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JP3130082B2 - 生体適合性に優れた透過膜 - Google Patents
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JP3130082B2 - 生体適合性に優れた透過膜 - Google Patents

生体適合性に優れた透過膜

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JP3130082B2
JP3130082B2 JP03180578A JP18057891A JP3130082B2 JP 3130082 B2 JP3130082 B2 JP 3130082B2 JP 03180578 A JP03180578 A JP 03180578A JP 18057891 A JP18057891 A JP 18057891A JP 3130082 B2 JP3130082 B2 JP 3130082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透過膜に関するものであ
る。詳しく述べると本発明は生体適合性に優れかつ安全
性の高い透過膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野において透過膜の応用が
重要な役割を果たしている代表的な例として血液透析が
ある。腎機能を失った腎臓病患者は血液透析によって本
来腎臓が排泄するはずの代謝産物と余剰の水分を除去
し、体液中の電解質の濃度を一定に保ち、酸−塩基平衡
を維持している。従って、血液透析は、現在いわゆる人
工腎臓の代名詞となっているが、それだけにとどまら
ず、睡眠薬や農薬による薬物中毒の患者の血液中から薬
物を除去したり、人工肝臓として肝毒素の除去にも用い
られる重要な技術となっている。
【0003】従来、このような血液透析には、再生セル
ロース膜、セルロースアセテート膜等のセルロース系膜
が広く使用されている。これらのセルロース系膜は、低
分子量物質のクリアランスに関しては優れたものを有す
るが、中、高分子量物質のクリアランスは十分なものと
は言えず、また補体の活性や一過性白血球減少等の免疫
学的異変が生じる虞れが大きく、さらに血液との接触に
おいて血液の凝固が生じ、これを防止するために多量の
抗凝固剤を必要とするものであった。
【0004】さらに、これらのセルロース系膜の欠点を
解消することを目的として、各種の合成高分子からなる
透過膜、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリロ
ニトリル、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアミド等の親水性および疎水性高分子からなる
ものが提唱され、開発されている。
【0005】これらの合成高分子からなる透過膜は、透
過性能の面においてはセルロース系のものよりも優れた
ものが多いものの、親水性高分子からなるものにおいて
はその機械的強度が十分なものとはならず、また疎水性
高分子からなるものにおいては使用時に親水化処理を必
要とするといった繁雑さを有しており、またいずれにお
いてもその生体適合性といった面からは十分なものでは
なかった。
【0006】さらに、親水性セグメントと疎水性セグメ
ントとを有する共重合体、例えばアクリロニトリル−メ
タクリルスルフォン酸ナトリウム共重合体、ポリカーボ
ネート−ポリエーテルブロック共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体等(例えば、化学増刊84 バ
イオメディカルポリマー 化学同人社、第142〜14
5頁、膜利用技術ハンドブック 幸書房、第663〜7
13頁、特開昭59−193102号等参照のこと。)
からなる透過膜も開発されている。これらの親水性セグ
メントと疎水性セグメントとを有する共重合体からなる
透過膜は、一般的にその生体適合性においてもかなり優
れた特性を有するものであるが、未だ十分なものとは言
えず、かつ安全性、熱的安定性、機械的強度等の面ある
いは透水性、物質透過性等血液透過膜として本質的に必
要とされる特性等の面においても改善の余地の残るもの
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
新規な透過膜を提供することを目的とする。本発明はま
た、生体適合性に優れかつ安全性の高い透過膜を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記構造
式(1)、(2)、(3)または(4)
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】 (ただし、式中、R1 、R2 、R3 は各々炭素数2〜4
の直鎖または分岐のアルキレン基、R4 、R5 、R6
各々炭素数2〜36の脂肪族、脂環式または芳香族炭化
水素基を表し、またnは0〜180、mは1〜400で
ある。)で示される構成単位からなり、末端に炭素数1
〜22の炭化水素基を有する分子量10,000〜10
0,000のポリエーテルアミドであり、該炭化水素基
の数が該ポリエーテルアミドの全末端基の数の5〜10
0%である末端変性ポリアミドを湿式製膜して得られる
生体適合性に優れた透過膜によって達成される。
【0013】本発明はまた、湿式製膜の際に用いられる
上記ポリエーテルアミドの溶媒がリン酸またはギ酸、ト
ルフルオロ酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、ヘキ
