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JP3109766B2 - 無機微粒子含有複合繊維 - Google Patents
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JP3109766B2 - 無機微粒子含有複合繊維 - Google Patents

無機微粒子含有複合繊維

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JP3109766B2
JP3109766B2 JP04218653A JP21865392A JP3109766B2 JP 3109766 B2 JP3109766 B2 JP 3109766B2 JP 04218653 A JP04218653 A JP 04218653A JP 21865392 A JP21865392 A JP 21865392A JP 3109766 B2 JP3109766 B2 JP 3109766B2
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和彦 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線遮蔽性繊維や白
色導電性繊維のように、無機微粒子を多量に含有し、し
かも無機微粒子を多量に含有しているにもかかわらず、
紡糸性が良好であり、繊維の細さが通常繊維と同様の8
デニール以下である繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、繊維に各種の性能を付与するため
に、付与する性能にあわせて無機微粒子を選び、その無
機微粒子を繊維構成ポリマー中に練り込み、紡糸する方
法が用いられている。例えば無機微粒子として白色の導
電性金属酸化物を選び、これを繊維構成ポリマー中に練
り込み紡糸すると白色導電性繊維が得られ、また無機微
粒子として紫外線遮蔽性無機微粒子を選び、これを繊維
構成ポリマー中に練り込み紡糸すると紫外線遮蔽性繊維
が得られる。さらに無機微粒子として特定の顔料を選
び、これを繊維構成ポリマー中に練り込み、そして紡糸
することにより特定の色調を有する原着繊維が得られ
る。
【0003】しかしながら、このような無機微粒子含有
繊維において、無機微粒子の添加効果を十分に発揮させ
るためには無機微粒子の添加量を高める必要がある。例
えば白色導電性繊維の場合には、白色導電性金属酸化物
の添加量が所定量以下であると添加した金属酸化物が連
結せず導電性能が得られないこととなる。また紫外線遮
蔽性繊維の場合も同様に、紫外線遮蔽性無機微粒子の添
加量が少ない場合には、満足できる紫外線遮蔽効果が得
られないこととなる。このようなことより、繊維に多量
の無機微粒子を添加する技術が求められている。
【0004】一般に繊維構成ポリマー中に無機微粒子を
多量に添加するとポリマーの紡糸性が急激に悪化する。
さらに繊維表面に無機微粒子が多量に存在する場合には
繊維製造工程中のガイド、ローラー、延伸プレートやト
ラベラーの表面が繊維表面に露出している無機微粒子に
より削られることとなり、これら器具が使用不可能とな
り、さらにこのような表面が摩耗した装置を用いて繊維
の製造を続けると断糸や毛羽が多発することとなる。し
たがって、繊維中に無機微粒子を多量に添加する場合に
は、該無機微粒子が繊維表面に存在しないようにしなけ
ればならず、そのための具体的な方法としては、繊維を
芯鞘型の複合繊維とし、該無機微粒子を芯を構成するポ
リマー中に添加する方法が考えられる。しかしながら、
芯を構成するポリマー中に無機微粒子を添加するだけで
十分な添加効果を得るためには、より多量の無機微粒子
を芯成分ポリマーに添加しなければならず、ますます多
量の無機微粒子を含有する芯成分ポリマーの紡糸性、曳
糸性が必要とされる。
【0005】芯鞘型の複合繊維において無機微粒子を多
量に含有する芯成分ポリマーの紡糸性を高めるために、
かかるポリマーとして熱可塑性エラストマーを用いる技
術が提案されている(特開平2−289118号公
報)。すなわち、無機微粒子として導電性金属酸化物粒
子を用い、芯成分ポリマーとして、ポリスチレン−ポリ
イソプレン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合
体、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体、
およびこれらの水素添加物を用いることにより、無機微
粒子が多量に添加されていても、芯成分ポリマーの紡糸
性が良好であるという技術である。たしかに、この公報
に記載されている技術を用いると、10デニール以上の
太い繊維であれば問題なく製造できるが、衣料用に一般
的に用いられる8デニール以下という細さの繊維に対し
ては、より高度の紡糸性が必要となり、上記公報に記載
されている技術では、このような細さの繊維を安定に収
率良く製造することは難しく、得られる繊維の品質も満
足できるものではない。さらに多量の無機微粒子を繊維
中に含有させると、そのような繊維を染色しても色調に
深み、鮮明さがなく、高級感を有する色調の製品が得ら
れない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般
衣料用に好適に用いられる8デニール以下の細さの繊維
であって、無機微粒子を多量に含有しているにもかかわ
らず、紡糸性に優れ、かつ繊維性能においても優れてい
る繊維を提供することにある。本発明の別の目的は、染
色により鮮明な色調を有する製品を与えることのできる
繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】8デニール以下の細さの
繊維中に無機微粒子を高濃度で含有させる場合の重要な
