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JP3085330B2 - 写真感光材料用包装材料及び包装体 - Google Patents
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JP3085330B2 - 写真感光材料用包装材料及び包装体 - Google Patents

写真感光材料用包装材料及び包装体

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JP3085330B2
JP3085330B2 JP04217816A JP21781692A JP3085330B2 JP 3085330 B2 JP3085330 B2 JP 3085330B2 JP 04217816 A JP04217816 A JP 04217816A JP 21781692 A JP21781692 A JP 21781692A JP 3085330 B2 JP3085330 B2 JP 3085330B2
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film
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睦男 赤尾
誠 河村
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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料用包装フ
ィルム、写真感光材料用容器などの写真感光材料用包装
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、写真フィルムパトローネ用容
器、感光材料包装用X線不透過性材料、写真フィルム用
スプール、感光材料包装用フィルムなどの写真感光材料
用包装材料は、各種熱可塑性樹脂組成物で形成されてい
る。ところで、これらの写真感光材料用包装材料は写真
感光材料と直接又は他のものを介して間接的に接するも
のであるので、使用する熱可塑性樹脂組成物は写真感光
材料に悪影響を与えるものであってはならない。
【0003】従来、写真感光材料用包装材料に使用する
熱可塑性樹脂組成物としては、予め写真感光材料に悪影
響を与えるか否かの試験(先発試験)を行い、その試験
で写真感光材料に悪影響を与えないことが確認されたも
ののみ使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来
は、写真感光材料に悪影響を与えるか否の先発試験を行
わなければならなかったので、その先発試験に費用がか
かり、また、その作業も面倒であった。さらに、使用で
きる熱可塑性樹脂組成物が限定され、特別注文の特別使
用の高価な樹脂を使用しなければならなかった。さら
に、また地域によりその樹脂を生産できない場合があ
り、そのような場合は生産出来る地域から送らなければ
ならなかった。
【0005】本発明は以上の問題点を解決し、写真感光
材料に悪影響を与えない熱可塑性樹脂組成物を先発試験
をすることなく選択でき、かつ、広範囲の熱可塑性樹脂
組成物を使用できる写真感光材料用包装材料を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究し、写真感光材料に悪影響を
与える原因を見出し本発明を完成させた。すなわち、写
真感光材料に悪影響を与えるのは、熱可塑性樹脂が熱や
酸素によって酸化分解してブツ(異物状の固り)やアル
デヒドやケトンや酸等が発生し、写真感光材料にカブリ
や感度異常を発生させるためである。また、カーボンブ
ラックや酸化チタンやクレー等にはシアン化合物やアル
デヒドや硫黄等、写真感光材料にカブリや感度異常を与
える物質が不純物として含まれていることが発明した。
さらに、また熱可塑性樹脂の重合触媒や変性時に添加さ
れるハロゲン化合物や過酸化物等が残渣として熱可塑性
樹脂中に残存して写真感光材料に悪影響を与えるためで
ある。
【0007】すなわち、本発明の写真感光材料用包装材
料は、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす熱可塑性
樹脂の重合触媒や、樹脂変性時に添加されるハロゲン化
合物や過酸化物の残渣を含み、かつ、0.0005〜4
重量%の融点が100℃以上のヒンダードフェノール系
酸化防止剤、0.001〜10重量%の脂肪酸金属塩、
0.01〜30重量%のファーネスカーボンブラック、
及び脂肪酸アミド系滑剤又は常温における粘度が100
0〜100,000センチストークスのシリコン系滑剤
を含む熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴として構
成されている。
【0008】本発明における悪影響物質としては、重金
属イオン、還元剤(各種酸化防止剤、亜硫酸イオンのご
ときもの)、シアン化合物、アミン化合物、不安定な
(遊離しやすい)硫黄を有する化合物(架橋剤等)、ハ
ロゲン化合物、メルカプタン類、アンモニア化合物、硫
化水素、ポリアルキレンオキサイド、アルデヒド、ケト
ン、ヒドロキシアルデヒド、ジアルデヒド、不飽和アル
デヒド、ハロゲン化アルデヒド、シクロヘキサジエン、
各種ジケトン、α−ケトアルデヒド、ハロゲン化ケト
ン、ヒドロキシケトン、ホルマリンとアミンとの反応生
成物(テトラメチレンヘキサミン等)、カルボン酸(エ
チレンジアミン四酢酸等)、フェノール、脂肪族アミ
ン、放射性塵埃、蛍光物質、水銀、水銀化合物(還元剤
で容易に水銀蒸気を発生、数ppmでもカブリ大で問
題)、メチルジクロロシラン等で合成されたシリコーン
(還元性の強い水素化シリコーンを有するもの)、鉄粉
等である。これらは、写真感光材料に対し特に増減感作
用、カブリ増加作用等を示す。
【0009】本発明では、以上のような悪影響物質が含
まれている場合であっても、酸化防止剤、脂肪酸金属
塩、キレート物質および吸着物質の一つ以上を含ませる
ことにより、写真感光材料の写真性に悪影響を与えない
ようにしたものである。
【0010】酸化防止剤の代表例を以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤 ビタミンE、ビタミンEカルボン酸エステル、6−t−
ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6−ジ−t
−ブチル−Pクレゾール、2・2'−メチレンビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4'
−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、4・4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレ
ゾール)、4・4−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキ
サン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
n−オクタデシル−3−(3'・5'−ジ−t−ブチル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2'−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェニール)、4・4'−ブチリデンビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3
・5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3・5
トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブ
チル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
〔メチレン−3(3'・5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等 (ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等 (ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N'−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3'−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等 (ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等 (ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト等 (ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等 (ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等 (チ) ビンダードフェノール系酸化防止剤 1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テ
トラキス〔メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)〕メタン、オクタデ
シル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナメート、2,2',2,−トリス〔(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕エチルイソシアヌレート、1,3,5−トリス
(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ−メ
チルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジ
亜リン酸エステル、4,4'−チオビス−(6−tert−ブ
チル−O−クレゾール)、2,2'−チオビス−(6−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス−(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)
ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス−
(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブ
チリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール、4−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ−tert−ブ
チルフェノール、2,6−ジ−tert−4−n−ブチルフ
ェノールなどがあげられる。
【0011】ブリードアウトや熱分解が少なく、写真感
光材料に対する悪影響が少ない点等から融点が100℃以
上、特に120℃以上のものが好ましい。
【0012】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER BHT(住友)、
IRGANOX 1076(チバガイギー)、MARK AO-50(アデカ・
アーガス)、SUMILIZER BP-76(住友)、TOMINOX SS(吉
富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、NONOX WSP(IC
I)、SANTONOX(Monsanto)、SUMILIZER WX R(住友)、
ANTAGEGRYSTAL(川口)、IRGANOX 1035(チバガイギ
ー)、ANTAGE W-400(川口)、NOCLIZER NS-6(大内新
興)、IRGANOX 1425 WL(チバガイギー)、MARK AO-80
(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA-80(住友)、TOPA
NOL CA(ICI)、MARK AO-30(アデカ・アーガス)、
MARK AO-20(アデカ・アーガス)、IRGANOX3114(チバ
