JP3202744B2 - ポリエチレングリコール誘導体を含有する蛋白質修飾試薬 - Google Patents
ポリエチレングリコール誘導体を含有する蛋白質修飾試薬Info
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Description
ポリエチレングリコール誘導体およびポリエチレングリ
コール誘導体の新規製造法に関するものである。
造を異にする蛋白質はヒトにとって非自己であるため、
ヒトに投与した場合、抗体を産生する。そして、これを
くり返し投与した場合には、アナフィラキシーショック
を起こし、生命に重大な危険を与えることが知られてい
る。このような問題点を解決するための有用な手段の1
つとして、次式 〔式中、Rはアルキル基を表し、nは任意に変わりうる
正の整数を表す。〕 で示されるポリエチレングリコール誘導体(I)〔以
下、単に化合物(I)という〕を、蛋白質のアミノ基と
反応させ、ポリエチレングリコール修飾蛋白質に導き、
その蛋白質の抗原性を低下させる方法が知られている。
(I)の合成を試みたところ、高速ゲル濾過クロマトグ
ラフィーによる分析の結果、いずれの場合においても、
反応生成物は化合物(I)を含む混合物であることが判
明した。即ち、平均分子量5000であるポリエチレングリ
コールモノアルキルエーテルと塩化シアヌールを用いて
平均分子量10000の化合物(I)を得ようとする際、
特公昭61−42558号公報に記載の方法に従い、10gの無水
炭酸ソーダを含む100mlの無水ベンゼンに分子量5000の
モノメトキシポリエチレングリコール20gを溶解し、80
℃で30分間還流した後、2・4・6−トリクロロ−s−
トリアジン365mgを加え、80℃にて24時間還流下反応さ
せた。反応残留物を濾去し、石油エーテル300mlを加え
て沈澱を生ぜしめ、沈澱を数回石油エーテルで洗うとい
う操作を行ったところ、また特開昭62−115280号公報
に記載の方法に従い、730mgの塩化シアヌールを40gのポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量
5000)、200mlのベンゼン、20gの無水炭酸ナトリウムお
よび10gのモレキュラシーブ3Aの混合物に加え、80℃で2
0時間反応させた後、400mlの石油エーテルで沈澱を生成
させ、これをベンゼンに溶解、石油エーテルで再沈澱さ
せるという操作を3回繰り返したところ、およびの
いずれにおいても式 〔式中、Rおよびnは前記と同意義〕 で示される化合物(III)(R=CH3)が主である分子量
が5000から高分子量領域までの範囲にわたる数種の化合
物からなる混合物を得た(図2、3)。また、ケミスト
リーレタース,773(1980)に記載の方法に従い、730mg
の塩化シアヌールを40gのポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル(平均分子量5000)、200mlの乾燥ベン
ゼン、20gの無水炭酸ナトリウムおよび10gのモレキュラ
シーブ3Aの混合物に加え、80℃で44時間反応させた後、
400mlの石油エーテルで沈澱を生成させ、これをベンゼ
ンに溶解、石油エーテルで再沈澱させるという操作を6
回繰り返したところ、化合物(III)(R=CH3)、化合
物(I)(R=CH3)および高分子量領域の化合物から
なる混合物を得た(図4)。さらに、ジャパニーズ・ジ
ャーナル・オブ・カンサー・リサーチ,77,1264(198
6)に記載の方法に従い、1.12gの塩化シアヌールを60g
のポリエチレングリコールモノメチルエーテル、200ml
の無水ベンゼン、20gの無水炭酸ナトリウムおよび20gの
モレキュラシーブ4Aの混合物に加え、80℃で120時間反
応させ、ベンゼンを留去の後、アセトンに溶解、続いて
石油エーテルで析出させるという操作を3回繰り返した
ところ高分子量領域の化合物が主である種々の化合物を
含む混合物を得た(図5)。
濾過クロマトグラフィーを行い、本クロマトグラフィー
において分子量10000での単一のピークを示す精製品を
得、均一な化合物(I)(R=CH3)を得たと記載され
ている。しかしながら近年、Sephadex G−100などを担
体とした低速ゲル濾過クロマトグラフィーに比べ、分離
能が優れた高速ゲル濾過クロマトグラフィーが開発さ
れ、従来分離不可能であった分離が可能になった(生化
学,56,1481(1984))。すなわち、Sephadex G−100な
どを担体とした低速ゲル濾過クロマトグラフィーによる
分析は純度分析法としては不充分な方法である。事実、
本文献に従い、Sephadex G−100を担体としたゲル濾過
クロマトグラフィーを行い、本文献の分子量10000を示
した主ピークで分画後、本クロマトグラフィーにおいて
単一ピークを示す部分を高速ゲル濾過クロマトグラフィ
