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JP3198407B2 - アルマイト処理用ジグ - Google Patents
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JP3198407B2 - アルマイト処理用ジグ - Google Patents

アルマイト処理用ジグ

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JP3198407B2
JP3198407B2 JP03711398A JP3711398A JP3198407B2 JP 3198407 B2 JP3198407 B2 JP 3198407B2 JP 03711398 A JP03711398 A JP 03711398A JP 3711398 A JP3711398 A JP 3711398A JP 3198407 B2 JP3198407 B2 JP 3198407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、アルミニウム製またはアルミ
ニウム合金製の棒状のワークにアルマイト処理を施す作
業およびこれに関連する作業を行うときにそのワークを
支持するのに用いられるアルマイト処理用ジグに関す
る。なお、本願発明でいうアルマイト処理とは、陽極酸
化被膜生成処理を意味する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、編み物に用いられるアルミニ
ウム製またはアルミニウム合金製のかぎ針などの製品
は、耐食性などの堅牢度を高め、また所望の色彩に着色
して製品としての見栄えを良好にするなどの観点から、
多くの場合、アルマイト処理がなされる。このアルマイ
ト処理は、ワーク表面の研磨処理などの前処理を行った
後に、ワークを電解質水溶液中に浸漬させてから、この
ワークを陽極として電解質水溶液を電気分解することに
よって、ワーク表面に耐食性の酸化被膜を生成させる処
理である。このアルマイト処理の後には、洗浄処理、着
色処理、および封孔処理などがなされる。
【0003】一方、従来では、上記アルマイト処理やこ
れに関連する各種の処理を行う場合には、たとえば図6
に示すようなジグBが用いられていた。すなわち、この
従来のジグBは、3本のアルミニウム線材9a〜9cを
適当な間隔を隔てて平行に並べているとともに、それら
アルミニウム線材9a〜9cの端部を捩じり合わせて吊
り下げ用のフック90を形成したものである。
【0004】上記従来のジグBによれば、上記図6およ
び図7に示すように、3本のアルミニウム線材9a〜9
cによって棒状のかぎ針5aの長手方向三箇所を挟み込
んで支持することができる。この従来のジグBでは、上
記アルミニウム線材9a〜9cの材料コストおよび加工
コストが比較的安価であり、ジグ全体の単価を比較的低
額に抑えることができる。また、アルミニウム線材は、
通電性も良好であり、かぎ針5aに通電を行うのにも都
合が良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のジグBでは、次のような不具合があった。
【0006】第1に、上記従来のジグBにかぎ針5aを
支持させるには、3本のアルミニウム線材9a〜9cの
うち、中央のアルミニウム線材9bを手で把持してから
上方へ持ち上げるなどして、この中央のアルミニウム線
材9bとその両側の2本のアルミニウム線材9a,9c
との間に高低段差を生じさせてから、その高低段差の隙
間部分にかぎ針5aをその側方から差し込まねばならな
い。また、これらアルミニウム線材9a〜9cの相互間
内にかぎ針5aを差し込むだけでは、かぎ針5aの位置
を安定させることはできないため、その後は図6に示さ
れているように、アルミニウム線材9a〜9cのかぎ針
5aと接触する部分を折り曲げることによって、かぎ針
5aの位置ずれや脱落を防止する必要もある。したがっ
て、従来では、これら一連の作業が非常に煩雑となって
