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JP3208935B2 - 溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents
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JP3208935B2 - 溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法

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JP3208935B2
JP3208935B2 JP16741593A JP16741593A JP3208935B2 JP 3208935 B2 JP3208935 B2 JP 3208935B2 JP 16741593 A JP16741593 A JP 16741593A JP 16741593 A JP16741593 A JP 16741593A JP 3208935 B2 JP3208935 B2 JP 3208935B2
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哲行 森田
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進一郎 坂井
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Inert Electrodes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料の有する化学エネル
ギーを直接電気エネルギーに変換させるエネルギー部門
で用いる溶融炭酸塩型燃料電池の電極のうち、カソード
電極を製造するための溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在までに提案されている燃料電池のう
ち、溶融炭酸塩型燃料電池は、電解質として溶融炭酸塩
を多孔質物質にしみ込ませてなる電解質板(タイル)を
カソード(酸素極)とアノード(燃料極)の両電極で両
面から挟み、カソード側に酸化ガスを供給すると共にア
ノード側に燃料ガスを供給することによりカソード側と
アノード側で反応が行われ、カソードとアノード間で発
生する電位差により発電が行われるようにしたものを1
セルとし、各セルをセパレータを介して多層に積層して
スタックとした構成としてある。
【0003】上記溶融炭酸塩型燃料電池の電極の成形法
としては、成形精度、表面平滑度に優れ、且つ量産化、
大型化が可能であることから、近年、電解質板の製造方
法として用いられていたドクターブレード法によるテー
プ成形法により製造されるようになって来ている。かか
るドクターブレード法によるテープ成形法を用いた従来
のカソード電極の製造方法は、図7に一例を示す如く、
最初に原料粉としてのカルボニルNi粉aの単体と、分
散剤b、溶媒cをボールミル等で粉砕(粉砕工程d)し
てNi粉aを1次粒子まで分散させた後、有機物の結合
剤fと可塑剤gを添加して混合(混合工程e)すること
によりスラリーhとし、これをドクターブレード装置で
テープ状(シート状)に成形(テープ成形工程i)し、
最後に、電気炉や還元雰囲気炉、真空炉等にて800〜
900℃の温度で焼成(焼成工程j)することにより多
孔質(空隙率:70〜80%)のカソード電極を得るよ
うにしたものである。
【0004】上記従来の製造方法によって製造されたN
i多孔質体であるカソード電極は、Ni粉aの単体で製
造され、電池として組み込まれて運転されるときに酸化
されてNiOとなる。カソード電極は一旦酸化されると
締付け圧力によるクリープ変形はほとんどないことが確
認されているが、NiOは、 NiO+CO2 →Ni+++CO3 -- の反応により、僅かながら炭酸塩中に溶出して行く。
【0005】溶解したNi++イオンは、アノード側から
拡散して来た水素によって還元され、電解質板中にNi
の金属粒子の形で析出する。
【0006】炭酸塩中のNi++イオンは、炭酸塩中で飽
和することはなく、継続的にカソードから炭酸塩へのN
iの溶解が続き、これが原因で電池運転中に、カソード
