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JP3138466B2 - 多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法 - Google Patents
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JP3138466B2 - 多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法 - Google Patents

多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法に関
するものである。本発明の方法によって製造される多糖
よりなる球状ミクロゲルは、製菓、化粧品、医薬品等の
分野で利用できる。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
周知のとおり、多糖類のゲルは、製菓、化粧品、医薬
品などの分野で広範に用いられており、そのゲルの作成
方法および用途は様々である。しかし、数μmから数百
μmの任意の粒径をもつ球状ミクロゲルを作成すること
は極めて困難であり、従来のミクロゲルの作成はゲルを
形成させたのち、外力により粉砕して微小化するに留ま
っており、得られるミクロゲルの表面も必ずしも滑らか
ではなかった。
また、従来の技術では、ミクロゲルを作成するに当た
りコアセルベートを熟成することによって、生成するミ
クロゲルの粒径を製造するという概念を採り入れたもの
はない。
一方、医薬品としては、ドラッグデリバリーシステム
としてのゲルが開発されている。その時のマイクロカプ
セル構成成分はゼラチンのごとき高分子電解質であり、
有機溶媒の添加やpHの調節などにより形状を形成させる
ため、穏やかな環境を保ったまま安全なマイクロカプセ
ル化が行えているとは限らない。
特開昭63−287544号発明では、壁物質ならびに脱水用
物質に無毒の物質を使用する、脱水による相分離により
マイクロカプセルを製造する方法を開示している。しか
し、この発明では、マイクロカプセルの粒径を任意に制
御することは行なっておらず、しかもマイクロカプセル
の内部は均一のゲルではない。
また、粒径が1mm以下のマイクロカプセルとして、リ
ン脂質類の集合体(リポソーム)を用いた応用が知られ
ているが、成分が高価でしかも安定性が不十分である。
さらに、多成分で構成された粒径が1mm以下のマイク
ロカプセル、例えば、ゼラチンやセルロース誘導体をも
ちいてマイクロカプセルを作成する手法はあるものの、
生体に対する作用がより穏やかな多糖類のみで構成され
るマイクロカプセルや球状ミクロゲル作成に関する技法
は未だ知られていない。
上記のとおりの現状に鑑み、食品、化粧品、医薬に容
易に利用し得る材料、即ち、生体に対し極めて穏やかな
作用をもつ多糖と相分離促進剤による所期の粒径をもつ
マイクロカプセルの開発が期待されている。
〔課題を解決するための手段と作用〕
本発明は、多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法に関
するものである。即ち、本発明は、多糖水溶液と相分離
促進剤水溶液とを加熱状態で混合攪拌してコアセルベー
ト懸濁液を調整し、当該コアセルベート懸濁液を加熱状
態から急冷することによりゲル化させて球状ミクロゲル
を生成させることを特徴とする多糖よりなる球状ミクロ
ゲルの製造法、および、多糖水溶液と相分離促進剤水溶
液とを加熱状態で混合攪拌してコアセルベート懸濁液を
加熱状態から急冷することによりゲル化させて球状ミク
ロゲルを生成させるに当たって、前記調整時から前記急
冷に至る間に熟成時間を設定し、当該熟成時間を調整す
ることによって生成させる球状ミクロゲルの粒径を制御
することを特徴とする多糖よりなる球状ミクロゲルの製
造法に係るものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明による球状ミクロゲルを製造するためには、ま
ず、多糖水溶液と相分離促進剤水溶液とを混合してコア
セルベート懸濁液を作成するのであるが、ここで、球状
ミクロゲルを製造するに必要な条件を種々検討した。そ
の結果、以下の操作を施すことにより所期の球状ミクロ
ゲルを得ることができた。
即ち、多糖水溶液ならびに相分離促進剤水溶液の両者
を加熱状態で混合し急速攪拌してコアセルベート懸濁液
を作成する。その後、所期の粒径を有するコアセルベー
トを得るために、そのまま静置して0〜40分間熟成する
ことによりその融合を誘起する。球状ミクロゲルの粒径