ガイギー)、MARK AO-330(アデカ・アーガス)、IRGANO
X 1330(チバガイギー)、CYANOX 1790(ACC)、IRGA
NOX 1010(チバガイギー)、MARK AO-60(アデカ・アー
ガス)、SUMILIZER BP-101(住友)、TOMINOX TT(吉
富)等 (2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168(チバガイギー)、MA
RK 2112(アデカ・アーガス)、WESTON 618(ボルグワー
ナー)、MARK PEP-8(アデカ・アーガス)、ULTRANOX 6
26(ボルグ・ワーナー)、MARK PEP-24G(アデカ・アー
ガス)、MARK PEP-36(アデカ・アーガス)、HGA(三
光)等 (3) チオエーテル系酸化防止剤;DLTDP "YOSHITOMI"(吉
富)、SUMILIZER TPL(住友)、ANTIOX L(日油)、DMT
D"YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPM(住友)、ANTIOX
M(日油)、DSTP "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER TP
S(住友)、ANTIOX S(日油)、SEENOX 412S(シプロ)、
MARK AO-412S(アデカ・アーガス)、SUMILIZER TP-D
(住友)、MARK AO-23(アデカ・アーガス)、SANDSTAB
P-EPQ(サンド)、IRGAFOS P-BPQ FF(チバガイギ
ー)、IRGANOX 1222(チバガイギー)、MARK 329K(アデ
カ・アーガス)、WESTON 399(ボルグ・ワーナー)、MA
RK 260(アデカ・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アー
ガス)等 (4) 金属不活性化剤 NAUGARD XL-1(ユニロイヤル)、MARK CDA-1(アデカ・
アーガス)、MARK CDA-6(アデカ・アーガス)、LRGANO
X MD-1024(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等
【0013】特に好ましい酸化防止剤はヒンダードフェ
ノール系の酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイ
ギー社のイルガノックス各種と住友化学(株)のSumiliz
erBHT、Sumilizer BH−76、Sumilizer WX−
R、Sumilizer BP−101等である。また、2,6-ジ-ヒ
ブチル-p-クレゾール(BHT)、低揮発性の高分子量
フェノール型酸化防止剤(商品名:Ireganox 1010,I
reganox 1076,Topanol CA,Ionox 330等)、ジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピ
オネート、ジアルキルフォスフェート等の燐系酸化防止
剤の1種以上、特に2種以上を併用するのが効果的であ
る。
【0014】さらに、カーボンブラック等と併用すると
酸化防止が相乗的に効果を発揮する。フェノール系酸化
防止剤と燐系酸化防止剤とカーボンブラックを併用する
と、酸化防止効果が特に発揮されるので好ましい。その
他プラスチック データ ハンドブック(KK工業調査会
発行)の794〜799ページに開示された各種酸化防止剤や
プラスチック添加剤データー集〔KK化学工業社〕の32
7〜329ページに開示された各種酸化防止剤やプラスチッ
ク添加剤データー集(KK化学工業社)の327〜329ペー
ジに開示された各種酸化防止剤やPLASTICS AGE ENCYCLO
PEDIA進歩編 1986(KKプラスチック・エージ)の211〜
212ページに開示された各種酸化防止剤等を選択して用
いることが可能である。
【0015】以上のような酸化防止剤が写真感光材料に
悪影響を及ぼさないようにする機構について説明する。
酸化分解は、CH3の分岐の多いポリオレフィンほど多
い。それは酸素吸収量が多いからであり、従って酸化分
解は、(多い)ポリプロピレン樹脂>ホモポリエチレン
樹脂>エチレン・αオレフィン共重合体樹脂(少ない)
となる。
【0016】結晶性樹脂の代表的な熱可塑性樹脂である
各種ポリエチレン樹脂(エチレン・αオレフィン共重合
体樹脂も含む)や各種ポリプロピレン樹脂(プロピレン
・エチレンランダム共重合体樹脂も含む)等は炭化水素
であり、炭化水素の自動酸化は酸素の存在下で脱水して
一旦遊離基が生成すると、連鎖的に次にように進行する
と考えられている。
【0017】RH→R・ R・+O2→ROO・ ROO・+RH→ROOH+R・ ROOH→RO・+・OH RO・+RH→ROH+R・ ・OH+RH→HOH+R・ このようにして炭化水素の酸化が加速的にはやめられて
多量のアルコール、アルデヒド、酸などを生じ、さらに
これらが相互に反応して重合物を作る。
【0018】炭化水素の酸化を防止するには、上記連鎖
反応をたちきることが必要でそのために酸化防止剤が用
いられる。酸化防止剤には、連鎖伝播体である遊離基
(主としてROO・)と反応してこれを不活性化する遊
離基連鎖停止剤と遊離基の主要な発生源であるヒドロペ
ルオキシドROOHを分解してこれを安定化する過酸化
物分解剤とがある。
【0019】前者としては、フェノール系酸化防止剤と
芳香族アミン系酸化防止剤がある。後者としては、硫黄
系酸化防止剤とリン系酸化防止剤がある。この点からフ
ェノール系酸化防止剤と燐系酸化防止剤をミックスして
用いることが好ましい。
【0020】各種酸化防止剤は、写真感光材料に悪影響
を与える還元剤でもあるので種類、添加量は慎重に検討
しないと写真感光材料の品質劣化が大きく問題になる。
【0021】酸化防止剤の熱可塑性樹脂における添加量
は、酸化防止剤の種類によって異なるが一般に樹脂組成
物中に重量%で0.0005〜0.4重量%の範囲が好ましく、
0.001〜0.3重量%の範囲がより好ましく、0.005〜0.2重
量%の範囲が最も好ましい。酸化防止剤の添加量が5pp
m未満であっても、また0.4重量%を超過してもダイリッ
プ汚れが発生し易くなり、0.4重量%を超過した場合
は、その他、写真感光材料にカブリ、感度異常、諧調異
常等の写真性能異常等も起こる。
【0022】樹脂組成物中に酸化防止剤を含有せしめる
方法としては、使用するポリオレフィン樹脂中に予め酸
化防止剤を含有せしめた所謂コンパウンドを使用しても
よいし、あるいは比較的高濃度に酸化防止剤が配合され
ている樹脂を適量使用してもよいし、あるいは混練機に
て樹脂組成物を製造する際に酸化防止剤を加えてもよ
い。更に使用する酸化防止剤の種類及び含有量によって
は、上記の方法を適宜組合せてもよい。
【0023】脂肪酸金属塩としては、炭素数が8以上の
脂肪酸、好ましくは炭素数が10以上の脂肪酸、特に好ま
しくは炭素数が12以上の脂肪酸、具体的にはラウリン
酸、ステアリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイ
ン酸、パルミチン酸、エルカ酸、ベヘニン酸等の脂肪酸
に金属、具体的にはアルカリ金属、アルカリ土類金属等
のLi、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb
等を化合させたものである。具体的にはステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイ
ン酸カルシウム等が挙げられる。
【0024】脂肪酸金属塩が写真感光材料の写真性悪影
響を及ぼさないようにするのは、熱可塑性樹脂組成物中
のハロゲン化合物と反応して写真感光材料に対して悪影
響を与えないハロゲン化金属となるためである。このた
めに、ハロゲン化合物より脂肪酸金属塩を多めに添加す
る必要がある。また、脂肪酸金属塩は遮光性物質(カー
ボンブラックや二酸化チタン、群青等)等の熱可塑性樹
脂組成物中への分散性を向上させ、ブツ(異物状の固
り)の発生を防止することにより、カブリ(遮光性物質
の濃薄によるカブリ濃度の変化、圧力カブリ等)の発生
を防止する働きをする。
【0025】脂肪酸金属塩の熱可塑性樹脂にける添加量
は、熱可塑性樹脂組成物中に0.001〜10重量%、好まし
くは0.005〜5重量%、特に好ましくは0.01〜3重量%
である。0.001重量%未満では添加効果が発揮されず、
混練経費増になるだけである。また、10重量%を越えて
も増量効果が発揮されず、コストアップになるだけでな
くブリードアウトが多くなる。
【0026】キレート物質としては、カルボン酸型フタ
ロシアニン系金属錯体(金属フタロシアニンテトラカル
ボン酸、金属フタロシアニンオクタカルボン酸等)、イ
ミノジ酢酸型キレート樹脂、アミノカルボン酸型キレー
ト樹脂(EDTA=エチレンジアミン四酢酸等)、ポリ
アミン型キレート樹脂、グルカミン型キレート樹脂、担
持型キレート樹脂、4−ジメチルアミノ−2・6−ピリ
ジンジカルボン酸キレート樹脂等がある。キレート物質
が写真感光材料の写真性悪影響を及ぼさないようにする
のは、写真性に悪影響を及ぼす重金属イオン発生物質、
水銀、鉄粉等と反応し、安定物質化するためと思われ
る。
【0027】キレート物質の熱可塑性樹脂にける添加量
は、0.01〜5.0重量%、好ましくは0.03〜3.0重量%、特
に好ましくは0.05〜2.0重量%である。0.01未満では、
添加効果が発揮されず、混練経費増になるだけである。
また、5.0重量%を越えても増量効果が発揮されず、コ
ストアップになるだけである。
【0028】吸着物質としては、各種カーボンブラッ
ク、スチレン・ジビニルベンゼン樹脂、有機カルボン
酸、有機カルボン酸と亜鉛化合物との混合物、有機カル
ボン酸と亜鉛化合物とアルミニウム化合物との混合物、
酸性白土、活性炭、炭酸亜鉛、合成ゼオライト、クエン
酸酸化鉄、脂肪族ポリカルボン酸、酸化亜鉛、硫酸第1
鉄、炭酸亜鉛、硫酸アルミニウム、酸化カルシウム、亜
鉛化合物と脂肪族ポリカルボン酸混合物、ケイソウ土、
第1鉄塩とL−アスコルビン酸混合物、第1鉄塩とオキ
シカルボン酸化合物との混合物、メタアクリル酸エステ
ル樹脂、比表面積500m2/g以上の多孔質物質、多孔質
シリカ、多孔質アルミナ、シリカゲル等がある。市販品
としては、大日精化(株)の「ダイムシュー」がある。
【0029】吸着物質が写真感光材料の写真性悪影響を
及ぼさないようにするのは、写真性に悪影響を及ぼすメ
ルカプタン、アセトアルデヒド、アンモニア化合物、硫
化水素、アミン等を多孔質物質の孔に吸着したり、化学
反応により吸着したりして安定物質化するためと思われ
る。
【0030】吸着物質の熱可塑性樹脂における添加量
は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜35重量%、特に好
ましくは1.0〜25重量%である。0.1重量%未満では、添
加効果が発揮されず、混練経費増になるだけである。ま
た、50重量%を越えても増量効果が発揮されず、コスト
アップになるだけである。
【0031】本発明の樹脂組成物のマトリックス樹脂で
ある熱可塑性樹脂としては、易廃棄処理樹脂を使用する
ことが出来る、すなわち、廃棄物として埋立て処理する
場合を考えると、現在、研究が進められている、または
一部市場に導入されているような分解性プラスチックを
利用してよい。例えば、生分解性を有するポリマーとし
てICI社製の「BIOPOL」、UCC社製の「ポリ
カプロラクトン」等を利用するとか、あるいは生分解を
受けやすい天然、あるいは合成高分子を添加剤として配
合することによって間接的に崩壊させるポリマー、また
はデンプン配合ポリマー等を利用することもできる。
【0032】また、光分解性のポリマーを利用すること
も可能である。例えば、ポリエチレン重合時に主鎖に光
増感基としてカルボニル基を導入したエチレンと一酸化
炭素との共重合によるECOコポリマーを利用すると
か、あるいは添加剤として遷移金属塩、酸化促進剤、光
増感材等をベースポリマーに加え、光分解性を付与した
ものを利用することができる。さらにまた生分解性を有
するポリマー、光分解性ポリマー、水に可溶なポリマー
等の分解性ポリマーの1種以上を併用して用いてもよ
い。
【0033】本発明に使用する熱可塑性樹は、寸法精
度、遮光性、耐熱性、耐摩耗性、衝撃強度等を必要とす
