JP3158384B2 - 軸状ワークの移動焼入方法 - Google Patents
軸状ワークの移動焼入方法Info
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールネジのよう
な軸状ワークの表面焼入に用いられる移動焼入方法に関
し、特に外径が100mmを越えるような大径の軸状ワ
ークの表面焼入に適した移動焼入方法に関する。
な軸状ワークの表面焼入に用いられる移動焼入方法に関
し、特に外径が100mmを越えるような大径の軸状ワ
ークの表面焼入に適した移動焼入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールネジのような軸状ワークの表面焼
入には能率等の点から移動焼入が多用されている。ボー
ルネジに対する従来の移動焼入方法を図3により説明す
る。ボールネジ10は、一方の端部が非ネジ部11、残
りがネジ部12である。表面焼入は、ネジ部12の両端
の僅かの部分を除くAからBにかけての範囲に施され
る。即ち、Aは焼入開始位置、Bは焼入終了位置であ
る。
入には能率等の点から移動焼入が多用されている。ボー
ルネジに対する従来の移動焼入方法を図3により説明す
る。ボールネジ10は、一方の端部が非ネジ部11、残
りがネジ部12である。表面焼入は、ネジ部12の両端
の僅かの部分を除くAからBにかけての範囲に施され
る。即ち、Aは焼入開始位置、Bは焼入終了位置であ
る。
【0003】焼入作業では、先ず、ボールネジ10の非
ネジ部11側の端部をチャック20で掴み、他端部をロ
ーラユニット30等で支持することにより、ボールネジ
10を水平に支持する。次いで、半開放鞍形コイルと呼
ばれる高周波方式の加熱コイル40を図示の如く焼入開
始位置Aに位置させ、この状態でボールネジ10を回転
させながら加熱コイル40の出力をオンにする。
ネジ部11側の端部をチャック20で掴み、他端部をロ
ーラユニット30等で支持することにより、ボールネジ
10を水平に支持する。次いで、半開放鞍形コイルと呼
ばれる高周波方式の加熱コイル40を図示の如く焼入開
始位置Aに位置させ、この状態でボールネジ10を回転
させながら加熱コイル40の出力をオンにする。
【0004】この焼入開始位置Aでの加熱は、移動焼入
のための加熱をいきなり行うことに伴う割れを防止する
ための一種の予熱であり、停止加熱と呼ばれている。そ
して、停止加熱時のコイル出力は、その目的からして焼
入移動時のコイル出力により低く設定される。
のための加熱をいきなり行うことに伴う割れを防止する
ための一種の予熱であり、停止加熱と呼ばれている。そ
して、停止加熱時のコイル出力は、その目的からして焼
入移動時のコイル出力により低く設定される。
【0005】停止加熱が終わると、コイル出力を上げて
加熱コイル40の焼入移動を開始する。これにより、ボ
ールネジ10のネジ部12の表面が焼入開始位置Aから
焼入終了位置Bに向けて変態点以上の温度に順に加熱さ
れる。加熱コイル40の後方に配置された本ジャケット
50、アフタージャケット60が焼入開始位置Aに到達
すると、本ジャケット50、アフタージャケット60か
ら焼入液の噴出が開始される。これを続けることによ
り、ネジ部12の表面が焼入開始位置Aから焼入終了位
置Bまでの範囲において高周波焼入される。
加熱コイル40の焼入移動を開始する。これにより、ボ
ールネジ10のネジ部12の表面が焼入開始位置Aから
焼入終了位置Bに向けて変態点以上の温度に順に加熱さ
れる。加熱コイル40の後方に配置された本ジャケット
50、アフタージャケット60が焼入開始位置Aに到達
すると、本ジャケット50、アフタージャケット60か
ら焼入液の噴出が開始される。これを続けることによ
り、ネジ部12の表面が焼入開始位置Aから焼入終了位
置Bまでの範囲において高周波焼入される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような移動焼入方
法によると、ボールネジ10の外径が100mm程度の
