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JP3075595B2 - エンドトキシンを含まない薬剤の製造法 - Google Patents
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JP3075595B2 - エンドトキシンを含まない薬剤の製造法 - Google Patents

エンドトキシンを含まない薬剤の製造法

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JP3075595B2
JP3075595B2 JP03187422A JP18742291A JP3075595B2 JP 3075595 B2 JP3075595 B2 JP 3075595B2 JP 03187422 A JP03187422 A JP 03187422A JP 18742291 A JP18742291 A JP 18742291A JP 3075595 B2 JP3075595 B2 JP 3075595B2
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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンドトキシンを含ま
ない注射液等の溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドトキシンは、リポ多糖であり、大
腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、緑膿菌等のグラム陰性細
菌の細胞壁外膜の構成成分であることはよく知られてい
る。このリポ多糖を酸分解したときに生ずるリピドAも
エンドトキシンに含まれる。
【0003】エンドトキシンは、タンパク、ペプチド、
ホルモン、酵素、抗体、アミノ酸、糖、抗生物質、ビタ
ミン、リンゲル液、生理食塩水などを製造する際に、原
料、水、試薬類、器具類の汚染により混入したり、操作
中の細菌汚染により混入するが、エンドトキシンに汚染
されたこれらの薬剤を注射剤として使用した場合には、
発赤、高熱、悪寒、戦慄などの不快な症状を呈したり、
組織の壊死を生じたり、時には、ショック死することも
知られており、注射液の製造において、エンドトキシン
の除去は必須である。
【0004】注射剤溶液中のエンドトキシンを除去する
方法としては、a)これら溶液の限外ろ過による分離除
去、b)活性炭やイオン交換樹脂による吸着除去、c)
加熱処理、d)γ線または超音波照射による処理、e)
酸またはアルカリ処理、あるいは、f)カブトガニ血球
由来の抗菌性ペプタイド(例えばタキプレシン)をリガ
ンドとする水不溶性担体による吸着除去(特開平2−2
04500号)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は操作が複雑であり、簡単な処理方法によりエン
ドトキシンを除去する方法の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、グリシジルメ
タクリレートとエチレングリコールジメタクリレートと
の多孔性共重合体のゲルに、エンドトキシン含有溶液を
塩の存在下に接触させることにより、エンドトキシンを
含まない薬剤を製造する方法である。
【0007】グリシジルメタクリレートとエチレングリ
コールジメタクリレートとの多孔性共重合体を製造する
には、エチレングリコールジメタクリレートの必要量と
グリシジルメタクリレートの必要量とを、適当な触媒及
び多孔性剤の存在下に水性懸濁重合させる、一般に知ら
れた方法により製造することができる。エチレングリコ
ールジメタクリレートに対するグリシジルメタクリレー
トの割合は、エチレングリコールジメタクリレート10
0重量部に対しグリシジルメタクリレート5〜60重量
部、好ましくは10〜40重量部の範囲であり、グリシ
ジルメタクリレートの量が少ないと得られる共重合体が
軟らかく、多すぎるとエンドトキシンを除去する能力が
低下する。
【0008】適当な触媒としては、例えばラジカル発生
触媒として一般的に使用されている、ベンゾイルパーオ
キサイド等の有機過酸化物等を用いることができる。多
孔性剤としては、エチレングリコールジメタクリレート
とグリシジルメタクリレートは溶解するが、生成する共
重合体は溶解しない、例えばトルエンのような有機溶媒
を用いることができる。
【0009】本発明に使用する多孔性共重合体のゲルは
親水性であり、タンパク分画分子量で、100〜10,
000、500〜80,000、1,000〜700,
000、5,000〜1,000,000、50,00
0〜5,000,000、500,000〜50,00
0,000の範囲を有するものが使用される。このよう
な多孔性共重合体は、市販されており、TSK−GEL
トヨパールHW−40、同HW−50、同HW−55、
同HW−60、同HW−65、同HW−75(いずれも
東ソー株式会社販売)等を挙げることができる。
【0010】エンドトキシン含有溶液としては、各種タ