るパトローネ本体、レンズ付フィルムユニット及びスプ
ール等用の材料として、大量製造適性、価格等の点で好
適である。具体的には、パトローネ本体、レンズ付フィ
ルムユニットおよびスプール等熱可塑性用樹脂として
は、遮光性物質(例えばカーボンブラック等の黒色顔料
又は黒色染料、金属粉末、アルミニウムペースト等)を
含むポリスチレン樹脂(ゴム入ハイインパクトポリスチ
レン樹脂も含む)、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂
(高密度ポリエチレン樹脂、エチレン・αオレフィン共
重合体樹脂、高分子量ポリエチレン樹脂、ホモポリプロ
ピレン樹脂、プロピレン・αオレフィンランダム共重合
体樹脂、プロピレン・αオレフィンブロック共重合体樹
脂等)等の熱可塑性樹脂が射出成形が可能であり、安価
なので好ましい。ポリカーボネート樹脂は高価であるが
物理強度が大きく、耐熱性を有するので好ましい。
【0034】特に、ハイインパクトポリスチレン樹脂と
各種ポリプロピレン樹脂(ホモポリプロピレン樹脂、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン
・エチレンブロック共重合体樹脂)、各種熱可塑性エラ
ストマー及び又はエチレン共重合体樹脂及び又は合成ゴ
ムの2種以上のブレンド樹脂を主成分とする単独又は2
種以上の混合樹脂に上記遮光性物質を少なくとも含む熱
可塑性樹脂が好ましい。特願平3−176164号明細書のよ
うに、2つの軸から成るスプールを構成する2つの軸の
樹脂は同一でも異なっていてもよい。特に、スプール用
樹脂としては耐摩耗性、耐熱性、物理強度が優れている
ので密度が0.93g/cm3以上のホモポリエチレン樹脂、超
高分子量ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、エチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂、プロピレン・αオレ
フィン共重合体樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹
脂及びポリアミド樹脂またはこれらの2種以上の混合樹
脂が好ましい。
【0035】以上パトローネ本体、スプール用樹脂の組
成として好ましいものについて記載したが、本発明は射
出成形が可能な熱可塑性樹脂であれば、特に限定される
ものではなく、あらゆる樹脂を用いることができる。ま
た、各種機能付与、成形性改良、樹脂劣化防止等の目的
で各種の添加物を加えることもできる。
【0036】熱可塑性樹脂組成物において、耐熱性向
上、耐摩耗性向上、滑性向上等の目的で、結晶性熱可塑
性樹脂を50重量%以上、特に70重量%以上含有するのが
好ましい。上記結晶性熱可塑性樹脂としては具体的に
は、各種密度(低・中・高密度)のホモポリエチレン樹
脂、エチレン・αオレフィン共重合体樹脂、超高分子量
ポリエチレン樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレ
ン・αオレフィン共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
アセタール樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂等が挙げら
れる。また、寸法精度向上、熱容量を小さくして溶融エ
ネルギーが少なくすむようにする、ブツ(異物状の固
り)の発生防止、成形サイクル短縮等の目的では、非結
晶性熱可塑性樹脂を50重量%以上、特に70重量%以上含
有するのが好ましい。なお、上記非結晶性熱可塑性樹脂
とは、結晶性熱可塑性樹脂以外の全ての熱可塑性樹脂組
成物を云う。具体的代表例としては、ポリスチレン樹
脂、アタクチックポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸
メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ハイ
インパクトポリスチレン樹脂がある。
【0037】本発明の熱可塑性樹脂組成物には遮光性物
質を添加することができる。この遮光性物質を添加する
ことにより、遮光性を確保でき、熱可塑性樹脂の酸化分
解防止、着色故障の防止(熱により着色した場合でも着
色により見えにくくする)等ができる。
【0038】遮光性物質の例を以下に示す。 (1) 酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維等 (2) 水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 (3) 炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 (4) (亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 (5) ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 (6) 炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 (7) その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等
【0039】なお、特に写真用フィルムに悪影響を与え
ることが少なく、遮光能力が大きく、安価である点で各
種カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの原
料による分類例をあげるとガスブラック、ファーネスブ
ラック、チャンネルブラック、アントラセンブラック、
アセチレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、サ
ーマルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマ
ルブラック、ベジタブルブラック等がある。市販品とし
ては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#20(B),
#30(B), #33(B), #40(B), #44(B), #45(B), #5
0,#55,#100,#600, #2200(B), #2400(B), MA
8,MA11,MA100等が挙げられる。
【0040】海外の製品としては例えばキャボット社の
Black Pearls 2,46,70,71,74,80,81,607等、
Regal 300,330, 400, 660, 991,SRF−S等、Vul
can3,6等、Sterling 10, SO,V,S,FT−F
F,MT−FF等が挙げられる。さらにアシュランドケ
ミカル社のUnited R,BB,15,102, 3001, 3004,30
06, 3007, 3008, 3009, 3011, 3012, XC−3016,XC
−3017,3020等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0041】遮光性、コスト、物性向上の目的ではファ
ーネスカーボンブラックが好ましく、高価であるが帯電
防止効果を有する遮光性物質としてはアセチレンカーボ
ンブラック、変性副生カーボンブラックであるケッチェ
ンカーボンブラックが好ましい。必要により前者と後者
を必要特性に従ってミックスすることも好ましい。遮光
性物質をポリエチレン系ポリマーに配合する形態は種々
あるが、マスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止
等の点で好ましい。
【0042】〔特に好ましいカーボンブラックについ
て〕遮光物質の中で遮光能力が大きく、安価な各種カー
ボンブラックとしてはpHが4.0〜9.0、好ましくは6.0〜
8.0であり、平均粒子径が10〜120mμ、好ましくは15〜
60mμ、揮発成分が3.0%以下、好ましくは1.0%以下、
特に好ましくは0.8%以下であり、吸油量が50ml/100g
以上、好ましくは60ml/100g以上、特に好ましくは70ml
/100g以上であるものが、写真感光材料に“カブリ”や
“感度異常”等の写真性を悪化させず、フィルム成形時
に発泡や銀条等の故障を発生させず、分散性が良好でミ
クログリッド(凝集不純物)等の発生が少ないので好ま
しい。
【0043】上記カーボンブラック中には遊離硫黄分は
0.6%以下、好ましくは0.3%以下、特に好ましくは0.1
%以下であり、シアン化合物は0.01%以下、好ましくは
0.005%以下、特に好ましくは0.001%以下であり、アル
デヒド化合物は0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特
に好ましくは0.01%以下に抑えないと写真性に悪影響を
及ぼすので注意が必要である。しかし、本発明において
は、そのような厳選を行なう必要がなく、写真性に何等
の悪影響を及ぼすものではない。
【0044】遮光性物質の添加量は、好ましくは0.01〜
30重量%、より好ましくは0.05〜20重量%、最も好まし
くは0.1〜10重量%である。遮光性物質は、分散性向
上、樹脂流動性向上、写真感光材料に写真カブリや圧力
カブリ、擦り傷等を発生させるブツ(異物状の固り)の
発生防止等のために、その表面を表面被覆物質で被覆す
ることができる。
【0045】表面被覆物質の代表例を以下に示す。 (1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭62
−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカ沈着させ、つづいてアルミナを沈着被覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オキ
シ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム水
溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径0.1〜2.5μ
mの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリーにケイ酸
アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表面にケイ酸バ
リウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加え、上記
ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バリウム表
面に沈着させ被覆 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリウ
ム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸化物の1種
又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタン、アルミ
ニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の酸
化物の1種及び2種以上)のみからなる組成物で表面被
覆 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−ヒ
ドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される1
種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9) セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びアル
ミナで表面被覆 (10)置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有するア
ルコキシチタン誘導体で表面被覆 (11)ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12)ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表面
