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JP3172066B2 - 光磁気記録媒体およびその記録再生方法 - Google Patents
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JP3172066B2 - 光磁気記録媒体およびその記録再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体およびその記録再生方法

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JP3172066B2
JP3172066B2 JP24480195A JP24480195A JP3172066B2 JP 3172066 B2 JP3172066 B2 JP 3172066B2 JP 24480195 A JP24480195 A JP 24480195A JP 24480195 A JP24480195 A JP 24480195A JP 3172066 B2 JP3172066 B2 JP 3172066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録再生装
置に適用される例えば光磁気ディスク、光磁気テープ、
光磁気カード等の光磁気記録媒体、および、その記録再
生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、書き換え可能な光磁気記録媒
体として、光磁気ディスクが実用化されている。このよ
うな光磁気ディスクでは、光磁気ディスク上に集光され
た半導体レーザの光ビームのビーム径に対して、記録ビ
ットの径および記録ビットの間隔(ピッチ)を小さくす
るに従い、再生特性が劣化してくるという問題点を有し
ている。これは、集光された光ビームの中に、隣接する
記録ビットが入ってくるために、一つ一つの記録ビット
を分離して再生することができなくなってしまうためで
ある。
【0003】このような欠点を解消して記録密度を高め
るために、光磁気記録媒体と再生用ビームスポットとの
相対的移動による温度分布を利用して、光磁気記録媒体
の記録ビット、つまり記録磁区を、再生時においては、
所定の温度領域においてのみ発生させるようにして、再
生の高解像度化を図る構成が提案されている。特に、特
開平4-255941号公報には、再生層、再生補助層、および
記録層からなる光磁気記録媒体を用い、再生にあたっ
て、再生用ビームスポット下で両側がマスクされた所定
の温度領域で記録磁区を読み出す構成が開示されてい
る。これにおいては、再生用ビームスポットの径に制約
されない、超高解像度の再生を行うことが可能となって
いる。
【0004】さらに、MORIS'94においては、超解像光磁
気再生技術に関する数件の発表が行われている。その発
表の予稿集における No.29-K-05 "Magnetically-Induce
d Super Resolution Using Magneto-Static Coupling"
(p.126) においては、室温で面内磁化状態であり、温度
上昇と共に垂直磁化状態となる再生層と記録層との間
に、非磁性中間層を設けることにより、面内磁化状態に
あるFront mask(前方マスク)と Rear mask(後方マス
ク)とが形成され、さらに後方マスクによる信号変化が
急峻であることが示されている。
【0005】また、上記予稿集の No.29-K-06 "New Rea
dout Technique Using Domain Collapse on Magnetic M
ultilayer" (p.127)においては、後方マスクによる急峻
な信号変化において良好なジッタ特性が得られること、
および、再生信号を微分することにより、記録磁区の位
置を精度良く検出できることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
光磁気記録媒体に、音情報だけでなく、画像情報等を記
録することが要求されている。つまり、画像情報等を記
録する必要に迫られており、従って、さらに大容量の光
磁気記録媒体が求められている。
【0007】ところが、上記従来の技術では、再生層に
おける瞬間的な磁区の消滅を利用することにより、立ち
下がりの急峻な再生信号波形が得られるものの、再生信
号波形の立ち上がり部分は、光ビームの移動に伴うなだ
らかな信号変化しか得られない。このため、再生信号波
形の立ち上がり部分において、正確な位置情報の検出が
できず、不正確な位置情報を補う分、記録の高密度化が
阻止されている。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、光ビームのスポット径に制
約されない、超高解像度の再生を行うことが可能である
と共に、立ち上がりおよび立ち下がりの両方が急峻な例
えば矩形をなす再生信号を得て、画像情報等の記録にも
充分対応できる大容量の光磁気記録媒体を提供すること
にある。また、他の目的は、この光磁気記録媒体の効果
的な記録再生方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
光磁気記録媒体は、上記の課題を解決するために、垂直
な磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する
記録層と、記録層に記録された情報が垂直な磁化方向に
よって転写される再生磁区を有する再生層と、記録層と
再生層との間に積層され、該記録層および再生層のキュ
リー温度よりも低いキュリー温度を有する中間層とを有
し、上記再生層が、中間層のキュリー温度未満の第1の
温度範囲では、磁気的交換結合によって記録層の磁化状
態が転写され、中間層のキュリー温度以上でかつ上記再
生層における所定の大きさの微小な磁区が不安定となる
第2の温度範囲では、その磁化方向が記録層の未記録部
分の磁化方向と一致し、中間層のキュリー温度以上でか
つ上記微小な磁区が安定となる第3の温度範囲では、静
磁結合によって記録層の磁化状態が転写されるように形
成されていることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、記録層と再生層との間
に、該記録層および再生層のキュリー温度よりも低いキ
ュリー温度を有する中間層が積層されており、再生層
は、第1の温度範囲では、磁気的交換結合によって記録
層の磁化状態が転写され、第2の温度範囲では、その磁
化方向が記録層の未記録部分の磁化方向と一致し、第3
の温度範囲では、静磁結合によって記録層の磁化状態が
転写されるように形成されている。このため、第1の温
度範囲および第3の温度範囲においては、記録層に記録
された情報が再生層に転写される一方、第2の温度範囲
においては、再生層に転写された情報が消滅する。
【0011】それゆえ、光ビームの照射により温度上昇
した再生層に転写されている情報を消滅させた後、該光
ビームの照射によりさらに温度上昇した記録層の一部分
の情報、即ち、光ビームのスポット内に位置する記録層
のうちの一部分の情報のみを再生層の再生磁区に転写
し、再生することが可能となる。これにより、光ビーム
のスポット径よりも小さい領域(記録磁区)に記録され
た情報を再生する超解像動作が可能となる。この結果、
大容量化に必要な記録の高密度化が充分に達せられ、大
容量の記録再生が必要とされる例えば画像情報等の記録
にも充分対応できる光磁気記録媒体を提供することがで
きる。
【0012】本発明の請求項2記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
1記載の光磁気記録媒体に対して光ビームを照射し、再
生層の温度が第1の温度範囲から第2の温度範囲へ移行
する際に発生する再生磁区の瞬間的な消滅に伴う再生信
号の急峻な立ち下がりと、再生層の温度が第2の温度範
囲から第3の温度範囲へ移行する際に発生する再生磁区
の瞬間的な生成に伴う再生信号の急峻な立ち上がりとを
上記光ビームによって検出することを特徴としている。
【0013】上記方法によれば、光ビームにより、再生
層の温度が第1の温度範囲から第2の温度範囲へ移行す
る際に発生する再生信号の急峻な立ち下がりと、再生層
の温度が第2の温度範囲から第3の温度範囲へ移行する
際に発生する再生信号の急峻な立ち上がりとを検出す
る。
【0014】それゆえ、再生信号の急峻な立ち下がりと
急峻な立ち上がりとを利用して、記録層が有する記録磁
区のエッジ位置を正確に検出することが可能となる。こ
れにより、光ビームのスポット径よりも小さい領域に記
録された情報を再生する超解像動作が可能となる。この
結果、大容量の記録再生が必要とされる例えば画像情報
等の記録にも充分対応できる光磁気記録媒体に対する記
録再生方法を提供することができる。
【0015】本発明の請求項3記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
2記載の光磁気記録媒体の記録再生方法において、第1
の温度範囲では、再生層に記録層の磁化状態を磁気的交
換結合によって転写し、第2の温度範囲では、再生層の
磁化方向を記録層の未記録部分から発生される浮遊磁界
の磁化方向と一致させ、第3の温度範囲では、再生層の
磁化方向を記録層から発生される浮遊磁界の磁化方向と
一致させることを特徴としている。
【0016】上記方法によれば、第2の温度範囲におい
て、再生層の磁化方向を記録層の未記録部分から発生さ
れる浮遊磁界の磁化方向と一致させるので、光ビームの
照射による温度上昇に伴う再生層の再生磁区の消滅と生
成とを安定して実現することが可能となる。これによ
り、より一層安定した記録再生を行うことができる。
【0017】本発明の請求項4記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
2記載の光磁気記録媒体の記録再生方法において、光磁
気記録媒体に対してさらに外部磁界を印加し、第1の温
度範囲では、再生層に記録層の磁化状態を磁気的交換結
合によって転写し、第2の温度範囲では、再生層の磁化
方向を上記外部磁界の方向と一致させ、第3の温度範囲
では、再生層の磁化方向を記録層から発生される浮遊磁
界の磁化方向と一致させることを特徴としている。
【0018】上記方法によれば、第2の温度範囲におい
て、再生層の磁化方向を外部磁界の方向と一致させるの
で、光ビームの照射による温度上昇に伴う再生層の再生
磁区の消滅と生成とを安定して実現することが可能とな
る。これにより、より一層安定した記録再生を行うこと
ができる。
【0019】本発明の請求項5記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
2、3または4記載の光磁気記録媒体の記録再生方法に
おいて、情報を、記録層が有する記録磁区の大きさと、
該記録磁区の位置とで記録することを特徴としている。
【0020】上記方法によれば、記録磁区の大きさに対
応した情報と、記録磁区の位置に対応した情報とを、そ
れぞれ独立に記録再生することが可能となる。これによ
り、一つの記録磁区によって複数の情報の記録、即ち、
多重記録が可能となる。この結果、より一層大容量の記
録再生が必要とされる例えば画像情報等の記録にも充分
対応できる光磁気記録媒体に対して記録再生、つまり、
より一層大容量の光磁気記録媒体に対して記録再生を行
うことができる。
【0021】本発明の請求項6記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
5記載の光磁気記録媒体の記録再生方法において、記録
磁区の大きさを、再生信号の立ち下がり部分と立ち上が
り部分との時間の差によって求める一方、該記録磁区の
位置を、再生信号の立ち下がり部分と立ち上がり部分と
の時間平均によって求めることを特徴としている。
【0022】上記方法によれば、再生信号の立ち下がり
部分と立ち上がり部分との時間の差によって記録磁区の
大きさが求められ、一方、再生信号の立ち下がり部分と
立ち上がり部分との時間平均によって該記録磁区の位置
が求められる。これにより、記録磁区の大きさおよび位
置をより一層正確に検出することができるので、より一
層安定した記録再生を行うことができる。
【0023】本発明の請求項7記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
5または6記載の光磁気記録媒体の記録再生方法におい
て、記録層に、再生時の基準となるべき大きさ、および
/または、位置を有する複数の記録磁区を形成すること
を特徴としている。
【0024】上記方法によれば、再生時の基準となるべ
き大きさ、および/または、位置を有する複数の記録磁
区を記録層に形成する。それゆえ、再生時において、該
記録磁区から得られる再生信号の出力を参照しながら、
情報を再生することができる。これにより、記録層全体
での特性に或る程度のバラツキを有している場合や、光
ビームのパワーが或る程度変動する場合においても、こ