課題は、紡糸工程での、瀘材の目詰まりや糸切れなどに
よる可紡性の低下などである。また、たとえ紡糸できた
としても、延伸工程での糸切れの多発などがある。さら
には織物や編物等の布帛を作製するときの後加工性につ
いても問題があり、特にガイド等が摩耗するという問題
がある。たとえ繊維が得られても、均質性等の繊維性能
においても問題がある。本発明において、無機微粒子を
高濃度で含有させるベースのポリマーとして、特定の化
合物を含有する特定のブロック共重合体を用いることに
より、これらの問題点が解決されたのである。
【0008】すなわち、本発明は、繊維形成性熱可塑ポ
リマーからなる保護ポリマー層成分(A)および無機微
粒子を含有するポリマー層成分(B)から構成されてい
る、単糸繊度が8デニール以下ならびに繊維横断面周長
の60%以上が(A)成分である繊維であって、(I)
成分(B)中に占める無機微粒子の量が5〜85重量
%であり、(II) 成分(B)中に、ヒドロキシル基が
ブチル基に対してオルト位に位置しているヒドロキシ−
第三ブチルフェニル系化合物が成分(B)を構成するポ
リマーに対して0.1重量%以上添加されており、(II
I) 成分(B)を構成するポリマーが、1つのブロッ
クの数平均分子量が4000〜50000のポリ芳香族
ビニルブロックと、1つのブロックの数平均分子量が1
0000〜150000のポリ共役ジエンブロックから
なるブロック共重合体であって、かつ該ポリ共役ジエン
ブロックの共役ジエンに基づく二重結合の30%以上が
水素添加された、数平均分子量が30000〜2500
00である複合繊維である。
【0009】本発明に用いられるブロック共重合体の第
1構成成分であるポリ芳香族ビニルブロックを形成する
化合物として、アニオン重合可能な芳香族ビニルモノマ
ー、例えばスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニ
ルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチ
レン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチ
レン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェ
ニルブチル)スチレン等が挙げられ、これらは1種また
は2種以上が用いられる。
【0010】また第2構成成分であるポリ共役ジエンブ
ロックを形成する化合物として、イソプレン、ブタジエ
ン、ピペリン等が挙げられ、これらは1種または2種以
上が用いられる。
【0011】また本発明に用いられるブロック共重合体
は主としてポリ芳香族ビニルブロックとポリ共役ジエン
ブロックからなるものであるが、分子鎖中や分子末端に
カルボキシル基や水酸基、酸無水物などの官能基を有し
ていてもよい。本発明に用いられるブロック共重合体の
具体例としては、例えば、ポリスチレン−ポリブタジエ
ン−ポリスチレンのブロック共重合体(以下SBSと略
称する)の水素添加物、ポリスチレン−ポリイソプレン
−ポリスチレンのブロック共重合体(以下SISと略称
する)の水素添加物、ポリスチレン−ポリイソプレンの
ブロック共重合体(以下SIと略称する)の水素添加
物、ポリα−メチルスチレン−ポリイソプレン−ポリα
−メチルスチレンのブロック共重合体の水素添加物、ポ
リα−メチルスチレン−ポリブタジエン−ポリα−メチ
ルスチレンのブロック共重合体の水素添加物、ポリα−
メチルスチレン−ポリイソプレンのブロック共重合体の
水素添加物などが挙げられ、とくにポリ芳香族ビニルブ
ロックを両末端ブロックとするトリブロック共重合体の
水素添加物が好ましく、なかでも、上記SISの水素添
加物が好ましい。
【0012】本発明に用いられるブロック共重合体は、
ポリ共役ジエンブロックの共役ジエンにもとづく二重結
合の30%以上が水素添加されていることが必要であ
る。水素添加率が30%未満の場合には、溶融紡糸時に
該ブロック共重合体が熱分解するという欠点が生ずる。
なお、ここで言う水素添加率は、ブロック共重合体に含
まれている共役ジエンにもとづく二重結合である炭素−
炭素不飽和二重結合が水素化されている割合を意味し、
水素添加前のヨウ素価と水素添加後のヨウ素価を求め、
前者に対する後者の百分率を算出することにより求めら
れる。より好ましくは、水素添加率50%以上である。
【0013】本発明に用いられるブロック共重合体の数
平均分子量は30000〜250000の範囲にあるこ
とが必要である。数平均分子量が30000未満の場
合、紡糸時のポリマーの溶融粘度が低くなりすぎ、紡糸
時の単糸切れ、断糸が頻発するとともに、繊維の均整度
が悪くなる。特に保護ポリマー成分としてポリエステル
等の高融点のポリマーを用いて複合繊維を得ようとする
場合に大きな問題となってくる。一方、数平均分子量が
250000を越えると、逆にポリマーの溶融流動性が
不十分となり紡糸性が悪くなる。この点から、ブロック
共重合体の数平均分子量は40000〜200000の
範囲が好ましい。
【0014】ブロック共重合体を構成するポリ芳香族ビ
ニルブロックの1つのブロックの数平均分子量は400
0〜50000の範囲であり、数平均分子量が4000
未満の場合ポリマーの凝集力が低下し、ゴム様の伸縮性
が不十分となり、目的とする繊維化ができにくい。一
方、数平均分子量が50000を越えるとブロック共重
合体の溶融粘度が高くなりすぎ、熱可塑性が損なわれ、
溶融流動性が低下し、紡糸が困難となる。また、ブロッ
ク共重合体を構成するポリ共役ジエンブロックの1つの
ブロックの数平均分子量は10000〜150000の
範囲であり、数平均分子量が10000未満の場合、ポ
リマーとしての伸縮性が不十分となり、目的とする繊維
化が困難となる。一方、数平均分子量が150000を
越えるとポリマーの溶融流動性が低下し、紡糸が困難と
なる。これらの点からポリ芳香族ビニルブロックの1つ
