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JP3160584B2 - 通電焼結方法 - Google Patents
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JP3160584B2 - 通電焼結方法 - Google Patents

通電焼結方法

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JP3160584B2
JP3160584B2 JP04294799A JP4294799A JP3160584B2 JP 3160584 B2 JP3160584 B2 JP 3160584B2 JP 04294799 A JP04294799 A JP 04294799A JP 4294799 A JP4294799 A JP 4294799A JP 3160584 B2 JP3160584 B2 JP 3160584B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通電焼結方法、詳しく
は、成形型と焼結すべき粉末材料との間に生じるミクロ
放電を無くしあるいは低減すると共に、粉末材料に流れ
る電流を適正化することにより、均一な焼結体を得るこ
とができる通電焼結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通電焼結は、これまで焼結の難しかった
材料、例えばウイスカーなどを含むセラミックス複合材
料や繊維強化金属材料(FRM)などの焼結、高温焼結
特性の損なわれ易いアモルファス材料や電子材料などの
低温焼結を可能にするものであり、また、連続的に材料
の性質が変わる傾斜機能材料を短時間且つ低コストで製
造し得る方法としても注目されている。
【0003】通電焼結は、図1にその要部を示すよう
に、真空容器(図示せず)内に設けられた焼結炉(図示
せず)に成形ダイ1と成形ダイ1に挿入される上パンチ
2および下パンチ3からなる成形型を配設し、成形ダイ
1内に粉末材料Mを装入して、パンチ2、3に荷重Pと
して、例えば、100〜1000kg/cm2 の荷重を
付加し、粉末材料Mを上下から圧縮するとともに、パン
チ2、3を通して粉末材料Mに電圧を印加し通電するこ
とにより行われている。
【0004】成形ダイは炭素材、超硬合金などからな
り、パンチも、同じく炭素材、超硬合金などから構成さ
れるが、とくに成形型が導電性に優れた炭素材料などか
らなる場合、通電焼結時に成形型と接する焼結体の外周
面(表層部)およびその近傍には焼結体の内部と異なる
組織、特性を持つ変質層が形成され易く、均一な焼結体
が得られない場合が少なくないという第1の問題があっ
た。
【0005】また、通電時の粉末材料M中の温度分布
は、図4に示すように、粉末材料Mの中央部aの温度が
高く、成形ダイ1に近い周辺部bの温度が低くなる。な
お、図4において、横軸は図1に示す粉末材料M及び成
形ダイ1における位置を表し、aは粉末材料Mの中央
部、bは粉末材料Mの周辺部、cは成形ダイ1の壁内部
である。また、縦軸Tは通電焼結時の粉末材料M及び成
形ダイ1の内部の温度を示す。このため、粉末材料M
は、中央部aと周辺部bとで焼結状態が不均一になり、
均一な焼結体が得られない場合も少なくないという第2
の問題があった。
【0006】発明者らは、まず前記第1の問題、すなわ
ち、通電焼結時に成形型と接する焼結体の外周面(表層
部)およびその近傍に変質層が形成されることを解明す
ることを目的として、通電時の粉末材料内部の放電状況
を観察するために、耐熱ガラスからなるチューブに直径
1mmの多数の銅球を充填し、上下に黒鉛電極を配置し
て、直流を通電したところ、銅球が黒鉛電極と接する部
分でミクロ放電が顕著に発生することが見出され、さら
に実験を繰り返した結果、粉末材料の通電焼結において
も、焼結しようとする粉末材料Mが成形ダイ1、上パン
チ2および下パンチ3と接する面でミクロ放電が生じ易
く、該ミクロ放電部は局部的に高温となることに起因し
て、その部分において焼結体の内部と異なる組織、特性
を持つ変質層が形成されることが確認された。
【0007】この実験結果を踏まえ、発明者らは、前記
第1の問題を解決する手段として、先に特願平9−18
3047号出願において、粉末材料を成形ダイ中に装入
し、パンチで圧縮して圧粉体とするとともに、該圧粉体
にパンチを通して電圧を印加し通電焼結することにより
焼結体を得る方法において、粉末材料が成形ダイおよび
/またはパンチと接する面に電気絶縁層を介在させて通
電する通電制御方法を開示した。この方法によれば、上
記のミクロ放電を無くしあるいは低減することにより、
得られる焼結体の表層部における変質層の形成を無くし