れらバラツキや変動に左右されずに、より一層良好な記
録再生を行うことができる。
【0025】本発明の請求項8記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、上記の課題を解決するために、請求項
2、3、4、5、6または7記載の光磁気記録媒体の記
録再生方法において、上記再生信号を微分処理すること
を特徴としている。
【0026】上記方法によれば、再生信号を微分処理す
るので、該再生信号における変動が急峻な部分、即ち、
再生信号の急峻な立ち下がりと急峻な立ち上がりとをよ
り一層容易に検出することができる。従って、記録磁区
の位置、または、記録磁区のエッジ位置をより一層正確
に検出することが可能となる。これにより、記録磁区を
さらに小さくして記録密度を高めても、記録磁区に記録
された情報を再生することができる。即ち、より一層高
密度な記録再生を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の形態について図1ない
し図11に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、
本実施の形態では、光磁気記録媒体として光磁気ディス
クを適用する場合について説明する。
【0028】本実施の形態にかかる光磁気ディスクは、
図2に示すように、基板1、透明誘電体層2、再生層
3、中間層9、記録層4、保護層5、および、オーバー
コート層6が、この順にて積層されてなるディスク本体
10を有している。基板1は、例えば、ポリカーボネー
ト等の透明な基材からなり、ディスク状に形成されてい
る。透明誘電体層2は、透明誘電体からなる。再生層3
は、希土類遷移金属合金からなる。該再生層3は、記録
層4から発生される浮遊磁界9aにより記録磁区4aの
磁化方向が転写される再生磁区を有する。中間層9は、
希土類遷移金属合金からなる垂直磁化膜(磁性膜)であ
る。
【0029】このような光磁気ディスクでは、その記録
方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、半
導体レーザから出射される光ビーム8が対物レンズ(集
光レンズ)7により再生層3に絞り込まれ、極カー効果
として知られている光磁気効果によって情報が記録再生
されるようになっている。上記の極カー効果とは、入射
表面に垂直な磁化を有し、その磁化方向によって反射光
の偏光面の回転の向きが逆方向となる現象である。
【0030】記録層4は、ほぼ室温に補償温度を持つ希
土類遷移金属合金の垂直磁化膜からなる。記録層4は、
反平行となる垂直な各磁化方向によってディジタル情報
が記録される記録磁区4a…を有している。
【0031】ここで、再生層3における安定磁区幅の温
度依存性について説明する。上記の安定磁区幅とは、再
生層3が単層で存在する場合において、各温度における
安定に存在し得るストライプ状の磁区幅を示す。温度の
変化に対する再生層3の安定磁区幅の変化を測定した。
結果をグラフにして図3に示した。同図から明らかなよ
うに、本実施の形態にかかる再生層3においては、温度
上昇に伴い安定磁区幅が小さくなり、 120℃未満の温度
で 0.4μm幅の磁区が不安定となる一方、 120℃以上の
温度で該 0.4μm幅の磁区が安定となることがわかる。
【0032】尚、本実施の形態においては、中間層9の
キュリー点(温度)は、再生層3のキュリー点および記
録層4のキュリー点よりも低い温度に設定されている。
そして、中間層9のキュリー点未満の温度範囲を第1の
温度範囲T1 と称し、中間層9のキュリー点以上でかつ
上記 0.4μm幅の磁区が不安定な温度範囲を第2の温度
範囲T2 と称し、上記 0.4μm幅の磁区が安定な温度範
囲を第3の温度範囲T3 と称する。例えば、図3は、中
間層9のキュリー点が90℃である場合における上記第1
の温度範囲T1 、第2の温度範囲T2 、および第3の温
度範囲T3 を示している。
【0033】第1の温度範囲T1 においては、再生層3
と記録層4とは中間層9を介して、磁気的交換結合によ
って強く結合する。従って、例えば再生層3が単層で存
在する場合には安定に存在し得ないような所定の大きさ
の微小な磁区(例えば 0.4μm幅の磁区)であっても、
記録層4の磁化情報は、上記の磁気的交換結合によって
再生層3に転写される。
【0034】第2の温度範囲T2 においては、磁気的交
換結合が存在しなくなり、再生層3と記録層4とは中間
層9を介して、磁気的交換結合よりも弱い結合である静
磁結合によってのみ結合する。このため、再生層3にお
ける微小な磁区の安定性は、再生層3が単層で存在する
場合の安定性とほぼ等しいと考えることができる。従っ
て、再生層3における微小な磁区(例えば 0.4μm幅の
磁区)は、安定に存在し得ないことになる。
【0035】第3の温度範囲T3 においても、第2の温
度範囲T2 と同様に、再生層3と記録層4とは中間層9
を介して、磁気的交換結合よりも弱い結合である静磁結
合によってのみ結合する。ところが、前記の如く、再生
層3における微小な磁区(例えば 0.4μm幅の磁区)
は、安定に存在し得る。このため、記録層4から発生す
る浮遊磁界の方向と、再生層3の磁化方向とを一致させ
ようとする上記静磁結合によって、記録層4の磁化情報
は、再生層3に転写される。
【0036】つまり、本実施の形態にかかる光磁気ディ
スクは、第1の温度範囲T1 および第3の温度範囲T3
においては記録層4の磁化情報が再生層3に転写される
一方、第2の温度範囲T2 においては記録層4の磁化情
報が再生層3に転写されないという現象を実現すること
が可能となっている。
【0037】(1)光磁気ディスクの再生方法 図1に基づいて上記光磁気ディスクの再生動作を説明す
る。光磁気ディスクには、基板1に形成された複数のト
ラック1aに沿って、記録層4に記録磁区4a…が記録
情報に対応して形成されている。同図(a)は、上記光
磁気ディスクの要部を示す平面図(説明図)であり、同
図(b)〜(d)は、該光磁気ディスク断面における磁
化状態の経時的変化を順に示す説明図である。尚、同図
(b)は、同図(a)に対応している。また、同図
(b)〜(d)中の矢印は、各層3・4・9の磁化の状
態と浮遊磁界の状態を示す。
【0038】同図(a)に示すように、光磁気ディスク
の回転に伴うトラック1aの移動(図中では右方向)に
より、前記光ビーム8のスポット8aも相対的に移動
(図中では左方向)するので、該トラック1aには移動
速度に対応した温度分布が発生する。そして、トラック
1aにおける温度が最も高くなる部分は、スポット8a
内の後部に位置することになる。即ち、等温線21の内
側領域が温度が最も高い第3の温度範囲T3 となり、等
温線21と等温線22との間の領域が第2の温度範囲T
2 となり、等温線22の外側領域が第1の温度範囲T1
となる。
【0039】ここで、同図(a)の位置にスポット8a
が存在するときに、第1の温度範囲T1 である等温線2
2の外側領域に位置する記録磁区4a1 に着目して再生
動作を説明する。尚、以下の説明においては、便宜上、
第1の温度範囲T1 である等温線22の外側領域を、単
に第1の温度範囲T1 と称し、第2の温度範囲T2 であ
る等温線21と等温線22との間の領域を、単に第2の
温度範囲T2 と称し、第3の温度範囲T3 である等温線
21の内側領域を、単に第3の温度範囲T3 と称するこ
ととする。
【0040】同図(a)の位置にスポット8aが存在す
るときには、該記録磁区4a1 に対応する中間層9がキ
ュリー点未満の温度であるので、再生層3と記録層4と
は中間層9を介して、磁気的交換結合によって強く結合
する。従って、記録層4の磁化状態は、上記の磁気的交
換結合によって再生層3に転写される。即ち、同図
(b)に示すように、各層3・4・9の副格子モーメン
トの向きが一致するように、記録層4および中間層9の
磁化方向は、記録層3の磁化方向に対して一義的に決定
される。
【0041】次に、スポット8aが相対的に移動して、
同図(a)の位置から移動すると、記録磁区4a1 は、
等温線21と等温線22との間の領域、即ち、同図
(c)に示すように、第2の温度範囲T2 に位置するこ
とになる。この場合、該記録磁区4a1 に対応する中間
層9はキュリー点以上の温度になるので、再生層3と記
録層4とは中間層9を介して、静磁結合によってのみ結
合する。従って、記録層4の磁化状態は、再生層3に転
写されない。即ち、記録層4に記録されている記録情報
は、再生層3によってマスキングされる。
【0042】次いで、スポット8aが相対的にさらに移
動すると、記録磁区4a1 は、同図(d)に示すよう
に、第3の温度範囲T3 に位置することになる。この場
合、該記録磁区4a1 に対応する中間層9はキュリー点
以上の温度であり、かつ、再生層3における微小な磁区
が安定に存在し得るので、記録層4から発生する浮遊磁
界の方向と、再生層3の磁化方向とを一致させようとす
る静磁結合によって、記録層4の磁化状態は、再生層3
に転写される。即ち、再生層3と記録層4との磁化方向
が一致するように、記録層4の磁化状態は、再生層3に
転写される。
【0043】このように、本実施の形態にかかる光磁気
ディスクは、光ビーム8の照射に伴うトラック1aの温
度変化により、第1の温度範囲T1 および第3の温度範
囲T3 に位置する記録磁区4a…の磁化情報のみを再生
層3に転写し、再生するという超解像再生が可能となっ
ている。
【0044】さらに、本実施の形態では、図1(b)に
示す状態から同図(c)に示す状態へと移行する際に、
即ち、記録磁区4aが第1の温度範囲T1 から第2の温
度範囲T2 へと移動(移行)する際に、再生層3におけ
る該記録磁区4aに対応する微小な磁区が不安定となっ
た瞬間に、該再生層3における瞬間的な磁区の消滅(以
下、コラプスと称する)が発生し、これに伴う再生信号
の急峻な立ち下がりが得られる。一方、同図(c)に示
す状態から同図(d)に示す状態へと移行する際、即
ち、記録磁区4aが第2の温度範囲T2 から第3の温度
範囲T3 へと移動(移行)する際に、再生層3における
該記録磁区4aに対応する微小な磁区が安定となった瞬
間に、該再生層3における瞬間的な磁区の生成(以下、
ニュークリエイションと称する)が発生し、これに伴う
再生信号の急峻な立ち上がりが得られる。
【0045】尚、図1(a)に示すように、スポット8
aの後方においても、第1の温度範囲T1 および第3の
温度範囲T3 が存在する。従って、記録磁区4aが第3
の温度範囲T3 から第2の温度範囲T2 へと移動する際
に再生層3におけるコラプスが発生し、記録磁区4aが
第2の温度範囲T2 から第1の温度範囲T1 へと移動す
る際に再生層3におけるニュークリエイションが発生す
る。ところが、上記のコラプスおよびニュークリエイシ
ョンは、スポット8aから外れた位置で発生する。この
ため、再生信号に影響が現れることはない。
【0046】(2)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。尚、説明の便宜上、この方法で形成された光磁気デ
ィスクの試作をディスクAとする。また、スパッタ装置
(図示せず)の構成は、特に限定されるものではない。
【0047】先ず、Alターゲットと、GdFeCo合金ターゲ
ットと、第一のDyFeCo合金ターゲットと、第二のDyFeCo
合金ターゲットとをそれぞれ備えたスパッタ装置内の基
板ホルダーに、ディスク状に形成され、プリグルーブお
よびプリピットを有するポリカーボネート製の基板1を
配置した。そして、スパッタ装置内を真空排気して圧力
を1×10-6Torrにした後、アルゴンと窒素との混合ガス
を導入し、Alターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10-3Torrの条件下で、基板1上に、AlN からなる透明誘
電体層2を形成した。
【0048】ここで、透明誘電体層2の膜厚は、再生特
性を改善するために、再生光の波長の 1/4を該透明誘電
体層2の屈折率で除した値程度に設定すればよい。例え
ば、再生光の波長を 680nmとすると、透明誘電体層2の
膜厚は、10nm〜80nm程度でよい。本実施の形態において
は、透明誘電体層2の膜厚を50nmとした。
【0049】次に、再度、スパッタ装置内を真空排気し
て圧力を1×10-6Torrにした後、アルゴンガスを導入
し、GdFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4
×10-3Torrの条件下で、上記透明誘電体層2上に、Gd
0.20(Fe0.60Co0.40)0.80からなる再生層3を形成した。
該再生層3は、ほぼ室温に補償温度を持ち、そのキュリ
ー点は 460℃であった。
【0050】再生層3の膜厚は、記録層4に記録された
磁化情報が再生層3を透過して信号出力となって現れる
ことを或る程度防止する必要があるので、10nm以上であ
ることが望ましい。また、再生層3の膜厚が厚くなり過