ンパク質、ペプチド、ホルモン、酵素、抗体、アミノ
酸、糖、抗生物質、ビタミン等の溶液、リンゲル液、生
理食塩水等を挙げることができる。
【0011】本発明は、エンドトキシン含有溶液を、塩
の存在下に、前記多孔性共重合体のゲルと接触させるこ
とにより、該溶液中のエンドトキシンが吸着除去された
薬剤の製造方法であるが、塩としては、その水溶液が弱
酸性〜弱アルカリ性の範囲(pH5〜9)のものであれ
ば何れも使用することができ、例えば塩化ナトリウム、
塩化カリウム、塩化リチウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム、硫酸マグネシウム等を挙げることができ
る。塩濃度は、0.1〜3.0モルの範囲を挙げること
ができる。
【0012】エンドトキシン含有溶液を前記多孔性共重
合体のゲルと接触させる方法としては、バッチ法、カラ
ムクロマトグラフィー法等何れの方法をも採用すること
ができる。バッチ法を採用する場合に、タンパク質等の
溶液によっては、エンドトキシンを完全に除去できない
場合があるが、その場合はカラムクロマトグラフィー法
を採用すればよい。
【0013】エンドトキシン含有量を測定するには、市
販されているエンドトキシン測定試薬、例えば、エンド
スペシー(生化学工業株式会社製造販売)、リムルス−
ESテストワコー(和光純薬工業株式会社販売)等を使
用することができる。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0015】実施例1 撹拌機、温度計、滴下ロート及び冷却器を装備した10
00ml容量のセパラブルフラスコに、4重量%のポリビ
ニルアルコール水溶液400ml、エチレングリコールジ
メタクリレート80g、グリシジルメタクリレート20
g及びベンゾイルパーオキサイド1.5gよりなる混合
液を入れ、更に、トルエン100gを添加したのち、4
00r.p.m で撹拌しながら80℃に昇温し、10時間反
応させた。反応液を冷却後、重合生成物を分離し、これ
を熱水及びアセトンで洗浄し、次いで乾燥した後、分球
操作を行い、粒子径50〜100μmの多孔性共重合体
を得た。
【0016】この多孔性共重合体担体を0.2N水酸化
ナトリウム−95%エタノール溶液に24時間浸したの
ち、250℃で2時間乾熱滅菌したガラスフィルター上
に移し、エンドトキシンを含まない蒸留水で洗浄して予
め脱エンドトキシン処理をした。この濾過物を水流ポン
プで吸引しながら水切りして湿潤状担体を得た。この担
体を、乾熱滅菌した2個のビーカーに各2gずつ秤取し
た。それぞれのビーカーにセラチア・マルセスセンス
Serra tia marcesce ns)由来のエンドトキシン(シグマ
社販売)20ngとグルコース0.1gとを含む0.5M
塩化ナトリウム溶液20mlを加えて、室温で各30分間
又は3時間撹拌してエンドトキシンを吸着させた。次い
で、その上澄液を採取してエンドトキシン測定用試料溶
液とした。
【0017】比較として、上記の湿潤状担体を2個のビ
ーカーに各2g秤取し、それぞれに上記エンドトキシン
20ngとグルコース0.1gとを含む蒸留水溶液20ml
を加え、同様に処理して、エンドトキシン測定用試料溶
液とした。
【0018】上記担体に対するエンドトキシン吸着量
は、上記で得られた塩化ナトリウム添加系又は比較とし
て塩類無添加の蒸留水系上澄0・1mlとエンドスペ
シー(生化学工業株式会社、商品名)溶解液0.1ml
とを混合し、37℃に30分間保持した後、得られた溶
液に0.04%亜硝酸ナトリウムの0.48N塩酸溶
液、0.3%スルファミン酸アンモニウム水溶液及び
0.07%N−1−ナフチルエチレンジアミンニ塩酸塩
水溶液を順次0.5mlずつ加え、赤色に呈色した溶液
を波長545nmで吸光度を測定し、別に既知濃度のエ
ンドトキシン水溶液0.1mlとエンドスペシー溶解液
0.1mlとを同様に反応させて作成した検量線より求
めた。その結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】グルコース溶液中の総エンドトキシン量
は、0.5M塩化ナトリウム添加系の開始時20ngであ
ったのに対して、撹拌吸着処理30分及び3時間後で
は、それぞれ3.3ng及び0.4ngに減少した。
【0021】一方、塩化ナトリウム無添加の蒸留水の系
では、エンドトキシンは吸着されなかった。なお、いず
れの系でも、グルコースは吸着されず、ほぼ100%回
収された。
【0022】実施例2 実施例1で用いた多孔性共重合体と同様の構造を有する
市販の多孔性共重合体であるトヨパールHW−40C
(東ソー株式会社販売、商品名)を担体として使用し
た。
【0023】実施例1と同様にして、脱エンドトキシン
処理した上記湿潤状担体を、乾熱滅菌した2個のビーカ
ーに各2gずつ秤取し、それぞれにセラチア・マルセス
センス(Serratia marcescens)由来のエンドトキシン2
0ngとグルコース0.1gとを含む0.5M塩化ナトリ
ウム溶液20mlを加えて、室温で30分間又は3時間撹
拌して吸着させた。次いで、その上澄液を採取して、エ
ンドトキシン測定用試料溶液とした。
