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JP3192207B2 - 磁気軸受 - Google Patents
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JP3192207B2 - 磁気軸受 - Google Patents

磁気軸受

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JP3192207B2
JP3192207B2 JP09779392A JP9779392A JP3192207B2 JP 3192207 B2 JP3192207 B2 JP 3192207B2 JP 09779392 A JP09779392 A JP 09779392A JP 9779392 A JP9779392 A JP 9779392A JP 3192207 B2 JP3192207 B2 JP 3192207B2
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    • F16C32/0438Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part with a superconducting body, e.g. a body made of high temperature superconducting material such as YBaCuO
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸に固着された永久磁
石製の磁場印加手段から超電導体製の軸受体に磁場を印
加して、前記磁場印加手段と軸受体との間に働く斥力に
よって軸を支持する磁気軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸受の技術は、接触式のものと非接触式
のものとに大別することができる。前者の接触式のもの
としては、例えば、ころを介して軸を支持するころ軸受
等が旧知であり、後者の非接触式のものとしては、空気
圧を利用するものや、磁力を利用するものが知られてい
る。
【0003】磁力を利用する軸受としては、電磁石を使
用するものの他に、最近では、永久磁石と超電導体とを
組合わせて使用する磁気軸受も研究されている。非接触
式の軸受は、いずれも、機械的な接触による摩耗がない
という利点がある。しかし、電磁石を使用するものは、
コイルの発熱によってガスを発生するという難点があ
り、そのために、空気圧を利用するものと同様に、真空
環境で使用するには困難がある。
【0004】これに対して、永久磁石と超電導体とを組
合わせて使用する磁気軸受は、電磁石を使用するものと
は異なり、コイルの発熱によるガスの発生といった問題
がなく、真空環境での使用にも適するため、最近では、
実用化に向けて、盛んに研究がなされるようになってき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまで、
永久磁石と超電導体とを組合わせて使用する磁気軸受と
しては、超電導体に磁場を印加するために支持対象の軸
上に固着された永久磁石製の磁場印加手段と、この磁場
印加手段に対峙するように前記軸が挿通する軸受箱内に
配備された超電導体製の軸受体と、この軸受体を冷却し
て超電導状態にする冷却手段とを備え、超電導状態にあ
る前記軸受体とこの軸受体に対峙する磁場印加手段との
間に働く斥力によって前記軸を支持する構成のものが研
究されてきた。
【0006】ところが、超電導体は、常電導状態から超
電導状態に移行させるための冷却処理時に磁場が印加さ
れていると、その時に印加されている磁場と同方向に磁
化されるという性質がある。
【0007】そのため、前述の構成の磁気軸受におい
て、軸受体に磁場印加手段が近接した状態で軸受体の冷
却処理を実行すると、冷却処理後の軸受体は、磁場印加
手段が作用させる磁場と同方向に磁化された状態になっ
て、結局、軸受体と磁場印加手段との間に所望の斥力が
得られなくなり、非接触の軸受としての機能が果たせな
くなるという問題が生じる。
【0008】従って、超電導体を利用した磁気軸受の実