ーにより分析したところ、高分子量領域の化合物が主で
ある種々の化合物を含む混合物であった(図6)。
々の化合物を含む混合物を使用して、蛋白質を修飾した
場合には、修飾された蛋白質は不均一となり、一定の品
質のものを常に得ることが極めて困難などの問題点があ
る。
化合物を含む混合物から工業的な分離、精製手段(再結
晶、再沈澱、限外濾過など)によって効率的に目的物で
ある化合物(I)を高純度に得ることは、従来なし得ら
れていないのが実情である。
することである。
造方法を提供することである。
物(I)を得ることに成功し、さらに研究を重ねて本発
明を完成した。
正の整数を表す。〕で示される高純度なポリエチレング
リコール誘導体、即ち高純度な化合物(I)を提供せん
とするものである。また、本発明は高速ゲル濾過クロマ
トグラフィーによる純度が75%以上である化合物(I)
を提供せんとするものである。さらにまた、本発明は次
式 ROCH2CH2 nOH (II) 〔式中、Rおよびnは前記と同意義〕 で示される化合物(II)と塩化シアヌールとをII B族金
属化合物の共存下に反応させることによって製造され
得、高分子量の生成物ならびに化合物(II)と塩化シア
ヌールの各々1分子が反応して生成する式 〔式中、Rおよびnは前記と同意義〕 で示される化合物(III)等の副生成物が極めて少ない
高純度の化合物(I)を提供せんとするものである。さ
らに別の本発明は、化合物(II)と塩化シアヌールとを
II B族金属化合物の共存下に反応させることによる化合
物(I)の製造法である。
1〜18のものが好ましく、例えばメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシ
ル、イソヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、イソノ
ニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、n−
ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペ
ンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n
−オクタデシルなどが挙げられ、中でも炭素数1〜4の
ものが特に好適である。最も好ましいものはメチルであ
る。
が好ましく、とりわけ50〜350が好適である。
にして製造することができる。
化合物の共存下に、適当な溶媒中で反応させることによ
って製造される。反応時間は、通常1〜300時間であ
り、反応温度は、通常50〜140℃、好適には70〜110℃程
度である。ここで用いられる溶媒としては、本発明に用
いる試剤に対し不活性な溶媒ならいずれでも良く、例え
ばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒およ
び1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶
媒が挙げられる。
化亜鉛、酸化カドミウム、酸化水銀のII B族金属酸化物
があげられる。また、反応系内より水分を除去する手段
を講じることが望ましく、例えばモレキュラシーブなど
が用いられる。
は高速ゲル濾過クロマトグラフ法を用い以下の条件にて
測定した。
製) 溶出液:エタノール/〔0.01Mリン酸緩衝液(pH7)+
0.2M食塩水〕=1/19 流速 :0.7ml/分 検出波長:254nm 後記図1〜6に示した分析はこの条件によった。
コール誘導体は従来技術によって得られたいずれのもの
に比しても(図2〜6)はるかに高純度であり、高速ゲ
ル濾過クロマトグラフィーによる純度が75%を超えるも
のである。
とは、高速ゲル濾過クロマトグラフィーのチャートによ
って形成される面積に対して、化合物(I)によって形
成されるピークの占める面積百分率である。通常、デー
タ処理は、例えばクロマトパックC−R6A(島津)など
のデータ処理機を用いて行う。
(I)を高純度に含むため、そのまま、例えば蛋白質の
修飾試剤として使用可能であるが、さらに高純度の化合
物(I)を得ることを所望するならば、再結晶、再沈
澱、限外濾過などの工業的な分離、精製手段を施すこと
が好ましい。
−アスパラギナーゼ分子中のアミノ基を修飾して得られ
る修飾アスパラギナーゼは、従来品〔特公昭61−42558
号公報、ケミストリーレタース,773(1980)、ジャパニ
ーズ ジャーナル オブ カンサー リサーチ,77,126
4(1986)参照〕に比べ、次式 〔式中、Rおよびnは前記と同意義であり、xは1から
92を示す。〕 で示される修飾アスパラギナーゼを高純度に含む修飾ア
スパラギナーゼである。
は、従来と同様の方法により行うことができる。即ち、
pH8〜10のホウ酸、リン酸または酢酸などの緩衝溶液
中、0℃〜室温の範囲で1〜72時間反応させればよい。