サフルオロイソプロパノール、メタノール、N−メチル
ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルフォキシド、フェノール、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン等の有機溶媒、ならび
にこれらの溶媒に対して25重量%未満の量の水および
/または金属塩を添加してなるものの少なくともいずれ
か1つであり、また凝固液が水、グリコール類、グリセ
リンならびにこれらの混合物、またはこれらのものの含
有量を5重量%以上として、これらに上記したような溶
媒および/または金属塩を添加してなるものである透過
膜を示すものである。本発明はさらに、湿式製膜の際に
用いられる溶媒がギ酸であり、また凝固液が金属塩添加
含水アルコールである透過膜を示すものである。本発明
はさらに、凝固液が水/メタノール/金属塩または水/
メタノール/ジメチルスルフォキシド/金属塩であり、
かつ金属塩として塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化リチ
ウムから選ばれた少なくとも一種のものを用いるもので
ある透過膜を示すものである。
【0014】さらに本発明は、該ポリエーテルアミドが
球晶構造を有することにより生体適合性を有する透過膜
である。
【0015】
【作用】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説
明する。
【0016】本発明の透過膜は、下記構造式(1)、
(2)、(3)または(4)で示される構成単位からな
り、末端に炭素数1〜22の炭化水素基を有する分子量
10,000〜100,000のポリエーテルアミドで
あり、該炭化水素基の数が該ポリエーテルアミドの全末
端基の数の5〜100%である末端変性ポリアミドをそ
のマトリックスとするものである。
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】 上記一般式(1)〜(4)中、R1 、R2 、R3 は各
々、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレ
ン基等の炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基
であり、またnは0〜180、好ましくは0〜60の整
数である。
【0021】上記一般式(1)〜(4)中、R4 は炭素
数2〜36、好ましくは2〜11の脂肪族、脂環式また
は芳香族炭化水素基であり、後述するポリアミドの製造
に用いるラクタムまたはアミノカルボン酸の残基であ
る。R5 は炭素数2〜36、好ましくは2〜7の脂肪
族、脂環式または芳香族炭化水素基であり、後述するジ
アミンの残基である。R6 は炭素数2〜36、好ましく
は2〜11の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基で
あり、後述するジカルボン酸の残基である。またmは1
〜400、好ましくは1〜120の整数である。
【0022】本発明において用いられる一般式(1)〜
(4))で表わされる構成単位を有するポリエーテルア
ミドにおいて、ポリエーテルセグメントの含有量は、5
〜75重量%、好ましくは15〜55重量%が、得られ
る製品における生体適合性を良好なものとし、かつ機械
的強度および柔軟性のバランスをもたらせるという点か
ら好適である。
【0023】本発明において用いられる末端変性ポリエ
ーテルアミド樹脂は、上記のごとき一般式(1)〜
(4)で表される構成単位を有するポリエーテルアミド
の末端に一定の割合の炭化水素基を導入し、末端変性し
たものである。
【0024】ポリエーテルアミドに末端基としてその一
部ないしは全部に導入される炭化水素基(末端炭化水素
基)としては、炭素数1〜22、好ましくは6〜22、
より好ましくは12〜22のものであり、具体的には、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−
エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、テト
ラデシレン基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプ
タデシル基、オクタデシル基、オクタデシレン基、エイ
コシル基、ドコシル基のような脂肪族炭化水素基、シク
ロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシ
ルメチル基のような脂環式炭化水素基、フェニル基、ト
ルイル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基のような
芳香族炭化水素基等が挙げられる。このうち、特に脂肪
族炭化水素基、好ましくは直鎖のもの、更に好ましくは
炭素数12〜22の長鎖のアルキル基が望ましいもので
ある。
【0025】これらの末端炭化水素基は、ポリエーテル
アミドの製造時に後述するモノカルボン酸および/また
はモノアミンを使用することによって導入される。
【0026】本発明において用いられる上記のような構
造を有する末端変性ポリエーテルアミドの末端基として
は、上記末端炭化水素基の他に、後述するポリエーテル
アミド製造の原料に由来するアミノ基および/またはカ
ルボキシル基があるが、全末端基の数は、上記末端炭化
水素基、アミノ基および/またはカルボキシル基の数の
和である。本発明の透過膜において用いられるこの末端
変性ポリエーテルアミドにおいて、上記末端炭化水素基
