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JP3219348B2 - 容器入り複合食品及びその製造方法、並びにそれに用いる容器 - Google Patents
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JP3219348B2 - 容器入り複合食品及びその製造方法、並びにそれに用いる容器 - Google Patents

容器入り複合食品及びその製造方法、並びにそれに用いる容器

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JP3219348B2
JP3219348B2 JP06298894A JP6298894A JP3219348B2 JP 3219348 B2 JP3219348 B2 JP 3219348B2 JP 06298894 A JP06298894 A JP 06298894A JP 6298894 A JP6298894 A JP 6298894A JP 3219348 B2 JP3219348 B2 JP 3219348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホイップクリーム、ム
ースまたはメレンゲ等の含気泡性食品に代表される可塑
性食品と、ゼリー状食品に代表されるゲル状食品との複
合食品からなる容器入り複合食品に関し、特に、比重が
相対的に小さい該可塑性食品が容器の底部に固定され、
その上に該ゲル状食品が充填されている容器入り複合食
品に関する。
【0002】
【従来の技術】一つの容器に、異なる風味あるいは色調
を有するゲル化物質を二種以上入れた多層デザート食品
が各種ある。従来の多層デザート食品は、比重差に従っ
て重い食品を下側に充填し、含気泡性食品のような比重
の軽い食品をその上に充填して層状を形成し、混ざりを
防ぐのが一般的である。即ち、容器内で固化したゼリー
状食品の上に含気泡性食品をトッピング等によりデコレ
ーションを行うのが一般的であり、その逆の位置関係で
は、ゼリー状食品を充填し固化させるまでに、容器底に
充填されているデコレーションが比重差に基づく浮力に
より容器底部から剥がれ、ゼリー状食品の表面にまで浮
き上がったり、またデコレーション自体が壊れたりする
ので、目的とするものが得られず実施が不可能であっ
た。
【0003】ところが、近年の食生活の多様化に伴い、
容器の下側に含気泡性食品が充填され、ゼリーのような
比重の重い食品で該含気泡性食品を覆った多層デザート
等、新規な外観を呈する食品への嗜好性が高まりつつあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定構造を
有する容器を用いることにより、従来不可能とされた、
含気泡性食品等の比重の相対的に小さい可塑性食品が容
器底部に固定され、その上に、ゲル化する食品が充填さ
れている(逆転構造という)容器入り複合食品、特にデ
ザート食品を提供することを課題とする。
【0005】本発明の他の課題は、上記逆転構造を一層
確実なものとするための、容器構造および容器の材質を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する本
発明は、比重差のある可塑性食品とゲル状食品が充填さ
れた複合層を有する容器入り食品であって、該可塑性食
は、該ゲル状食品よりも比重が小さく、容器底部に設
けられた逆テーパー凹部、好ましくは容器内側壁よりも
狭隘で容器底中央部に設けられた逆テーパー凹部と、容
器底部または内側壁に設けられた、微小な凹凸、リブ、
突起あるいは溝状の凹部の中から選択された少なくとも
一種の形状部とにより容器底に固定され、その上に、ゲ
食品が充填されていることを特徴とする容器入り複
合食品である。逆テーパー凹部を容器底部に設けること
により、該可塑性食品は該凹部の中に入りアンカー効果
により固定させることができ、さらに容器底部または内
側壁に設けた形状部により確実に固定できるので、ゲル
状食品で可塑性食品が覆われた逆転構造を有する容器入
り複合食品を提供することが可能となる。また、かかる
構造により、可塑性食品の形状が、ゲル状食品により保
護されるので、壊れ易い可塑性食品でも容易に製造する
ことができる。
【0007】また、本発明は、上記の容器入り複合食品
の製造方法であって、容器底部に設けられた逆テーパー
凹部と、容器底部または内側壁に設けられた、微小な凹
凸、リブ、突起あるいは溝状の凹部の中から選択された