電極としての最適なミクロ構造(空孔分布、空隙率)の
崩壊を招くと共に、電解質板中に析出したNiによるカ
ソードとアノード間の短絡を生じる、等電池の性能に著
しい影響を与え、電池の寿命を左右する要因となってい
る。
【0007】そのため、従来では、上記NiOが炭酸塩
中に溶解することに伴い電池に悪影響を与えることを防
ぐ対策として、 温度、ガス組成を変えて電池の運転条件を変えるこ
と、 アルカリ土類を添加して炭酸塩の塩基度を下げる等、
炭酸塩の組成を変えること、 代替材料として、LiFeO2 、LiCoO2 、Li
Mn2 4 を開発すること、等が考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記対策
については、運転条件の制約があり、又、について
は、電解質板内の電位差による炭酸塩浴中のアルカリ土
類の拡散、析出による組成の変化があり、更に、の代
替材料については、NiOよりも安定性は優れている
が、電子伝導性が低く電極として使用できない、等の問
題がある。又、代替材料として、Ni×Fe3 −xO4
の使用も提案されているが、このものは炭酸塩中での安
定性は優れているものの電子伝導性に問題があり、電極
として使用できない。
【0009】そこで、本発明は、NiOの炭酸塩中の平
衡溶解度を低減させるように耐溶解性の高いカソード電
極を製造する溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法を
提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、Ni粉に、酸化鉄又はコバルト酸化物の
粉を1〜10%添加して混合し、更に、水、結合剤、可
塑剤、分散剤を、Ni粉100gに対して水200g、
結合剤10g、可塑剤2g、分散剤0.5gの割り合い
で添加してスラリーとし、該スラリーをテープ状に成形
した後、弱還元雰囲気中で900〜1050℃、10〜
30分の焼成条件にて焼成して多孔質のカソード電極を
製造する方法とする。
【0011】又、上記酸化鉄又はコバルト酸化物にリチ
ウム酸化物あるいは炭酸リチウムを添加して混合した
後、大気中で焼成して反応させて複合酸化物としたもの
の粉を、Ni粉に混合させるようにしてもよい。
【0012】あるいは、上記酸化鉄又はコバルト酸化物
にアルカリ土類酸化物を添加して混合した後、大気中で
焼成して反応させて複合酸化物としたものの粉を、Ni
粉に混合させるようにしてもよい。
【0013】更に、上記酸化鉄又はコバルト酸化物とリ
チウム酸化物とアルカリ土類酸化物とを混合した後、大
気中で焼成により反応させて複合酸化物としたものの粉
を、Ni粉に混合させるようにすることもできる。
【0014】
【作用】Ni粉に酸化鉄又はコバルト酸化物の微粉を添
加してスラリー化し、テープ状に成形した後、焼成処理
すると、Ni表面に酸化鉄又はコバルト酸化物が固溶し
てNi表面を包むように耐溶解性の優れた酸化皮膜が生
成され、この酸化皮膜によってNiOの溶出を抑制する
ことができる。
【0015】上記酸化鉄又はコバルト酸化物にリチウム
酸化物あるいは炭酸リチウムを混合したものを焼成した
後粉砕してなる複合酸化物の微粉をNi粉に添加する
と、酸化鉄又はコバルト酸化物のNiへの固溶拡散が促
進され、且つNi表面に生成される酸化物の電子伝導性
を向上させることができる。
【0016】又、上記酸化鉄又はコバルト酸化物にアル
カリ土類の酸化物を混合したものを焼成した後粉砕して
なる複合酸化物の微粉を、Ni粉に添加した場合は、N
iOの溶出を抑制し、且つ電極内に含浸された炭酸塩の
塩基度を下げることができる。
【0017】更に、酸化鉄又はコバルト酸化物に、リチ
ウム酸化物とアルカリ土類酸化物を混合して複合酸化物
としたものの微粉をNi粉に添加すると、上記酸化鉄又
はコバルト酸化物に、リチウム酸化物を添加した場合の
効果と、アルカリ土類酸化物を添加した場合の効果が得
られることになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0019】図1は本発明の製造方法の一実施例のプロ
セスフローを示すもので、原料粉としてのNi粉1に、
酸化鉄(Fe2 3 、Fe3 4 を含む水酸化鉄)又は
コバルト酸化物(CoO)2を添加して混合工程Iで混