被覆 (13)リン酸エステル化合物で表面被覆 (14)2〜4価アルコールで表面被覆 (15)オレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス)で表面被覆 (16)含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17)シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、酸
化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛
等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被覆 (18)ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆、等。
【0046】表面被覆量は、遮光性物質に対して好まし
くは0.001〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重量
%、最も好ましくは0.05〜1.5重量%である。
【0047】本発明の熱可塑性樹脂組成物には滑剤を添
加することできる。滑剤を添加することにより、押出適
性・射出成形性の改良、滑性向上、写真フィルム給送ト
ルク低減および静電気防止等の添加効果を有する。
【0048】市販の代表的滑剤名と製造メーカー名を以
下に記載する。 (1) シリコーン系滑剤;各種グレードのジメチルポリシ
ロキサン及びその変性物(信越シリコーン、東レシリコ
ーン)等 (2) オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ラ
イオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュー
トロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、
アルフロE−10(日本油脂)、ダイヤミッドO−200(日
本化成)、ダイヤミッドG−200(日本化成)等 (3) エルカ酸アミド系滑剤;アルフロ−P−10(日本油
脂)等 (4) ステアリン酸アミド系滑剤;アルフロ−S−10(日
本油脂)、ニュートロン2(日本精化)、ダイヤミッド
200ビス(日本化成)等 (5) ビス脂肪酸アミド系滑剤;ビスアマイド(日本化
成)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)、アーモワッ
クスEBS(ライオン・アクゾ)等 (6) アルキルアミン系滑剤;エレクトロストリッパ−TS
−2(花王石鹸)等 (7) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パラフィ
ン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化炭化水素、
フルオロカルボン等 (8) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上が好まし
い)、オキシ脂肪酸等 (9) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステ
ル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグ
リコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル等 (10)アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコー
ル、ポリグリセロール等 (11)金属石けん;ラウリン酸、ステアリン酸、リシノー
ル酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、
Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金
属との化合物等
【0049】〔シリコン系滑剤〕脂肪酸アミド系滑剤の
次に好ましい滑剤としてシリコン系滑剤がある。このシ
リコン系滑剤は高価であるが、完全遮光性を必須とする
写真感光材料用包光袋のヒートシール層に添加する滑剤
としては下記の理由で最適である。特に、滑剤のように
ヒートシール性を悪化させる対策として、エチレン共重
合体樹脂を5重量%以上(好ましくは20重量%、特に好
ましくは50重量%(エチレン共重合体樹脂の中でも安価
で夾雑物シール性、ホットタック性、ヒートシール強
度、物理強度の優れたエチレン・αオレフィン共重合体
樹脂が最も好ましい。))添加したヒートシール層や遮光
袋の内外表面に設ける熱可塑性樹脂フィルム層に下記の
シリコン系滑剤を添加すると従来の写真感光材料用包装
材料にない優れた特性を発揮する。
【0050】シリコン系滑剤について以下に詳述する。
各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物
(信越シリコーン、東レシリコーン)及びポリメチルフ
ェニルシロキサン、オレフィン変性シロキサン、ポリエ
チレングルコールやポリプロピレングリコールで変性し
たポリエーテル変性シリコン、オレフィン/ポリエーテ
ル変性シリコン、エポキシ変性シリコン、アミノ変性シ
リコン、アミド変性シリコン、アルコール変性シリコン
等変性されたシロキサン結合を含有したシリコン系オイ
ルである。該シリコン系オイル中、特にオレフィン変性
シリコン、アミド変性シリコン、ポリエーテル変性シリ
コン、炭素原子数が好ましくは1〜4のポリジアルキル
シロキサン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコン等
が優れている。特に、写真感光材料用包装材料が単層又
は多層フィルムの場合、該シリコン系オイルは加熱状態
でのフィルムの摩擦係数を改良し、自動包装機による熱
板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺の発生を防
止することにより、美しい外観と高度な密封性と被包装
体にたるみない密着性とを有する性能を保持したフィル
ムを得る基礎をつくることが出来る。又、摺動による光
沢の低下を防止して、美しいシール部を得ることが出来
る。シリコン系オイルを併用した場合の本発明では摺動
ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を0.4以下にす
ることが出来る。
【0051】シリコン系滑剤の常温における粘度は1000
〜100,000センチストークスの範囲が好ましく、更に好
ましくは5,000〜30,000センチストークスの高粘度のも
のがよい。添加量は種類、使用目的により異なるが0.01
〜5.0重量%である。好ましくは0.03〜3.0重量%、特に
好ましくは0.05〜1.5重量%である。
【0052】シリコン系滑剤は単独で用いても2種類以
上で用いても他の滑剤や可塑剤と併用してもよい。特
に、上記シリコン系滑剤と前記(2)〜(5)の各種脂肪酸ア
ミド系滑剤との併用が好ましい。
【0053】シリコン系オイル添加の効果は、以下の通
りである。 樹脂の流動性を向上し、スクリューのモーター負荷を
小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを添加
しなくても滑性を十分確保できる。 加熱状態でのフィルムの摩擦保数を小さくし、自動製
袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動によ
る光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることがで
きる。 遮光性物質と併用すると遮光能力を向上でき、物性を
低下させる遮光性物質の添加量を減量しても遮光性を確
保できる。
【0054】〔金属石鹸〕熱可塑性樹脂、例えばエチレ
ン−αオレフィン共重合体樹脂は通常、重合触媒として
ハロゲン化アルミニウム等のハロゲン化合物が使用され
る。これら重合触媒の残渣の形で、または添加剤中の不
純物として含まれるハロゲン化合物は、写真性に悪影響
を及ぼしカブリが発生したり、感度や諧調に異常を及ぼ
すことが判明した。
【0055】しかしラウリン酸、ステアリン酸、リシノ
ール酸、ナフテン酸、オレイン酸、エルカ酸、パルミチ
ン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸とLi、Mg、Ca、S
r、Ba、Zn、Cd、Sn、Pb等の金属との化合物である
高級脂肪酸金属塩(金属石けん)、特にステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ムを好ましくは0.001〜10.0重量%、より好ましくは0.0
05〜5.0重量%、最も好ましくは0.01〜3.0重量%添加す
ると写真性が良化し、カブリがほとんど発生しなくなる
ことが判明した。例えば、カーボンブラック3重量%と
ステアリン酸亜鉛を1.5重量%添加したL−LDPE樹
脂フィルムとカラー印画紙とを50℃、80%RH5日間接
触させた後、現像処理した時のカブリ濃度が0.12→0.02
に減少するという予想外の効果が発揮されることが判明
した。さらに、遮光性物質として安価で遮光能力が大き
いが凝集してブツの発生が大きい欠点を有するカーボン
ブラックの分散性も良化し、ブツ(異物状の固り)の発
生が1/10以下に減少するという予想外の効果が同時に発
揮されることが判明した。
【0056】滑剤の熱可塑性樹脂組成物における添加量
は、ブリードアウトしやすく滑性効果の大きい脂肪酸ア
ミド系滑剤の場合は、0.01〜1.0重量%添加するのが好
ましい。また、前記炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、エ
ステル系滑剤およびアルコール系滑剤の添加量は、好ま
しくは0.01〜10.0重量%、より好ましくは0.05〜6.0重
量%、最も好ましくは0.1〜3.0重量%である。
【0057】本発明の熱可塑性樹脂組成物に防滴物質を
添加することができる。防滴物質を添加することによ
り、包装材料に水滴が付着するのを防止したり、透明な
包装材料(例えば、透明な写真フィルムパトローネ用容
器やレンズ付フィルムのピローフィルム包装やシュリン
クフィルム包装)の透明性を確保し、包装材料内の写真
感光材料を包装材料の外側からでも美しい状態で観察で
きるようにできる。
【0058】防滴物質の代表例を以下に示す。ジグリセ
リンモノステアリン酸エステル、ポリグリセリンモノパ
ルミチン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステ
ル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタン
モノオレイン酸エステル、ソルビタンモノエルカ酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリ
セライド、オレイン酸モノグリセライド、ラウリン酸モ
ノグリセライド、ポリオキシエチレンノニルフェノール
エーテル、ソルビタンセスキパルミテート、ジグリセリ
ンセスキオレエート、ソルビトール脂肪酸エステル、ソ
ルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂
肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸
エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソル
ビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビ
タンパルミテート・プロピオレンオキサイド3モル付加
物、ソルビタンパルミテート・プロピオレンオキサイド
2モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビトー
ルステアレート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジ
グリセリンパルミテート、グリセリンパルミテート、グ
リセリンパルミテート・エチレンオキサイド2モル付加
物等。
【0059】防滴物質の熱可塑性樹脂組成物における添
加量は、0.01〜3.0重量%が好ましい。特に、0.05〜2.0
重量%が好ましく、0.1〜1.5重量%がより好ましく、0.