化合物(I)は、通常蛋白質のアミノ基の数に対し、1
〜20倍モルを用いるが、所望の修飾度合いに応じて変化
させて用いる。反応液は必要に応じて限外濾過、イオン
交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフ
ィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水クロマトグラ
フィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、電気泳動、
透析などの通常用いられる手段によって精製し、目的の
修飾蛋白質を得ることができる。
説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
ロロ−s−トリアジンの製造 平均分子量が5000であるポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル110gとモレキュラシーブ4A25gをベンゼ
ン0.5中で6時間、80℃にて還流した。室温まで放冷
後、酸化亜鉛50gと塩化シアヌール1.85gを加え、53時
間、80℃にて加熱還流した。室温まで冷却後、ベンゼン
0.5を加えて濾過した後、濾液を濃縮乾固し、標記化
合物108gを得た。
製) 溶出液:エタノール/〔0.01Mリン酸緩衝液(pH7)+
0.2M食塩水〕=1/19 流速 :0.7ml/分 検出波長:254nm 保持時間:20,967分 純度:91.5%(面積百分率) チャート:図1の通り ・シリカゲル薄層クロマトグラフィー シリカゲル:キーセルゲル60(メルク社製) 展開溶媒:塩化メチレン/メタノール=15/2 Rf値:0.5 実施例2 2,4−ビス−メトキシポリエチレングリコール−6−ク
ロロ−s−トリアジンの製造 平均分子量が5000であるポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル11gをベンゼン50ml中で4時間、80℃に
て加熱還流し、室温まで放冷後、モレキュラシーブ4A2.
5gを加えて、4時間、80℃にて加熱還流した。室温まで
放冷後、酸化水銀(黄)13.5gと塩化シアヌール184mgを
加え、27時間、80℃にて加熱還流した。室温まで冷却
後、ベンゼン50mlを加えて遠心分離した後、ベンゼンを
留去、乾燥し、標記化合物9.79g(TSKG3000SWを用いた
高速ゲル濾過クロマトグラフィーにおける純度78.2%)
を得た。
ロロ−s−トリアジンの製造 平均分子量が5000であるポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル11gをベンゼン50ml中で4時間、80℃に
て加熱還流し、室温まで放冷後、モレキュラシーブ4A2.
5gを加えて、4時間、80℃にて加熱還流した。室温まで
放冷後、酸化カドミウム7.8gと塩化シアヌール184mgを
加え、34時間、80℃にて加熱還流した。室温まで冷却
後、ベンゼン50mlを加えて遠心分離した後、ベンゼンを
留去、乾燥し、標記化合物9.35g(TSK gel G3000SWを
用いた高速ゲル濾過クロマトグラフィーにおける純度7
8.5%)を得た。
ロロ−s−トリアジンのゲル濾過精製 実施例1で得た反応生成物800mgを20mlの水に溶か
し、TSK gel G3000SW(21.5mmφ×600mm、水にて溶
出)にてゲル濾過精製を行い、目的物を含む画分を凍結
乾燥し、標記化合物のより高度の精製物を324mg(TSK
gel G3000SWを用いた高速ゲル濾過クロマトグラフィー
における純度99.6%)得た。
(0.41),Cl 0.33(0.35)括弧内はポリエチレングリコ
ールモノメチルエーテルの分子量を5004とした時の理論
値。
171.6,172.1 参考例1 ポリエチレングリコール修飾アスパラギナーゼの製造 アスパラギナーゼ976mgをpH10.0に調製した0.1Mホウ
酸緩衝溶液195mlに溶解し、実施例1で得た高純度の2,4
−ビス−メトキシポリエチレングリコール−6−クロロ
−s−トリアジン29.0gを60分間に3回に分けて4℃で
加えた。4℃で22時間撹拌した後、水を加えて4.5と
し、5%酢酸水溶液にて中和後、限外濾過によって標記
目的物を蛋白含量0.14mg/mlの水溶液として6.5得た。
G4000PWXL φ7.8mm×30cm 2本連結、ガードカラム TSKguard columnPWXL φ6.0mm×4cm)(東ソー社製) 溶出液:0.2M食塩水 流速 :0.6ml/分 検出波長:254nm 保持時間:24.3分 〔発明の効果〕 本発明の高純度の化合物(I)は、蛋白質の抗原性の
低下を目的とした修飾のほかに、生体内クリアランスの
遅延、組織への送達の向上などを目的とした蛋白質の修
飾に有用である。当該高純度の化合物(I)を用いて蛋