場合は支障なく焼入が行われる。しかし、その外径が1
00mmを超え、200mmに達するようになると、停
止加熱を行っているにもかかわらず、焼入移動を開始す
るときの急激な加熱後の自冷により、ボールネジ10の
焼入開始部分に割れが発生するようになる。その理由は
次の通りである。
法によると、ボールネジ10の外径が100mm程度の
場合は支障なく焼入が行われる。しかし、その外径が1
00mmを超え、200mmに達するようになると、停
止加熱を行っているにもかかわらず、焼入移動を開始す
るときの急激な加熱後の自冷により、ボールネジ10の
焼入開始部分に割れが発生するようになる。その理由は
次の通りである。
【0007】図3に示されるような、端部を除く部分に
ネジ部12が形成されたボールネジ10の場合、非ネジ
部11側の端部をチャック20により把持し、ネジ部1
2に対しては、非ネジ部11側の端部、即ちチャッキン
グ側の端部から焼入を開始するのが通例である。ボール
ネジ10の外径が大きくなると、その熱容量が大きくな
り、停止加熱で与えられる熱がボールネジ10に吸収さ
れ易くなるだけでなく、その熱が近くて熱容量の大きい
チャック20に非ネジ部11を介して逃げやすくなり、
その結果としてボールネジ10の焼入開始部分が停止加
熱によっても十分に加熱されなくなる。このような状態
で焼入移動を開始すると、その開始に伴う出力アップに
より焼入開始部分が急激に加熱され、割れを誘発する。
ネジ部12が形成されたボールネジ10の場合、非ネジ
部11側の端部をチャック20により把持し、ネジ部1
2に対しては、非ネジ部11側の端部、即ちチャッキン
グ側の端部から焼入を開始するのが通例である。ボール
ネジ10の外径が大きくなると、その熱容量が大きくな
り、停止加熱で与えられる熱がボールネジ10に吸収さ
れ易くなるだけでなく、その熱が近くて熱容量の大きい
チャック20に非ネジ部11を介して逃げやすくなり、
その結果としてボールネジ10の焼入開始部分が停止加
熱によっても十分に加熱されなくなる。このような状態
で焼入移動を開始すると、その開始に伴う出力アップに
より焼入開始部分が急激に加熱され、割れを誘発する。
【0008】焼入移動開始時の出力アップに伴う焼入開
始部分の割れを防ぐために、停止加熱での加熱時間や加
熱出力を大きくすることが考えられる。そうした場合
は、確かに割れは防止されるが、焼入開始部分の表面温
度が停止加熱の段階で既に変態点を超えて所謂オーバー
ヒート状態となり、その部分の焼入品質が著しく低下す
る。このため、停止加熱でのパワーアップによる割れ防
止策は採用できない。このようなことから、ボールネジ
10の外径が大きい場合は、高能率な移動焼入を適用で
きないのが実情である。
始部分の割れを防ぐために、停止加熱での加熱時間や加
熱出力を大きくすることが考えられる。そうした場合
は、確かに割れは防止されるが、焼入開始部分の表面温
度が停止加熱の段階で既に変態点を超えて所謂オーバー
ヒート状態となり、その部分の焼入品質が著しく低下す
る。このため、停止加熱でのパワーアップによる割れ防
止策は採用できない。このようなことから、ボールネジ
10の外径が大きい場合は、高能率な移動焼入を適用で
きないのが実情である。
【0009】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、軸状ワークの外径が大きい場合も、焼入移動
開始時の出力アップに伴う焼入開始部分の割れを防止
し、しかも、焼入開始部分のオーバーヒートによる焼入
品質の低下を回避することができる軸状ワークの移動焼
入方法を提供することを目的とする。
のであり、軸状ワークの外径が大きい場合も、焼入移動
開始時の出力アップに伴う焼入開始部分の割れを防止
し、しかも、焼入開始部分のオーバーヒートによる焼入
品質の低下を回避することができる軸状ワークの移動焼
入方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る軸状ワーク