15〜1.0重量%が最も好ましい。添加量が0.01重量%未
満であれば、防曇効果がほとんど発揮されず、混練経費
増になるだけである。さらに、滑剤や酸化防止剤等のブ
リードアウトしやすい添加剤が白色粉末状に析出するの
をおさえる効果が発揮されない。また、添加量が3.0重
量%を越えると、防曇効果は充分発揮されるが増量した
効果はほとんどなくなり、コストアップになるだけであ
る。問題なのは容器表面がベトツキ、ほこりや塵が付着
しやすくなり、写真フィルムに付着した場合は現像速度
ムラを発生させる。
【0060】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、静電気
による故障を防止するために界面活性剤を添加してよ
い。界面活性剤の代表例としては、非イオン界面活性剤
(代表的成分ポリオキシエチレングリコール類)、アニ
オン界面活性剤(代表的成分ポリオキシエチレングリコ
ール類)、陽イオン界面活性剤(代表的成分第4級アン
モニウム塩)、両面界面活性剤、アルキルアミン導電
体、脂肪酸誘導体、各種滑剤、カーボンブラック、グラ
ファイト、金属表面被覆顔料、金属粉末、金属フレー
ク、炭素繊維、金属繊維、ウィスカー(チタン酸カリウ
ム、窒素アルミナ、アルミナ)がある。
【0061】前記非イオン界面活性剤の代表例として
は、例えばポリエチレングリコール樹脂酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン樹脂酸エステル、ポリオキ
シエチレン樹脂酸アルコールエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレング
リセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ペンタエ
リスリット、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミノ
又は脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキ
ルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナ
フトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコール
の部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、
その他特公昭63−26697号公報120頁記載の各種非イオン
帯電防止剤等がある。
【0062】前記アニオン界面活性剤の代表例として
は、例えばリシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種
脂肪酸金属塩、リシノレイン酸エステル硫酸エステルソ
ーダ塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィン
の硫酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステル
ソーダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスル
フォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタ
レンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、コハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル
塩等がある。
【0063】前記陽イオン界面活性剤の代表例として
は、例えば第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級ア
ンモニウム塩、ピリジン誘導体等がある。前記両面界面
活性剤の代表例としては、カルボン酸誘導体、イミダゾ
リン誘導体、ペタイン誘導体等がある。界面活性剤の熱
可塑性樹脂組成物における添加量は、0.01〜3.0重量%
が好ましい。
【0064】本発明の熱可塑性樹脂組成物には造核剤を
添加することができる。特に前記結晶性熱可塑性樹脂が
添加効果が大きい。造核剤を添加することにより、結晶
化速度向上、成形サイクル短縮、剛性向上、透明度向上
及び変形防止、物理強度向上等を達成できる。
【0065】造核剤としては、有機造核剤と無機造核剤
がある。これらの代表例を以下に示す。有機造核剤は、
カルボン酸、ジカルボン酸、これらの塩及び無水物、芳
香族スルホン酸の塩及びエステル、芳香族ホスフィン
酸、芳香族ホスホン酸、芳香族カルボン酸、そのアルミ
ニウム塩、芳香族リン酸金属塩、炭素数8〜30のアルキ
ルアルコール、多価アルコールとアルデヒドの縮合物な
らびにアルキルアミンなどであり、例えばp−t−ブチ
ル安息香酸アルミニウム、1,3・2,4−ジベンジリデ
ンソルビトール、次式で表されるジ置換ベンジリデンソ
ルビトール化合物
【0066】
【化1】
【0067】(式中、R1及びR2は炭素数1〜8のアル
キル、アルコキシ又はハロゲンであり、m及びnはいず
れも0〜3であって、かつm+n≧1である。)、ステ
アリル乳酸のカルシウム、マグネシウム等の金属塩、N
−(2−ヒドロキシエチル)−ステアリルアミン等の次
式で表される化合物
【0068】
【化2】
【0069】(式中、R3は炭素数が8〜30のアルキル
基であり、k及びlはいずれも0〜10であって、k+l
≧1である。)、1,2−ヒドロキシステアリン酸のリ
チウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、
マグネシウム塩等の金属塩、ステアリルアルコール、ラ
ウリルアルコール等のアルキルアルコール、安息香酸ソ
ーダ、安息香酸、セパチン酸などを含む。
【0070】無機造核剤は、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物、炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の
アルカリ土類金属水酸化物、炭酸カルシウム、酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属酸化物などである。
【0071】造核剤は、これらに限定されるものではな
く、その他の公知の造核剤を用いることもできる。ま
た、造核剤は単独の場合に限らず、二種以上を併用する
こともできることはいうまでもない。
【0072】写真感光材料に悪影響を与えず、造核剤と
して添加効果の大きい有機造核剤として特に好ましい例
を以下に記載する。1・3,2・4−ジ(メチルベンジ
リデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(エチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(P−
エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−
ジ(プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2
・4−ジ(メトキシベンジリデン)ソルビトール、1・
3,2・4−ジ(エトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1・3,2・4−ジ(P−メチルベンジリデン)ソ
ルビトール、1・3,2・4−ジ(P−クロルベンジリ
デン)ソルビトール、1・3−P−メチルベンジリデン
−2・4−P−クロルベンジリデンソルビトール、1・
3,2・4−ジ(P−メトキシベンジリデン)ソルビト
ール、1・3−P−メチルベンジリデン−2・4−P−
エチルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジ
(アルキルベンジリデン)ソルビトール、1・3−P−
クロルベンジリデン−2・4−P−メチルベンジリデン
ソルビトール、1・3,2・4−ビス(メチルベンジリ
デン)ソルビトール、アルミニウムベンゾエート等。特
に、ジベンジリデンソルビトール化合物が好ましい。
【0073】有機造核剤は、単独で用いても無機造核剤
との併用、有機造核剤の2種以上を併用することもでき
る。また、有機造核剤の表面を各種の脂肪酸、脂肪酸化
合物、カップリング剤、界面活性剤等で被覆することが
できる。特に、ジ−置換ベンジリデンソルビトール誘導
体の固体粉末の表面を炭素数12〜35の高級脂肪酸で被覆
した組成物が好ましい。
【0074】造核剤の熱可塑性樹脂組成物における添加
量は、0.01〜2.0重量%が好ましく、0.05〜1.5重量%が
より好ましく、0.1〜1.0重量%が最も好ましい。添加量
が0.01重量%未満ではほとんど効果を発揮せずブレンド
経費がかかるだけであり、2.0重量%を越えても増量効
果がなくコストアップになるだけであり、かつ造核剤の
種類によっては写真フィルムに悪影響を与えたり、金型
に付着したり、ブリードアウトしたり、落下強度を大巾
に低下させたりするので好ましくない。
【0075】造核剤をブレンドする方法としては、コン
パウンド方式やドライブレンド方式やマスターバッチ方
式等があるが、マスターバッチ方式が好ましい。カサが
高く、飛散しやすいのでそのまま配合することは困難で
あり、少量の分散剤が湿潤剤を入れて配合すると良い。
分散剤として効果があるものとしては無水カルボン酸、
高級脂肪酸等があり、オレイン酸アミド等の滑剤は特に
好ましい。湿潤剤としてはDOP、DHP等の可塑剤が
使用できる。
【0076】また高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金
属塩等の脂肪酸や脂肪酸化合物の純品や遮光性物質の表
面被覆物質を有機造核剤の表面にコーティングしたり、
ブレンドして分散効果を高め、ブリードを防ぐことも好
ましい。すなわち、これらの添加剤を添加することによ
り、剛性が大きくなり摩耗による白粉の発生を減少させ
るとともに、有機造核剤の結晶化またはブリードアウト
による白粉の発生を減少させる。さらに、有機造核剤の
悪臭を防止でき、かつ金型からの離形性、静電気の発生
防止及びブロッキング防止性を向上させることができ
る。
【0077】その他の添加剤として、導電性物質を添加
してもよい。導電性物質としては、例えば、非イオン界