合し更に水3、結合剤4、可塑剤5、分散剤6を添加し
混合して、スラリー7とし、このスラリー7をテープ成
形工程IIでテープ成形し、次いで、成形されたテープを
焼成工程III で焼成して、多孔質の電極(カソード電
極)8を得るようにする。
【0020】上記方法において、Ni粉1に添加する酸
化鉄又はコバルト酸化物2の最適添加量は、1〜10%
/Niとする。Ni粉に対する添加量を1〜10%とし
たのは、1%以下では所期の効果が期待できず、10%
以上ではNiあるいはNiOの焼結を妨害し電極として
の強度が不足することになるからである。
【0021】Ni粉1に対し1〜10%の酸化鉄又はコ
バルト酸化物2を添加して混合工程Iで混合すると共
に、適量の水3、結合剤4、可塑剤5、分散剤6を添加
して混合して、スラリー7とし、スラリー7をテープ成
形工程IIでテープ成形した後、焼成工程III で弱還元雰
囲気にて900〜1050℃の温度で10〜30分焼成
させる。これによりFe又はCoが還元されて活性化さ
れてNi粉1の表面に酸化鉄又はコバルト酸化物2が固
溶拡散して、Ni粉1の表面に耐溶解性の優れたNi−
Fe(又はCo)酸化物の皮膜が生成され、Niの表面
のみをFe2 3又はCoOで包むことができる。
【0022】このようにして製造された電極が電池内で
酸化されてNiOとなっても、図2の如く表面に酸化皮
膜2aが生成されているため、NiOの炭酸塩中への溶
出を抑制することができると共に、カソード電極の耐圧
縮強度の向上が可能となり、電極のミクロ構造を崩壊さ
せることがなくなる。
【0023】なお、Niと酸化物は電子伝導性が低い
が、薄膜のため電極としての性能を損うことはない。
【0024】上記において、焼成工程III での焼成温度
を900〜1050℃としたのは、900℃以下ではN
i粉同士の焼結が不充分となり、1050℃以上では焼
結が進み過ぎて緻密になり空隙率が小さくなって電極と
して用をなさなくなるからである。
【0025】又、水3、結合剤(たとえば、有機溶剤系
のものとしてポリビニルブチラール)4、可塑剤(フタ
ル酸)5、分散剤(たとえば、非イオン系の界面活性
剤)6は、次のような量を添加させるようにする。
【0026】Ni粉100gに対し、水200g、結合
剤10g、可塑剤2g、分散剤0.5gの割り合いで添
加させる。
【0027】なお、図1に示す実施例において、Fe、
Coの金属分を用いることも可能であるが、焼結処理時
にNiへの固溶量が増加し電子伝導性の低いNi−酸化
物の層が厚くなり、電極の電気抵抗が上がる。
【0028】図3は本発明の他の実施例を示すもので、
図1に示すプロセスフローと同じ構成において、混合工
程IでNi粉1に酸化鉄又はコバルト酸化物2の単体を
添加することに代えて、酸化鉄又はコバルト酸化物2と
リチウム酸化物9あるいは炭酸リチウムの複合酸化物を
作り、その微粉をNi粉1に添加するようにしたもので
あり、その他の構成は図1の場合と同じである。
【0029】詳述すると、酸化鉄(たとえば、Fe2
3 )又はコバルト酸化物(CoO)2に対してリチウム
酸化物(LiO)9を0.5〜10%の最適添加量で添
加して混合工程IVで混合した後、焼成工程VでFe又は
Coの酸化物とLiの酸化物を、大気中にて900〜1
100℃の温度で30〜60分間反応させて、複合酸化
物(たとえば、Li2 Fe3 5 )を生成させ、これを
粋砕工程VIで粉砕して微粉とし、この複合酸化物の微粉
をNi粉1に添加させて混合し、図1に示した場合と同
様な工程を経て電極(カソード電極)8を製造する。
【0030】上記方法において、焼成工程Vで焼成条件
として温度を900〜1100℃としたのは、900℃
以下ではFe2 3 のLi化が不充分であり、1100
℃以上では酸化物の粒成長が進み過ぎるからである。
【0031】上記酸化鉄又はコバルト酸化物2に対しリ
チウム酸化物9の最適な添加量を0.5〜10%とした
のは、0.5%以下では酸化鉄Fe2 3 、コバルト酸
化物CoOのNiへの固溶拡散が不充分となり、10%
以上では予備加熱により複合酸化物を製造するときに焼
結が進み酸化物の粒成長が進み過ぎて後の粉砕工程VIで
の粉砕処理が難しくなるからである。
【0032】又、上記粉砕工程VIでの粉砕は、クラッシ