の移動焼入方法は、軸状ワークの端部を残してそのワー
ク外面を軸方向に移動焼入する際に、焼入開始位置より
端部側に加熱コイルを位置させ、焼入移動時のコイル出
力より低い低出力で軸状ワークを予備加熱し、この予備
加熱の後に加熱コイルを焼入開始位置に移動させ、引き
続き焼入移動時のコイル出力より低い低出力で停止加熱
を行った後、コイル出力を上げて焼入移動を開始するこ
とを特徴とする。
の移動焼入方法は、軸状ワークの端部を残してそのワー
ク外面を軸方向に移動焼入する際に、焼入開始位置より
端部側に加熱コイルを位置させ、焼入移動時のコイル出
力より低い低出力で軸状ワークを予備加熱し、この予備
加熱の後に加熱コイルを焼入開始位置に移動させ、引き
続き焼入移動時のコイル出力より低い低出力で停止加熱
を行った後、コイル出力を上げて焼入移動を開始するこ
とを特徴とする。
【0011】本発明に係る軸状ワークの移動焼入方法で
は、焼入移動に先立つ停止加熱の前に予備加熱を行う
が、特にその予備加熱を焼入開始位置より端部側で行う
ことが重要である。停止加熱前に焼入開始位置より端部
側で予備加熱を行うことにより、焼入開始位置ではワー
ク表面温度を低く抑えることができるので、オーバーヒ
ートを回避しつつ十分な予備加熱が可能となり、この十
分な予備加熱により焼入開始位置近傍の全体温度が上が
り、その結果として焼入移動開始時の出力アップに伴う
割れの防止が可能になる。また、予備加熱位置は焼入開
始位置より端部側に位置し、焼入を受けない部分にある
ので、表面温度が変態点を超えても焼入品質を低下させ
ることにはならない。
は、焼入移動に先立つ停止加熱の前に予備加熱を行う
が、特にその予備加熱を焼入開始位置より端部側で行う
ことが重要である。停止加熱前に焼入開始位置より端部
側で予備加熱を行うことにより、焼入開始位置ではワー
ク表面温度を低く抑えることができるので、オーバーヒ
ートを回避しつつ十分な予備加熱が可能となり、この十
分な予備加熱により焼入開始位置近傍の全体温度が上が
り、その結果として焼入移動開始時の出力アップに伴う
割れの防止が可能になる。また、予備加熱位置は焼入開
始位置より端部側に位置し、焼入を受けない部分にある
ので、表面温度が変態点を超えても焼入品質を低下させ
ることにはならない。
【0012】予備加熱位置は、焼入開始位置近傍の全体
温度を上げる点からは焼入開始位置に近い方が好ましい
が、近すぎる場合は焼入開始位置でのワーク表面温度の
上昇を招く。そのため、焼入開始位置から予備加熱位置
までの距離は、軸状ワークの外径をDとして0.2D〜
0.5Dが好ましい。
温度を上げる点からは焼入開始位置に近い方が好ましい
が、近すぎる場合は焼入開始位置でのワーク表面温度の
上昇を招く。そのため、焼入開始位置から予備加熱位置
までの距離は、軸状ワークの外径をDとして0.2D〜
0.5Dが好ましい。
【0013】また、焼入開始位置でのワーク表面温度の
上昇を抑えつつ、焼入開始位置近傍の全体温度を上げる
方法としては、予備加熱を休止期間を挟んで2回以上行
うことが有効である。なぜなら、休止期間中にワーク表
面温度が優先的に低下するからである。
上昇を抑えつつ、焼入開始位置近傍の全体温度を上げる
方法としては、予備加熱を休止期間を挟んで2回以上行
うことが有効である。なぜなら、休止期間中にワーク表
面温度が優先的に低下するからである。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
移動焼入方法の作業手順を段階的に示す焼入装置の構成
図、図2(A)(b)(c)は焼入装置の断面図で、図
3のX−X線矢示図、Y−Y線矢示図、Z−Z線矢示図
にそれぞれ相当する。
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
移動焼入方法の作業手順を段階的に示す焼入装置の構成
図、図2(A)(b)(c)は焼入装置の断面図で、図
3のX−X線矢示図、Y−Y線矢示図、Z−Z線矢示図
にそれぞれ相当する。
