JP3219006B2 - 動力出力装置 - Google Patents
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- JP3219006B2 JP3219006B2 JP3116297A JP3116297A JP3219006B2 JP 3219006 B2 JP3219006 B2 JP 3219006B2 JP 3116297 A JP3116297 A JP 3116297A JP 3116297 A JP3116297 A JP 3116297A JP 3219006 B2 JP3219006 B2 JP 3219006B2
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Description
し、詳しくは、駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と電
動機とを備える動力出力装置に関する。
車両に搭載される動力出力装置であって、車両の駆動輪
にディファレンシャルギヤを介して結合された駆動軸を
直接回転駆動する電動機と、駆動軸とプラネタリギヤを
介して接続された内燃機関とを備え、電動機により駆動
軸を回転駆動している最中に、電動機から出力されるト
ルクにより内燃機関をクランキングして内燃機関を始動
する装置が提案されている(例えば、特開平6−177
27号公報など)。この装置では、プラネタリギヤのリ
ングギヤには駆動軸が結合されており、プラネタリギヤ
のキャリアには内燃機関の出力軸が結合されている。プ
ラネタリギヤのサンギヤには、サンギヤの回転軸を回転
不能に車体に固定するブレーキと、キャリアと一体とな
って回転できるようキャリアに固定するクラッチが設け
られている。このため、ブレーキによりサンギヤの回転
軸を車体に固定すると共にクラッチを解放した状態で内
燃機関からトルクを出力すれば、内燃機関から出力され
る動力がプラネタリギヤを介して駆動軸に出力され、駆
動軸を回転駆動することができる。また、ブレーキとク
ラッチとを共に解放した状態とすれば、内燃機関を停止
した状態で電動機により駆動軸を回転駆動することがで
きる。この装置では、こうした内燃機関を停止した状態
で電動機により駆動軸を回転駆動している最中に内燃機
関を始動するときには、クラッチを係合させて電動機か
ら出力されるトルクにより内燃機関をクランキングす
る。こうしたクランキングに伴って駆動軸に出力される
トルクが落ち込むが、この装置では、この落ち込みを少
なくするために電動機のトルク指令値を所定値だけ高く
している。
た動力出力装置では、内燃機関の始動時に駆動軸にトル
クショックが生じるという問題があった。内燃機関の始
動時に内燃機関から出力されるトルクは、クランキング
時には負の値であり、イグニッションオン直後では急変
動する正の値となるから、単に電動機のトルク指令値を
所定値だけ高くするだけでは駆動軸に生じるトルクショ
ックは押さえきれない。
た後、駆動軸に要求される動力のうち内燃機関で受け持
つ動力を内燃機関から出力するまでの間に駆動軸に出力
されるトルクに操作者の予期しない変動が生じるといっ
た問題があった。上述の公報には、内燃機関の始動時の
トルク制御についてのみ記載しているだけで、始動した
後、内燃機関で受け持つ動力を出力するまでの間のトル
ク制御については記載されていない。始動直後の内燃機
関から出力されるトルクの変動は急激だから、適切なト
ルク制御を行わないと、内燃機関から出力されるトルク
と電動機から出力されるトルクとの和が要求トルクを大
きく越えたり下回ったりして駆動軸に出力されるトルク
に操作者の予期しない変動が生じてしまう。
み、内燃機関の始動に伴って駆動軸に生じ得るトルクシ
ョックを小さくすることを目的の一つとする。また、本
発明の動力出力装置は、内燃機関を始動した後、駆動軸
に要求される動力のうち内燃機関で受け持つ動力を内燃
機関から出力するまでの間に駆動軸に出力されるトルク
の予期しない変動を小さくすることを目的の一つとす
る。
関の停止に伴って駆動軸に生じ得るトルクショックを小
さくすることを目的の一つとする。また、本発明の動力
出力装置は、内燃機関の停止の指令が出された後、停止
に至るまでの間に駆動軸に出力されるトルクの予期しな
い変動を小さくすることを目的の一つとする。
発明の第1および第2の動力出力装置は、上述の目的の
少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
動力を出力可能な内燃機関と電動機とを備える動力出力
装置であって、前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定
する要求動力設定手段と、該設定された要求動力に基づ
いて前記内燃機関から出力する目標動力を設定する目標
動力設定手段と、前記内燃機関が停止しているときに前
記目標動力設定手段がゼロでない値の目標動力を設定し
たとき、該目標動力の設定値に応じて定められた制御回
転速度で該内燃機関を回転させつつ、前記駆動軸にトル
クを出力できる状態で該出力されるトルクが小さくなる
よう該内燃機関を始動すると共に、該内燃機関を前記制
御回転速度に保ったまま該内燃機関から出力される動力
が徐々に該目標動力になるよう該内燃機関の運転を制御
する内燃機関運転制御手段と、前記内燃機関運転制御手
段による前記内燃機関の始動に伴って前記駆動軸に出力
されるトルクの変動を打ち消すよう前記電動機を駆動制
御すると共に、前記内燃機関運転制御手段による前記内
燃機関の運転制御によって前記内燃機関から出力される
動力と前記要求動力との偏差の動力が前記電動機から出
力されるよう該電動機を駆動制御する電動機駆動制御手
段とを備えることを要旨とする。
定手段が、要求動力設定手段によって設定された駆動軸
に出力すべき要求動力に基づいて内燃機関から出力する
目標動力を設定する。内燃機関運転制御手段は、内燃機
関が停止しているときに目標動力設定手段がゼロでない
値の目標動力を設定したときには、該目標動力の設定値
に応じて定められた制御回転速度で該内燃機関を回転さ
せつつ、駆動軸にトルクを出力できる状態でこの出力さ
れるトルクが小さくなるよう内燃機関を始動すると共
に、前記制御回転速度を略一定に保ったまま内燃機関か
ら出力される動力が徐々に目標動力になるよう内燃機関
の運転を制御する。そして、電動機駆動制御手段は、内
燃機関運転制御手段による内燃機関の始動に伴って駆動
軸に出力されるトルクの変動を打ち消すよう電動機を駆
動制御すると共に、内燃機関運転制御手段による内燃機
関の運転制御によって内燃機関から出力される動力と要
求動力との偏差の動力が電動機から出力されるよう電動
機を駆動制御する。
態でこの出力されるトルクが小さくなるよう内燃機関を
始動する」とは、内燃機関を始動したときの運転状態
が、駆動軸にトルクを出力できる状態であり、かつ内燃
機関から駆動軸に出力されるトルクが値0かあるいは小
さな値となるよう内燃機関を始動することを意味し、例
えば、内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバ
ルブの開度を内燃機関から出力されるトルクが小さくな
る所定の開度としたり、内燃機関の点火時期を可燃範囲
内の遅角側の所定の点火時期としたり、あるいは、内燃
機関の吸気バルブの開閉時期を内燃機関の運転可能範囲
内の遅角側の所定の開閉時期としたり、内燃機関の空燃
比を可燃範囲内のリーン側の所定の比としたりすること
等によって行うことができる。なお、これらの手法は、
単独に行っても2以上の手法を複合させて行ってもよ
い。
々に目標動力になるよう内燃機関の運転を制御」する手
法としては、内燃機関への吸入空気量を調節するスロッ
トルバルブの開度を前述の所定の開度から徐々に目標動
力に対応する開度となるよう制御したり、内燃機関の点
火時期を前述の遅角側の所定の点火時期から徐々に最適
な点火時期となるよう進角させたり、あるいは、内燃機
関の吸気バルブの開閉時期を前述の遅角側の所定の開閉
時期から徐々に最適な開閉時期となるよう進角させた
り、内燃機関の空燃比を前述のリーン側の所定の比から
徐々に最適な空燃比となるよう燃料噴射量を制御したり
する等がある。もとより、これらの手法は単独に行って
も2以上の手法を複合させて行ってもよい。
内燃機関の回転速度を目標動力に応じて定まる所定の制
御回転速度に保ったまま、駆動軸にトルクを出力できる
状態でかつ出力されるトルクが小さくなるよう内燃機関
を始動すると共に、内燃機関の始動に伴って駆動軸に出
力されるトルクの変動を打ち消すよう電動機を駆動制御
するから、内燃機関の始動時に駆動軸に生じるトルクシ
ョックをより小さくすることができる。また、内燃機関
の始動後は、内燃機関から出力される動力が徐々に目標
動力になるよう内燃機関の運転を制御すると共に、内燃
機関から出力される動力と要求動力との偏差の動力が電
動機から出力されるよう電動機を駆動制御するから、駆
動軸に要求される動力のうち内燃機関で受け持つ動力を
内燃機関から出力するまでの間に駆動軸に生じるトルク
ショックをより小さくすることができる。
動力を出力可能な内燃機関と電動機とを備える動力出力
装置であって、前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定
する要求動力設定手段と、該設定された要求動力に基づ
いて前記内燃機関から出力する目標動力を設定する目標
動力設定手段と、前記内燃機関が運転されているときに
前記目標動力設定手段が値0の目標動力を設定したと
き、該内燃機関の回転速度を保ったまま、前記駆動軸に
トルクを出力できる状態で該出力されるトルクが徐々に
小さくなるよう該内燃機関の運転を制御すると共に、該
内燃機関の運転状態が出力されるトルクが小さな値とな
る所定の状態となったとき該内燃機関の運転を停止する
内燃機関運転制御手段と、前記内燃機関運転制御手段に
よる前記内燃機関の運転制御によって該内燃機関から出
力される動力と前記要求動力との偏差の動力が前記電動
機から出力されるよう該電動機を駆動制御すると共に、
該内燃機関の停止に伴って前記駆動軸に出力されるトル
クの変動を打ち消すよう前記電動機を駆動制御する電動
機駆動制御手段とを備えることを要旨とする。
動力設定手段が、要求動力設定手段によって設定された
駆動軸に出力すべき要求動力に基づいて内燃機関から出
力する目標動力を設定する。内燃機関運転制御手段は、
内燃機関が運転されているときに目標動力設定手段が値
0の目標動力を設定したときには、該内燃機関の回転速
度を保ったまま、駆動軸にトルクを出力できる状態で出
力されるトルクが徐々に小さくなるよう内燃機関の運転
を制御すると共に、内燃機関の運転状態が出力されるト
ルクが小さな値となる所定の状態となったとき内燃機関
の運転を停止する。そして、電動機駆動制御手段は、内
燃機関運転制御手段による内燃機関の運転制御によって
内燃機関から出力される動力と要求動力との偏差の動力
が電動機から出力されるよう電動機を駆動制御すると共
に、内燃機関の停止に伴って駆動軸に出力されるトルク
の変動を打ち消すよう電動機を駆動制御する。
態で出力されるトルクが徐々に小さくなるよう内燃機関
の運転を制御」する手法としては、内燃機関への吸入空
気量を調節するスロットルバルブの開度を目標動力の設
定される直前の開度から徐々に内燃機関から出力される
トルクが小さくなる所定の開度となるよう制御したり、
内燃機関の点火時期を最適な点火時期から徐々に可燃範
囲内の遅角側の所定の点火時期となるよう遅角させた
り、あるいは、内燃機関の吸気バルブの開閉時期を最適
な開閉時期から徐々に運転可能範囲内の遅角側の所定の
開閉時期に遅角させたり、内燃機関の空燃比を最適な空
燃比から徐々に可燃範囲内のリーン側の所定の比となる
よう燃料噴射量を制御したりする等がある。これらの手
法は、単独に行っても2以上の手法を複合させて行って
もよい。
トルクが小さな値となる所定の状態となったとき」と
は、内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバル
ブの開度が前述の所定の開度となったときや、内燃機関
の点火時期が前述の遅角側の所定の点火時期となったと
き、あるいは、内燃機関の吸気バルブの開閉時期が前述
の遅角側の所定の開閉時期になったときや、内燃機関の
空燃比が前述のリーン側の所定の比となったとき等の状
態をいう。これらの状態は、単独に成立するものとして
もよく、2以上の成立を要求するものとしてもよい。
れば、内燃機関の回転速度を保ったまま、駆動軸にトル
クを出力できる状態で出力されるトルクが徐々に小さく
なるよう内燃機関の運転を制御すると共に、内燃機関か
ら出力される動力と要求動力との偏差の動力が電動機か
ら出力されるよう電動機を駆動制御するから、内燃機関
の停止の指令が出された後、停止に至るまでの間に駆動
軸に出力されるトルクの予期しない変動を小さくするこ
とができる。また、内燃機関の運転状態が出力されるト
ルクが小さな値となる所定の状態となったときに、内燃
機関の運転を停止すると共に、内燃機関の停止に伴って
駆動軸に出力されるトルクの変動を打ち消すよう電動機
を駆動制御するから、内燃機関の停止の際に駆動軸に生
じるトルクショックを小さくすることができる。
力装置において、前記内燃機関の出力軸に結合された第
1のロータと、前記駆動軸に結合され該第1のロータに
対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該両
ロータ間の電磁的な結合を介して前記内燃機関の出力軸
と該駆動軸との間で動力のやり取りをすると共に該両ロ
ータ間の回転差に基づいて電力を回生または消費する対
ロータ電動機を備え、前記内燃機関運転制御手段は、前
記内燃機関が前記駆動軸にトルクを出力できる回転状態
となるよう前記対ロータ電動機を駆動制御する対ロータ
電動機駆動制御手段を備えるものとすることもできる。
装置において、回転軸を有し、該回転軸と動力のやり取
りを行なう第2の電動機と、前記駆動軸と前記内燃機関
の出力軸と前記回転軸とに各々結合される3軸を有し、
該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出力されたとき、
該入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸
へ入出力する3軸式動力入出力手段とを備え、前記内燃
機関運転制御手段は、前記内燃機関が前記駆動軸にトル
クを出力できる回転状態となるよう前記第2の電動機を
駆動制御する第2電動機駆動制御手段を備えるものとす
ることもできる。
例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例として
の動力出力装置110の概略構成を示す構成図、図2は
実施例の動力出力装置110の部分拡大図、図3は実施
例の動力出力装置110を組み込んだ車両の概略構成を
示す構成図である。説明の都合上、まず図3を用いて、
車両全体の構成から説明する。
を燃料として動力を出力するエンジン150を備える。
このエンジン150は、吸気系からスロットルバルブ1
66を介して吸入した空気と燃料噴射弁151から噴射
されたガソリンとの混合気を吸気弁152を介して燃焼
室154に吸入し、この混合気の爆発により押し下げら
れるピストン155の運動をクランクシャフト156の
回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ166
はアクチュエータ168により開閉駆動される。点火プ
ラグ162は、イグナイタ158からディストリビュー
タ160を介して導かれた高電圧によって電気火花を形
成し、混合気はその電気火花によって点火されて爆発燃
焼する。
閉タイミングVTを変更する開閉タイミング変更機構1
53を備える。この開閉タイミング変更機構153は、
吸気弁152を開閉駆動する図示しない吸気カムシャフ
トのクランク角に対する位相を進角または遅角すること
により吸気弁152の開閉タイミングを調整する。な
お、吸気カムシャフトの位相の進角および遅角は、吸気
カムシャフトのポジションを検出するカムシャフトポジ
ションセンサ173により検出される信号に基づいて、
後述する電子制御ユニット170により目標の位相とな
るようフィードバック制御がなされる。
ニット(以下、EFIECUと呼ぶ)170により制御
されている。EFIECU170には、エンジン150
の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例え
ば、スロットルバルブ166の開度(ポジション)SV
Pを検出するスロットルバルブポジションセンサ16
7、エンジン150の負荷を検出する吸気管負圧センサ
172、吸気カムシャフトのポジションを検出するカム
シャフトポジションセンサ173、エンジン150の水
温を検出する水温センサ174、ディストリビュータ1
60に設けられクランクシャフト156の回転数と回転
