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JP3149599B2 - 送りねじ装置 - Google Patents
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JP3149599B2 - 送りねじ装置 - Google Patents

送りねじ装置

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JP3149599B2 JP02157693A JP2157693A JP3149599B2 JP 3149599 B2 JP3149599 B2 JP 3149599B2 JP 02157693 A JP02157693 A JP 02157693A JP 2157693 A JP2157693 A JP 2157693A JP 3149599 B2 JP3149599 B2 JP 3149599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動ステージや移動テ
ーブル等の駆動手段として用いられる送りねじ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】旋盤等の工作装置で工具と被加工物とを
相対的に移動させたり、あるいは顕微鏡等の観察装置で
試料を所定の位置に移動させる場合、この移動のための
手段として送りねじ装置が使用されている。図3は、従
来の送りねじ装置10の構成を示す概略図であり、工作
機械の工具移動手段として使用された例を示す。この送
りねじ装置10は、おねじ11、おねじ11と螺合する
めねじが形成されたナット12およびカップリング16
を介しておねじ11を回転させるモータ等の駆動手段1
3を備えている。おねじ11はベアリング15を介して
ベース(図示せず)に固定されており、ナット12には
テーブル14が設置されている。なお、図ではおねじ1
1のねじ部を省略して図示してある。
【0003】このような構成の送りねじ装置10では、
駆動手段13を駆動しておねじ11を回転させると、ナ
ット12はおねじ11の長手方向(矢印P方向)に沿っ
て直線運動を行なう。従って、例えば、テーブル14上
にバイト等の工具51を設置して被加工物52を前記ベ
ース等に固定しておけば、工具51を被加工物52に対
して移動させることができ、これにより加工位置を移動
させることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な構成の送りねじ装置では、おねじとそれに螺合する
「ナットに形成されためねじ」との間に摩擦力が発生す
る。そのため、この摩擦力によって次の3つの課題が生
じていた。第1の課題は、前記摩擦力によっておねじを
駆動するために必要な回転駆動力が大きくなることであ
る。回転駆動力が大きくなると、駆動手段の駆動力を大
きくしなければならず、駆動手段の大型化や消費電力の
増加といった問題が生じる。第2の課題は、おねじとナ
ット間の相対速度と前記摩擦力との積に比例した摩擦熱
が発生することである。そして、この摩擦熱によりおね
じとナットのめねじとが焼き付けを起こしたり、おねじ
が熱膨張して移動精度が低下したりする場合があった。
また、摩擦熱が発生すると送りねじ装置周囲の温度を上
昇させる恐れがあり、一定の環境下で装置を使用したい
場合は温度を一定に保つために空調手段を設置する必要
が生じる。第3の課題は、前記摩擦力によっておねじと
ナットに設けられためねじとに摩耗が生じることであ
る。摩耗が発生するとおねじとめねじとの間に隙間が形
成されてナット(テーブル)が移動する際に振動等のガ
タが生じ、テーブルの位置決め精度が低下したり、真っ
直ぐ移動できないという問題が生じる。
【0005】ところで、前記摩擦力が少ない送りねじ装
置として、おねじとナットとが剛球(ボール)を介して
作動するボールねじを備えた送りねじ装置が知られてい
る。このような装置では、前記剛球の転がり運動により
摩擦抵抗が小さくなるので、おねじとめねじの間に働く
摩擦力は減少し前述のような問題は解決される。しか
し、このボールねじはナットに外部から直線運動方向
(P方向)の力が加わると、剛球を介しておねじが回転
してしまうため、テーブルを一定の位置に固定しておく
ことができない(セルフロックできない)という問題が
あった。そのため、テーブルまたはおねじの回転を止め
