの関連を考慮する
ことなく通常の方法で製造することができる。
動性試験の説明図
動性試験の説明図
動性試験の説明図
動性試験の説明図
説明図
明図
説明図
明図
Claims (7)
- 【請求項1】セメント系硬化材に、β−1,3−グルカ
ンおよび高性能減水剤を添加した生コンクリートを一定
の空間内に充填して硬化させて行う、コンクリート製品
の製造方法。 - 【請求項2】構造物の形状を板体で包囲し、この包囲空
間の下部から生コンクリートを注入する、請求項1のコ
ンクリート製品の製造方法。 - 【請求項3】生コンクリートを吹き付けて行う、請求項
1のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項4】生コンクリートを流下、落下させて行う、
請求項1のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項5】生コンクリートを、すでに硬化したコンク
リートに打ち継いで行う、請求項1のコンクリート製品
の製造方法。 - 【請求項6】生コンクリートを水中で打設して行う請求
項1のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項7】セメント系硬化材に、β−1,3−グルカ
ンあるいは高性能減水剤を生コンクリートの製造後に添
加して行う、請求項1のコンクリート製品の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24290691A JP3074576B2 (ja) | 1990-06-19 | 1991-06-19 | コンクリート製品の製造方法 |
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Applications Claiming Priority (13)
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| JP2-158573 | 1990-06-19 | ||
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| JP16537890 | 1990-06-22 | ||
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Family
ID=27566205
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24290691A Expired - Fee Related JP3074576B2 (ja) | 1990-06-19 | 1991-06-19 | コンクリート製品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3074576B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06115995A (ja) * | 1992-10-08 | 1994-04-26 | Kao Corp | 自己充填用コンクリート組成物 |
| KR20040001113A (ko) * | 2002-06-27 | 2004-01-07 | 주식회사 더멋진 바이오텍 | 베타글루칸을 함유하는 공기연행제 |
-
1991
- 1991-06-19 JP JP24290691A patent/JP3074576B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH059053A (ja) | 1993-01-19 |
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