の数は全末端基の数の5〜100%、好ましくは10〜
95%、より好ましくは10〜90%とされる。すなわ
ち、末端炭化水素基の数が全末端基の数の5%未満であ
ると、該ポリエーテルアミドの熱的安定性が低下し、該
ポリマーの溶融重合時あるいは製品の加熱滅菌時等に、
低分子臭気物質ないし低分子化合物の発生が見られる虞
れがあるためである。なお、このような熱安定性の面か
らは、炭化水素基の数を全末端基の数の100%近くに
することが望まれるが、製造的に容易でなくなるために
工業的見地からは、上記したようにある程度その導入度
合を抑えたものが望まれる。
【0027】また本発明において用いられる末端変性ポ
リエーテルアミドの平均分子量Mnは、10,000〜
100,000、より好ましくは15,000〜50,
000程度のものである。
【0028】さらに、本発明において用いられる末端変
性ポリエーテルアミドには、必要に応じて、結晶核形成
剤、可塑剤、耐熱剤、酸化防止剤、他の重合体等が添加
されていてもよい。
【0029】この一般式(1)〜(4)で表わされる構
成単位を有し、かつ末端が炭化水素基で変性されたポリ
エーテルアミドは、例えば末端にアミノ基またはカルボ
キシル基を有するポリエーテルと末端にカルボキシル基
またはアミノ基を有するポリアミドとを常法に基づき縮
合反応させアミド結合させる際において、ポリエーテル
アミドの末端基であるアミノ基およびカルボキシル基に
末端変性剤としてモノカルボン酸および/またはモノア
ミンを反応させることにより調製され得る。なお、末端
変性に使用されるモノカルボン酸および/またはモノア
ミンは、上記縮合反応開始時から減圧下の反応を始める
までの任意の段階で添加することができる。また、モノ
カルボン酸とモノアミンと併用するときは同時に加えて
も別々に加えてもよい。
【0030】末端にアミノ基またはカルボキシル基を有
するポリエーテルは、例えば、エチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロ
フランを開環重合する等して、ポリエチレンオキシド、
ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド
等のポリエーテルを得、これの末端ヒドロキシル基をア
ミノ基および/またはカルボキシル基に置換することに
より容易に得られる。上記アミノ基置換方法としては、
ヒドロキシル基の直接アミノ化またはシアノエチル化し
た後、還元アミノ化する方法が挙げられ、カルボキシル
基置換方法としては酸化カルボニル化による方法が挙げ
られる。
【0031】また末端にカルボキシル基およびアミノ基
を有するポリアミドは、3員環以上のラクタムの開環重
合、重合可能なアミノカルボン酸の重縮合またはジカル
ボン酸とジアミンの重縮合によって直接得ることができ
る。
【0032】さらに末端変性に用いられるモノカルボン
酸としては、通常、炭素数2〜23程度のモノカルボン
酸が使用され、具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペ
ラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、
トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ミリス
トレイン酸、オレイン酸、リノール酸のような脂肪族モ
ノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシク
ロヘキサンカルボン酸のような脂環式モノカルボン酸、
安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸
のような芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。なお、
反応中、上記酸と同じ役割を果し得る相当する誘導体、
例えば酸無水物、エステル、アミド等も使用することが
できる。
【0033】一方、モノアミンとしては、通常、炭素数
1〜22程度の各種モノアミンが使用され、具体的に
は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、
ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミ
ン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタ
デシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミ
ン、ドコシルアミン、オクタデシレンアミンのような脂
肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロ
ヘキシルアミンのような脂環式モノアミン、ベンジルア
ミン、β−フェニルエチルアミンのような芳香族モノア
ミン等が挙げられる。
【0034】本発明の透過膜は、上記したような一般式
(1)〜(4)で表される構成単位を有しかつ末端が炭
化水素基で変性されたポリエーテルアミドを、良溶媒に
溶解し、得られたポリエーテルアミド溶液を、例えば、
基板上等に流延するなどして所望形状となし、これを非
溶媒、ないしは貧溶媒からなる凝固液に接触させ、良溶
媒を抽出除去することにより凝固させて得られる。
【0035】該ポリエーテルアミドに対する良溶媒とし
ては、例えば、リン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、ジク
ロル酢酸、トリクロル酢酸、ヘキサフルオロイソプロパ