て、均一な組織、特性をそなえた焼結体の製造が可能に
なる。
【0008】しかし、この方法によっても、前記第2の
問題、すなわち、通電時の粉末材料M中の温度分布が不
均一になることは十分に解決されない。すなわち、この
方法で通電焼結したときの粉末材料M中の温度分布は、
図5に示すように粉末材料Mの中央部aの温度が低くな
り、周辺部bの温度が高くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通電焼結に
おける上記第2の問題を解決するために、種々実験、検
討を行った結果としてなされたものであり、その目的
は、ミクロ放電を抑制するとともに通電焼結時における
上記粉末材料の温度分布が不均一になることを抑制し
て、焼結体の表層部及び内部全体において、変質層が形
成されず、均一な組織、特性の焼結体を製造する通電焼
結方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1による通電焼結方法は、粉末材料
を成形ダイ中に装入し、パンチで圧縮して圧粉体とする
とともに、該圧粉体にパンチを通して電圧を印加し通電
焼結することにより焼結体を得る方法において、粉末材
料が成形ダイおよび/またはパンチと接する面に、耐熱
性導電材料と耐熱性絶縁材料との混合物からなる半導電
材料を塗布することにより形成した半導電層を介在させ
て通電することを特徴とする。
【0011】また、請求項2による通電焼結方法は、粉
末材料を成形ダイ中に装入し、パンチで圧縮して圧粉体
とするとともに、該圧粉体にパンチを通して電圧を印加
し通電焼結することにより焼結体を得る方法において、
粉末材料が成形ダイおよび/またはパンチと接する面
に、耐熱性導電材料と耐熱性絶縁材料からなる板状半導
電体を載置することにより形成した半導電層を介在させ
て通電することを特徴とする。
【0012】請求項3による通電焼結方法は、請求項2
において、前記板状半導電体は、耐熱性導電材料と耐熱
性絶縁材料との混合物の圧縮成形体または焼結体である
ことを特徴とし、請求項4による通電焼結方法は、請求
項2において、前記板状半導電体は、耐熱性導電材料の
層および耐熱性絶縁材料の層を半導電体の厚さ方向と垂
直な方向に交互に形成してなる圧縮成形体または焼結体
であることを特徴とし、また、請求項5による通電焼結
方法は、請求項4において、前記板状半導電体は、耐熱
性導電材料の層および耐熱性絶縁材料の層を同心円状に
交互に形成してなる圧縮成形体または焼結体であること
を特徴とする。
【0013】請求項6による通電焼結方法は、請求項1
〜5において、前記耐熱性導電材料が、黒鉛、炭化ケイ
素および下記の金属化合物(a)からなる群より選択さ
れる1または2以上よりなることを特徴とする。 金属化合物(a):4a族金属、5a族金属および6a
族金属から選択される金属の炭化物、窒化物、ホウ化物
または炭窒化物。
【0014】請求項7による通電焼結方法は、請求項1
〜5において、前記耐熱性絶縁材料が、窒化ホウ素、窒
化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、酸化ジルコニウムおよび酸化ケイ素から
なる群れから選択される1または2以上よりなることを
特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る通電焼結方法は、粉
末材料を成形ダイ中に装入し、パンチで圧縮して圧粉体
とするとともに、該圧粉体にパンチを通して電圧を印加
し通電焼結することにより焼結体を得る方法において、
粉末材料が成形ダイおよび/またはパンチと接する面
に、耐熱性導電材料と耐熱性絶縁材料とからなる半導電
層を介在させて通電することを特徴とする。
【0016】粉末材料としては、通電焼結できるもので
あればよく、特に限定されないが、例えば、ウイスカー
などを含むセラミックス複合材料、アモルファス材料及
び電子材料等が挙げられる。粉末材料は成形ダイ中に装
入され、パンチで圧縮されて圧粉体となり、圧粉体にパ
ンチを通して電圧を印加して通電焼結することにより焼
結体を形成する。
【0017】半導電層を形成する耐熱性導電材料として
は、粉末材料Mの通電焼結温度に耐え得る耐熱特性を備
え、当該温度において優れた電気導電性を有する材料、
例えば、黒鉛、炭化ケイ素及び金属化合物(a) が挙げら
れる。金属化合物(a) は、4b族金属、5b族金属又は
6b族金属から選択される金属の炭化物、窒化物、ホウ
化物又は炭窒化物である。ここで、4b族金属はチタン
及びジルコニウム、5b族金属はニオブ及びタンタル、
6b族金属はモリブデン及びタングステンであり、好ま
しい金属化合物(a) としては、例えば、TiC、TiB
2 、ZrC、WC、TaNが挙げられる。耐熱性導電材
