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JP3077481B2 - メカニカルヒューズ装置を備えた歯車 - Google Patents
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JP3077481B2 - メカニカルヒューズ装置を備えた歯車 - Google Patents

メカニカルヒューズ装置を備えた歯車

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JP3077481B2 JP30335393A JP30335393A JP3077481B2 JP 3077481 B2 JP3077481 B2 JP 3077481B2 JP 30335393 A JP30335393 A JP 30335393A JP 30335393 A JP30335393 A JP 30335393A JP 3077481 B2 JP3077481 B2 JP 3077481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車に係り、更に詳細
にはメカニカルヒューズ装置を備えた歯車に係る。
【0002】
【従来の技術】メカニカルヒューズ装置の一つとして、
例えば特開昭61−220968号公報に記載されてい
る如く、自動車等の車輌の電動式パワーステアリング装
置に於て、ステアリングシャフトと共に一体的に回動す
る補助部材とモータにより駆動される出力歯車とがシェ
アピンを介して連結され、補助部材と出力歯車との間に
過大な負荷が作用することによりシェアピンに所定値以
上の荷重が作用するとシェアピンが折れることにより補
助部材と出力歯車との間の駆動連結状態を解除するよう
構成されたメカニカルヒューズ装置が従来より知られて
いる。
【0003】かかるメカニカルヒューズ装置によれば、
例えばモータにロック等の異常が生じモータが全く回転
できなくなった場合にも、車輌の運転者はステアリング
ホイールを操作してステアリングシャフトを回転駆動し
シェアピンに高い荷重を与えることによってシェアピン
を折損させ、これによりモータのロック等に起因して操
舵不能の状態になることを確実に回避することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シェアピンの如き連結
部材は従来より一般に耐衝撃性に優れた金属や樹脂にて
構成されている。しかし金属や樹脂はそれらに繰返し荷
重が加えられると疲労により強度が比較的大きく低下す
る。従って上述の如き従来のメカニカルヒューズ装置に
於ては、パワーステアリング装置が長期間に亘り使用さ
れる過程に於てシェアピンの強度が疲労により低下し、
その結果シェアピンに作用する実際の荷重が設計上の設
定破断荷重未満であってもシェアピンが折損し、そのた
め電動式パワーステアリング装置がその本来の作動状態
を維持すべき状況にあるにも拘らず補助部材と出力歯車
との間に於てトルクの伝達が行われなくなり、パワース
テアリング装置が不必要にマニュアルステアリング装置
に切換ってしまうという問題がある。
【0005】またシェアピンの疲労による強度低下に起
因してシェアピンに作用する実際の荷重が設定破断荷重
未満の状況に於てシェアピンが折損することを防止すべ
く、疲労による強度低下分を見込んでシェアピンの設定
破断荷重を低く設定しようとすると、パワーステアリン
グ装置を正常に作動させるためにシェアピンが耐えなけ
ればならない荷重よりもシェアピンの設定破断荷重が低
くなり、従ってこの場合にも例えば車輪の縁石当りの如
き状況に於て補助部材と出力歯車との間の伝達トルクが
高くなると、パワーステアリング装置がその本来の作動
状態を維持すべき状況にあるにも拘らずシェアピンが折
損し、パワーステアリング装置が不必要にマニュアルス
テアリング装置に切換ってしまう。
【0006】一方セラミックスは金属や樹脂に比して耐
衝撃性に劣るため、従来より二つの部材を連結するため
のキーの如き連結部材の構成材料としては不適当である
と考えられているが、セラミックスは金属や樹脂に比し
て疲労による強度低下が極めて小さいという優れた特徴
を有している。
【0007】またメカニカルヒューズ装置のキーにより
二つの部材が連結される場合には、それら二つの部材の
連結部にキーを組込むためのスペースが必要であるた
め、二つの部材の寸法や形状を変更しなけばならない場
合があり、また二つの部材が他の部材との関係から寸法
や形状を変更することができないものであるときには、
それらの部材の連結部にメカニカルヒューズ装置を設け
ることができない。