るためのロック機構等を別途設ける必要が生じ、その結
果、送りねじ装置の構成が複雑になるという問題が生じ
ていた。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、簡単な構成でおねじとナットとの摩擦力を減少でき
る送りねじ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的のために、本発
明では、第1のねじと、該第1のねじに螺合する第2の
ねじを備え前記第1のねじに対して相対的に移動する移
動体とを有する送りねじ装置において、前記第1のねじ
と第2のねじの少なくとも一方に対して超音波振動を付
与する超音波振動付与手段を設けた。
【0008】
【作用】固体に超音波振動を付与すると、その固体表面
の摩擦係数は減少することが知られている。本発明では
第1のねじ(おねじ)とこの第1のねじに螺合する第2
のねじ(めねじ)が形成されたナットの少なくとも一方
に超音波振動を付与するので、該振動を付与された側は
その表面(つまり他方の側との接触面)の摩擦係数が減
少する。その結果、送りねじ装置を駆動させた際に生じ
る前記おねじとめねじとの間の摩擦力は、超音波振動を
付与しない場合に比べて数十分の一程度に減少する。こ
の摩擦力の減少作用は、超音波振動を付与した時だけ発
生するので、超音波振動の付与を止めることでおねじま
たはめねじの表面を再び元の摩擦係数に戻すことができ
る。そのため、超音波振動を付加しない状態での前記摩
擦力を、外部から力が加わってもおねじの回転やナット
の移動が生じないような値に設定すれば、セルフロック
が可能となりナットを一定の位置に維持しておくことが
可能となる。
【0009】なお、超音波振動を付与するおねじやめね
じ(ナット)の材質は、超音波振動が伝達する物質であ
れば特に限定されるものではなく、金属、ガラス、セラ
ミック等を用いることができる。また、おねじやナット
に付与する超音波振動は、おねじの長手方向に沿った縦
振動でもよいし、おねじの回転方向に沿ったねじり振動
でもよい。
【0010】
【実施例1】図1(a)は、本発明の一実施例を示す概
略構成図であり、おねじに超音波振動を付与するように
構成されている。なお、図中、図3と同様の機能を有す
る構成要件は同一符号を付してその説明を適宜省略す
る。本実施例の送りねじ装置1は、高周波電気振動を出
力する発振器2、前記高周波電気振動を入力して超音波
振動を発生するボルト締めランジュバン型電歪振動子
3、この振動子3の一端にねじ止めされて前記超音波振
動の振幅を拡大するホーン4、ホーン4の先端に取り付
けられたおねじ5、おねじ5と螺合するめねじ(図示せ
ず)が形成されたナット12、ナット12に取り付けら
れたテーブル14およびカップリング16と接続部材8
を介しておねじ5を回転させるモータ等からなる駆動手
段13を備えている。本実施例では発振器2、振動子3
およびホーン4が超音波振動付与手段17を構成し、お
ねじ5に超音波振動を付与するようになっている。な
お、おねじ5の材質は炭素鋼(S45C)であり、ナット1
2の材質は青銅合金(BC3 )とした。ホーン4とおねじ
5には、それぞれフランジ6、7が削り出し等によりホ
ーン4またはおねじ5と一体成形されている。そして、
送りねじ装置1は、これらフランジ6、7部分において
ベアリング15を介してベース(図示せず)に固定され
ている。
【0011】ところで、おねじ5に他の構成部品を取り
付ける場合、おねじ5に伝わる超音波振動の減衰を抑え
るためにはその取り付け位置を超音波振動の振幅の節
(波の節:振動節)とすることが望ましい。本実施例に
おいても、予めおねじ5に付与する超音波振動の波長を
想定し、この波長に基づいてフランジ6、7の形成位置
がホーン4やおねじ5に伝わる超音波振動の振幅の節と
なるようにしてある(図1(b)参照)。また、おねじ
5の端部は振幅の腹となるので、前述のフランジ7にカ
ップ型の接続部材8を取り付けてこの接続部材8とカッ
プリング16を接続することで、超音波振動の減衰を抑
えて駆動手段13からの駆動力がおねじ5に伝わるよう
に構成してある。なお、おねじ5に超音波振動が付与さ
れるのであれば、フランジ6、7の形成位置を前記振幅
の節に限定する必要はない。ただし、節以外の位置にフ
ランジを設けると、その部分が節となるので所望の効果
を得ようとすると超音波振動の周波数等を変えることに
なる。そのため、超音波振動の周波数を再度設定するこ