料は、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0018】半導電層を形成する耐熱性絶縁材料として
は、粉末材料Mの通電焼結温度に耐え得る耐熱特性を備
え、当該温度において優れた電気絶縁性を有する材料、
例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム及び酸化ケイ素が挙げられる。耐熱性絶縁材料は、こ
れらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0019】半導電層は、耐熱性導電材料及び耐熱性絶
縁材料以外に、必要に応じて無機バインダーを含んでい
てもよい。無機バインダーとしては、例えば、リン酸ア
ルミニウム、コロイダルシリカ及びコロイダルアルミナ
が挙げられる。このうち、コロイダルシリカは、粒子径
10〜20μmのものが好ましく用いられる。無機バイ
ンダーは、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせ
て用いることができる。無機バインダーは、半導電層が
耐熱性導電材料及び耐熱性絶縁材料を含む混合物である
場合に、好ましく添加される。
【0020】本発明において半導電層は、耐熱性導電材
料と耐熱性絶縁材料とからなる半導電材料で形成された
層であり、半導電材料とは、抵抗率が耐熱性導電材料と
耐熱性絶縁材料との中間の値を有する材料である。半導
電層は、例えば、耐熱性導電材料及び耐熱性絶縁材料を
混合して得た混合物の層、耐熱性導電材料の層及び耐熱
性絶縁材料の層を交互に積層した積層物等から構成され
る。
【0021】混合物としては、例えば、耐熱性導電材料
粉末及び耐熱性絶縁材料粉末の単なる混合物、圧縮成形
体及び焼結体が挙げられる。積層物としては、例えば、
図7、図8に示すように同心円状に形成されたものが挙
げられる。図7及び図8において、7は耐熱性導電材
料、8は耐熱性絶縁材料を示す。図8は、図7のA−A
線に沿う断面図である。
【0022】半導電層は、耐熱性導電材料と耐熱性絶縁
材料との混合粉末からなる半導電材料を塗布することに
より形成するのが最も簡便である。また、耐熱性導電材
料と耐熱性絶縁材料からなる板状半導電体を作製し、こ
の板状半導電体を、粉末材料が成形ダイおよび/または
パンチと接する面に載置して半導電層を形成してもよ
く、この場合、板状半導電体としては、耐熱性導電材料
と耐熱性絶縁材料との混合粉末の圧縮成形体または焼結
体、耐熱性導電材料の層および耐熱性絶縁材料の層を半
導電体の厚さ方向と垂直な方向に交互に形成してなる圧
縮成形体または焼結体、耐熱性導電材料の層および耐熱
性絶縁材料の層を同心円状に交互に形成してなる圧縮成
形体または焼結体(図7〜8)を適用するのが好まし
い。これらの圧縮成形体、焼結体は、例えば円板状に成
形され、上下のパンチと粉末材料との間に装着される。
半導電層の抵抗率は10〜10-6Ωm、好ましくは1〜
10-5Ωmである。
【0023】通電焼結作業は、まず、真空容器内の焼結
炉中に配置された成形ダイ1、上パンチ2、下パンチ3
からなる成形型内に、半導電層を介在させた状態で所定
量の粉末材料Mを装入し、真空容器を密封して真空ポン
プ等で焼結炉内を真空状態とする。この際、必要に応じ
て真空容器内に不活性雰囲気ガスを充填してもよい。次
いで、パンチ2、2を作動させ、成形ダイ1内の粉末材
料Mを圧縮力P(例えば100〜1000kg/cm2)
で押圧して圧縮するとともに、高密度に圧縮された圧粉
体にパンチ2、3を通して電圧を印加し、圧粉体を例え
ば1000〜2000℃に加熱して通電焼結を行い、焼
結体を得る。
【0024】次に、実施の形態を挙げて本発明を説明す
る。本発明における第1の実施の形態は、図1に示すよ
うに、成形ダイ1のうち少なくとも粉末材料Mとの接触
部、およびパンチ2、3の粉末材料Mと接する面に、半
導電層4、5を介在させたものである。半導電層4、5
は、半導電材料の粉末をスプレー等の手段で塗布するこ
とにより形成したものである。
【0025】この成形型構成によれば、焼結中に粉末材
料Mが成形ダイ1およびパンチ2、3からなる成形型と
接する面には半導電層が介在しているため、粉末材料M
と成形型との接触面で発生するミクロ放電がなくなりま
たは十分に低減されるとともに、通電時の粉末材料Mの
温度分布が、図6に示すように略均一になる。このた
め、得られる焼結体の表層部に内部と異なる組織、特性
を有する変質層が形成されないとともに、焼結体の内部
においても組織、特性が均一になる。なお、半導電層
は、図1に示すように粉末材料Mが成形ダイ1およびパ
ンチ2、3と接する面すべてに介在させるのが最も好ま
しいが、成形ダイ、パンチの材質、通電焼結する粉末材
料の種類によっては、粉末材料が成形ダイと接する面あ