ノール、メタノール、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフ
ォキシド、フェノール、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等が用いられるが、このうち好ましくはギ酸
である。なおこれらのこれらの有機溶媒に対して25重
量%未満の量の水および/または金属塩を添加してなる
ものを良溶媒として用いることも可能である。なお、金
属塩としては塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化リチウ
ム、炭酸ナトリウム、硫酸銅等が用いられる。
【0036】また、このような良溶媒に該ポリエーテル
アミドを溶解してなる溶液におけるポリマー濃度として
は、5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%
程度とされる。
【0037】一方、凝固液として用いられる該ポリエー
テルアミドに対する非溶媒ないしは貧溶媒としては、例
えば水、グリコール類、グリセリンならびにこれらの混
合物等、あるいはこれらの非溶媒ないし貧溶媒の含有量
を5重量%以上として上記のごとき良溶媒を添加して凝
固作用を緩和させたもの、さらにはこれらの非溶媒ない
し貧溶媒の含有量を5重量%以上として上記のごとき良
溶媒および塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化リチウム、
炭酸ナトリウム、硫酸銅等の金属塩を添加したもの等が
用いられるが、このうち好ましくは水/メタノール/金
属塩混液、および水/メタノール/ジメチルスルフォキ
シド/金属塩混液で、かつ金属塩として塩化カルシウ
ム、塩化亜鉛および塩化リチウムから選ばれた少なくと
も1種のものを用いたものである。なお、水/メタノー
ル/金属塩混液とした場合における各成分の配合割合
は、水:メタノール:金属塩(飽和液)が重量比で1〜
90:5〜70:5〜50程度とすることが望ましい。
また水/メタノール/ジメチルスルフォキシド/金属塩
混液とした場合における各成分の配合割合は、水:メタ
ノール:ジメチルスルフォキシド:金属塩(飽和液)が
重量比で1〜90:5〜70:5〜50:5〜50程度
とすることが望ましい。
【0038】さらに流延されたポリマードープをこのよ
うな凝固液に接触させて凝固させる際における凝固液の
温度としては、凝固液の組成によっても左右されるが、
一般に−10〜100℃、好ましくは3〜35℃とする
ことが望ましい。
【0039】また、本発明の透過膜は、上記のように基
板上に流延して膜状に成形するかわりに、該ポリエーテ
ルアミドを、例えば、中空糸成形ノズル等を用いて上記
凝固液中または空気中等に押し出し成形することにより
中空糸として用いることも可能である。
【0040】このようにして得られる本発明の透過膜
は、膜表面から膜裏面に至り微細な連通孔が多数形成さ
れている。なお、本発明の透過膜が優れた抗血栓性等の
生体適合性を示す明確な機序は明らかではないが、恐ら
くはそのマトリックスが一般式(1)〜(4)で表され
る構成単位を有するポリエーテルアミドから構成される
ために、疎水性のポリアミドセグメントと親水性のポリ
エーテルセグメントとからなるミクロ相分離構造が形成
され、このミクロ相分離構造が良好な抗血栓性を発揮し
ているものと考えられる。さらに、このようなポリエー
テルアミドが末端変性され安定化されていることも、低
分子量物質の発生が抑制される面あるいは構造的な面等
から、抗血栓性に寄与しているものと考えられる。
【0041】すなわち、本発明において重要なことは、
ポリエーテルアミドの層の表面(血液接触面)を球晶
(球状結晶)とすることである。これにより優れた抗血
栓性が発揮される。
【0042】ここで、球晶とは、核を中心としてフィブ
リルを成長させ、一つの球状に結晶化した高分子の形態
をいい、走査型電子顕微鏡(SEM)での観察により、
半球状またはそれに類似した形状の突起として現れる。
【0043】球晶とすることにより優れた抗血栓性が得
られる原理は明らかではないが、結晶部分と非結晶部分
の配列を整え、ミクロ相分離構造を明瞭にした状態とな
るからであると推定される。
【0044】本発明の透過膜の特性としては、特に限定
されるものではないが、代表的には透水量1〜400m
l/m・hr・mmHg、好ましくは4〜70ml/
・hr・mmHg、低分子量物質としての尿素(分
子量60)の透過性が2.00×10-5cm/min
以上、好ましくは2.50×10-5cm/min以
上、また中分子量物質としてのビタミンB12(分子量1
355)の透過性が0.60×10-5cm/min以
上、好ましくは0.70×10-5cm/min以上と
なるものである。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0046】実施例1 ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸を重縮合させて得
られたポリアミドと、ジアミノポリプロピレンオキシド
とを縮合反応させアミド結合させ、さらにステアリルア
ミンによって末端を変性させて得られたポリエーテルア
ミド(Mn約20000、ポリエーテル含有量25重量
%、末端変性率31%)99gをギ酸(99w/v %)3
51gに加熱溶解し、ポリマー濃度22重量%の溶液を
得た。これを30℃で2時間静置し、脱泡した。この溶
液を気相中にて基板上に一定の厚さに流延し、直ちにC
aCl/メタノール/水混液(重量比1/3/5)か
らなる5℃に温調した凝固液中に5分間浸漬して凝固さ
せ、続いて凝固膜に残留するギ酸および凝固液を流水に