面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、アル
キルアミン誘導体、導電性カーボンブラック、金属表面
被覆顔料、金属粉末、炭素繊維、金属繊維等が挙げられ
る。添加量は、界面活性剤の場合は0.01〜5重量%、そ
の他の導電性物質の場合は0.05〜20重量%が好ましい。
【0078】また、その他の添加剤とその代表例を以下
に記載するが、本発明はこれに限定されるものではな
く、公知のあらゆるものの中から選択することができ
る。 (1) 可塑剤;フタル酸エステル、グリコールエステル、
脂肪酸エステル、リン酸エステル等 (2) 安定剤;鉛系、カドミウム系、亜鉛系、アルカリ土
類金属系、有機スズ系等 (3) 難燃剤;燐酸エステル、ハロゲン化燐酸エステル、
ハロゲン化物、無機物、含燐ポリオール等 (4) 充填剤;アルミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシ
ウム、マイカ、タルク、酸化チタン、シリカ等 (5) 補強剤;ガラスロービング、金属繊維、ガラス繊
維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維等 (6) 発泡剤;無機発泡剤(炭酸アンモニア、重炭酸ソー
ダ)、有機発泡剤(ニトロソ系、アゾ系)等 (7) 加硫剤;加硫促進剤、促進助剤等 (8) 劣化防止剤;紫外線吸収剤、金属不活性化剤、過酸
化物分解剤等 (9) カップリング剤;シラン系、チタネート系、クロム
系、アルミニウム系等 (10)各種の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(エチ
レンプロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジェンタ
ーポリマー等)、各種合成ゴム等
【0079】上記熱可塑性樹脂組成物の調製法として
は、マスターバッチ方式が好ましい。すなわち、上記酸
化防止剤、脂肪酸金属塩、キレート物質、吸着物質、遮
光性物質、滑剤、界面活性剤、防滴物質、造核剤の一つ
以上の配合剤を高濃度に熱可塑性樹脂、パラフィンワッ
クス、可塑剤の一つ以上と混合混練しマスターバッチを
あらかじめ調製し、その後、希釈熱可塑性樹脂で1/2
以下の濃度に希釈されて目的濃度含有量として、熱可塑
性樹脂が調製される。上記マスターバッチの配合剤濃度
は、例えば目的濃度の2〜50倍、好ましくは4〜25倍で
ある。
【0080】上記のようなマスターバッチ方式を採用す
ることにより、コストダウンや目的濃度が異なる熱可塑
性樹脂組成物を配合割合の変更だけで自由に製造できる
等の利点がある。
【0081】本発明の写真感光材料用包装材料の適用で
きる例を以下に示す。 支持体への熱可塑性樹脂単層エクストルージョンラミ
ネート(溶融塗布)構造の写真感光材料用包装材料。 支持体への熱可塑性樹脂共押出しエクストルージョン
ラミネート(溶融塗布)構造の写真感光材料用包装材
料。 単層の熱可塑性樹脂フィルム(フィルム成形品)構造
の写真感光材料用包装材料。 多層(複数層)の熱可塑性樹脂共押出しフィルム(フ
ィルム成形品)構造の写真感光材料用包装材料。 フレキシブルシートと及び/又はの接着剤層等を
介して積層した積層フィルム構造の写真感光材料用包装
材料。 射出成形品(密封容器、写真フィルム用パトローネ、
カートリッジ、マガジン、スプール、巻芯、パック、バ
ネ、レンズ付フィルム等)。 シート成形品及びシート成形品を用いた真空成形品、
組み立て容器(当ボール、セパレータ、遮光部材、衝撃
シート)。 ブロー成形品(現像、定着薬品用密封容器、マガジン
等)。
【0082】上記本発明の写真感光材料用包装材料のう
ち、二つ以上の部材から構成されるもの、具体的には、
樹脂成形のプラスチックパトローネとスプール、写真フ
ィルム用容器(容器本体と蓋)、レンズ付フィルムの樹
脂成形品、インスタントフィルムユニットの樹脂成形品
等は、構成部材のうち二つ以上が実質的に同一の樹脂組
成物から成ることが、リサイクル適性、樹脂や添加剤の
準備保管量の減量等の観点から好ましい。
【0083】本発明の写真感光材料用包装材料の成形法
としては、例えばT形ダイスフィルム成形、インフレー
ションフィルム成形、単層押出しフィルム成形、多層共
押出しフィルム成形、T形ダイスシート成形、射出成
形、ブロー成形、真空成形等が挙げられる。
【0084】
【作用】本発明の写真観光材料用包装材料では、写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす物質が含まれていて
も、酸化防止剤、脂肪酸金属塩、キレート物質又は写真
性に悪影響を及ぼす物質を吸着する物質が、写真感光材
料へ悪影響を及ぼさないようにする。
【0085】
【実施例】本発明の写真感光材料用包装材料の実施例を
図面に基づいて説明する。図1から図4までは、それぞ
れ写真感光材料用包装材料の実施例を示す図である。
【0086】図1に示す写真感光材料用包装材料は遮光
袋で、この遮光袋1は、本発明の熱可塑性樹脂組成物で
インフレーションフィルム成形により形成された遮光性
インフレーションフィルムの一方の開口部をヒートシー
ルにより密封して袋状に形成されたものである。
【0087】図2に示す写真感光材料用包装材料は写真
フィルム用スプールで、この写真フィルム用スプール2
は本発明の熱可塑性樹脂組成物を用い射出成形で形成さ
れている。
【0088】図3に示す写真感光材料用包装材料は写真
フィルムパトローネ用容器で、この写真フィルムパトロ
ーネ用容器3は蓋4と容器本体5とから成り、これら蓋
4及び容器本体5は本発明の熱可塑性樹脂組成物を用い
射出成形で形成されている。
【0089】図4に示す写真感光材料用包装材料は写真
フィルム用容器で、この写真フィルム用容器6は、蓋7
と容器本体8とが本発明の熱可塑性樹脂組成物で一体に
射出成形により形成されている。
【0090】次に、本発明の写真感光材料用包装材料を
用いた包装体の実施例を図面に基づいて説明する。図5
から図9までは、それぞれ本発明の写真感光材料包装体
の実施例を示す図である。
【0091】図5に示す包装体はレンズ付フィルムで、
このレンズ付フィルム9は、写真感光材料用包装材料と
してのフロントケース10及びバックケース11と写真フィ
ルム12とから成り、このケース10、11は本発明の熱可塑
性樹脂組成物を用い射出成形で形成されている。
【0092】図6に示す包装体は写真フィルムパトロー
ネで、この写真フィルムパトローネ13は、写真感光材料
用包装材料としての上ケース14及び下ケース15と、写真
感光材料用包装材料としてのスプール16と写真フィルム
17とから成り、これらのケース14、15及びスプール16は
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用い射出成形で形成され
ている。
【0093】図7に示す包装体はレンズ付フィルム包装
体で、このレンズ付フィルム包装体18は、包装袋19と前
記レンズ付フィルム9とから成り、包装袋19は本発明の
熱可塑性樹脂組成物を用い多層積層フィルムで形成され
ている。このレンズ付フィルム包装体19を製造するに
は、図8に示すように、レンズ付フィルム9を包装袋19
に収納し、その後包装袋19をヒートシールにより密封す
ることにより行う。
【0094】図9に示す包装体はパトローネ入35mm写真
フィルム集合包装体で、このパトローネ入35mm写真フィ
ルム集合包装体20は、基板21に写真感光材料用包装材料
としての透明プラスチックケース22が取付けられ、その
中にパトローネ入35mm写真フィルム23が収納されてい
る。
【0095】〔本発明品I〕写真感光材料用包装材料
は、図1に示す写真感光材料用遮光袋である。MIが2.
5g/10分、密度が0.921g/cm3、ビカット軟化点が110℃、
結晶化度(X線回折法)が56%、融点が120℃、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーを用いて算出した重
量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの値である分子量分
布が4.2のエチレン・1−オクテンランダム共重合体樹
脂(樹脂Aと表示)60重量%、MIが1.1g/10分、密度
が0.950g/cm3、ビカット軟化点が115℃、結晶化度が86
%のホモポリエチレン樹脂(樹脂Bと表示)10重量%、
MIが2.4g/10分、密度が0.926g/cm3、ビカット軟化点
が101℃、結晶化度(X線回折法)が62%のホモポリエ
チレン樹脂(樹脂Cと表示)25.17重量%、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤であるテトラキス〔メチレン−
3(3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン0.03重量%、ステアリン酸
亜鉛1重量%、粘度1万センチストークスのジメチルポ
リシロキサン0.3重量%で表面処理された平均粒子径が2
5mμのファーネスカーボンブラック40重量%を樹脂C
に高濃度に混練分散させたカーボンブラックマスターバ
ッチを7.5重量%(樹脂組成物中のカーボンブラック濃
度は40×0.075=3重量%)、1・3,2・4(メチル
ベンジリデン)ソルビトール有機造核剤0.2重量%、防
滴剤としてソルビタンモノステアリン酸エステル0.3重
量%からなるポリオレフィン系樹脂組成物を用いて厚さ
70μmの遮光性インフレーションフィルムを作成した。
そして、この円筒状遮光性インフレーションフィルムの
底部を幅7mmでヒートシール法により密封して写真感光
材料用遮光袋を作成した。
【0096】〔本発明品II〜III〕写真感光材料用包装
材料は、図1に示す写真感光材料用遮光袋である。本発
明品Iのヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量を
0.03→0.005重量%(本発明品II)、0.03→0.10重量%
(本発明品III)とし、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤の増減量はエチレン・1−オクテンランダム共重合
体樹脂により調整した他は本発明品Iと同一の写真感光
材料用遮光袋を作成した。
【0097】〔比較品I〜II〕写真感光材料用包装材料
は、図1に示す写真感光材料用遮光袋である。上記樹脂
A(比較品I)92.5重量%と樹脂C4.5重量%と上記フ