おり、その作業性が悪くなっていた。さらに、アルミニ
ウム線材9a〜9cを折り曲げてかぎ針5aの位置決め
を図る手段では、かぎ針5aの位置決め保持の確実性に
欠け、たとえば作業者の手が既にアルミニウム線材9a
〜9cに支持されている他のかぎ針に触れてしまうと、
そのかぎ針が容易に位置ずれしてジグBから脱落するよ
うな場合があった。その結果、従来では、ジグBにかぎ
針5aをセッティングする際の作業性が一層悪いものと
なっていた。
【0007】第2に、上記従来のジグBでは、かぎ針5
aのセッティング位置はとくに定まっておらず、複数の
かぎ針5aをセッティングするときには、作業者が適当
なピッチでアルミニウム線材9a〜9cの長手方向に沿
って順次セッティングしてゆくに過ぎない。このため、
従来では、1つのジグBにセッティングされるかぎ針5
aの総本数は流動的であり、かぎ針の本数管理などを行
う上で不便を生じる場合もあった。
【0008】第3に、上記従来のジグBは、その全体の
材質がアルミニウム製であるために、このジグB自体が
耐食性に劣るものとなっており、アルマイト処理および
これに関連する処理への使用によって、このジグBが比
較的短期間で劣化していた。より具体的には、たとえば
3本のアルミニウム線材9a〜9cとして直径2mmの
線材を用いた場合には、上記ジグBを一連の処理作業に
1回使用すると、浸食によってその直径は0.03mm
減少し、寸法割合においてその直径が15/1000程
度も減少することが確認されている。また、アルミニウ
ム線材9a〜9cは、各種の処理液との接触によって硬
化し、脆弱化する性質もあり、たとえばジグBにかぎ針
5aをセッティングしようとしてアルミニウム線材9a
〜9cを手で押さえつけたときに、これらの線材が破断
するといった事態を招く場合もあった。このため、従来
では、1つのジグBを数回程度も使用すれば、もはやア
ルミニウム線材9a〜9cの劣化が著しくなってその使
用寿命が尽きてしまい、廃棄処分にせざるを得なくなっ
ていた。その結果、従来では、ジグBの製造単価自体は
比較的低額であるものの、アルマイト処理を多数回にわ
たって繰り返して行う場合には、多数のジグBを準備す
る必要があり、トータルとして見た場合には、多数のジ
グを購入するためのコストが高額となり、却って不経済
なものとなっていた。
【0009】第4に、上記従来のジグBでは、かぎ針5
aのアルマイト処理を行うときに、アルミニウム線材9
a〜9cの表面にも酸化アルミニウムの絶縁被膜が形成
されてしまう。したがって、アルマイト処理に一旦使用
されたジグBを再度使用する場合には、このジグBへの
通電を適切に行わせるための手段として、アルミニウム
線材9a〜9cの表面に形成された絶縁被膜の除去処理
を事前に行う必要があり、従来では、この作業も非常に
面倒なものとなっていた。
【0010】第5に、上記従来のジグBは、棒状のかぎ
針5aの長手方向3箇所をアルミニウム線材9a〜9c
によって支持する構造であるために、アルマイト処理を
終えたかぎ針5aの表面の長手方向には、アルミニウム
線材9a〜9cとの接触痕が必然的に計3箇所存在する
こととなる。これらの接触痕はいずれもライン状の接触
痕となる。ところが、かぎ針5aの外観体裁を良好とす
るためには、上記のような接触痕の数は、可能な限り少
なくすることが望まれる。
【0011】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、棒状ワークをジグにセッティン
グする作業を簡易かつ適切に行うことができるように
し、しかもジグが短期間の使用で劣化するようなことも
解消して、その経済性をも高めることができるようにす
ることをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0013】本願発明によって提供されるアルマイト処
理用ジグは、アルマイト処理対象となる複数の棒状のワ
ークを支持するためのアルマイト処理用ジグであって、
チタン製またはチタン合金製の線材を折り曲げることに
よって形成された複数のホルダと、これら複数のホルダ