【0008】本発明は、従来のメカニカルヒューズ装置
に於ける上述の如き問題に鑑み、長期間に亘り正常に作
動するメカニカルヒューズ装置を内蔵し、他の部材との
連結部にメカニカルヒューズ装置を組込む必要がないよ
う改良された歯車を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、請求項1の構成、即ち軸線に対し同心の外
周面を有し第一のキー溝を有する内側歯車部材と、前記
内側歯車部材に嵌合し軸線に対し同心の内周面にて前記
外周面に対向し前記第一のキー溝に整合する第二のキー
溝を有する外側歯車部材と、前記内側歯車部材の内周部
及び前記外側歯車部材の外周部の少くとも一方に設けら
れ前記軸線の周りに配列された複数個の歯と、前記第一
及び第二のキー溝に挿入され前記内側歯車部材及び前記
外側歯車部材をトルク伝達可能に連結するキーとを有
し、前記キーはセラミックスにて構成され、前記内側歯
車部材及び前記外側歯車部材は互いに面接触することな
く前記キーにより一体的に連結されており、前記キーは
前記内側歯車部材と前記外側歯車部材との間に伝達され
る荷重が所定値以上になると破断して前記内側歯車部材
及び前記外側歯車部材の連結状態を解除するよう構成さ
れた歯車によって達成される。
【0010】また本発明によれば、上述の請求項1の構
成に於て、前記軸線に沿う前記内側歯車部材及び外側歯
車部材の相対変位を規制する相対変位規制手段が設けら
れる。
【0011】
【作用】図8はセラミックス(窒化ケイ素)の遅れ破壊
強度及び疲労強度を金属(合金鋼、JIS規格SCM4
15)の疲労強度と対比して示すグラフである。この図
8より、金属の疲労による強度低下は比較的大きいのに
対し、セラミックスの108 回経過後の疲労強度はその
初期強度の約80%であり、セラミックスの疲労による
強度低下は極めて小さいことが解る。
【0012】上述の前者(請求項1)の構成によれば、
キーは内側歯車部材及び外側歯車部材と共働してそれら
の連結状態を制御するメカニカルヒューズ装置を構成し
ており、キーは疲労による強度低下が極めて小さいセラ
ミックスにて構成されているので、キーに比較的高い荷
重が繰り返し作用する状況にて歯車が長期間に亘り使用
されても、キーはそれに作用する荷重が設定荷重を大幅
に下まわる状況に於ては破断せず、また内側歯車部材及
び外側歯車部材は互いに面接触することなくキーにより
一体的に連結されているので、二つの部材が面接触して
いる場合に比してこれらの部材の間の摩擦力の変動幅が
小さく、キーが破断する際の二つの部材間の伝達トルク
が所定値より大幅にずれることがなく、これによりキー
は内側歯車部材と外側歯車部材との間に作用する荷重が
正確に設定荷重になった段階に於て破断し、従ってメカ
ニカルヒューズ装置を長期間に亘り所期の設計通りに作
動させることが可能になる。
【0013】また上述の前者の構成によれば、メカニカ
ルヒューズ装置は互いに共働して一つの歯車を構成する
内側歯車部材及び外側歯車部材の連結部に設けられるの
で、歯車とシャフトの如き他の部材との連結部にメカニ
カルヒューズ装置が組込まれる場合の如く、歯車や他の
部材の寸法や形状を変更する必要もなくなる。
【0014】特に上述の後者(請求項2)の構成によれ
ば、キーに作用する荷重が設定荷重以上になることによ
ってキーが破断した場合にも、内側歯車部材及び外側歯
車部材が軸線に沿って互いに他に対し相対変位しないの
で、内側歯車部材又は外側歯車部材が脱落してこれらの
歯車部材及び他の部材が損傷される虞れが確実に低減さ
れる。
【0015】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0016】図1は本発明によるメカニカルヒューズ装
置を備えた歯車装置が適用された電動式パワーステアリ
ング装置を示す概略構成図、図2は図1に示された従動
歯車の第一の実施例の要部を一部破断して示す拡大部分
斜視図、図3は図2に示された第一の実施例の要部を示
す拡大部分縦断面図である。
【0017】図1に於て、10は上端にステアリングホ
イール12が固定されたステアリングシャフトを示して
いる。ステアリングシャフト10は途中に操舵トルクを
検出するトルクセンサ14を有し、下端にてラック・ア
ンド・ピニオン式ステアリング装置16のピニオンシャ
フトに連結されている。またステアリングシャフト12
にはトルクセンサ14と下端との間にて後述の如く従動
歯車18が固定されており、従動歯車18はモータ20
により駆動される駆動歯車22と噛合している。モータ
20の回転はトルクセンサ14及び図には示されていな
い他のセンサによる検出結果に基づき電子制御装置24
によって制御され、これにより少なくとも操舵トルクに