角度を検出する回転数センサ176及び回転角度センサ
178などである。なお、EFIECU170には、こ
の他、例えばイグニッションキーの状態STを検出する
スタータスイッチ179なども接続されているが、その
他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
は、後述するプラネタリギヤ120やモータMG1,モ
ータMG2を介して駆動軸112を回転軸とする動力伝
達ギヤ111に機械的に結合されており、この動力伝達
ギヤ111はディファレンシャルギヤ114にギヤ結合
されている。したがって、動力出力装置110から出力
された動力は、最終的に左右の駆動輪116,118に
伝達される。モータMG1およびモータMG2は、制御
装置180に電気的に接続されており、この制御装置1
80によって駆動制御される。制御装置180の構成は
後で詳述するが、内部には制御CPUが備えられてお
り、シフトレバー182に設けられたシフトポジション
センサ184やアクセルペダル164に設けられたアク
セルペダルポジションセンサ164a,ブレーキペダル
165に設けられたブレーキペダルポジションセンサ1
65aなども接続されている。また、制御装置180
は、上述したEFIECU170と通信により、種々の
情報をやり取りしている。これらの情報のやり取りを含
む制御については、後述する。
110は、大きくは、エンジン150、エンジン150
のクランクシャフト156にプラネタリキャリア124
が機械的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタ
リギヤ120のサンギヤ121に結合されたモータMG
1、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合さ
れたモータMG2およびモータMG1,MG2を駆動制
御する制御装置180から構成されている。
1,MG2の構成について、図2により説明する。プラ
ネタリギヤ120は、クランクシャフト156に軸中心
を貫通された中空のサンギヤ軸125に結合されたサン
ギヤ121と、クランクシャフト156と同軸のリング
ギヤ軸126に結合されたリングギヤ122と、サンギ
ヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ
121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリ
ピニオンギヤ123と、クランクシャフト156の端部
に結合され各プラネタリピニオンギヤ123の回転軸を
軸支するプラネタリキャリア124とから構成されてい
る。このプラネタリギヤ120では、サンギヤ121,
リングギヤ122およびプラネタリキャリア124にそ
れぞれ結合されたサンギヤ軸125,リングギヤ軸12
6およびクランクシャフト156の3軸が動力の入出力
軸とされ、3軸のうちいずれか2軸へ入出力される動力
が決定されると、残余の1軸に入出力される動力は決定
された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。な
お、このプラネタリギヤ120の3軸への動力の入出力
についての詳細は後述する。
の動力取出ギヤ128が結合されている。この動力取出
ギヤ128は、チェーンベルト129により動力伝達ギ
ヤ111に接続されており、動力取出ギヤ128と動力
伝達ギヤ111との間で動力の伝達がなされる。
成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロー
タ132と、回転磁界を形成する三相コイル134が巻
回されたステータ133とを備える。ロータ132は、
プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたサ
ンギヤ軸125に結合されている。ステータ133は、
無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケ
ース115に固定されている。このモータMG1は、永
久磁石135による磁界と三相コイル134によって形
成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆
動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界
とロータ132の回転との相互作用により三相コイル1
34の両端に起電力を生じさせる発電機として動作す
る。なお、サンギヤ軸125には、その回転角度θsを
検出するレゾルバ139が設けられている。
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する
三相コイル144が巻回されたステータ143とを備え
る。ロータ142は、プラネタリギヤ120のリングギ
ヤ122に結合されたリングギヤ軸126に結合されて
おり、ステータ143はケース115に固定されてい
る。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板
の薄板を積層して形成されている。このモータMG2も
モータMG1と同様に、電動機あるいは発電機として動
作する。なお、リングギヤ軸126には、その回転角度
θrを検出するレゾルバ149が設けられている。
る制御装置180について説明する。図1に示すよう
に、制御装置180は、モータMG1を駆動する第1の
駆動回路191、モータMG2を駆動する第2の駆動回
路192、両駆動回路191,192を制御する制御C
PU190、二次電池であるバッテリ194から構成さ
れている。制御CPU190は、1チップマイクロプロ
セッサであり、内部に、ワーク用のRAM190a、処
理プログラムを記憶したROM190b、入出力ポート
(図示せず)およびEFIECU170と通信を行なう
シリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御C
PU190には、レゾルバ139からのサンギヤ軸12
5の回転角度θs、レゾルバ149からのリングギヤ軸
126の回転角度θr、アクセルペダルポジションセン
サ164aからのアクセルペダルポジション(アクセル
ペダルの踏込量)AP、ブレーキペダルポジションセン
サ165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキ
ペダルの踏込量)BP、シフトポジションセンサ184
からのシフトポジションSP、第1の駆動回路191に
設けられた2つの電流検出器195,196からの電流
値Iu1,Iv1、第2の駆動回路192に設けられた
2つの電流検出器197,198からの電流値Iu2,
Iv2、バッテリ194の残容量を検出する残容量検出
器199からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して
入力されている。なお、残容量検出器199は、バッテ
リ194の電解液の比重またはバッテリ194の全体の
重量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の
電流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッ
テリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部
抵抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知ら
れている。
動回路191に設けられたスイッチング素子である6個
のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号
SW1と、第2の駆動回路192に設けられたスイッチ
ング素子としての6個のトランジスタTr11ないしT
r16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。
第1の駆動回路191内の6個のトランジスタTr1な
いしTr6は、トランジスタインバータを構成してお
り、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソ
ース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、
その接続点に、モータMG1の三相コイル(UVW)1
34の各々が接続されている。電源ラインL1,L2
は、バッテリ194のプラス側とマイナス側に、それぞ
れ接続されているから、制御CPU190により対をな
すトランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を
制御信号SW1により順次制御し、三相コイル134の
各コイルに流れる電流を、PWM制御によって擬似的な
正弦波にすると、三相コイル134により、回転磁界が
形成される。
ンジスタTr11ないしTr16も、トランジスタイン
バータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路19
1と同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接
続点は、モータMG2の三相コイル144の各々に接続
されている。したがって、制御CPU190により対を
なすトランジスタTr11ないしTr16のオン時間を
制御信号SW2により順次制御し、各コイル144に流
れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にする
と、三相コイル144により、回転磁界が形成される。
110の動作について説明する。実施例の動力出力装置
110の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通り
である。エンジン150を回転数Ne,トルクTeの運
転ポイントP1で運転し、このエンジン150から出力
されるエネルギPeと同一のエネルギであるが異なる回
転数Nr,トルクTrの運転ポイントP2でリングギヤ
軸126を運転する場合、すなわち、エンジン150か
ら出力される動力をトルク変換してリングギヤ軸126
に作用させる場合について考える。この時のエンジン1
50とリングギヤ軸126の回転数およびトルクの関係
を図4に示す。
125,リングギヤ軸126およびプラネタリキャリア
124(クランクシャフト156))における回転数や
トルクの関係は、機構学の教えるところによれば、図5
および図6に例示する共線図と呼ばれる図として表わす
ことができ、幾何学的に解くことができる。なお、プラ
ネタリギヤ120における3軸の回転数やトルクの関係
は、上述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを計算
することなどにより数式的に解析することもできる。本
実施例では説明の容易のため共線図を用いて説明する。
り、横軸は3軸の座標軸の位置の比を表わす。すなわ
ち、サンギヤ軸125とリングギヤ軸126の座標軸
S,Rを両端にとったとき、プラネタリキャリア124
の座標軸Cは、軸Sと軸Rを1:ρに内分する軸として
定められる。ここで、ρは、リングギヤ122の歯数に
対するサンギヤ121の歯数の比であり、次式(1)で
表わされる。
されており、リングギヤ軸126が回転数Nrで運転さ
れている場合を考えているから、エンジン150のクラ
ンクシャフト156が結合されているプラネタリキャリ
ア124の座標軸Cにエンジン150の回転数Neを、
リングギヤ軸126の座標軸Rに回転数Nrをプロット
することができる。この両点を通る直線を描けば、この
直線と座標軸Sとの交点で表わされる回転数としてサン
ギヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以
下、この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、
回転数Neと回転数Nrとを用いて比例計算式(次式
(2))により求めることができる。このようにプラネ
タリギヤ120では、サンギヤ121,リングギヤ12
2およびプラネタリキャリア124のうちいずれか2つ
の回転を決定すると、残余の1つの回転は、決定した2
つの回転に基づいて決定される。
0のトルクTeをプラネタリキャリア124の座標軸C
を作用線として図中下から上に作用させる。このとき動
作共線は、トルクに対してはベクトルとしての力を作用
させたときの剛体として取り扱うことができるから、座
標軸C上に作用させたトルクTeは、平行な2つの異な
る作用線への力の分離の手法により、座標軸S上のトル
クTesと座標軸R上のトルクTerとに分離すること
ができる。このときトルクTesおよびTerの大きさ
は、次式(3)および式(4)によって表わされる。
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、リン
グギヤ軸126に出力するトルクTrと同じ大きさで向
きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさ
が同じで向きが反対のトルクTm2を作用させるのであ
る。このトルクTm1はモータMG1により、トルクT
m2はモータMG2により作用させることができる。こ
のとき、モータMG1では回転の方向と逆向きにトルク
を作用させるから、モータMG1は発電機として動作す
ることになり、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わ
される電気エネルギPm1をサンギヤ軸125から回生
する。モータMG2では、回転の方向とトルクの方向と
が同じであるから、モータMG2は電動機として動作
し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気
エネルギPm2を動力としてリングギヤ軸126に出力
する。
ギPm2とを等しくすれば、モータMG2で消費する電
力のすべてをモータMG1により回生して賄うことがで
きる。このためには、入力されたエネルギのすべてを出
力するものとすればよいから、エンジン150から出力
されるエネルギPeとリングギヤ軸126に出力される
エネルギPrとを等しくすればよい。すなわち、トルク
Teと回転数Neとの積で表わされるエネルギPeと、
トルクTrと回転数Nrとの積で表わされるエネルギP
rとを等しくするのである。図4に照らせば、運転ポイ
ントP1で運転されているエンジン150から出力され
るトルクTeと回転数Neとで表わされる動力を、トル
ク変換して、同一のエネルギでトルクTrと回転数Nr
とで表わされる動力としてリングギヤ軸126に出力す
るのである。前述したように、リングギヤ軸126に出
力された動力は、動力取出ギヤ128および動力伝達ギ
ヤ111により駆動軸112に伝達され、ディファレン
シャルギヤ114を介して駆動輪116,118に伝達
される。したがって、リングギヤ軸126に出力される
動力と駆動輪116,118に伝達される動力とにはリ
ニアな関係が成立するから、駆動輪116,118に伝
達される動力は、リングギヤ軸126に出力される動力
を制御することにより制御することができる。
回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数N
eとリングギヤ軸126の回転数Nrとによっては、図
6に示す共線図のように負となる場合もある。このとき
には、モータMG1では、回転の方向とトルクの作用す
る方向とが同じになるから、モータMG1は電動機とし
て動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされ
る電気エネルギPm1を消費する。一方、モータMG2
では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になる
から、モータMG2は発電機として動作し、トルクTm
2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギPm2
をリングギヤ軸126から回生することになる。この場
合、モータMG1で消費する電気エネルギPm1とモー
タMG2で回生する電気エネルギPm2とを等しくすれ
ば、モータMG1で消費する電気エネルギPm1をモー
タMG2で丁度賄うことができる。
る基本的なトルク変換について説明したが、実施例の動
力出力装置110は、こうしたエンジン150から出力
される動力のすべてをトルク変換してリングギヤ軸12
6に出力する動作の他に、エンジン150から出力され
る動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、モータM
G1により回生または消費される電気エネルギPm1
と、モータMG2により消費または回生される電気エネ
ルギPm2とを調節することにより、余剰の電気エネル
