JP3130643B2 - ピッチ系炭素繊維の表面処理方法 - Google Patents
ピッチ系炭素繊維の表面処理方法Info
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Description
製造においてマトリックス樹脂との接着性を改善するた
めの高弾性炭素繊維の表面処理方法に関する。
軽量でかつ強度、弾性率に優れているため、スポーツ、
レジャー用品の構成部品として、あるいは宇宙航空機用
機材等として幅広い分野にわたって各種の用途開発が進
められている。
改良するために、炭素繊維の表面を酸化することが行わ
れており、その中でも炭素繊維を陽極として電解酸化処
理する方法は、反応制御が容易でかつ操作性に優れるた
めに、最も実用的な表面処理方法とされている。
検討が行われてきている。例えば、米国特許4,40
1,533号は、硫酸水溶液中で特定の範囲の電流、電
圧、処理時間で、炭素繊維を陽極として電解酸化処理す
る方法を開示している。
は、硝酸中で炭素繊維を電解酸化し、さらに不活性化処
理を行うことによって炭素繊維の強度を高め、繊維と樹
脂の接着性のよい炭素繊維を製造できることを開示して
いる。
ており、より高強度、高弾性率のものが求められてい
る。特に弾性率が50t/mm2以上においてもコンポ
ジット性能の良好な炭素繊維が求められている。
表面は不活性化の方向に進み、従来の炭素繊維の表面処
理方法では反応性が低いために、接着力の向上がもたさ
れなかったり、あるいは過度の表面処理を行わざるを得
ないために繊維の引張強度が低下するという問題があっ
た。
理方法として、例えば特開平1―92470号公報は中
性塩電解液と炭酸アンモニウム塩あるいは無機アルカリ
電解液による2段の電解処理方法を開示している。
段の非接触通電による電解酸化法を開示している。
け引張弾性率が50t/mm2以上の炭素繊維と樹脂と
の接着力を確保するには、電解酸化処理をより進める必
要があり、従来、開示されている表面処理方法では炭素
繊維の引張強度低下は避けられないか、あるいは非常に
煩雑な表面処理工程を必要とした。
る従来技術の問題点を解消し、弾性率が50tf/m2
以上のピッチ系高弾性炭素繊維においても、繊維の強度
低下を生じることなく、樹脂との接着力を高めることの
できる表面処理方法を提供するものである。
0tf/mm2以上のピッチ系炭素繊維を電解質溶液中
にて該炭素繊維を陽極とし電解酸化表面処理を行うにあ
たって、該炭素繊維の活性表面積率を1.5%以上とし
た繊維に、炭素繊維表面積1m2あたり15〜100ク
ーロンの電気量で電解酸化表面処理を行うことにより、
炭素繊維表面におけるO/(O+C)の値を6〜11%
とすることを特徴とするピッチ系炭素繊維の表面処理を
行う方法である。
mm2以上のものは繊維表面が不活性であり、この繊維
を表面処理して繊維と樹脂との結合力を高めるためには
表面に酸素を導入することが不可欠であるが、接着力が
充分に高まるまで酸素を導入すると、局部的に反応が進
行し炭素繊維の強度が下がるという問題がある。
素の取り込みが容易な繊維について検討を行い、本発明
を完成するに至った。
は、コールタール、コールタールピッチ等の石炭系ピッ
チ、石炭液化ピッチ、エチレンタールピッチ、流動接触
触媒分解残査油から得られるデカントオイルピッチ等の
石油系ピッチ、あるいはナフタレン等から触媒などを用
いて作られる合成ピッチ等、各種のピッチを用いること
ができる。
ズピッチは、前記のピッチを従来公知の方法でメソフェ
ーズを発生させたものである。
チ繊維の配向性が高いものが望ましく、このためメソフ
ェーズ含有量は40%以上、より好ましくは70%以上
含有するものがよい。
は、軟化点が200〜400℃、より好ましくは250
〜350℃のものがよい。
ている方法にて溶融紡糸を行うことによりピッチ繊維が
得られる。
酸化窒素を含む酸化性ガス雰囲気下でピッチの軟化点温
度以下から、酸化を開始し310℃を超える温度まで引
続き酸化を行う。
分析結果から得られる酸素と炭素の原子比O/Cが0.