【0016】焼入対象物である軸状ワークは、一方の端
部が非ネジ部11、残りがネジ部12とされた前述のボ
ールネジ10である。加熱コイル40は半開放鞍型コイ
ルと呼ばれる高周波加熱コイルであり〔図2(a)参
照〕、その移動方向後方には本ジャケット50が配置さ
れ、その更に後方にはアフタージャケット60が配置さ
れている。本ジャケット50は図2(b)に示すように
上部及び左右両側に配置されてボールネジ10の表面に
大量の焼入液を吹き付けるのに対し、アフタージャケッ
ト60は図2(c)に示すようにボールネジ10の真上
から少量の焼入液を吹き付ける。以下の説明では加熱コ
イル40、本ジャケット50及びアフタージャケット6
0をボールネジ10の軸方向に同期移動させるが、ボー
ルネジ10の方を軸方向に移動させることも可能であ
る。
部が非ネジ部11、残りがネジ部12とされた前述のボ
ールネジ10である。加熱コイル40は半開放鞍型コイ
ルと呼ばれる高周波加熱コイルであり〔図2(a)参
照〕、その移動方向後方には本ジャケット50が配置さ
れ、その更に後方にはアフタージャケット60が配置さ
れている。本ジャケット50は図2(b)に示すように
上部及び左右両側に配置されてボールネジ10の表面に
大量の焼入液を吹き付けるのに対し、アフタージャケッ
ト60は図2(c)に示すようにボールネジ10の真上
から少量の焼入液を吹き付ける。以下の説明では加熱コ
イル40、本ジャケット50及びアフタージャケット6
0をボールネジ10の軸方向に同期移動させるが、ボー
ルネジ10の方を軸方向に移動させることも可能であ
る。
【0017】焼入作業では、先ず、図1(a)に示すよ
うに、ボールネジ10の非ネジ部11側の端部をチャッ
ク20で掴み、他端部をローラユニット等で支持するこ
とにより、ボールネジ10を水平に支持する。次いで、
加熱コイル40の軸方向中央を、焼入開始位置Aから非
ネジ部11側、即ちチャッキング側へLだけ離れた予熱
位置Cに位置させる。そして、この状態でボールネジ1
0を回転させながら加熱コイル40の出力をオンにする
ことにより、予備加熱を行う。このときのコイル出力
は、焼入移動時のコイル出力より低く設定される。
うに、ボールネジ10の非ネジ部11側の端部をチャッ
ク20で掴み、他端部をローラユニット等で支持するこ
とにより、ボールネジ10を水平に支持する。次いで、
加熱コイル40の軸方向中央を、焼入開始位置Aから非
ネジ部11側、即ちチャッキング側へLだけ離れた予熱
位置Cに位置させる。そして、この状態でボールネジ1
0を回転させながら加熱コイル40の出力をオンにする
ことにより、予備加熱を行う。このときのコイル出力
は、焼入移動時のコイル出力より低く設定される。
【0018】この予備加熱により、ボールネジ10は予
備加熱位置Cを中心として表面側から加熱される。ボー
ルネジ10に与えられた熱はその内部に伝わり、更に軸
方向に伝わり、直接加熱部分の温度は急速には上昇しな
いが、これを続けることにより、直接加熱部分の温度が
上がり、焼入開始位置Aも含め直接加熱部分の周辺が全
体的に加熱される。このような状態になっても、焼入開
始位置Aは直接加熱されないので、その表面温度が変態
点より低く抑えられ、オーバーヒートに至らない。直接
加熱される予備加熱位置Cについては、表面温度が上が
るが、焼入されない部分であるので、変態点を超えても
何ら支障がない。
備加熱位置Cを中心として表面側から加熱される。ボー
ルネジ10に与えられた熱はその内部に伝わり、更に軸
方向に伝わり、直接加熱部分の温度は急速には上昇しな
いが、これを続けることにより、直接加熱部分の温度が
上がり、焼入開始位置Aも含め直接加熱部分の周辺が全
体的に加熱される。このような状態になっても、焼入開
始位置Aは直接加熱されないので、その表面温度が変態
点より低く抑えられ、オーバーヒートに至らない。直接
加熱される予備加熱位置Cについては、表面温度が上が
るが、焼入されない部分であるので、変態点を超えても
何ら支障がない。
【0019】焼入開始位置Aにおける表面温度が変態点