とになり面倒である。また、超音波振動が減衰しないよ
うに支持できるのであれば、特にフランジを設ける必要
はない。
【0012】また、おねじ5の長さLは、超音波の固定
中での波長をλ、超音波の固定中での音速をC、発生器
2から出力される高周波電気振動の周波数をfとした
時、下式を満たすように設定されている。
【0013】
【数1】
【0014】おねじ5の長さLが前記式を満たす場
合、おねじ5には超音波振動による定在波が発生するた
め、効率よく表面の摩擦係数を減少させることができ
る。ただし、おねじ5の長さLが式を満たさない場合
でも、おねじ5に超音波振動が付与されればこのおねじ
5の表面の摩擦係数は減少する。従って、前記長さLを
式を満たす値に限定させる必要はない。本実施例で
は、発振器2から出力される高周波電気振動の周波数f
とおねじ5の材質によって決まる音速Cをもとに、前記
が成立するようにおねじ5の長さLを設定した。
【0015】以上のような構成の送りねじ装置1におい
て、発振器2で発生した高周波電気振動(周波数 20kH
z)をボルト締めランジュバン型電歪振動子3に印加す
ると、この振動子3は機械的な振動(超音波振動)を発
生する。ここで発生した超音波振動はその振動周波数が
20kHz程度であり、ホーン4に伝わってその振幅が数倍
に拡大された後おねじ5に伝達される。おねじ5は、そ
の長さLが前述のように式を満たしているため、前記
超音波振動が伝達されると定在波(定常波)が発生し、
おねじ5表面の摩擦係数は小さくなる。なお、実施例で
は前記式を満たすようにおねじ5の長さLを設定した
が、前述のように式を満たなくとも単におねじ5に超
音波振動を付与するだけでもよい。この場合も超音波振
動が付与された側の表面の摩擦係数が減少する効果は得
られる。ただし、その効果は定在波を発生させた時より
も減少する。
【0016】おねじ5に超音波振動を付与した状態で駆
動手段13を駆動すると、この駆動力はカップリング1
6、接続部材8を介しておねじ5に伝わる。これにより
おねじ5が回転するので、ナット12はおねじ5の回転
方向に応じて矢印Pのいずれかの方向に移動する。この
時、おねじ5とナット12との間に発生する摩擦力は、
おねじ5の表面の摩擦係数の減少により、超音波振動を
付与しない場合に比べて減少する。例えば、本実施例で
は、前記摩擦力を超音波振動を付与しない場合の数十分
の一程度まで減少させることができた。そのため、おね
じ5を回転させるために要する駆動手段13の負荷は従
来よりも小さくなった。また、摩擦熱の発生も従来より
減らすことができた。さらに、おねじ5およびナット1
2に形成されためねじの摩耗を抑えることができた。
【0017】発生器2を停止しておねじ5に対する超音
波振動の付与を止めると、おねじ5表面の摩擦係数は超
音波振動を付加する前の値に戻った。この状態でおねじ
5とナット12との間に生じる摩擦力は、テーブル14
の位置を固定しておくのに充分な値であり、外部からの
力によって不用意にテーブル14が移動するようなこと
はなかった。
【0018】
【実施例2】図2は、本発明の他の実施例の構成を示す
概略図であり、めねじが形成されたナット23に超音波
振動を付与するものである。なお、図中、図1と同様の
機能を有する構成要件は同一符号を付してその説明を適
宜省略する。本実施例の送りねじ装置21は、高周波電
気振動を発生する発振器2、おねじ22、おねじ22と
螺合するめねじ(図示せず)が形成されると共に前記高
周波電気振動を入力して超音波振動を生成する振動子を
兼ねたナット23、ナット23に取り付けられたテーブ
ル24およびカップリング16を介しておねじ22を回
転させるモータ等の駆動手段13を備えている。なお、
おねじ22の材質は炭素鋼(S45C)、ナット23の材質
は青銅合金(BC3 )とした。おねじ22にはベアリング
15が取り付けられ、送りねじ装置21はこのベアリン
グ15を介してベース(図示せず)に固定されている。
ナット23にはフランジ25が削り出し等によりナット
23と一体成形されている。実施例1と同様、フランジ
25は、ナット23を伝わる超音波振動の振幅の節とな
る位置に設けてあり、超音波振動が減衰し難くいように
設定してある。また、ナット23の長さL2 も実施例1
同様、式を満たすように設定してある。
【0019】以上のような構成の送りねじ装置21にお
いて、発振器2で発生した高周波電気振動(周波数 26k
Hz)をナット23に印加すると、このナット23は機械