て除去して試料を得た。得られた膜は湿潤状態で膜厚4
9μmであった。
【0047】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は球晶構造を有してい
た。なお、図1aにはこの膜表面の、図1bにはこの膜
裏面の、また図1cにはこの膜断面のSEM写真をそれ
ぞれ示す。
【0048】また、得られた膜の透水量は28ml/m
・hr・mmHg、尿素透過性は5.2×10-5cm
/min、ビタミンB12透過性は1.1×10-5cm
/minであった。
【0049】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述す
る方法により調べた。結果を表1に示す。
【0050】さらに後述する方法により血小板拡張能試
験を行なった。結果を表2に示す。
【0051】実施例2 末端変性率を47%とする以外は実施例1と同様にして
得られたポリエーテルアミドを用い、凝固液温度を10
℃に変更した以外は実施例1と同様にして製膜した。得
られた膜は湿潤状態で膜厚37μmであった。
【0052】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図2aにはこの膜表面の、
図2bにはこの膜裏面の、また図2cにはこの膜断面の
SEM写真をそれぞれ示す。
【0053】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述す
る方法により調べた。結果を表1に示す。
【0054】さらに後述する方法により血小板拡張能試
験を行なった。結果を表2に示す。
【0055】実施例3 凝固液温度を15℃に変更した以外は実施例1と同様に
して製膜した。得られた膜は湿潤状態で膜厚49μmで
あった。
【0056】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図3aにはこの膜表面の、
図3bにはこの膜裏面の、また図3cにはこの膜断面の
SEM写真をそれぞれ示す。
【0057】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述
する方法により調べた。結果を表1に示す。
【0058】実施例4 凝固液の組成を重量比2/3/7のCaCl/メタノ
ール/水混液とし、凝固液温度を10℃に変更した以外
は実施例1と同様にして製膜した。得られた膜は湿潤状
態で膜厚49μmであった。
【0059】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図4aにはこの膜表面の、
図4bにはこの膜裏面の、また図4cにはこの膜断面の
SEM写真をそれぞれ示す。
【0060】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述す
る方法により調べた。結果を表1に示す。
【0061】実施例5 凝固液温度を15℃に変更した以外は実施例4と同様に
して製膜した。得られた膜は湿潤状態で膜厚42μmで
あった。
【0062】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図5aにはこの膜表面の、
図5bにはこの膜裏面の、また図5cにはこの膜断面の
SEM写真をそれぞれ示す。また、得られた膜の透水量
(透水量の測定1)、尿素およびビタミンB12に対する
透過性を後述する方法により調べた。結果を表1に示
す。
【0063】実施例6 凝固液の組成を重量比2/3/5のCaCl/メタノ
ール/水混液とした以外は実施例1と同様にして製膜し
た。得られた膜は湿潤状態で膜厚62μmであった。
【0064】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図6aにはこの膜表面の、
図6bにはこの膜裏面の、また図6cにはこの膜断面の
SEM写真をそれぞれ示す。また、得られた膜の透水量
(透水量の測定1)、尿素およびビタミンB12に対する
透過性を後述する方法により調べた。結果を表1に示
す。
【0065】実施例7 凝固液の組成を重量比2/5/5のCaCl/メタノ
ール/水混液とした以外は実施例1と同様にして製膜し
た。得られた膜は湿潤状態で膜厚56μmであった。
【0066】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図7aにはこの膜表面の、
図7bにはこの膜裏面の、また図7cにはこの膜断面の
SEM写真をそれぞれ示す。また、得られた膜の透水量
(透水量の測定1)、尿素およびビタミンB12に対する
透過性を後述する方法により調べた。結果を表1に示
す。
【0067】実施例8 凝固液の組成を重量比2/3/5のZnCl/メタノ
ール/水混液とした以外は実施例1と同様にして製膜し
た。得られた膜は湿潤状態で膜厚75μmであった。
【0068】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。なお、図8aにはこの膜表面の、
図8bにはこの膜裏面のSEM写真をそれぞれ示す。
【0069】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述す
る方法により調べた。結果を表1に示す。
【0070】実施例9 凝固液の組成を重量比14/21/35/30のZnC
/メタノール/水/ジメチルスルフォキシド混液と
した以外は実施例1と同様にして製膜した。得られた膜
は湿潤状態で膜厚80μmであった。
【0071】また、得られた膜を走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球
