JP3101726B2 - ピストンリング用合金鋼およびその製造方法 - Google Patents
ピストンリング用合金鋼およびその製造方法Info
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Description
トンリングに使用される合金鋼およびその製造方法に関
する。
グには鋳鉄が使われていたが、これがリング状をなし、
かつ軸方向に薄いものが製造困難で、かつ耐折損強度の
点で不十分であるほか、慣性が大きいためフラッタリン
グ現象を起し易いなどの点から、エンジンの効率化,高
負荷化と軽量化,薄形化が図れる強度の高いスチール製
のピストンリングが広く使用されるようになった。
リングを製造するには、熱間の圧延および冷間の伸線お
よび平線圧延などの加工を加える必要があり、その加工
を容易に行うことができる合金鋼の開発が進められてい
る。
性を確保するために窒化処理を行って、十分な耐摩耗性
が得られる窒化層を形成することも重要であり、さらに
圧延に際して焼き割れの発生防止に留意する必要があ
る。
高炭素のCrが21%,Crが17%,Crが13%を
含む各Cr系合金鋼が、例えば特開平1−201441
号公報などに提案されている。一方、これに対し低Si
およびMnを含む加工性のよいピストンリング材が、例
えば特開平8−109445号公報に示されている。
r系合金鋼にあっては、熱間および冷間の加工性が悪
く、一方、低SiおよびMnを含むピストンリング材に
あっては、実用時に実施される窒化処理で十分な硬度が
得られないという課題があった。
よい中炭素のCr8%を含む窒化性を持たせた鋼材の開
発が試みられているが、熱間加工後の冷却過程で焼き割
れを起こすという課題があった。
のであり、Alの添加によって、分塊、圧延後の冷却過
程で焼き割れが発生するのを防止できるとともに、冷間
加工性と窒化性に優れたピストンリング用合金鋼を得る
ことを目的とする。
優れた耐摩耗性および耐食性を容易に得ることができる
ピストンリング用合金鋼の製造方法を得ることを目的と
する。
明にかかるピストンリング用合金鋼は、重量%で、C:
0.4〜0.7%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1
〜1%、Cr:5〜10%、Al:0.3〜1%、C
u:0.2〜1.2%を含有し、残部がFeおよび不純
物からなることを特徴とする。
ング用合金鋼の製造方法は、重量%で、C:0.4〜
0.7%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1〜1%、
Cr:5〜10%、Al:0.3〜1%、Cu:0.2
〜1.2%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる
化学組成物に窒化処理を施すようにしたものである。
説明する。熱間加工性および冷間加工性のよいCr合金
鋼に耐摩耗性を持たせようとする場合にも、熱間加工後
の冷却過程で焼き割れを発生することがある。このよう
な焼き割れは、鋼のA1 変態の潜伏期間が長いため、冷
却過程で十分に進行せず、常温付近においてマルテンサ
イト変態を起して膨張するために発生する。
よびCrの含有量の変更を実用的に支障のない範囲にと
どめ、かつ変態潜伏期間を短くし、前記冷却過程で十分
にA1 変態を起させるために、Alを0.3〜1%の範
囲で添加する。このAlの添加によって、分塊および線
材圧延工程で懸念された割れや折損を十分に確実に防止
することができる。
て、鋼材の窒化層の硬度を高めることができ、従って、
これをピストンリングへ利用した場合には、シリンダに
対する耐摩耗特性の向上を十分に確保でき、一石二鳥の
効果が得られる。さらに、そのAlの添加量をある値に
止めることで、これが前記熱間加工性や冷間加工性に対
して実用上悪影響を及ぼすことは全くない。
冷間加工性が優れ、実用時に施される窒化処理で十分な
硬度が得られるとともに、熱間加工後の冷却過程で焼き
割れの発生を防止できる、下記の合金鋼を得た。
n,Cr,Al,Cuおよび残部のFeと不純物からな
り、分塊,圧延後の冷却過程で焼き割れの発生を防止し
ている。ここで、Cは必要な焼き入れ高度を得るために
0.4%以上必要であり、分塊および圧延後の冷却過程
での焼き割れを防止するには多い方が好ましい。
は、Cを多くすることによってマルテンサイト変態完了
温度を下げ、これによりマルテンサイトの発生を低減す
ることによる。なお、このCを増加させることにより、
圧延後の伸線加工工程における加工性が低下してしまう
ため、この発明では0.7%を上限とする。
0.1%以上必要となるが、冷間加工性の低下を避ける
ために、1%を上限とする。また、Mnは製鋼上必要な
成分であり、0.1%以上必要となるが、伸線加工性の
低下を避けるために1%を上限とする。
上するために5%以上必要となるが、ピストンリングへ
の利用に際しては、実用上10%で十分な効果が得られ
るものである。
で、これが分塊および圧延工程の冷却過程でA1 変態を
促進し、オーステナイト量を減ずる結果、MS 点に到達
し、マルテンサイト変態が起きる前に残留オーステナイ
トの割合を少なくし、引き続く冷却過程で起きるマルテ
ンサイト変態による体積膨張を少なく抑えることによっ
て、焼き割れの発生をなくするように機能する。ここ
で、このAlの添加量は少なくとも0.3%以上は必要
であるが、1%を超えると冷間の加工性を阻害するた
め、この1%を上限とする必要がある。
に合理的な加工工程を組み立てることができるので、少
なくとも0.2%以上添加する。しかし、1.2%を超
えると熱間加工時に割れを発生するとともに、加工を困
難にするため、この1.2%を限度とする必要がある。
られた本発明による合金鋼(A,C,D,E)、従来の
Al無添加鋼(B,F,G,H)、Cu無添加鋼(F)
および既存のピストンリング用鋼DINX−90につい
て化学組成を示したものである。
を比較すると、Alを添加していない材料の分魂ビレッ
トと本発明によるAl添加材料のビレットの横断面硬度
分布は図1に示す通りである。これによればビレットは
分魂ロールで圧延された後カバーを被せて除冷したもの
であるが、Al添加材ではA1 変態の促進により硬度は
低下し、従って割れの発生は認められなかった。
顕微鏡組織であり、黒色を呈している部分はA1 変態を
完了した部分である。これに対して、図2はAlを添加