ギを見い出してバッテリ194を放電する動作とした
り、不足する電気エネルギをバッテリ194に蓄えられ
た電力により補う動作とすることもできる。また、モー
タMG1のトルクTm1を値0とすると共にエンジン1
50の運転を停止した状態でバッテリ194から放電さ
れる電力を用いてモータMG2から出力されるトルクT
m2だけで駆動する動作とすることもできる。
ヤ120やモータMG1,モータMG2,トランジスタ
Tr1ないしTr16などによる動力の変換効率を値1
(100%)として説明した。実際には、値1未満であ
るから、エンジン150から出力されるエネルギPeを
リングギヤ軸126に出力するエネルギPrより若干大
きな値とするか、逆にリングギヤ軸126に出力するエ
ネルギPrをエンジン150から出力されるエネルギP
eより若干小さな値とする必要がある。例えば、エンジ
ン150から出力されるエネルギPeを、リングギヤ軸
126に出力されるエネルギPrに変換効率の逆数を乗
じて算出される値とすればよい。また、モータMG2の
トルクTm2を、図5の共線図の状態ではモータMG1
により回生される電力に両モータの効率を乗じたものか
ら算出される値とし、図6の共線図の状態ではモータM
G1により消費される電力を両モータの効率で割ったも
のから算出すればよい。なお、プラネタリギヤ120で
は機械摩擦などにより熱としてエネルギを損失するが、
その損失量は全体量からみれば極めて少なく、モータM
G1,MG2に用いた同期電動機の効率は値1に極めて
近い。また、トランジスタTr1ないしTr16のオン
抵抗もGTOなど極めて小さいものが知られている。し
たがって、以下の説明でも、説明の容易のため、明示し
ない限り理想状態として効率を値1(100%)として
取り扱う。
4から放電される電力を用いてモータMG2から出力さ
れるトルクTm2だけで駆動する動作状態にあるとき
に、エンジン150を始動すると共に、始動したエンジ
ン150から出力されるエネルギPeとバッテリ194
から出力される放電エネルギPboとをエネルギ変換し
て駆動する動作に移行する際の制御について図7に例示
する出力エネルギ演算ルーチンおよび図8,図9に例示
するエンジン始動制御ルーチンに基づき説明する。な
お、出力エネルギ演算ルーチンは、こうした移行時の制
御としてだけ行なわれるものではなく、動力出力装置1
10が上述の基本的なトルク変換の動作状態にあるとき
やバッテリ194の充放電を伴う動作状態にあるとき、
あるいは、モータMG2から出力されるトルクTm2だ
けで駆動する動作状態にあるときなど、種々の動作状態
にあるときも、所定時間毎(例えば、8msec毎)に
繰り返し実行されるものである。
が実行されると、制御装置180の制御CPU190
は、まず、リングギヤ軸126の回転数Nrを読み込む
処理を実行する(ステップS100)。ここで、リング
ギヤ軸126の回転数Nrは、レゾルバ149により検
出される回転角度θrから求めることができる。続い
て、アクセルペダルポジションセンサ164aによって
検出されるアクセルペダルポジションAPを入力する処
理を行なう(ステップS102)。アクセルペダル16
4は運転者が出力トルクが足りないと感じたときに踏み
込まれるものであるから、アクセルペダルポジションA
Pは運転者の欲している出力トルク(すなわち、駆動輪
116,118に出力すべきトルク)に対応するものと
なる。アクセルペダルポジションAPを読み込むと、読
み込んだアクセルペダルポジションAPとリングギヤ軸
126の回転数Nrとに基づいてリングギヤ軸126に
出力すべきトルクの目標値であるトルク指令値Tr*を
導出する処理を行なう(ステップS104)。ここで、
駆動輪116,118に出力すべきトルクを導出せず
に、リングギヤ軸126に出力すべきトルクを導出する
のは、リングギヤ軸126は動力取出ギヤ128,動力
伝達ギヤ111およびディファレンシャルギヤ114を
介して駆動輪116,118に機械的に結合されている
から、リングギヤ軸126に出力すべきトルクを導出す
れば、駆動輪116,118に出力すべきトルクを導出
する結果となるからである。なお、実施例では、リング
ギヤ軸126の回転数Nrとアクセルペダルポジション
APとトルク指令値Tr*との関係を示すマップを予め
ROM190bに記憶しておき、アクセルペダルポジシ
ョンAPが読み込まれると、読み込まれたアクセルペダ
ルポジションAPとリングギヤ軸126の回転数Nrと
ROM190bに記憶したマップとに基づいてトルク指
令値Tr*の値を導出するものとした。次に、導出した
トルク指令値Tr*とリングギヤ軸126の回転数Nr
とから、リングギヤ軸126に出力すべきエネルギPr
を計算(Pr=Nr×Tr*)により求めて(ステップ
S106)、本ルーチンを終了する。
トルクの指令値Tr*やエネルギPrが求められると、
この値を用いてエンジン150の運転やバッテリ194
からの充放電エネルギ,モータMG1のトルク指令値T
m1*およびモータMG2のトルク指令値Tm2*が設
定され、エンジン150,モータMG1およびモータM
G2の制御が行なわれる。いま、動力出力装置110の
動作状態として、モータMG2から出力されるトルクT
m2だけで駆動する動作状態を考えているから、エンジ
ン150の運転は停止され、モータMG1のトルク指令
値Tm1*には値0、モータMG2のトルク指令値Tm
2*にはトルク指令値Tr*が設定されてその運転が制
御されている。こうした動力出力装置110がモータM
G2から出力されるトルクTm2だけで駆動する動作状
態にあるときの共線図を図10に例示する。モータMG
1のトルクTm1を値0とすると共にエンジン150の
運転を停止すると、動作共線は、座標軸R上ではリング
ギヤ軸126の回転数Nrとなるが、座標軸C、S上で
は、エンジン150を空回りさせるのに必要なエネルギ
とモータMG1を空回りさせるのに必要なエネルギの和
の最も小さい状態に落ち着く。実施例の動力出力装置1
10ではエンジン150として4サイクルのガソリンエ
ンジンを用いているから、エンジン150を空回りさせ
るのに必要なエネルギ、すなわち、エンジン150のピ
ストンの摩擦や圧縮等に要するエネルギは、モータMG
1のロータ132を空回りさせるのに必要なエネルギよ
りも大きくなる。したがって、動作共線は、図10に示
すように、エンジン150が停止し、モータMG1が空
回りする状態となる。
動する信号が出力されると、図8および図9に例示する
エンジン始動制御ルーチンが実行される。本ルーチンが
実行されると、制御装置180の制御CPU190は、
まず、残容量検出器199により検出されるバッテリ1
94の残容量BRMを読み込む処理を実行する(ステップ
S110)。そして、図7の出力エネルギ演算ルーチン
により設定されたエネルギPrとバッテリ194の残容
量BRMとに基づいてエンジン150から出力すべきエネ
ルギPeを設定する(ステップS112)。実施例で
は、エネルギPrとバッテリ194の残容量BRMとがそ
れぞれ所定の範囲内にあるときには、リングギヤ軸12
6に出力すべきエネルギPrのすべてをエンジン150
から出力されるエネルギPeで賄うものとし、エネルギ
Prかバッテリ194の残容量BRMのいずれかが所定の
範囲を上回るときには、エネルギPrの一部をエンジン
150から出力されるエネルギPeで賄うと共に残余を
バッテリ194から放電される電気エネルギにより賄
い、逆にエネルギPrかバッテリ194の残容量BRMの
いずれかが所定の範囲を下回るときには、エンジン15
0から出力されるエネルギPeの一部をリングギヤ軸1
26に出力すべきエネルギPrとして出力すると共に残
余のエネルギによりバッテリ194を充電するものと
し、これらの所定の範囲およびこの範囲に基づいて定め
られるエンジン150から出力すべきエネルギPeは、
ROM190bに予め記憶された図示しないマップによ
り設定されるものとした。なお、エネルギPeの設定の
手法は、その他様々な手法があるが、本発明ではこれ以
上の説明は不要であるからその説明は省略する。もとよ
り、他の手法によりエネルギPeを設定するものとして
もよい。
したエネルギPeに基づいてエンジン150の目標回転
数Ne*と目標トルクTe*とを設定する処理を行なう
(ステップS114)。ここで、エンジン150から出
力するエネルギPeはその回転数NeとトルクTeとの
積に等しいから、エネルギPeとエンジン150の目標
回転数Ne*および目標トルクTe*との関係はPe=
Ne*×Te*となる。この関係を満足するエンジン1
50の目標回転数Ne*と目標トルクTe*との組み合
せは無数に存在する。そこで、実施例では、実験などに
より各エネルギPeに対してエンジン150ができる限
り効率の高い状態で運転され、かつエネルギPeの変化
に対してエンジン150の運転状態が滑らかに変化する
運転ポイントを目標回転数Ne*と目標トルクTe*と
の組み合わせとして求め、これを予めROM190bに
マップとして記憶しておき、エネルギPeに対応する目
標回転数Ne*と目標トルクTe*との組み合わせをこ
のマップから導出するものとした。
(2)にエンジン150の回転数Neに代えてエンジン
150の目標回転数Ne*を代入することにより、サン
ギヤ軸125の目標回転数Ns*を計算し(ステップS
116)、エンジン150の目標回転数Ne*に基づい
てスロットルバルブ166の初期開度SVP1を設定す
ると共に目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づ
いてスロットルバルブ166の目標開度SVP*を設定
する処理を実行する(ステップS118)。ここで、目
標開度SVP*は、エンジン150を目標回転数Ne*
および目標トルクTe*の運転ポイントで運転するとき
のスロットルバルブ166の開度として設定されるもの
であり、初期開度SVP1は、エンジン150をトルク
の出力なしに目標回転数Ne*で運転するときのスロッ
トルバルブ166の開度として設定されるものである。
実施例では、エンジン150の各運転ポイントとスロッ
トルバルブ166の開度SVPとを実験などにより求め
て予めROM190bにマップとして記憶しておき、目
標回転数Ne*と目標トルクTe*とが与えられると、
その運転ポイントに対応する目標開度SVP*と初期開
度SVP1とを導出するものとした。
導出すると、導出した初期開度SVP1をスロットルバ
ルブ166の開度SVPに設定すると共に(ステップS
120)、点火プラグ162の点火時期としての点火進
角FTを可燃範囲の最遅角FT1に(ステップS12
2)、吸気弁152の開閉タイミングVTをエンジン1
50の運転可能範囲内の最遅角VT1に(ステップS1
24)、エンジン150の目標空燃比をリーン側に設定
する(ステップS126)。このように設定するのは、
エンジン150のクランクシャフト156を目標回転数
Ne*でモータリングするのに必要なトルクをより小さ
くしたり、始動直後のエンジン150から出力されるト
ルクTeをできる限り小さくするためである。以下に各
設定について簡単に説明する。
スロットルバルブ166の開度SVPとエンジン150
から出力されるトルクTeは、図11に例示するグラフ
のような関係を示す。したがって、スロットルバルブ1
66の開度SVPに初期開度SVP1を設定することに
より始動直後のエンジン150をトルクの出力なしに目
標回転数Ne*で運転することができる。また、点火進
角FTとエンジン150から出力されるトルクTeは、
図12に例示するグラフのような関係を示す。このた
め、点火進角FTを可燃範囲の最遅角FT1に設定する
ことにより、エンジン150から出力されるトルクTe
をより小さくすることができる。なお、図12のグラフ
中FT*は、最も大きな値のトルクTeとなる最適進角
である。
側(破線)に移行させると、図13の開閉タイミングV
Tとバルブリフトとの関係を例示するチャートに示すよ
うに、エンジンサイクルの圧縮行程に入っても吸気弁1
52はまだ開いているため、燃焼室154に吸入された
空気あるいはガソリンとの混合気の一部は吸気マニホー
ルド側に戻され、エンジン150における圧縮仕事が小
さくなる。したがって、吸気弁152の開閉タイミング
VTを最遅角VT1に設定することにより、エンジン1
50をモータリングするのに必要なトルクをより小さく
することができる。なお、吸気弁152の開閉タイミン
グVTと燃焼室154への吸入空気量との関係の一例を
図14に示す。図14中のVT*は、吸入空気量が最大
となる最適開閉タイミングである。また、目標空燃比を
リーン側に設定すると、エンジン150から出力される
トルクTeが小さくなるから、このように設定すること
により始動直後のエンジン150から出力されるトルク
Teを小さくすることができる。
に基づいて求められる値をモータMG1のトルク指令値
Tm1*に設定すると共に(ステップS128)、次式
(5)によりモータMG2のトルク指令値Tm2*を設
定する(ステップS130)。ここで、エンジン150
の目標回転数Ne*に基づいて求められる値とは、ステ
ップS120ないしS126のように運転条件が設定さ
れたエンジン150を目標回転数Ne*で回転させるの
に必要なトルクの値であり、実施例では、各回転数Ne
に対応するトルクの値を実験により求めてマップとして
ROM190bに予め記憶しておき、目標回転数Ne*
が与えられるとこのマップを用いて対応するトルクの値
を導出するものとした。こうして導出されるトルクは、
座標軸S上で下から上向きに作用するものであるから、
図5の共線図の向きを正とすれば負の値となる。また、
式(5)の右辺第2項は、モータMG1からトルク指令
値Tm1*に相当するトルクを出力することによりプラ
ネタリギヤ120を介してリングギヤ軸126に作用す
るトルクである。なお、モータMG1とモータMG2
は、トルク指令値Tm1*,Tm2*が設定されると、
それぞれ所定時間毎(例えば4msec毎)に割込処理
として繰り返し実行される図15に例示するモータMG
1の制御ルーチンと図16に例示するモータMG2の制
御ルーチンとによって駆動制御される。エンジン始動制
御ルーチンの説明の途中であるが、動力出力装置110
全体の動作の説明の必要上、以下にモータMG1の制御
とモータMG2の制御について上述の制御ルーチンに基
づき簡単に説明する。
行されると、制御装置180の制御CPU190は、ま
ず、サンギヤ軸125の回転角度θsをレゾルバ139
から入力する処理を行ない(ステップS160)、入力
したサンギヤ軸125の回転角度θsからモータMG1
の電気角θ1を算出する(ステップS161)。実施例
の動力出力装置110で用いたモータMG1は、4極対
(N極が4個でS極が4個)の同期電動機であるから、
θ1=4θsを計算することになる。続いて、電流検出
器195,196により、モータMG1の三相コイル1
34のU相とV相に流れている電流Iu1,Iv1を検
出する処理を行なう(ステップS162)。電流はU,
V,Wの三相に流れているが、その総和はゼロなので、
二つの相に流れる電流を測定すれば足りる。こうして得
られた三相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)
を行なう(ステップS164)。座標変換は、永久磁石
型の同期電動機のd軸,q軸の電流値に変換することで
あり、次式(6)を演算することにより行なわれる。こ
こで座標変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機に
おいては、d軸およびq軸の電流が、トルクを制御する
上で本質的な量だからである。もとより、三相のまま制
御することも可能である。
MG1におけるトルク指令値Tm1*から求められる各
軸の電流指令値Id1*,Iq1*と実際各軸に流れた
電流Id1,Iq1と偏差を求め、各軸の電圧指令値V
d1,Vq1を求める処理を行なう(ステップS16
6)。すなわち、まず以下の式(7)の演算を行ない、
次に次式(8)の演算を行なうのである。ここで、Kp
1,Kp2,Ki1,Ki2は、各々係数である。これ
らの係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整
される。なお、電圧指令値Vd1,Vq1は、電流指令
値I*との偏差△Iに比例する部分(式(8)右辺第1
項)と偏差△Iのi回分の過去の累積分(右辺第2項)
とから求められる。
ップS164で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS168)、
実際に三相コイル134に印加する電圧Vu1,Vv
1,Vw1を求める処理を行なう。各電圧は、次式
(9)により求める。
のトランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間によ
りなされるから、式(9)によって求めた各電圧指令値
となるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時