ァーネスカーボンブラック3重量%とからなるエチレン
・1−オクテンランダム共重合体樹脂組成物を用いて厚
さ70μmの遮光性インフレーションフィルムを作成し
た。また、樹脂C(比較品II)が97重量%と上記ファー
ネスカーボンブラック3重量%とからなる低密度ホモポ
リエチレン樹脂組成物を用いて厚さ70μmの遮光性イン
フレーションフィルムを作成した。この円筒状の遮光性
インフレーションフィルムの底部を幅7mmでヒートシー
ル法により密封して写真感光材料用遮光袋を作成した。
【0098】〔比較品III〜IX〕写真感光材料用包装材
料は、図1に示す写真感光材料用遮光袋である。本発明
品Iのヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量を0
重量%(比較品III)、0.5重量%(比較品IV)、酸化防
止剤として硫黄系酸化防止剤のジラウリルチオジプロピ
オネート0.10重量%(比較品V)及び本発明品Iのステ
アリン酸亜鉛を1重量%→0重量%に変更(比較品VI)
したもの、本発明品Iのファーネスカーボンブラックを
ジメチルポリシロキサンで表面処理しないマスターバッ
チを使用(比較品VII)したもの、表面被覆ジメチルポ
リシロキサンは0.3→0重量%としたファーネスカーボ
ンブラックを粉末(ドライ)状態で混合したもの(比較
品(VIII)、本発明品Iの樹脂A、B、Cとカーボンマ
スターバッチのみを使用したもの(比較品IX)からなる
樹脂組成物を用いて厚さ70μmの遮光性インフレーショ
ンフィルムを作成した。但し、上記添加量の増減の調整
は樹脂Aの増減により調整し、樹脂組成物全体を100重
量%になるようにした。この円筒状の遮光性インフレー
ションフィルムの底部を幅7mmでヒートシール法により
密封して写真感光材料用遮光袋を作成した。なお、各遮
光性インフレーションフィルムは、リングダイのリップ
クリアランスが1.0mm、直径100mmのリングダイを用いブ
ロー比1.4で単層インフレーションフィルム成形機を用
いて成形した。
【0099】上記本発明品I〜III、比較品I〜IXの写
真感光材料用包装材料について各種特性を比較した試験
結果を表1、2に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】評価は下記による。 ◎……非常に優れている ○……優れている ●……可(実用限度内) ▲……問題あり、改良必要 ×……実用不可
【0103】〔試験方法〕 *1;ブロッキング防止性 インフレーションフィルムを成形巻き取り、使用目的寸
法に切断後底部をヒートシール密封した遮光袋の口開き
しやすさより判定 *2;写真性 インフレーションフィルムから作成した遮光袋にカラー
印画紙を密封後50℃dryの条件に1週間放置後、現像処
理して測定したカブリ増加、感度変化を15℃に保存して
おいたカラー印画紙の現像処理した測定値との差から判
定 *3;リングダイリップの汚れ防止性 各遮光性インフレーションフィルムを成形時にリングダ
イリップの遮光性インフレーションフィルムの外表面に
接触するリップに発生している汚れより判定 *4;ブツの発生防止性 各遮光性インフレーションフィルムのブツ発生度合をフ
ィルムの外観目視検査により判定 *5;メルトフラクチャー防止性 各遮光性インフレーションフィルムのメルトフラクチャ
ー(サメ肌)発生度合をフィルムの外観目視検査により
判定 *6;フィルム表面の外観 各遮光性インフレーションフィルムの平面性、筋、ブ
ツ、光沢ムラ等を総合してフィルムの外観目視検査によ
り判定 *7;写真感光材料出し入れ適性 各遮光性インフレーションフィルムから製袋した遮光袋
に当ボール紙に挟持したカラー印画紙を出し入れした時
の作業のしやすさより判定 *8;防滴性 各遮光性インフレーションフィルムから製袋した遮光袋
に当ボール紙に挟持したカラー印画紙を10℃の低温条件
で3ヵ月保管後、25℃の室温で取り扱う時に遮光袋の内
外表面に発生する水滴により判断 *9;帯電防止性 各遮光性インフレーションフィルムから製袋した遮光袋
に当ボール紙に挟持したカラー印画紙を20℃、30%RH
の暗室内で出し入れした時に発生する火花及び手に感じ
る静電気のショックの度合より判定
【0104】〔本発明品A〕写真感光材料用包装材料
は、図2に示す写真フィルム用スプールである。ポリス
チレン樹脂組成物中に合成ゴム2.0重量%、粘度1万セ
ンチストークスのポリジメチルシロキサン1.0重量%、
酸化ケイ素1.0重量%、0.5重量%のステアリン酸マグネ
シウムで表面被覆したファーネスカーボンブラック濃度
5重量%のカーボンマスターバッチポリスチレン樹脂10
重量%(樹脂組成物中でのカーボンブラック濃度は0.5
重量%)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である1
・3・5−トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−
ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.05重量
%、EDTAキレート剤0.1重量%を含有するプラスチ
ック射出成形品の写真フィルム用スプールである。
【0105】本発明品Aはステアリン酸マグネシウムで
表面処理したファーネスカーボンブラックを用いたマス
ターバッチを用い、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウム
を用いているので、ハロゲン化合物や遊離イオウやシア
ン等が多少含まれていても写真性に悪影響を与えないよ
うにでき、さらに銀条や発泡が発生しにくくしている。
【0106】〔本発明品B〕写真感光材料用包装材料
は、図2に示す写真フィルム用スプールである。MIが
25g/10分、密度が0.956g/cm3、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを用いて算出した重量平均分子量Mw
/数平均分子量Mnの値である分子量分布が4.6、曲げ剛
性が12000g/cm2のエチレン・1−ブテンランダム共重合
体樹脂組成物中に無機造核剤の炭酸カルシウム2重量%
と遮光性物質のファーネスカーボンブラック0.5重量
%、ステアリン酸マグネシウム0.5重量%とオレイン酸
アミド0.05重量%で表面被覆して分散させ、酸化防止剤
としてビタミンEカルボン酸エステルを0.10重量%含有
するプラスチック射出成形品の写真フィルム用スプール
である。
【0107】結晶性樹脂は成形収縮率が大きく、寸法精
度が劣ると一般に考えられているが、エチレン・1−ブ
テンランダム共重合体樹脂で高MI、高密度、分子量分
布が4.6の樹脂を用い、滑性向上物質でファーネスカー
ボンブラックの表面被覆を行っているので射出成形性が
優れ、寸法精度も優れ、非結晶性樹脂のポリスチレン樹
脂に用いていた金型を用いても実用化できる上に、耐熱
性や耐摩耗性、アイゾット衝撃強度、滑性がポリスチレ
ン樹脂より1ランク優れており、写真フィルム用スプー
ルとして最適のものであった。硫黄架橋合成ゴムも未使
用なのでカブリや感度異常の発生も少なく、写真性も優
れている。
【0108】〔比較品A〜F〕写真感光材料用包装材料
は、図2に示す写真フィルム用スプールである。本発明
品Aとは、合成ゴムを2.0→5.0重量%(比較品A)にし
たもの、ポリジメチルシロキサンの粘度が1万→500セ
ンチストークス(比較品B)にしたもの、ステアリン酸
マグネシウムで表面処理しないファーネスカーボンブラ
ックを使用(比較品C)したもの、チャンネルカーボン
ブラックを用いた(比較品D)もの、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤を0.05重量%→0重量%にしたもの
(比較品E)、ポリスチレン樹脂99.5重量%とファーネ
スカーボンブラック0.5重量%(比較品F)からのみな
る写真フィルム用スプールを作成した。
【0109】上記本発明品A〜B、比較品A〜Fの写真
フィルム用スプールについて各種特性を比較した試験結
果を表3、4に示す。なお、評価は表1、2と同一であ
る。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】〔試験方法〕 *a;写真性 JIS 135型のISO感度400の36枚撮り35mmネガカラ
ー写真フィルムを各写真フィルム用スプールに巻きつけ
たものを写真フィルム引出口に遮光テレンプを設けた金
属製の写真フィルム用パトローネに光密に包装したもの
をプラスチック製写真フィルム用容器に密封後、1年後
に現像処理し、当初の写真性(カブリ、感度、諧調、色
バランス)との差の度合を測定し判定。差が小さいもの
ほど良好である *b;ブツ発生防止性 住友ネスタール(商品名)成形機(型締圧150t)、セ
ミホットランナータイプの金型(24ヶ撮り)を用いて射
出成形した各写真フィルム用スプールのブツ発生度合を
外観目視検査により判定 *c;金型表面の汚れ防止性 上記*b条件で5000ショット射出成形後の金型表面の汚
れ度合を外観目視検査により判定 *d;写真フィルム巻き上げトルク *aと同様にして作成した写真フィルム用スプールに巻
きつけたISO400の36枚撮り35mmネガ写真フィルムを
写真フィルム用パトローネに光密したものを用い、電子
工業社製TDM−35型トルクメータで写真フィルム引出
時の負荷テンションを測定し判定 *e;遮光性 各写真フィルム用スプールを用いたJIS 135型写真フ
ィルムパトローネ入のISO感度が400のネガカラー写
真フィルムを用い、8万ルックスの太陽光下に3時間曝
光後現像処理し、太陽光下に曝光しないものとの光カブ
リ発生度合により判定 *f;射出成形性 *bの射出成形機、セミホットランナータイプの金型を
用いて各5000ショット射出成形した写真フィルム用スプ
ールの成形故障を全数目視検査した時の不良率の発生度
合及び成形サイクルより判定 *g;アイゾット衝撃強度 JIS K 7110(23℃)に準ずる測定結果より判定
【0113】〔本発明品1〕写真感光材料用包装材料
は、図5に示すレンズ付フィルムと図7に示すレンズ付
フィルムの包装袋である。レンズ付フィルムの熱可塑性
樹脂製フロントケース、熱可塑性樹脂製バックケース及
び写真フィルムパトローネ内の写真フィルム用スプール
共に同一ポリスチレン樹脂組成物からなる射出成形品
で、ポリスチレン樹脂組成物中にはブタジエンゴムが2.