を超える危険のある場合は、途中で予備加熱を停止し、
休止期間を挟んで再び予備加熱を開始する。休止期間中
に表面温度が優先的に低下するので、焼入開始位置Aに
おける表面温度を抑えつつ、その付近全体を十分に加熱
することができる。
を超える危険のある場合は、途中で予備加熱を停止し、
休止期間を挟んで再び予備加熱を開始する。休止期間中
に表面温度が優先的に低下するので、焼入開始位置Aに
おける表面温度を抑えつつ、その付近全体を十分に加熱
することができる。
【0020】予備加熱が終わると、図1(b)に示すよ
うに、加熱コイル40を前進させ、その軸方向中央を焼
入開始位置Aに位置させる。加熱コイル40の移動中
は、加熱を停止しておく。加熱コイル40が加熱開始位
置Aに到達すると、加熱コイル40をこの位置に停止さ
せた状態で、加熱開始位置Aに停止加熱を行う。このと
きのコイル出力は、焼入移動時のコイル出力より低く設
定される。
うに、加熱コイル40を前進させ、その軸方向中央を焼
入開始位置Aに位置させる。加熱コイル40の移動中
は、加熱を停止しておく。加熱コイル40が加熱開始位
置Aに到達すると、加熱コイル40をこの位置に停止さ
せた状態で、加熱開始位置Aに停止加熱を行う。このと
きのコイル出力は、焼入移動時のコイル出力より低く設
定される。
【0021】この停止加熱では、先の予備加熱で焼入開
始位置Aの付近全体が十分に加熱されているので、直接
加熱部分の抜熱が少ない。そのため、表面温度が変態点
を超えない程度の加熱でも、割れを防止できる程度に焼
入開始位置Aを加熱することができる。かくして、ボー
ルネジ10の外径が大きい場合も、焼入品質を低下させ
ることなく、焼入移動開始時の出力アップに伴う割れの
防止が可能になる。
始位置Aの付近全体が十分に加熱されているので、直接
加熱部分の抜熱が少ない。そのため、表面温度が変態点
を超えない程度の加熱でも、割れを防止できる程度に焼
入開始位置Aを加熱することができる。かくして、ボー
ルネジ10の外径が大きい場合も、焼入品質を低下させ
ることなく、焼入移動開始時の出力アップに伴う割れの
防止が可能になる。
【0022】停止加熱が終わると、コイル出力を上げて
加熱コイル40の焼入移動を開始する。加熱コイル40
が移動すると、図1(c)に示すように、その移動に伴
って本ジャケット50が加熱開始位置Aに到達する。そ
うすると、本ジャケット50による急冷を開始する。加
熱コイル40が更に移動すると、図1(d)に示すよう
に、アフタージャケット60が加熱開始位置Aに到達す
る。そうすると、アフタージャケット60による緩冷却
を開始する。これを続けることにより、ネジ部12の表
面が焼入開始位置Aから焼入終了位置B(図3参照)ま
での範囲において高周波焼入される。
加熱コイル40の焼入移動を開始する。加熱コイル40
が移動すると、図1(c)に示すように、その移動に伴
って本ジャケット50が加熱開始位置Aに到達する。そ
うすると、本ジャケット50による急冷を開始する。加
熱コイル40が更に移動すると、図1(d)に示すよう
に、アフタージャケット60が加熱開始位置Aに到達す
る。そうすると、アフタージャケット60による緩冷却
を開始する。これを続けることにより、ネジ部12の表
面が焼入開始位置Aから焼入終了位置B(図3参照)ま
での範囲において高周波焼入される。
【0023】アフタージャケット60による緩冷却は、
大径のボールネジ10のように熱容量の大きいワークを
焼入する場合の復熱による焼き戻しを防止するのに有効
である。
大径のボールネジ10のように熱容量の大きいワークを
焼入する場合の復熱による焼き戻しを防止するのに有効
である。
【0024】焼入開始位置Aから予備加熱位置Cまでの
距離Lは、前述した通り、ボールネジ10の外径をDと
して0.2D〜0.5Dが好ましい。予備加熱時及び停
止加熱時のコイル出力は、高すぎると焼入開始位置Aで
の表面温度が過度に上昇し、低すぎる場合は予熱効果が
不足するので、焼入移動時のコイル出力をWとして0.