のブロックの数平均分子量は5000〜40000の範
囲、ポリ共役ジエンブロックの1つのブロックの数平均
分子量は15000〜130000の範囲が好ましい。
数平均分子量は常法のGPC法(Gel Parmea
tion Chromatography)により求め
られる。
【0015】ポリ芳香族ビニルブロック共重合体中での
割合は5〜80重量%の範囲であることが好ましい。ブ
ロック共重合体中でのポリ芳香族ビニルブロックの割合
が5重量%未満の場合、ポリマーの凝集性が低下してポ
リマーの伸縮性が悪くなり、そのうえ取り扱い性も低下
し繊維化が困難となる。逆に80重量%を越えると、ポ
リマーの粘度が著しく高くなるため紡糸が困難となり易
い。
【0016】さらに本発明に用いられるブロック共重合
体のMFR(Melt FlowRate)値は5g/
10分以上の溶融流動性特性を有していることが好まし
い。MFR値が5g/10分未満であると、無機微粒子
を高濃度で添加した場合に溶融流動性が悪化し、8デニ
ール以下の複合繊維を得ることが難しくなりがちであ
る。MFR値の上限値に関しては特に限定はないが、紡
糸工程性、生産性等の点において、100g/10分以
下が好ましく、特に5〜80g/10分の範囲であるこ
とが好ましい。ここで言うMFR値は、ASTM D−
1238の測定法で200℃下、荷重10kgの条件下
において測定される値である。そして、本発明で規定す
るMFR値は紡糸した後の繊維における該ブロック共重
合体の値である。したがって、紡糸前のMFR値が上記
値よりも低いものであっても、紡糸工程中に上記値を満
足するようになるものであるならば本発明に好適である
と言うことができる。ブロック共重合体のMFR値は、
ブロック共重合体の分子量やポリ芳香族ビニルブロック
/ポリ共役ジエンブロックの重量比、各ブロックの分子
鎖長等により決定される。したがって、本発明に用いら
れるブロック共重合体は、このような分子量、ブロック
の重量比、各ブロックの分子鎖長等を選ぶことにより、
MFR値を上記範囲としたものが好ましい。
【0017】本発明に用いられるブロック共重合体は次
の種々の公知の方法により得られる。アルキルリチウ
ム化合物を開始剤としてポリ芳香族ビニルブロックを形
成する化合物、ポリ共役ジエンブロックを形成する化合
物を逐次重合させる方法、ポリ芳香族ビニルブロック
を形成する化合物、ポリ共役ジエンブロックを形成する
化合物をそれぞれ重合しカップリング剤によりカップリ
ングする方法、ジリチウム系化合物を開始剤として、
ポリ芳香族ビニルブロックを形成する化合物、ポリ共役
ジエンブロックを形成する化合物を逐次重合する方法等
が挙げられる。
【0018】さらに本発明において該ブロック共重合体
には、ヒドロキシ−第三ブチルフェニル系化合物であっ
て、該ヒドロキシ基がブチル基に対してオルト位に位置
している化合物(以下フェノール系化合物と称す)が該
ブロック共重合体に対して0.1重量%以上添加されて
いる必要がある。該フェノール系化合物は一般に酸化防
止剤として用いられており、該フェノール系化合物以外
にも多くの種類の酸化防止剤が知られているが、該フェ
ノール系化合物が該ブロック共重合体の紡糸時の安定性
の点で際立った効果を発揮する。一般に無機微粒子が添
加されていると、ブロック共重合体の熱分解性を促進す
ることとなるが、該フェノール系化合物はこの促進効果
を大きくおさえるという予測されない効果も有する。こ
のフェノール系化合物の働きが、無機微粒子が多量に含
まれているにもかかわらず優れた紡糸性をもたらすもの
と思われる。フェノール系化合物の添加量が0.1重量
%未満の場合には上記したような優れた効果が得られな
い。上限値に関しては特に限定はないが、10重量%以
下が好ましく、特に0.2〜5重量%の範囲が好まし
い。
【0019】本発明に好適に用いられるフェノール系化
合物は下記化学式1で表される化合物である。
【化1】 上記式中、Mは有機基、Rはアルキル基、nは1〜3の
整数を表す。但し、nが2以上の場合、Rは同一であっ
ても異なっていてもよい。その具体的な化合物として
は、以下のような化合物が挙げられる。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】 なかでも本発明において好適な化合物は上記化学式2で
表される化合物である。
【0020】ブロック共重合体へのフェノール系化合物
の添加時期は任意であり、ブロック共重合体の製造時、
製造後、または無機微粒子と同時に添加混練することが
できる。本発明の複合繊維を紡糸する際に、ブロック共
重合体、フェノール系化合物および無機微粒子が均一に
混練されていればよく、添加時期は特に限定されない。
【0021】本発明の複合繊維において、該ブロック共
重合体には、前述したように、無機微粒子が添加されて
いる。添加されている無機微粒子の量には、目的とする
繊維によって異なるが、本発明は繊維に無機微粒子を多
量に添加する場合の問題点を解決するのが目的であるこ
とより、無機微粒子を含む該ブロック共重合体組成物に
対して5重量%以上添加されていなければならない。5
重量%未満である場合には、本発明の解決課題そのもの
が存在しない。添加量の上限値に関しては特に限定はな
いが、85重量%以下程度がやはり紡糸性の点で好まし
い。より好ましくは、10〜70重量%の範囲である。
【0022】添加する無機微粒子の種類は目的とする繊
維によって異なるが、例えば紫外線遮蔽性繊維を得るこ
とが目的である場合には、紫外線を反射または吸収する
微粒子、すなわち紫外線を実質的に透過しない微粒子が
用いられる。その代表例としては、二酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、二酸化ケイ素、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、タル