ぎると、温度上昇に必要となる光ビーム8のパワーが大
きくなり、記録感度の低下の原因となる。このため、再
生層3は、 100nm以下であることが望ましい。本実施の
形態においては、再生層3の膜厚を40nmとした。
【0051】次に、第一のDyFeCo合金ターゲットに電力
を供給して、ガス圧4×10-3Torrの条件下で、上記再生
層3上に、Dy0.20(Fe0.90Co0.10)0.80からなる中間層9
を形成した。該中間層9は、ほぼ室温に補償温度を持
ち、そのキュリー点は70℃であった。
【0052】中間層9は、そのキュリー点未満の温度に
おいて、再生層3と記録層4とを磁気的交換結合させる
一方、そのキュリー点以上の温度において、再生層3と
記録層4との磁気的交換結合を遮断する必要がある。従
って、中間層9の膜厚は、1nmよりも厚くする必要があ
る。さらに、中間層9は、そのキュリー点以上の温度に
おいて、記録層4から発生される浮遊磁界9aが再生層
3の磁化と静磁結合している必要がある。このため、中
間層9の膜厚は、50nm以下であることが望ましい。本実
施の形態においては、中間層9の膜厚を10nmとした。
【0053】次に、第二のDyFeCo合金ターゲットに電力
を供給して、ガス圧4×10-3Torrの条件下で、上記中間
層9上に、Dy0.23(Fe0.70Co0.30)0.77からなる記録層4
を形成した。該記録層4は、ほぼ室温に補償温度を持つ
垂直磁化膜であり、そのキュリー点は 275℃であった。
【0054】記録層4の膜厚は、第3の温度範囲におい
て、再生層3の再生磁区の磁化反転に必要な浮遊磁界9
aを発生させる必要があるため、20nm以上であることが
望ましい。また、記録層4の膜厚が厚くなり過ぎると、
温度上昇に必要となる光ビーム8のパワーが大きくな
り、記録感度の低下の原因となる。このため、記録層4
は、 200nm以下であることが望ましい。本実施の形態に
おいては、記録層4の膜厚を40nmとした。
【0055】次に、スパッタ装置内にアルゴンと窒素と
の混合ガスを導入し、Alターゲットに電力を供給して、
透明誘電体層2の形成時と同一の条件下で、記録層4上
に、AlN からなる保護層5を形成した。
【0056】ここで、保護層5の膜厚は、記録層4等の
磁性層を酸化等の腐食から保護することが可能な程度で
あればよく、5nm以上であることが望ましい。本実施の
形態においては、保護層5の膜厚を20nmとした。
【0057】次に、上記保護層5上に、紫外線硬化樹脂
をスピンコートにより塗布して紫外線を照射するか、ま
たは、熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布して加熱す
ることにより、オーバーコート層6を形成した。これに
より、光磁気ディスク、即ち、ディスクAを形成した。
【0058】(3)ディスクAの記録再生特性 上記ディスクAに対して記録再生を行い、その特性を調
査した。つまり、該ディスクAにおける信号対雑音比
(以下、CNRと記す)のマーク長依存性を測定した。
【0059】即ち、先ず、記録層4の磁化方向を初期化
した後、線速を5m/s 、記録磁界を10kA/mとして、6mW
のパワーの光ビーム8をパルス照射することにより、異
なるマーク長(直径)の記録ビット群を該マーク長の2
倍のマークピッチで記録層4に形成した。次いで、2mW
の再生レーザパワーでCNRを測定した。結果をグラフ
にして図4に示した。同図から明らかなように、マーク
長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmで形成されたディス
クAの記録ビット群においては、35dB以上のCNRが得
られていることがわかる。
【0060】本発明に関するCNRの測定には、波長 8
30nmの半導体レーザを用いた光学系を使用している。そ
こで、比較のために、上記の光学系を使用して、磁気的
超解像現象を用いていない一般的な光磁気記録媒体であ
る光磁気ディスク(以下、比較ディスクと称する)にお
けるCNRのマーク長依存性を同一条件下で測定した。
結果をグラフにして同図に示した。同図から明らかなよ
うに、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmで形成
された比較ディスクの記録ビット群においては、CNR
がゼロとなることがわかる。即ち、該記録ビット群にお
いては、再生すべき記録ビットと、これに隣接する記録
ビットとの分離が全くできなくなることがわかる。
【0061】これに対し、本実施の形態の構成では、波
長 830nmの半導体レーザを用いて再生した場合に、大き
なCNRが得られている。このことから、ディスクAに
おいては、その再生時に、磁気的超解像現象が発現され
ていることがわかる。
【0062】また、ディスクAおよび比較ディスクにつ
いて、マーク長0.55μm、マークピッチ 1.1μmで形成
された記録ビット群、つまり、磁区におけるCNRの再
生パワー依存性を測定した。結果をグラフにして図5に
示した。同図から明らかなように、ディスクAの磁区に
おいては、光ビーム8の再生パワーが約 1.5mWのとき、
即ち、約 1.5mWを境にして、CNRが急激に増加するこ
とがわかる。これは、再生パワーの上昇に伴い、図1
(a)に示すような再生層3の温度分布が生じ、再生層
3において再生磁区のニュークリエイションとコラプス
とが起こるためである。
【0063】再生パワーをさらに大きくすると、約 2.5
mWを境にして、CNRが急激に低下することがわかる。
これは、再生パワーの上昇に伴い、再生層3におけるよ
り広い範囲で温度上昇が起こり、図1(a)に示すよう
な再生層3の温度分布が生じなくなるためである。一
方、比較ディスクの磁区においては、再生パワーに対す
るCNRの変化は、殆ど観測されなかった。
【0064】従って、本実施の形態の光磁気ディスクに
対する光ビーム8の再生パワーは、再生磁区(反転磁
区)のニュークリエイションとコラプスとが可能なパワ
ー以上に設定する。このように再生パワーを設定するこ
とにより、良好な信号を再生することができる。
【0065】(4)ディスクAの再生波形 上記ディスクAに対して再生を行い、その再生波形を測
定した。つまり、図6に示すように、幅 0.9μmのトラ
ック1aに、マーク長(直径)が 0.6μmの記録磁区4
a…を、種々のマークピッチで形成し、これらトラック
1a…を再生して得られる再生波形を測定した。同図
(a)に示す記録磁区4a…のマークピッチは 2.2μm
であり、同図(b)に示す記録磁区4a…のマークピッ
チは 1.9μmであり、同図(c)に示す記録磁区4a…
のマークピッチは 1.6μmであり、同図(d)に示す記
録磁区4a…のマークピッチは 1.3μmであり、同図
(e)に示す記録磁区4a…のマークピッチは 1.0μm
である。得られた再生波形を図9に上記の順(図6の順
序)で示した。
【0066】マークピッチが 1.6μm以上である場合、
つまり、互いに隣合う記録磁区4a…が充分に離れてい
る場合には、図7(a)〜(c)に示すように、先ず、
スポット8a内に記録磁区4aが入ってくると、第1の
温度範囲T1 に位置している間、再生信号の強度は徐々
に増加する(図で)。
【0067】次に、記録磁区4aが第2の温度範囲T2
に位置すると、再生層3においてコラプスが発生し、こ
れに伴う再生信号の強度の急峻な立ち下がりが生じる
(図で)。次いで、記録磁区4aが第2の温度範囲T
2 に位置している間、再生信号は発生せず、一定のレベ
ル(強度)を維持する(図で)。尚、この状態におい
て、例えば再生層3の膜厚が20nm程度と薄い場合には、
光ビーム8は、再生層3を透過し、記録層4の記録情報
を検出する。このため、記録磁区4aが存在しない部分
における再生信号のレベルよりも、コラプスが発生した
部分における再生信号のレベルの方が若干高くなること
がある。
【0068】次に、記録磁区4aが第3の温度範囲T3
に位置すると、再生層3においてニュークリエイション
が発生し、これに伴う再生信号の強度の急峻な立ち上が
りが生じる(図で)。次いで、スポット8a内から記
録磁区4aが出ていくと、再生信号の強度は徐々に減少
し(図で)、記録磁区4aが存在しない部分における
再生信号のレベルとなる(図で)。そして、スポット
8a内に次の記録磁区4aが入ってくることにより、上
記再生信号の強度の増加・減少が繰り返されて、再生波
形が形成される。
【0069】マークピッチが 1.6μm未満(図6の例で
は 1.3μm以下)である場合、つまり、互いに隣合う記
録磁区4a…が充分に離れていない場合には、スポット
8a内に複数の記録磁区4a…が入ってしまう。このた
め、図7(d)・(e)に示すように、或る記録磁区4
aがスポット8a内から出ていくことにより生じる再生
信号の強度の変化(つまり減少)と、次の記録磁区4a
がスポット8a内に入ってくることにより生じる再生信
号の強度の変化(つまり増加)とが重なり合う。従っ
て、記録磁区4aが存在しない部分における再生信号の
レベルが、互いに隣合う記録磁区4a…が充分に離れて
いる場合(図7(a)〜(c))における該レベルより
も高くなる。そして、最終的には、矩形の再生波形(図
7(e))が形成される。
【0070】このように、本実施の形態にかかる光磁気
ディスクは、得られる再生波形がマークピッチの長短に
よって異なるという特性を備えている。ところが、再生
層3におけるコラプスおよびニュークリエイションは、
スポット8aに対して、相対的に常に同じ位置関係で発
生する。つまり、再生信号の強度の急峻な立ち下がりお
よび立ち上がりは、マークピッチの長短に左右されず、
スポット8a内における常に同じ位置で生じる。従っ
て、再生信号の強度の急峻な立ち下がりおよび立ち上が
りを検出することにより、記録磁区4a…のエッジ位置
を正確に検出することができるので、記録層4に記録さ
れた磁化情報を高精度で再生することができる。
【0071】また、図8(a)〜(e)に示すように、
幅 0.9μmのトラック1aに、種々のマーク長の記録磁
区4a…を 2.2μmのマークピッチで形成し、これらト
ラック1a…を再生して得られる再生波形を測定した。
同図(a)に示す記録磁区4a…のマーク長は 0.7μm
であり、同図(b)に示す記録磁区4a…のマーク長は
0.6μmであり、同図(c)に示す記録磁区4a…のマ
ーク長は 0.5μmであり、同図(d)に示す記録磁区4
a…のマーク長は 0.4μmであり、同図(e)に示す記
録磁区4a…のマーク長は 0.3μmである。さらに、同
図(f)に示すように、幅 0.9μmのトラック1aに、
マーク長が互いに異なる記録磁区4a…を 1.0μmのマ
ークピッチで形成し、該トラック1aを再生して得られ
る再生波形を測定した。得られた再生波形を図9に上記
の順(図8の順序)で示した。
【0072】図8(a)〜(e)に示すトラック1a…
を再生して得られる再生波形(図9(a)〜(e))の
パターンは、マークピッチが 2.2μmであるので、前記
の図7(a)〜(c)に示す再生波形のパターンとほぼ
等しくなる。この場合、記録磁区4aの安定性は、該記
録磁区4aの大きさ(マーク長)によって異なる。つま
り、再生層3と記録層4との間の磁気的交換結合を完全
に遮断するには、記録磁区4aの直径が大きいほど、よ
り広い範囲にわたってトラック1aの温度を上昇させる
必要がある。従って、再生層3におけるコラプスの発生
は、スポット8a内のより後部に移動することになるの
で、図9(a)〜(e)から明らかなように、再生信号
の強度の急峻な立ち下がりは、より遅く発生することに
なる。逆に、記録磁区4aの直径が小さいほど、より狭
い範囲でトラック1aの温度を上昇させるだけで、再生
層3におけるコラプスが発生する。従って、該コラプス
の発生は、スポット8a内のより前部に移動することに
なるので、再生信号の強度の急峻な立ち下がりは、より
早く発生することになる。
【0073】また、記録磁区4aの直径が大きいほど、
再生層3における該記録磁区4aに対応する磁区がより
安定となると共に、記録磁区4aから発生する浮遊磁界
が強くなる。従って、再生層3におけるニュークリエイ
ションの発生は、スポット8a内のより前部に移動する
ことになるので、図9(a)〜(e)から明らかなよう
に、再生信号の強度の急峻な立ち上がりは、より早く発
生することになる。逆に、記録磁区4aの直径が小さい
ほど、再生層3における該記録磁区4aに対応する磁区
がより不安定となると共に、記録磁区4aから発生する
浮遊磁界が弱くなる。従って、該ニュークリエイション
の発生は、スポット8a内のより後部に移動することに
なるので、再生信号の強度の急峻な立ち上がりは、より
遅く発生することになる。
【0074】本実施の形態においては、コラプスに伴う
再生信号の強度の急峻な立ち下がりと、ニュークリエイ
ションに伴う再生信号の強度の急峻な立ち上がりとを高
精度で検出する。そして、図9(a)〜(e)に示すよ
うに、マーク長が 0.7μmの記録磁区4a…に対しては
時間(長さ)a1 の再生信号が検出され、マーク長が0.