少なくとも一種の形状部とを有する容器の底部上に前記
可塑性食品を形成し、次いでその上に流動状態の前記ゲ
ル状食品を充填した後、これを固化させることを特徴と
する容器入り複合食品の製造方法に関する。
【0008】また、本発明は、上記の容器入り複合食品
において、可塑性食品が、ホイップクリーム、ムースま
たはメレンゲからなる群から選択された含気泡性食品で
ある容器入り複合食品であり、また、ゲル状食品が、冷
蔵または常温で固化するゼリー状食品である容器入り複
合食品である。これらの食品を用いることにより、外観
の美しい容器入りデザート食品とすることができる。
【0009】また、本発明は、上記の容器入り複合食品
において、容器が、容器材質中に0.1〜0.8重量%
の界面活性剤を含有するものである容器入り複合食品で
あり、更に、該容器が、内側の一部または全部をコロナ
処理されたものである容器入り複合食品である。界面活
性剤の添加、更に容器内壁のコロナ処理により、容器内
壁が親水化することにより、ゲル状食品と該内壁を密着
させることができるので、その後、輸送中や荷扱いで受
ける振動や衝撃にも耐え、容器内部でゲル状食品が回転
したり、移動したりすることを防止し、逆転構造を一層
確実なものとすることが可能となる。
【0010】また、本発明は、上記いずれかの容器入り
複合食品に用いる特定構造の容器である。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明において、相対的に比重が小さい可
塑性食品としては、ノズル等で充填できる流動性を有す
るものであって、容器底部にノズル等で充填して形成さ
れた形状を保持し得る保形性を有する食品である。可塑
性食品は必ずしも含気泡性である必要はないが、代表的
な可塑性食品としては含気泡性食品を挙げることがで
き、例えば、乳クリームあるいは植物脂を主体としたク
リームをホイップしたホイップクリーム、卵白や卵黄と
ゼラチン、生クリーム等を混合してホイップしたムー
ス、また卵白に砂糖を混合して硬くホイップしたメレン
ゲからなる群から選択されたものであるが、これらに限
定されるものではない。
【0013】可塑性食品の比重は、後述するゲル状食品
の比重よりも小さいものであれば、特に限定されない。
含気泡性食品では、比重0.15〜0.9程度、好まし
くは0.35〜0.6程度であり、ゲル状食品との比重
差は0.1〜0.85程度、好ましくは0.4〜0.6
5程度の範囲で逆転構造を安定に維持することができ
る。因みに粘度は20〜100g/cm2程度である。
可塑性食品の比重が軽過ぎると、保形性が小さくなるの
で、ゲル状食品を容器内に充填する際に該可塑性食品の
形状が崩れたり、変形したりする。
【0014】次に、ゲル状食品としては、容器に充填時
は流動性があり、充填後にゲル化する食品である。ゲル
化の機構は限定されず、温度変化によりゲル化するも
の、pH変化によりゲル化するもの、酵素の作用により
ゲル化するもの等種々のものを用いることができ、比重
は、上記の比重差の範囲内になるべく1.0〜1.3程
度、好ましくは1.05〜1.1程度である。代表的に
は、ゼリー状食品を挙げることができ、ゼリー溶液とし
ては、通常ゼリー食品に用いられているゼラチン、カラ
ギーナン、ローカストビーンガム、ペクチン、寒天等の
ゲル化剤を用いたもの、また、これらのゲル化剤に嗜好
に応じて砂糖や香料あるいは果汁またはコーヒー等と混
合したもの等、冷蔵または常温で固化するものを挙げる
ことができ、特に限定されるものではない。更に、pH
変化や酵素作用によりゲル化するホエー蛋白質等をゲル
化剤として用いることもできる。
【0015】これら可塑性食品とゲル状食品は、互いに
混じり合わないことが必要で、複合層を形成するもので
ある。該複合層は、整然と積層されたものに限らず、可
塑性食品を従来トッピングとしてデコレーションに用い
られていた形状等、塊状や種々の飾り状に充填し形状を
工夫することができる。ゲル状食品として透明、半透明
なものを用いれば、ゲル状食品の中に可塑性食品が見え
る美しい外観を構成することができ好ましい。また、該
可塑性食品は該ゲル状食品により一部または全部を覆わ
れているので、その形状が保持され、輸送中等に形状が
崩れたり、変形することを防止することができ、微細な
形状を造ることも可能である。
【0016】可塑性食品とゲル状食品の容積比は、特に
限定されるものではないが、美観や食感等の観点から、
概ね3〜20%、好ましくは5〜10%程度であるが、
