JP3219966B2 - 粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法 - Google Patents
粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法Info
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- H01F1/0045—Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気センサー、磁気ヘ
ッド等に用いられる高感度の磁気抵抗効果材料の製造方
法に関するものである。特に、低磁界での電気抵抗の変
化率が高い磁気抵抗効果材料を提供する。
ッド等に用いられる高感度の磁気抵抗効果材料の製造方
法に関するものである。特に、低磁界での電気抵抗の変
化率が高い磁気抵抗効果材料を提供する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効果型素
子は、高感度で比較的大きな出力が得られるため、磁界
センサー、磁気ヘッドとして広く利用されている。この
ような磁気センサ、磁気ヘッドにおいては、感度を高め
るためおよび線形応答に近づけるためにバイアスとして
直流磁界を印加している。従来、磁気抵抗効果型素子に
は2%程度の磁気抵抗変化率を示し、膜の磁化のし易さ
の目安となる異方性磁界が5Oe程度と小さく、バイア
スがかかり易いパーマロイ合金薄膜が広く用いられてい
る。
子は、高感度で比較的大きな出力が得られるため、磁界
センサー、磁気ヘッドとして広く利用されている。この
ような磁気センサ、磁気ヘッドにおいては、感度を高め
るためおよび線形応答に近づけるためにバイアスとして
直流磁界を印加している。従来、磁気抵抗効果型素子に
は2%程度の磁気抵抗変化率を示し、膜の磁化のし易さ
の目安となる異方性磁界が5Oe程度と小さく、バイア
スがかかり易いパーマロイ合金薄膜が広く用いられてい
る。
【0003】又、電気抵抗の変化を大きくする方法とし
て、保磁力の異なる磁性薄膜層を交互に積層した多層膜
磁気抵抗効果材料などが知られている(例えば特開平4
−280483号公報参照)。この種の多層膜巨大磁気
抵抗材料(GMR)の場合、磁性層の磁化方向に依存し
て伝導電子が散乱され、グラニュラーGMRはマトリッ
クス中に磁性粒子を分散させ、それらの磁化の相関によ
り伝導電子の散乱が変化するといった問題を有する。ま
た、積層する膜厚周期性を高精度に制御する必要があ
り、その作製が難しく、高価な設備を必要とするととも
に、得られるものが積層膜であるため、その加工が難し
く、用途に応じた種々の形状のものを作製できないとい
った問題を有する。更にこの種の多層膜GMRは、スパ
ッタ法などにより得られるがその形状は制約を受け、特
に厚さについては、数mmぐらいのものしか得られない
といった問題を有する。
て、保磁力の異なる磁性薄膜層を交互に積層した多層膜
磁気抵抗効果材料などが知られている(例えば特開平4
−280483号公報参照)。この種の多層膜巨大磁気
抵抗材料(GMR)の場合、磁性層の磁化方向に依存し
て伝導電子が散乱され、グラニュラーGMRはマトリッ
クス中に磁性粒子を分散させ、それらの磁化の相関によ
り伝導電子の散乱が変化するといった問題を有する。ま
た、積層する膜厚周期性を高精度に制御する必要があ
り、その作製が難しく、高価な設備を必要とするととも
に、得られるものが積層膜であるため、その加工が難し
く、用途に応じた種々の形状のものを作製できないとい
った問題を有する。更にこの種の多層膜GMRは、スパ
ッタ法などにより得られるがその形状は制約を受け、特
に厚さについては、数mmぐらいのものしか得られない
といった問題を有する。
【0004】このように、従来の磁気センサーとして
は、誘導電流を利用したもの、ホール効果を利用したも
の、人工格子型巨大磁気抵抗効果を利用したものなどが
あるが、いずれも信号が小さいために信号処理に複雑な
回路を必要とする、あるいは高度な作製法を必要とし生
産性が悪い、強磁界を必要とするなど問題があった。ま
た作製装置が複雑、高価である点、作製後の取扱いによ
り特性が容易に劣化する問題があった。
は、誘導電流を利用したもの、ホール効果を利用したも
の、人工格子型巨大磁気抵抗効果を利用したものなどが
あるが、いずれも信号が小さいために信号処理に複雑な
回路を必要とする、あるいは高度な作製法を必要とし生
産性が悪い、強磁界を必要とするなど問題があった。ま
た作製装置が複雑、高価である点、作製後の取扱いによ
り特性が容易に劣化する問題があった。
【0005】そこで、本発明者らは磁気抵抗変化率が大
きい磁気抵抗効果素子を容易に製造することを目的とし
て、常磁性元素又は反磁性元素と強磁性元素からなる合