6μmの記録磁区4a…に対しては時間b1 の再生信号
が検出され、マーク長が 0.5μmの記録磁区4a…に対
しては時間c1 の再生信号が検出され、マーク長が 0.4
μmの記録磁区4a…に対しては時間d1 の再生信号が
検出され、マーク長が 0.3μmの記録磁区4a…に対し
ては時間e1 の再生信号が検出されることになる。従っ
て、より大きな記録磁区4a…に対して、より短い時間
の再生信号が検出されることになる。
【0075】図8(f)に示すトラック1a…を再生し
て得られる再生波形(図9(f))のパターンは、マー
クピッチが 1.0μmと小さいので、前記図7(e)に示
す再生波形のパターンとほぼ等しくなり、従って、矩形
の再生波形が形成される。この場合、再生信号の強度の
急峻な立ち下がり(図9で)の位置、および、再生信
号の強度の急峻な立ち上がり(図9で)の位置は、記
録磁区4a…の大きさに依存する。従って、記録磁区4
a…の大きさに対応して、時間a1 〜時間e1の再生信
号を検出することが可能である。
【0076】このように、本実施の形態にかかる記録再
生方法においては、より大きな記録磁区4a…に対し
て、より短い時間の再生信号が検出される一方、より小
さな記録磁区4a…に対して、より長い時間の再生信号
が検出される。従って、再生信号の長さを測定すること
により、記録磁区4a…の大きさを正確に判別すること
ができる。
【0077】次に、トラック1aの幅を 0.9μmから
0.7μmに変更した以外は、上記と同様にして、種々の
マーク長の記録磁区4a…を 2.2μmのマークピッチで
形成し、これらトラック1a…を再生して得られる再生
波形を測定した。得られた再生波形を図10(a)〜
(e)に上記の順(図8の順序)で示した。尚、図10
(f)については後述する。
【0078】マーク長が 0.6μm, 0.5μm, 0.4μ
m, 0.3μmの記録磁区4a…が形成されたトラック1
a…を再生して得られる再生波形(図10(b)〜
(e))のパターンは、前記の図9(b)〜(e)に示
す再生波形のパターンと等しく、従って、良好な再生信
号が得られた。ところが、トラック1aの幅と等しいマ
ーク長( 0.7μm)の記録磁区4a…が形成されたトラ
ック1aを再生して得られる再生波形(図10(a))
のパターンにおいては、コラプスに伴う再生信号の強度
の急峻な立ち下がりと、ニュークリエイションに伴う再
生信号の強度の急峻な立ち上がりとが認められない部分
(図で)が存在する。この原因は、トラック1aのエ
ッジと接触している記録磁区4aの周縁部の状態が、個
々の記録磁区4aによって僅かに異なり、その違いによ
って、再生層3における記録磁区4aに対応する反転磁
区の安定性が異なるためである。このように、記録磁区
4a…のマーク長をトラック1aの幅と等しくすると、
良好な再生信号が得られなくなるおそれがあるので、本
実施の形態にかかる光磁気ディスクにおいては、記録磁
区4a…の周縁部がトラック1aのエッジと接触しない
ように、記録磁区4a…のマーク長をトラック1aの幅
よりも小さくすることが望ましい。
【0079】つまり、記録部分である記録磁区4aの幅
を、未記録部分であるトラック1aの幅よりも小さくす
ることが望ましい。これにより、記録部分から発生する
浮遊磁界の強さよりも、未記録部分から発生する浮遊磁
界の強さの方が強くなるので、再生層3の磁化方向を、
記録層4における未記録部分から発生する浮遊磁界の磁
化方向に安定して向けることができる。従って、より一
層良好な安定した再生信号が得られる。
【0080】但し、記録磁区4a…のマーク長とトラッ
ク1aの幅とが等しい場合においても、再生用の光ビー
ムを照射すると共に再生磁界(外部磁界)を印加するこ
とにより、良好な再生信号を得ることができる。即ち、
図11に示すように、ディスク本体10に光ビーム8を
照射すると共に、磁界発生機構12によって外部磁界と
しての再生磁界11を印加することにより、記録磁区4
a…のマーク長とトラック1aの幅とが等しい場合にお
いても良好な再生信号を得ることができる。ここで、再
生層3においてコラプスとニュークリエイションとが発
生しない場合について考える。同図に示すように、コラ
プスとニュークリエイションとが発生しない場合におい
ては、第2の温度範囲T2 に位置する記録磁区4a2
対応する位置の再生層3に、反転磁区3a2 が存在す
る。つまり、第2の温度範囲T2 に位置する再生層3の
磁化方向が、記録層4の未記録部分から発生される浮遊
磁界の磁化方向と一致していないことになる。そこで、
記録層4の未記録部分から発生される浮遊磁界の磁化方
向に対応する方向に再生磁界11を印加することによ
り、第2の温度範囲T2 に位置する再生層3の磁化方向
を安定させる。これにより、該再生層3の磁化方向を、
記録層4の未記録部分から発生される浮遊磁界の磁化方
向と一致させることが可能となる。
【0081】再生磁界11を印加しながら、トラック1
aの幅と等しいマーク長の記録磁区4a…が形成された
トラック1aを再生して得られる再生波形を、図10
(f)に示す。即ち、該トラック1aは、再生磁界11
を印加しないで再生した場合には、同図(a)に示す再
生波形のパターンを示し、再生磁界11を印加しながら
再生した場合には、同図(f)に示す再生波形のパター
ンを示す。同図(f)から明らかなように、再生層3に
おいてコラプスとニュークリエイションとが安定して発
生しており、良好な再生信号を得ることができる。尚、
再生磁界11を印加すると、再生層3は、コラプスがよ
り発生し易い状態となる。従って、記録磁区4a…に対
する再生信号の長さ、即ち、コラプスに伴う再生信号の
強度の急峻な立ち下がりから、ニュークリエイションに
伴う再生信号の強度の急峻な立ち上がりまでの時間a1'
は、再生磁界11を印加しない場合の時間a1 よりも長
くなる。しかしながら、再生磁界11を印加することに
より、全ての記録磁区4a…において再生信号の長さが
より長くなるので、再生磁界11を印加した状態におい
て、良好な再生信号を得ることができる。
【0082】そして、磁界発生機構12を用いる場合に
おいては、該磁界発生機構12と、記録磁界を発生する
手段とを共通化することにより、磁界発生機構12を新
たに設ける必要が無くなるので、光磁気記録再生装置の
小型化、および、製造コストの削減を実現することがで
きる。
【0083】(5)ディスクAの膜厚と再生特性との関
係 次に、ディスクAにおいて、再生層3、中間層9、およ
び記録層4の膜厚を種々変更して、マーク長 0.3μm、
マークピッチ 0.6μmに設定された記録磁区(記録ビッ
ト)4a…におけるCNRをそれぞれ測定し、再生特性
を調査した。つまり、ディスクAの各層3・4・9の膜
厚と、再生特性との関係を調査した。結果を表1に示
す。尚、図7に示す再生波形と同様な形状の再生波形が
得られた光磁気ディスクについては、表1において再生
特性の欄を○印にて示した。
【0084】
【表1】
【0085】上記CNRの測定においても、波長 830nm
の半導体レーザを用いた光学系を使用している。従っ
て、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmで形成さ
れた記録磁区4a…に対して、何らかのCNRが得られ
るということは、前述と同様に、本実施の形態の構成で
は、磁気的超解像現象が発現されていることを意味して
いる。表1から明らかなように、中間層9の膜厚が1nm
の場合、つまり、極めて薄い場合には磁気的超解像現象
が認められないものの、それ以外に調査した膜厚の場合
には、磁気的超解像現象が認められた。尚、本実施の形
態の構成では、第2の温度範囲T2 および第3の温度範
囲T3 において、再生層3と記録層4との間に働く磁気
的交換結合を遮断する必要があるが、中間層9の膜厚が
極めて薄い場合には、該磁気的交換結合を充分に遮断す
ることができない。このため、中間層9の膜厚が極めて
薄い場合には、磁気的交換結合によって記録層4の磁化
状態が再生層3に転写されるので、磁気的超解像現象が
発現されなくなる。
【0086】次に、ディスクAにおいて、再生層3の組
成を種々変更して、マーク長 0.3μm、マークピッチ
0.6μmに設定された記録磁区4a…におけるCNRを
それぞれ上記と同様にして測定し、再生特性を調査し
た。結果を表2に示す。尚、表2において、X1 ,Y1
とは、再生層3の組成式GdX1 (FeY1Co1-Y1)1-X1 中のモ
ル比を示す。また、図7に示す再生波形と同様な形状の
再生波形が得られた光磁気ディスクについては、表2に
おいて再生特性の欄を○印にて示した。
【0087】
【表2】
【0088】表2から明らかなように、本実施の形態の
構成では、再生層3の組成式GdX1 (FeY1Co1-Y1)1-X1
のモル比のうち、Y1 が0.60の場合には、X1 は、少な
くとも0.16≦X1 ≦0.22の関係を満足する必要があるこ
とがわかる。X1 が0.16よりも小さくなると、第2の温
度範囲T2 において再生層3の微小な磁区が安定に存在
するので、上述した再生磁区のニュークリエイションと
コラプスとが起こらなくなる。また、X1 が0.22よりも
大きくなると、第3の温度範囲T3 において再生層3の
微小な磁区が不安定となるので、該第3の温度範囲T3
における再生層3への磁区転写が起こらなくなり、上述
した再生磁区のニュークリエイションが起こらなくな
る。
【0089】また、本実施の形態の構成では、再生層3
の組成式GdX1 (FeY1Co1-Y1)1-X1 中のモル比のうち、X
1 が0.20の場合には、Y1 は、少なくとも0.48≦Y1
0.75の関係を満足する必要があることがわかる。Y1
0.48よりも小さくなると、Coの含有量が増え、再生層
3の磁化状態の変化が大きくなるので、該再生層3にお
いて垂直磁化状態を発現することが困難となる。また、
が0.75よりも大きくなると、Coの含有量が減り、
再生層3のキュリー点が低くなるので、第3の温度範囲
3 における再生層3への磁区転写が起こらなくなり、
上述した再生磁区のニュークリエイションが起こらなく
なる。
【0090】次に、ディスクAにおいて、記録層4の組
成を種々変更して、マーク長 0.3μm、マークピッチ
0.6μmに設定された記録磁区4a…におけるCNRを
それぞれ上記と同様にして測定し、再生特性を調査し
た。結果を表3に示す。尚、表3において、X2 ,Y2
とは、記録層4の組成式DyX2 (FeY2Co1-Y2)1-X2 中のモ
ル比を示す。また、図7に示す再生波形と同様な形状の
再生波形が得られた光磁気ディスクについては、表3に
おいて再生特性の欄を○印にて示した。
【0091】
【表3】
【0092】表3から明らかなように、本実施の形態の
構成では、記録層4の組成式DyX2 (FeY2Co1-Y2)1-X2
のモル比のうち、Y2 が0.70の場合には、X2 は、少な
くとも0.15≦X2 ≦0.25の関係を満足する必要があるこ
とがわかる。X2 が0.15よりも小さくなると、第3の温
度範囲T3 において記録層4の保磁力が著しく低減する
ので、記録情報を維持することが困難となる。また、X
2 が0.25よりも大きくなると、記録層4のキュリー点が
低くなると共に補償温度が上昇し、かつ、第3の温度範
囲T3 において記録層4から発生する浮遊磁界が小さく
なるので、該第3の温度範囲T3 における再生層3への
磁区転写が起こらなくなり、上述した再生磁区のニュー
クリエイションが起こらなくなる。
【0093】また、本実施の形態の構成では、記録層4
の組成式DyX2 (FeY2Co1-Y2)1-X2 中のモル比のうち、X
2 が0.23の場合には、Y2 は、少なくとも0.66≦Y2
0.80の関係を満足する必要があることがわかる。
【0094】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図12および図13に基づいて説明すれば、以
下の通りである。尚、説明の便宜上、前記実施の形態1
の図面に示した構成と同一の機能を有する構成には、同
一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0095】本実施の形態の光磁気ディスクは、図13
に示すように、前記実施の形態1の中間層9の代わり
に、面内磁化膜からなる中間層19を備えたディスク本
体20を有している。光磁気ディスクのその他の構成
は、前記実施の形態1の光磁気ディスクと同一である。
【0096】面内磁化膜からなる中間層19は、前記垂
直磁化膜からなる中間層9と比較して、再生層3と記録
層4との間に作用する磁気的交換結合を弱める。ところ
が、中間層19を適正な膜厚に設定することにより、静