用化には、軸受体が不利に磁化されないように、軸受体
を常電導状態から超電導状態に冷却する技術の開発が不
可欠となり、この点が今後の課題とされていた。
【0009】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、超電導体製の軸受体を常電導状態から超電導状態に
冷却処理する期間に該軸受体が磁場印加手段の影響で不
利に磁化されてしまうことがなく、したがって、超電導
状態にある軸受体と該軸受体に対峙する磁場印加手段と
の間には所望の斥力を得ることができて、非接触の軸受
としての実用化値の高い磁気軸受を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の磁気軸
受は、超電導体に磁場を印加するために支持対象の軸上
に固着された永久磁石製の磁場印加手段と、この磁場印
加手段に対峙するように前記軸が挿通する軸受箱内に配
備された超電導体製の軸受体と、この軸受体を冷却して
超電導状態にする冷却手段とを備えて、超電導状態にあ
る前記軸受体とこの軸受体に対峙する磁場印加手段との
間に働く斥力によって前記軸を支持するものである。
【0011】具体的には、前記軸受体を常電導状態から
超電導状態に移行させるための前記冷却手段による冷却
処理期間には前記軸を軸線方向に移動操作して、超電導
状態の時に磁場印加手段との間に所定の斥力を生ぜしめ
るために印加する磁場が前記軸受体に作用することを防
止する軸移動手段を装備したことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の磁気軸受は、請求項1に
記載の磁気軸受を改善したもので、支持対象の軸には、
前記磁場印加手段が軸の軸線方向に沿って複数箇所に装
備される。
【0013】そして、前記軸移動手段は、前記軸受体を
常電導状態から超電導状態に移行させるための前記冷却
手段による冷却処理期間に、超電導状態のときに印加す
べき磁場と逆向きの磁場が作用するように、軸受体に近
接する磁場印加手段を軸の移動によって切り換える。
【0014】
【作用】請求項1に記載の磁気軸受では、常電導状態か
ら超電導状態に移行させるための冷却処理期間には、磁
場印加手段が対応する軸受体から離間された状態に保持
されて、超電導状態の時に磁場印加手段との間に所定の
斥力を生ぜしめるために印加する磁場が冷却処理時に作
用することが防止される。
【0015】従って、互いに対峙する軸受体と磁場印加
手段との間に得るべき磁気反力が、軸受体を常電導状態
から超電導状態に移行させるための冷却処理によって弱
められてしまうことがなく、軸受体とこれに対峙した磁
場印加手段との間に働く斥力によって軸を非接触状態で
支持することが可能になり、真空環境での使用に適した
磁気軸受の実用化が可能になる。
【0016】請求項2に記載の磁気軸受では、常電導状
態から超電導状態に移行させるための冷却処理期間に
は、磁場印加手段が対応する軸受体の基準の位置からず
れることによって、超電導状態の時に磁場印加手段との
間に所定の斥力を生ぜしめるために印加される磁場とは
逆向きの磁場が冷却処理時に作用し、冷却処理時の印加
磁場による磁化作用によって、冷却処理後の軸受体と磁
場印加手段とは、互いに同じ極性の磁極同士が対峙する
結果となり、これによって、互いに対峙する軸受体と磁
場印加手段との間に得るべき磁気反力が、強められる。
【0017】従って、軸受体とこれに対峙した磁場印加
手段との間に働く斥力によって軸を非接触状態で支持す
ることが可能になり、真空環境での使用に適した磁気軸
受の実用化が可能になる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明に係る磁気軸受の一実施例の
構成を示したものである。この一実施例の磁気軸受は、
超電導体に磁場を印加するために支持対象の軸1上に固
着された2つの永久磁石製の磁場印加手段2,3と、こ
の磁場印加手段2,3に対峙するように前記軸1が挿通
する軸受箱4内に配備された超電導体製の軸受体5,6
と、これらの軸受体5,6を冷却して超電導状態にする
冷却手段(図示略)と、この冷却手段によって前記軸受
体5,6を常電導状態から超電導状態に移行させる冷却
処理期間に前記軸1を軸線方向に移動操作する軸移動手
