JP3154451B2 - 乳製品の風味安定化方法 - Google Patents
乳製品の風味安定化方法Info
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Description
これらを少なくとも一部使用した加工食品及びその製造
方法並びにその風味安定化方法及び風味安定化剤に関す
るものである。
ム等を豊富に含み栄養的に必要なあらゆる成分が含まれ
ている。日本人の栄養素の中でカルシウム不足が言われ
て久しいが、牛乳はカルシウムが吸収されやすい形で含
まれていることも特徴の一つで、従ってより一層摂取し
たい食品の一つである。この牛乳を原料として種々の乳
製品が製造されているが、製造方法によって各種栄養素
が濃縮されていることから、これら乳製品を摂取するこ
とも、また一層好ましい。
ルト、粉末化した全脂又は脱脂粉乳、クリーム、クリー
ムを分離したバター及び乳清、その他チーズ、カゼイ
ン、練乳等々、多種多様である。以上の乳製品はそのま
ま食品として消費される場合と、加工食品の原料として
使用される場合がある。すなわちアイスクリーム、ヨー
グルト飲料、ババロア、プリン、スープ、グラタン、ピ
ザなどや、さらにスナック菓子や米菓の味付け等々、非
常に幅広い食品に使用されているのが現状である。
各種乳製品を試作しその経時変化を調べた所、冷凍ある
いは冷蔵といった条件の良い場合でも比較的早くその風
味が変化する事を知った。一方、この乳製品を使用して
各種加工食品を試作してみた所、やはり同様の風味の変
化を認めたのである。
なり明確に風味が変化することが明らかとなった。本発
明の目的はこのような問題点のない風味の安定した良質
のチーズまたはバター及びこれらを使用した加工食品を
提供することにある。
た乳製品と風味の変化を起した乳製品の化学分析を行っ
た所表1のようにCOV,POV,TBA及びAVには
ほとんど差が見られなかった。
を行った所、極性及び非極性脂質の間にほとんど有意差
が認められなかった。従って風味の劣化が何に起因する
のか特定できなかった。
ため種々の成分のスクリーニングを行い、鋭意検討を行
った所、トコフェロールが強力な効果を有することを知
った。
についても検討を行った結果、効果は同一添加量で比較
すると、dl−α−Toc <ミックス−Toc <γ,δ−リッ
チ−Toc の順に良好であった。γ−,δ−リッチ−Toc
とはd−β,γ,δ−トコフェロールの含有率が97%以
上の組成のトコフェロールのことである。逆に言えばα
−Toc がトコフェロールの効果に対し阻害的に働いてい
ると言うことであり、この様な知見はこれまで全く知ら
れていない。本発明は、この知見に基づいて完成された
ものである。
原料から抽出、精製したd−α、β,γ,δ−トコフェ
ロールを指す。天然のトコフェロールは通常混合物とし
て使用され、それゆえミックストコフェロールと呼ばれ
ることもある。このミックストコフェロールは油状であ
り、本発明ではバターの様な油状の製品に対して好まし
く使用できる。
散型としたものは、牛乳のような水系のものに良好に加
えることが可能である。又、油状のトコフェロールを生
乳に加え、ホモジナイズしても本発明の目的を達成する
ことができる。トコフェロールをバターまたはチーズの
原料となる牛乳に加えることによって、以降の操作は通
常のままで、得られるバターまたはチーズの風味は良好
に保持できる。
型のトコフェロールを、バターまたはチーズそのものに
直接加えても良い。この方法でも、得られるバターまた
はチーズの風味は良好に保持できる。
ターまたはチーズは、それ自体の風味が良好で安定な品
質が得られる。またこのようなバターまたはチーズを使
用した加工食品もまた風味が良好で、できたての風味を
有する美味しいものが得られる。
に使用した加工食品の例としては、ピザ、グラタン、チ
ーズケーキ、チーズ味のスナックや米菓、あめ、ビスケ
ット、クッキー、ケーキ、コーンスープ、ポタージュス
ープ等のスープ類、クリームコロッケなどが挙げられ
る。
トコフェロールを加えた文献が見られる。それはトコフ