したこの発明の合金鋼の顕微鏡組織を示し、大部分の面
積を占める黒色の部分はA1変態を完了したところで、
僅かに残る白い部分がマルテンサイトの部分である。す
なわち、図5では割れの生じ易い組成構造となっている
のに対し、図2では割れの生じにくい組成構造となって
いることが分かる。
金鋼とAl無添加鋼の窒化特性を比較したもので、これ
によればAlの添加によって、窒化層の硬度が顕著に高
まったことを示している。また、図4は伸線による絞り
の低下を、本発明の合金鋼と既存のDINX−90鋼と
比較で示しており、これによれば、各伸線段階における
絞りがDINX−90鋼に比較して著しく高く、冷間加
工性に優れていることが分かる。
%で、C:0.4〜0.7%、Si:0.1〜1%、M
n:0.1〜1%、Cr:5〜10%、Al:0.3〜
1%、Cu:0.2〜1.2%を含有し、残部がFeお
よび不純物からなる化学組成としたので良好な伸線加工
の加工性を得ながら、Alの添加によって、分塊、圧延
後の冷間過程で焼き割れが発生するのを防止できるとと
もに、冷間加工性と窒化性にすぐれたピストンリング用
合金鋼を得ることができるという効果が得られる。
0.4〜0.7%、Si:0.1〜1%、Mn:0.1
〜1%、Cr:5〜10%、Al:0.3〜1%、C
u:0.2〜1.2%を含有し、残部がFeおよび不純
物からなる化学組成物に窒化処理を施すようにしたの
で、優れた耐摩耗性および耐食性が得られるピストンリ
ング用合金鋼を簡単に得ることができるという効果が得
られる。
合金鋼とAl無添加鋼とのビレット断面の硬度の違いを
示す説明図である。
を示す顕微鏡写真である。
鋼との窒化特性の違いを示す特性図である。
鋼との伸線による絞りの低下特性の違いを示す特性図で
ある。
鏡写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.4〜0.7%、S
i:0.1〜1%、Mn:0.1〜1%、Cr:5〜1
0%、Al:0.3〜1%、Cu:0.2〜1.2%を
含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴と
するピストンリング用合金鋼。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.4〜0.7%、S
i:0.1〜1%、Mn:0.1〜1%、Cr:5〜1
0%、Al:0.3〜1%、Cu:0.2〜1.2%を
含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成物に
窒化処理を施すことを特徴とするピストンリング用合金
鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08307217A JP3101726B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | ピストンリング用合金鋼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08307217A JP3101726B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | ピストンリング用合金鋼およびその製造方法 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30785998A Division JP3718728B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | ピストンリング用異形線 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10140293A JPH10140293A (ja) | 1998-05-26 |
| JP3101726B2 true JP3101726B2 (ja) | 2000-10-23 |
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Family Applications (1)
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| JP08307217A Expired - Fee Related JP3101726B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | ピストンリング用合金鋼およびその製造方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3101726B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102605257A (zh) * | 2012-04-16 | 2012-07-25 | 龙工(上海)桥箱有限公司 | 一种柱塞泵用配流盘的材料及其热处理工艺 |
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|---|---|---|---|---|
| US20060048865A1 (en) * | 2002-07-01 | 2006-03-09 | Etsuo Fujita | Material for sliding parts having self lubricity and wire material for piston ring |
-
1996
- 1996-11-01 JP JP08307217A patent/JP3101726B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| CN102605257A (zh) * | 2012-04-16 | 2012-07-25 | 龙工(上海)桥箱有限公司 | 一种柱塞泵用配流盘的材料及其热处理工艺 |
| CN102605257B (zh) * | 2012-04-16 | 2013-08-14 | 龙工(上海)桥箱有限公司 | 一种柱塞泵用配流盘的材料及其热处理工艺 |
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|---|---|
| JPH10140293A (ja) | 1998-05-26 |
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