るいは粉末材料がパンチと接する面のみに介在させても
よい(図示せず)。
【0026】また、半導電層が、耐熱性導電材料粉末及
び耐熱性絶縁材料粉末の圧縮成形体または焼結体よりな
る板状半導電材料である場合は、例えば、内面に半導電
材料を塗布して半導電層4を形成した成形ダイ1内に下
パンチ3を挿入し、下パンチ3上面に板状半導電材料を
載置してこれを半導電層5とし、成形ダイ1中に粉末材
料Mを充填し、粉末材料M上に板状半導電材料を載置し
て半導電層5を形成し、半導電層5上に上パンチ2を挿
入して通電焼結してもよい。
【0027】本発明における第2の実施の形態は、図2
に示すように、成形ダイ1の内面に形成される半導電層
4を、粉末材料Mのパンチ挿入方向の充填部の長さより
も長く形成し、半導電層4が上下パンチ2、3の外径部
の一部にも接するようにしたものである。この場合に
は、成形ダイ1の内面に凹部6を形成し、凹部6に半導
電材料粉末の圧縮成形体または焼結体よりなる板状半導
電材料を嵌着して半導電層4を形成するとともに、半導
電層5が板状半導電材料または半導電材料粉末からなる
ものであることが好ましい。第2の実施の形態により、
通電焼結時のミクロ放電を第1の実施の形態よりもさら
に確実に無くすことが可能となる。粉末材料中の温度分
布等の作用については、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されて解釈され
るものではない。 実施例1 外径55mm、内径(材料装入部の径)30mm、長さ
50mmの黒鉛からなる成形ダイと、黒鉛からなる上下
パンチを組合わせた成形型を用い、炭化チタン(Ti
C)(耐熱性導電材料)粉末40重量部、アルミナ(A
2 3 )(耐熱性絶縁材料)粉末30重量部及びコロ
イダルシリカ(無機バインダー)粉末30重量部を混合
して形成した抵抗率5×10-2Ωmの半導電材料粉末
を、成形型の成形ダイ1の内面、上パンチ2の下面及び
下パンチ3の上面にスプレーで塗布し、図1に示すよう
な半導電層を形成した。次いで、ステンレス鋼(SUS
304)粉末とジルコニア(ZrO2)粉末を3:1に混
合したものを、この成形型内の材料装入部に充填した。
次いで、この粉末を500kg/cm2 の加圧力で圧縮
成形するとともに、2000Aの電流を通電して、成形
ダイ外側の測定温度で1200℃まで昇温し、この状態
で120秒間保持して複合焼結体を得た。通電時におけ
る粉末材料中の温度は、中央部が1370℃、周辺部が
1360℃であり、温度分布は図6に示すようであっ
た。得られた複合焼結体は、径30mm、高さ15mm
であった。焼結後、焼結体を取り出し、顕微鏡で断面を
観察したところ、変質層は形成されず、中央部、周辺部
ともに均一な組織を有していた。
【0029】実施例2 図2に示すように、成形ダイ1の内面に半導電材料粉末
をスプレー塗布して抵抗率10-3Ωmの電気絶縁層4を
形成するとともに、抵抗率20ΩmのWC85重量%+
BN15重量%の円板状焼結体をパンチ2、3と充填粉
末との界面に配置する以外は、実施例1と同様にして複
合焼結体を得た。通電時における粉末材料中の温度は、
中央部が1365℃、周辺部が1360℃であり、温度
分布は図6に示すようであった。得られた複合焼結体
は、径30mm、高さ15mmであった。焼結後、焼結
体を取り出し、顕微鏡で断面を観察したところ、変質層
は形成されず、中央部、周辺部ともに均一な組織を有し
ていた。
【0030】比較例1 成形型内に半導電層を形成しない以外は、実施例1と同
様にして径30mm、高さ15mmの複合焼結体を得
た。通電時における粉末材料中の温度は、中央部が14
50℃、周辺部が1310℃であり、温度分布は図4に
示すようであった。焼結後、焼結体を取り出し、顕微鏡
で断面を観察したところ、表層部に組織性状の異なる脆
い変質層が形成されているとともに、焼結体の中央部の
組織と周辺部の組織とが異なっており、不均一な組織と
なっていた。
【0031】比較例2 黒鉛材のパンチに代えて、超硬合金(WC−Co)から
なるパンチを使用した以外は比較例1と同様にして径3
0mm、高さ15mmの複合焼結体を得た。通電時にお
ける粉末材料中の温度は、中央部が1480℃、周辺部
が1300℃であり、温度分布は図4に示すようであっ
た。焼結後、焼結体を取り出し、顕微鏡で断面を観察し
たところ、表層部に組織性状の異なる脆い変質層が形成
されているとともに、焼結体の中央部の組織と周辺部の
組織とが異なっており、不均一な組織となっていた。
【0032】比較例3 成形型内の半導電層の代わりに、窒化アルミニウム粉末
からなる抵抗率2×1013Ωmの電気絶縁層を形成した
以外は、実施例1と同様にして径30mm、高さ15m
mの複合焼結体を得た。通電時における粉末材料中の温
度は、中央部が1280℃、周辺部が1350℃であ