間をPWM制御する(ステップS169)。
1*は、同じ正の値のトルク指令値Tm1*が設定され
ても、図5の共線図の状態のようにトルク指令値Tm1
*の作用する向きとサンギヤ軸125の回転の向きとが
異なるときには回生制御がなされ、図6の共線図の状態
のように同じ向きのときには力行制御がなされる。しか
し、モータMG1の力行制御と回生制御は、トルク指令
値Tm1*が正であれば、ロータ132の外周面に取り
付けられた永久磁石135と三相コイル134に流れる
電流により生じる回転磁界とにより正のトルクがサンギ
ヤ軸125に作用するよう第1の駆動回路191のトラ
ンジスタTr1ないしTr6を制御するものであるか
ら、同一のスイッチング制御となる。すなわち、トルク
指令値Tm1*の符号が同じであれば、モータMG1の
制御が回生制御であっても力行制御であっても同じスイ
ッチング制御となる。したがって、図15のモータMG
1の制御ルーチンで回生制御と力行制御のいずれも行な
うことができる。また、トルク指令値Tm1*が負のと
きには、ステップS160で読み込むサンギヤ軸125
の回転角度θsの変化の方向が逆になるだけであるか
ら、このときの制御も図15のモータMG1の制御ルー
チンにより行なうことができる。いま、動力出力装置1
10の動作状態は図10の共線図の状態であり、エンジ
ン150をモータリングするトルクがトルク指令値Tm
1*に設定されるから、サンギヤ軸125の回転の向き
とトルクの向きとが逆向きになるから、モータMG1は
発電機として動作することになる。
トルク指令値Tm1*,サンギヤ軸125の回転角度θ
sおよび電気角θ1に代えてトルク指令値Tm2*,リ
ングギヤ軸126の回転角度θrおよび電気角θ2を用
いる点を除き、図15のモータMG1の制御ルーチンと
全く同一である。すなわち、リングギヤ軸126の回転
角度θrをレゾルバ149を用いて検出し(ステップS
170)、これを用いてモータMG2の電気角θ2を計
算し(ステップS171)、続いてモータMG2の各相
電流を電流検出器197,198を用いて検出し(ステ
ップS172)、その後、座標変換(ステップS17
4)および電圧指令値Vd2,Vq2の演算を行ない
(ステップS176)、更に電圧指令値の逆座標変換
(ステップS178)を行なって、モータMG2の第2
の駆動回路192のトランジスタTr11ないしTr1
6のオンオフ制御時間を求め、PWM制御を行なうので
ある(ステップS179)。
2*の向きとリングギヤ軸126の回転の向きとにより
力行制御されたり回生制御されたりするが、モータMG
1と同様に、力行制御も回生制御も共に図16のモータ
MG2の制御ルーチンで行なうことができる。なお、実
施例では、モータMG2のトルク指令値Tm2*の符号
は、図5の共線図の状態のときのトルクTm2の向きを
正とした。
m1*とモータMG2のトルク指令値Tm2*とを設定
し、モータMG1とモータMG2とをそれぞれ駆動制御
することにより、エンジン150を目標回転数Ne*ま
でモータリングすると共に、エンジン150のモータリ
ングに拘わらずリングギヤ軸126にトルク指令値Tr
*に相当するトルクを安定して出力することができる。
戻る。両モータMG1,MG2のトルク指令値Tm1
*,Tm2*を設定すると、次に、サンギヤ軸125の
回転数Nsを読み込む(ステップS132)。そして、
読み込んだ回転数Nsをサンギヤ軸125の目標回転数
Ns*と比較し(ステップS134)、回転数Nsと目
標回転数Ns*との偏差が偏差△Ns以上のときには、
ステップS130のモータMG2のトルク指令値Tm2
*の設定処理に戻ってステップS130ないしS134
の処理を繰り返す。ここで、偏差△Nsは、エンジン始
動制御ルーチンの処理を迅速に進めるために用いられる
ものであり、例えば目標回転数Ns*の5%に相当する
値あるいはそれ以下の小さな値など自由に設定し得るも
のである。このように、サンギヤ軸125の回転数Ns
が目標回転数Ns*に近づくまでモータMG2のトルク
指令値Tm2*を設定し直すから、その途中でアクセル
ペダル164の踏込量に変化が生じ、リングギヤ軸12
6へ出力すべきトルクの要求値であるトルク指令値Tr
*が変更されても、リングギヤ軸126には変更された
トルク指令値Tr*が出力されることになる。
数Ns*に近づきその偏差が偏差△Ns未満になると、
燃料噴射弁151から噴射する燃料噴射量の制御や点火
プラグ162から火花点火する点火制御などを開始する
(ステップS136)。ここでの燃料噴射制御や点火制
御などのエンジン150の運転制御は、ステップS12
0ないしS126によって設定されたスロットルバルブ
166の開度SVP,点火進角FT,吸気弁152の開
閉タイミングVTおよび目標空燃比に基づいて行なわれ
るから、エンジン150は、トルクの出力なしに目標回
転数Ne*で回転するよう制御されることになる。
と、エンジン150が始動するのを待って(ステップS
138)、目標空燃比をストイキな理論空燃比に設定す
る(ステップS140)。そして、スロットルバルブ1
66の開度SVPを次式(10)により設定すると共に
(ステップS142)、点火進角FTと吸気弁152の
開閉タイミングVTをそれぞれ所定量△FTおよび△V
Tだけ進角する(ステップS144,S146)。ここ
で、式(10)中のCsetは、ステップS142ない
しS156の処理を繰り返す回数として設定されるもの
であり、この繰り返しの一巡に要する時間やエンジン1
50の特性などによって定められる。したがって、スロ
ットルバルブ166の開度SVPは、ステップS142
ないしS156を繰り返す毎に目標開度SVP*と初期
開度SVP1との偏差を繰り返し回数Csetで割った
値だけ増加され、この繰り返し処理が終了するときに
は、目標開度SVP*に設定される。また、所定量△F
Tは最適進角FT*と最遅角FT1との偏差を繰り返し
回数Csetで割って得られる値であり、所定量△VT
は最適開閉タイミングVT*と最遅角VT1との偏差を
繰り返し回数Csetで割って得られる値である。した
がって、点火進角FTも吸気弁152の開閉タイミング
VTも、ステップS142ないしS156の処理を繰り
返す毎に所定量△FT,△VTだけ増加され、この繰り
返し処理が終了するときには、最適進角FT*および最
適開閉タイミングVT*に設定される。このように、ス
ロットルバルブ166の開度SVPや点火進角FT,吸
気弁152の開閉タイミングVTを徐々に最適値にする
ことによって、エンジン150から出力されるトルクT
eを徐々に増加することができる。
火進角FT,吸気弁152の開閉タイミングVTを設定
すると、サンギヤ軸125の回転数Nsを読み込み(ス
テップS148)、読み込んだ回転数Nsと目標回転数
Ns*とに基づいて次式(11)によりモータMG1の
トルク指令値Tm1*を設定すると共に(ステップS1
50)、上述した式(5)によりモータMG2のトルク
指令値Tm2*を設定する(ステップS152)。ここ
で、式(11)中の右辺第1項はサンギヤ軸125の回
転数Nsと目標回転数Ns*との偏差に基づく補正項、
右辺第2項はサンギヤ軸125の回転数Nsの目標回転
数Ns*に対する定常偏差を解消するための積分項であ
り、K1とK2は定数である。このようにモータMG1
のトルク指令値Tm1*を設定することにより、サンギ
ヤ軸125を目標回転数Ns*で回転させることがで
き、エンジン150を目標回転数Ne*で回転させるこ
とができる。また、式(5)の右辺第2項は、エンジン
150からプラネタリギヤ120を介してリングギヤ軸
126に出力されるトルクであるから、モータMG2の
トルク指令値Tm2*を式(5)により設定することに
より、リングギヤ軸126にトルク指令値Tr*に相当
するトルクを出力することができる。なお、モータMG
1のトルク指令値Tm1*やモータMG2のトルク指令
値Tm2*が設定されると、設定された値に基づいて所
定時間毎に繰り返し実行される図15のモータMG1の
制御ルーチンや図16のモータMG2の制御ルーチンに
よりモータMG1やモータMG2が制御されることは前
述した。
テップS154)、カウンタCを繰り返し回数Cset
と比較して(ステップS156)、カウンタCが繰り返
し回数Cset以上となるまでステップS142ないし
S156の処理を繰り返して本ルーチンを終了する。こ
こで、カウンタCは、本ルーチンが実行される直前に、
図示しない初期化ルーチンが実行されて値0に設定され
る。
したときの空燃比やスロットルバルブ166の開度SV
P,点火進角FT,吸気弁152の開閉タイミングV
T,エンジン150の運転状態,モータMG1およびモ
ータMG2の駆動状態,リングギヤ軸126に出力され
るトルクの状態を例示するタイミングチャートを図17
に例示する。図示するように、時間t1にエンジン始動
制御ルーチンの実行が開始されると、目標空燃比をリー
ン側に、スロットルバルブ166の開度SVPに初期開
度SVP1を、点火進角FTに最遅角FT1を,吸気弁
152の開閉タイミングVTに最遅角VT1をそれぞれ
設定し、モータMG1のトルク指令値Tm1*にエンジ
ン150をモータリングするためのトルクを設定すると
共にモータMG2のトルク指令値Tm2*にこのモータ
リングに伴ってプラネタリギヤ120を介してリングギ
ヤ軸126に出力されるトルクを打ち消すトルクをトル
ク指令値Tr*に加えて設定する。この結果、エンジン
150はモータリングされてその回転数が目標回転数N
e*に近づくが、こうしたモータリングによってもリン
グギヤ軸126には安定してトルク指令値Tr*に相当
するトルクが出力され、トルクショックは生じない。
数Ns*との偏差が偏差△Ns未満となると(時間t
2)、燃料噴射制御や点火制御などが開始され、エンジ
ン150の運転が開始される。このとき、エンジン15
0は、目標空燃比がリーン側に、スロットルバルブ16
6の開度SVPが初期開度SVP1に、点火進角FTが
最遅角FT1に,吸気弁152の開閉タイミングVTが
最遅角VT1にそれぞれ設定されているから、トルクの
出力なしに目標回転数Ne*で回転するよう運転される
ことになる。なお、エンジン150から出力されるトル
クはエンジン150の温度や燃料の性状,吸気系のデポ
ジットなどによって変化するから、上述のように制御さ
れても若干の正のトルクあるいは負のトルクが出力され
ることになるが、その値は小さいからリングギヤ軸12
6へのトルクショックとしては小さなものとなる。
にストイキな理論空燃比が設定され、スロットルバルブ
166の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁152
の開閉タイミングVTがそれぞれ目標開度SVP*,最
適進角FT*および最適開閉タイミングVT*に向けて
徐々に増加される。こうした増加により、エンジン15
0から出力されるトルクは目標トルクTe*に向けて徐
々に増加する。このとき、モータMG1はサンギヤ軸1
25が目標回転数Ns*で安定して回転するように制御
され、モータMG2から出力されるトルクはエンジン1
50からプラネタリギヤ120を介して出力されるトル
クとトルク指令値Tr*との偏差となるよう制御される
から、リングギヤ軸126には安定してトルク指令値T
r*に相当するトルクが出力される。
VPが目標開度SVP*に,点火進角FTが最適進角F
T*に、吸気弁152の開閉タイミングVTが最適開閉
タイミングVT*になったときには(時間t3)、エン
ジン150は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*と
で表わされる運転ポイントで運転され、エンジン150
から出力されるエネルギPeとバッテリ194から充放
電される電気エネルギとがエネルギ変換されて、リング
ギヤ軸126にトルク指令値Tr*に相当するトルクが
出力される。
におけるエンジン始動制御によれば、エンジン150を
モータリングするときにスロットルバルブ166の開度
SVPを目標とする回転数でトルクの出力なしにエンジ
ン150を運転できる初期開度SVP1とすると共に吸
気弁152の開閉タイミングVTを吸入空気量が少なく
なる最遅角VT1とするから、モータリングに必要なト
ルクを小さくすることができる。この結果、エンジン1
50のモータリングの際にリングギヤ軸126に生じる
トルクショックを小さくすることができる。実施例で
は、このモータリングに伴ってプラネタリギヤ120を
介してリングギヤ軸126に出力されるトルクを打ち消
すようモータMG2のトルクを制御するから、モータリ
ングの際にリングギヤ軸126に生じるトルクショック
を更に小さくすることができる。
Pや吸気弁152の開閉タイミングVTの設定に加えて
目標空燃比がリーン側に設定されると共に点火進角FT
も可燃範囲の最遅角FT1に設定して、トルクの出力な
しに目標回転数Ne*で回転するようエンジン150を
始動するから、始動直後のエンジン150から出力され
るトルクは極めて小さな値となり、始動に伴ってリング
ギヤ軸126に生じるトルクショックを小さくすること
ができる。
標空燃比をストイキな理論空燃比に設定すると共に、ス
ロットルバルブ166の開度SVP,点火進角FTおよ
び吸気弁152の開閉タイミングVTをそれぞれ目標開
度SVP*,最適進角FT*および最適開閉タイミング
VT*に向けて徐々に増加することにより、エンジン1
50から出力されるトルクを目標トルクTe*に向けて
徐々に増加することができる。しかも、この増加の最中
にサンギヤ軸125が目標回転数Ns*で安定して回転
するようモータMG1を制御すると共に、エンジン15
0からプラネタリギヤ120を介して出力されるトルク
とトルク指令値Tr*との偏差のトルクがモータMG2
から出力されるようモータMG2を制御するから、トル
ク指令値Tr*に相当するトルクを安定してリングギヤ
軸126に出力することができる。この結果、リングギ
ヤ軸126延いては駆動軸112に生じるトルク変動を
より小さくすることができる。
150を始動する際に目標空燃比をリーン側に設定する
と共に、スロットルバルブ166の開度SVPに初期開
度SVP1を、点火進角FTに最遅角FT1を,吸気弁
152の開閉タイミングVTに最遅角VT1をそれぞれ
設定したが、これらの各設定のすべてを行なわず一つあ
るいは2以上の設定を行なってエンジン150を始動す
るものとしてもよい。
ンジン150が始動した後は、目標空燃比にストイキな
理論空燃比を設定すると共に、スロットルバルブ166
の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁152の開閉
タイミングVTをそれぞれ目標開度SVP*,最適進角
FT*および最適開閉タイミングVT*に向けて比例的
に徐々に増加させることにより、エンジン150から出
力されるトルクを目標トルクTe*に向けて徐々に増加
したが、比例的に増加させず2次あるいは3次関数的に
増加させるものとしてもよい。また、エンジン150か
ら出力されるトルクが比例的に増加するようスロットル
バルブ166の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁
152の開閉タイミングVTを増加させるものとしても
よい。この場合、その増加量は実験などにより求めるこ
とができる。
150が始動した後は、目標空燃比にストイキな理論空
燃比を設定すると共に、スロットルバルブ166の開度
SVP,点火進角FTおよび吸気弁152の開閉タイミ
ングVTをそれぞれ目標開度SVP*,最適進角FT*
および最適開閉タイミングVT*に向けて同じ割合で同
時に目標値に到達するよう徐々に増加させたが、異なる
割合で異なる時に目標値に到達するよう増加させるもの
としてもよい。
150を始動し目標トルクTe*のトルクを出力するま
で設定されたエンジン150の目標とする運転ポイント
(目標回転数Ne*と目標トルクTe*)には変更がな
いものとしたが、アクセルペダル164の踏込量の変更
に応じてエンジン150の目標とする運転ポイントを変
更するものとしてもよい。この場合、スロットルバルブ
166の目標開度SVP*を変更された目標回転数Ne
*と目標トルクTe*とにより再設定するものとし、サ
ンギヤ軸125の目標回転数Ns*を変更された目標回
転数Ne*により再設定すればよい。
ン150を始動する信号が出力されたときに図8および
図9のエンジン始動制御ルーチンを実行し、エンジン1
50の目標とする運転ポイントを設定した後にエンジン
150を始動するものとしたが、エンジン150の目標
とする運転ポイントが設定されたときに、エンジン15
0の運転停止状態を検出してエンジン150を始動する
ものとしてもよい。
テリ194からの充放電を伴わずエンジン150から出
力されるエネルギPeのすべてをエネルギ変換してリン
グギヤ軸126に出力している最中や、バッテリ194
から充放電される電気エネルギとエンジン150から出
力されるエネルギPeとをエネルギ変換してリングギヤ