ェロールの油脂に対する安定化作用を調べたものであり
AOM等の保存テストを行いPOVで比較したものであ
る。従って本発明のようにトコフェロールを乳製品に使
用しその風味を改善するということと全く異なり、PO
VやCOVなどで見極めることのできない乳製品の風味
を安定化させる本発明は新規で独創的なものである。
ターあるいはそれらの出発原料例えば牛乳等に添加して
使用できるが、その添加量は、その目的により大きく異
なり一概に限定できない。それは例えばチーズのように
透明包装で蛍光燈の光が良く当るような場合は比較的多
量のトコフェロールを必要とし、また保存期間を長くと
る場合も同様である。一方、保存期間が短く低温でなお
光が当らないような場合は、少ない添加量で良い。この
為最適添加量はケースバイケースということになるが目
安として出発原料の生乳に対し0.0001〜0.05wt%(トコ
フェロール純品)程度と思われる。
スコルビン酸(及びその塩)やキレート剤(クエン酸N
a等)の併用もまた有効であるが、その効果は例えば油
脂に対するトコフェロールとシナージストの関係ほど顕
著ではなく、あくまでトコフェロールの効果を補強する
程度のものであった。
がチャーニングを行いバターを分離し、ガーゼで軽くし
ぼってバターを得た。本発明品は、得られたバターに対
しトコフェロール(商品名:理研Eオイルスーパー80
組成比α:βγ:δ=1:52:47)をトコフェロール
として400ppmになるよう添加した。そしてトコフェロー
ルの無添加品と上記本発明品(トコフェロール添加品)
を9cmφシャーレに10gずつ入れ、5℃、蛍光燈下で10
日間保存した。
示す。 <臭気> ヘッドスペースGLCの分析結果 分析は、以下の条件である。 島津GC−14A カラム ULBON HR−20M 0.25mm×50m カラム温度 60〜170 ℃ 10℃/min 昇温 サンプル加熱温度 90℃ 20分間 図1において(a)はイニシャルのバター、(b)は本
発明品のバター、(c)は対照品(無添加品)のバター
を示す。
シャルのチャートと比較して異臭と思われるピークが数
多く出現しているが、本発明品ではイニシャルピークと
かなり似ており、臭いの変化が明らかに少ない事が判
る。
す。 <官能> 対照品 新鮮臭が失われ枯草臭のような異臭を強く感じる。 刺激的な味が尾をひき、後味が悪い。 本発明品 新鮮臭は弱まっているものの異臭も少ない。 特に味に変化が少ない。
示した。 <外観> L,a,bで比較した。
が変化している。これに対して本発明品はほとんど変化
が見られなかった。
ボウルに入れ湯浴中で加温しながらゆっくり溶解した。
本発明品はトコフェロール(商品名 理研E乳材−14
SP トコフェロール含量14%,組成例α:βγ:δ=
1:62:37)をチーズに対し 0.4wt%加え、均一になる
ように混合した。トコフェロールの無添加品と本発明品
(トコフェロール添加品)をカップ(約100ml 容量)に
移し、冷却後フタをして実施例−1と同様に5℃蛍光燈
下で15日間保存した。
図4に示した。 <臭気> 図2〜図4のチャートはヘッドスペースGLCの分析結
果であり、分析条件は実施例−1と同様である。なお図
2は上記チーズのイニシャルの状態での測定結果であ
り、図3は本発明品についての測定結果であり、さらに
図4は対照品(無添加品)についての測定結果である。
発明品には異臭のピークが少なく対照品と比較して良く
香りを保持していることが判る。
す。 <官能> 対照品 新鮮臭が失われ、石ケン臭のような異臭が強い。 味の面でも変化が激しく、刺激的な味の発生がある。 本発明品 新鮮臭は弱いながら残っている。 異臭が少ないのでイニシャルの臭いのバランスに近い。 味の面では、異味が少ない。
表3に示す。 <外観> 実施例−1と同様L,a,bで比較した。
が退色している。これに対して本発明品はその変化が少
ない。
発明品では変化が少なくチーズの風味保持に顕著な効果
を示した。
生タマネギ 100gを加えてバターで炒めた。本発明品
は、このバターに下記の表4に示すトコフェロールを0.