磁結合と比較して、非常に強い磁気的交換結合を再生層
3と記録層4との間に作用させることができる。従っ
て、中間層19のキュリー点を、再生層3のキュリー点
および記録層4のキュリー点よりも低い温度に設定する
ことにより、超解像再生が可能となっている。
【0097】(1)光磁気ディスクの再生方法 図12に基づいて上記光磁気ディスクの再生動作を説明
する。但し、前記実施の形態1の光磁気ディスクの再生
動作と同一の再生動作については、その説明を簡略化す
る。同図(a)は、上記光磁気ディスクの要部を示す平
面図(説明図)であり、同図(b)〜(d)は、該光磁
気ディスク断面における磁化状態の経時的変化を順に示
す説明図である。尚、同図(b)は、同図(a)に対応
している。また、同図(b)〜(d)中の矢印は、各層
3・4・19の磁化の状態と浮遊磁界の状態を示す。
【0098】同図(a)に示すように、トラック1aに
は移動速度に対応した温度分布が発生する。ここで、同
図(a)の位置にスポット8aが存在するときに、第1
の温度範囲T1 に位置する記録磁区4a1 に着目して再
生動作を説明する。
【0099】同図(a)の位置にスポット8aが存在す
るときには、該記録磁区4a1 に対応する中間層19が
キュリー点未満の温度であるので、同図(b)に示すよ
うに、再生層3と記録層4とは中間層19を介して、磁
気的交換結合によって強く結合する。従って、記録層4
の磁化状態は、上記の磁気的交換結合によって再生層3
に転写される。
【0100】次に、スポット8aが、同図(a)の位置
から移動すると、記録磁区4a1 は、同図(c)に示す
ように、第2の温度範囲T2 に位置することになる。こ
の場合、該記録磁区4a1 に対応する中間層19はキュ
リー点以上の温度になるので、再生層3と記録層4とは
中間層19を介して、静磁結合によってのみ結合する。
従って、記録層4の磁化状態は、再生層3に転写されな
い。
【0101】次いで、スポット8aが、相対的にさらに
移動すると、記録磁区4a1 は、同図(d)に示すよう
に、第3の温度範囲T3 に位置することになる。この場
合、該記録磁区4a1 に対応する中間層19はキュリー
点以上の温度であり、かつ、再生層3における微小な磁
区が安定に存在し得るので、記録層4から発生する浮遊
磁界の方向と、再生層3の磁化方向とを一致させようと
する静磁結合によって、記録層4の磁化状態は、再生層
3に転写される。
【0102】このように、本実施の形態にかかる光磁気
ディスクは、光ビーム8の照射に伴うトラック1aの温
度変化により、第1の温度範囲T1 および第3の温度範
囲T3 に位置する記録磁区4a…の磁化情報のみを再生
層3に転写し、再生するという超解像再生が可能となっ
ている。また、本実施の形態では、コラプスに伴う強度
の急峻な立ち下がりと、ニュークリエイションに伴う強
度の急峻な立ち上がりとを有する再生信号が得られる。
【0103】(2)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。但し、前記実施の形態1の光磁気ディスクの形成方
法と重複する部分(同一の方法・手順)については、そ
の説明を省略する。尚、説明の便宜上、この方法で形成
された光磁気ディスクの試作をディスクBとする。ま
た、スパッタ装置(図示せず)の構成は、特に限定され
るものではない。
【0104】先ず、Alターゲットと、GdFeCo合金ターゲ
ットと、GdFe合金ターゲットと、第二のDyFeCo合金ター
ゲットとをそれぞれ備えたスパッタ装置内の基板ホルダ
ーに、基板1を配置した。そして、基板1上に、AlN か
らなる膜厚50nmの透明誘電体層2を形成し、該透明誘電
体層2上に、Gd0.20(Fe0.80Co0.20)0.80からなる膜厚40
nmの再生層3を形成した。
【0105】次に、GdFe合金ターゲットに電力を供給し
て、ガス圧4×10-3Torrの条件下で、上記再生層3上
に、Gd0.09Fe0.91からなる中間層19を形成した。該中
間層19は、そのキュリー点が70℃であり、室温からキ
ュリー点までの温度範囲内において、面内(膜面)方向
に磁化を有する面内磁化膜であった。
【0106】中間層19は、そのキュリー点未満の温度
において、再生層3と記録層4とを磁気的交換結合させ
る一方、そのキュリー点以上の温度において、再生層3
と記録層4との磁気的交換結合を遮断する必要がある。
従って、中間層19の膜厚は、1nmよりも厚くする必要
がある。中間層19の膜厚が1nm以下であると、キュリ
ー点以上の温度において該磁気的交換結合を完全に遮断
することができなくなる。さらに、中間層19は、その
キュリー点以上の温度において、記録層4から発生され
る浮遊磁界19aが再生層3の磁化と静磁結合している
必要がある。このため、中間層19の膜厚は、50nm以下
であることが望ましい。中間層19の膜厚が50nmを超え
ると、キュリー点未満の温度において該磁気的交換結合
が弱まり、記録層4の磁化状態が再生層3に転写されな
くなる。本実施の形態においては、中間層19の膜厚を
10nmとした。
【0107】次に、上記中間層19上に、Dy0.23(Fe
0.70Co0.30)0.77からなる膜厚40nmの記録層4を形成
し、該記録層4上に、AlN からなる膜厚20nmの保護層5
を形成し、さらに、該保護層5上に、オーバーコート層
6を形成した。これにより、光磁気ディスク、即ち、デ
ィスクBを形成した。
【0108】(3)ディスクBの記録再生特性 上記ディスクBに対して記録再生を行い、その特性を調
査した。つまり、該ディスクBにおけるCNRのマーク
長依存性を前記実施の形態1と同一の条件下で測定し
た。
【0109】その結果、ディスクBにおけるCNRのマ
ーク長依存性は、前記実施の形態1のディスクAにおけ
るCNRのマーク長依存性とほぼ同様の傾向を示した。
これは、ディスクA、ディスクB共に、同一特性を有す
る再生層3および記録層4を用いているためであると思
われる。尚、上記ディスクBに対して再生を行い、その
再生波形を測定したところ、ディスクAの再生波形と同
様のパターンが得られた。
【0110】(4)ディスクBの膜厚と再生特性との関
係 次に、ディスクBにおいて、再生層3、中間層19、お
よび記録層4の膜厚を種々変更して、マーク長 0.3μ
m、マークピッチ 0.6μmに設定された記録磁区4a…
におけるCNRをそれぞれ測定し、再生特性を調査し
た。つまり、ディスクBの各層3・4・19の膜厚と、
再生特性との関係を前記実施の形態1と同様にして調査
した。結果を表4に示す。
【0111】
【表4】
【0112】上記CNRの測定においても、波長 830nm
の半導体レーザを用いた光学系を使用している。従っ
て、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmで形成さ
れた記録磁区4a…に対して、何らかのCNRが得られ
るということは、前述と同様に、本実施の形態の構成で
は、磁気的超解像現象が発現されていることを意味して
いる。表4から明らかなように、中間層19の膜厚が1
nmの場合、つまり、極めて薄い場合には磁気的超解像現
象が認められないものの、それ以外に調査した膜厚の場
合には、磁気的超解像現象が認められた。
【0113】次に、ディスクBにおいて、GdFe合金ター
ゲットの代わりに、中間層用のGdFeCo合金ターゲットを
用いて中間層19を作成し、該中間層19の組成を種々
変更して、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmに
設定された記録磁区4a…におけるCNRをそれぞれ上
記と同様にして測定し、再生特性を調査した。結果を表
5に示す。尚、表5において、X3 ,Y3 とは、中間層
19の組成式GdX3 (FeY3Co1-Y3)1-X3 中のモル比を示
す。
【0114】
【表5】
【0115】表5から明らかなように、本実施の形態の
構成では、中間層19の組成式GdX3(FeY3Co1-Y3)1-X3
中のモル比のうち、Y3 が0.95の場合には、X3 は、少
なくとも0≦X3 ≦0.12の関係を満足する必要があるこ
とがわかる。X3 が0.12よりも大きくなると、中間層1
9のキュリー点が高くなるので、該キュリー点を再生層
3のキュリー点または記録層4のキュリー点よりも低い
温度に設定することが困難となる。従って、第2の温度
範囲T2 を発現することが困難となるので、上述した再
生磁区のニュークリエイションとコラプスとが起こらな
くなる。
【0116】また、本実施の形態の構成では、中間層1
9の組成式GdX3 (FeY3Co1-Y3)1-X3中のモル比のうち、
3 が0.09の場合には、Y3 は、少なくとも0.83≦Y3
≦1の関係を満足する必要があることがわかる。Y3
0.83よりも小さくなると、Coの含有量が増え、中間層1
9のキュリー点が高くなる。従って、第2の温度範囲T
2 を発現することが困難となるので、上述した再生磁区
のニュークリエイションとコラプスとが起こらなくな
る。
【0117】尚、上記実施の形態1および形態2では、
透明誘電体層2としてAlN を用いた場合を例示したが、
透明誘電体層2として、例えば、SiN, MgO, SiO, TaO等
の透明誘電体を用いることも可能である。但し、再生層
3や記録層4を構成する希土類遷移金属合金の薄膜は酸
化され易いので、透明誘電体層2には、酸素を含有しな
いAlN やSiN 等を用いることが望ましい。
【0118】また、上記実施の形態1および形態2で
は、再生層3としてGdFeCo合金を用いた場合を例示した
が、再生層3として、例えば、GdDyFe合金、GdDyFeCo合
金等の希土類遷移金属合金の薄膜を用いることも可能で
ある。要するに、再生層3は、第1の温度範囲T1 にお
いて、その磁化が記録層4からの磁気的交換結合によっ
て決定される方向を向き、第2の温度範囲T2 におい
て、その転写磁区のコラプスが発生し、第3の温度範囲
3 において、その磁化が記録層4から発生する浮遊磁
界の方向を向く希土類遷移金属合金からなっていればよ
い。
【0119】さらに、上記実施の形態1および形態2で
は、中間層9・19としてDyFeCo合金、GdFe合金、およ
びGdFeCo合金を用いた場合を例示したが、中間層9・1
9として、例えば、GdDyFe合金、GdDyFeCo合金、TbDyFe
合金、TbDyFeCo合金等の希土類遷移金属合金の薄膜、つ
まり、磁性膜を用いることも可能である。要するに、中
間層9・19は、第1の温度範囲T1 において、磁化を
有して再生層3と記録層4とを磁気的交換結合させ、第
2の温度範囲T2 および第3の温度範囲T3 において、
再生層3と記録層4との磁気的交換結合を遮断すること
ができる希土類遷移金属合金からなっていればよい。
【0120】また、上記実施の形態1および形態2で
は、記録層4としてDyFeCo合金を用いた場合を例示した
が、記録層4として、例えば、TbFeCo合金、TbDyFeCo合
金、GdTbFeCo合金等の希土類遷移金属合金の薄膜を用い
ることも可能である。要するに、記録層4は、第1の温
度範囲T1 ないし第3の温度範囲T3 において、その磁
化情報を維持し、かつ、第3の温度範囲T3 において、
再生層3に対して磁化反転に必要な浮遊磁界を発生させ
ることができる希土類遷移金属合金からなっていればよ
い。
【0121】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について図14ないし図16に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。本実施の形態は、本発明にかか
る光磁気記録媒体、および、光磁気記録再生方法を用い
た記録磁区の変調方法について説明するものである。
尚、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した構
成と同一の機能を有する構成には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0122】(1)第1の変調方式 先ず、図14に基づいて第1の変調方式について説明す
る。同図(a)は、光磁気記録媒体としての光磁気ディ
スクのトラック1aに、互いに大きさの異なる5種類の
記録磁区30…(a1〜a5)が形成された状態を示す
要部の平面図(説明図)であり、同図(b)は、これら
記録磁区30…に対応する同期信号40を示す説明図で
あり、同図(c)は、記録磁区30…から再生される再
生信号50の強度(出力)を示す説明図である。尚、同
図においては、トラック1aの幅を 0.9μmとし、か
つ、記録磁区30…(a1〜a5)の大きさとして、記