晶構造を有していた。
【0072】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述す
る方法により調べた。結果を表1に示す。
【0073】実施例10 凝固液の組成を重量比2/3/2のCaCl/メタノ
ール/水/混液とした以外は実施例1と同様にして製膜
した。得られた膜は湿潤状態で膜厚65μmであった。
【0074】また、得られた膜の透水量(透水量の測定
1)、尿素およびビタミンB12に対する透過性を後述す
る方法により調べた。結果を表1に示す。さらに後述す
る方法により血小板拡張能試験を行なった。結果を表2
に示す。
【0075】実施例11 凝固液組成を重量比3/4/2/2/のCaCl/M
eOH/水/DMSO混液とした以外は実施例1と同様
にして製膜した。得られた膜は湿潤状態で膜厚66μm
であった。得られた膜を走査型電子顕微鏡(SEM)で
観察したところ、膜表面は実施例1と同様に球晶構造を
有していた。また、得られた膜の透水量を後述する透水
量の測定1の方法により測定したところ、329ml/
・hr・mmHgであった。
【0076】実施例12 実施例1と同様にして得られたポリエーテルアミド10
0gをリン酸(85重量%水溶液)に加熱溶解し、ポリ
マー濃度20重量%の溶液を得た。これを遠心法により
脱泡した。これを気相中にて基板上に一定の厚さで流延
し、直ちにCaCl/MeOH/水(重量比2/5/
7)混液からなる5℃に温調した凝固液中に10分間浸
漬して凝固させ、続いて凝固膜に残留するリン酸および
凝固液を流水にて除去して試料を得た。得られた膜は湿
潤状態で膜厚98μmであった。得られた膜を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観察したところ、膜表面は実施例
1と同様に球晶構造を有していた。また得られた膜の透
水量を後述する透水量の測定1の方法により測定したと
ころ、37ml/m・hr・mmHgであった。
【0077】実施例13 凝固液組成を重量比2/3/7/のCaCl/MeO
H/水混液とした以外は実施例12と同様にして製膜し
た。得られた膜は湿潤状態で膜厚101μmであった。
得られた膜を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したと
ころ、膜表面は実施例1と同様に球晶構造を有してい
た。また、得られた膜の透水量を後述する透水量の測定
1の方法により測定したところ、9ml/m・hr・
mmHgであった。
【0078】実施例14 ポリエーテル部がポリプロピレンオキシド、ポリアミド
部がナイロン12とダイマー酸からなるブロック共重合
体90gをギ酸(99W/V %)410gに加熱溶解し、
ポリマー濃度18重量%の溶液を得た。これを30℃に
て2時間静置し脱泡した。これを気相中にて基板上に一
定の厚さで流延し、直ちにMeOH/水(重量比7/
3)混液からなる25℃に温調した凝固液中に5分間浸
漬して凝固させ、続いて凝固膜に残留するギ酸および凝
固液を流水にて除去して試料を得た。得られた膜は湿潤
状態で膜厚57μmであった。得られた膜を走査型電子
顕微鏡(SEM)で観察したところ、膜表面は実施例1
と同様に球晶構造を有していた。また、得られた膜の透
水量を後述する透水量の測定1の方法により測定したと
ころ、44ml/m・hr・mmHgであった。さら
に、得られた膜に(1)121℃、20分の高圧蒸気滅
菌、(2)γ線滅菌(線量2M)を行い溶出物試験を行
ったところ、(1)ではΔpH=0.32、UV吸光度
=0.005、(2)では、ΔpH=0.91、UV吸
光度=0.055であった。
【0079】比較例1 再生セルロースからなる膜厚27μmの透析膜(PT−
150、ENKA社製)に対し、実施例1と同様に透水
量(透水量の測定1)、尿素およびビタミンB12に対す
る透過性を後述する方法により調べた。結果を表1に示
す。
【0080】比較例2 市販のポリプロピレンフィルム(FOP#60、二村化
学(株)製)を用いて、実施例1と同様に後述する方法
にて血小板拡張能試験を行なった。結果を表2に示す。
【0081】比較例3 ナイロン610(Mn=20000)をヘキサフルオロ
イソプロパノールに溶解してポリマー濃度5重量%のポ
リマー溶液を40℃にて調製し、得られたドープ液をガ
ラス板上に均一な厚さにキャストし、40℃のオーブン
中でヘキサフルオロイソプロパノールを完全に蒸発さ
せ、さらに室温にて真空乾燥して製膜した。このように
して得られた膜に対し、実施例1と同様に後述する方法
にて血小板拡張能試験を行なった。結果を表2に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】 表1に示す結果および実施例11〜14から明らかなよ
うに本発明に係わる実施例1〜14の透過膜において
は、従来用いられている再生セルロース透過膜に比較し
て、透水量ならびに中分子量物質の透過性が向上してい
るものである。
【0084】また表2から明らかなように本発明に係わ
る実施例1、2および10の透過膜においては、比較例
2または3の透過膜に比較して、血小板の粘着が全体的
に少なく、特に活性化した状態での粘着(2型)は著し
く少ないことから、優れた抗血栓性を有するものと言え
る。
【0085】実施例15 実施例1と同様にして得られたポリエーテルアミド12
00gをギ酸(99W/V %)3800gに加熱溶解し、
ポリマー濃度24重量%の溶液を得た。フィルターを用
いて異物を取り除いた後、減圧、静置(30℃)して脱
泡した。これを中空糸成形ノズルを用い、CaCl
MeOH/水(重量比2/3/21)混液を内部液とし