軸126に出力している最中に、エンジン150の運転
停止の信号が出力されたときのエンジン150の運転停
止の制御について図18に例示するエンジン停止制御ル
ーチンに基づき説明する。なお、このエンジン停止制御
ルーチンが行なわれている最中でも、前述の図7に例示
した出力エネルギ演算ルーチンは所定時間毎に繰り返し
実行されている。
と、制御装置180の制御CPU190は、まず、スロ
ットルバルブポジションセンサ167により検出される
スロットルバルブ166の開度SVPを読み込み(ステ
ップS180)、読み込んだスロットルバルブ166の
開度SVPを停止開始開度SVPSに設定する処理を行
なう(ステップS182)。そして、目標回転数Ne*
に基づいてエンジン150をトルクの出力なしに目標回
転数Ne*で運転するときのスロットルバルブ166の
開度を最終開度SVP2として導出する(ステップS1
84)。なお、実施例では、最終開度SVP2を、図8
のエンジン始動制御ルーチンのステップS118におけ
る初期開度SVP1を導出する際に用いたマップと同じ
マップを用いて導出した。
比をリーン側に設定すると共に(ステップS186)、
スロットルバルブ166の開度SVPを次式(12)に
より設定すると共に(ステップS188)、点火進角F
Tと吸気弁152の開閉タイミングVTをそれぞれ所定
量△FTおよび△VTだけ遅角する(ステップS19
0,S192)。ここで、式(12)中のCsetは、
ステップS188ないしS202の処理を繰り返す回数
として設定されるものであり、図8および図9のエンジ
ン始動制御ルーチンで用いられた繰り返し回数Cset
と同じものである。したがって、スロットルバルブ16
6の開度SVPは、ステップS188ないしS202の
処理を繰り返す毎に停止開始開度SVPSと最終開度S
VP2との偏差を繰り返し回数Csetで割った値だけ
減少され、この繰り返し処理が終了するときには、最終
開度SVP2に設定される。また、所定量△FTおよび
所定量△VTは、図8および図9のエンジン始動制御ル
ーチンにおける所定量△FTおよび所定量△VTと同じ
である。したがって、点火進角FTも吸気弁152の開
閉タイミングVTも、ステップS188ないしS202
の処理を繰り返す毎に所定量△FT,△VTだけ減少さ
れ、この繰り返し処理が終了するときには、可燃範囲の
最遅角FT1および最遅角VT1に設定される。このよ
うに、スロットルバルブ166の開度SVPや点火進角
FT,吸気弁152の開閉タイミングVTを徐々に減少
させることによって、エンジン150から出力されるト
ルクTeを徐々に減少させることができる。
火進角FT,吸気弁152の開閉タイミングVTを設定
すると、制御CPU190は、サンギヤ軸125の回転
数Nsを読み込み(ステップS194)、読み込んだ回
転数Nsと目標回転数Ns*とに基づいて上述の式(1
1)によりモータMG1のトルク指令値Tm1*を設定
すると共に(ステップS196)、上述した式(5)に
よりモータMG2のトルク指令値Tm2*を設定する
(ステップS198)。このエンジン停止制御ルーチン
でも、モータMG1のトルク指令値Tm1*やモータM
G2のトルク指令値Tm2*が設定されると、図8およ
び図9のエンジン始動制御ルーチンと同様に、設定され
た値に基づいて所定時間毎に繰り返し実行される図15
のモータMG1の制御ルーチンや図16のモータMG2
の制御ルーチンによりモータMG1やモータMG2が制
御される。
テップS200)、カウンタCを繰り返し回数Cset
と比較して(ステップS202)、カウンタCが繰り返
し回数Cset以上となるまでステップS188ないし
S202の処理を繰り返す。なお、カウンタCは、本ル
ーチンが実行される直前に、図示しない初期化ルーチン
が実行されて値0に設定される。カウンタCが繰り返し
回数Cset以上となると、モータMG1のトルク指令
値Tm1*に値0を設定すると共に(ステップS20
4)、モータMG2のトルク指令値Tm2*にトルク指
令値Tr*を設定し(ステップS206)、燃料噴射弁
151からの燃料噴射や点火プラグ162からの火花点
火などを停止して(ステップS208)、本ルーチンを
終了する。
したときの空燃比やスロットルバルブ166の開度SV
P,点火進角FT,吸気弁152の開閉タイミングV
T,エンジン150の運転状態,モータMG1およびモ
ータMG2の駆動状態,リングギヤ軸126に出力され
るトルクの状態を例示するタイミングチャートを図19
に例示する。図示するように、時間t4にエンジン停止
制御ルーチンの実行が開始されると、目標空燃比がリー
ン側に設定されると共に、スロットルバルブ166の開
度SVP,点火進角FTおよび吸気弁152の開閉タイ
ミングVTがそれぞれ最終開度SVP2,最遅角FT1
および最遅角VT1に向けて徐々に減少される。こうし
た減少により、エンジン150から出力されるトルクは
値0に向けて徐々に減少する。このとき、モータMG1
はサンギヤ軸125が目標回転数Ns*で安定して回転
するように制御され、モータMG2から出力されるトル
クはエンジン150からプラネタリギヤ120を介して
出力されるトルクとトルク指令値Tr*との偏差となる
よう制御されるから、リングギヤ軸126には安定して
トルク指令値Tr*に相当するトルクが出力される。
のエンジン150から出力されるトルクTeを徐々に減
少させる処理が終了するときには(時間t5)、エンジ
ン150はトルクの出力なしに目標回転数Ne*で回転
するよう制御されているから、モータMG2からはトル
ク指令値Tr*に相当するトルクが出力されることにな
る。したがって、この状態のときにモータMG1からの
出力を停止すると共にエンジン150の運転を停止すれ
ば、リングギヤ軸126にトルクショックを生じること
なく、エンジン150の回転エネルギが熱として消費さ
れて、時間T6で図10の共線図に示すように、エンジ
ン150が停止し、モータMG1が空回りする状態に落
ち着く。なお、このときモータMG2のトルク指令値T
m2*にはトルク指令値Tr*が設定されるから、リン
グギヤ軸126にはトルク指令値Tr*に相当するトル
クが安定して出力される。
におけるエンジン停止制御によれば、目標空燃比をリー
ン側に設定すると共に、スロットルバルブ166の開度
SVP,点火進角FTおよび吸気弁152の開閉タイミ
ングVTをそれぞれ最終開度SVP2,最遅角FT1お
よび最遅角VT1に向けて徐々に減少させることによ
り、エンジン150から出力されるトルクを値0に向け
て徐々に減少させることができる。しかも、この減少の
最中にサンギヤ軸125が目標回転数Ns*で安定して
回転するようモータMG1を制御すると共に、エンジン
150からプラネタリギヤ120を介して出力されるト
ルクとトルク指令値Tr*との偏差のトルクがモータM
G2から出力されるようモータMG2を制御するから、
トルク指令値Tr*に相当するトルクを安定してリング
ギヤ軸126に出力することができる。この結果、リン
グギヤ軸126延いては駆動軸112に生じるトルク変
動をより小さくすることができる。
きには、目標空燃比をリーン側に設定すると共に、スロ
ットルバルブ166の開度SVPを目標とする回転数で
トルクの出力なしにエンジン150を運転できる最終開
度SVP2とし、点火進角FTも吸気弁152の開閉タ
イミングVTもエンジン150から出力されるトルクが
小さくなる最遅角FT1や最遅角VT1としているか
ら、運転停止直前のエンジン150から出力されるトル
クは極めて小さな値となり、運転停止に伴ってリングギ
ヤ軸126に生じるトルクショックを小さくすることが
できる。
出力なしに目標回転数Ne*の回転数でエンジン150
が運転されるようにするために、目標空燃比をリーン側
に設定すると共に、スロットルバルブ166の開度SV
P,点火進角FTおよび吸気弁152の開閉タイミング
VTをそれぞれ最終開度SVP2,最遅角FT1および
最遅角VT1に向けて徐々に減少させたが、これらのす
べてを行なわず一つあるいは2以上の処理を組み合わせ
ることにより、トルクの出力なしに目標回転数Ne*の
回転数でエンジン150が運転されるようにするものと
してもよい。
ンジン150の運転を停止する際に、まず、エンジン1
50をトルクの出力なしに目標回転数Ne*で運転する
状態とするために、目標空燃比をリーン側に設定すると
共に、スロットルバルブ166の開度SVP,点火進角
FTおよび吸気弁152の開閉タイミングVTをそれぞ
れ最終開度SVP2,最遅角FT1および最遅角VT1
に向けて比例的に徐々に減少させたが、比例的に減少さ
せず2次あるいは3次関数的に減少させるものとしても
よい。また、エンジン150から出力されるトルクが比
例的に減少するようスロットルバルブ166の開度SV
P,点火進角FTおよび吸気弁152の開閉タイミング
VTを減少させるものとしてもよい。この場合、その減
少量は実験などにより求めることができる。
標空燃比をリーン側に設定すると共に、スロットルバル
ブ166の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁15
2の開閉タイミングVTをそれぞれ最終開度SVP2,
最遅角FT1および最遅角VT1に向けて同じ割合で同
時に目標値に到達するよう徐々に減少させたが、異なる
割合で異なる時に目標値に到達するよう減少させるもの
としてもよい。
ン150の運転を停止する信号が出力されたときに図1
8のエンジン停止制御ルーチンを実行してエンジン15
0の運転を停止するものとしたが、エンジン150の目
標とする運転ポイントとして目標トルクTe*に値0が
設定されたときにエンジン150の運転を停止するもの
と判断し、エンジン停止制御ルーチンを実行してエンジ
ン150の運転を停止するものとしてもよい。
ギヤ軸126に出力された動力をリングギヤ122に結
合された動力取出ギヤ128を介してモータMG1とモ
ータMG2との間から取り出したが、リングギヤ軸12
6を延出してケース115から取り出すものとしてもよ
い。また、エンジン150側からプラネタリギヤ12
0,モータMG2,モータMG1の順になるよう配置し
てもよい。この場合、サンギヤ軸125は中空でなくて
もよく、リングギヤ軸126は中空軸とする必要があ
る。こうすれば、リングギヤ軸126に出力された動力
をエンジン150とモータMG2との間から取り出すこ
とができる。
あるいはFF型の2輪駆動の車両に適用するものとした
が、図20の変形例の動力出力装置110Bに示すよう
に、4輪駆動の車両に適用するものとしてもよい。この
構成では、リングギヤ軸126に結合していたモータM
G2をリングギヤ軸126より分離して、車両の後輪部
に独立して配置し、このモータMG2によって後輪部の
駆動輪117,119を駆動する。一方、リングギヤ軸
126は動力取出ギヤ128および動力伝達ギヤ111
を介してディファレンシャルギヤ114に結合されて前
輪部の駆動輪116,118を駆動する。このような構
成の下においても、前述した図7の出力エネルギ演算ル
ーチン,図8および図9のエンジン始動制御ルーチンお
よび図18のエンジン停止制御ルーチンを実行すること
は可能である。
3軸式動力入出力手段としてプラネタリギヤ120を用
いたが、一方はサンギヤと他方はリングギヤとギヤ結合
すると共に互いにギヤ結合しサンギヤの外周を自転しな
がら公転する2つ1組の複数組みのプラネタリピニオン
ギヤを備えるダブルピニオンプラネタリギヤを用いるも
のとしてもよい。この他、3軸式動力入出力手段として
3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力を決定すれ
ば、この決定した動力に基づいて残余の1軸に入出力さ
れる動力を決定されるものであれば如何なる装置やギヤ
ユニット等、例えば、ディファレンシャルギヤ等を用い
ることもできる。
出力装置220について説明する。図21は第2実施例
の動力出力装置220の概略構成を示す構成図、図22
は第2実施例の動力出力装置220を組み込んだ車両の
概略構成を示す構成図である。第2実施例の動力出力装
置220が組み込まれた車両は、図22に示すように、
クランクシャフト256にプラネタリギヤ120,モー
タMG1およびモータMG2が取り付けられている代わ
りにクラッチモータ230とアシストモータ240とが
取り付けられている点を除いて第1実施例の動力出力装
置110が組み込まれた車両(図3)と同様の構成をし
ている。したがって、第2実施例の動力出力装置220
の構成のうち第1実施例の動力出力装置110と同一の
構成については、100番台の符号を200番台の符号
とし、その説明は省略する。なお、第2実施例の動力出
力装置220の説明でも、明示しない限り第1実施例の
動力出力装置110の説明の際に用いた符号はそのまま
同じ意味で用いる。
置220は、大きくは、エンジン250と、エンジン2
50のクランクシャフト256にアウタロータ232が
結合されると共に駆動軸222にインナロータ234が
結合されたクラッチモータ230と、駆動軸222に結
合されたロータ242を有するアシストモータ240
と、クラッチモータ230およびアシストモータ240
を駆動制御する制御装置280とから構成されている。
うに、アウタロータ232の内周面に永久磁石235を
備え、インナロータ234に形成されたスロットに三相
のコイル236を巻回する同期電動機として構成されて
いる。この三相コイル236への電力は、スリップリン
グ238を介して供給される。インナロータ234にお
いて三相コイル236用のスロットおよびティースを形
成する部分は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層すること
で構成されている。なお、クランクシャフト256に
は、その回転角度θeを検出するレゾルバ239が設け
られているが、このレゾルバ239は、ディストリビュ
ータ260に設けられた回転角度センサ278と兼用す
ることも可能である。
として構成されているが、回転磁界を形成する三相コイ
ル244は、ケース245に固定されたステータ243
に巻回されている。このステータ243も、無方向性電
磁鋼板の薄板を積層することで形成されている。ロータ
242の外周面には、複数個の永久磁石246が設けら
れている。アシストモータ240では、この永久磁石2
46により磁界と三相コイル244が形成する磁界との
相互作用により、ロータ242が回転する。ロータ24
2が機械的に結合された軸は、動力出力装置220のト
ルクの出力軸である駆動軸222であり、駆動軸222
には、その回転角度θdを検出するレゾルバ248が設
けられている。また、駆動軸222は、ケース245に
設けられたベアリング249により軸支されている。
タ240とは、クラッチモータ230のインナロータ2
34がアシストモータ240のロータ242、延いては
駆動軸222に機械的に結合されている。したがって、
エンジン250と両モータ230,240との関係を簡
略に言えば、エンジン250からクランクシャフト25
6に出力された軸トルクがクラッチモータ230のアウ
タロータ232およびインナロータ234を介して駆動
軸222に出力され、アシストモータ240からのトル
クがこれに加減算されるということになる。
型三相同期モータとして構成されているが、クラッチモ
ータ230は、永久磁石235を有するアウタロータ2
32も三相コイル236を備えたインナロータ234
も、共に回転するよう構成されている。そこで、クラッ
チモータ230の構成の詳細について、さらに説明す
る。クラッチモータ230のアウタロータ232はクラ
ンクシャフト256に、インナロータ234は駆動軸2
22に結合されており、アウタロータ232に永久磁石
235が設けられていることは既に説明した。この永久
磁石235は、実施例では8個(N極,S極が各4個)
設けられており、アウタロータ232の内周面に貼付さ
れている。その磁化方向はクラッチモータ230の軸中
心に向かう方向であり、一つおきに磁極の方向は逆向き
になっている。この永久磁石235と僅かなギャップに
より対向するインナロータ234の三相コイル236
は、インナロータ234に設けられた計12個のスロッ
ト(図示せず)に巻回されており、各コイルに通電する
と、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成する。
各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転する。三
相コイル236の各々は、スリップリング238から電
力の供給を受けるよう接続されている。このスリップリ
ング238は、駆動軸222に固定された回転リング2
38aとブラシ238bとから構成されている。なお、
三相(U,V,W相)の電流をやり取りするために、ス
リップリング238には三相分の回転リング238aと
ブラシ238bとが用意されている。
磁界と、インナロータ234に設けられた三相コイル2
36が形成する回転磁界との相互作用により、アウタロ