を支持するフレームと、を具備し、上記各ホルダは、互
いに対向する一対の支持片どうしの間にワークの一部を
挟み込むことができるように、それら一対の支持片の少
なくとも一方が弾性変形可能とされた複数のワーク支持
部を有しているとともに、これら複数のワーク支持部
は、互いに対応する2つのワーク支持部にワークを架け
渡して支持できるように複数列に並べられ、かつ互いに
対応する2つのワーク支持部の支持片どうしは、連結部
を介して連結されていることを特徴としている。
【0014】本願発明においては、導電性の良好なチタ
ン製またはチタン合金製の複数のホルダに複数の棒状の
ワークを支持させることができるために、上記複数のホ
ルダを介して各ワークに通電を行わせることができ、複
数のワークについてのアルマイト処理を一括して効率良
く行うことができる。そして、これに加え、本願発明で
は、次のような特有の効果が得られる。
【0015】第1に、本願発明では、各ホルダのワーク
支持部に棒状のワークを支持させるには、ワーク支持部
の一対の支持片の少なくとも一方を弾性変形させること
によってそれら一対の支持片間にワークの進入が可能な
隙間を生じさせてから、この隙間内にワークを進入させ
ればよい。この作業により、上記一対の支持片間にその
弾性復元力を利用してワークを挟み込んだかたちに保持
することが可能となる。したがって、3本のアルミニウ
ム線材に高低段差を生じさせてからその高低段差の隙間
部分にワークを差し込み、さらにはアルミニウム線材の
一部を折り曲げていた従来の作業と比較すると、上記一
対の支持片間にワークを挟み込む作業は格段に容易とな
り、ワークのセッティング作業の作業能率を著しく高め
ることができる。
【0016】第2に、本願発明では、ワークを単に1つ
のワーク支持部によって支持するのではなく、ワークを
複数のワーク支持部に架け渡すようにして支持すること
ができる。したがって、本願発明では、ワークの位置や
向きを安定させることができ、従来とは異なり、ジグに
支持されたワークの位置や向きが不用意にずれるような
虞れを無くし、ワークのセッティング作業を一層容易か
つ円滑に行うことが可能となる。また、多数のワークを
整列配置させて、スペース効率良くジグにセッティング
することも簡単に行えることとなる。さらには、ジグの
ホルダの数とこのホルダにセッティングされるワークの
数とを正確に対応させることができるために、ワークの
数量管理なども容易となる。
【0017】第3に、本願発明では、ワークを支持する
ホルダをチタン製またはチタン合金製としているため
に、アルミニウム線材を用いていた従来のジグと比較す
ると、その耐食性は高く、アルマイト処理やこれに関連
する各種の処理に用いた場合にホルダが短期間で劣化す
るようなことを回避することができる。したがって、本
願発明では、ジグの使用寿命を長くすることが可能とな
り、これによってジグの購入コストを従来よりも低減化
することができるという利点が得られる。すなわち、ジ
グをチタン製またはチタン合金製とすれば、アルミニウ
ム製のものと比較すると、ジグ自体の単価は高額になる
ものの、その使用寿命を長くすることによってジグの使
用個数を減らすことができ、トータルとしては、ジグの
購入コストを従来よりも低額に抑えることが可能とな
る。
【0018】第4に、本願発明では、ワークを支持する
ホルダをチタン製またはチタン合金製としたことによ
り、アルマイト処理時にこのホルダの表面に酸化アルミ
ニウムの絶縁膜が形成されることを回避することができ
る。このため、従来とは異なり、アルマイト処理に用い
たジグを再使用する場合に、事前に酸化アルミニウムの
絶縁膜の除去処理を行う必要を無くすことが可能とな
り、ジグの取り扱いやその管理が容易となる。
【0019】第5に、本願発明では、棒状のワークを複
数のワーク支持部に架け渡して支持させる場合に、ワー
クを必ずしも3箇所あるいはそれ以上の数のワーク支持
部に架け渡す必要はなく、よほどの長尺状のワークでな
い限りは、2箇所のワーク支持部にワークを架け渡すこ
とによってそのワークを充分適切に支持することが可能