可塑性食品の先端が一部ゲル状食品から露出していても
よいし、完全に浸漬されていてもよい。
【0017】次に、本発明で用いる容器は、特に形状、
材質等、限定されないが、ポリプロピレン等の合成樹脂
からなる非可撓性のものであって、その形状は、円形、
楕円形、四角形等の断面形状を有するカップ型容器であ
って、その上面にアルミ箔やプラスチック等のフィルム
をヒートシールして密封できるものが好ましいが、アル
ミ製の容器等でも可能である。そして容器の底部には、
逆テーパー凹部が設けられているものである。該逆テー
パー部内に一部または全部が充填された可塑性食品は、
その保形性により、充填時の形状を維持しようとする力
が働くことから、ゲル状食品がその上から充填され、比
重差により浮力が発生しても、該逆テーパー凹部におい
てアンカー効果を奏し、容器底部から剥離し、浮き上が
ることを防止することができるので、逆転構造を確実に
達成することができる。該逆テーパー凹部の大きさ、位
置等は、可塑性食品がアンカー効果により、浮き上がら
ない機能を有する限りは、特に限定されない。例えば、
容器底部全体が逆テーパー凹部を構成してもよい。可塑
性食品の充填量を考えれば、容器底部全体を逆テーパー
凹部にするよりは、底部の中央部に容器内側壁より狭隘
であって、かつ逆テーパー状の凹窩部を設けるのが好ま
しい。逆テーパー凹部の逆テーパー部の形状、大きさ
は、充填する可塑性食品の物性、量、ゲル状食品との比
重差等により相違するが、好ましくは凹部の入口端部全
周囲または一部に突起状を設け(特に入口端部全周
囲)、また、該逆テーパー凹部の断面形状は円形、楕円
形、四角形等、所望により選定することができ、約3〜
20mlの可塑性食品に対して、該逆テーパー凹部の深
さ(凹部の段差)は1〜10mm程度、好ましくは2〜
4mm程度、径は10〜60mm程度、好ましくは20
〜40mm程度で容器の内側壁よりも狭隘なものであ
る。該逆テーパー部が小さ過ぎると、アンカー効果を奏
しないので可塑性食品の浮力により該食品が浮き上が
り、また大き過ぎると可塑性食品の内部への充填が困難
となり、また喫食し難くなる場合がある。逆テーパー部
は上記のように凹部の入口端部に設ける他、凹部の側面
の途中に設けてもよく、例えば、底部自体を凹部とし底
部につながる凹部下方側面に外側にアールを持たせ、そ
こに続く該凹部上方側面を垂直とすれば、該アールの上
部が逆テーパー部を形成する。逆テーパー部の角度は垂
直に対して概ね100〜140゜程度、好ましくは11
0〜120゜であり、角度が小さければ、アンカー効果
が少なく、大きければ、可塑性食品の充填が困難とな
り、喫食が難しくなる場合がある。本発明の容器入り複
合食品の一例を図1に示す。容器底の中央部に逆テーパ
ー凹部を有する容器1に、可塑性食品2が容器底部に固
定されており、その上にゲル状食品3が充填されてい
る。容器1の上部はアルミ箔のラミネートフィルム4で
密封されている。
【0018】また、容器底部あるいは内側壁には、微小
な凹凸、放射状や円周状のリブ、突起あるいは周状の溝
状等の凹部の中から選択された少なくとも一種の形状を
形成することにより、更に、可塑性食品の容器底部への
固定を確実にすることができる。これらリブ、突起ある
いは溝状の凹部を設けた場合には、これらによってより
含気泡性食品の固定力が増し、製造工程や輸送中に浮き
上がったり、移動したりあるいは回転することがなく、
確実に固定でき、商品価値を損なうことがない。これら
の形状物は、商品特性に応じて適宜選択される。これら
の形状物は、容器を形成する際の金型加工により、充填
する可塑性食品の物性に応じて個数あるいは大きさ等を
決定すればよい。通常は、いずれの形状も段差1〜3m
m程度のものを、内周に沿って2〜3個設けるとよい。
上記したように底部あるいは内側壁に、微小な凹凸を設
けることにより、可塑性食品が凹凸の中に入りアンカー
効果となって、固定される。しかし、容器に微小な凹凸
を設けると、その部分の透明性が若干阻害されるが、容
器底部だけに設けた場合は、商品上の価値を減じること
はない。
【0019】図2および図3(容器の底部の一部半断面
模式図)に、本発明にかかる態様の一例を示す。容器の
底部の中央に逆テーパー凹部14の凹部入口端に逆テー
パー部13が設けられており、更に、溝状の凹部12お
よび周状のリブまたは突起11が底部に設けられてい
る。このような構造により、可塑性食品21は容器底部
に固定され、アンカー効果により、ゲル状食品が充填さ
れても浮き上がることはない。
【0020】更に、本発明で用いる容器の材質中には、