ータ232とインナロータ234とは種々の振る舞いを
示す。通常は、三相コイル236に流す三相交流の周波
数は、クランクシャフト256に直結されたアウタロー
タ232の回転数とインナロータ234の回転数との偏
差の4倍の周波数としている。
力装置220が備える制御装置280は、第1実施例の
動力出力装置110が備える制御装置180と同様に構
成されている。すなわち、制御装置280は、クラッチ
モータ230を駆動する第1の駆動回路291、アシス
トモータ240を駆動する第2の駆動回路292、両駆
動回路291,292を制御する制御CPU290と、
二次電池であるバッテリ294とから構成されており、
制御CPU290は、内部に、ワーク用のRAM290
a、処理プログラムを記憶したROM290b、入出力
ポート(図示せず)およびEFIECU270と通信を
行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この
制御CPU290には、レゾルバ239からのエンジン
250の回転角度θe、レゾルバ248からの駆動軸2
22の回転角度θd、アクセルペダルポジションセンサ
264aからのアクセルペダルポジションAP、ブレー
キポジションセンサ265aからのブレーキペダルポジ
ションBP、シフトポジションセンサ284からのシフ
トポジションSP、第1の駆動回路291に設けられた
2つの電流検出器295,296からのクラッチ電流値
Iuc,Ivc、第2の駆動回路292に設けられた2
つの電流検出器297,298からのアシスト電流値I
ua,Iva、バッテリ294の残容量を検出する残容
量検出器299からの残容量BRMなどが、入力ポートを
介して入力されている。
動回路291に設けられたスイッチング素子である6個
のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号
SW1と、第2の駆動回路292に設けられたスイッチ
ング素子としての6個のトランジスタTr11ないしT
r16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。
この第1の駆動回路291および第2の駆動回路292
内の各々6個のトランジスタTr1ないしTr6,トラ
ンジスタTr11ないしTr16は、それぞれトランジ
スタインバータを構成しており、それぞれ、一対の電源
ラインL1,L2に対してソース側とシンク側となるよ
う2個ずつペアで配置され、その接続点に、第1の駆動
回路291ではクラッチモータ230の三相コイル(U
VW)236の各々がスリップリング238を介して、
第2の駆動回路292ではアシストモータ240の三相
コイル244の各々が接続されている。電源ラインL
1,L2は、バッテリ294のプラス側とマイナス側に
それぞれ接続されている。したがって、制御CPU29
0により対をなすトランジスタTr1ないしTr6,ト
ランジスタTr11ないしTr16のオン時間の割合を
制御信号SW1,SW2により順次制御し、三相コイル
236,244に流れる電流をPWM制御によって擬似
的な正弦波にすると、三相コイル236,244によ
り、回転磁界が形成される。
作について説明する。第2実施例の動力出力装置220
の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りであ
る。エンジン250がEFIECU270により運転さ
れ、エンジン250の回転数Neが所定の回転数N1で
回転しているとする。このとき、制御装置280がスリ
ップリング238を介してクラッチモータ230の三相
コイル236に何等電流を流していないとすれば、すな
わち第1の駆動回路291のトランジスタTr1,3,
5をオフとしトランジスタTr2,4,6をオンとした
状態であれば、三相コイル236には何等の電流も流れ
ないから、クラッチモータ230のアウタロータ232
とインナロータ234とは電磁的に全く結合されていな
い状態となり、エンジン250のクランクシャフト25
6は空回りしている状態となる。この状態では、三相コ
イル236からの回生も行なわれない。すなわち、エン
ジン250はアイドル回転をしていることになる。
信号SW1を出力してトランジスタTr1ないしTr6
をオンオフ制御すると、エンジン250のクランクシャ
フト256の回転数Neと駆動軸222の回転数Ndと
の偏差(言い換えれば、クラッチモータ230における
アウタロータ232とインナロータ234の回転数差N
c(Ne−Nd))に応じて、クラッチモータ230の
三相コイル236に一定の電流が流れ、クラッチモータ
230は発電機として機能し、電流が第1の駆動回路2
91を介して回生され、バッテリ294が充電される。
このとき、アウタロータ232とインナロータ234と
は一定の滑りが存在する結合状態となり、インナロータ
234は、エンジン250の回転数Ne(クランクシャ
フト256の回転数)よりは低い回転数Ndで回転す
る。この状態で、回生される電気エネルギと等しいエネ
ルギがアシストモータ240で消費されるように、制御
CPU290により第2の駆動回路292を制御する
と、アシストモータ240の三相コイル244に電流が
流れ、アシストモータ240においてトルクが発生す
る。
数N1,トルクT1の運転ポイントP1で運転している
ときに、クラッチモータ230でトルクT1を駆動軸2
22に伝達すると共に領域G1で表わされるエネルギを
回生し、この回生されたエネルギを領域G2で表わされ
るエネルギとしてアシストモータ240に供給すること
により、駆動軸222を回転数N2,トルクT2の運転
ポイントP2で回転させることができる。
の回転数N2でトルクTeがトルクT2で運転されてお
り、駆動軸222が回転数N2より大きな回転数N1で
回転している場合を考える。この状態では、クラッチモ
ータ230のインナロータ234は、アウタロータ23
2に対して回転数差Nc(Ne−Nd)の絶対値で示さ
れる回転数で駆動軸222の回転方向に回転するから、
クラッチモータ230は、通常のモータとして機能し、
バッテリ294から放電される電気エネルギにより駆動
軸222に回転エネルギを与える。一方、制御CPU2
90によりアシストモータ240により電力を回生する
よう第2の駆動回路292を制御すると、アシストモー
タ240のロータ242とステータ243との間の滑り
により三相コイル244に回生電流が流れる。ここで、
アシストモータ240により回生される電力がクラッチ
モータ230により消費されるよう制御CPU290に
より第1および第2の駆動回路291,292を制御す
れば、クラッチモータ230を、バッテリ294に蓄え
られた電力を用いることなく駆動することができる。
6が回転数N2,トルクT2で運転しているときに、領
域G1と領域G3との和として表わされるエネルギをク
ラッチモータ230に供給して駆動軸222にトルクT
2を出力すると共に、クラッチモータ230に供給する
エネルギを領域G2と領域G3との和として表わされる
エネルギとしてアシストモータ240から回生して賄う
ことにより、駆動軸222を回転数N1,トルクT1の
運転ポイントP2で回転させることができるのである。
こうしたエンジン250から出力される動力のすべてを
トルク変換して駆動軸222に出力する動作の他に、エ
ンジン250から出力される動力(トルクTeと回転数
Neとの積)と、クラッチモータ230により回生また
は消費される電気エネルギと、アシストモータ240に
より消費または回生される電気エネルギとを調節するこ
とにより、余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ2
94を放電する動作としたり、不足する電気エネルギを
バッテリ294に蓄えられた電力により補う動作とする
こともできる。また、クラッチモータ230のトルクT
cを値0とすると共にエンジン250の運転を停止した
状態でバッテリ294から放電される電力を用いてアシ
ストモータ240から出力されるトルクTaだけで駆動
する動作とすることもできる。
4から放電される電力を用いてアシストモータ240か
ら出力されるトルクTaだけで駆動軸222を駆動する
動作状態にあるときに、エンジン250を始動すると共
に、始動したエンジン250から出力されるエネルギP
eとバッテリ294から出力される放電エネルギPbo
とをエネルギ変換して駆動する動作に移行する際の制御
について図24に例示する出力エネルギ演算ルーチンお
よび図25,図26に例示するエンジン始動制御ルーチ
ンに基づき説明する。なお、出力エネルギ演算ルーチン
は、第1実施例で説明した図7の出力エネルギ演算ルー
チンと同様に、こうした移行時の制御として行なわれる
ものではなく、動力出力装置220が上述の基本的なト
ルク変換の動作状態にあるときやバッテリ294の充放
電を伴う動作状態にあるとき、あるいは、アシストモー
タ240から出力されるトルクTaだけで駆動する動作
状態にあるときなど、種々の動作状態にあるときに所定
時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される
ものである。
5および図26のエンジン始動制御ルーチンは、リング
ギヤ軸126へ出力すべきトルクの指令値Tr*やエネ
ルギPrに代えて駆動軸222へ出力すべきトルクの指
令値Td*やエネルギPdを用いたこと、プラネタリギ
ヤ120やモータMG1,モータMG2に代えてクラッ
チモータ230やアシストモータ240を用いたことに
伴ってトルクの計算手法が異なることを除いて第1実施
例の図7の出力エネルギ演算ルーチンや図8および図9
のエンジン始動制御ルーチンと同様である。したがっ
て、これらのルーチンについては、第1実施例のルーチ
ンと異なる点を中心に簡単に説明するまでに止める。
ンが実行されると、制御装置280の制御CPU290
は、まず、駆動軸222の回転数Ndを読み込む処理を
実行する(ステップS300)。ここで、駆動軸222
の回転数Ndは、レゾルバ248により検出される駆動
軸222の回転角度θdから求めることができる。続い
て、アクセルペダルポジションセンサ264aによって
検出されるアクセルペダルポジションAPを入力し(ス
テップS302)、読み込んだアクセルペダルポジショ
ンAPと駆動軸222の回転数Ndとに基づいて駆動軸
222に出力すべきトルクの目標値であるトルク指令値
Td*を導出する処理を行なう(ステップS304)。
トルク指令値Td*の導出は、第1実施例と同様の手法
による。次に、導出したトルク指令値Td*と駆動軸2
22の回転数Ndとから、駆動軸222に出力すべきエ
ネルギPdを計算(Pd=Nd×Td*)により求めて
(ステップS306)、本ルーチンを終了する。
の指令値Td*やエネルギPdが求められると、この値
を用いてエンジン250の運転やバッテリ294からの
充放電エネルギ,クラッチモータ230のトルク指令値
Tc*およびアシストモータ240のトルク指令値Ta
*が設定され、エンジン250,クラッチモータ230
およびアシストモータ240の制御が行なわれる。い
ま、動力出力装置220の動作状態として、アシストモ
ータ240から出力されるトルクTaだけで駆動する動
作状態を考えているから、エンジン250の運転は停止
され、クラッチモータ230のトルク指令値Tc*には
値0、アシストモータ240のトルク指令値Ta*には
トルク指令値Td*が設定されてその運転が制御される
ことになる。
動する信号が出力されると、図25および図26に例示
するエンジン始動制御ルーチンが実行される。本ルーチ
ンが実行されると、制御装置280の制御CPU290
は、まず、残容量検出器299により検出されるバッテ
リ294の残容量BRMを読み込み(ステップS31
0)、図24の出力エネルギ演算ルーチンにより設定さ
れたエネルギPdとバッテリ294の残容量BRMとに基
づいてエンジン250から出力すべきエネルギPeを設
定する(ステップS312)。第2実施例でも、第1実
施例と同様に、エネルギPdとバッテリ294の残容量
BRMとがそれぞれ所定の範囲内にあか否かによって、エ
ネルギPdのすべてをエンジン250から出力されるエ
ネルギPeで賄ったり、その一部をエンジン250から
出力されるエネルギPeで賄うと共に残余をバッテリ2
94から放電される電気エネルギにより賄ったり、ある
いはエンジン250から出力されるエネルギPeの一部
をエネルギPdとして出力すると共に残余のエネルギに
よりバッテリ294を充電するものとしてエネルギPe
を設定するものとした。
ンジン250の目標回転数Ne*と目標トルクTe*と
を設定し(ステップS314)、図8および図9のエン
ジン始動制御ルーチンのステップS118ないしS12
6の処理と同一のステップS318ないしS326の処
理、すなわち、スロットルバルブ266の初期開度SV
P1や目標開度SVP*の設定,スロットルバルブ26
6の開度SVPの初期開度SVP1への設定,点火進角
FTの最遅角FT1への設定,吸気弁152の開閉タイ
ミングVTの最遅角VT1への設定,目標空燃比のリー
ン側への設定の処理を行なう。そして、エンジン250
の目標回転数Ne*に基づいてクラッチモータ230の
トルク指令値Tc*に設定すると共に(ステップS32
8)、トルク指令値Td*からトルク指令値Tc*を減
じた値をアシストモータ240のトルク指令値Ta*に
設定する(ステップS330)。ここで、クラッチモー
タ230のトルク指令値Tc*に設定される値は、ステ
ップS320ないしS326の運転条件が設定されたエ
ンジン250を目標回転数Ne*で回転させるのに必要
なトルクの値であり、トルクの符号をクランクシャフト
256の回転方向のトルクが駆動軸222に作用すると
きを正とすれば、負の値のトルクとなる。
ルク指令値Tc*とアシストモータ240のトルク指令
値Ta*とが設定されると、クラッチモータ230とア
シストモータ240は、それぞれ所定時間毎(例えば4
msec毎)に割込処理として繰り返し実行される図2
7に例示するクラッチモータ制御ルーチンと図28に例
示するアシストモータ制御ルーチンとによって駆動制御
される。各制御ルーチンは、クラッチモータ230の電
気角θcをクランクシャフト256の回転角度θeと駆
動軸222の回転角度θdとの偏差によって計算する点
を除いて第1実施例で説明した図15のモータMG1の
制御ルーチンや図16のモータMG2の制御ルーチンと
同様であるから、これらの説明は省略する。
ルク指令値Tc*の符号を上述したようにクランクシャ
フト256の回転方向のトルクが駆動軸222に作用す
るときを正とすれば、正の値のトルク指令値Tc*が設
定されても、エンジン250の回転数Neが駆動軸22
2の回転数Ndより大きいとき(正の値の回転数差Nc
(Ne−Nd)が生じるとき)には、回転数差Ncに応
じた回生電流を発生させる回生制御がなされ、回転数N
eが回転数Ndより小さいとき(負の値の回転数差Nc
(Ne−Nd)が生じるとき)には、クランクシャフト
256に対して相対的に回転数差Ncの絶対値で示され
る回転数で駆動軸222の回転方向に回転する力行制御
がなされる。クラッチモータ230の回生制御と力行制
御は、トルク指令値Tc*が正の値であれば、共にアウ
タロータ232に取り付けられた永久磁石235と、イ
ンナロータ234の三相コイル236に流れる電流によ
り生じる回転磁界とにより正の値のトルクが駆動軸22
2に作用するよう第1の駆動回路291のトランジスタ
Tr1ないしTr6を制御するものであるから、同一の
スイッチング制御となる。即ち、トルク指令値Tc*の
符号が同じであれば、クラッチモータ230の制御が回
生制御であっても力行制御であっても同じスイッチング
制御となる。したがって、図27のクラッチモータ制御
ルーチンで回生制御と力行制御のいずれも行なうことが
できる。また、トルク指令値Tc*が負の値のとき、即
ち駆動軸222を制動しているときや車両を後進させて
いるときは、ステップS362の電気角θcの変化の方
向が逆になるから、この際の制御も図27のクラッチモ
ータ制御処理により行なうことができる。
指令値Tc*とアシストモータ240のトルク指令値T
a*とを設定し、クラッチモータ230とアシストモー
タ240とをそれぞれ駆動制御することにより、エンジ
ン250を目標回転数Ne*までモータリングすると共
に、エンジン250のモータリングに拘わらず駆動軸2
22にトルク指令値Td*に相当するトルクを安定して
出力することができる。
込み(ステップS332)、読み込んだ回転数Neをエ
ンジン250の目標回転数Ne*と比較する(ステップ
S334)、回転数Neと目標回転数Ne*との偏差が
偏差△Ne以上のときには、ステップS330のアシス
トモータ240のトルク指令値Ta*の設定処理に戻っ
てステップS330ないしS334の処理を繰り返す。
ここで、偏差△Neは、第1実施例の偏差△Nsに相当
するものであり、エンジン始動制御ルーチンの処理を迅
速に進めるために用いられるものである。このように、