段8とを具備した構成で、超電導状態にある前記軸受体
5,6とこれらの軸受体に対峙する磁場印加手段2,3
との間に働く斥力によって前記軸1を支持する。
【0019】前記軸1は非磁性体で形成された中実の丸
軸で、一実施例の磁気軸受は前記軸1に対するスラスト
軸受として機能するものである。以下、一実施例の各構
成要素について詳述する。
【0020】前記磁場印加手段2,3は、それぞれ軸1
の軸線方向に離間して装備されている。磁場印加手段2
は、2つのリング状の永久磁石21,22を組合わせた
構成である。そして、内側の磁石21では、図1で上側
がN極,下側がS極に設定されている。また、外側の磁
石22では、図1で上側がS極,下側がN極に設定され
ている。
【0021】磁場印加手段3は、3つのリング状の永久
磁石31,32,33を組合わせた構成である。そし
て、一番内側の磁石31の外径は磁場印加手段2におけ
る磁石21と等しくされ、中間の磁石32の外径は磁場
印加手段2における磁石22と等しくされている。しか
し、磁石31の極性は、磁石21とは逆で、図1で上側
がS極,下側がN極に設定されている。また、磁石32
の極性は、磁石22とは逆で、図1で上側がN極,下側
がS極に設定されている。また、磁石33の極性は、図
1で上側がS極,下側がN極に設定されている。
【0022】これらの磁場印加手段2,3に使用する永
久磁石は、Nd−Fe−B系のもので、これらの磁場印
加手段2,3によって印加する磁場は、各磁場印加手段
2,3の表面部で3.7kG(ガウス)である。
【0023】前記軸受箱4は、前記軸受体5,6を固定
支持する支持枠であり、内径D0 =100mm,軸線方
向の長さL0 =150mmの非磁性体製の円筒体であ
る。
【0024】前記軸受体5,6は、Y1.8 Ba2.4 Cu
3.4 x 組成の粉を、まず、5inchの金型を使って
面圧100トンで成型して直径が5インチで厚さが20
mmの円盤状の素材に形成し、この素材を所定の熱処理
後に、所定の切削加工を行うことによって、所望の寸法
形状にした。
【0025】前記素材に行った熱処理は、まず、110
0℃で30分保持した後、1000℃から930℃まで
1℃/hourの温度勾配で冷却し、さらに、700℃から
300℃までは200時間かけて徐冷するものである。
【0026】以上の熱処理後の素材に対して、切削加工
を行い、軸受体5は、外径が100mm、板厚T1 =2
0mmの円盤状で、中央部には、軸1を挿通するための
孔51と、磁場印加手段2を近接させるための座ぐり部
52とを備えた構造とした。孔51は直径D1 =20m
mで、座ぐり部52は、直径D2 =50mm、深さL1
=10mmである。
【0027】軸受体6は、外径が100mm、板厚T2
=20mmの円盤状で、中央部には、磁場印加手段3を
近接させるための座ぐり部61を備えた構造とした。座
ぐり部61は、直径D3 =70mmで、深さL2 =10
mmである。
【0028】これらの軸受体5,6の材料特性は、2m
m角の試料として切り出して評価した結果、最大磁化が
1500G(ガウス)であった。
【0029】前記冷却手段は、図示はしていないが、液
体窒素を使ったガス冷却によって、前記軸受体5,6を
超電導状態まで冷却するものである。
【0030】前記軸移動手段8は、詳細な構造は示して
いないが、前記軸1を把持する軸把持部81と、該軸把
持部81を軸1の軸線方向に進退操作する直線移動制御
装置82とから構成されている。これらの軸把持部81
および直線移動制御装置82は、いずれも、公知の機構
を流用したものでよい。
【0031】一実施例の軸移動手段8は、前記軸受体
5,6を常電導状態から超電導状態に移行させるための
冷却手段による冷却処理期間には、図2に示すように、
軸1を図1上で上方側に引き上げて、それぞれの磁場印
加手段2,3を対応する軸受体5,6から離間させる。
また、この一実施例の場合には、軸受体6に対する磁場
印加手段3を軸受体5に近接させた状態にする。
【0032】そして、軸受体5,6を常電導状態から超
電導状態に移行させるための冷却手段による冷却処理期
間が終了したら、軸移動手段8は、再び、軸1を引き下
げて、軸受体5には磁場印加手段2が接近して対峙し、