応じて補助操舵力を発生するようになっている。
【0018】図2及び図3に示されている如く、従動歯
車18は互いに嵌合する実質的に円板状をなす内側歯車
部材26と実質的に円環状をなす外側歯車部材28とよ
りなっている。図には示されていないが、内側歯車部材
26はその中央部にて従動歯車18の軸線に沿って延在
するシャフトに固定され又はシャフトと一体に形成され
ており、外側歯車部材28の外周面には従動歯車の軸線
の周りに配列された複数個の歯30が設けられている。
また内側歯車部材26は従動歯車18の軸線に対し同心
の実質的に円筒状の外周面32を有し、外側歯車部材2
8は軸線に対し同心の内周面34にて外周面32に対向
しており、外周面32及び内周面34は極僅かなクリア
ランスにて互いに隔置されている。
【0019】内側歯車部材26の外周面32には実質的
に径方向に延在し軸線の周りに等間隔にて互いに隔置さ
れた第一のキー溝としての複数個の断面矩形の窪み36
が設けられており、各窪み36の周りにはリセス38が
設けられている。一方外側歯車部材28の内周面34に
は窪み36に対応して第二のキー溝としての複数個の断
面矩形のキー溝40が設けられており、各キー溝は外側
歯車部材の下面28Aまで延在している。
【0020】各窪み36及びキー溝40内にはそれぞれ
実質的に断面矩形の棒状をなすセラミックス製のキー4
2が挿入されており、キー42は窪み36及びキー溝4
0に対し焼嵌め又は樹脂コーティングされた状態での圧
入等により固定され、これにより内側歯車部材26及び
外側歯車部材28を一体的に連結し、これらの部材と共
働してメカニカルヒューズ装置44を構成している。
【0021】図4乃至図6はそれぞれ本発明による歯車
の第二乃至第四の実施例のキーが設けられていない部分
を一部破断して示す拡大部分斜視図である。尚図4乃至
図6に於て、図2及び図3に対応する部分にはこれらの
図に於て付された符号と同一の符号が付されている。
【0022】図4に示された第二の実施例に於ては、外
側歯車部材28の内周面34は第一の実施例の場合と同
様実質的に円筒形をなしているが、内側歯車部材26の
外周面32は従動歯車の軸線に対し互いに逆方向に傾斜
した二つの円錐面よりなり、二つの円錐面は互いに共働
して径方向外方へ突出する凸部46を郭定している。凸
部46はその先端にて内周面34に実質的に線接触の状
態にて軽く当接している。
【0023】図5に示された第三の実施例に於ては、内
側歯車部材26の外周面32及び外側歯車部材28の内
周面34はそれぞれ第二の実施例の外周面及び内周面と
同一の形態をなしているが、内側歯車部材の下面26A
及び外側歯車の上面28Bにはそれぞれ複数個のタブ4
8及び50が例えば溶接により固定されている。タブ4
8及び50はそれぞれ従動歯車の軸線の周りに等間隔に
て互いに隔置され径方向に延在している。またタブ48
及び50はそれぞれ先端にて外側歯車部材28の下面2
8A及び内側歯車部材26の上面26Bにそれらより極
く僅かに隔置された状態にて対向しており、これにより
従動歯車の軸線に沿う内側歯車部材及び外側歯車部材の
相対変位を規制する相対変位規制手段を郭定している。
【0024】図6に示された第四の実施例に於ては、内
側歯車部材26の外周面3は第二及び第三の実施例の
外周面と同一の形態をなしているが、外側歯車部材28
の内周面3は従動歯車の軸線に沿って延在する円筒面
と軸線に対し傾斜した円錐面とよりなっており、凸部4
6は円筒面と円錐面とが交差した部分に実質的に線接触
の状態にて軽く当接している。かくして凸部46及び内
周面3の円錐面は互いに共働して外側歯車部材28が
内側歯車26に対し軸線に沿って図にて下方へ相対変位
することを規制する相対変位規制手段を構成している。
【0025】図7は本発明による歯車の第五の実施例の
要部を一部破断して示す拡大部分縦断面図である。尚図
7に於て、図2及び図3に対応する部分にはこれらの図
に於て付された符号と同一の符号が付されている。
【0026】この第五の実施例に於ては、内側歯車部材
26の外周面32は従動歯車18の軸線に沿って延在し
径方向に互いに隔置された二つの円筒面と、軸線に垂直
に延在し二つの円筒面を接続する平面とよりなってい
る。同様に外側歯車部材28の内周面34は従動歯車の
軸線に沿って延在し径方向に互いに隔置された二つの円
筒面と、軸線に垂直に延在し二つの円筒面を接続する平
面とよりなっている。外周面32及び周面34の円筒
面及び平面は互いに隔置された状態にて対向している。
【0027】外周面32の下面26Aの側の円筒面には
径方向外方へ突出する凸部46と同様の円環状の凸部5
2が設けられており、外面32の平面には従動歯車の