エンジン250の回転数Neが目標回転数Ne*に近づ
くまでアシストモータ240のトルク指令値Ta*を設
定し直すことにより、その途中でアクセルペダル264
の踏込量に変化が生じ、駆動軸222へ出力すべきトル
クの要求値であるトルク指令値Td*が変更されても、
駆動軸222に変更されたトルク指令値Td*に相当す
るトルクを出力することができる。
Ne*に近づいてその偏差が偏差△Ne未満になると、
燃料噴射弁251から噴射する燃料噴射量の制御や点火
プラグ262から火花点火する点火制御などを開始し
(ステップS336)、エンジン250が始動するのを
確認する(ステップS338)。ここでの燃料噴射制御
や点火制御などのエンジン250の運転制御は、ステッ
プS320ないしS326によって設定されたスロット
ルバルブ266の開度SVP,点火進角FT,吸気弁2
52の開閉タイミングVTおよび目標空燃比に基づいて
行なわれるから、エンジン250の運転は、トルクの出
力なしに目標回転数Ne*で回転するよう制御されるこ
とになる。
および図9のエンジン始動制御ルーチンのステップS1
40ないしS146の処理と同一のステップS340な
いしS346の処理、すなわち目標空燃比の理論空燃比
への設定,スロットルバルブ266の開度SVPの増
加、点火進角FTの進角,開閉タイミングVTの進角の
処理を行なう。そして、エンジン250の回転数Neを
読み込み(ステップS348)、読み込んだ回転数Ne
と目標回転数Ne*とに基づいて次式(13)によりク
ラッチモータ230のトルク指令値Tc*を設定すると
共に(ステップS350)、トルク指令値Td*からト
ルク指令値Tc*を減じた値をアシストモータ240の
トルク指令値Ta*に設定する(ステップS352)。
ここで、式(13)中の右辺第1項はエンジン250の
回転数Neと目標回転数Ne*との偏差に基づく補正
項、右辺第2項はエンジン250の回転数Neの目標回
転数Ne*に対する定常偏差を解消するための積分項で
あり、K3とK4は定数である。このようにクラッチモ
ータ230のトルク指令値Tc*を設定することによ
り、エンジン250を目標回転数Ne*で回転させるこ
とができる。また、トルク指令値Td*からトルク指令
値Tc*を減じた値をアシストモータ240のトルク指
令値Ta*に設定することにより、駆動軸222にトル
ク指令値Tr*に相当するトルクを出力することができ
る。
(ステップS354)、カウンタCを繰り返し回数Cs
etと比較して(ステップS356)、カウンタCが繰
り返し回数Cset以上となるまでステップS342な
いしS356の処理を繰り返して本ルーチンを終了す
る。
したときのタイミングチャートを図29に例示する。図
示するように、時間t1にエンジン始動制御ルーチンの
実行が開始されると、目標空燃比をリーン側に、スロッ
トルバルブ266の開度SVPに初期開度SVP1を、
点火進角FTに最遅角FT1を,吸気弁252の開閉タ
イミングVTに最遅角VT1をそれぞれ設定し、クラッ
チモータ230のトルク指令値Tc*にエンジン250
をモータリングするためのトルクを設定すると共にアシ
ストモータ240のトルク指令値Ta*にこのモータリ
ングに伴ってクラッチモータ230から駆動軸222に
出力されるトルクを打ち消すトルクをトルク指令値Td
*に加えて設定する。この結果、エンジン250はモー
タリングされてその回転数が目標回転数Ne*に近づく
が、こうしたモータリングによっても駆動軸222には
安定してトルク指令値Td*に相当するトルクが出力さ
れ、トルクショックは生じない。
Ne*との偏差が偏差△Ne未満となると(時間t
2)、燃料噴射制御や点火制御などが開始され、エンジ
ン250の運転が開始される。このとき、エンジン25
0は、目標空燃比がリーン側に、スロットルバルブ26
6の開度SVPが初期開度SVP1に、点火進角FTが
最遅角FT1に,吸気弁252の開閉タイミングVTが
最遅角VT1にそれぞれ設定されているから、トルクの
出力なしに目標回転数Ne*で回転するよう運転される
ことになる。なお、エンジン250から出力されるトル
クはエンジン250の温度や燃料の性状,吸気系のデポ
ジットなどによって変化するから、上述のように制御さ
れても若干の正のトルクあるいは負のトルクが出力され
ることになるが、その値は小さいから駆動軸222に生
じるトルクショックとしては小さなものとなる。
にストイキな理論空燃比が設定され、スロットルバルブ
266の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁252
の開閉タイミングVTがそれぞれ目標開度SVP*,最
適進角FT*および最適開閉タイミングVT*に向けて
徐々に増加される。こうした増加により、エンジン25
0から出力されるトルクは目標トルクTe*に向けて徐
々に増加する。このとき、クラッチモータ230はエン
ジン250が目標回転数Ne*で安定して回転するよう
に制御され、アシストモータ240はクラッチモータ2
30から駆動軸222に出力されるトルクを打ち消すよ
う制御されるから、駆動軸222には安定してトルク指
令値Td*に相当するトルクが出力される。
VPが目標開度SVP*に,点火進角FTが最適進角F
T*に、吸気弁252の開閉タイミングVTが最適開閉
タイミングVT*になったときには(時間t3)、エン
ジン250は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*と
で表わされる運転ポイントで運転され、エンジン250
から出力されるエネルギPeとバッテリ294から充放
電される電気エネルギとがエネルギ変換されて、駆動軸
222にトルク指令値Td*に相当するトルクが出力さ
れる。
バッテリ294からの充放電なしにエンジン250から
出力されるエネルギPeをエネルギ変換して駆動軸22
2に出力している最中や、バッテリ294から充放電さ
れる電気エネルギとエンジン250から出力されるエネ
ルギPeとをエネルギ変換して駆動軸222に出力して
いる最中に、エンジン250の運転停止の信号が出力さ
れたときのエンジン250の運転停止制御について説明
する。この制御は、図30に例示するエンジン停止制御
ルーチンによって行なわれる。図示するように、このエ
ンジン停止制御ルーチンは、サンギヤ軸125が目標回
転数Ns*で回転するようモータMG1のトルク指令値
Tm1*を設定する処理(ステップS194およびS1
96)に代えてエンジン250が目標回転数Ne*で回
転するようクラッチモータ230のトルク指令値Tc*
を設定する処理(ステップS394およびS396)を
行なう点と、式(5)によりモータMG2のトルク指令
値Tm2*を設定する処理(ステップS198)に代え
てトルク指令値Td*からクラッチモータ230のトル
ク指令値Tc*を減じた値をアシストモータ240のト
ルク指令値Ta*に設定する処理(ステップS398)
を行なう点とが相違するだけで図18のエンジン停止制
御ルーチンと同一である。これらの相違は、プラネタリ
ギヤ120,モータMG1およびモータMG2に代えて
クラッチモータ230およびアシストモータ240を備
える構成の相違に基づくものである。したがって、エン
ジン250を停止する制御についてのこれ以上の説明は
省略する。なお、こうしたエンジン停止制御ルーチンを
実行したときのタイミングチャートは図31のようにな
る。
20によれば、第1実施例の動力出力装置110が実行
する図8および図9のエンジン始動制御ルーチンや図1
8のエンジン停止制御ルーチンと同様の図25および図
26のエンジン始動制御ルーチンや図30のエンジン停
止制御ルーチンを実行することにより、第1実施例の動
力出力装置110が奏する効果と同様の効果を奏するこ
とができる。すなわち、エンジン250の始動時には、
エンジン250をモータリングするときにスロットル
バルブ266の開度SVPを目標とする回転数でトルク
の出力なしにエンジン250を運転できる初期開度SV
P1とすると共に吸気弁252の開閉タイミングVTを
吸入空気量が少なくなる最遅角VT1とすることによ
り、モータリングに必要なトルクを小さくしてエンジン
250のモータリングの際に駆動軸222に生じるトル
クショックを小さくすることができる効果や、このモ
ータリングに伴って駆動軸222に出力されるトルクを
打ち消すようアシストモータ240のトルクを制御する
ことにより、モータリングの際に駆動軸222に生じる
トルクショックを更に小さくすることができる効果、あ
るいは、エンジン250が始動してから目標空燃比を
ストイキな理論空燃比に設定すると共にスロットルバル
ブ266の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁25
2の開閉タイミングVTをそれぞれ目標開度SVP*,
最適進角FT*および最適開閉タイミングVT*に向け
て徐々に増加することにより、エンジン250から出力
されるトルクを目標トルクTe*に向けて徐々に増加す
ることができる効果、この増加の最中にエンジン25
0が目標回転数Ne*で安定して回転するようクラッチ
モータ230を制御すると共にクラッチモータ230か
ら駆動軸222に出力されるトルクを打ち消すようアシ
ストモータ240を制御することにより、トルク指令値
Td*に相当するトルクを安定して駆動軸222に出力
することができる効果などを奏することができる。
目標空燃比をリーン側に設定すると共にスロットルバ
ルブ266の開度SVP,点火進角FTおよび吸気弁2
52の開閉タイミングVTをそれぞれ最終開度SVP
2,最遅角FT1および最遅角VT1に向けて徐々に減
少させることにより、エンジン250から出力されるト
ルクを値0に向けて徐々に減少させることができる効果
や、この減少の最中にエンジン250が目標回転数N
e*で安定して回転するようクラッチモータ230を制
御すると共にクラッチモータ230から駆動軸222に
出力されるトルクを打ち消すようアシストモータ240
を制御することにより、トルク指令値Td*に相当する
トルクを安定して駆動軸222に出力することができる
効果、あるいは、エンジン250の運転を停止すると
きに目標空燃比をリーン側に設定すると共にスロットル
バルブ266の開度SVPを目標とする回転数でトルク
の出力なしにエンジン250を運転できる最終開度SV
P2とし、点火進角FTや吸気弁252の開閉タイミン
グVTもエンジン250から出力されるトルクが小さく
なる最遅角FT1や最遅角VT1とすることにより、運
転停止直前のエンジン250から出力されるトルクを極
めて小さな値として、運転停止に伴って駆動軸222に
生じるトルクショックを小さくすることができる効果な
どを奏することができる。
も、第1実施例の動力出力装置110の変形例、例え
ば、目標空燃比のリーン側への設定やスロットルバル
ブ166の開度SVPの初期開度SVP1への設定、点
火進角FTの最遅角FT1への設定,吸気弁152の開
閉タイミングVTの最遅角VT1への設定の一つあるい
は2以上を行なってエンジン150を始動する変形例
や、目標空燃比に理論空燃比を設定すると共に、スロ
ットルバルブ166の開度SVP,点火進角FTおよび
吸気弁152の開閉タイミングVTをそれぞれ目標開度
SVP*,最適進角FT*および最適開閉タイミングV
T*に向けて異なる割合で異なる時に目標値に到達する
よう増加させる変形例、目標空燃比をリーン側に設定
すると共にスロットルバルブ166の開度SVP,点火
進角FTおよび吸気弁152の開閉タイミングVTをそ
れぞれ最終開度SVP2,最遅角FT1および最遅角V
T1に向けて異なる割合で異なる時に目標値に到達する
よう減少させる変形例などのハード構成に依存しない種
々の変形例とした際に適用した事項についても同様に行
なうことができる。
0では、クラッチモータ230とアシストモータ240
とをそれぞれ別個に駆動軸222に取り付けたが、図3
2に例示する変形例の動力出力装置220Aのように、
クラッチモータとアシストモータとが一体となるよう構
成してもよい。この変形例の動力出力装置220Aの構
成について以下に簡単に説明する。図示するように、変
形例の動力出力装置220Aのクラッチモータ230A
は、クランクシャフト256に結合したインナロータ2
34Aと、駆動軸222に結合したアウタロータ232
Aとから構成され、インナロータ234Aには三相コイ
ル236Aが取り付けられており、アウタロータ232
Aには永久磁石235Aがその外周面側の磁極と内周面
側の磁極とが異なるよう嵌め込まれている。なお、図示
しないが、永久磁石235Aの外周面側の磁極と内周面
側の磁極との間には、非磁性体により構成された部材が
嵌挿されている。一方、アシストモータ240Aは、こ
のクラッチモータ230Aのアウタロータ232Aと、
三相コイル244が取り付けられたステータ243とか
ら構成される。すなわち、クラッチモータ230Aのア
ウタロータ232Aがアシストモータ240Aのロータ
を兼ねる構成となっている。なお、クランクシャフト2
56に結合したインナロータ234Aに三相コイル23
6Aが取り付けられているから、クラッチモータ230
Aの三相コイル236Aに電力を供給するスリップリン
グ238は、クランクシャフト256に取り付けられて
いる。
アウタロータ232Aに嵌め込まれた永久磁石235A
の内周面側の磁極に対してインナロータ234Aの三相
コイル236Aに印加する電圧を制御することにより、
第2実施例の動力出力装置220のクラッチモータ23
0と同様に動作する。また、アウタロータ232Aに嵌
め込まれた永久磁石235Aの外周面側の磁極に対して
ステータ243の三相コイル244に印加する電圧を制
御することにより第2実施例の動力出力装置220のア
シストモータ240と同様に動作する。したがって、変
形例の動力出力装置220Aは、上述した第2実施例の
動力出力装置220が行なうすべての動作について同様
に動作する。
よれば、アウタロータ232Aがクラッチモータ230
Aのロータの一方とアシストモータ240Aのロータと
を兼ねるから、動力出力装置の小型化および軽量化を図
ることができる。
R型あるいはFF型の2輪駆動の車両に適用するものと
したが、図33の変形例の動力出力装置220Bに示す
ように、4輪駆動の車両に適用するものとしてもよい。
この場合、駆動軸222に機械的に結合していたアシス
トモータ240を駆動軸222より分離して、車両の後
輪部に独立して配置し、このアシストモータ240によ
って後輪部の駆動輪227,229を駆動する。一方、
駆動軸222の先端はギヤ223を介してディファレン
シャルギヤ224に結合されており、この駆動軸222
によって前輪部の駆動輪226,228を駆動する。こ
のような構成の下においても、前述した第2実施例を実
現することは可能である。
は、クラッチモータ230に対する電力の伝達手段とし
て回転リング238aとブラシ238bとからなるスリ
ップリング238を用いたが、回転リング−水銀接触、
磁気エネルギの半導体カップリング、回転トランス等を
用いることもできる。
装置110や第2実施例の動力出力装置220では、エ
ンジン150,250としてガソリンにより運転される
ガソリンエンジンを用いたが、その他に、ディーゼルエ
ンジンや、タービンエンジンや、ジェットエンジンなど
各種の内燃或いは外燃機関を用いることもできる。
第2実施例の動力出力装置220では、モータMG1や
モータMG2,クラッチモータ230やアシストモータ
240としてPM形(永久磁石形;Permanent Magnet t
ype)同期電動機を用いていたが、回生動作及び力行動
作を行なわせるのであれば、その他にも、VR形(可変
リラクタンス形;Variable Reluctance type)同期電動
機や、バーニアモータや、直流電動機や、誘導電動機
や、超電導モータや、ステップモータなどを用いること
もできる。
や第2実施例の動力出力装置220では、第1および第
2の駆動回路191,192,291,292としてト
ランジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT
(絶縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulate
d Gate Bipolar mode Transistor)インバータや、サイ
リスタインバータや、電圧PWM(パルス幅変調;Puls
e Width Modulation)インバータや、方形波インバータ
(電圧形インバータ,電流形インバータ)や、共振イン
バータなどを用いることもできる。
Pbバッテリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを
用いることができるが、バッテリ194,294に代え
てキャパシタを用いることもできる。
停止した状態で電動機のみか駆動軸に動力を出力してい
るときに原動機を始動する制御や原動機と電動機とから
駆動軸に動力を出力しているときに原動機の運転を停止