軸受体6には磁場印加手段3が接近して対峙する、通常
の使用時の状態に戻す。
【0033】ところで、前述したように、超電導体は、
常電導状態から超電導状態に移行させるための冷却処理
時に磁場が印加されていると、その時に印加されている
磁場と同方向に磁化されるという性質があるが、一実施
例の磁気軸受では、常電導状態から超電導状態に移行さ
せるための冷却処理期間は、前記軸移動手段8による移
動操作によって、各磁場印加手段2,3をそれぞれの対
応する軸受体5,6から離間させた状態にする。そし
て、軸受体5においては、超電導状態のときに対峙する
磁場印加手段とは極性が逆向きの磁場印加手段3が近接
した状態で冷却が遂行され、また、軸受体6において
は、いずれの磁場印加手段も近接しない状態で冷却が遂
行される。
【0034】即ち、何れの軸受体5,6においても、超
電導状態の時に磁場印加手段2,3との間に所定の斥力
を生ぜしめるために印加する磁場が冷却処理時に作用す
ることが防止され、前記軸受体5は、磁場印加手段3に
よる磁場が印加された状態で冷却されることによって、
超電導状態では図2に示したように、磁場印加手段3に
よる磁場と同方向に磁化された状態になる。また、軸受
体6は、磁場が印加されていない状態で冷却されること
によって、磁化されずに超電導状態になる。
【0035】そして、軸受体5,6を常電導状態から超
電導状態に移行させる冷却処理が終了して、軸移動手段
8によって軸1を元の状態に戻すと、前記軸受体5と磁
場印加手段2とは、冷却処理時における軸受体5の磁化
によって、同じ極性の磁極同士が接近することになり、
軸受体5と磁場印加手段2と間には、大きな斥力が発生
することになる。また、軸受体6は、磁場印加手段3に
よって印加される磁場によって新たに印加磁場と逆方向
に磁化され、その結果、軸受体6と磁場印加手段3との
間に所定の斥力が生じることになる。
【0036】以上の結果、一実施例の磁気軸受では、互
いに対峙する軸受体と磁場印加手段との間に得るべき磁
気反力が、各軸受体を常電導状態から超電導状態に移行
させるための冷却処理によって弱められてしまうことが
なく、各軸受体5,6とこれらの軸受体に対峙した磁場
印加手段2,3との間に働く斥力によって軸1を非接触
状態で支持することが可能になる。
【0037】実際の測定結果では、冷却処理時に軸移動
手段8によって各磁場印加手段2,3を対応する軸受体
5,6から離間させた一実施例では、軸受体5,6から
得られる反発力として25kgが測定されたのに対し
て、磁場印加手段2,3をそれぞれの軸受体5,6に接
近させたままで冷却処理した場合には、軸受体5,6か
ら得られる反発力の最大値は12kg程度で、一実施例
の効果が絶大であることが確認された。
【0038】図3は、本発明に係る磁気軸受の他の実施
例の構成を示したものである。この他の実施例の磁気軸
受は、超電導体に磁場を印加するために支持対象の軸1
00上に固着された6つの永久磁石製の磁場印加手段1
01〜106と、これらの磁場印加手段101〜106
に対峙するように前記軸100が挿通する軸受箱(図示
略)内に配備された超電導体製の軸受体110と、この
軸受体100を冷却して超電導状態にする冷却手段(図
示略)と、この冷却手段によって前記軸受体110を常
電導状態から超電導状態に移行させる冷却処理期間に前
記軸100を軸線方向に移動操作する軸移動手段8とを
具備した構成で、超電導状態にある前記軸受体110と
この軸受体110に対峙する各磁場印加手段101〜1
06との間に働く斥力によって前記軸100を支持す
る。
【0039】前記軸100は非磁性体で形成された直径
10mmの中実の丸軸で、この他の実施例の磁気軸受は
前記軸100に対するラジアル軸受として機能するもの
である。以下、一実施例の各構成要素について詳述す
る。
【0040】前記磁場印加手段101〜106は、Nd
−Fe−B系の永久磁石で、何れも同じ寸法のリング状
を呈しており、それぞれ軸100の軸線方向に隣接して
装備されている。なお、各磁場印加手段の寸法は、内径
5 =10mm、外径D6 =20mm、厚さT3 =8m
mである。また、それぞれの磁場印加手段相互間では、
同じ磁極が隣接するように、各磁場印加手段毎に磁極方
向を設定している。例えば、一番上の磁場印加手段10