である。すなわち、本願発明では、ワークを2点支持す
ることが可能である。したがって、本願発明では、アル
ミニウム線材との接触痕がワークの長手方向の3箇所に
必ず発生していた従来のものとは異なり、ワーク表面に
表れるホルダとの接触痕の数を2箇所に減少させること
が可能となる。その結果、本願発明では、ワークの表面
を従来よりも体裁良く仕上げることができる。第6に、
本願発明では、上記ホルダの互いに対応する2つのワー
ク支持部は、連結部を介して互いに繋がっているため
に、これら2つのワーク支持部間の寸法に大きな狂いが
生じないようにすることができ、さらにはホルダ全体の
機械的強度を高めることもできる。さらに、上記連結部
は、2つのワーク支持部の支持片どうしを繋いでいるた
めに、作業者がこの連結部を押動操作することによっ
て、2つのワーク支持部のそれぞれの支持片を同時に変
移させることが可能となる。したがって、2つのワーク
支持部のそれぞれの支持片間にワーク挿入用の隙間を形
成して、それらの間にワークを支持させる作業が一層容
易化される。
【0020】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
フレームは、チタンまたはチタン合金製であり、上記複
数のホルダは、上記フレームに取外し可能に取付けられ
ている構成とすることができる。
【0021】このような構成によれば、フレームの耐食
性をも高めることができ、ジグの使用寿命を高める上
で、一層好ましいものとなる。また、複数のホルダをフ
レームから取外し可能とすれば、多数回にわたるジグの
使用によって上記ホルダが劣化したときには、このホル
ダをフレームから取り外して、ホルダのみを新たなホル
ダと交換することが可能となる。したがって、フレーム
を長期間にわたって有効に繰り返し使用することがで
き、一層経済的となる。
【0022】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ホルダの一対の支持片のそれぞれの先端部は、先開
き状に屈曲しているとともに、上記一対の支持片の少な
くとも一方には、これらの支持片間に進入させたワーク
の一部が係入可能な凹状部を形成する側面視略く字状の
屈曲部が設けられている構成とすることができる。
【0023】このような構成によれば、ホルダの一対の
支持片間にワークを進入させるときには、それら一対の
支持片の先開き状の先端部側からワークを上記支持片間
にスムーズに進入させることができ、ワークのセッティ
ング作業がより能率良く行えることとなる。また、上記
支持片間にワークを進入させた後には、上記支持片の少
なくとも一方に設けられた凹状部にワークの一部を係入
させることによって、このワークの位置決めが的確に図
れ、ワークの位置ずれなどをより確実に防止することが
できることとなる。
【0024】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ホルダの一対の支持片の少なくとも一方には、この
ホルダを構成する線材の一部をループ状に巻いたバネ力
発生部が設けられている構成とすることができる。
【0025】このような構成によれば、一対の支持片間
にワークを挟み込んだときに上記バネ力発生部によって
発生するバネ力を利用して、上記一対の支持片によって
ワークを確実に挟みつけることができることとなる。す
なわち、チタンまたはチタン合金は、弾性変形し難く、
ワークを確実に挟み付けるためのバネ力を発揮させ難い
という性質があるが、上記構成によれば、そのような不
具合を適切に解消することができる。
【0026】
【0027】
【0028】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記複数のホルダは、上記フレームの表裏両面部のそれ
ぞれに設けられている構成とすることができる。
【0029】このような構成によれば、フレームの表面
部に設けられた複数のホルダのみならず裏面部に設けら
れた複数のホルダをも利用して、多数のワークを1つの
