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JP3093403B2 - 高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの製法 - Google Patents
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JP3093403B2 - 高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの製法 - Google Patents

高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの製法

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JP3093403B2
JP3093403B2 JP03349225A JP34922591A JP3093403B2 JP 3093403 B2 JP3093403 B2 JP 3093403B2 JP 03349225 A JP03349225 A JP 03349225A JP 34922591 A JP34922591 A JP 34922591A JP 3093403 B2 JP3093403 B2 JP 3093403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水剤や艶出し剤とし
ての優れた用途を有する高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪
族アルキルエステルの製法、換言すれば含フッ素脂肪族
アルコールと高級飽和脂肪酸とをエステル化反応させる
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキ
ルエステルは自動車塗装面の艶出し剤或は紙や繊維類の
撥水剤などとして有用であるが、従来では高級飽和脂肪
酸と含フッ素脂肪族アルコールを高温反応させエステル
化することにより製造されていた。この場合、反応率が
低いという問題、含フッ素脂肪族アルコールが生成した
水と共に系外に逃げやすく高価な含フッ素脂肪族アルコ
ールを過剰に使用しなければならないという問題、酸や
アルカリ触媒を使用してもなお反応率が低くかつ触媒の
除去が煩わしいという問題、反応率が低いので再結晶等
により精製しなければ純度が上がらないため、工程が多
くて価格が高くなりかつ高温反応用生産設備を要すると
いう問題等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点の多い従来の高温反応による製造方法に代る効率の
高い製法を開発することを目的としてなされたものであ
り、エステル化の触媒としてリパーゼを用いることによ
って、高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステ
ルを低温で効率的に製造する方法を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、リパーゼを用いて、高級飽和脂肪酸と含フッ素脂
肪族アルコールのエステル化反応について種々検討した
ところ、下記の知見を得たのである。 80℃以下で
も反応の進行は可能である。 減圧下であれば反応は
ほぼ完結し、精製の手間は不要である。 触媒の除去
は簡単であり、残存しても弊害はない。
【0005】この知見に基づいて、炭素数の多い高級飽
和脂肪酸と特定された含フッ素脂肪族アルコールとを、
特定された反応条件下にてリパーゼを触媒として用いて
エステル化反応させると、極めて効率的に反応して有用
な高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの
製法となることを見い出したのである。
【0006】すなわち本発明は、炭素数18以上の高級
飽和脂肪酸の1種または2種以上と、下記の化1の一般
式にて示される含フッ素脂肪族アルコールから選ばれる
1種または2種以上とを、リパーゼの1種または2種以
上を触媒として用いて反応温度80℃以下、1〜600
mmHgの減圧下の条件でエステル化反応させることを特
徴とする高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエス
テルの製法、を要旨とするものである。
【0007】
【化1】(但し、上記一般式中のRf は炭素数2〜12
のパーフルオロアルキル基を表わし、nは1〜5の整数
を示す。)
【0008】つまり本発明は、炭素数18以上の高級飽
和脂肪酸から選ばれた1種又は2種以上と、炭素数2〜
12のパーフルオロアルキル基を有しかつ水酸基に隣接
する1〜5個のメチレン基を有する含フッ素脂肪族アル
コールより選ばれた1種又は2種以上を、リパーゼから
選ばれた1種または2種以上を触媒として用いて、比較
的低温で減圧下にエステル化反応させることを特徴とす
る高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの
製法である。
【0009】本発明に用いられる炭素数18以上の高級
飽和脂肪酸は、動植物油より得られる油脂の加水分解生
成物、合成脂肪酸、或はこれら脂肪酸の中でも不飽和脂
肪酸における2重結合への水素添加などの反応により誘
導された脂肪酸を意味し、例えばステアリン酸、ベヘン
酸、モンタン酸、メリシン酸、水添牛脂脂肪酸、水添大
豆油脂肪酸などが挙げられる。
【0010】本発明において高級飽和脂肪酸に限定した
理由は、不飽和脂肪酸を出発原料とすれば、艶出し性、
撥水性に劣り、エステル化反応物の用途があまりないた
めであり、その炭素数を18以上に限定した理由も、炭
素数18未満ではエステル化反応物の用途があまりな
く、工業的かつ経済的価値に劣るからである。
【0011】次に、本発明に用いる含フッ素脂肪族アル
コールは前記した化1の一般式にて示される化合物であ
るが、このパーフルオロアルキル基の炭素数が2未満で
は得られた生成物の撥水性が劣りこのエステル化反応物
の用途があまりなく、一方、この炭素数が12をこえる
原料は入手しにくくなると同時に炭素数12で充分な撥
水性が得られこれ以上の長鎖のものは不要となるのであ
る。したがって、このパーフルオロアルキル基の炭素数
を2〜12と限定したのである。
【0012】また、この含フッ素脂肪族アルコールにお
けるメチレン基の数(n)を1〜5と限定した理由は、
nが0ではエステル化反応が起こりにくく、一方nが5
より大きくなると通常の加熱によるエステル化反応によ
っても目的物が得られ、本発明のような高価な酵素触媒
は不要となるのである。
【0013】この含フッ素脂肪族アルコールの例として
は、ヘプタデシルフルオロオクチルエタノール、ペンタ
デシルフルオロヘプチルエタノール、ウンデシルフルオ
ロペンチルエタノールなどが挙げられる。
【0014】本発明において使用される酵素触媒、すな
わちリパーゼとしては、例えばカルボキシルエステラー
ゼ、アリルエステラーゼ、アシルグリセロールリパー
ゼ、コレステロールリパーゼ、リポプロティンリパーゼ
など、或はこれらの固定化したもの等が挙げられる。
【0015】このリパーゼの添加量は、特に限定する必
要はないが、反応物全量(溶剤を用いた場合はこの溶剤
量も含む)に対して1〜30重量%が好ましく、あまり
少ない添加量(1%未満)では反応は充分に進行しない
し、またこの酵素を多く(30%以上)用いてもその効
果は一定以上には向上せず高価なこの種の酵素を過剰に
使用するのは不経済となるのである。なおリパーゼは固
定化されているものを使用すれば、再利用できるので経
済的である。
【0016】次に本発明における反応温度を80℃以下
と限定した理由は、80℃より高温になるとリパーゼの
活性が低下して反応が充分進行しないためである。そし
てまた、80℃より高温では高価な酵素の再利用も出来
なくなるのである。なお、好ましい反応温度としては3
0〜70℃であり、反応時間としては4〜8時間が適当
である。
【0017】また本発明において、その減圧条件を1〜
600mmHgと限定した理由は、1mmHg未満の減圧下
では高価な含フッ素脂肪族アルコールが反応により生成
した水と共に減圧蒸留され系外に排出されるし、一方6
00mmHgをこえると反応により生成した水が系外に排
出されにくくなるからである。なお、好ましい減圧条件
としては反応温度によっても異なるが、約3〜150mm
Hg位である。
【0018】本発明において、高級飽和脂肪酸と含フッ
素脂肪族アルコールの配合比は、等モル或は含フッ素脂
肪族アルコールを若干多い目にするのが好ましい。ま
た、本発明において高級飽和脂肪酸、含フッ素脂肪族ア
ルコールの多くは、固形状であるため溶解を助けること
を目的として、必要に応じて有機溶剤を添加しても良
い。この場合、有機溶剤は高級飽和脂肪酸、含フッ素脂
肪族アルコール、生成したエステル等の溶解を助けるた
めに加えるものであって、少ない程好ましいものであ
る。なお、アルコール系溶剤は含フッ素脂肪族アルコー
ルとの競争反応が起こるので、適切でないことは勿論で
ある。
【0019】反応完了後、触媒として用いたリパーゼは
濾過によって簡単に除去できるので取除いて再利用する
ことが望ましいが、使用目的によっては反応終了後に8
0℃以上の高温に加熱して酵素活性を無くしてしまって
から、そのまま生成物全体を撥水剤或は艶出し剤として
使用しても良いものである。
【0020】
【作用】本発明は以上の様な構成からなり、高級飽和脂
肪酸と含フッ素脂肪族アルコールがリパーゼの作用によ
りエステル化反応を起こし、減圧下に反応させるので生
成水が反応系外に排出され、逆反応の加水分解を受ける
ことはなく、高反応率で高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪
族アルキルエステルが生成されるのである。
【0021】本発明の製法によれば、反応率が高く生成
物を再結晶により精製する必要はなく、しかも使用した
酵素触媒は容易に除去して再利用することも出来るし、
また簡単に不活性化することも可能で、非常に効率的な
