JP3122762B2 - 2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素、アミノ酸配列、遺伝子塩基配列 - Google Patents
2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素、アミノ酸配列、遺伝子塩基配列Info
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リン酸より2−デオキシ−シロ−イノソース(2−De
oxy−scyllo−inosose)を合成する反
応を触媒する、2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵
素、当該酵素のアミノ酸配列、及びアミノ酸配列をコー
ド化する遺伝子塩基配列に関する。
I)合成酵素は、グルコース−6−リン酸(G−6−
P)を基質として、2−デオキシ−シロ−イノソース
(DOI)を合成する反応を触媒する環化酵素である
(図1)。DOI合成酵素は2−デオキシストレプタミ
ンをアグリコンとして含有するアミノグリコシド抗生物
質の生合成に関与する酵素であり、その生成物であるD
OIは、医薬原料や化学工業資源として有用な物質であ
る。これまでDOIを合成する方法は多段階の反応と有
害又は高価な金属を使用する方法があるのみで、短工程
の方法はこれまで知られていなかった。
を考えると、当該酵素を他の微生物に導入する事によ
り、多量に存在しているグルコースを原料として、有用
資源であるDOIを効率的に、短工程で生産できる可能
性がある。これまで、DOI合成酵素について、その存
在は予想されていたものの、実態は明らかではなく、当
該酵素の性質は明らかにされていなかった。また、当該
酵素の単離、精製は成功しておらず、産業上利用するに
は至らなかった。
を産業上利用する手段を得る目的で、本発明者らは土壌
より分離した細菌バチルスサーキュランスSANK72
073よりDOI合成酵素を精製し、その酵素の特性を
明らかにした。更に、当該酵素のアミノ酸配列及びアミ
ノ酸配列をコード化する遺伝子の塩基配列を初めて明ら
かにした。更にDOI合成酵素を大腸菌に発現させて、
組み換えDOI合成酵素の性質を明らかにした。
ーキュランス(B.circulans)SANK72
073の懸濁液を、栄養グリセロール培地(1%肉エキ
ス、1%ペプトン、0.5%NaCl、1%グリセロー
ル)中で培養した。660nmにおけるODが7.0−
9.0になるまで、28℃においてロータリーシェーカ
ー上で前培養を行った。前培養を行った一部を採取し
て、ODが8.0−9.0になるまで更に培養を行っ
た。遠心分離(6000g、30分、4℃)を行って細
胞を回収し、50mMのTris−HClバッファー溶
液(pH7.7)で洗浄した(6000g、30分、4
℃)。
irculans細胞(湿重量で80g)を、50μM
phenylmethanesulfonyl fl
uoride(PMSF)と50μM EDTAを含む
240mlのTris−HClバッファー中に懸濁し、
氷浴中0℃において、ブランソンソニファイアー250
型でソニケーションを行った。ソニケーションの後、6
000gで30分間遠心分離を行い、上清について定法
により硫酸アンモニウム(硫安)沈殿を行った。40−
70%飽和の硫安沈殿で得られた沈殿物につき、50μ
M PMSFと50μM EDTAを含む50mM T
ris−HClバッファー(pH7.7)中で4℃で一
晩透析を行った。透析物を50mM Tris−HCl
バッファー(pH7.7)で平衡化したDEAEセルロ
ファインA−800カラム(チッソ)に流し込み、カラ
ムに吸着したタンパク質を0M(300ml)から0.