05%(トコフェロール換算 70ppm)加えた。一方、溶か
したバター40gに薄力粉35gを加えて炒め、本発明品は
表4に示すトコフェロールを 0.2wt%(トコフェロール
換算280ppm)加えた牛乳を、また対照品は無添加の牛乳
600ccを加え激しく攪拌しとろみが付くまで弱火で加熱
した。その後塩(小さじ 1/2)、こしょう少々を加え調
味づけした。
マネギに加えフライパンで軽く加熱した。それをアルミ
製容器に移しチーズをのせた。チーズは市販のナチュラ
ルチーズを実施例−2と同様の方法で表4に示すトコフ
ェロールの 0.1wt%添加品又は無添加品を作成した。こ
れを冷凍保管し、経時変化を官能で評価し、その結果を
表5に示した。尚本実施例ではトコフェロールの効果を
知る為と、トコフェロールの組成の差異による効果の強
弱を調べる為に下記表4の様なトコフェロールで行っ
た。
る程のものではないが、官能上は明らかに香りに違いが
見られた。この差は、d−α−Toc <MIX Toc <97%以
上がβ,γ,δ−Toc であるMIX Toc 、であった。また
外観上の差は無かった。
個を加えクリーム状に練り、チーズ 200gを少しずつ加
え、さらに練った後牛乳80ccを加え、ふるった薄力粉20
gを入れてさっくり混ぜる。卵白3個と砂糖80gを固く
泡立てたものを加えて泡を消さないように混ぜ、型に流
し込む。これをオーブンで焼き上げベークドチーズケー
スを製造した。
名 理研Eオイルスーパー80 前述)をバターに対し
70ppm(トコフェロール換算)加え、さらにチーズにト
コフェロール(商品名 理研E乳剤−14SP)を300p
pm(トコフェロール換算)加えた。
2週間後官能評価を行った。その結果味の差は判りにく
かったが、香りでは本発明品の方がチーズ臭がよく残り
食欲をそそる風味が良く保持されていた。
テストの結果を示すチャート図であり、(a)はイニシ
ャル時のもの、(b)は本発明品のもの、(c)は対照
品のものを示す。
臭気テストの分析結果を示すチャート図である。
果を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 同族体組成として、97%以上がβ−,
γ−,δ−トコフェロールより成るトコフェロールを添
加して風味を安定化したことを特徴とするチーズまたは
バター。 - 【請求項2】 チーズまたはバターあるいはそれらの出
発原料に同族体組成として、97%以上がβ−,γ−,
δ−トコフェロールより成るトコフェロールを添加する
ことを特徴とするチーズまたはバターの風味安定化方
法。 - 【請求項3】 請求項1記載のチーズまたはバターを使
用した加工食品。 - 【請求項4】 チーズまたはバターを使用した加工食品
に同族体組成として、97%以上がβ−,γ−,δ−ト
コフェロールより成るトコフェロールを添加することを
特徴とする加工食品の風味安定化方法。 - 【請求項5】 同族体組成として、97%以上がβ−,
γ−,δ−トコフェロールより成るトコフェロールを有
効成分とするチーズまたはバターの風味安定化剤。 - 【請求項6】 同族体組成として、97%以上がβ−,
γ−,δ−トコフェロールより成るトコフェロールを有
効成分とするチーズまたはバターを使用した加工食品の
風味安定化剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02595493A JP3154451B2 (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 乳製品の風味安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02595493A JP3154451B2 (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 乳製品の風味安定化方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06217688A JPH06217688A (ja) | 1994-08-09 |
| JP3154451B2 true JP3154451B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=12180158
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP02595493A Expired - Lifetime JP3154451B2 (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 乳製品の風味安定化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3154451B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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|---|---|---|---|---|
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| JP4248159B2 (ja) * | 2000-06-22 | 2009-04-02 | 理研ビタミン株式会社 | 光透過性容器充填乳飲料の光照射による品質劣化を抑制する方法 |
| JP5235259B2 (ja) * | 2004-06-25 | 2013-07-10 | 不二製油株式会社 | 水中油型乳化物 |
| JP2011103906A (ja) * | 2011-03-11 | 2011-06-02 | Fuji Oil Co Ltd | 水中油型乳化物 |
| JP6434770B2 (ja) * | 2014-09-30 | 2018-12-05 | 森永乳業株式会社 | フレッシュクリーム及び甘性バターの風味予測方法、並びにフレッシュクリーム及び甘性バターの製造方法 |
| JP2016084307A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 森永乳業株式会社 | 胃内酵素活性を阻害する薬剤 |
-
1993
- 1993-01-22 JP JP02595493A patent/JP3154451B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06217688A (ja) | 1994-08-09 |
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