【0024】比較として、上記湿潤状担体を2個のビー
カーに各2gずつ秤取し、それぞれに上記エンドトキシ
ン20ngとグルコース0.1gとを含む蒸留水溶液20
mlを加え、同様に処理して、エンドトキシン測定用試料
溶液とした。
【0025】上記担体に対するエンドトキシン吸着量
は、上記で得られた溶液中に残存するエンドトキシン量
を実施例1と同様にしてエンドスペシーで測定すること
によって求め、その結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】グルコース溶液中のエンドトキシン量は、
0.5M塩化ナトリウム添加系の開始時20ngであった
のに対して、撹拌吸着処理30分及び3時間後では、そ
れぞれ5.2ng及び1.2ngに減少した。
【0028】一方、塩化ナトリウム無添加の蒸留水の系
では、エンドトキシンは吸着されなかった。なお、どち
らの系でも、グルコースは吸着されず、ほぼ100%回
収された。
【0029】実施例3 実施例1の担体と同様の基本構造を有する市販の多孔性
共重合体であるトヨパールHW−55F(東ソー株式会
社販売、商品名)を担体として使用した。実施例1と同
様にして、脱エンドトキシン処理した上記湿潤状担体
を、乾熱滅菌した2個のビーカーに各2gずつ秤取し、
それぞれに大腸菌(Escherichia coli O111:B4) 由来の
エンドトキシン(シグマ社販売)20ngとヒト血清アル
ブミン(HSA)0.02gとを含む0.5M塩化マグ
ネシウム溶液20mlを加えて、室温で30分間又は3時
間撹拌して吸着させた。
【0030】比較として、上記湿潤状担体を2個のビー
カーに各2gずつ秤取し、それぞれに上記エンドトキシ
ン20ngとHSA0.02gとを含む蒸留水溶液20ml
を加えて同様に処理した。
【0031】上記担体に対するエンドトキシン吸着量
は、溶液中に残存するエンドトキシン量を実施例1と同
様にしてエンドスペシーで測定することによって求め、
その結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】HSA溶液中のエンドトキシン量は、0.
5M塩化マグネシウム添加系の開始時20ngであったの
に対して、撹拌吸着処理30分及び3時間後では、それ
ぞれ13.5ng及び8.7ngに減少した。
【0034】一方、塩化マグネシウム無添加の蒸留水の
系では、エンドトキシンは吸着されなかった。なお、ど
ちらの系でも、HSAは吸着されず、ほぼ100%回収
された。
【0035】実施例4 実施例1の担体と同様の基本構造を有する市販の多孔性
共重合体であるトヨパールHW−65C(東ソー株式会
社販売、商品名)を実施例1と同様にして脱エンドトキ
シン処理し、同じく脱エンドトキシン処理したガラス製
カラム(直径2.2cm×長さ94.0cm)に充填した。
次に、エンドトキシンを含まない蒸留水3000mlで洗
浄した後、エンドトキシンを含まない0.5M塩化ナト
リウム溶液1000mlで平衡化した。
【0036】このカラムにサルモネラ・チフィムリウム
Sal monella typh imurium) 由来のエンドトキシン(シ
グマ社販売)81ngとラミナラン0.07gとを含む
0.5M塩化ナトリウム溶液3mlを負荷し、0.5M塩
化ナトリウム溶液540mlで溶出したのち、エンドトキ
シンを含まない蒸留水で再び溶出した。溶出液は、乾熱
滅菌した試験管に各3mlずつ採取し、分析に供した。
【0037】上記画分中のエンドトキシン量は、実施例
1と同様にしてエンドスペシーで測定することによって
求めた。また、ラミナラン量は、各画分1mlと5%フェ
ノール溶液1mlとを混合し、これに硫酸5mlを加えて再
び混合してから20分間放置後、波長490nmにおける
吸光度を測定するフェノール硫酸法〔Dubois M. etal,
Anal. Chem. 28, 350-356(1956) 〕を用い、別に作成し
た検量線より求めた。その結果を図1に示した。
【0038】ラミナランは、画分79〜95番目の0.
5M塩化ナトリウム溶出部分に全量回収されたが、エン
ドトキシンは、全く溶出されなかった。次いで、前述の
カラムにエンドトキシンを含まない蒸留水を通すと画分
240番目以降においてエンドトキシンが溶出された
(回収率98%)。したがって、0.5M塩化ナトリウ
ムで溶出した時には、エンドトキシンのみが吸着され除
去されたことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トヨパールHW−65Cカラムクロマトグラフ
ィーによるエンドトキシンの吸着除去パターンを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリシジルメタクリレートとエチレング
    リコールジメタクリレートとの多孔性共重合体に、エン
    ドトキシン含有溶液を塩の存在下に接触させ、エンドト
    キシンを当該多孔性共重合体に吸着させることを特徴と
    するエンドトキシンを含まない薬剤の製造法。
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