4M(300ml)のNaCl濃度勾配により溶出し
た。DOI合成酵素活性は、NaCl濃度が0.2M付
近で検出された。
コン)で10mlまで濃縮し、50mM Tris−H
Clバッファー(pH7.7)で平衡化した、TSK−
gel AF−Blue Toyopearl 650
ML(トーソー)に濃縮サンプルを流し込んだ。吸着し
たタンパク質を、1MのNaClを含む同様のバッファ
ーで溶出した。活性画分を同様に2mlまで濃縮して、
0.1MのNaClを含む50mM Tris−HCl
バッファー(pH7.7)で平衡化したHiLoad
26/60 Superdex 200pg(FPL
C)に、濃縮サンプルを流し込んだ。活性画分を同様に
2mlまで濃縮して、0.1MのNaClを含む50m
M Tris−HClバッファー(pH7.7)で平衡
化したMono Q HR10/10(FPLC)に、
濃縮サンプルを流し込んだ。吸着したタンパク質は、N
aCl濃度0.13Mから0.16Mにおいて溶出され
た。酵素活性は、NaCl濃度0.14Mにおいて検出
された。図2に、DOI合成酵素の精製の各段階におけ
るSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−P
AGE)のパターンを示す。レーン1は精製前の細胞抽
出液、レーン2は硫安沈殿後、レーン3はDEAE精製
後、レーン4はTSK−gel AF−Blue To
yopearl 650ML精製後、レーン5はSup
erdex200精製後、レーン6はMonoQ精製
後、レーン7は分子量マーカーを示す。また、表1にD
OI精製の各段階における精製率を示す。
精製 段階 総タンパク量 総活性 比活性b)精製ファクターb)回収率b) (mg) (U) (U/mg) (%) 抽出物 5516 n.d. a) n.d. a) n.d.a) n.d. a) 40-70% 2431 n.d. a) n.d. a) n.d. a) n.d. a) (NH4)2SO4 DEAE 817 99.7 0.122 1 100 BlueC) 119 42.4 0.356 2.87 42.5 Sephadex 200 9.787 60.8 6.23 51.1 61.0 Mono Q 0.778 14.1 18.1 148 14.1 a)未決定 b)DEAEクロマトグラフィーの後に計算した c)TSK−gel AF−Blue Toyopearl 650ML
より得られた酵素の分子量をSDS−PAGEにより解
析したところ、42kDaと23kDaの二つのペプチ
ドが検出された(図2、レーン7)。一方、ネイティブ
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Native−PA
GE)を行ったところ単一のバンドが検出された(図
3)。更に、ゲル濾過クロマトグラフィー(TSK−g
el G3000SW)を行ったところ、未変性条件下
では単一のバンドとして検出されたが、0.1%SDS
を含有する変性条件下では二つのペプチドに分離して検
出され、等電点クロマトグラフィー(Mono PHR
5/20)を行ったところ、単一のバンドが検出され
た。以上の結果は、得られた酵素は42kDaと23k
Daのペプチドより成る、65kDaの二量体タンパク
質である事を示している。
シ−シロ−イノソース(DOI)合成酵素活性は、HP
LC法を用いて検出した。一定量の酵素溶液(70μ
l)を、5mM G−6−P、5mMNAD+ 及び5m
M CoCl2 を含む50mMのTris−HCl(p
H7.7、最終容量100μl)と混合し、46℃で一
時間インキュベートした。100μlのメタノールを添
加して、反応を停止した。得られた混合液に、塩酸O−
(4−ニトロベンジル)ヒドロキシルアミン(NBH
A)のピリジン溶液(5mg/ml)を20μl添加し
て、オキシム誘導体を生成させた。溶液全体を60℃で
一時間加熱した後、空気を流し込んで溶媒を除去した。
残査を2mlのクロロフォルムとメタノールの混合液
(20:1)に溶解し、Sep−Pakプラスシリカに
流し込んだ。DOIのO−(4−ニトロベンジル)オキ
シム誘導体を、クロロフォルムとメタノールの混合液
(5:1)により溶出した。溶出液をエバポレートし
て、残査を100μlのメタノールに溶解した。溶液の
一部(5μl)をTSK−gel ODS−80TM
CTRカラム(東ソー)に注入して、262nmにおけ
る紫外線吸収を測定した。DOIのO−(4−ニトロベ
ンジル)オキシム誘導体の量を、標準曲線法により定量
した。酵素活性の1ユニットは、1分間に1nmolの
DOIを生成すると定義した。
活性に及ぼすpHの影響を検討したところ、pH7.5
から8.5にかけて最大活性が検出された(図4)。N
AD+ 及びコバルトイオンの存在下における温度の影響