ク、カオリン等の無機化合物および無機化合物の各種処
理微粒子が挙げられ、これらの中から一種または二種以
上を混合して使用することができる。より好ましくは、
二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナである。特に好まし
くは二酸化チタンである。その添加量は紫外線遮蔽性の
点で前述した範囲が好ましい。またこれ以外に、例えば
鮮やかに着色された繊維を得ることを目的とする場合に
は、無機顔料が無機微粒子として用いられる。さらに導
電性の繊維を得ることが目的の場合には、導電性金属酸
化物や金属粉末などが無機微粒子として用いられ、磁性
繊維を得ることを目的とする場合には、鉄、コバルト、
ニッケル等の金属およびこれらの酸化物あるいはフェラ
イトなどの磁性粉末が無機微粒子として用いられる。
【0023】無機微粒子の平均粒子径は5μ以下、特に
1μ以下が好ましい。粒子径が大きすぎると、紡糸時の
フィルターでの詰まりや糸切れなどの問題を生じ、さら
に延伸時にも糸切れが発生する。ここで言う平均粒子径
とは、堀場製作所製粒度分布測定装置(CAPA−50
0)を用いて測定される値である。さらに本発明におい
て、無機微粒子含有ブロック共重合体には、曳糸性を高
めるために、ステアリン酸金属塩またはチタン系カップ
リング剤が添加されているのが好ましく、特にステアリ
ン酸のマグネシウム塩やカルシウム塩、亜鉛塩等が好ま
しく、特に無機微粒子が酸化チタンまたはそれを含むも
のである場合にはステアリン酸マグネシウムが好まし
い。そしてこれら化合物の添加量としては、無機微粒子
に対して1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0024】該ブロック共重合体へ無機微粒子を含有さ
せる方法としては、種々の方法が可能であるが、例えば
二軸混練押出機等で該ブロック共重合体ポリマーと該無
機微粒子を混練成型して、高濃度のマスターバッチを製
造し、それを紡糸時に所定の濃度になるように該ブロッ
ク共重合体ポリマーで希釈してから紡糸する方法等があ
る。さらに該ブロック共重合体と無機微粒子を混練する
場合には、種々の分散助剤を添加すると、分散性が良好
となり好ましい。
【0025】本発明の複合繊維は、上述したような無機
微粒子およびフェノール系化合物を含有するブロック共
重合体(以下成分Bと称す)を一成分とし、繊維形成性
熱可塑性ポリマー(以下成分Aと称す)を他成分として
複合紡糸することにより得られる。その際の複合断面形
状としては、繊維表面周長の60%以上を成分Aが占め
るような形状が好ましい。60%未満の場合には、成分
Bが繊維表面に露出する割合が多くなり、成分Bは無機
微粒子を多量に含有するため製糸時の繊維化工程時ある
いは製織時等の後加工時にガイドやローラー等の摩擦が
激しくなり、さらに糸切れ等のトラブルが発生してくる
ため好ましくない。
【0026】具体的な成分Aと成分Bとの複合形態とし
ては、種々のものが挙げられるが、代表的なものとして
は図1〜図8のようなものが挙げられる。図1は一芯、
図2は三芯、図3は四芯の芯鞘構造繊維、図4は三層同
心円、図5および図6は一部露出タイプの芯鞘構造、図
7および図8は分割タイプの複合構造である。成分Aと
成分Bの組み合わせによっては、図7と図8の構造は2
成分間の界面で剥離が生じてくる場合があり、また、図
5と図6の構造はガイドやローラー等が摩擦することを
十分に解消することができない。ガイドやローラー等の
摩擦および糸切れをより一層防ぎ、ポリマー間での剥離
を防ぐことができる点より、図1〜図4のような芯ポリ
マーが鞘ポリマーにより完全に覆われているような芯鞘
構造が好ましい。これら図中、斜線部分が成分Bであ
り、非斜線部分が成分Aである。
【0027】成分Aと成分Bとの複合重量比率は好まし
くは20:80〜80:20、より好ましくは30:7
0〜76:24である。成分Aの比率が少なすぎると、
繊維強度が低下してくるため好ましくない。また成分A
の比率が多すぎると無機微粒子が含有されている成分B
の効果が十分発揮できないため好ましくない。
【0028】本発明のもう一方の複合成分である成分A
としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン4、ナイロ
ン46などのポリアミド類、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン
テレフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン類等から選択され
るが、繊維としての実用性能上特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートを主成分とする
ポリエステル系ポリマーやナイロン6、ナイロン66を
主成分とするポリアミド系ポリマーが好ましい。また、
これらのポリマーに少量の第3成分を共重合したものも
用いることができる。例えばポリエステルとして、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,5−ジカル
ボン酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタ
ン、4,4′−ジカルボキシジフェニル、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等の芳香族、脂肪族、脂
環族のジカルボン酸;ジオール;ヒドロキシ安息香酸等
のオキシカルボン酸などから合成される繊維形成性ポリ
エステル系ポリマーであり、構成単位の80モル%以
上、特に90モル%以上がエチレンテレフタレート単位
またブチレンテレフタレート単位であるポリエステル系
ポリマーが好ましい。また、これらのポリマーは、蛍光
増白剤、安定剤などの添加剤を含んでいても良い。