0.1〜0.8重量%、好ましくは0.2〜0.5重量
%の界面活性剤を含有させて、容器内面を親水化し、ゲ
ル状食品と容器との親和性を高め、密着させることによ
り、製品の輸送中や荷扱い中に受ける振動や衝撃に耐
え、容器内部でゲル状食品が回転したり、移動したりす
る現象を防止することができるので、容器内の逆転構造
を一層確実に維持するこができる。界面活性剤として
は、非イオン界面活性剤が好ましく、代表的なものとし
て高級脂肪酸や高級アルコール及びこれらと酸化エチレ
ンとの縮合体であって、具体的な例として高級脂肪酸で
は、ステアリン酸モノグリセライドであり、高級アルコ
ールではポリオキシエチレンアルキルアミン等が効果的
である。そしてこれらの単独あるいは組み合わせて、容
器を成形する樹脂に配合する。
【0021】更に、界面活性剤を含有する樹脂を用いて
成形した容器内側の一部または全部について、ゲル状食
品との親和性を向上させ密着させる目的で容器内面にコ
ロナ処理を行うことが好ましい。界面活性剤は、コロナ
処理によってコロナを受けた表面部分への侵出が促進さ
れる。コロナ処理を行わない容器外側と比べ格段に強い
親水性を発揮することになる。またコロナ処理による界
面活性剤の容器表面への侵出促進効果と共に、コロナ処
理によって火炎にさらされた容器内面は、微細な凹凸が
無数に形成されることになる。この物理現象が容器内面
の平滑性を荒らし、親水性を一層向上させて内容物、特
に含気泡性食品との密着をより強固にする。コロナ処理
は上記の容器表面を荒らし、微細な凹凸を形成する物理
現象の他に、火炎によって樹脂容器表面を酸化させ、イ
オン化する化学的な効果によっても親水性を向上させる
効果が併せて得られる。
【0022】容器入りデザート食品の製造方法は、前述
した比重が相対的に小さい可塑性食品をノズルによって
押し出し、上記した容器の底部に充填する。この可塑性
食品を充填する際にノズルの形状、押し出し圧力、ノズ
ルを引き上げるタイミングあるいはノズルの回転等によ
り層状、塊状、種々の飾り状に充填することができる。
そしてその上部から、比重が相対的に大きいゲル化する
食品としてゼリー溶液等をゲル化温度近傍まで冷却し、
該可塑性食品の形状を壊さないようにして静かに充填
し、密閉後、冷却等により該ゼリー液を固化させればよ
い。このようにすれば、従来不可能とされた容器底部に
可塑性食品がトッピングされたデザート食品等を容易に
得ることができる。また、容器とゲル状食品とその中の
可塑性食品が一体の状態となるので、外部から振動や衝
撃を受けても壊れたり、変形することはなくなる。
【0023】なお、本発明の容器入り複合食品には、上
記した食品成分の他に、第3の成分として、容器に充填
されたゲル状食品の上に更にホイップクリームをトッピ
ングでデコレーションしたり、生クリームやシロップ、
果肉等を充填してもよく、一層外観の美しい嗜好性の高
い食品とすることができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を説明
する。
【0025】(実験例)界面活性剤を添加しないポリプ
ロピレン(PP)樹脂と、同樹脂に0.3重量%の界面
活性剤(ステアリン酸モノグリセライド)を添加した場
合及び、該界面活性剤を添加後、コロナ処理を行った容
器内側の帯電圧値とぬれ角度の実測値を表1に示す。な
お、コロナ処理は、ハンドガスバーナーを使用し火炎を
調整し、樹脂容器を逆転させて容器底部に火炎を均一に
当て、次に、容器を傾け、回転しながら容器の内側面部
に火炎を均一に当てて実施した。火炎の強さは、容器が
熱変形を起さない範囲で行った。
【0026】
【表1】 表1から明らかなように界面活性剤を添加したものは、
無添加のものに比べて帯電圧値およびぬれ角度が小さ
く、更にコロナ処理したものは、無添加のものあるいは
単に界面活性剤を添加したものに比較して帯電圧値およ
びぬれ角度が共に一層小さい値を示した。これは、ゲル
状食品と容器の親和性が向上することを推測させるもの
である。
【0027】なお、実験例に用いた帯電圧値の測定方法
及びぬれ角度の測定方法について以下に示す。
【0028】帯電圧値の測定方法:試料のPP樹脂板
を23℃−50%RHの恒温、恒湿下に48時間保存
後、スタティックオネストメーター(シシド静電気
(株)製)で樹脂表面の帯電圧値を測定した。
【0029】ぬれ角度の測定:ぬれ角度の測定は、高
分子材料のぬれ角度測定法として広く用いられている液
滴法に従って測定した。試料のPP樹脂板を、23℃−
50%RHの恒温、恒湿下に48時間保存後測定に供し