ジグに効率良く支持させることができることとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0031】図1は、本願発明に係るアルマイト処理用
ジグの一例を示し、同図(a)は、その一部省略平面図
であり、同図(b)は、その一部省略側面図である。図
2は、図1に示すアルマイト処理用ジグの要部斜視図で
ある。図3は、図1に示すアルマイト処理用ジグの要部
分解断面斜視図である。
【0032】図1(a),(b)において、このアルマイ
ト処理用ジグAは、フレーム1、このフレーム1に取付
けられた複数のホルダ2、フック3,3a、および後述
する部材を具備して構成されている。このアルマイト処
理用ジグAを構成する部材の全ては、チタンまたはチタ
ン合金製である。また、このアルマイト処理用ジグAの
一部には溶接が適宜施されているが、その溶接材料とし
ても、チタンまたはチタン合金が用いられている。
【0033】上記フレーム1は、平面視において一定方
向に延びる細長な中空矩形の枠状に形成されており、こ
のフレーム1の長手方向に延びて互いに一定間隔を隔て
て対向している側板部10a,10bと、これら側板部
10a,10bの長手方向両端部どうしを繋ぐ連結板1
1a,11bとを具備している。上記連結板11a,1
1bと上記側板部10a,10bとはたとえば溶接によ
って接合されている。上記フック3,3aは、上記フレ
ーム1を縦長の姿勢にセッティングして吊り下げ支持す
るような場合に利用されるものであり、上記フレーム1
の連結板11a,11bに溶接されるなどして固定して
取付けられている。
【0034】上記各ホルダ2は、チタン製またはチタン
合金製の一定寸法を有する線材を折り曲げることによっ
て形成されたものである。図3によく表れているよう
に、このホルダ2は、適当な間隔を隔てて位置する2つ
のワーク支持部20,20と、これら2つのワーク支持
部20,20どうしを繋ぐ連結部29とを一体的に形成
したものである。上記2つのワーク支持部20,20の
形状は互いに対称であり、これらワーク支持部20,2
0のいずれもが、互いに対向する一対の支持片21,2
2を有している。
【0035】上記一対の支持片21,22のそれぞれ
は、略逆U字状の基端部23から上方へ延びる形態を有
している。一方の支持片21は、その略全体が直線状で
あり、その先端部21aが他方の支持片22から離反す
る方向に屈曲している。これに対し、他方の支持片22
の長手方向中間部には、このホルダ2を構成する線材の
一部をループ状に巻いたバネ力発生部24が設けられて
いる。この他方の支持片22は、上記バネ力発生部24
を有していることにより、一方の支持片21と対向する
方向に比較的強い弾発力を発揮しながら弾性変形可能で
あり、この支持片22の弾性変形によって一対の支持片
21,22間に適当な隙間を生じさせることができるよ
うになっている。なお、上記支持片21には上記バネ力
発生部24のような部分は設けられていないものの、こ
の支持片21はその下端が固定端とされ、かつその上端
が自由端とされた線材であるため、多少の弾性変形は可
能である。
【0036】上記他方の支持片22の先端部22aの近
傍には、線材の一部を側面視略く字状に屈曲した屈曲部
25が形成されており、この屈曲部25の内側方には、
後述するワークの一部を係入するための凹状部26が設
けられている。上記他方の支持片22の先端部22a
は、上記一方の支持片21から離反する方向に屈曲して
いる。したがって、上記一対の支持片21,22のそれ
ぞれの先端部21a,22aは、先開き状となってい
る。上記連結部29は、上記他方の支持片22の先端部
22aに連設されており、2つのワーク支持部20,2
0のそれぞれの支持片22,22の先端部22a,22
aどうしを互いに連結している。
【0037】上記ホルダ2は、その2つのワーク支持部
20,20のそれぞれの基端部23,23が上記フレー
ム1の側板部10a,10bの外面に対面接触するよう
に配されてから、ネジ体4a,ワッシャ4b、およびナ
ット4cを用いて上記側板部10a,10bに対して取