を検討したところ、DOI合成酵素は46℃において最
大活性を示した(図5)。一方、NAD+ 及びコバルト
イオンの非存在下では46℃において活性が失われ、N
AD+ 及びコバルトイオンは酵素反応に用いられるのみ
ならず、DOI合成酵素の安定化に作用しているものと
思われる。更に、種々の二価金属イオンが、DOI合成
酵素活性に及ぼす影響を検討した(表2)。EDTAの
存在下においては酵素活性が認められなかった事より、
金属イオンの存在はDOI合成酵素反応に必須であると
思われる。また、コバルトイオンは最も酵素活性を高め
る作用を有したが、マグネシウム、カルシウム、マンガ
ンイオンは酵素活性に影響を与えなかった。一方、銅、
亜鉛イオンは酵素活性を低下させた。
ぼす影響 添加イオン Vmax 添加イオン Vmax なし 0.353 Co2+ 1 Mg2+ 0.398 Ni2+ 0.163 Ca2+ 0.367 Cu2+ 0 Mn2+ 0.376 Zn2+ 0 Fe2+ 0.099 EDTA 0
論の解析に先立ち、DOI合成酵素反応の経時変化を検
討したところ、反応開始より2時間後に反応速度は低下
した。そこで、反応速度論解析においては反応開始後1
時間で反応を停止した。酵素反応の速度定数(Kcat 値
及びK m 値)を、DOI合成反応の初期速度よりライン
ウェーバーバークプロットを行う事により求めた。その
結果、46℃、pH7.7におけるG−6−Pに対する
Km 値は9.0X10-4M、NADに対するKm 値は
1.7X10-4Mであり、Kcat 値は7.3X10-2s
-1、そしてKcat /Km は82M-1s-1であった。
定)B.circulansより精製されたDOI合成
酵素の42kDaと23kDaのサブユニットを、1
2.5%のトリシン−SDS−PAGEで分離を行っ
た。電気泳動を行った後、エレクトロブロッティングに
より、タンパク質をゲルからPVDF膜へ転写した。ク
マシーブリリアントブルーにより染色を行って二つのバ
ンドを切り取り、ペプチドシークエンサー(島津、PP
SQ−21)により配列決定を行った。
決定されたN末端アミノ酸配列の一部分(FNFAFG
EHV)に基づき、40kA(5’−TTYGCNTT
YGGNGARCAYGT−3’)と40kB(5’−
TCNCCRAANGCRAARTTRAA−3’)の
オリゴヌクレオチドを設計して合成して、3’末端をD
IG(ジゴキシゲニン−11−dUTP)でラベルし
た。B.circulansの染色体DNAを制限酵素
により切断し、得られた加水分解物をアガロースゲル電
気泳動で分離を行い、DNA断片をブロッティング膜
(ゼータプローブGTゲノミックテスティッドブロッテ
ィング膜 バイオラッド)に転写した。ハイブリダイゼ
ーションは、キットの標準プロトコールに従って行っ
た。オリゴヌクレオチド(20mer)については50
℃、より長いサイズのDNAについては65℃でハイブ
リダイゼーションを行った。オリゴヌクレオチドについ
ては2XSSCで50℃、大きなサイズのDNAについ
ては1XSSCで65℃で、洗浄を行った。ハイブリダ
イズしたバンドは、DIG蛍光検出キット(ベーリンガ
ーマンハイム)で検出した。
A断片の中で、染色体DNAをEcoRIで分解して得
られた4.2kbpの断片を選択し、pUC19と結合
させた。得られたプラスミドを用いて、大腸菌JM10
5の形質転換を行った。形質転換体を、アンピシリン
(50μg/ml)、イソプロピル−β−D−チオガラ
クトピラノシド(IPTG)(200μg/ml)及び
5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガ
ラクトピラノシド(40μg/ml)を含むLuria
−Bertani(LB)寒天培地で選択を行った。形
質転換体をハイボンド−N+膜(アマシャム)に転写し
て、可溶化し、DNAを固定した。同じDIGプローブ
を用いてコロニーハイブリダイゼーションをして、更に
スクリーニングを行った。
定)その結果、陽性クローンであるpDS1が得られ、
その塩基配列を決定した。。pDS1の、種々の制限酵
素断片の塩基配列を、サーモシークエナーゼサイクルシ
ークエンシングキット(アマシャム)、M13順方向プ
ライマー、M13逆方向プライマー(アマシャム)、及
びDNAシークエンサー(Li−cor4200型)を
用いて、ジデオキシヌクレオチド法により決定した。両
鎖の全配列は、DNAを用いて決定した。DNA配列は
GENETYXプログラム(ソフトウェアディベロップ
メント)により解析し、3つの読み枠が存在することが
判った。ネット上においてBLAST及びFESTAソ
フトウェアを用いて、EMBL、ジーンバンク又はSW
ISSPROTデータライブラリーに対して相同性検索
を行った。その結果、pDS1がコード化する推定アミ