【0029】無機微粒子を多量に含む繊維からなる繊維
製品の染色性を良好にし、その色調に鮮明性を付与して
高級感のある色調を得ようとする場合には、成分Aとし
て芳香族基に結合した−SO↓3M基(ただし、Mは水
素原子、金属原子、アルキルホスホニウム基のいずれか
である)を有する二官能性単量体が共重合されたポリエ
ステルを用いることが好ましい。この二官能性単量体は
ジカルボン酸(またはその誘導体)化合物であっても、
ジオール化合物であっても、あるいはオキシカルボン酸
化合物であってもよい。
【0030】−SO↓3M基が結合した芳香族基として
は、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基、アン
トラセントリイル基、ジフェニルトリイル基、オキシジ
フェニルトリイル基、スルフォジフェニルトリイル基、
メチレンジフェニルトリイル基等が挙げられる。Mが金
属原子である場合の具体的な金属原子としては、ナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、鉄な
どが挙げられる。またMがアルキルホスホニウム基であ
る場合の具体的な基としては、テトラブチルホスホニウ
ム基、エチルトリブチルホスホニウム基、ベンジルトリ
ブチルホスホニウム基、テトラフェニルホスホニウム
基、フェニルトリブチルホスホニウム基、ベンジルトリ
フェニルホスホニウム基などが挙げられる。
【0031】上記の−SO↓3M基を有する二官能性単
量体の共重合量は、二官能性単量体がジカルボン酸(ま
たはその誘導体)化合物である場合には、ポリエステル
を構成する全カルボン酸化合物に対して1.0モル%以
上、特に1.5モル%以上が好ましく、同様に二官能性
単量体がジオール化合物である場合には、ポリエステル
を構成する全ジオール化合物に対して、また二官能性単
量体がオキシカルボン酸化合物である場合には、ポリエ
ステルを構成する全ジカルボン酸化合物と全ジオール化
合物のいずれか一方に対して1.0モル%以上、特に
1.5モル%以上が好ましい。1.0モル%未満の場合
には鮮明性のある色調が十分には得られない。
【0032】成分Aとして−SO↓3M基を有する二官
能性単量体を共重合したポリエステルを用いることによ
り、カオチン染料で染色すると鮮明性のある高級感ある
色調が得られることとなる。しかしながら、−S↓3M
基を有する単量体の共重合量が5.5モル%を越えると
繊維物性、特に繊維強度が低下することとなるので、
5.5モル%以下が好ましい。もちろん本発明におい
て、共重合量の高いポリエステルと低いポリエステルを
混合して所定の共重合量とする方法を用いてもよい。
【0033】本発明の複合繊維を得るための方法として
は、成分Aと成分Bを別々の溶融系で加熱溶融してお
き、それぞれ通常の押出紡糸装置により紡糸口金まで送
り、紡糸口金直前で両成分を前述したような複合形状に
合わせて合流させ、押し出して得られる糸条を巻き取る
かあるいは一旦ケンスに蓄えた後、さらに延伸・熱処理
することにより得られる。また紡糸口金から押出したの
ち、巻き取ることやケンスに蓄えることなく直ちに延伸
する方法や、紡糸口金から押し出したのち、高速で巻き
取り、そのまま製品とする方法も用いることができる。
勿論、捲縮や仮撚加工等の後加工を付与することも出来
る。
【0034】本発明は無機微粒子を多量に含むポリマー
から、細さが8デニール以下の繊維を得ようとする際に
生じる問題点、すなわち紡糸性の悪化を解決するもので
ある。したがって、細さが8デニールを越える繊維を得
ようとする場合には本発明の解決課題そのものがないこ
とになる。本発明は特に細さが5デニール以下の繊維を
得ようとする場合に、極めて顕著な効果が発揮される。
【0035】本発明で得られる複合繊維は、長繊維のみ
ならず、短繊維であっても本発明の効果が発揮される。
また本発明で得られる複合繊維は、仮撚捲縮加工等の高
次加工により、繊維横断面が5角、6角等の多角形に類
似した形状となつたり、紡糸時の異形断面ノズルにより
3葉形、T形、4葉形、8葉形等の多角形やその他の異
形断面形状となっていてもよい。また、図1〜図6にお
ける芯鞘構造繊維において成分Bが丸断面以外の異形断
面形状となっていてもよい。要は、今まで説明した要件
を満たした繊維であれば、本発明の目的を達成すること
ができる。本発明は、無機微粒子として紫外線を吸収ま
たは反射する微粒子を用いる場合に特に優れた効果を発
揮する。なぜならば、紫外線遮蔽効果を十分に有する繊
維を得るためには、上記微粒子を多量に添加する必要が
あり、しかもこの繊維を衣料用として用いるためには、
通常の衣料用繊維と同じ細さ、たとえば3デニール以下
とするのが好ましく、このような繊維としては本発明の
繊維が極めて適している。
【0036】また、本発明の複合繊維は、単独あるいは
他の繊維と混用して織物、編物、不織布などの布帛とし
て、広汎な用途に用いることができる。他の繊維と混用
する場合には、混繊、合糸、合撚、交織、交編、その他
のあらゆる手段を用いることができ、さらに得られた布
帛は必要に応じて染色、樹脂加工などの加工処理を施し
て、各種の用途に供することができる。もちろん繊維の
形態、糸の形態あるいは繊維製品の形態で染色すること
も可能である。
【0037】本発明で得られる複合繊維が紫外線を遮蔽
する繊維である場合には、その好適な用途として、短繊
維では、衣料用ステープル、乾式不織布、湿式不織布等
があり、長繊維では、織物、編物等がある。より具体的
には、サッカー、ゴルフなどの野外球技用ウェア、Tシ
ャツ、ポロシャツ、さらには、マラソン、ビーチウェア
−、水着などのアウトドアスポーツ用ウェア、帽子、ブ
ラウス、ベール、ストッキング、手袋、幌、カーテン、
ブラインド用スラット、日傘、テント地、農業用遮光材
などあるいはそれらの染色物として用いられるものが挙
げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施
例中、紫外線遮蔽性に関しては、以下のような評価方法
により試料の評価を行った。まず、得られた繊維を75
デニールのマルチフィラメントとし、該マルチフィラメ
ントから経密度95本/インチ、緯密度60本/インチ
の織り密度で平織りを作製し、精錬仕上げをした後、測
定用サンプルとした。測定は東レテクノ株式会社製紫外
線強度積算計を用い、織物の紫外線透過率を測定するこ
とにより評価した。すなわち、紫外線強度積算計のセン
ター部に測定用サンプルを設置し、同時にサンプルを設
置していない紫外線強度積算計を用意して、それぞれに
紫外線を照射してその量を測定し、次式で紫外線透過率
を算出した。 紫外線透過率(%)=100 X(U/Uo) U =試料側紫外線量 Uo=無試料側紫外線量 紫外線透過率が低い値ほど遮蔽性能が良好である。
【0039】また、実施例中、繊維化工程性は、紡糸・
延伸工程でのA格率で表示した。A格率は次式により算
出した。 A格率=100X(毛羽・断糸のないボビン数)/(全
ボビン数) したがって、A格率の値が高いほど工程性が良好である
ことを意味している。ただし、上記式中、全ボビン数
は、一週間連続運転で2時間満管で得られたボビン数で
あり、巻き上げ途中(すなわち巻初めから2時間未満)
で断糸が生じた場合には、その時点でボビンを新しいの
に切り替えて巻き取りを開始した。
【0040】参考例 乾燥し窒素置換されたオートグレーブに、溶媒としてシ
クロヘキサン、重合触媒としてn−ブチルリチウム、ビ
ニル化剤としてN,N,N′N′−テトラメチルエチレ
ンジアミンを用い、スチレンモノマー、イソプレンモノ
マーまたはブタジエンモノマー、スチレンモノマーの順
に添加し重合した。得られたトリブロック共重合体をシ
クロヘキサン中で、水添触媒としてPd−Cを用い、水
素圧20kg/cm↑2で水添反応を行い、表1に示す
分子特性を有するブロック共重合体を得た。
【0041】実施例1 下記式13で表されるヒドロキシ−第三ブチルフェニル
系化合物を0.3重量%含有させたブロック共重合体
(a)38重量部に、平均粒子径0.4μmの二酸化チ
タン(チタン工業(株)社製:紫外線性能:紫外線透過
率ほとんど0)60重量部とステアリン酸マグネシウム
2重量部を加え、230℃の温度において二軸混練機で
混練し出し、押し出されたストランドをカットしペレッ
トを得た。
【0042】
【化13】
【0043】得られた二酸化チタン含有ブロック共重合
体(a)ペレットと二酸化チタンを全く含有していない
ブロック共重合体(a)ペレットとを1:1の重量比で
溶融混合したものを成分Bとして押し出し機へ供給し
た。一方、成分Aとしては、二酸化チタンを0.05重
量%含有するポリエチレンテレフタレートを用い(極限
粘度〔η〕=0.65)別の押出機で溶融押し出しし、
紡糸温度295℃で成分Aを鞘成分、成分Bを芯成分と
なるようにノズル部で合流し、複合重量比A:Bを2:
1とし、断面を図1のような形状にして、紡糸速度10
00m/分で巻き取った。得られた紡糸原糸をホットロ
ーラー75℃。プレート140℃、延伸倍率3.4倍の
条件で延伸し、75デニール/24フィラメントのマル
チフィラメントを得た。このマルチフィラメントの繊維
を構成する芯ポリマーをトルエンにより抽出し、その分
子量分布をチェックしたところ原料と殆んど同じであ
り、このことよりMFR値に変化がないことが確認でき
た。このマルチフィラメント糸の断面形状を顕微鏡によ
り観察したところ、芯鞘比率がいずれの繊維においても
また長さ方向においてもほぼ一定であり、かつ芯成分が
鞘成分により完全に覆われており、さらに極めて均質的
に優れ、毛羽も無かった。
【0044】この得られた延伸糸を用い、経密度95本
/インチ、緯密度60本/インチの織密度で平織物を作
製し、精錬仕上げを行い、測定用試料とした。以上の製
造工程において、紡糸工程でのA格率は98%、延伸工
程でのA格率は93%で極めて良好であった。更に織物
作製の際の工程性、さらにその後工程性は共に良好であ
った。紫外線遮蔽性を測定したところ、極めて良好な紫
外線遮蔽性であることが判明した。
【0045】比較例1 実施例1において、成分B中にヒドロキシ−第三ブチル
フェニル系化合物を全く含まない以外は実施例1と同一
のポリマーおよび同一の条件下で繊維化を行った。しか
しながら、紡糸パック内で成分Bポリマーが熱分解し
て、分解ガスにより気泡が繊維中に発生し、その結果、
紡糸時に単糸切れが発生し、良好な紡糸原糸を収率よく
得ることが出来なかった。
【0046】実施例2〜8 表2に示す条件に変更した以外は実施例1と同様の方法
で実施した。工程性は良好で、繊維の断面形状や均質性
は共に良好であり、しかも紫外線遮蔽性も良好なレベル
にあった。
【0047】実施例9〜13 実施例9は成分Aとしてポリブチレンテレフタレートを
用い、実施例10は成分Aとしてナイロン6を用い、実
施例11はヒドロキシ−第三ブチルフェニル系化合物と
して下記化14の化合物を用い、実施例12はヒドロキ
シ−第三ブチルフェニル系化合物として下記化15の化
合物を用い、実施例13はヒドロキシ−第三ブチルフェ
ニル系化合物として下記化16の化合物を用い、それぞ
れ紡糸したのち、巻き取る事なく連続して延伸する方法
で75デニール/24フィラメントの延伸糸を得た以外
は実施例1と同様の方法で実施した。得られたマルチフ
ィラメント糸の断面形状を顕微鏡により観察したとこ
ろ、いずれの糸も、実施例1と同様に芯鞘比率がマルチ
フィラメント糸中のどの繊維もほぼ同一で有り、極めて
均一性に優れ、毛羽も無かった。
【0048】
【化14】
【化15】
【化16】
【0049】比較例2 実施例1において、成分B中に二酸化チタンを添加しな
い以外は実施例1と同一の条件で繊維化を実施し、75
デニール/24フィラメントのマルチフィラメントを得