軸線の周りに環状に延在し内面34の平面へ向けて突
出する円環状の凸部54が設けられている。凸部52及
び54はそれぞれ内面34の対応する円筒面及び平面
に実質的に線接触の状態にて軽く当接している。
【0028】図示の如く内側歯車部材26及び外側歯車
部材28の軸線方向に互いに重なり合う部分26C及び
28Cは凸部54と共働して外側歯車部材28が内側歯
車部材26に対し図にて下方へ相対変位することを規制
する相対変位規制手段を構成している。また部分26C
及び28Cはそれぞれ第一及び第二のキー溝としての複
数個の貫通孔56及び58が互いに軸線方向に整合して
設けられている。各組の貫通孔56及び58には実質的
に丸棒状のセラミックス製のキー42が焼嵌め又は樹脂
コーティングされた状態での圧入等により挿入され固定
されており、これによりキー42は部分26C及び28
Cと共働して内側歯車部材26及び外側歯車部材28を
一体的に連結するメカニカルヒューズ装置44を構成し
ている。
【0029】図示の各実施例に於て、パワーステアリン
グ装置が正常に作動しており、従動歯車18の内側歯車
部材26と外側歯車部材28との間に伝達されるトルク
が所定値未満であり、これにより内側歯車部材26及び
外側歯車部材28によりキー42に与えられる負荷が最
大許容負荷以下であるときには、キーは破断せず、これ
により内側歯車部材26及び外側歯車部材28は互いに
一体的に連結された状態に維持され、モータ20の駆動
力が駆動歯車22及び従動歯車18を経てステアリング
シャフト10へ確実に伝達される。
【0030】これに対しパワーステアリング装置にモー
タロックの如き異常が生じ、従動歯車18の内側歯車部
材26と外側歯車部材28との間に於ける伝達トルクが
所定値以上になり、キー42の負荷が設定破断負荷以上
になると、キーは内側歯車部材26と外側歯車部材28
との間に対応する位置にて破断し、これにより内側歯車
部材及び外側歯車部材の連結状態が解除され、二つの部
材は従動歯車の軸線の周りに自由に相対回転し得るよう
になり、これによりパワーステアリング装置はマニュア
ルステアリング装置に切換えられる。
【0031】この場合、キー42はセラミックスにて構
成されており、それに比較的高い負荷が繰返し作用して
も疲労による強度低下は極めて小さいので、キーに作用
する負荷が設定破断負荷を大幅に下まわる状況に於てキ
ーが破断することを確実に防止することができる。
【0032】また内側歯車部材26と外側歯車部材28
との間に伝達されるトルクはキー42により伝達される
荷重と二つの部材の間の摩擦力との和として伝達され
る。上述の第一の実施例に於ては、二つの部材は互いに
接触しておらず、また二乃至第五の実施例に於ては、
二つの部材は実質的に線接触の状態にて当接しており、
従って二つの部材が面接触している場合に比してこれら
の間の摩擦力の変動幅が小さいので、キー42が破断す
る際の二つの部材の間の伝達トルクが所定値より大幅に
ずれることを確実に防止することができる。
【0033】更に上述の第三乃至第五の実施例によれ
ば、内側歯車部材26及び外側歯車部材28の相対変位
を規制する相対変位規制手段が設けられているので、キ
ー42が破断しても、外側歯車部材28が内側歯車部材
26より脱落することを確実に防止することができる。
【0034】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0035】例えば上述の実施例に於てはキー42には
切欠き溝が設けられていないが、上述の各実施例に於て
内側歯車部材26の外周面32と外側歯車部材28の内
周面34との間の部分に対応してキー42に切欠き溝が
設けられてもよい。
【0036】また上述の実施例の歯車ははす歯歯車であ
るが、本発明の歯車は任意の外歯歯車であってよく、更
には内側歯車部材の内周面に複数個の歯が設けられた任
意の内歯歯車であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、キーは内側歯車部材及び
外側歯車部材と共働してそれらの連結状態を制御するメ
カニカルヒューズ装置を構成しており、キーは疲労によ
る強度低下が極めて小さいセラミックスにて構成されて
いるので、キーに比較的高い荷重が繰り返し作用する状
況にて歯車が長期間に亘り使用されても、キーはそれに
作用する荷重が設定荷重を大幅に下まわる状況に於ては
破断せず、また内側歯車部材及び外側歯車部材は互いに
面接触することなくキーにより一体的に連結されている
ので、二つの部材が面接触している場合に比してこれら
の部材の間の摩擦力の変動幅が小さく、キーが破断する
際の二つの部材間の伝達トルクが所定値より大幅にずれ