金中に、微細な強磁性体粒子を析出してなる磁気抵抗効
果素子を開発し、特許出願している(特開平6−268
280号)。
きい磁気抵抗効果素子を容易に製造することを目的とし
て、常磁性元素又は反磁性元素と強磁性元素からなる合
金中に、微細な強磁性体粒子を析出してなる磁気抵抗効
果素子を開発し、特許出願している(特開平6−268
280号)。
【0006】しかしながら、この磁気抵抗効果材料にお
いては、析出される強磁性体粒子が球状、粒状などの比
較的等方的に近い形状であるため、磁気抵抗効果(磁界
に対する電気抵抗の変化の割合)は十分でない、特に低
磁界での抵抗変化が十分でないという問題を有してい
た。
いては、析出される強磁性体粒子が球状、粒状などの比
較的等方的に近い形状であるため、磁気抵抗効果(磁界
に対する電気抵抗の変化の割合)は十分でない、特に低
磁界での抵抗変化が十分でないという問題を有してい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のもの
にくらべて更に感度を高め、磁界に対する応答性に優れ
た粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法を提供するも
のであり、特に、低磁界において大きな磁気抵抗変化率
を示す実用性のある磁気抵抗効果材料を提供する。
にくらべて更に感度を高め、磁界に対する応答性に優れ
た粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法を提供するも
のであり、特に、低磁界において大きな磁気抵抗変化率
を示す実用性のある磁気抵抗効果材料を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、形状異方性を有する磁性微粒子を方向を揃えて
存在させることによって、上記課題が解決されることを
見出し本発明に至った。
た結果、形状異方性を有する磁性微粒子を方向を揃えて
存在させることによって、上記課題が解決されることを
見出し本発明に至った。
【0009】即ち、本発明は以下の(1)〜(4)であ
る。(1)非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる合金材料
を作製し、これに0%<ε≦80%の歪みを与えて熱処
理を施し、磁性体元素からなる形状異方性を有する磁性
体微粒子を非磁性体相中に方向を揃えて均一微細に分散
析出させることを特徴とする磁気抵抗効果材料の製造方
法。
る。(1)非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる合金材料
を作製し、これに0%<ε≦80%の歪みを与えて熱処
理を施し、磁性体元素からなる形状異方性を有する磁性
体微粒子を非磁性体相中に方向を揃えて均一微細に分散
析出させることを特徴とする磁気抵抗効果材料の製造方
法。
【0010】(2)非磁性体相に磁性体元素を固溶して
なる合金材料を作製し、これに1℃/cm<△T≦10
℃/cmの温度差を与えて熱処理を施し、磁性体元素か
らなる形状異方性を有する磁性体微粒子を非磁性体相中
に方向を揃えて均一微細に分散析出させることを特徴と
する磁気抵抗効果材料の製造方法。
なる合金材料を作製し、これに1℃/cm<△T≦10
℃/cmの温度差を与えて熱処理を施し、磁性体元素か
らなる形状異方性を有する磁性体微粒子を非磁性体相中
に方向を揃えて均一微細に分散析出させることを特徴と
する磁気抵抗効果材料の製造方法。
【0011】(3)合金材料が一般式:Cu 100-X Ni
50-Y M 1 Y (但し、M 1 はFe,Coから選ばれる少なく
とも1種の元素、X,Yは原子パーセントで0.1<X
<50、1<Y<45)で示される組成からなる前記
(1)又は(2)記載の磁気抵抗効果材料の製造方法。
50-Y M 1 Y (但し、M 1 はFe,Coから選ばれる少なく
とも1種の元素、X,Yは原子パーセントで0.1<X
<50、1<Y<45)で示される組成からなる前記
(1)又は(2)記載の磁気抵抗効果材料の製造方法。
【0012】(4)合金材料が一般式:A 100-X M
2 X (但し、AはAg,Auから選ばれる少なくとも1種
の元素、M 2 はFe,Co,Niから選ばれる少なくと
も1種の元素、Xは原子パーセントで0.1<X<5
0)で示される組成からなる前記(1)又は(2)記載
の磁気抵抗効果材料の製造方法。
2 X (但し、AはAg,Auから選ばれる少なくとも1種
の元素、M 2 はFe,Co,Niから選ばれる少なくと
も1種の元素、Xは原子パーセントで0.1<X<5
0)で示される組成からなる前記(1)又は(2)記載
の磁気抵抗効果材料の製造方法。
【0013】(5)0.2%耐力の10〜90%の応力