ノ酸配列には、上述したDOI合成酵素のN末端アミノ
酸配列と完全に一致する部分が含まれていた。しかし、
pDS1には42kDaサブユニットをコード化する遺
伝子の一部しか含まれていなかった。
mHI−EcoRI断片を、全体の遺伝子を拾うプロー
ブとして設計した。そのプローブを用いて同様のサザン
ハイブリダイゼーションを行った結果、4.0kbpの
BamHI−PstI断片(pDS2)が同定され、p
UC19と結合させて、得られた形質転換体について同
様のプローブを用いて、コロニーハイブリダイゼーショ
ンでスクリーニングを行った。その結果pDS2を同定
することができ、その塩基配列をpDS1と同じ方法で
決定した。そのようにして、pDS2にはDOI合成酵
素の配列番号1に示す42kDaサブユニット遺伝子の
全体が含まれていると、分子サイズから推定された。D
OI合成酵素遺伝子の配列より、当該遺伝子は368ア
ミノ酸より成る、分子量40746Daのポリペプチド
(配列番号2)をコード化していることが判った。
成酵素遺伝子の機能を確認するために、当該遺伝子の大
量発現を試みた。pDS2をテンプレートとして、40
kf(5’−GGTGGAGGATCCATATGAC
GACTAA−3’)及び40kr(5’−AAAGC
AAGCTTATCCTGGTTCATCC−3’)
(アマシャムファルマシア)をプライマーとして用い
て、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、DOI合
成酵素遺伝子を増幅した。PCRは、UITma DN
Aポリメラーゼ(ロッシュ)を用いて、遺伝子増幅PC
Rシステム9700(パーキンエルマー、アプライトバ
イオサイエンス)により行った。50μgのpDS2
DNA、60pmolの両プライマー及び0.25mM
のdNTPsを、インキュベーションバッファー中に添
加して、反応(100μl)を行った。PCRは、95
℃で1分間最初に変性を行った後に酵素を添加して、引
き続き95℃で30秒間、60℃で45秒間、72℃で
30秒間を30サイクル行い、更に72℃で7分間反応
する事により行った。PCRにより増幅された生成物を
BamHI及びHindIIIにより分解して、更にp
UC19の適切な部位中へクローン化して、得られたp
DS3を単離した。
I−HindIIIで分解する事により、挿入したDN
Aをプラスミドから切り離して、発現ベクターpET3
0b(+)のNdeI−HindIIIサイトへ結合し
た。得られたpDS4により、大腸菌BL21(DE
3)を形質転換した。pDS4を含む形質転換体を、6
00nmにおけるODが0.6に達するまで、37℃で
前培養して、その一部分を培養培地に接種した。600
nmにおけるODが0.6に達するまで37℃で震盪培
養を行い、IPTGを添加して(最終濃度0.4m
M)、培養を更に2−3時間続けた。遠心分離(400
0g、10分、4℃)により細胞を回収して、0.2m
M CoCl2 を含む50mM Tris−HClバッ
ファー(pH7.7)で洗浄した。大腸菌(pDS4)
中において発現したDOI合成酵素(組み換えDOI合
成酵素)は全可溶性タンパク質の20%にも達した。図
6はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動のパターン
であり、レーン1は分子量マーカー、レーン2はpET
30bを含む大腸菌抽出物、レーン3はIPTG誘導後
のpET30bを含む大腸菌抽出物、レーン4はpDS
4を含む大腸菌抽出物、レーン5はIPTG誘導後のp
DS4を含む大腸菌抽出物、レーン6はB.circu
lans由来の天然DOI合成酵素である。
DS4により形質転換した大腸菌を0.2mM CoC
l2 を含む50mMTris−HClバッファー(pH
7.7)に懸濁して(150ml中に、湿細胞5g)、
氷冷下(0℃)ブランソンソニファイアー250型によ
り細胞破砕(2分間、10回)を行った。細胞破砕の後
に遠心分離(12000g、30分)を行い、上清を採
種して無細胞系の酵素反応に使用した。5mlの無細胞
抽出液に、基質としてグルコース6−リン酸又は[6,
6− 2H2 ]−グルコース6−リン酸、5mMのNAD
+ 及び5mMのCo2+を添加して、46℃で2時間イン
キュベートして酵素反応を行った。反応生成物のO−
(4−ニトロベンジル)オキシム誘導体化を行い、薄層
クロマトグラフィーにより精製した(メルク、キーゼル
ゲルF254 )。8.4mgのグルコース6−リン酸よ
り、予期した反応産物である、約3mgのDOIのO−
(4−ニトロベンジル)オキシム誘導体が得られた。生
成物について1 H−NMR及び2 H−NMRスペクトル
により確認を行った。 1H−NMR(300MHz,C
D3 OD)δ:1.90(dd,J=10.9,13.