は熟成時間の経過とともにコアセルベートの融合により
大となるので、所定の時間経過後、加熱状態から急冷し
てゲル化させてコアセルベートゲル、換言すれば球状ミ
クロゲルとする。
ここに得られた球状ミクロゲルの内相は、急冷処理に
より調製されるため密度がほぼ均一であって、球の外壁
部の密度が高い所謂外壁を形成したマイクロカプセルで
はない。
一方、前記球状ミクロゲルは、相分離促進剤水溶液に
懸濁した状態にあるので、その粒径により異なるが、お
おむね3000回転、10分間の遠心分離にかけ上澄を除去す
ることにより相分離促進剤と分離する。沈澱した球状ミ
クロゲルは蒸留水での洗浄と遠心分離とを繰り返すこと
により、相分離促進剤を含まない構成成分が多糖のみの
球状ミクロゲルとすることができる。
コアセルベート懸濁液は、使用する多糖が冷却によっ
てゲル化する程度に冷却前に加熱状態にあればよい。
コアセルベートは加熱処理によりその融合が促進され
るので、多糖水溶液および相分離促進剤水溶液を予めゲ
ル化に必要な所定温度に加熱して、混合、攪拌しコアセ
ルベートを作成したのち、そのままの温度で静置して熟
成させ、その後、冷却によってゲル化するほうがよい。
コアセルベートの調製後に加熱すると、所定の温度に達
する迄にコアセルベートの融合が過剰に進行し、所期の
粒径の球状ミクロゲルが得難い場合があるからである。
しかし、厳密な粒径制御が要求されない場合には、多糖
水溶液と相分離促進剤水溶液とを混合してから加熱する
こともできる。
いずれの場合にも、加熱処理温度が100℃近辺以上で
あるときは、多糖水溶液の沸点に近く、ゲルの生成が不
安定となるため、均一粒径の球状ミクロゲル作成の制御
が難しい。かかる観点から、コアセルベート懸濁液の加
熱処理温度は80〜95℃が望ましい。
前記操作の過程で、粒径制御のための熟成時間は、使
用する多糖により異なるが、ほぼ40分間以内が望まし
い。熟成時間が40分間以上経過するとコアセルベートの
融合が所期以上に進行し、融合したコアセルベートの粒
径が過大となり、その形状を保ち難くなるからである。
本発明において使用する多糖は、相分離促進剤ととも
に攪拌することによりコアセルベートを生成し、かつ、
加熱および急冷によりコアセルベートゲルを形成するも
のであるならば如何なるものでもよく、デンプン、プル
ラン、寒天、カラギナン等の一種または二種以上の混合
物が例示できる。
また、相分離促進剤とは、水溶性であり、前記多糖と
積極的な相互作用を行なわない高分子化合物であって、
多糖と混合してコアセルベートとして相分離を起こすこ
とができ、かつ、本発明の球状ミクロゲルの使用目的か
ら生物に対し無毒であるか、または、洗浄除去すること
により無毒化し得るものであれば如何なるものであって
もよく、ポリエチレンオキシド(以下、PEOとい
う。)、ポリビニルピロリドン(以下、PVPという。)
あるいはポリビニルアルコール(以下、PVAという。)
等の一種または二種以上の混合物を例示できる。
次いで、実験例を以てさらに説明する。
実験例 1. 本実験においては、多糖としてデンプンを、相分離促
進剤としてPEOを使用した。
即ち、デンプンを充分に溶解するために85℃に加熱処
理した21.6%デンプン水溶液500mlとデンプン水溶液に
温度を合わせて85℃に加熱した17.6%PEO水溶液500mlと
を混合し、1000回転/分の急速攪拌を行なってコアセル
ベート懸濁液を作成した。このコアセルベートを含む混
合液を100mlづつ分取して、熟成時間を0分から4分間
隔で32分間迄の観察が行えるように9個の試料とした。
次いで、それぞれの試料は85℃の温度で所定時間静置し
て熟成しコアセルベートの融合を誘起したのち、直ちに
1℃迄急冷してゲル化し、異なった9種の平均粒径をも
つ球状ミクロゲルを得た。
なお、本実験では、コアセルベート作成ならびに熟成
の際、デンプン水溶液およびPEO水溶液は、混合前にそ
れぞれ既に85℃に加熱しており、さらに、その混合液で
あるコアセルベート懸濁液もまた85℃に保持したので、
あらためて加熱は行なわなかった。
本実験で得た球状ミクロゲルの平均粒径につき光学顕
微鏡を用いて測定した結果を表1に示す。
表1に明らかなように、本実験において、コアセルベ
ート生成後の熟成時間に応じて28〜587μmの平均粒径
をもつ球状ミクロゲルが得られた。即ち、本実験によっ
て、熟成時間を特定し、かつ、急冷することにより、必
要な粒径をもつ球状ミクロゲルを作成し得ることが明ら
かとなった。
表 1 試料番号 放置時間(分) 平均粒径(μm) 1 0 28 2 4 35 3 8 50 4 12 64 5 16 71 6 20 178 7 24 257 8 28 433 9 32 587 〔実施例〕 以下に、さらに実施例をもって説明する。