高級飽和脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの製
造が達成できるのである。このように反応率が高くしか
も工程上の簡略化が達成され、その上に高価な含フッ素
脂肪族アルコールを過剰に使用しなくても良いので、コ
スト上非常に有利な製造方法であって、経済性の極めて
高い製法と云えるものである。
【0022】本発明によって得られた高級飽和脂肪酸の
含フッ素脂肪族アルキルエステルは炭素数2〜12のパ
ーフルオロアルキル基を有するため、及び炭素数18以
上の飽和アルキル基を有しているため、非常にすぐれた
撥水性・艶出し性を具有するものである。
【0023】
【実施例】撹拌装置、温度計、減圧調整弁、及び水抜き
装置付きコンデンサーを付した容量300mlの4つ口フ
ラスコに、高級飽和脂肪酸、含フッ素脂肪族アルコー
ル、及びリパーゼを、下記の表1に示したような種々な
る配合組成にて仕込んだ。なお、溶剤としてケロシンを
できるだけ少量使用する様にして全体を溶液状にした。
また表1における酵素量は、上記溶剤を含めた全量に対
する重量%である。
【0024】
【表1】
【0025】なお、上記の表1において「Rf −OH」
は含フッ素脂肪族のエチルアルコールを示し、その欄の
数値はパーフルオロアルキル基の炭素数を表している。
また、表1における「OH/COOH」は、含フッ素脂
肪族アルコール/高級飽和脂肪酸の割合を示している。
【0026】さらに、表1における酵素種は下記の通り
である。 IM−20 ;LIPOZYME IM−20(NOV
O社) パラターゼ ;PALATASE M1000L(NO
VO社)
【0027】表1の如き配合組成の各実験番号のもの
を、表2に示した様な種々なる反応温度、反応時間、減
圧条件にて反応させたところ、表2の反応率に示した様
な結果が得られた。なお、反応率は生成物の酸価を測定
することにより求めた。
【0028】
【表2】
【0029】以上の表1及び表2のデータから、次のよ
うな知見が認められるのである。 (a)実験番号1〜3より酵素量の増加に伴ない反応率
は向上し、15重量%でほぼ完全に反応する。 (b)実験番号2と9より酵素量が少なくても、減圧条
件を強くすることにより反応率は向上する。
【0030】(c)実験番号3と4より酵素量をあまり
多くするよりも減圧条件を強くする方が有効である。 (d)実験番号3と5よりパラターゼよりもIM−20
の方が有効である。 (e)実験番号3と6よりモンタン酸とステアリン酸と
は同程度の優れた効果があり、炭素数は18以上で充分
である。
【0031】(f)実験番号7より酵素なしでは高温に
しても反応率は著しく低い。 (g)実験番号8より減圧しない場合も反応率は低い。 (h)実験番号9と10より減圧条件を強くすることは
非常に有効であるが、温度が常温近くまで下がると反応
率は低下する。 (i)実験番号11より80℃をこえる反応温度にする
と反応率は低下する。
【0032】
【発明の効果】本発明の効果は、作用欄において詳述し
た通りであって、高級飽和脂肪酸と含フッ素脂肪族アル
コールとのエステル化反応の反応率が非常に高いという
ことであり、生成物である高級飽和脂肪酸の含フッ素脂
肪族アルキルエステルが収率よく製造でき精製する必要
もないと云うことである。
【0033】しかも、この反応に使用した酵素触媒は容
易に濾過によって除去することもでき、これを再利用す
ることも可能であり、また場合によっては単に80℃以
上に加熱するだけでその酵素活性を消失させることがで
きるので取り除く必要もなくなるなど、工程が簡略化し
製造能率が大幅に向上するのである。
【0034】さらに高価な含フッ素脂肪族アルコールを
過剰に使用しないことと、上記の反応率向上や工程の簡
略化とが相まって生成物のコストを大幅に下げ、有用な
撥水剤や艶出し剤を安価に提供することが可能となり、
この種の産業に極めて高度な有用性を発揮するものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 有本 邦夫 兵庫県高砂市荒井町蓮池2丁目10番23号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 7/64 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数18以上の高級飽和脂肪酸の1種
    または2種以上と、下記の化1の一般式にて示される含
    フッ素脂肪族アルコールから選ばれる1種または2種以
    上とを、リパーゼの1種または2種以上を触媒として用
    いて反応温度80℃以下、1〜600mmHgの減圧下の
    条件でエステル化反応させることを特徴とする高級飽和
    脂肪酸の含フッ素脂肪族アルキルエステルの製法。 【化1】Rf−(CH2n−OH (但し、上記一般式中のRfは炭素数2〜12のパーフ
    ルオロアルキル基を表わし、nは1〜5の整数を示
    す。)
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