5重量%、粘度1.3万センチストークスのポリジメチルシ
ロキサン1.5重量%、1重量%のステアリン酸亜鉛で表
面被覆された平均粒子径が20mμ、吸油量が123g/100
g、揮発成分が0.8%(うち写真感光材料の写真性に特
に悪影響を及ぼす遊離硫黄が0.1%以下、ホルマリン化
合物が0.05%以下、シアン化合物が0.01%以下)のファ
ーネスカーボンブラック0.6重量%、ビタミンEカルボ
ン酸エステルが0.1重量%が含まれた耐衝撃強度、耐摩
耗性、遮光性、滑性の優れた写真感光材料用包装材料で
ある。
【0114】この写真フィルム用スプールには、ISO
感度400の36枚撮り35mmネガカラー写真フィルムを巻き
つけたものを写真フィルム引出口に遮光テレンプを設け
た金属製の写真フィルム用パトローネで光密に包装し、
さらに図5のようにフロントケース10及びバックケース
11からなる撮影用ケースに組み立てたこのレンズ付フィ
ルムを厚さ12μmの内側に印刷した二軸延伸ポリエステ
ル樹脂フィルム/厚さ15μmのLDPE樹脂接着層/厚
さ400Åのアルミニウム真空蒸着膜を、厚さ15μmの二
軸延伸ナイロン樹脂フィルムに施したアルミニウム真空
蒸着二軸延伸ナイロン樹脂フィルム/厚さ35μmのエチ
レン・ブテン−1共重合体樹脂50重量%とLDPE樹脂
40重量%と変性樹脂10重量%を混合溶融押出し塗布した
ヒートシール層からなる積層フィルムを用いた図7に示
す吊り下げ展示用の三角形の穴を有する防湿、ガスバリ
ヤ性包装袋で密封包装した。そして、15℃の家庭用冷蔵
庫に1年間保管後の特性を冷蔵庫保管前の特性と比較し
た。結果は、カブリは従来品が0.02→0.07であったもの
が本発明品1では0.01→0.03と少なく、問題ないもので
あっただけでなく、スプールもケースも滑性があり、写
真フィルムの巻き上げトルクが小さく、写真フィルムの
巻き上げ、巻もどし途中で写真フィルムが切断したり、
巻上げや巻きもどしができなくなることが皆無となっ
た。
【0115】また、レンズ付フィルムの熱可塑性樹脂製
フロントケースとバックケース及び写真用スプールの三
つ共に同一ポリスチレン樹脂組成物から成るものなの
で、使用後回収して再生(リサイクル)可能であり、然
も再生使用しても写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼ
す物質が少ないものを使用しているので写真性に悪影響
を及ぼすこともなかった。また、ポリジメチルポリシロ
キサン、ステアリン酸亜鉛で表面被覆された特殊特性の
ファーネスカーボンブラックを使用し、さらにビタミン
Eカルボン酸エステル酸化防止剤を使用しているので樹
脂の酸化分解がほとんどなく、カーボンブラックの分散
性が優れており、遮光能力が大きく、ブツの発生が少な
く、射出圧力を低下させることができ、成形サイクルを
短縮でき、耐摩耗性、衝撃強度を向上させることができ
る。特に、ジメチルポリシロキサンはポリスチレン樹脂
を白濁させ、架橋を推進する結果、遮光性、耐摩耗性、
衝撃強度を大幅に向上させ、滑性向上効果が大きく、射
出圧力を低下させる効果が大きいものであった。ビタミ
ンEカルボン酸エステルは黄色の着色によりポリスチレ
ン樹脂を不透明にするので遮光性が向上でき、写真感光
材料や人体に悪影響を与えることが小さく、酸化防止効
果が大きく、ブツの発生を減少させると共に再生利用適
性を向上させるものであった。
【0116】〔本発明品2〕写真感光材料用包装材料
は、実施例1の図5のレンズ付フィルムの中の写真フィ
ルムパトローネを図6のプラスチック製写真フィルムパ
トローネに変更したレンズ付フィルムである。レンズ付
フィルムの熱可塑性樹脂製フロントケースとバックケー
ス及びこのレンズ付フィルムケース内の写真フィルムパ
トローネの熱可塑性樹脂製パトローネ本体下ケースと上
ケース及びこのプラスチック製写真フィルムパトローネ
内の写真フィルム用スプールの4つとも同一のポリスチ
レン樹脂組成物を用い、内容は実施例1のポリスチレン
樹脂組成物と同一である。このレンズ付フィルムを実施
例1と同一の包装袋に密封包装して15℃の家庭用冷蔵庫
に1年間保管後、実施例1と同一の特性比較を行った。
【0117】この結果、各種特性は実施例1と同様、従
来品に比較しすぐれていた。特に、写真フィルムの巻き
上げトルクは実施例1よりさらに小さくなり、写真フィ
ルムの巻きもどしも実施例1よりさらに良好であった。
さらに、写真フィルム用パトローネも同一ポリスチレン
樹脂組成物としたので再生利用(リサイクル)適性も優
れており、且つ再生利用した時の射出成形性、物理強度
等の低下も小さく産業廃棄物の発生がない公害防止の点
からも優れたものであった。
【0118】〔本発明品3〕図6のプラスチック製写真
フィルムパトローネと図9の写真フィルム集合包装体の
プラスチック製写真フィルムパトローネ及び写真フィル
ム用スプールは同一のポリスチレン樹脂組成物であり、
実施例1のポリスチレン樹脂組成物と同一である。
【0119】このポリスチレン樹脂組成物を用いて図6
に相当する黒色ポリスチレン樹脂製写真フィルムパトロ
ーネに黒色ポリスチレン樹脂製の写真フィルム用スプー
ルに撮影用35mmネガ写真フィルムを巻きつけたものを入
れ、超音波溶接をして光密包装体とした。このものは、
写真フィルムの巻き上げトルクが従来の金属製パトロー
ネやプラスチック製パトローネの半分以下と小さく、ま
た写真フィルム先端送り出しトルクも同様に小さく優れ
たものであり、撮影途中の写真フィルムの巻き上げ、送
り出し不良が皆無となっただけでなく耐摩耗性、加工適
性(搬送性等)、射出成形性(射出圧力が小さく、成形
サイクルが短縮でき、ショートショットや銀条等の成形
故障が大幅に減少)等の優れたカーボンブラックの均一
分散性の優れたものであった。
【0120】この黒色ポリスチレン樹脂製パトローネ包
装体を図9のようにステアリン酸マグネシウム1wt%、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05wt%、有機造核
剤0.2wt%、脂肪酸アミド0.1wt%を含むMIが30g/10
分、曲げ弾性率が7500g/cm2のプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体樹脂からなる身蓋一体の角型透明容器に
密封包装後、印刷ラベルを貼り、シュリンクフィルムで
2本カーテッド型式の集合包装体とした。このものは、
店頭に6ヵ月吊り下げ穴で吊り下げ展示をした後も、店
頭展示前の写真フィルムの品質を略維持しており撮影可
能であった。然も従来のように化粧箱を必要とせず、使
用適性を維持したまま産業廃棄物を減少するとともに、
コストダウンが出来る優れた包装体であった。
【0121】
【発明の効果】本発明は、従来写真感光材料へ悪影響を
及ぼすために使用できなかった熱可塑性樹脂及び/又は
添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を写真感光材料に悪影
響を及ぼすことがないようにすることにより、熱可塑性
樹脂の選択の幅が広がり、安価でかつ世界中のどの地域
においても生産できる熱可塑性樹脂組成物を写真感光材
料用包装材料に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真感光材料用包装材料の一実施例の
遮光袋の斜視図。
【図2】本発明の写真感光材料用包装材料の他の実施例
の写真用スプールの正面図。
【図3】本発明の写真感光材料用包装材料の他の実施例
の写真フィルムパトローネ用容器の断面図。
【図4】本発明の写真感光材料用包装材料の他の実施例
の写真フィルム用容器の断面図。
【図5】本発明の写真感光材料用包装体の一実施例のレ
ンズ付フィルムの分解斜視図。
【図6】本発明の写真感光材料用包装体の他の実施例の
プラスチック製写真フィルムパトローネの分解斜視図。
【図7】本発明の写真感光材料用包装体の他の実施例の
レンズ付フィルム包装体の斜視図。
【図8】図7に示す写真感光材料用包装体のレンズ付フ
ィルム包装体の分解斜視図。
【図9】本発明の写真感光材料用包装体の他の実施例の
パトローネ入35mm写真フィルム集合包装体の斜視図。
【符号の説明】
1…遮光袋 2…写真フィルム用スプール 3…写真フィルムパトローネ用容器 6…写真フィルム用容器 9…レンズ付フィルム 13…写真フィルムパトローネ 18…レンズ付フィルム包装体 20…写真フィルム集合包装体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−289548(JP,A) 特開 昭64−77532(JP,A) 特開 平1−260438(JP,A) 実開 平2−1748(JP,U) 特表 平3−505263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 3/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
    熱可塑性樹脂の重合触媒や、樹脂変性時に添加されるハ
    ロゲン化合物や過酸化物の残渣を含み、かつ、0.00
    05〜4重量%の融点が100℃以上のヒンダードフェ
    ノール系酸化防止剤、0.001〜10重量%の脂肪酸
    金属塩、0.01〜30重量%のファーネスカーボンブ
    ラック、及び脂肪酸アミド系滑剤又は常温における粘度
    が1000〜100,000センチストークスのシリコ
    ン系滑剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴
    とする写真感光材料用包装材料
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂組成物に、ジベンジリ
    デンソルビトール化合物の固体粉末の表面を炭素数12
    〜35の高級脂肪酸で被覆した有機造核剤が0.01〜
    2重量%含まれている請求項1に記載の写真感光材料用
    包装材料
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂組成物に、キレート物
    質が0.01〜5.0重量%含まれている請求項1に記
    載の写真感光材料用包装材料
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂組成物に、防滴剤が
    0.01〜3重量%含まれている請求項1、2又は3に
    記載の写真感光材料用包装材料
  5. 【請求項5】 前記融点が100℃以上のヒンダード
    ェノール系酸化防止剤がビタミンE及び/又はビタミン
    Eカルボン酸エステルである請求項1に記載の写真感光
    材料用包装材料
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂組成物に、炭酸カルシ
    ウム又は酸化ケイ素が含まれている請求項1に記載の写
    真感光材料用包装材料
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