ャー、ボールミル等で行い、粉砕後の粒径は1〜15μ
m とする。粒径は小さいほど良いが、15μm 以上にな
ると、Ni粉1との均一な混合が難しくなるので、15
μm 以下が望ましい。
【0033】図3に示す方法において、リチウム酸化物
9を酸化鉄又はコバルト酸化物2と反応させて複合酸化
物を生成させることなく、混合工程Iを経てスラリー7
とするときにリチウム酸化物9を単独で添加すると、水
系のスラリーのため水に溶けてpHが高くなり、Ni粉の
分散が悪くなるが、上述のように予め酸化鉄又はコバル
ト酸化物2とリチウム酸化物9とからなる複合酸化物を
生成してから、その微粉を使用するので、Ni粉の分散
を悪くする問題はなくなる。
【0034】図3に示す方法では、酸化鉄又はコバルト
酸化物2にリチウム酸化物9を添加して複合酸化物とし
てからNi粉1に添加するので、焼成工程III での焼成
によりFe2 3 、CoOのNiへの固溶を促進するこ
とができ、且つNi粉表面に生成される酸化物の電子伝
導性を向上させることができる。
【0035】本発明者等は、LiO/Fe2 3 =5/
95(重量比)からなる複合酸化物の粉をNi粉1に対
して5%添加して混合しテープ成形し焼成して電極を製
造したところ、製造された電極のミクロ構造は変化が見
られなかった。
【0036】又、製造された電極8は、Liの存在によ
りNiの酸化が促進される。
【0037】リチウム酸化物9として、LiOの代りに
Li2 CO3 、Li(OH)を用いても上述と同様の効
果が得られる。
【0038】なお、電池内にはLiイオンがあるので、
LiOを添加させなくても電池内のLiイオンによって
同様な効果が期待できると考えられるが、LiOを添加
しないとNiへの酸化物の固溶拡散が遅くなり、Ni表
面への酸化皮膜の生成が遅れる結果、電池内での電池の
締め付け応力によって圧縮変形し易くなるため、締め付
け応力の調整が必要となる。
【0039】次に、図4は本発明の別の実施例を示すも
ので、図3の実施例におけるリチウム酸化物9に代え
て、アルカリ土類の酸化物10を酸化鉄又はコバルト酸
化物2に添加して複合酸化物を生成させてからNi粉1
と混合させるようにしたものである。
【0040】アルカリ土類の酸化物10としては、Mg
O、CaO、SrOその他のものを用い、酸化鉄又はコ
バルト酸化物2に対する添加量を10〜80%を最適値
として添加し、混合工程IVで混合した後、焼成工程V
で、図3に示した酸化鉄又はコバルト酸化物2とリチウ
ム酸化物9とを反応させたときと同じ反応条件で反応さ
せて、酸化鉄又はコバルト酸化物とアルカリ土類の酸化
物との複合酸化物(たとえば、MgFe2 3 )を生成
し、この複合酸化物を粉砕工程VIでボールミル等を用い
て粉砕して、Ni粉1に添加した後、スラリー7とし、
テープ成形工程IIでテープ状に成形し、焼成工程III で
焼成して電極8を製造する。
【0041】上記アルカリ土類の酸化物10の酸化鉄又
はコバルト酸化物2への添加量を、10〜80%とした
のは、10%以下ではアルカリ土類の効果が期待でき
ず、80%以上は添加しても効果が同じだからである。
【0042】この方法によると、アルカリ土類の酸化物
10の添加により図2に示す如き生成されたNi表面の
酸化皮膜2aの周りにMgOが存在する状態になって炭
酸塩がNiOに付着しにくくなり、NiOの溶出を防止
することができる効果がある。
【0043】なお、図4の如くアルカリ土類の酸化物1
0を酸化鉄又はコバルト酸化物2に添加して複合酸化物
を生成させることなく、アルカリ土類の酸化物10を単
独でスラリー製造時に添加した場合は、前記リチウム酸
化物9の場合と同様にスラリー製造時のpHに対する影響
がある。
【0044】図5は本発明の更に他の実施例を示すもの
で、酸化鉄又はコバルト酸化物2に、図3に示すリチウ
ム酸化物9と図4に示すアルカリ土類の酸化物10を添
加して混合し、焼成して複合酸化物としたものを使用し
て電極8を製造するようにしたものである。
【0045】上記酸化鉄又はコバルト酸化物2とリチウ
ム酸化物9とアルカリ土類の酸化物10の混合比(重量
比)を、たとえば、LiO/MgO/Fe2 3 =2/
48/50(重量比)として混合工程IVで混合した後、
上記LiO/MgO/Fe23 =2/48/50(重