3W〜0.5Wが好ましい。予備加熱時間、その休止時
間及び停止加熱時間は、加熱開始位置Aでの表面温度及
び予熱効果が満足されるように、ボールネジ10の寸法
及びコイル出力等に基づき適宜選択される。
距離Lは、前述した通り、ボールネジ10の外径をDと
して0.2D〜0.5Dが好ましい。予備加熱時及び停
止加熱時のコイル出力は、高すぎると焼入開始位置Aで
の表面温度が過度に上昇し、低すぎる場合は予熱効果が
不足するので、焼入移動時のコイル出力をWとして0.
3W〜0.5Wが好ましい。予備加熱時間、その休止時
間及び停止加熱時間は、加熱開始位置Aでの表面温度及
び予熱効果が満足されるように、ボールネジ10の寸法
及びコイル出力等に基づき適宜選択される。
【0025】外径が200mmのボールネジを移動焼入
する際に、予備加熱−休止−予備加熱−加熱停止及び加
熱コイル40移動−停止加熱−焼入移動を実施した。焼
入開始位置Aは非ネジ部11とネジ部12の境界から1
50mmのところにあり、焼入開始位置Aから予備加熱
位置Cまでの距離Lは50mmとした。1回目の予備加
熱は150kW×15秒、休止期間は30秒、2回目の
予備加熱は150kW×15秒、停止加熱は150kW
×8秒とした。ちなみに、焼入移動時のコイル出力は2
80kWである。
する際に、予備加熱−休止−予備加熱−加熱停止及び加
熱コイル40移動−停止加熱−焼入移動を実施した。焼
入開始位置Aは非ネジ部11とネジ部12の境界から1
50mmのところにあり、焼入開始位置Aから予備加熱
位置Cまでの距離Lは50mmとした。1回目の予備加
熱は150kW×15秒、休止期間は30秒、2回目の
予備加熱は150kW×15秒、停止加熱は150kW
×8秒とした。ちなみに、焼入移動時のコイル出力は2
80kWである。
【0026】また、焼入液の噴出量は、本ジャケットで
は25L/分、アフタージャケットでは5L/分とし
た。
は25L/分、アフタージャケットでは5L/分とし
た。
【0027】ボールネジが200mmという大径である
にもかかわらず、焼入移動開始時の出力アップに伴う割
れが防止された。また、焼入品質は焼入開始位置Aを含
む焼入部全域で良好であった。その結果、このボールネ
ジの安定な移動焼入が可能になった。
にもかかわらず、焼入移動開始時の出力アップに伴う割
れが防止された。また、焼入品質は焼入開始位置Aを含
む焼入部全域で良好であった。その結果、このボールネ
ジの安定な移動焼入が可能になった。
【0028】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明に係る軸状
ワークの移動焼入方法は、焼入移動に先立つ停止加熱の
前に、焼入開始位置より端部側で予備加熱を行うことに
より、軸状ワークの外径が大きい場合も、焼入移動の開
始に伴う焼入開始部分の割れを防止し、しかも、焼入開
始部分のオーバーヒートによる焼入品質の低下を回避す
ることができる。従って、この割れや品質低下のために
移動焼入の適用が阻害されていた大径ワークについて
も、その移動焼入の適用が可能となり、その適用により
焼入作業の高能率化が図られる。
ワークの移動焼入方法は、焼入移動に先立つ停止加熱の
前に、焼入開始位置より端部側で予備加熱を行うことに
より、軸状ワークの外径が大きい場合も、焼入移動の開
始に伴う焼入開始部分の割れを防止し、しかも、焼入開
始部分のオーバーヒートによる焼入品質の低下を回避す
ることができる。従って、この割れや品質低下のために
移動焼入の適用が阻害されていた大径ワークについて
も、その移動焼入の適用が可能となり、その適用により
焼入作業の高能率化が図られる。
【0029】特に、予備加熱を休止期間を挟んで2回以
上行うようにすると、焼入開始位置における表面温度が
変態点を超える危険のある場合に、途中で予備加熱を停
止し、休止期間を挟んで再び予備加熱を開始することな
る。このため、休止期間中に表面温度が優先的に低下す
るので、焼入開始位置における表面温度を抑えつつ、そ
の付近全体を十分に加熱することができる。
上行うようにすると、焼入開始位置における表面温度が
変態点を超える危険のある場合に、途中で予備加熱を停
止し、休止期間を挟んで再び予備加熱を開始することな
る。このため、休止期間中に表面温度が優先的に低下す
るので、焼入開始位置における表面温度を抑えつつ、そ
の付近全体を十分に加熱することができる。
【0030】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動焼入方法の作業