外し可能に取付けられる。上記側板部10a,10bに
は、上記ネジ体4aを挿通するための孔部12が一定ピ
ッチ間隔で複数設けられており、上記側板部10a,1
0bには、その長手方向に沿って複数のホルダ2が一定
ピッチ間隔で並べて取付けられている。ただし、図1お
よび図2に示すように、このアルマイト処理用ジグAで
は、フレーム1の片面のみに複数のホルダ2が設けられ
ているのではなく、上記フレーム1の表裏両面部のそれ
ぞれから複数のホルダ2が上方および下方へ起立するよ
うにしてフレーム1の表裏両面部に複数のホルダ2が設
けられている。上記複数のホルダ2のそれぞれのワーク
支持部20,20は、フレーム1の側板部10a,10
bに沿って2列に配列されている。
【0038】次に、上記アルマイト処理用ジグAの使用
例および作用について説明する。
【0039】上記アルマイト処理用ジグAの使用に際し
ては、上記複数のホルダ2のそれぞれにアルマイト処理
対象となるワークを支持させる。ワークの具体例として
は、たとえばアルミニウム製またはアルミニウム合金製
の編み物用のかぎ針5が適用される。このかぎ針5を各
ホルダ2に支持させるには、図4に示すように、まずホ
ルダ2の支持片22の先端部22aを矢印N1方向に変
移させて、一対の支持片21,22の先端部間に隙間を
生じさせてから、かぎ針5をその隙間から支持片21,
22間に進入させればよい。上記支持片22の先端部2
2aには連結部29が繋がっているために、作業者はこ
の連結部29を上記矢印N1方向に変移させることによ
って、上記一対の支持片21,22間に簡単に隙間を生
じさせることができる。しかも、2つのワーク支持部2
0,20のそれぞれの支持片21,22間に隙間を生じ
させることが同時に行えることとなる。したがって、か
ぎ針5をホルダ2にセッティングする作業は、たとえば
片手で連結部29を操作して2つのワーク支持部20,
20のそれぞれの支持片21,22間に隙間を生じさせ
ながら、他方の片手でかぎ針5をそれらの隙間内に挿入
すればよいこととなり、その作業は簡単に行える。
【0040】上記支持片21,22間にかぎ針5を進入
させた後には、このかぎ針5の一部を屈曲部25と対向
する位置に配置させてから、作業者が上記連結部29か
ら手を離せばよい。すると、支持片22はその弾性復元
力によって同時矢印N2方向に復帰することとなり、上
記かぎ針5はその一部が凹状部26内に係入したかたち
で支持片21,22間に挟み込まれることとなる。上記
支持片22には、バネ力発生部24が設けられているた
めに、この支持片22にはかぎ針5を挟み付けるための
弾発力を確実に発揮させることが可能である。
【0041】上記一連の作業によれば、図5に示すよう
に、かぎ針5の両端部近傍の2箇所のそれぞれを支持片
21,22によって挟み付けて、上記かぎ針5を2つの
ワーク支持部20,20に架け渡した状態に保持するこ
とができる。したがって、上記かぎ針5を1つのホルダ
2に対して位置決め状態に保持することができ、このか
ぎ針5に作業者の手が多少触れるような事態があって
も、これによって上記かぎ針5の位置や向きが安易にゆ
がむようなことはない。ホルダ2は、フレーム1の表裏
両面部に多数設けられているために、これら多数のホル
ダ2を利用することによって、多数のかぎ針5をこのア
ルマイト処理用ジグAに所定ピッチ間隔に整列させ、ス
ペース効率良く取付けることができる。上記多数のホル
ダ2のそれぞれにかぎ針5を取付ける場合には、まずフ
レーム1の表面部側に位置する複数のホルダ2の各所へ
かぎ針5を取付けた後に、このアルマイト処理用ジグA
の表裏を反転させ、その後上記フレーム1の裏面部側に
位置する複数のホルダ2の各所へかぎ針5を取付ければ
よい。
【0042】上記かぎ針5のアルマイト処理は、一般に
は、前処理としての研磨処理を行ってから実行される。
この研磨処理としては、たとえば電解溶液中で電気化学
的に上記かぎ針5の表面を研磨する電解研磨処理が適用
される。アルマイト処理は、上記かぎ針5を電解質水溶
液中に浸漬させた状態で上記かぎ針5を陽極とする通電