8Hz,H−2ax)、3.19(t,J=8.8H
z,H−4)、3.51(dd,J=4.9,13.8
Hz,H−2eq)、3.3−3.4(H−3、H−
5)、4.03(d,9.0Hz,H−6)、5.25
(s)、7.58(d,8.5Hz)、8.21(d,
8.5Hz)。[6,6− 2H 2 ]−グルコース6−リ
ン酸由来のDOI生成物の類似の誘導体の2 H−NMR
(61.4MHz,CH3 OH)δ:1.82、3.4
6。これらの結果より予期した反応生成物が確認され、
23kDaサブユニットの非存在下においても大腸菌発
現産物はDOI合成酵素反応を触媒し、得られたタンパ
ク質は組み換えDOI合成酵素である事が証明された。
ている間、DOI合成酵素は硫安沈殿及び透析の条件
下、凝集する傾向を示した。また、コバルトイオンの非
存在下で50mMTris−HClバッファー中におい
て貯蔵した場合には短期間の貯蔵であっても酵素活性は
消失した。これらの結果は、組み換えDOI合成酵素は
天然の酵素と比較して、タンパク質安定性という点にお
いて異なっている。そこで、組み換え2−DOI合成酵
素の場合には、下記に示す、天然酵素と異なる精製方法
を用いた。組み換え2−DOI合成酵素は、0.2mM
CoCl2 を含む50mMTris−HClバッファ
ー(pH7.7)中において取り扱った。4℃又−75
℃で貯蔵した場合でさえも、10日間貯蔵した後には精
製した酵素の約60%が失活した。
l2 を含む50mM Tris−HClバッファー(p
H7.7)で平衡化したDEAE−Sepharose
Fast Flowカラムにかけた。吸着したタンパ
ク質を0M NaCl(300ml)から0.4M N
aCl(300ml)のリニアグラジエントにより溶出
した。DOI合成酵素活性は、0.2MのNaCl画分
付近で検出された。活性画分をセントリプレップ−10
(アミコン)により10mlまで濃縮した。濃縮液を
0.1M NaClと0.2mM CoCl2 を含む5
0mMTris−HClバッファー(pH7.7)で平
衡化したHiLoad26/60Superdex20
0pg(FPLC)にかけて、同様に活性画分を得た。
図6のレーン7は組み換えDOI合成酵素はSDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動のパターンであり、42k
Daの単一のバンドを示した。表3に組み換えDOI精
製の各段階における精製率を示す。
添加する金属イオン又は温度に対する、組み換えDOI
合成酵素の活性の特性を検討した。pH6.5から8.
0については50mMのMOPS−KOHバッファー、
pH7.0−9.0についてはTris−HClバッフ
ァーを用いて検討した。組み換えDOI合成酵素の活性
は、天然DOI合成酵素で用いたHPLC法にを改変し
て測定した。1μlの酵素調製液を、10μlの50m
Mグルコース6−リン酸、10μlの50mM NAD
+ 及び79μlの0.2mM CoCl2 を含む50m
MTris−HClバッファー(pH7.7、最終反応
量100μl、グルコース6−リン酸及びNAD+ の最
終濃度5mM)と混合して、46℃で5分間インキュベ
ートを行った。その後は、前に述べたHPLC法によ
り,酵素活性を測定した。組み換えDOI合成酵素の酵
素反応に及ぼすpHの影響を、図7に示す。図7より、
最大活性は、pH7.5から8.5の間で認められた。
図7において、四角の点はMOPS−KOHバッファ
ー、丸の点はTris−HClバッファーを用いて検討
した結果を示す。
て検討を行った。至適な反応温度条件については、15
℃から55℃の間で酵素反応を行う事により検討した。
図8の四角の点に示すように、5分間の酵素反応では、
NAD+ 及びCo2+を含む条件下では、55℃付近で最
大活性が認められた。20℃から60℃で5分間処理し
た後に残った酵素活性を測定する事により温度安定性を
検討したところ、図8の丸の点で示すように、50℃以
上では酵素活性が低下した。組み換えDOI合成酵素
は、50℃以上で変性してしまうものと思われる。更
に、二価金属イオン要求性について、1mMのコバル
ト、マグネシウム、マンガン、銅、鉄、カルシウム、亜
鉛及びニッケルイオンの存在下で解析を行った(表
4)。コバルトイオンの存在は組み換えDOI合成酵素
にとって必須であり、前に述べた様に、コバルトイオン
の非存在下においては組み換えDOI合成酵素を精製す
る事はできなかった。また、EDTAの存在下において
は、酵素活性は消失した。マグネシウム、カルシウム、
マンガン及び鉄は酵素活性を促進も抑制も行わなかった
が、銅及び亜鉛は酵素活性を強力に抑制した。
及ぼす影響 添加イオン 相対的Vmax 添加イオン 相対的Vmax なし 1.00 Co2+ 1 Mg2+ 1.06 Ni 0.79 Ca2+ 0.87 Cu 0.43 Mn2+ 0.93 Zn 0.05 Fe2+ 0.93 EDTA 0
2μMの組み換えDOI合成酵素を用いて、酵素反応の
経時変化を検討した。その結果、反応開始後30分間は
一定の初速度を示した。反応開始後5分で反応を止め