15以上で、窒素と炭素の原子比N/Cが0.014以
上で、かつXPS(光電子分光解析装置)で測定される
繊維表面のO/Cが0.22以上で、N/Cが0.05
以上であることが重要であり、これにより得られる炭素
繊維の活性表面積を好ましい値とする。
鉛化することにより、弾性率が50tf/mm2以上で
かつ活性表面積率が1.5%以上、好ましくは1.5〜
6.0%である炭素繊維を初めて得ることができる。
では活性表面積率は1%程度であり、本発明の方法には
適さない。
繊維を従来公知の方法で電解質溶液中にて該炭素繊維を
陽極とし電解酸化表面処理を行う。
はないが、硫酸、硝酸等の酸性電解液、あるいは水酸化
ナトリウム溶液などのアルカリ電解液などいずれでもよ
い。
クーロンの電気量、好ましくは15〜50クーロンで電
解酸化表面処理を行うことにより、XPSで測定される
繊維表面のO/(O+C)が6〜11%、好ましくは7
〜10%の繊維とすることで引張強度の低下を生じるこ
となく樹脂との接着力を高めることが可能となる。
を950℃で10-3torr以下の圧力で12時間脱ガ
スを行った後に、温度300℃、圧力5torrで酸素
ガスを24時間吸着させた際の酸素の吸着量から酸素1
分子当りの吸着面積を0.146nm2として求めた炭
素繊維1g当りの活性表面積をASAとし、炭素繊維1
g当りの表面積をSaとしたときに次式によって与えら
れる数値である。
度ρ、糸目付けW、単糸数Nを用いて
活性表面積率が1.5%未満では充分な接着力を得るま
で電解酸化処理を行うと引張強度の著しい低下が生じ
る。
ロン未満の以下の電気量、あるいは炭素繊維表面におけ
るO/(O+C)の値が6%未満では充分な接着力が得
らない。
ーロンを超える電気量、あるいは炭素繊維表面における
O/(O+C)の値が11%超では炭素繊維の引張強度
の低下が生じる。
が発達し、酸化等の化学反応性は著しく低下することが
知られている。
素繊維表面を酸化することにより官能基を導入すること
が必要である。
ピッチ系炭素繊維のXPSから求めたO/(O+C)と
樹脂との接着力を示す指標の一つである層間破壊強度
(ILSS)との関係を示した。
ある炭素繊維の硫酸電解液中における炭素繊維表面積当
りの電解量とXPSから求めたO/(O+C)の関係を
示した。
が6%以上でILSSの値はほぼ満足される値8kgf
/mm2が得られる。
同じ電解酸化量でも従来方法に比べ繊維表面のO/(O
+C)の値を高くすることができる。
S値を満足するO/(O+C)値を確保されることが、
本発明の主要な効果であるといえる。
チ系炭素繊維で電解酸化量を増やしていくと繊維表面の
黒鉛結晶構造を破壊したり、局部的に酸化が進行したり
するために、強電解酸化量では繊維の引張強度が著しく
低下する。
満足する表面処理を行うことにより、繊維自体の引張強
度の低下は避けられないものであった。
量で充分な樹脂との接着力が得られるために、図3に示
すように引張強度の低下がない状態で充分なILLS値
を得ることが可能となる。
施例ならびに比較例を用いて説明する。
および原料ピッチの特性を表わすのに用いた諸物性値は
以下の定義によった。
ユ式から算出される見掛けの粘度が20000ポイズと
なる温度である。
う調整された塩化亜鉛水溶液、あるいはブロモホルム、
エタノール混合溶液を用いて、長さ1mmに切った繊維
の浮沈状態より求めた。
1hr乾燥した後、デシケータ中で保存したサンプルを
炭素、水素、窒素に関してCHNコーダーを用いて、酸
素については酸素微量定量分析装置で各元素の重量分率
を求め、これより原子比を求めた。
源とし、真空度2×10-7torr以下、X線出力8k
v、30mAの条件で、繊維を一方向に揃えたサンプル
を調整し測定を行った。
sとの相対感度を1:2.9:1.5として補正したピ
ーク面積からO/C、N/C、O/(O+C)を算出し
た。
6年)に示された方法に準じて測定した。
時間脱ガスを行った後に、温度300℃、圧力5tor
rで酸素ガスを導入し24時間吸着させた際の酸素の吸
着量から酸素1分子当りの吸着面積を0.146nm2
として、炭素繊維1g当りの活性表面積(ASA)を求
めた。
RP―36を用いた。
による。なお、剪断破壊を生じずに曲げ破壊を起こした
ものもILSS値とした。
を除去した軟化点80℃のコールタールピッチを、触媒
を用い直接水素化を行った。
熱処理した後、低沸点分を除きメソフェースピッチを得
た。このピッチは軟化点が300℃、メソフエーズ含有
量が90%であった。
ャピラリー径0.14mm、ノズルホール数3000の
ノズルパックを有する紡糸機を用いて、メソフェーズピ
ッチの粘度800ポイズで糸径13μmのピッチ繊維を
得た。
%、酸素ガス10体積%、水蒸気5体積%、残部が窒素
である酸化ガス雰囲気中で150℃から315℃まで1
℃/minで昇温し、そのまま315℃に30分保持し
て不融化繊維を得た。
0.192、N/C=0.015であった。またXPS
から求めた繊維表面の性状は、O/C=0.266、N
/C=0.055であった。
0℃から5℃/minの昇温速度で390℃まで昇温す
ることによって低温炭化を行い、その後さらに窒素雰囲
気下で昇温速度20℃/minで900℃まで昇温し9
00℃に15分保持して予備炭化繊維を得た。
で昇温し、そのまま2300℃に15分保持して炭素繊
維を得た。