的な振動(超音波振動)を発生する。ここで発生した超
音波振動は、その振動周波数が 26kHz程度となる。ナッ
ト23は、その長さL2 が前述のように式を満たして
いるため、前記超音波振動が伝達されると定在波が発生
する。その結果、このナット23に形成されためねじの
表面(おねじ22との接触面)の摩擦係数は小さくな
る。この状態で駆動手段13を駆動しておねじ22を回
転させると、ナット23はおねじ22の回転方向に応じ
て矢印Pのいずれかの方向に移動する。この時、おねじ
22とナット23のめねじとの間に発生する摩擦力は、
めねじ表面の摩擦係数の減少により、超音波振動を付与
しない場合に比べて減少する。
【0020】また、発生器2を停止させてナット23の
超音波振動を止めると、ナット23に形成されためねじ
表面の摩擦係数は超音波振動を付加する前の値に戻るた
め、外部から力が加わっても不用意にテーブル24が移
動し難くなる。なお、各実施例では駆動手段を設け、こ
の駆動手段でおねじを回転させることでめねじが形成さ
れたナット(テーブル)を移動させている。しかし、お
ねじまたはめねじのどちらか一方に超音波振動が付与さ
れれば前述のようにおねじとめねじとの間に発生する摩
擦力は小さくなるので、手動でナット(テーブル)を移
動させることも可能である。従って、例えば、ナット
(テーブル)を移動させたい時だけ、おねじまたはナッ
トのどちらか一方に超音波振動を付与して手動で所定量
移動させ、その後超音波振動の付与を止めることでその
位置にナット(テーブル)を固定しておくことができ
る。この場合、駆動手段が不要になるため装置の構成が
簡略化されるという利点がある。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、おねじまたはナットに
形成されためねじの少なくとも一方に超音波振動を付与
して表面の摩擦係数を小さくすることで、送りねじ装置
の駆動時におねじとめねじとの間に発生する摩擦力を減
少させることができる。そのため、おねじを駆動する回
転駆動力を小さくすることができ、駆動手段の小型化や
消費電力を少なくすることが可能となる。また、前記摩
擦力を原因とする摩擦熱の発生を抑えることができるの
で、おねじとめねじとの焼き付けを防止することが可能
となる他、周囲の温度を上昇させる恐れも減少する。さ
らに、おねじまたはナットのねじ部の摩耗が抑制される
ので、これら両者の間に隙間が形成され難くなり、駆動
時に振動等によりガタが生じることがない。そのため、
位置決め精度の低下を防ぐことができ、精度よく直線移
動させることが可能となる。
【0022】また、超音波振動の付与を止めることで前
記摩擦力を振動の付与がない時の値に戻すことができる
ので、振動を付与しない時の両者の間の摩擦力を適宜設
定すれば、この摩擦力によりおねじとナットの相対位置
を所定の状態に維持することができる。そのため、おね
じとナットの相対位置が変化しないようするロック機構
等を設ける必要がなく、装置の構成を複雑化させずに済
むという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、おねじに超音波振動を付与した送りねじ装
置の実施例を示すもので、図1(a)はその概略構成
図、図1(b)はおねじを伝わる超音波振動の様子を示
す概略図である。
【図2】は、めねじに超音波振動を付与した送りねじ装
置の実施例を示す概略構成図である。
【図3】は、従来の送りねじ装置の構成を示す概略図で
ある。
【主要部分の符号の説明】
1 送りねじ装置 2 発生器 3 振動子 4 ホーン 5 おねじ(第1のねじ) 6 フランジ 7 フランジ 8 接続部材 10 従来の送りねじ装置 11 おねじ 12 ナット(移動体) 13 駆動手段 14 テーブル 16 カップリング 21 送りねじ装置 22 おねじ(第1のねじ) 23 ナット(移動体) 24 テーブル 25 フランジ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のねじと、該第1のねじに螺合する
    第2のねじを備え前記第1のねじに対して相対的に移動
    する移動体とを有する送りねじ装置において、 前記第1のねじと第2のねじの少なくとも一方に対して
    超音波振動を付与する超音波振動付与手段を備えたこと
    を特徴とする送りねじ装置。
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