録磁区a1の直径を 0.7μmとし、記録磁区a2の直径
を 0.6μmとし、記録磁区a3の直径を 0.5μmとし、
記録磁区a4の直径を 0.4μmとし、記録磁区a5の直
径を 0.3μmとした場合を例示している。
【0123】光磁気ディスクにおいては、トラック1a
に沿って記録磁区30…が形成されるが、第1の変調方
式は同期信号40に対応する位置に存在する記録磁区3
0…の大きさを検出することにより、該記録磁区30…
に記録された情報の再生を行うようになっている。従来
の変調方式においては、直径が 0.6μm以下の記録磁区
を精度良く分離して検出することが困難なため、ディジ
タル的に変調された記録磁区の長さを検出することによ
り、ディジタル情報の再生を行うことが一般的に実施さ
れている。例えば、波長 680nmの半導体レーザを用いて
記録再生を行う場合、最短(最小)の記録磁区の長さ
(直径)は、0.64μm以上必要である。即ち、従来の光
磁気ディスクを用いる場合、直径が0.64μm以下の記録
磁区を精度良く分離して検出することができないため、
長さ(直径)が0.64μm以上の記録磁区を用いた記録再
生を行わざるを得ないことになる。
【0124】しかしながら、本発明にかかる光磁気ディ
スクにおいては、図14(c)に示すように、急峻な立
ち下がりと急峻な立ち上がりとを有する矩形の再生波
形、即ち、再生信号を得ることが可能である。従って、
直径が0.64μm以下の記録磁区30…であっても、ディ
ジタル的に変調された記録磁区30…の大きさに対応し
た異なる再生波形を得ることが可能となり、ディジタル
情報の再生を行うことが可能となる。即ち、大きな記録
磁区a1に対応して、再生時間の幅b1が短い再生信号
が得られ、小さな記録磁区a5に対応して、再生時間の
幅b5が長い再生信号が得られる。このように、記録磁
区30…の大きさに対応して、再生波形における急峻な
立ち下がりから急峻な立ち上がりまでの時間、即ち、再
生信号の再生時間の幅b1〜b5を検出することによ
り、ディジタル情報を精度良く検出することが可能とな
る。尚、上記の説明においては、記録磁区30…の大き
さを 0.7μm, 0.6μm, 0.5μm, 0.4μm,および
0.3μmの5種類とした場合を例示したが、記録磁区3
0…の大きさの種類をさらに増して、例えば 0.7μm,
0.65μm, 0.6μm,0.55μm, 0.5μm,0.45μm,
0.4μm,0.35μm,および 0.3μmの9種類とするこ
ともできる。
【0125】(2)第2の変調方式 次に、図15に基づいて第2の変調方式について説明す
る。但し、前記第1の変調方式と重複する部分について
は、その説明を簡略化する。同図(a)は、トラック1
aに5種類の記録磁区30…(a1〜a5)が形成され
た状態を示す要部の平面図(説明図)であり、同図
(b)は、これら記録磁区30…に対応する同期信号4
0を示す説明図であり、同図(c)は、記録磁区30…
から再生される再生信号50の強度を示す説明図であ
り、同図(d)は、再生信号50の強度の変化から得ら
れる、記録磁区30…の位置を示す位置信号60を示す
説明図である。
【0126】この第2の変調方式は、前記第1の変調方
式に加えて、さらに、記録磁区30…の位置を示すディ
ジタル情報を、位置信号60として記録するようになっ
ている。これにより、より一層高密度なディジタル記録
再生を行うことができる。即ち、同図(c)に示すよう
に、記録磁区30…の大きさに対応したディジタル情報
を再生すると共に、再生信号50の強度の変化から、同
図(d)に示すように、記録磁区30…の位置を示す位
置信号60をディジタル情報(−1,±0,+1)とし
て再生することにより、該記録磁区30…の大きさおよ
び位置に対応した上記ディジタル情報を、それぞれ独立
に記録再生することが可能となる。尚、同図(d)にお
いては、時間軸上で、位置信号60が同期信号40の信
号位置40a(後述する)よりも早い位置に存在してい
る場合を(−1)とし、同一の位置に存在している場合
を(±0)とし、遅い位置に存在している場合を(+
1)としている。これにより、(−1,±0,+1)の
3種類のディジタル情報を再生することが可能となって
いる。
【0127】この第2の変調方式においては、記録磁区
30…の大きさを一定にして、該記録磁区30…の位置
のみをディジタル的に変調することにより、記録再生す
ることも可能である。また、記録磁区30…の大きさに
対応して、再生信号の再生時間の幅b1〜b5が異なる
ので、該記録磁区30…の位置信号60を正確に検出す
るためには、再生波形における立ち下がり時間と立ち上
がり時間とを時間平均することにより、記録磁区30…
の位置信号60とすることが望ましい。
【0128】このようにして得られた記録磁区30…の
位置信号60は、同図(b)に示す同期信号40の信号
位置40aと比較される。これにより、記録磁区30…
の位置信号60に対応したディジタル情報(−1,±
0,+1)を再生することが可能となる。尚、上記の説
明においては、位置信号60と信号位置40aとの位置
関係を3種類に分類した場合を例示したが、両者の位置
関係をさらに細分化して、より多くのディジタル情報を
記録磁区30…の位置信号60として記録再生すること
も可能である。
【0129】そして、記録磁区30…が小さい場合にお
いても、その位置信号60を精度良く検出することがで
きる理由は、記録磁区30…の大きさを精度良く検出す
ることができる理由と同様に、本発明にかかる光磁気記
録再生方法では急峻な立ち下がりと急峻な立ち上がりと
を有する矩形の再生波形を得ることができることによ
る。尚、上記の説明においては、記録磁区30…の大き
さを5種類とした場合を例示したが、記録磁区30…の
大きさの種類をさらに増すことにより、該記録磁区30
…の大きさとしてより多くのディジタル情報を記録再生
することも可能である。
【0130】(3)第3の変調方式 次に、図16に基づいて第3の変調方式について説明す
る。但し、前記第1および第2の変調方式と重複する部
分については、その説明を簡略化する。同図(a)は、
トラック1aに5種類の記録磁区30…(a1〜a5)
が形成された状態を示す要部の平面図(説明図)であ
り、同図(b)は、これら記録磁区30…に対応する同
期信号40を示す説明図であり、同図(c)は、記録磁
区30…から再生される再生信号50の強度を示す説明
図であり、同図(d)は、再生信号50の強度の変化か
ら得られる、記録磁区30…の位置を示す位置信号61
を示す説明図である。
【0131】この第3の変調方式は、前記第1の変調方
式に加えて、さらに、隣合う記録磁区30・30間の間
隔を示すディジタル情報を、位置信号61として記録す
るようになっている。これにより、より一層高密度なデ
ィジタル記録再生を行うことができる。即ち、再生信号
50の強度の変化から、同図(d)に示すように、記録
磁区30…の位置を示す位置信号61を得た後、該位置
信号61同士の間隔(2x,4x)に対応したディジタ
ル情報を再生することにより、該記録磁区30…の大き
さに対応したディジタル情報、および、位置信号61同
士の間隔に対応したディジタル情報を、それぞれ独立に
記録再生することが可能となる。つまり、一つの記録磁
区30によって複数のディジタル情報の記録、即ち、多
重記録が可能となる。
【0132】ところで、隣合う記録磁区30・30間の
間隔が或る程度以上離れると、再生信号に、光ビーム8
のスポット8aの相対的な移動に伴うゆるやかな強度の
変化が現れる(図7参照)。しかしながら、再生波形に
おける急峻な立ち下がりおよび急峻な立ち上がりのみを
検出することにより、上記記録磁区30…の大きさ、お
よび、位置信号61同士の間隔に対応したディジタル情
報を再生することが可能となる。また、記録磁区30…
の大きさに対応して、再生信号の再生時間の幅b1〜b
5が異なるので、該記録磁区30…の位置信号61を正
確に検出するためには、再生波形における立ち下がり時
間と立ち上がり時間とを時間平均することにより、記録
磁区30…の位置信号61とすることが望ましい。
【0133】前記第2の変調方式においては、記録磁区
30…の位置信号60と、同期信号40の信号位置40
aとの相対的な位置関係によってディジタル情報を記録
再生したが、本第3の変調方式においては、位置信号6
1同士の間隔をディジタル的に変調し、該間隔(2x,
4x)に対応したディジタル情報を記録再生するように
なっている。尚、上記の説明においては、位置信号61
同士の間隔が(2x,4x)の2種類である場合を例示
したが、位置信号61同士の間隔の種類をさらに増し
て、より多くのディジタル情報をこれら間隔に対応して
記録再生することも可能である。また、上記の説明にお
いては、記録磁区30…の大きさを5種類とした場合を
例示したが、記録磁区30…の大きさの種類をさらに増
すことにより、該記録磁区30…の大きさとしてより多
くのディジタル情報を記録再生することも可能である。
【0134】〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施
の形態について図17ないし図19に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記実施の
形態1の図面に示した構成と同一の機能を有する構成に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0135】本発明にかかる光磁気ディスクに例えばマ
ーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmで記録磁区4a
…を形成し、該記録磁区4a…を再生した場合には、得
られる再生信号の再生波形は、図17(b)に示すよう
に、極めて急峻な立ち下がりと極めて急峻な立ち上がり
とを有する矩形となる。これに対し、従来より一般的に
使用されている光磁気ディスク、つまり、単層の磁性層
からなる光磁気ディスクに例えばマーク長 0.8μm、マ
ークピッチ 1.6μmで記録磁区を形成し、該記録磁区を
再生した場合には、得られる再生信号の再生波形は、同
図(a)に示すように、光ビームのスポットが相対的に
移動するので、サイン(sin) カーブに類似した形状とな
る。
【0136】一般に、光磁気ディスクにおいては、差動
検出法が用いられているため、得られる再生信号は、反
射率の変化による信号振幅の変動が、或る程度抑制され
ている。しかしながら、該再生信号には、差動検出法で
は抑制することができない複屈折変動等に起因する信号
振幅の変動が残っている。従って、再生信号の再生波形
は、同図(a)に示すように、ゆるやかな上下動を繰り
返すことになる。この場合において、定電圧レベルをス
ライスレベルとすると、再生波形のゆるやかな上下動に
伴い、記録磁区の大きさおよびマーク位置(エッジ位
置)を正確に検出することができなくなる。
【0137】そこで、再生波形の上下動に起因する再生
エラーを抑制するために、一般に、包絡線検波を行って
最終再生信号を得ることが行われている。即ち、図18
に示すように、包絡線検出回路70によって再生信号の
再生波形の各包絡線(図17(a))を検出した後、ス
ライスレベル形成回路71によって上記各包絡線の平均
レベルに基づいてスライスレベルを設定する。これによ
り、ゆるやかな上下動に伴う記録磁区の検出位置の変動
を抑制することができるので、マーク位置検出回路72
によって最終再生信号を得ることができ、記録磁区の大
きさおよびマーク位置を正確に検出することができる。
【0138】そして、本発明にかかる光磁気ディスクに
おいても、再生信号の再生波形は、図17(b)に示す
ように、ゆるやかな上下動を繰り返す。ところが、本発
明にかかる光磁気ディスクの再生波形は、従来の光磁気
ディスクの再生波形と比較して、急峻な立ち下がりと急
峻な立ち上がりとを有している。このため、定電圧レベ
ルをスライスレベルとした場合においても、従来の再生
波形と比較して、記録磁区4a…の大きさおよびマーク
位置をより正確に検出することができる。但し、上記大
きさおよびマーク位置をより一層正確に検出するために
は、包絡線検波を行って最終再生信号を得ることが望ま
しい。
【0139】しかしながら、上記の包絡線検波を行って
再生信号を処理する場合には、該包絡線検波によって遅
延が生じるので、上記再生信号もこれに併せて遅延させ
る必要がある。それゆえ、遅延回路を設けなければなら
ない等、包絡線検波を行うための回路が複雑化すると共
に、上記包絡線検波においてスライスレベルと上記再生
信号とを同期させなければならないという手間が生じ
る。
【0140】そこで、本実施の形態では、上記光磁気デ
ィスクから得られた再生信号の再生波形を微分処理する