た。試料のPP樹脂板上に純水の液滴を置き、その液滴
を拡大レンズを使用して接写撮影し、現像後、液滴の接
線を分度器を使用して直接角度を読み取り、ぬれ角度と
した。なお、純水は、イオン交換後膜処理を行い、その
後活性炭で濾過して使用した。
【0030】(参考例1) (1)ホイップクリームの調製 乳脂肪率が45%及び無脂乳固形3.8%を含むクリー
ム450gに砂糖50gを添加して、ハンドミキサー
(愛工舎製作所製ケンミックスに泡立て用の羽根をセッ
ト)で3分間ホイップした。このクリームのオーバーラ
ンは、30%であった、また比重は、0.15であっ
た。 (2)ゼリー溶液の調製 水40gに砂糖8gを溶解し、これにカラギーナン0.
13g、ゼラチン0.1gを加え、攪拌機で攪拌しなが
ら80℃で10分間加熱した。この溶液にクエン酸0.
3g、及びコーヒーフレバー1gを加えて攪拌しながら
20℃に冷却した。このゼリー溶液の比重は、1.05
であった。 (3)容器への充填 容器底部の中央に、逆テーパー状に凹部が形成されてい
る図1に示すカップ型容器1(内容量100ml、シー
ル部内径71mm、凹部段差2mm、凹部径20mm)
に上記(1)で調製したホイップクリームを最初にデコ
レーション2して10ml充填し、容器の底部に固定し
た。これに(2)で調製したゼリー溶液3を容器の外壁
に沿ってゆっくり90ml充填し、プラスチックフィル
ムでヒートシールし密閉した。次に冷蔵庫に静置し、ゼ
リー溶液がゲル化し、温度が10℃になるまで冷却して
容器入りデザート食品を得た。このものは、冷蔵庫で冷
却中にホイップクリームが容器底部から剥離することも
なく安定したものであり、ゼリーの中に封じ込められた
ホイップクリームが外部から観察できる美しいものであ
った。
【0031】(実施例) 卵黄、卵白2個分に対し砂糖60g、粉末ゼラチンを大
さじ2杯加え、更にこれに果汁、ワイン少々及び生クリ
ーム300ccを加えてハンドミキサーで5分間攪拌し
てホイップし、ムースを調製した(比重0.5)。
【0032】このムースを、参考例1で用いた容器底部
の中央に逆テーパー状に凹部が形成されている容器であ
って、かつ樹脂中に界面活性剤(ステアリン酸モノグリ
セライド)を0.3重量%含有し、内側全部をコロナ処
理した上記実験例で得た容器に、10ml充填した。更
参考例1の(2)と同じ方法で調製したゼリー溶液を
容器の外壁に沿ってゆっくり充填し、参考例1と同様に
して密閉した。次に冷蔵庫に静置し、ゼリー溶液がゲル
化し、温度が8℃になるまで冷却して容器入りデザート
食品を得た。このものは、冷蔵庫で冷却中にムースが容
器底部から剥離することもなく安定し、ゼリーの中に封
じ込められたムースが外部から観察できる美しいもので
あった。また、このものに振動を加えても該ムースが壊
れることがなかった。
【0033】(実施例) 卵白2.5個分に対し砂糖25g及びレモン果汁少々を
混ぜ、ハンドミキサーで5分間攪拌して固く泡立てメレ
ンゲを調製した(比重0.35)。
【0034】容器として、参考例1で用いた底部の中央
に逆テーパー状に凹部が形成されているものに更に、図
2に示したような底部側壁に段差1.5mm程度の溝状
の凹部及び周状のリブが形成されているものを用い、こ
の容器に上記で調製したメレンゲ10mlを入れ、参考
1の(2)と同じ方法で調製したゼリー溶液を容器の
外壁に沿ってゆっくり充填した。そして冷蔵庫に静置
し、ゼリー溶液がゲル化し、温度が10℃になるまで冷
却して参考例1と同様にして容器入りデザート食品を得
た。このものは、冷蔵庫で冷却中にメレンゲが容器底部
から剥離することもなく安定し、ゼリーの中に封じ込め
られたメレンゲが外部から観察できる美しいものであっ
た。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、逆テーパー凹部を
容器底部に設けることにより、該可塑性食品は該凹部の
中に入りアンカー効果により固定させることができるの
で、ゲル状食品で可塑性食品が覆われた逆転構造を有す
る容器入り複合食品を提供することが可能となる。ま
た、かかる構造により、可塑性食品の形状が、ゲル状食
品により保護されるので、壊れ易い可塑性食品でも容易
に製造することができる。また、該容器に、逆テーパー
凹部の他に、容器底部または内側壁に、微小な凹凸、リ
ブ、突起あるいは溝状の凹部の中から選択された少なく
とも一種の形状を設けることにより、該逆転構造を一層
確実なものとすることができる。また、可塑性食品に、