た。そして実施例1と同様に平織物を作製し、紫外線透
過率を調べた。紫外線遮蔽性は実施例1よりかなり低い
レベルであった。続いて、実施例1の織物と比較例2の
織物を左右半身づつに使用した長袖シャツを作製し、太
陽光の下で上半身に該長袖シャツのみを実際に5名の人
に着用させ、累計50時間の着用テストを実施した。そ
の結果を表3に示す。
【0050】また実施例1の織物と比較例2の織物を用
いて、それぞれ傘地として日傘を作製した。得られた日
傘について、紫外線の透過率を調べたところ、表2に示
す値とほぼ同等の値が得られた。更に、実施例1の織物
と比較例2の織物を用い、それぞれで同じ仕様の帽子を
作製した。実施例1のものは、比較例2のものに比べ
て、直射日光下で長時間着用していても頭部の蒸れが少
なく、快適なものであった。
【0051】実施例14〜18 成分B中の無機微粒子として表2に示すものを用いる以
外は実施例1と同様に実施した。実施例14は、平均粒
径0.4μmの二酸化チタン(紫外線性能:全く透過せ
ず)を15重量%および平均粒径0.5μmの酸化亜鉛
(紫外線性能:全く透過せず)を15重量%添加した例
である。実施例15は上記酸化亜鉛を20重量%、実施
例16は上記二酸化チタン15重量%および平均粒径
0.5μmの硫酸バリウム(紫外線性能:殆んど透過せ
ず)を15重量%用いた例であり、実施例17は、上記
二酸化チタンを15重量%および平均粒径0.1μmの
二酸化ケイ素(紫外線性能:殆んど透過せず)を15重
量%用いた例、そして実施例18は0.5μmのアルミ
ナ(紫外線性能:殆んど透過せず)を15重量%と上記
酸化チタン15重量%用いた例である。結果を表2に示
す。
【0052】実施例19〜20 実施例19は、成分Bポリマーとしてブロック共重合体
(b)を用い、実施例20は、成分Bポリマーとしてブ
ロック共重合体(c)を用いた以外は実施例1と同様の
方法で紡糸、延伸し、75デニール/24フィラメント
のマルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメ
ント糸の断面形状を顕微鏡により観察したところ、いず
れの糸も実施例1と同様に芯鞘比率がマルチフィラメン
ト糸中のどの繊維もほぼ同一であり、極めて均一性に優
れ、毛羽もなかった。
【0053】比較例3〜4 比較例3は成分Bポリマーとしてブロック共重合体
(d)を用い、比較例4は成分Bポリマーとしてブロッ
ク共重合体(e)を用いた以外は実施例1と同様にして
紡糸を実施した。いずれも紡糸時に成分Bポリマーの分
解が激しく、繊維化が不能であった。
【0054】実施例21 成分Aとして、二酸化チタンを0.05重量%含有する
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を全酸成分に対して
1.7モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを
用いる以外は実施例1と同様にして75デニール/24
フィラメントのマルチフィラメントを得た。このマルチ
フィラメントの繊維を構成する芯ポリマーをトルエンに
より抽出し、その分子量分布をチェックしたところ原料
と殆んど同じであり、このことよりMFR値に変化がな
いことが確認できた。このマルチフィラメント糸の断面
形状を顕微鏡により観察したところ、芯鞘比率がいずれ
の繊維においてもまた長さ方向においてもほぼ一定であ
り、かつ芯成分が鞘成分により完全に覆われており、さ
らに極めて均質性に優れ、毛羽も無かった。
【0055】この得られた延伸糸を用い、経密度95本
/インチ、緯密度60本/インチの織密度で平織物を作
製し、精錬仕上げを行い、測定用試料とした。以上の製
造工程において、紡糸性、延伸性および織物作製の際の
工程性、さらにその後工程性は共に良好であった。紫外
線遮蔽性を測定したところ、極めて良好な紫外線遮蔽性
であることが判明した。また得られた平織物を以下の条
件でカオチン染料で染色した。 Cathilon Brill Red 4GH 2%owf Na↓2SO↓4 2g/l 酢酸(氷酢酸) 1%owf 酢酸ナトリウム 0.5%owf 浴比 50:1 120℃×1時間 後述する比較例5における分散染料で染色した染色後の
織物と比較して、比較例5のものは鮮明性の劣るもので
あったが、実施例19のものは鮮明な極めて良好な発色
性を有していた。
【0056】比較例5 成分Aとして二酸化チタン0.05重量%含有のポリエ
チレンテレフタレートを用いた以外は、実施例21と同
様の条件で繊維化し、織物を作製した。得られた平織物
を以下の条件で分散染料で染色した。 Sumikaron Red SE−RPD 2%owf 分散剤 ニッカサンソルト#7000 0.5%/l pH調節剤 硫酸アンモニウム 1g/l 酢酸(48%) 1cc/l 浴比 50:1 130℃×1時間 実施例21と比較して、鮮明性で代表される発色性は不
良であった。
【0057】比較例6 実施例21において、成分B中にヒドロキシ−第三ブチ
ルフェニル系化合物を全く含まない以外は実施例21と
同一のポリマーおよび同一の条件下で繊維化を行った。
しかしながら、紡糸パック内で成分Bポリマーが熱分解
して、分解ガスにより気泡が繊維中に発生し、その結
果、紡糸時に単糸切れが発生し、良好な紡糸原糸を収率
よく得ることが出来なかった。
【0058】実施例22〜28 表5に示す条件に変更した以外は実施例21と同様の方
法で実施した。工程性は良好で、繊維の断面形状や均質
性は共に良好であり、しかも紫外線遮蔽性も良好なレベ
ルにあった。しかも染色物は鮮明性においても極めて優
れたものであった。
【0059】実施例29〜33 実施例29は成分Aポリマーとして5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を2.5モル%共重合したポリエチレン
テレフタレートを用い、実施例30は成分Aポリマーと