り、温度分布は図5に示すようであった。焼結後、焼結
体を取り出し、顕微鏡で断面を観察したところ、表層部
には変質層の形成は認められなかったが、焼結体の内部
においては中央部と周辺部とで組織の異なる部分が認め
られ、組織が不均一になっていた。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、粉末材
料の通電焼結において、局部的なミクロ放電の発生を抑
制するとともに通電焼結時における上記粉末材料の温度
分布が不均一になることを抑制することにより、焼結体
の表層部及び内部全体において、変質層が形成されない
均一な組織、特性の焼結体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態を示す断面図で
ある。
【図2】本発明による第2の実施の形態を示す断面図で
ある。
【図3】通電焼結における成形型の配置を示す断面図で
ある。
【図4】従来の通電焼結方法における通電時の粉末材料
中の温度分布を示す図である。
【図5】従来の通電焼結方法における通電時の粉末材料
中の温度分布を示す図である。
【図6】本発明の通電焼結方法における通電時の粉末材
料中の温度分布を示す図である。
【図7】本発明の通電焼結方法における半導電層の構造
の一例を示す図である。
【図8】図7のA−A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 成形ダイ 2 上パンチ 3 下パンチ 4 半導電層 5 半導電層 6 凹部 7 耐熱性導電材料 8 耐熱性絶縁材料 M 粉末材料 a 粉末材料の中央部 b 粉末材料の周辺部 c 成形ダイの内部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/64 B22F 3/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末材料を成形ダイ中に装入し、パンチ
    で圧縮して圧粉体とするとともに、該圧粉体にパンチを
    通して電圧を印加し通電焼結することにより焼結体を得
    る方法において、粉末材料が成形ダイおよび/またはパ
    ンチと接する面に、耐熱性導電材料と耐熱性絶縁材料と
    の混合物からなる半導電材料を塗布することにより形成
    した半導電層を介在させて通電することを特徴とする通
    電焼結方法。
  2. 【請求項2】 粉末材料を成形ダイ中に装入し、パンチ
    で圧縮して圧粉体とするとともに、該圧粉体にパンチを
    通して電圧を印加し通電焼結することにより焼結体を得
    る方法において、粉末材料が成形ダイおよび/またはパ
    ンチと接する面に、耐熱性導電材料と耐熱性絶縁材料か
    らなる板状半導電体を載置することにより形成した半導
    電層を介在させて通電することを特徴とする通電焼結方
    法。
  3. 【請求項3】 前記板状半導電体は、耐熱性導電材料と
    耐熱性絶縁材料との混合物の圧縮成形体または焼結体で
    あることを特徴とする請求項2記載の通電焼結方法。
  4. 【請求項4】 前記板状半導電体は、耐熱性導電材料の
    層および耐熱性絶縁材料の層を半導電体の厚さ方向と垂
    直な方向に交互に形成してなる圧縮成形体または焼結体
    であることを特徴とする請求項2記載の通電焼結方法。
  5. 【請求項5】 前記板状半導電体は、耐熱性導電材料の
    層および耐熱性絶縁材料の層を同心円状に交互に形成し
    てなる圧縮成形体または焼結体であることを特徴とする
    請求項4記載の通電焼結方法。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性導電材料が、黒鉛、炭化ケイ
    素および下記の金属化合物(a)からなる群より選択さ
    れる1または2以上よりなることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の通電焼結方法。金属化合物
    (a):4a族金属、5a族金属および6a族金属から
    選択される金属の炭化物、窒化物、ホウ化物または炭窒
    化物。
  7. 【請求項7】 前記耐熱性絶縁材料が、窒化ホウ素、窒
    化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
    マグネシウム、酸化ジルコニウムおよび酸化ケイ素から
    なる群れから選択される1または2以上よりなることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の通電焼結方
    法。
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