ることがなく、これによりキーは内側歯車部材と外側歯
車部材との間に作用する荷重が正確に設定荷重になった
段階に於て破断し、従ってメカニカルヒューズ装置を長
期間に亘り所期の設計通りに作動させることができる。
【0038】また請求項1の構成によれば、メカニカル
ヒューズ装置は互いに共働して一つの歯車を構成する内
側歯車部材及び外側歯車部材の連結部に設けられ、歯車
自体に内蔵されているので、歯車とシャフトの如き他の
部材との連結部にメカニカルヒューズ装置を組込む必要
性を排除することができ、また歯車と他の部材との連結
部にメカニカルヒューズ装置を組込む場合の如く歯車や
他の部材の寸法や形状を変更する必要性を排除すること
ができる。
【0039】また上述の請求項2の構成によれば、キー
に作用する荷重が設定荷重以上になることによってキー
が破断した場合にも、内側歯車部材及び外側歯車部材が
軸線に沿って互いに他に対し相対変位しないので、内側
歯車部材又は外側歯車部材が脱落してこれらの歯車部材
及び他の部材が損傷される虞れを確実に低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメカニカルヒューズ装置を備えた
歯車装置が適用された電動式パワーステアリング装置を
示す概略構成図である。
【図2】図1に示された従動歯車の第一の実施例の要部
を一部破断して示す拡大部分斜視図である。
【図3】図2に示された第一の実施例の要部を示す拡大
部分縦断面図である。
【図4】本発明による歯車の第二の実施例のキーが設け
られていない部分を一部破断して示す拡大部分斜視図で
ある。
【図5】本発明による歯車の第三の実施例のキーが設け
られていない部分を一部破断して示す拡大部分斜視図で
ある。
【図6】本発明による歯車の第四の実施例のキーが設け
られていない部分を一部破断して示す拡大部分斜視図で
ある。
【図7】本発明による歯車の第五の実施例の要部を示す
拡大部分縦断面図である。
【図8】セラミックスの疲労強度を金属の疲労強度と比
較して示すグラフである。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト 16…ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置 18…従動歯車 22…駆動歯車 26…内側歯車部材 28…外側歯車部材 36…窪み 40…キー溝 42…キー 48、50…タブ 56、58…貫通孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−69538(JP,A) 特開 平1−188727(JP,A) 特開 平2−309008(JP,A) 実開 昭57−169849(JP,U) 実開 昭63−33709(JP,U) 実開 昭63−68525(JP,U) 実開 平1−60027(JP,U) 実開 平3−103(JP,U) 実開 平3−7559(JP,U) 米国特許5873784(US,A) 西独国特許出願公開4437452(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 35/10,55/17 B62D 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸線に対し同心の外周面を有し第一のキー
    溝を有する内側歯車部材と、前記内側歯車部材に嵌合し
    軸線に対し同心の内周面にて前記外周面に対向し前記第
    一のキー溝に整合する第二のキー溝を有する外側歯車部
    材と、前記内側歯車部材の内周部及び前記外側歯車部材
    の外周部の少くとも一方に設けられ前記軸線の周りに配
    列された複数個の歯と、前記第一及び第二のキー溝に挿
    入され前記内側歯車部材及び前記外側歯車部材をトルク
    伝達可能に連結するキーとを有し、前記キーはセラミッ
    クスにて構成され、前記内側歯車部材及び前記外側歯車
    部材は互いに面接触することなく前記キーにより一体的
    に連結されており、前記キーは前記内側歯車部材と前記
    外側歯車部材との間に伝達される荷重が所定値以上にな
    ると破断して前記内側歯車部材及び前記外側歯車部材の
    連結状態を解除するよう構成された歯車。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された歯車に於て、前記軸
    線に沿う前記内側歯車部材及び前記外側歯車部材の相対
    変位を規制する相対変位規制手段を有していることを特
    徴とする歯車。
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