を行うことにより、電気化学的に上記かぎ針5の表面に
酸化アルミニウムの被膜を形成する処理である。このア
ルマイト処理の終了後は、洗浄処理、着色処理、および
封孔処理を施す。洗浄処理は、たとえば洗浄液中に上記
かぎ針5を浸漬させて行われる。着色処理は、上記酸化
被膜の多孔性を利用してその被膜に染料を吸着させる処
理である。封孔処理は、酸化被膜の被膜セルに形成され
ている微細孔を封鎖する処理であり、たとえば沸騰水ま
たは加圧水蒸気を利用して水和反応を生じさせるもので
ある。
【0043】上記アルマイト処理用ジグAの各部は耐食
性に優れたチタンまたはチタン合金製である。したがっ
て、上述した一連の作業にこのアルマイト処理用ジグA
を用いた場合であっても、それによってこのアルマイト
処理用ジグAの各部の表面に酸化アルミニウムの絶縁被
膜が形成されることはなく、また上記ジグAの各部が早
期に劣化するようなことはない。したがって、上記アル
マイト処理用ジグAを多数回のアルマイト処理作業およ
びこれに関連する処理作業に適切にかつ簡単に繰り返し
使用することができる。なお、このアルマイト処理用ジ
グAを多数回にわたって繰り返し使用すると、やはり細
い線材で形成されたホルダ2には劣化がみられることと
なる。したがって、この場合にはホルダ2をフレーム1
から取り外して、新たなホルダと交換すればよい。フレ
ーム1は、厚肉部材であるから、劣化は殆ど見られず、
ホルダ2よりも長期間にわたって繰り返し使用が可能で
ある。また、ネジ体4a、ワッシヤ4b、ナット4cな
どもチタンまたはチタン合金製であるから、これらの各
部品についてもやはり多数回にわたって繰り返し使用が
可能となる。
【0044】上記アルマイト処理用ジグAにかぎ針5を
支持させた場合、上記かぎ針5は、ホルダ2の長手方向
の2箇所が2つのワーク支持部20,20によって支持
されるに過ぎず、いわゆる2点支持構造となっている。
したがって、このかぎ針5のアルマイト処理およびこれ
に関連する各処理が終了した後には、このかぎ針5の表
面には、ホルダ2との接触痕が2箇所存在するに過ぎな
いものとなって、接触痕が目立ち難い見栄えの良好な製
品に仕上げることが可能となる。とくに、上記接触痕
は、断面が円形の線材で形成されたホルダ2の支持片2
1,22との接触痕であり、またかぎ針5はその円形状
部分の周面の一部を上記支持片21の1箇所と支持片2
2の屈曲部25の2箇所とに点接触する状態となるか
ら、それら点状の接触痕を極めて目立ち難いものとする
ことができる。
【0045】なお、本願発明に係るアルマイト処理用ジ
グの各部の具体的な構成は、上記実施形態に限定され
ず、種々に設計変更自在である。
【0046】たとえば、上記実施形態では、ホルダ2の
2つのワーク支持部20,20を連結部29を介して一
体的に連結した構成としているが、本願発明はこれに限
定されず、たとえば上記連結部29を有することなく上
記2つのワーク支持部20,20がそれぞれ完全に独立
した形態とされていてもかまわない。すなわち、1つの
ホルダは、1つのワーク支持部20を有するだけの構成
であってもかまわない。
【0047】また、上記実施形態では、ホルダの一対の
支持片のうち、一方の支持片のみにバネ力発生部を設け
ているが、やはり本願発明はこれに限定されず、双方の
支持片にバネ力発生部を設けた構成としてもよい。バネ
力発生部は、線材を二重巻きまたは三重巻きの複数巻き
とした構成であってもよい。ただし、本願発明は必ずし
も、バネ力発生部を設ける必要はない。要は、一対の支
持片の少なくとも一方は、ワークの一部をこれら一対の
支持片間に進入させて挟み込むことができるように弾性
変形可能であればよい。
【0048】さらに、本願発明では、フレームについて
は、必ずしもチタンまたはチタン合金製にする必要はな
く、それ以外の材質にしてもかまわない。フレームは、
その各部を厚肉に形成することができ、耐久性をもたせ
ることができるからである。ただし、実際には、フレー
ムについてもチタンまたはチタン合金製とすることが好
ましい。また、本願発明では、フレームにホルダを取付