1では、上側の磁極がSで下側の磁極がNであるのに対
し、二番目の磁場印加手段102では、上側の磁極がN
で下側の磁極がSである。
【0041】前記軸受体110は、外径D7 =50m
m、内径D8 =25mm、長さL3 =50mmの円筒体
で、Y1.8 Ba2.4 Cu3.4 x 組成の粉を金型を使っ
て所定寸法の円筒体に成型して、その後、一実施例と同
じ手順の熱処理を施したものである。この軸受体110
の材料特性は、2mm角の試料として切り出して評価し
た結果、最大磁化が1500G(ガウス)で、一実施例
と同様であった。
【0042】なお、軸受体110と各磁場印加手段10
1〜106との軸線方向の相対位置関係は、図3に示す
ように、軸受体110の端面から寸法L4 =1mmだけ
中に入った位置に一番目の磁場印加手段101の端面が
くる状態を基準の位置関係としている。
【0043】前記冷却手段は、一実施例の場合と同様
で、液体窒素を使ったガス冷却によって、前記軸受体1
10を超電導状態まで冷却する。
【0044】前記軸移動手段8は、一実施例と同じ構成
のものである。ただし、この他の実施例では、軸移動手
段8は、前記軸受体110を常電導状態から超電導状態
に移行させるための冷却手段による冷却処理期間には、
図4に示すように、軸100を図3上で磁場印加手段の
1個分(即ち、寸法T3 の分)だけ上方側に引き上げ
て、軸受体110の内周面に対峙している各磁場印加手
段を基準の位置関係の時よりも1個分ずらした状態にす
る。
【0045】そして、軸受体110を常電導状態から超
電導状態に移行させるための冷却手段による冷却処理期
間が終了したら、軸移動手段8は、再び、軸100を引
き下げて、元の基準の位置関係に戻す。
【0046】このようにすると、軸受体110は、基準
の位置関係の時(即ち、超電導状態で使用するとき)に
対峙する磁場印加手段とは極性が逆向きの磁場印加手段
が近接した状態で冷却が遂行されることになり、冷却処
理時における磁化作用によって、前記軸受体110は、
冷却処理が終了して超電導状態になった時には、図4に
示したように、基準の位置関係の時に対峙する各磁場印
加手段に対して同じ極性の磁極同士が接近することにな
り、軸受体110と各磁場印加手段101〜105と間
には、冷却処理時の磁化によってより大きな斥力が発生
することになる。なお、基準の位置関係において6番目
の磁場印加手段106が対峙する軸受体110の位置
は、冷却処理時に磁化されていないため、磁場印加手段
106によって印加される磁場によって新たに印加磁場
と逆方向に磁化され、その結果、所定の斥力を生じさせ
ることになる。
【0047】以上の結果、図3に示した他の実施例の磁
気軸受でも、互いに対峙する軸受体と磁場印加手段との
間に得るべき磁気反力が、軸受体110を常電導状態か
ら超電導状態に移行させるための冷却処理によって弱め
られてしまうことがなく、軸受体110とこれに対峙し
た磁場印加手段101〜106との間に働く斥力によっ
て軸100を非接触状態で支持することが可能になる。
【0048】なお、本発明に係る磁気軸受において、軸
受体に使用する超電導体は、磁場印加手段との間により
大きな斥力を発生することが求められるため、磁場の印
加によって磁化されやすく、またピンニングポテンシャ
ル(磁束線のピン止め効果)の高いものが好ましく、適
正な材料としては、Y系酸化物超電導体やTl 系酸化物
超電導体などを挙げることができ、また、本願発明者の
研究によれば、Y系およびTl 系のいずれの酸化物超電
導体においても、結晶粒が大きいほうが特性が良く、部
分溶融法や溶融法を利用して結晶成長を行うことが好ま
しいという結果が判明している。このような研究成果か
ら、前述の実施例では、軸受体に使用する超電導体とし
て、Y1.8 Ba2.4 Cu3.4 x 組成の材料を選定した
が、本発明で軸受体に使用する超電導体は、実施例で使
用した酸化物超電導体、あるいは前述のY系およびTl
系の酸化物超電導体に限定するものではない。
【0049】また、以上に説明した実施例では、いずれ
も磁場印加手段を複数段に装備した構成としたが、磁場
印加手段を1段だけにすることも考えられる。
【0050】
【発明の効果】請求項1に記載の磁気軸受では、常電導