量比)の酸化物を焼成工程Vで焼結させて複合酸化物を
生成させ、次いで、粉砕工程VIで粉砕して得られた微粉
を、Ni粉1に混合工程Iで添加して混合し、スラリー
7にしてからテープ成形工程IIでテープ状に成形し、焼
成工程III で焼成することにより電極(カソード電極)
8を製造することができる。
【0046】本発明者等は、上記重量比として生成した
複合酸化物の微粉をNiに対して5%添加して製造した
電極8をカソードに用い、一方アノードにはNiに対し
8%Crを用いた電池の発電結果を調べたところ、図6
に○印で示すような結果が得られた。図6中、●印は従
来のNi単独の電極をカソードとして用いた場合の発電
結果である。
【0047】図6から明らかなように、本発明の方法に
より製造した電極8をカソードとして用いた場合は、電
池の初期性能は従来のカソードと同等であり、且つ20
00時間後でも性能の低下はほとんど認められなかっ
た。又、2000時間後の炭酸塩中のNi量は従来のカ
ソードを使用した場合の約半分であった。これによりN
iOの炭酸塩中への溶出が抑制された耐溶解性の高いカ
ソード電極が製造できたことがわかった。
【0048】又、上記LiO/MgO/Fe2 3 =2
/48/50(重量比)からなる複合酸化物の粉をNi
粉に対して5%の添加量で混合させて製造した電極のミ
クロ構造は、図3の方法で製造した電極と同等であっ
た。
【0049】上記LiO/MgO/Fe2 3 =2/4
8/50の重量比とした複合酸化物を使用して製造した
電極8をカソードとして電池に使用し、発電後のカソー
ド電極のX線回析の結果、電極は、NiO、Li2 Fe
3 5 、NiFe2 4 、Li2 NiFe2 4 、Li
Fe5 8 からなっていた。
【0050】又、図5の実施例において、リチウム酸化
物9としてLi2 CO3 を用い、Li2 CO3 /MgO
/Fe2 3 =1/12/12(重量比)で混合したも
のを、大気中で1000℃の温度により60分焼成した
粉のX線回析の結果、Li2Fe3 5 、LiFe5
8 、MgFe2 4 、Fe3 4 が検出された。
【0051】又、本発明者等は、Ni板に、LiO/M
gO/Fe2 3 =2/48/50(重量比)の複合酸
化物の粉を塗布した試験片と、図3に示す実施例に従い
LiO/Fe2 3 =5/95(重量比)の複合酸化物
の粉をNi板に塗布した試験片を、電極製造の焼成工程
III におけると同一条件で加熱してNi表面に複合酸化
物を固溶拡散させた後、炭酸塩中での腐食試験を実施し
た。
【0052】空気/CO2 =80/20の雰囲気中で6
50℃、20時間加熱後の断面観察では、これら両試験
片とも腐食による減肉は2〜4μm と少なかった。一
方、比較試験片として用いたNi板は10μm 前後の減
肉が見られた。
【0053】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の溶融炭酸塩型
燃料電池用電極の製造方法によれば、Ni粉に、酸化鉄
又はコバルト酸化物の粉を1〜10%添加して混合し、
更に、水、結合剤、可塑剤、分散剤を、Ni粉100g
に対して水200g、結合剤10g、可塑剤2g、分散
剤0.5gの割り合いで添加してスラリーとし、該スラ
リーをテープ状に成形した後、弱還元雰囲気中で900
〜1050℃、10〜30分の焼成条件にて焼成して多
孔質のカソード電極を製造するので、焼成時にNi粉の
表面に酸化鉄又はコバルト酸化物が固溶拡散して酸化皮
膜を生成させてNi表面を包むようにでき、電極を電池
内で酸化してもNiOの炭酸塩中への溶出を抑制してN
iOの炭酸塩中の平衡溶解度を低減することができる耐
溶解性の高い電極とすることができると共に、電極の耐
圧縮強度の向上が可能で電極のミクロ構造を変化させる
ことがない、という優れた効果を奏し得られ、又、上記
酸化鉄又はコバルト酸化物に少量のリチウム酸化物を混
合して焼成して複合酸化物とし、この複合酸化物の粉
を、Ni粉に対し少量添加して、上記と同様にテープ成
形後、焼成させて電極を製造することにより、リチウム
酸化物の添加でNi表面への酸化鉄又はコバルト酸化物
の固溶を促進させることができると共に、Ni表面の酸
化皮膜の電子伝導性の向上が図れる、という効果が得ら
れ、又、上記酸化鉄又はコバルト酸化物にアルカリ土類