て、同液からなる凝固相中に押し出して凝固させた後、
ボビンに巻取り中空糸を得た。得られた中空糸は直ちに
流水洗浄を行い、孔径維持のため40重量%、60℃の
グリセリン水溶液に3分間浸漬した後、中空糸内部を洗
浄し、さらに80℃のオーブンにて5分間乾燥を行っ
た。得られた中空糸は内径337μm、膜厚44μmで
あった。中空糸末端をウレタン樹脂にて集束し、末端を
切断して作成したミニモジュールを用いて後述する透水
量の測定2により透水量を測定したところ、19ml/
・hr・mmHgであった。さらに牛血系にて後述
する方法によりアルブミンのふるい係数(SC)を測定
したところ、SC=0であった。
【0086】実施例16 ポリエーテル部がポリプロピレンオキシド、ポリアミド
部がナイロン12とダイマー酸からなり、末端をステア
リルアミンで変性したブロック共重合体400gを1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン600gに加熱溶
解し、ポリマーの溶液を得た。フィルターを用いて異物
を取り除いた後、減圧、静置(30℃)して脱泡した。
これを中空糸成形ノズルを用い、空気中に押し出して冷
却、凝固させた。得られた中空糸を100℃に保持され
たジメチルホルムアミドを主成分とする処理液中に60
分間浸漬した。その後、さらに20℃に保持された水浴
中に浸漬して中空糸を得た。得られた中空糸は内径22
0μm、膜厚20μmであった。得られた中空糸を後述
する透水量の測定2により透水量を測定したところ、1
5ml/m・hr・mmHgであった。
【0087】実施例15〜16から明らかなように本発
明に係わる透過膜により成形した中空糸は、実施例1〜
14と同様に優れた透水量を示している。
【0088】なお、本明細書において示された各特性値
の測定方法および試験方法は以下の通りである。
【0089】透水量の測定1 直径43mmに打抜いた平膜を第9図に示すようなセル
にセットする。そして37±1℃に調整した蒸溜水を用
い、37±1℃の雰囲気下で250mmHg(変動率1
0%以内)の空気圧をかける。この状態で30分間定常
待ちを行なった後、流出蒸溜水量と時間との関係を求め
これより透水量を換算する。
【0090】透水量の測定2 図10に示すように、ロータリーポンプ14を備えたチ
ューブ17、18にミニモジュール16を接続し、その
両端部付近に圧力計15a、15bを取り付けた。37
℃±1℃に温調した生理食塩水13を収容した容器12
を恒温槽11に浸漬し、該生理食塩水13中にチューブ
17の先端を挿入し、一方、チューブ18の一端を容器
12に接続して回路を形成した。入口側流量10ml/
min、ミニモジュール間圧力差100mmHgに設定
して生理食塩水を回路内に流通させ、そのまま定常待ち
をした後、流出生理食塩水を容器19にとり、生理食塩
水量と時間との関係を求め膜面積で換算した。
【0091】物質透過性 尿素 円形に打抜いた平膜を介して蒸溜水および濃度100m
g/dlの尿素水溶液(それぞれ50ml)が膜を介し
て接するようなセルを用い、それぞれの液体を一定の速
度で攪拌した状態で30分および50分でのそれぞれの
濃度を求める。この濃度と平膜の膜厚から下式に基づい
て物質透過性を求める。
【0092】物質透過性 P=P´・L(cm/mi
n)、ここでL=膜厚(cm)
【0093】
【数1】 1 ,C2 :t分後の各セル中の溶質濃度 V1 ,V2 :溶質の体積 t :測定時間 なお、尿素の定量にはウレアーゼインドフェノール法を
用いた。
【0094】ビタミンB12溶質をビタミンB12、溶質濃
度を5mg/dlとし、定量法を360nmでの直接吸
光度測定法とした以外は尿素の場合と同様にして行なっ
た。
【0095】血小板拡張能試験 3.8w/v %クエン酸ナトリウムを1/9容量となるよ
うに添加して、ヒト肘静脈より採血する。得られたクエ
ン酸ナトリウム加血液を、800r.p.m.にて5分間遠心
処理してPRP(多血小板血漿)を分離する。このPR
P中の血小板数は、8項目血液検査装置(ELT−8、
オルソインスツルメント社製)にて測定する。PRPを
分離後さらに3000r.p.m.で10分間遠心処理して、
PPP(貧血小板血漿)を採取する。得られたPPPで
上記PRPを希釈し、血小板数を105 個/μlに調整
する。
【0096】透過膜試料を8mm四方に切り、SEM試
料台に貼り、上記のごとく血小板数を調整された希釈P
RP200μlを試料片上に滴下する。そしてPRP層
の厚さが2mmとなるように上からシャーレ(ポリスチ
レン製)の蓋で押える。そして、そのまま室温(25±
2℃)にて30分間放置する。その後、試験片を0.0
1Mリン酸緩衝食塩水、pH7.0(PBS)/3.8
w/v %クエン酸ナトリウム混液(重量比9/1)により
軽く洗浄し、次いで、グルタルアルデヒドの1w/v %P
BS溶液中で4℃(2〜8℃)にて一昼夜かけて固定す
る。固定化された試料片をPBSで洗浄後、さらに蒸溜
水で洗浄し、凍結乾燥する。そして、試料片にイオンス
パッタリング(12kV、8分間)を行なった後、SE
Mを用いて1000倍の倍率にて5視野において写真撮
影する。そして、得られた写真から、以下の基準に基づ
き粘着した血小板の形態分類と、粘着数の算定を行な
う。
【0097】形態分類 1型:非活性的粘着 a:正常状態である円盤状。 b:球状化しているが偽足を出すところまで変形してい
ないもの。 2型:活性的粘着 偽足を伸ばして粘着しているもの。
【0098】溶出物試験 膜を適当な大きさに切断し、膜重量100倍のイオン交
換水を入れた容器に入れ、高圧蒸気滅菌法ではその処理
液および時間で、また、γ線滅菌法では70±5℃で1