実施例 1. 21.6%プルラン水溶液20mlと17.6%PEO水溶液200mlと
を何れも88℃に加熱したのち、両者を混合して800回転
/分の急速攪拌を行いコアセルベート混濁液を作成し
た。このコアセルベートの分散液を二分し、一つは直ち
に2℃に急冷し、他方はこれを5分間静置して熟成した
のちに急冷して、いずれも球状ミクロゲルを作成した。
ここに得た球状ミクロゲルそれぞれの平均粒径を測定し
たところ、8μmおよび28μmであった。
本実施例における粒径9μmをもつ球状ミクロゲルの
走査型電子顕微鏡写真(右下辺の白線は10μmをあらわ
す)を第1図に示す。この電子顕微鏡写真撮影操作の過
程で、試料は高度の真空状態におかれるが、この写真の
ように球構造を保っていることが認められた。従って、
球状物の内容はゲルにより充填されており、単なる壁形
成による球状物ではないことがわかる。
実施例 2. 1.8%寒天の水懸濁液を92℃に加熱して寒天水溶液と
し、これを400ml用意した。一方、92℃に加熱した25%P
VP水溶液を100mlとり、前記寒天水溶液400mlに混合して
850回転/分で急速攪拌を行いコアセルベート懸濁液を
作成した。このコアセルベートの分散液を二分し、一つ
は直ちに4℃まで急冷し、他の一つは92℃のまま8分間
静置して熟成したのち同様に急冷した。その結果、平均
粒径がそれぞれ6μmと22μmの球状ミクロゲルを得
た。
実施例 3. 65℃の温水中に溶解した12.0%カラギナン水溶液300m
lを準備し、これに65℃とした20%PVA水溶液200mlを混
合、急速攪拌してコアセルベート懸濁液を作成した。こ
のコアセルベート懸濁液を二分し、一つは熟成せずに85
℃まで急速加熱し、直ちに1℃まで急冷した。他の一つ
は熟成10分後に85℃まで急加熱したのち、1℃まで急冷
した。その結果、平均粒径がそぞれ19μmと72μmの球
状ミクロゲルを得た。
〔発明の効果〕
本発明の球状ミクロゲルの製造法により作成された球
状ミクロゲルは、その粒径を制御して任意の粒径とする
ことができる。
本発明の球状のミクロゲルの製造法は、そのゲルを形
成する多糖と相分離促進剤とを選択することにより、容
易に無毒、無害の球状ミクロゲルとなし得るので、食
品、化粧品あるいは医薬品等の各業界に資するところが
大きい。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明によって得られた球状ミクロゲルの粒
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 5:00 (56)参考文献 特開 平2−191540(JP,A) 特開 昭61−263630(JP,A) 特開 昭63−287544(JP,A) 特開 昭57−171432(JP,A) 特開 昭56−74130(JP,A) 特開 平3−237103(JP,A) 近藤 保著 現代コロイド科学 1980 年5月30日 三共出版株式会社 第107 −112頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/00 A61K 9/16 C08B 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デンプン水溶液、プルラン水溶液、寒天水
    溶液及びカラギナン水溶液から選ばれる多糖水溶液とポ
    リエチレンオキシド水溶液、ポリビニルピロリドン水溶
    液及びポリビニルアルコール水溶液から選ばれる相分離
    促進剤水溶液とを加熱状態で混合攪拌してコアセルベー
    ト懸濁液を調整し、当該コアセルベート懸濁液を加熱状
    態から急冷することによりゲル化させて球状ミクロゲル
    を形成させるに当たって、前記調整時から前記急冷に至
    る間に40分間を超えない所定時間静置して熟成させた後
    に加熱状態から急冷することによって該静置時間に応じ
    た粒径をもつ球状ミクロゲルを生成させることを特徴と
    する多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法。
  2. 【請求項2】多糖水溶液と相分離促進剤水溶液とを、そ
    れぞれ予め80℃〜95℃に加熱してから混合する請求項1
    記載の多糖よりなる球状ミクロゲルの製造法。
  3. 【請求項3】多糖水溶液と相分離促進剤水溶液とを混合
    してから80℃〜95℃に加熱する請求項1記載の多糖より
    なる球状ミクロゲルの製造法。
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