手順を段階的に示す焼入装置の構成図である。
手順を段階的に示す焼入装置の構成図である。
【図2】(A)(b)(c)は焼入装置の断面図で、図
3のX−X線矢示図、Y−Y線矢示図、Z−Z線矢示図
にそれぞれ相当する。
3のX−X線矢示図、Y−Y線矢示図、Z−Z線矢示図
にそれぞれ相当する。
【図3】従来の移動焼入方法の作業手順を説明するため
の焼入装置の構成図である。
の焼入装置の構成図である。
10 ボールネジ(軸状ワーク) 20 チャック 30 センターピン 40 加熱コイル 50 本ジャケット 60 アフタージャケット A 焼入開始位置 B 焼入終了位置 C 予備加熱位置
Claims (2)
- 【請求項1】 軸状ワークの端部を残してそのワーク外
面を軸方向に移動焼入する際に、焼入開始位置より端部
側に加熱コイルを位置させ、焼入移動時のコイル出力よ
り低い低出力で軸状ワークを予備加熱し、この予備加熱
の後に加熱コイルを焼入開始位置に移動させ、引き続き
焼入移動時のコイル出力より低い低出力で停止加熱を行
った後、コイル出力を上げて焼入移動を開始することを
特徴とする軸状ワークの移動焼入方法。 - 【請求項2】 予備加熱を休止期間を挟んで2回以上行
うことを特徴とする請求項1記載の軸状ワークの移動焼
入方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03285197A JP3158384B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 軸状ワークの移動焼入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03285197A JP3158384B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 軸状ワークの移動焼入方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10212525A JPH10212525A (ja) | 1998-08-11 |
| JP3158384B2 true JP3158384B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=12370348
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03285197A Expired - Fee Related JP3158384B2 (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 軸状ワークの移動焼入方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3158384B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014100388A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-06-05 | Kosaku Ono | 尿検査装置 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2870545B1 (fr) * | 2004-05-19 | 2006-07-14 | Valeo Equip Electr Moteur | Procede de realisation d'un arbre de lanceur de demarreur |
| JP6108612B2 (ja) * | 2013-05-17 | 2017-04-05 | 富士電子工業株式会社 | 長尺状ワークの移動焼入装置、並びに、移動焼入方法 |
-
1997
- 1997-01-30 JP JP03285197A patent/JP3158384B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014100388A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-06-05 | Kosaku Ono | 尿検査装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10212525A (ja) | 1998-08-11 |
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