時間加温して冷却後、内容液を取り出し検液とする。
【0099】(1)ΔpHの測定 試験液および空試験液20mlずつをとり、これに塩化
カリウム1.0gを水に溶かして1,000mlとした
液を1.0mlずつを加え、両液のpHを測定し、その
差を求める。
【0100】(2)UV吸光度 空試験液を対照とし、波長220〜350nmにおける
吸光度の最大値を求める。
【0101】アルブミンのふるい係数(SC)の測定 透水量の測定2と同様の回路を用い、図10の回路にお
いてチューブ18の出口を再還流しないようにシングル
パスに変更して、出口に容器を置き、ロータリーポンプ
14を備えたチューブ17、18にミニモジュール16
を接続し、その両端部付近に圧力計15a、15bを取
り付けた。37℃±1℃に温調したヘマトクリット30
%、総蛋白質約6.0g/dlに調節した牛血13を収
容した容器12を恒温槽11に浸漬し、該牛血13中に
チューブ17の先端を挿入し、一方、チューブ18の一
端を出口容器に接続して回路を形成した。入口側流量1
0ml/min、ミニモジュール間圧力差100mmH
gに設定して該牛血を回路内に流通させ、そのまま定常
待ちをした後、入口、出口および容器19の濾液をと
り、各液の濃度(BCG法)から次式によりSCを求め
た。 SC=CF /{(CBi+CBo)/2} ここで CF :濾液濃度 CBi:入口側液濃度 CBo:出口側液濃度 である。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように本発明の透過膜は、構
造式(1)、(2)、(3)または(4)で示される構
成単位からなり、末端に炭素数1〜22の炭化水素基を
有する分子量10,000〜100,000のポリエー
テルアミドであり、該炭化水素基の数が該ポリエーテル
アミドの全末端基の数の5〜100%である末端変性ポ
リアミドを湿式製膜して得られるものであるために、抗
血栓性等の生体適合性に優れたものであり、かつその透
水量および低分子量ならびに中、高分子量の物質透過性
も十分であり、さらに熱安定性が高くポリマー製造工程
あるいは加熱滅菌処理に起因する有害な低分子化合物の
発生も極めて少ないことから、血液透析等の用途におい
て好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図2】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図3】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図4】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図5】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図6】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図7】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図8】 本発明の一実施例により得られた薄膜の写真
(走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍))であり、
図1aは膜表面を、図1bは膜裏面を、また図1cは膜
断面を示すものである。
【図9】 透水量(透水量の測定1)を測定するための
装置構成を示す斜視図であり、
【図10】 透水量(透水量の測定2)を測定するため
の装置構成を示す概略図である。
【符号の簡単な説明】
1,1´…透水量評価用セル、2…Oリング、3…平
膜、4…支持用ガラスフィルター、14…ロータリーポ
ンプ、15a,15b…圧力計、16…ミニモジュー
ル、17,18…チューブ。
フロントページの続き (72)発明者 中川 満英 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−123551(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/56

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式(1)、(2)、(3)または
    (4) 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (ただし、式中、R1 、R2 、R3 は各々炭素数2〜4
    の直鎖または分岐のアルキレン基、R4 、R5 、R6
    各々炭素数2〜36の脂肪族、脂環式または芳香族炭化
    水素基を表し、またnは0〜180、mは1〜400で
    ある。)で示される構成単位からなり、末端に炭素数1
    〜22の炭化水素基を有する分子量10,000〜10
    0,000のポリエーテルアミドであり、該炭化水素基
    の数が該ポリエーテルアミドの全末端基の数の5〜10
    0%である末端変性ポリアミドを湿式製膜して得られる
    生体適合性に優れた透過膜。
  2. 【請求項2】 該ポリエーテルアミドのポリエーテル部
    分が、ポリプロピレンオキサイドの場合はその含量が1
    5〜30重量%、ポリテトラメチレングリコールの場合
    はその含量が30〜55重量%である請求項1に記載の
    透過膜。
  3. 【請求項3】 該ポリエーテルアミドが球晶構造を有す
    ることにより生体適合性を有する請求項1に記載の透過
    膜。
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