して5−ナトリウムスルホイソフタル酸を4.5モル%
共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、実施例
31はヒドロキシ−第三ブチルフェニル系化合物として
下記化14の化合物を用い、実施例32はヒドロキシ−
第三ブチルフェニル系化合物として下記15の化合物を
用い、実施例33はヒドロキシ−第三ブチルフェニル系
化合物として下記16の化合物を用い、それぞれ紡糸し
たのち、巻き取る事なく連続して延伸する方法で75デ
ニール/24フィラメントの延伸糸を得た以外は実施例
21と同様の方法で実施した。得られたマルチフィラメ
ント糸の断面形状を顕微鏡により観察したところ、いず
れの糸も、実施例21と同様に芯鞘比率がマルチフィラ
メント糸中のどの繊維もほぼ同一で有り、極めて均一性
に優れ、毛羽も無かった。さらに染色後の色の鮮明性に
おいても極めて優れたものであった。
【0060】比較例7 実施例21において、成分B中に二酸化チタンを添加し
ない以外は実施例21と同一の条件で繊維化を実施し、
75デニール/24フィラメントのマルチフィラメント
を得た。そして実施例21と同様に平織物を作製し、紫
外線透過率を調べた。紫外線遮蔽性は実施例21よりか
なり低いレベルであった。また実施例21と同様に染色
を行なったところ、鮮明性は優れたものであった。
【0061】実施例34〜38 成分B中の無機微粒子として表5に示すものを用いる以
外は実施例21と同様に実施した。実施例34は、平均
粒径0.4μmの二酸化チタン(紫外線性能:全く透過
せず)を15重量%および平均粒径0.5μmの酸化亜
鉛(紫外線性能:全く透過せず)を15重量%添加した
例である。実施例35は上記酸化亜鉛を20重量%、実
施例36は上記二酸化チタン15重量%および平均粒径
0.5μmの硫酸バリウム(紫外線性能:全く透過せ
ず)を15重量%用いた例であり、実施例37は、上記
二酸化チタンを15重量%および平均粒径0.1μmの
二酸化ケイ素(紫外線性能:殆んど透過せず)を15重
量%用いた例、そして実施例38は0.5μmのアルミ
ナ(紫外線性能:殆んど透過せず)を15重量%と上記
酸化チタン15重量%用いた例である。結果を表5に示
す。
【0062】比較例8 成分Bポリマーとして、ブロック共重合体(e)を用い
た以外は実施例21と同様の条件で実施したが、紡糸時
に成分Bポリマーの分解が激しく繊維化不能であった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合繊維の断面形状の一例を示した図
である。
【図2】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【図3】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【図4】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【図5】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【図6】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【図7】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【図8】本発明の複合繊維の断面形状の別の一例を示し
た図である。
【符号の説明】
A 繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる保護ポリマー
層成分 B ブロック共重合体層成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−289118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/00 - 8/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性熱可塑性ポリマーからなる保
    護ポリマー層成分(A)および無機微粒子を含有するポ
    リマー層成分(B)から構成されている、単糸繊度が8
    デニール以下ならびに繊維横断面周長の60%以上が成
    分(A)である繊維であって、(I) 成分(B)中に
    占める無機微粒子の量が5〜85重量%であり、(II)
    成分(B)中に、ヒドロキシル基がブチル基に対して
    オルト位に位置しているヒドロキシ−第三ブチルフェニ
    ル系化合物が成分(B)を構成するポリマーに対して
    0.1重量%以上添加されており、(III) 成分
    (B)を構成するポリマーが、1つのブロックの数平均
    分子量が4000〜50000のポリ芳香族ビニルブロ
    ックと1つのブロックの数平均分子量が10000〜1
    50000のポリ共役ジエンブロックからなるブロック
    共重合体であって、かつ該共役ジエンブロックの共役ジ
    エンに基づく二重結合の30%以上が水素添加された、
    数平均分子量が30000〜250000のものである
    複合繊維。
  2. 【請求項2】 保護ポリマー層成分(A)が芳香族に結
    合した−SO↓3M基(ただし、Mは水素原子、金属原
    子、アルキルホスホニウム基のいずれかである)を有す
    る二官能性単量体が共重合されたポリエステルであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 保護ポリマー層成分(A)を鞘、無機微
    粒子を含有するポリマー層成分(B)を芯とする芯鞘型
    複合繊維であることを特徴とする請求項1に記載の複合
    繊維。
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