白質を修飾することによって、医薬組成物として満足し
得る品質の修飾蛋白質、例えば修飾アスパララギナーゼ
を容易に得ることができる。
述の如き高純度の化合物(I)を製造することができ
る。
ングリコール誘導体の高速ゲル濾過クロマトグラフィ
ー。 図2:特公昭61−42558号公報に記載の方法に従って得ら
れるポリエチレングリコール誘導体の高速ゲル濾過クロ
マトグラフィー。 図3:特開昭62−115280号公報に記載の方法に従って得ら
れるポリエチレングリコール誘導体の高速ゲル濾過クロ
マトグラフィー。 図4:ケミストリーレタース、773(1980)に記載の方法
に従って得られるポリエチレングリコール誘導体の高速
ゲル濾過クロマトグラフィー。 図5:ジャパニーズ ジャーナル オブ カンサー リサ
ーチ 77 1264(1986)に記載の方法に従って得られる
ポリエチレングリコール誘導体の高速ゲル濾過クロマト
グラフィー。 図6:ジャパニーズ ジャーナル オブ カンサー リサ
ーチ 77 1264(1986)に記載の方法に従い、合成した
後、同文献に従いゲル濾過クロマトグラフィーにより精
製して得られるポリエチレングリコール誘導体の高速ゲ
ル濾過クロマトグラフィー。
Claims (4)
- 【請求項1】式 〔式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を表し、nは10
〜700の整数を表す。〕で示されるポリエチレングリコ
ール誘導体を含有する蛋白質修飾試剤であって、該蛋白
質修飾試剤中における該誘導体の高速ゲル濾過クロマト
グラフィーによる純度が75%以上である蛋白質修飾試
剤。 - 【請求項2】該誘導体の純度が91.5%以上である請求項
1記載の蛋白質修飾試剤。 - 【請求項3】式(I)において、nが50〜350の整数で
ある請求項1または2記載の蛋白質修飾試剤。 - 【請求項4】式(I)において、Rが炭素数1〜4のア
ルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載の蛋白質
修飾試剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09792490A JP3202744B2 (ja) | 1989-05-27 | 1990-04-13 | ポリエチレングリコール誘導体を含有する蛋白質修飾試薬 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13419289 | 1989-05-27 | ||
| JP1-134192 | 1989-05-27 | ||
| JP09792490A JP3202744B2 (ja) | 1989-05-27 | 1990-04-13 | ポリエチレングリコール誘導体を含有する蛋白質修飾試薬 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0372469A JPH0372469A (ja) | 1991-03-27 |
| JP3202744B2 true JP3202744B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=26439064
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09792490A Expired - Lifetime JP3202744B2 (ja) | 1989-05-27 | 1990-04-13 | ポリエチレングリコール誘導体を含有する蛋白質修飾試薬 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3202744B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20070027621A (ko) * | 2004-06-08 | 2007-03-09 | 알자 코포레이션 | 4-성분 축합 반응에 의한 고분자 콘쥬게이트의 제조 |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP09792490A patent/JP3202744B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| Jpn.J.Cancer Res.,Vol.77,p.1264−1270(1986) |
| 癌と化学療法,Vol.11(10),p.2227−2235(1984) |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0372469A (ja) | 1991-03-27 |
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