て、DOI合成反応の初期速度よりラインウェーバーバ
ークプロットを行う事により、酵素反応の速度定数(K
cat 値及びKm 値)を求めた。その結果、46℃、pH
7.7におけるグルコース−6−リン酸に対するKm 値
は2.1X10-4M、Kcat 値は1.0s-1であり、K
cat /Km は4.8X103 M-1s -1であった。また、
NADに対するKm 値は2.3X10-5Mであった。
より2−デオキシ−シロ−イノソースを合成する反応を
触媒する2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素が精
製されて、当該酵素のアミノ酸配列、及びアミノ酸配列
をコード化する遺伝子塩基配列が与えられた。
り触媒される反応。
酵素のSDS−PAGEのパターン。
酵素のnative PAGEのパターン。
に及ぼす、pHの影響。
に及ぼす、温度の影響。
の、IPTG誘導前後のSDS−PAGEのパターン、
及び精製した、天然及び組み換え2−デオキシ−シロ−
イノソース合成酵素のSDS−PAGEのパターン。
酵素活性に及ぼす、pHの影響。
酵素活性に及ぼす、温度の影響。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記の性質を有する2−デオキシ−シロ
−イノソース合成酵素: (1)グルコース−6−リン酸より2−デオキシ−シロ
−イノソースを生成する反応を触媒し; (2)42kDaと23kDaのペプチドより成る二量
体タンパク質であり; (3)コバルトイオンの存在下において酵素活性が促進
され; (4)鉄、亜鉛、銅イオンの存在下において酵素活性が
抑制され; (5)NAD+ を補酵素として反応を行う。 - 【請求項2】 以下の(a)または(b)に示す塩基配
列からなることを特徴とする、遺伝子。 (a)配列表の配列番号1に示す、塩基番号1−110
7で示される塩基配列からなることを特徴とする、遺伝
子。 (b)2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素活性を
有するポリペプチドをコードし、(a)の一部が欠失、
置換若しくは付加された、遺伝子。 - 【請求項3】 バチルスサーキュランスSANK720
73の2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素42k
Daサブユニットを暗号化する、請求項2記載の遺伝
子。 - 【請求項4】 以下の(c)または(d)に示すアミノ
酸配列からなることを特徴とする、ポリペプチド。 (c)配列表の配列番号2に示す、アミノ酸番号1−3
68で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とす
る、ポリペプチド。 (d)2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素活性を
有し、(c)の一部が欠失、置換若しくは付加された、
ポリペプチド。 - 【請求項5】 バチルスサーキュランスSANK720
73の2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素42k
Daサブユニットに由来する、請求項4記載のポリペプ
チド。 - 【請求項6】 グルコース−6−リン酸を原料として、
請求項1記載の2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵
素を用いた触媒反応により2−デオキシ−シロ−イノソ
ースを製造する、製造方法。 - 【請求項7】 請求項2記載の遺伝子を挿入した、大腸
菌形質転換体。 - 【請求項8】 請求項2記載の遺伝子を大腸菌内で発現
させる事により得られる、組み換え2−デオキシ−シロ
−イノソース合成酵素。 - 【請求項9】 グルコース−6−リン酸を原料として、
請求項8記載の組み換え2−デオキシ−シロ−イノソー
ス合成酵素を用いた触媒反応により2−デオキシ−シロ
−イノソースを製造する、製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP11042955A JP3122762B2 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | 2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素、アミノ酸配列、遺伝子塩基配列 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11042955A JP3122762B2 (ja) | 1999-02-22 | 1999-02-22 | 2−デオキシ−シロ−イノソース合成酵素、アミノ酸配列、遺伝子塩基配列 |
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-
1999
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