m2、引張強度が樹脂含浸ストランド法で370kg/
mm2、単糸法で352kgf/mm2であった。
目付けは0.450g/m、単糸数3000本であり、
表面積Saを算出したところ0.1987m2/gであ
った。
2/gであり、活性表面積率は2.2%であった(比較
例1)。
たした電解処理槽を糸速1m/minで連続的に走行さ
せるとともに該処理槽の直前に配置した金属製ローラー
を介して該炭素繊維に陽電圧を印加し、処理液中に配置
した白金製の陰極との間に電流を流し、第1表に示す電
解酸化量で処理した(実施例1〜5)。
O/(O+C)の測定、樹脂含浸ストランド法および単
糸法による引張強度の測定、およびILSSの測定を行
った。結果を第1表に示す。
窒素ガスを5体積%、酸素ガス10体積%、残部が窒素
である酸化ガス雰囲気中で150℃から300℃まで1
℃/minで昇温し、そのまま300℃に30分保持し
て不融化繊維を得た。
0.12、N/C=0.013であった。
/C=0.200、N/C=0.045であった。
0℃から5℃/minの昇温速度で390℃まで昇温す
ることによって低温炭化を行いその後、さらに窒素雰囲
気下で昇温速度20℃/minで900℃まで昇温し9
00℃に15分保持して予備炭化繊維を得た。
で昇温し、そのまま2300℃に15分保持して炭素繊
維を得た。
m2、引張強度が樹脂含浸ストランド法で360kg/
mm2、単糸法で345kgf/mm2であった。
目付けは0.450g/m、単糸数3000本であり、
表面積Saを算出したところ0.1987m2/gであ
った。
2/gであり、活性表面積率は1.0%であった。この
繊維を実施例と同様に電解酸化処理を行った結果を第1
表に示す。
mm2以上のピッチ系炭素繊維においても低電解酸化量
で充分な樹脂との接着力が得られるために、引張強度の
低下がない状態で表面処理を行なうことが可能となり
る。これにより、高弾性率で高強度な複合材料を製造す
ることができる。
C)と層間破壊強度ILLS値との関係を示した図であ
る。
ン)と炭素繊維のXPSから求められたO/(O+C)
との関係を示した図である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 引張弾性率50tf/mm2 以上のピッ
チ系炭素繊維を、電解質溶液中にて該炭素繊維を陽極と
し電解酸化表面処理を行うにあたって、該炭素繊維の活
性表面積率を1.5%以上とした繊維に、炭素繊維表面
積1m2あたり15〜100クーロンの電気量で電解酸
化表面処理を行うことにより、炭素繊維表面におけるO
/(O+C)の値を6〜11%とすることを特徴とする
ピッチ系炭素繊維の表面処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04129903A JP3130643B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | ピッチ系炭素繊維の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04129903A JP3130643B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | ピッチ系炭素繊維の表面処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05302263A JPH05302263A (ja) | 1993-11-16 |
| JP3130643B2 true JP3130643B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=15021242
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04129903A Expired - Lifetime JP3130643B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | ピッチ系炭素繊維の表面処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3130643B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104928805A (zh) * | 2015-06-02 | 2015-09-23 | 中复神鹰碳纤维有限责任公司 | 一种光滑表面的高界面性能碳纤维及其制备工艺 |
| CN115135822B (zh) * | 2020-03-03 | 2024-04-30 | 帝人株式会社 | 沥青基极细碳纤维和沥青基极细碳纤维分散体 |
| TWI767796B (zh) * | 2021-07-22 | 2022-06-11 | 臺灣塑膠工業股份有限公司 | 碳纖維的製造方法和碳纖維複合瓶 |
-
1992
- 1992-04-24 JP JP04129903A patent/JP3130643B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| JPH05302263A (ja) | 1993-11-16 |
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