する制御は、原動機と電動機とから同時に駆動軸に動力
を出力できる動力出力装置であれば如何なるものであっ
てもよいから、例えば、図34に例示する動力出力装置
310のような構成にも適用できる。変形例の動力出力
装置310は、クラッチCLを介してクランクシャフト
CSが駆動軸DSと結合されたエンジンEGと、駆動軸
DSに取り付けられた発電可能なモータMG3と、モー
タMG3に電力を供給可能なバッテリBTと、エンジン
EGの運転やモータMG3の駆動,クラッチCLの係合
状態を制御する車両コントローラCCとを備える。な
お、駆動軸DSは、デファレンシャルギヤDGを介して
駆動輪AHに接続されている。
図24の出力エネルギ演算ルーチンと共に図35および
図36に例示するエンジン始動制御ルーチンを実行する
ことにより、モータMG3から出力される動力のみで駆
動している状態でエンジンEGを始動し、エンジンEG
から出力されるエネルギPeとバッテリBTから充放電
される電気エネルギによる駆動とすることができる。以
下にこの変形例の動力出力装置310におけるエンジン
始動制御やエンジン停止制御について簡単に説明する。
なお、第1実施例や第2実施例の説明に用いた符号は、
特に明示しない限り、そのまま同じ意味で用いる。
ーチンが実行されると、駆動軸DSの回転数Ndとバッ
テリBTの残容量BRMを入力し(ステップS510およ
びS512)、入力した残容量BRMとエネルギPdとに
基づいてエンジンEGから出力すべきエネルギPeを設
定する(ステップS514)。そして、駆動軸DSの回
転数NdをエンジンEGの目標回転数Ne*に、エネル
ギPeを回転数Ndで割った値を目標トルクTe*に設
定する(ステップS516)。駆動軸DSの回転数Nd
をエンジンEGの目標回転数Ne*に設定するのは、ク
ランクシャフトCSと駆動軸DSとを同じ回転数にする
ことによりクラッチCLを係合状態(ON)にする際の
ショックをなくすためである。そして、図8および図9
のエンジン始動制御ルーチンのステップS118ないし
S126の処理と同一のステップS518ないしS52
6の処理、すなわち、スロットルバルブの初期開度SV
P1や目標開度SVP*の設定,スロットルバルブの開
度SVPの初期開度SVP1への設定,点火進角FTの
最遅角FT1への設定,吸気弁の開閉タイミングVTの
最遅角VT1への設定,目標空燃比のリーン側への設定
の処理を行なう。
Gをモータリングするトルクを加えた値をモータMG3
のトルク指令値Tm3*に設定する(ステップS52
8)。ここで、エンジンEGをモータリングするトルク
は、ステップS520ないしS526によって設定され
た運転条件で、クラッチCLを半クラッチの係合状態と
したときにエンジンEGを目標回転数Ne*で回転でき
るトルクとして定められるものである。そして、クラッ
チCLを半クラッチの係合状態として(ステップS53
0)、エンジンEGのモータリングを開始する。
転数Ne*との偏差が偏差△Ne未満になるのを待って
(ステップS532およびS534)、クラッチCLを
滑りのない係合状態(ON)とし(ステップS53
5)、燃料噴射量の制御や点火制御などを開始し(ステ
ップS536)、エンジンEGが始動するのを確認する
(ステップS538)。続いて、図8および図9のエン
ジン始動制御ルーチンのステップS140ないしS14
6の処理と同一のステップS540ないしS546の処
理、すなわち目標空燃比の理論空燃比への設定,スロッ
トルバルブの開度SVPの増加,点火進角FTの進角,
開閉タイミングVTの進角の処理を行なう。そして、カ
ウンタCの値と目標回転数Ne*とに基づいてエンジン
EGから出力されると見込まれるトルクをトルク指令値
Td*から減じてモータMG3のトルク指令値Tm3*
算出し(ステップS550)、カウンタCをインクリメ
ントして(ステップS554)、カウンタCが繰り返し
回数Cset以上となるまでステップS542に戻る
(ステップS556)。ここで、この変形例では、各カ
ウンタCの値に応じて各回転数におけるエンジンEGか
ら出力されるトルクTeを実験により求めて車両コント
ローラCCの図示しないROMにマップとして記憶して
おき、カウンタCと目標回転数Ne*とが与えられると
記憶したマップから対応するトルクの値をエンジンEG
から出力されると見込まれるトルクとして導出するもの
とした。このように導出できるのは、スロットルバルブ
の開度SVPの増加や点火進角FTの進角および開閉タ
イミングVTの進角が、ステップS542ないしS55
0をカウンタCがインクリメントされる毎に所定量ずつ
行なわれることに基づく。すなわち、カウンタCの値と
目標回転数Ne*とが与えられれば、エンジンEGの運
転状態は定まるのである。ある回転数で回転していると
きのカウンタCとエンジンEGから出力されるトルクT
eとの関係の一例を図37に示す。こうした変形例の動
力出力装置310によるエンジンEGの始動時のタイミ
ングチャートを図38に例示する。
ンジン250が目標回転数Ne*で回転するようクラッ
チモータ230のトルク指令値Tc*を設定する処理
(ステップS394およびS396)およびクラッチモ
ータ230から駆動軸222に出力されるトルクを打ち
消すようアシストモータ240のトルク指令値Ta*を
設定する処理(ステップS398)に代えてカウンタC
の値と目標回転数Ne*とに基づいて求められるエンジ
ンEGから出力されると見込まれるトルクをトルク指令
値Td*から減じてモータMG3のトルク指令値Tm3
*を算出する処理(ステップS598)を実行する点
と、ステップS588ないしS602の処理を繰り返し
回数Csetだけ繰り返した後にクラッチCLを非係合
状態(OFF)とする処理(ステップS606)を実行
する点とを除いて第2実施例の動力出力装置220が実
行する図30のエンジン停止制御ルーチンと同一であ
る。したがって、図39のエンジン停止制御ルーチンの
これ以上の説明は要しない。なお、こうした変形例のエ
ンジンEGの運転停止時のタイミングチャートを図40
に例示する。
置310でも第1実施例の動力出力装置110や第2実
施例の動力出力装置220と同様のエンジン始動制御
(図35および図36)やエンジン停止制御(図39)
を行なうことができる。したがって、変形例の動力出力
装置310によっても、第1実施例の動力出力装置11
0や第2実施例の動力出力装置220が奏する効果と同
様の効果を奏することができる。
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、例えば、動力出力装置を車両に搭載するの
ではなく、船舶,航空機などの交通手段やその他各種産
業機械などに搭載する構成など、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは
勿論である。
の概略構成を示す構成図である。
る。
の概略の構成を例示する構成図である。
するためのグラフである。
れた3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図である。
れた3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図である。
エネルギ演算ルーチンを例示するフローチャートであ
る。
ジン始動制御ルーチンの前半部を例示するフローチャー
トである。
ジン始動制御ルーチンの後半部を例示するフローチャー
トである。
から出力されるトルクTm2だけで駆動する動作状態に
あるときの共線図である。
ジン150から出力されるトルクTeとの関係を例示す
るグラフである。
るトルクTeとの関係を例示するグラフである。
バルブリフトとの関係を例示する説明図である。
気量との関係を例示するグラフである。
ータMG1の制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
ータMG2の制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
イミングチャートである。
ンジン停止制御ルーチンを例示するフローチャートであ
る。
るタイミングチャートである。
適用したときの具体例である動力出力装置110Bを組
み込んだ車両の概略構成を示す構成図である。
20の概略構成を示す構成図である。
だ車両の概略の構成を例示する構成図である。
を説明するためのグラフである。
る出力エネルギ演算ルーチンを例示するフローチャート
である。
るエンジン始動制御ルーチンの前半部を例示するフロー
チャートである。
るエンジン始動制御ルーチンの後半部を例示するフロー
チャートである。
るクラッチモータ制御ルーチンを例示するフローチャー
トである。
るアシストモータ制御ルーチンを例示するフローチャー
トである。
の状態を説明するタイミングチャートである。
るエンジン停止制御ルーチンを例示するフローチャート
である。
止時の状態を説明するタイミングチャートである。
の概略構成を示す構成図である。
車に適用したときの具体例である動力出力装置220B
を組み込んだ車両の概略構成を示す構成図である。
す構成図である。
るエンジン始動制御ルーチンの前半部を例示するフロー
チャートである。
るエンジン始動制御ルーチンの後半部を例示するフロー
チャートである。
ルクTeとの関係の一例を示すグラフである。
ンEGの始動時の状態を説明するタイミングチャートで
ある。
るエンジン停止制御ルーチンを例示するフローチャート
である。
ンEGの運転停止時の状態を説明するタイミングチャー
トである。
Claims (12)
- 【請求項1】 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と電
動機とを備える動力出力装置であって、 前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定する要求動力設
定手段と、 該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力
する目標動力を設定する目標動力設定手段と、 前記内燃機関が停止しているときに前記目標動力設定手
段がゼロでない値の目標動力を設定したとき、該目標動
力の設定値に応じて定められた制御回転速度で該内燃機
関を回転させつつ、前記駆動軸にトルクを出力できる状
態で該出力されるトルクが小さくなるよう該内燃機関を
始動すると共に、該内燃機関を前記制御回転速度に保っ
たまま該内燃機関から出力される動力が徐々に該目標動
力になるよう該内燃機関の運転を制御する内燃機関運転
制御手段と、 前記内燃機関運転制御手段による前記内燃機関の始動に
伴って前記駆動軸に出力されるトルクの変動を打ち消す
よう前記電動機を駆動制御すると共に、前記内燃機関運
転制御手段による前記内燃機関の運転制御によって前記
内燃機関から出力される動力と前記要求動力との偏差の
動力が前記電動機から出力されるよう該電動機を駆動制
御する電動機駆動制御手段とを備える動力出力装置。 - 【請求項2】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブの開度
を、該内燃機関の始動時には該内燃機関から出力される
トルクが小さくなる所定の開度とし、該内燃機関の始動
後は徐々に前記目標動力に対応する開度となるよう制御
する手段である請求項1記載の動力出力装置。 - 【請求項3】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関の点火時期を、前記内燃機関の始動時には可燃範囲
内の遅角側の所定の点火時期とし、該内燃機関の始動後
は徐々に最適な点火時期となるよう進角させる手段であ
る請求項1または2記載の動力出力装置。 - 【請求項4】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関の吸気バルブの開閉時期を、該内燃機関の始動時に
は運転可能範囲内の遅角側の所定の開閉時期とし、該内
燃機関の始動後は徐々に最適な開閉時期となるよう進角
させる手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力
出力装置。 - 【請求項5】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関の空燃比を、該内燃機関の始動時には可燃範囲内の
リーン側の所定の比とし、該内燃機関の始動後は徐々に
最適な空燃比となるよう燃料噴射量を制御する手段であ
る請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置。 - 【請求項6】 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と電
動機とを備える動力出力装置であって、 前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定する要求動力設
定手段と、 該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力
する目標動力を設定する目標動力設定手段と、 前記内燃機関が運転されているときに前記目標動力設定
手段が値0の目標動力を設定したとき、該内燃機関の回
転速度を略一定に保ったまま、前記駆動軸にトルクを出
力できる状態で該出力されるトルクが徐々に小さくなる
よう該内燃機関の運転を制御すると共に、該内燃機関の
運転状態が出力されるトルクが小さな値となる所定の状
態となったとき該内燃機関の運転を停止する内燃機関運
転制御手段と、 前記内燃機関運転制御手段による前記内燃機関の運転制
御によって該内燃機関から出力される動力と前記要求動
力との偏差の動力が前記電動機から出力されるよう該電
動機を駆動制御すると共に、該内燃機関の停止に伴って
前記駆動軸に出力されるトルクの変動を打ち消すよう前
記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備える
動力出力装置。 - 【請求項7】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブの開度
を、前記目標動力の設定される直前の開度から徐々に該
内燃機関から出力されるトルクが小さくなる所定の開度
となるよう制御する手段である請求項6記載の動力出力
装置。 - 【請求項8】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関の点火時期を、最適な点火時期から徐々に可燃範囲
内の遅角側の所定の点火時期となるよう遅角させる手段
である請求項6または7記載の動力出力装置。 - 【請求項9】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃
機関の吸気バルブの開閉時期を、最適な開閉時期から徐
々に運転可能範囲内の遅角側の所定の開閉時期に遅角さ
せる手段である請求項6ないし8いずれか記載の動力出
力装置。 - 【請求項10】 前記内燃機関運転制御手段は、前記内
燃機関の空燃比を、最適な空燃比から徐々に可燃範囲内
のリーン側の所定の比となるよう燃料噴射量を制御する
手段である請求項6ないし9いずれか記載の動力出力装
置。 - 【請求項11】 請求項1ないし10いずれか記載の動
力出力装置であって、 前記内燃機関の出力軸に結合された第1のロータと、前
記駆動軸に結合され該第1のロータに対して相対的に回
転可能な第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的
な結合を介して前記内燃機関の出力軸と該駆動軸との間
で動力のやり取りをすると共に該両ロータ間の回転差に
基づいて電力を回生または消費する対ロータ電動機を備
え、 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃機関が前記駆動
軸にトルクを出力できる回転状態となるよう前記対ロー
タ電動機を駆動制御する対ロータ電動機駆動制御手段を
備える動力出力装置。 - 【請求項12】 請求項1ないし10いずれか記載の動
力出力装置であって、 回転軸を有し、該回転軸と動力のやり取りを行なう第2
の電動機と、 前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記回転軸とに各
々結合される3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ
動力が入出力されたとき、該入出力された動力に基づい
て定まる動力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出
力手段とを備え、 前記内燃機関運転制御手段は、前記内燃機関が前記駆動
軸にトルクを出力できる回転状態となるよう前記第2の
電動機を駆動制御する第2電動機駆動制御手段を備える
動力出力装置。
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