ける手段としては、ネジ体やボルトを用いる手段に限定
されず、他の手段を用いてもよい。フレームからホルダ
を取外し可能とすれば、ホルダの部品交換が行えるので
便利であるが、そのような必要がない場合には、たとえ
ばホルダをフレームに対して溶接付けするようにしても
かまわない。
【0049】その他、本願発明は、ワークの具体的な種
類も問わず、棒状のワークであれば種々の物品類をその
適用対象とすることができる。たとえばアルミニウム製
またはアルミニウム合金製の編み物用の棒針なども適用
対象となることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るアルマイト処理用ジグの一例を
示し、(a)は、その一部省略平面図であり、(b)
は、その一部省略側面図である。
【図2】図1に示すアルマイト処理用ジグの要部斜視図
である。
【図3】図1に示すアルマイト処理用ジグの要部分解断
面斜視図である。
【図4】アルマイト処理用ジグの使用状態の一例を示す
要部側面図である。
【図5】アルマイト処理用ジグの使用状態の一例を示す
要部斜視図である。
【図6】従来のアルマイト処理用ジグの一例を示す要部
斜視図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 ホルダ 4a ネジ体 4c ナット 5 かぎ針(ワーク) 20 ワーク支持部 21 支持片 21a 先端部 22 支持片 22a 先端部 24 バネ力発生部 25 屈曲部 26 凹状部 29 連結部 A アルマイト処理用ジグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−38432(JP,A) 特開 平2−54798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 17/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルマイト処理対象となる複数の棒状の
    ワークを支持するためのアルマイト処理用ジグであっ
    て、 チタン製またはチタン合金製の線材を折り曲げることに
    よって形成された複数のホルダと、これら複数のホルダ
    を支持するフレームと、を具備し、 上記各ホルダは、互いに対向する一対の支持片どうしの
    間にワークの一部を挟み込むことができるように、それ
    ら一対の支持片の少なくとも一方が弾性変形可能とされ
    た複数のワーク支持部を有しているとともに、 これら複数のワーク支持部は、互いに対応する2つのワ
    ーク支持部にワークを架け渡して支持できるように複数
    列に並べられ、かつ互いに対応する2つのワーク支持部
    の支持片どうしは、連結部を介して連結されている こと
    を特徴とする、アルマイト処理用ジグ。
  2. 【請求項2】 上記フレームは、チタンまたはチタン合
    金製であり、上記複数のホルダは、上記フレームに取外
    し可能に取付けられている、請求項1に記載のアルマイ
    ト処理用ジグ。
  3. 【請求項3】 上記ホルダの一対の支持片のそれぞれの
    先端部は、先開き状に屈曲しているとともに、上記一対
    の支持片の少なくとも一方には、これらの支持片間に進
    入させたワークの一部が係入可能な凹状部を形成する側
    面視略く字状の屈曲部が設けられている、請求項1また
    は2に記載のアルマイト処理用ジグ。
  4. 【請求項4】 上記ホルダの一対の支持片の少なくとも
    一方には、このホルダを構成する線材の一部をループ状
    に巻いたバネ力発生部が設けられている、請求項1ない
    し3のいずれかに記載のアルマイト処理用ジグ。
  5. 【請求項5】 上記複数のホルダは、上記フレームの表
    裏両面部のそれぞれに設けられている、請求項1ないし
    4のいずれかに記載のアルマイト処理用ジグ。
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