ことにより、最終再生信号を得るようになっている。本
発明にかかる光磁気ディスクの再生波形は、急峻な立ち
下がりと急峻な立ち上がりとを有しているので、微分処
理することにより、図17(c)に示すように、ゆるや
かな信号振幅の変動が除去され、該再生信号における変
動が急峻な部分のみ、即ち、再生信号における立ち上が
り部分および立ち下がり部分のみを微分信号の微分出力
として得ることが可能となる。尚、従来の光磁気ディス
クの再生波形は、微分処理しても位相が変化するだけで
あり、同図(c)に示すような微分信号を得ることが困
難である。
【0141】このように、本実施の形態では、得られた
再生信号を微分処理することにより、ゆるやかな信号振
幅の上下動の悪影響を除去することができ、記録磁区4
a…の正確な位置を示す最終再生信号を得ることが可能
となる。即ち、図19に示すように、微分回路74によ
って再生信号を微分処理した後、マーク位置検出回路7
2によって上記微分回路74からの微分出力が定電圧ス
ライスレベル以上となる位置を検出する。これにより、
遅延回路を省略することができるので、定電圧スライス
レベルを用いた簡単な回路構成で、再生信号の処理を正
確に行うことが可能となる。そして、微分信号の微分出
力が急峻な変動を示すので、再生信号における立ち上が
り部分の位置、および、立ち下がり部分の位置を正確に
かつ容易に検出することが可能となる。例えば、図17
(c)に示すように、2種類の定電圧スライスレベルを
設定することにより、微分信号、つまり、再生信号にお
ける立ち上がり部分の位置、および、立ち下がり部分の
位置を別々に精度良く検出することができる。また、同
図(c)に示す微分信号をさらに微分処理することによ
り、2種類の定電圧スライスレベルを設定するだけで、
再生信号における立ち上がり部分の位置、および、立ち
下がり部分の位置を同時に精度良く検出することもでき
る。
【0142】以上のように、再生信号を微分処理するこ
とにより、ゆるやかな信号振幅の上下動の悪影響を除去
することができ、記録磁区4a…の正確な大きさおよび
位置を示す最終再生信号を得ることができるので、再生
信号に要求される信号品質を低く抑えることが可能とな
る。即ち、従来では、信号処理前の再生信号の信号品質
がCNRにて45dB以下の場合には、光磁気ディスクに要
求される1×10-5程度のエラーレートを得ることが不可
能であるとされていた。しかしながら、本発明にかかる
光磁気記録再生方法を用いることにより、信号処理前の
再生信号の信号品質がCNRにて35dB程度の場合におい
ても、1×10-5以下のエラーレートを実現することがで
きる。即ち、得られる再生信号の信号品質が35dB程度の
比較的小さな記録磁区4a…においても、上記のエラー
レートを得ることが可能であるので、より一層高密度な
記録再生を実現することができる。
【0143】次に、光磁気ディスクにおいて、直径(マ
ーク長)を0.25μm〜 0.8μmの範囲内で種々変更し
て、該直径の2倍のマークピッチで記録磁区4a…を形
成し、該記録磁区4a…を再生した場合に得られる再生
信号のCNRおよびエラーレート(以下、Erと記す)
を測定した。つまり、光磁気ディスクの記録磁区4a…
の直径と、CNRおよびErとの関係を調査した。結果
を表6に示す。
【0144】尚、表6中の実施例とは、図17(b)・
(c)に示す本実施の形態の再生信号に対する結果を示
し、比較例とは、同図(a)に示す従来の再生信号に対
する結果を示す。そして、CNR2とは、同図(b)に
示す再生信号のCNRを示し、CNR1とは、同図
(a)に示す再生信号のCNRを示す。また、Er2と
は、同図(b)に示す再生信号のErを示し、Er3と
は、同図(c)に示す微分信号のErを示し、Er1と
は、同図(a)に示す再生信号のErを示す。
【0145】
【表6】
【0146】表6から明らかなように、同図(b)に示
す本実施の形態の再生信号の形状はサインカーブに類似
しておらず、CNR2は、32dB〜42dBの範囲内と比較的
低い。しかしながら、上述したように本発明において
は、再生波形の急峻な立ち下がりと急峻な立ち上がりと
を利用することにより、記録磁区4a…の状態(大きさ
および位置)を正確に検出することができる。このた
め、CNR2が35dBの場合、つまり、記録磁区4a…の
直径が 0.3μmの場合においても、Er2は1×10-5
下の値( 0.9×10-5)となっており、光磁気ディスクに
要求されるErを実現できることがわかる。また、微分
信号のEr3は、CNR2が32dBの場合、つまり、記録
磁区4a…の直径が0.25μmの場合においても、1×10
-5以下の値(0.9×10-5)を実現している。従って、再
生信号を微分処理することにより、より一層高密度な記
録再生を実現することができることがわかる。
【0147】これに対し、同図(a)に示す従来の再生
信号では、記録磁区の直径が 0.6μmよりも小さくなる
と、CNR1が極端に低くなると共に、Er1が1×10
-5以上の値( 1.9×10-5)となる。従って、従来の再生
信号では、記録磁区の直径が0.6μmよりも小さくなる
と、光磁気ディスクに要求されるErを実現できなくな
ることがわかる。
【0148】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
の形態について図20に基づいて説明すれば、以下の通
りである。本実施の形態は、本発明にかかる光磁気記録
媒体、および、光磁気記録再生方法について説明するも
のである。尚、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面
に示した構成と同一の機能を有する構成には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0149】本発明にかかる光磁気記録媒体としての光
磁気ディスクは、その直径がサブミクロンの記録磁区4
a…を記録再生するようになっている。ところで、一般
に、光磁気ディスクにおいては、比較的小さい記録磁区
に対する正確な記録再生が行われるように、記録層の特
性を全体にわたってほぼ均一にする必要がある。このた
め、該記録層全体での特性のバラツキ(以下、特性分布
と称する)を抑制することが可能な高精度の成膜装置を
用いなければならない。また、光磁気ディスク上の該記
録磁区に対して記録再生するには、半導体レーザから照
射される光ビームのパワーを高精度で制御することがで
きる光磁気ディスク装置(光磁気記録再生装置)を用い
る必要がある。従って、従来の光磁気ディスクおよび光
磁気ディスク装置は、その製造コストが比較的高いとい
う問題点を有している。そこで、製造コストが比較的低
い光磁気ディスク、および、光ビームのパワーを高精度
で制御しなくても該光磁気ディスクに対して記録再生を
行うことができる光磁気記録再生方法が所望されてい
る。
【0150】本実施の形態にかかる光磁気ディスクは、
図20(a)に示すように、トラック1aに、データ記
録部80…と基準磁区記録部81…とが交互に連続して
設けられている。上記のデータ記録部80…には、記録
磁区4a…が形成され、データ(情報)が記録される。
上記の基準磁区記録部81…には、基準となる記録磁区
(以下、基準磁区と称する)が形成され、該基準磁区の
大きさ、および/または、基準磁区の位置が記録され
る。そして、基準磁区記録部81…を形成することによ
り、光磁気ディスクは、データ記録部80…が特性分布
を或る程度有している場合においても、良好な記録再生
が行われるようになっている。また、光ビームのパワー
を高精度で制御しなくても、つまり、光ビームのパワー
に或る程度の変動を生じる場合においても、該光磁気デ
ィスクに対して良好な記録再生を行うことができるよう
になっている。即ち、データ記録部80…と基準磁区記
録部81…とを交互に連続して形成することにより、再
生時において、基準磁区から得られる再生信号の出力を
参照しながら、データを再生することができる。従っ
て、上記の特性分布や、光ビームのパワーの変動等に左
右されずに、良好な記録再生を行うことができる。
【0151】図20(b)〜(d)は、トラック1aの
基準磁区記録部81に基準磁区90…が形成された状態
を示す要部の平面図(説明図)である。同図(b)は、
互いに大きさが等しい基準磁区90…が等間隔で形成さ
れた状態を示している。この場合には、基準磁区90…
の位置を検出して同期信号41を生成することにより、
トラック1aの移動速度の変動、即ち、光磁気ディスク
の回転速度の変動等に伴う記録磁区4a…同士の間隔の
見掛けの変動を抑制することができる。従って、高精度
の回転機構を用いなくても、つまり、光磁気ディスクの
回転速度を高精度で制御しなくても該光磁気ディスクに
対して記録再生を行うことができる。
【0152】同図(c)は、互いに大きさが異なる基準
磁区90…が等間隔で形成された状態を示している。こ
の場合にも、上記と同様に光磁気ディスクの回転速度の
変動等に伴う記録磁区4a…同士の間隔の見掛けの変動
を抑制することができるので、光磁気ディスクの回転速
度を高精度で制御しなくても該光磁気ディスクに対して
記録再生を行うことができる。さらに、前記実施の形態
3にかかる光磁気ディスク(図14ないし図16参照)
に本実施の形態(即ち、同図(c))を適用することに
より、記録再生時において、基準磁区90…から得られ
る再生信号の出力、つまり、基準磁区90…の大きさを
参照しながら、記録磁区4a…の大きさを検出すること
ができる。従って、上記の特性分布や、光ビームのパワ
ーの変動等に左右されずに、良好な記録再生を行うこと
ができる。
【0153】同図(d)は、互いに大きさが等しい基準
磁区90…が特定の間隔で形成された状態、つまり、同
期信号40に対応する位置から所定量だけずれた位置に
形成された状態を示している。この場合には、前記実施
の形態3にかかる光磁気ディスク(図15参照)に本実
施の形態(即ち、同図(d))を適用することにより、
記録再生時において、基準磁区90…の位置を示す位置
信号62を参照しながら、記録磁区4a…の位置を検出
することができる。これにより、上記と同様に光磁気デ
ィスクの回転速度の変動等に伴う記録磁区4a…同士の
間隔の見掛けの変動を抑制することができるので、光磁
気ディスクの回転速度を高精度で制御しなくても該光磁
気ディスクに対して記録再生を行うことができる。
【0154】そして、各々の基準磁区記録部81に、同
図(b)〜(d)に示す3種類のパターンの基準磁区9
0…を連続して形成することにより、上記の特性分布
や、光ビームのパワーの変動等に左右されない記録再生
を行うことができ、かつ、記録磁区4a…同士の間隔の
見掛けの変動等に左右されない記録再生を行うことがで
きる。即ち、これら特性分布や各種変動等に左右されず
に、良好な記録再生を行うことができる。尚、基準磁区
記録部81における上記3種類のパターンの形成順序
は、特に限定されるものではない。
【0155】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の光磁気記録媒体
は、以上のように、垂直な磁化方向によって情報が記録
される記録磁区を有する記録層と、記録層に記録された
情報が垂直な磁化方向によって転写される再生磁区を有
する再生層と、記録層と再生層との間に積層され、該記
録層および再生層のキュリー温度よりも低いキュリー温
度を有する中間層とを有し、上記再生層が、中間層のキ
ュリー温度未満の第1の温度範囲では、磁気的交換結合
によって記録層の磁化状態が転写され、中間層のキュリ
ー温度以上でかつ上記再生層における所定の大きさの微
小な磁区が不安定となる第2の温度範囲では、その磁化
方向が記録層の未記録部分の磁化方向と一致し、中間層
のキュリー温度以上でかつ上記微小な磁区が安定となる
第3の温度範囲では、静磁結合によって記録層の磁化状
態が転写されるように形成されている構成である。
【0156】それゆえ、光ビームの照射により温度上昇
した再生層に転写されている情報を消滅させた後、該光
ビームの照射によりさらに温度上昇した記録層の一部分
の情報、即ち、光ビームのスポット内に位置する記録層
のうちの一部分の情報のみを再生層の再生磁区に転写
し、再生することが可能となる。これにより、光ビーム
のスポット径よりも小さい領域(記録磁区)に記録され
た情報を再生する超解像動作が可能となる。この結果、
大容量化に必要な記録の高密度化が充分に達せられ、大
容量の記録再生が必要とされる例えば画像情報等の記録
にも充分対応できる光磁気記録媒体を提供することがで
きるという効果を奏する。