状態から超電導状態に移行させるための冷却処理期間に
は、磁場印加手段が対応する軸受体から離間された状態
に保持されて、超電導状態の時に磁場印加手段との間に
所定の斥力を生ぜしめるために印加する磁場が冷却処理
時に作用することが防止される。
【0051】従って、互いに対峙する軸受体と磁場印加
手段との間に得るべき磁気反力が、軸受体を常電導状態
から超電導状態に移行させるための冷却処理によって弱
められてしまうことがなく、軸受体とこれに対峙した磁
場印加手段との間に働く斥力によって軸を非接触状態で
支持することが可能になり、真空環境での使用に適した
磁気軸受の実用化が可能になる。
【0052】請求項2に記載の磁気軸受では、常電導状
態から超電導状態に移行させるための冷却処理期間に
は、磁場印加手段が対応する軸受体の基準の位置からず
れることによって、超電導状態の時に磁場印加手段との
間に所定の斥力を生ぜしめるために印加される磁場とは
逆向きの磁場が冷却処理時に作用し、冷却処理時の印加
磁場による磁化作用によって、冷却処理後の軸受体と磁
場印加手段とは、互いに同じ極性の磁極同士が対峙する
結果となり、これによって、互いに対峙する軸受体と磁
場印加手段との間に得るべき磁気反力が、強められる。
【0053】従って、軸受体とこれに対峙した磁場印加
手段との間に働く斥力によって軸を非接触状態で支持す
ることが可能になり、真空環境での使用に適した磁気軸
受の実用化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成説明図である。
【図2】本発明の一実施例の作用説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成説明図である。
【図4】本発明の他の実施例の作用説明図である。
【符号の説明】
1,100 軸 2,3,101〜106 磁場印加手段 4 軸受箱 5,6 軸受体 8 軸移動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/00 F16C 32/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導体に磁場を印加するために支持対
    象の軸上に固着されたリング永久磁石製の磁場印加手段
    と、この磁場印加手段に対峙するように前記軸が挿通す
    る軸受箱内に配備された超電導体製の軸受体と、この軸
    受体を冷却して超電導状態にする冷却手段と、前記軸を
    上下に移動させる移動手段と、を備えて、超電導状態に
    ある前記軸受体とこの軸受体に対峙する磁場印加手段と
    の間に働く斥力によって前記軸を支持する磁気軸受であ
    って、前記磁場印加手段である永久磁石は、径の異なる複数の
    リング状磁石を同心円状に填め込んで、隣接するリング
    状磁石の極性が互いに逆極性となるように配置したもの
    であり、 前記軸受体を常電導状態から超電導状態に移行させるた
    めの前記冷却手段による冷却処理期間には前記軸を軸線
    方向に移動操作できる、ことを特徴とする磁気軸受。
  2. 【請求項2】 超電導体に磁場を印加するために支持対
    象の軸上に固着されたリング状永久磁石製の磁場印加手
    段と、この磁場印加手段に対峙するように前記軸が挿通
    する軸受箱内に配備された超電導体製の軸受体と、この
    軸受体を冷却して超電導状態にする冷却手段と、前記軸
    を上下に移動させる移動手段と、を備えて、超電導状態
    にある前記軸受体とこの軸受体に対峙する磁場印加手段
    との間に働く斥力によって前記軸を支持する磁気軸受で
    あって、支持対象の軸に、複数のリング状永久磁石が前記軸を中
    心としての軸線方向に沿って隣接して装備され、隣接す
    るリング磁石の相対する極性が互いに逆極性となるよう
    に配置したものであり、 前記軸受体を常電導状態から超電導状態に移行させるた
    めの前記冷却手段による冷却処理期間には、前記軸の移
    動手段により軸を引き上げ、冷却終了後は引き下げる、
    ことを特徴とする磁気軸受。
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