ホイップクリーム、ムースまたはメレンゲからなる群か
ら選択された含気泡性食品を用いることにより、また、
ゲル状食品に、冷蔵または常温で固化するゼリー状食品
を用いることにより、外観の美しい容器入りデザート食
品とすることができる。また、該容器に、容器材質中に
界面活性剤を含有させ、更に、該容器に、内側の一部ま
たは全部をコロナ処理することにより、容器内壁が親水
化し、ゲル状食品と該内壁を密着させることができるの
で、その後、輸送中や荷扱いで受ける振動や衝撃にも耐
え、容器内部でゲル状食品が回転したり、移動したりす
ることを防止し、逆転構造を一層確実なものとすること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器入り複合食品の一実施例の断面模
式図である。
【図2】本発明の容器入り複合食品に用いる容器の一実
施例の底部半断面模式図である。
【図3】図2で示した本発明の容器入り複合食品に用い
る容器の一実施例の底部に可塑性食品を充填したところ
を示す該底面半断面模式図である。
【符号の説明】
1 容器 2 可塑性食品 3 ゲル状食品 4 密閉用蓋 11 周状のリブ、突起 12 溝状の凹部 13 逆テーパー部 14 底部の段差 21 可塑性食品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−27439(JP,A) 特開 昭53−88339(JP,A) 特開 平3−126004(JP,A) 実開 昭61−109364(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 1/00 - 9/30 A23L 1/05 - 1/072 B65D 25/02 - 25/10 B65D 85/72 C08J 7/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重差のある可塑性食品とゲル状食品が
    充填された複合層を有する容器入り食品であって、 該可塑性食品は、該ゲル状食品よりも比重が小さく、容
    器底部に設けられた逆テーパー凹部と、容器底部または
    内側壁に設けられた、微小な凹凸、リブ、突起あるいは
    溝状の凹部の中から選択された少なくとも一種の形状部
    により容器底に固定され、その上に、ゲル食品が充
    填されていることを特徴とする容器入り複合食品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、逆テーパー凹部が、
    容器内側壁よりも狭隘で容器底中央部に設けられた逆テ
    ーパー凹部である容器入り複合食品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、可塑性食品
    が、ホイップクリーム、ムースまたはメレンゲからなる
    群から選択された含気泡性食品である容器入り複合食
    品。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項におい
    て、ゲル状食品が、冷蔵または常温で固化するゼリー状
    食品である容器入り複合食品。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、容器が、容器材質中に0.1〜0.8重量%の界面
    活性剤を含有するものである容器入り複合食品。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項におい
    て、容器が、内側の一部または全部をコロナ処理したも
    のである容器入り複合食品。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一項記載の
    容器入り複合食品に用いる容器。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    容器入り複合食品の製造方法であって、 容器底部に設けられた逆テーパー凹部と、容器底部また
    は内側壁に設けられた、微小な凹凸、リブ、突起あるい
    は溝状の凹部の中から選択された少なくとも一種の形状
    部とを有する容器の底部上に前記可塑性食品を形成し、
    次いでその上に流動状態の前記ゲル状食品を充填した
    後、これを固化させることを特徴とする容器入り複合食
    品の製造方法。
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