【0157】本発明の請求項2記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、請求項1記載の光磁気
記録媒体に対して光ビームを照射し、再生層の温度が第
1の温度範囲から第2の温度範囲へ移行する際に発生す
る再生磁区の瞬間的な消滅に伴う再生信号の急峻な立ち
下がりと、再生層の温度が第2の温度範囲から第3の温
度範囲へ移行する際に発生する再生磁区の瞬間的な生成
に伴う再生信号の急峻な立ち上がりとを上記光ビームに
よって検出する方法である。
【0158】それゆえ、再生信号の急峻な立ち下がりと
急峻な立ち上がりとを利用して、記録層が有する記録磁
区のエッジ位置を正確に検出することが可能となる。こ
れにより、光ビームのスポット径よりも小さい領域に記
録された情報を再生する超解像動作が可能となる。この
結果、大容量の記録再生が必要とされる例えば画像情報
等の記録にも充分対応できる光磁気記録媒体に対する記
録再生方法を提供することができるという効果を奏す
る。
【0159】本発明の請求項3記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、第1の温度範囲では、
再生層に記録層の磁化状態を磁気的交換結合によって転
写し、第2の温度範囲では、再生層の磁化方向を記録層
の未記録部分から発生される浮遊磁界の磁化方向と一致
させ、第3の温度範囲では、再生層の磁化方向を記録層
から発生される浮遊磁界の磁化方向と一致させる方法で
ある。
【0160】これにより、光ビームの照射による温度上
昇に伴う再生層の再生磁区の消滅と生成とを安定して実
現することが可能となるので、より一層安定した記録再
生を行うことができるという効果を奏する。
【0161】本発明の請求項4記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、光磁気記録媒体に対し
てさらに外部磁界を印加し、第1の温度範囲では、再生
層に記録層の磁化状態を磁気的交換結合によって転写
し、第2の温度範囲では、再生層の磁化方向を上記外部
磁界の方向と一致させ、第3の温度範囲では、再生層の
磁化方向を記録層から発生される浮遊磁界の磁化方向と
一致させる方法である。
【0162】これにより、光ビームの照射による温度上
昇に伴う再生層の再生磁区の消滅と生成とを安定して実
現することが可能となるので、より一層安定した記録再
生を行うことができるという効果を奏する。
【0163】本発明の請求項5記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、情報を、記録層が有す
る記録磁区の大きさと、該記録磁区の位置とで記録する
方法である。
【0164】それゆえ、記録磁区の大きさに対応した情
報と、記録磁区の位置に対応した情報とを、それぞれ独
立に記録再生することが可能となる。これにより、一つ
の記録磁区によって複数の情報の記録、即ち、多重記録
が可能となる。この結果、より一層大容量の記録再生が
必要とされる例えば画像情報等の記録にも充分対応でき
る光磁気記録媒体に対して記録再生、つまり、より一層
大容量の光磁気記録媒体に対して記録再生を行うことが
できるという効果を奏する。
【0165】本発明の請求項6記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、記録磁区の大きさを、
再生信号の立ち下がり部分と立ち上がり部分との時間の
差によって求める一方、該記録磁区の位置を、再生信号
の立ち下がり部分と立ち上がり部分との時間平均によっ
て求める方法である。
【0166】これにより、記録磁区の大きさおよび位置
をより一層正確に検出することができるので、より一層
安定した記録再生を行うことができるという効果を奏す
る。
【0167】本発明の請求項7記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、記録層に、再生時の基
準となるべき大きさ、および/または、位置を有する複
数の記録磁区を形成する方法である。
【0168】それゆえ、再生時において、該記録磁区か
ら得られる再生信号の出力を参照しながら、情報を再生
することができる。これにより、記録層全体での特性に
或る程度のバラツキを有している場合や、光ビームのパ
ワーが或る程度変動する場合においても、これらバラツ
キや変動に左右されずに、より一層良好な記録再生を行
うことができるという効果を奏する。
【0169】本発明の請求項8記載の光磁気記録媒体の
記録再生方法は、以上のように、上記再生信号を微分処
理する方法である。
【0170】それゆえ、再生信号における変動が急峻な
部分、即ち、再生信号の急峻な立ち下がりと急峻な立ち
上がりとをより一層容易に検出することができる。従っ
て、記録磁区の位置、または、記録磁区のエッジ位置を
より一層正確に検出することが可能となる。これによ
り、記録磁区をさらに小さくして記録密度を高めても、
記録磁区に記録された情報を再生することができる。即
ち、より一層高密度な記録再生を実現することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光磁気記録媒体と
しての光磁気ディスクの再生原理を説明する説明図であ
り、(a)はトラック上の温度分布を示す説明図、
(b)は第1の温度範囲に記録磁区が存在する場合を示
す説明図、(c)は第2の温度範囲に記録磁区が存在す
る場合を示す説明図、(d)は第3の温度範囲に記録磁
区が存在する場合を示す説明図である。
【図2】上記光磁気ディスクの構成を説明する説明図で
ある。
【図3】上記光磁気ディスクの再生層における安定磁区
幅の温度依存性を示すグラフである。
【図4】上記光磁気ディスクにおける信号対雑音比のマ
ーク長依存性(記録再生特性)を示すグラフである。
【図5】上記光磁気ディスクにおける信号対雑音比の再
生パワー依存性(記録再生特性)を示すグラフである。
【図6】(a)〜(e)は、それぞれ上記光磁気ディス
クの要部を示す平面図である。
【図7】(a)〜(e)は、それぞれ上記光磁気ディス
クの再生信号の波形を示す波形図である。
【図8】(a)〜(f)は、それぞれ上記光磁気ディス
クの要部を示す平面図である。
【図9】(a)〜(f)は、それぞれ上記光磁気ディス
クの再生信号の波形を示す波形図である。
【図10】(a)〜(f)は、それぞれ上記光磁気ディ
スクの再生信号の波形を示す波形図である。
【図11】上記光磁気ディスクの再生方法を説明する説
明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態にかかる光磁気ディ
スクの再生原理を説明する説明図であり、(a)はトラ
ック上の温度分布を示す説明図、(b)は第1の温度範
囲に記録磁区が存在する場合を示す説明図、(c)は第
2の温度範囲に記録磁区が存在する場合を示す説明図、
(d)は第3の温度範囲に記録磁区が存在する場合を示
す説明図である。
【図13】図12の光磁気ディスクの構成を説明する説
明図である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態にかかる光磁
気ディスクの記録再生方法(第1の変調方法)を説明す
る説明図であり、(a)は光磁気ディスクの要部を示す
説明図、(b)は同期信号の波形を示す波形図、(c)
は該光磁気ディスクの再生信号の波形を示す波形図であ
る。
【図15】図14の光磁気ディスクの記録再生方法(第
2の変調方法)を説明する説明図であり、(a)は光磁
気ディスクの要部を示す説明図、(b)は同期信号の波
形を示す波形図、(c)は該光磁気ディスクの再生信号
の波形を示す波形図、(d)は位置信号の波形を示す波
形図である。
【図16】図14の光磁気ディスクの記録再生方法(第
3の変調方法)を説明する説明図であり、(a)は光磁
気ディスクの要部を示す説明図、(b)は同期信号の波
形を示す波形図、(c)は該光磁気ディスクの再生信号
の波形を示す波形図、(d)は位置信号の波形を示す波
形図である。
【図17】(a)は従来の光磁気ディスクの再生信号の
波形を示す波形図、(b)は本発明のさらに他の実施の
形態にかかる光磁気ディスクの再生信号の波形を示す波
形図、(c)は上記(b)の再生信号を微分処理して得
られる微分信号の波形を示す波形図である。
【図18】従来の光磁気ディスクの再生方法における波
形補正(包絡線検波)に供される処理回路を示すブロッ
ク図である。
【図19】図17(b)の光磁気ディスクの再生方法に
おける波形補正(微分処理)に供される処理回路を示す
ブロック図である。
【図20】(a)は本発明のさらに他の実施の形態にか
かる光磁気ディスクの要部を示す説明図、(b)〜
(d)は、それぞれ該光磁気ディスクの基準磁区記録部
の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 1a トラック 3 再生層 4 記録層 4a 記録磁区 8 光ビーム 8a スポット 9 中間層 19 中間層 T1 第1の温度範囲 T2 第2の温度範囲 T3 第3の温度範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直な磁化方向によって情報が記録される
    記録磁区を有する記録層と、 記録層に記録された情報が垂直な磁化方向によって転写
    される再生磁区を有する再生層と、 記録層と再生層との間に積層され、該記録層および再生
    層のキュリー温度よりも低いキュリー温度を有する中間
    層とを有し、 上記再生層が、中間層のキュリー温度未満の第1の温度
    範囲では、磁気的交換結合によって記録層の磁化状態が
    転写され、中間層のキュリー温度以上でかつ上記再生層
    における所定の大きさの微小な磁区が不安定となる第2
    の温度範囲では、その磁化方向が記録層の未記録部分の
    磁化方向と一致し、中間層のキュリー温度以上でかつ上
    記微小な磁区が安定となる第3の温度範囲では、静磁結
    合によって記録層の磁化状態が転写されるように形成さ
    れていることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光磁気記録媒体に対して光
    ビームを照射し、 再生層の温度が第1の温度範囲から第2の温度範囲へ移
    行する際に発生する再生磁区の瞬間的な消滅に伴う再生
    信号の急峻な立ち下がりと、再生層の温度が第2の温度
    範囲から第3の温度範囲へ移行する際に発生する再生磁
    区の瞬間的な生成に伴う再生信号の急峻な立ち上がりと
    を上記光ビームによって検出することを特徴とする光磁
    気記録媒体の記録再生方法。
  3. 【請求項3】第1の温度範囲では、再生層に記録層の磁
    化状態を磁気的交換結合によって転写し、第2の温度範
    囲では、再生層の磁化方向を記録層の未記録部分から発
    生される浮遊磁界の磁化方向と一致させ、第3の温度範
    囲では、再生層の磁化方向を記録層から発生される浮遊
    磁界の磁化方向と一致させることを特徴とする請求項2
    記載の光磁気記録媒体の記録再生方法。
  4. 【請求項4】光磁気記録媒体に対してさらに外部磁界を
    印加し、 第1の温度範囲では、再生層に記録層の磁化状態を磁気
    的交換結合によって転写し、第2の温度範囲では、再生
    層の磁化方向を上記外部磁界の方向と一致させ、第3の
    温度範囲では、再生層の磁化方向を記録層から発生され
    る浮遊磁界の磁化方向と一致させることを特徴とする請
    求項2記載の光磁気記録媒体の記録再生方法。
  5. 【請求項5】情報を、記録層が有する記録磁区の大きさ
    と、該記録磁区の位置とで記録することを特徴とする請
    求項2、3または4記載の光磁気記録媒体の記録再生方
    法。
  6. 【請求項6】記録磁区の大きさを、再生信号の立ち下が
    り部分と立ち上がり部分との時間の差によって求める一
    方、該記録磁区の位置を、再生信号の立ち下がり部分と
    立ち上がり部分との時間平均によって求めることを特徴
    とする請求項5記載の光磁気記録媒体の記録再生方法。
  7. 【請求項7】記録層に、再生時の基準となるべき大き
    さ、および/または、位置を有する複数の記録磁区を形
    成することを特徴とする請求項5または6記載の光磁気
    記録媒体の記録再生方法。
  8. 【請求項8】上記再生信号を微分処理することを特徴と
    する請求項2、3、4、5、6または7記載の光磁気記
    録媒体の記録再生方法。
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