の酸化物を混合して焼成して複合酸化物としたものの粉
を、Ni粉に添加して混合し、上記と同様にテープ成形
後、焼成させて電極を製造することにより、Ni表面の
酸化鉄又はコバルト酸化物の皮膜の周りにアルカリ土類
が存在することになって、炭酸塩がNiOに付着しにく
くNiOの溶出を防止する効果が得られる。更に、酸化
鉄又はコバルト酸化物と、リチウム酸化物とアルカリ土
類酸化物を所要の混合比で混合して焼成して複合酸化物
とし、この複合酸化物の粉を、Ni粉に混合してテープ
成形後、焼成して電極を製造することにより、Ni表面
への酸化鉄又はコバルト酸化物の固溶の促進とNiOの
溶出防止の優れた耐溶解性の高い電極で且つ圧縮変形に
強い電極が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方
法の一実施例を示すプロセスフローである。
【図2】図1の製造方法により製造された電極の結晶構
造の一部を示す概略図である。
【図3】本発明の製造方法の他の実施例を示すプロセス
フローである。
【図4】本発明の製造方法の別の実施例を示すプロセス
フローである。
【図5】本発明の製造方法の更に他の実施例を示すプロ
セスフローである。
【図6】図5の製造方法で製造された電極と従来の電極
とを比較した発電結果の図である。
【図7】従来のカソード電極の製造方法の一例を示すプ
ロセスフローである。
【符号の説明】
1 Ni粉 2 酸化鉄又はコバルト酸化物 3 水 4 結合剤 5 可塑剤 6 分散剤 7 スラリー 8 電極 9 リチウム酸化物 10 アルカリ土類の酸化物 I 混合工程 II テープ成形工程 III 焼成工程 IV 混合工程 V 焼成工程 VI 粉砕工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 進一郎 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−253562(JP,A) 特開 平3−238764(JP,A) 特開 平1−112665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/88 H01M 4/86

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni粉に、酸化鉄又はコバルト酸化物の
    粉を1〜10%添加して混合し、更に、水、結合剤、可
    塑剤、分散剤を、Ni粉100gに対して水200g、
    結合剤10g、可塑剤2g、分散剤0.5gの割り合い
    で添加してスラリーとし、該スラリーをテープ状に成形
    した後、弱還元雰囲気中で900〜1050℃、10〜
    30分の焼成条件にて焼成して多孔質のカソード電極を
    製造することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池用電極
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化鉄又はコバルト酸化物にリチウム酸
    化物あるいは炭酸リチウムの少量を添加して混合した
    後、大気中で焼成して両者を反応させて複合酸化物と
    し、この複合酸化物の粉を、Ni粉に添加して混合する
    ことを特徴とする請求項1記載の溶融炭酸塩型燃料電池
    用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化鉄又はコバルト酸化物にアルカリ土
    類の酸化物を添加して混合した後、大気中で焼成して両
    者を反応させて複合酸化物とし、この複合酸化物の粉
    を、Ni粉に添加して混合することを特徴とする請求項
    1記載の溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化鉄又はコバルト酸化物とリチウム酸
    化物とアルカリ土類酸化物を混合して大気中で焼成し、
    これらを反応させて複合酸化物とし、この複合酸化物の
    粉をNi粉に添加して混合することを特徴とする請求項
    1記載の溶融炭酸塩型燃料電池用電極の製造方法。
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