下で熱処理を施す前記(1)記載の磁気抵抗効果材料の
製造方法。
下で熱処理を施す前記(1)記載の磁気抵抗効果材料の
製造方法。
【0014】本発明の粒子分散型磁気抵抗効果材料は、
非磁性を有する母相中に、板状、針状、円盤状、だ円球
状、棒状などの形状異方性を有する磁性微粒子が方向を
揃えて均一微細に分散されてなるものである。先行技術
のように磁性粒子が例えば、球状、粒状等、等方的であ
ると、磁気抵抗効果による抵抗変化は磁界に対する変化
の割合が小さいが、異方性を持った磁性粒子の方向を揃
えることで信号を大きくすることができ、また磁界に対
する変化の割合も大きくすることができる。
非磁性を有する母相中に、板状、針状、円盤状、だ円球
状、棒状などの形状異方性を有する磁性微粒子が方向を
揃えて均一微細に分散されてなるものである。先行技術
のように磁性粒子が例えば、球状、粒状等、等方的であ
ると、磁気抵抗効果による抵抗変化は磁界に対する変化
の割合が小さいが、異方性を持った磁性粒子の方向を揃
えることで信号を大きくすることができ、また磁界に対
する変化の割合も大きくすることができる。
【0015】本発明では形状異方性を有する磁性微粒子
の大きさは1〜1000nmが好ましい。この範囲外と
なると、本発明の目的の1つである高い磁気抵抗効果が
得られなくなる。1000nmを超えると磁気抵抗効果
が急激に低下する。磁気抵抗効果の点から更に好ましく
は1〜500nmであり、特に好ましい大きさは1nm
〜300nmである。
の大きさは1〜1000nmが好ましい。この範囲外と
なると、本発明の目的の1つである高い磁気抵抗効果が
得られなくなる。1000nmを超えると磁気抵抗効果
が急激に低下する。磁気抵抗効果の点から更に好ましく
は1〜500nmであり、特に好ましい大きさは1nm
〜300nmである。
【0016】本発明に用いられる合金の組成は下記一般
式(I)又は(II)で表わされるものである。 Cu100-XNi50-YM1 Y (I) A100-XM2 X (II)
式(I)又は(II)で表わされるものである。 Cu100-XNi50-YM1 Y (I) A100-XM2 X (II)
【0017】但し、式中M1はFe,Coから選ばれる
少なくとも1種の元素、AはAg,Auから選ばれる少
なくとも1種の元素、M2はFe,Co,Niから選ば
れる少なくとも1種の元素であり、X,Yは原子パーセ
ントで0.1<X<50、1<Y<45である。
少なくとも1種の元素、AはAg,Auから選ばれる少
なくとも1種の元素、M2はFe,Co,Niから選ば
れる少なくとも1種の元素であり、X,Yは原子パーセ
ントで0.1<X<50、1<Y<45である。
【0018】ここで、Cu,Ag,Auは常磁性又は反
磁性元素であり、Co,Fe,Niは強磁性元素であ
る。本発明はまず常磁性元素又は反磁性元素と強磁性元
素とからなる合金中に、強磁性元素を含む強磁性体粒子
を析出することにより、磁気的、組成的に不均一な合金
とし、大きな抵抗変化を生じさせることができる磁気抵
抗効果材料とすることができる。特に形状異方性を有す
る磁性微粒子を析出する場合、一般式(I)及び一般式
(II)の組成のものが好ましい。
磁性元素であり、Co,Fe,Niは強磁性元素であ
る。本発明はまず常磁性元素又は反磁性元素と強磁性元
素とからなる合金中に、強磁性元素を含む強磁性体粒子
を析出することにより、磁気的、組成的に不均一な合金
とし、大きな抵抗変化を生じさせることができる磁気抵
抗効果材料とすることができる。特に形状異方性を有す
る磁性微粒子を析出する場合、一般式(I)及び一般式
(II)の組成のものが好ましい。
【0019】Cu100-XCoX(0.1<X<50)系合
金ではナノサイズのCo粒子が球状に析出することはよ
く知られている。しかし、Cu−Ni−Fe系合金(ク
ニフェ:例えばCu50Ni25Fe25、Cu−Ni−Co
合金(クニコ:例えばCu50Ni25Co25)では時効を
施すとスピノーダル分解が起こり、磁性粒子はある決ま
った結晶面に周期的に析出する。従って組成は一般式
(I)で示されるものである。また磁性体である遷移金
属元素の原子半径(0.125〜0.128nm)より
少なくとも5%以上大きい元素であるAg(0.144
nm)、Au(0.144nm)を母相に用いることで
板状に磁性体が析出する。従って組成は一般式(II)で
示されるものである。
金ではナノサイズのCo粒子が球状に析出することはよ
く知られている。しかし、Cu−Ni−Fe系合金(ク
ニフェ:例えばCu50Ni25Fe25、Cu−Ni−Co
合金(クニコ:例えばCu50Ni25Co25)では時効を
施すとスピノーダル分解が起こり、磁性粒子はある決ま
った結晶面に周期的に析出する。従って組成は一般式
(I)で示されるものである。また磁性体である遷移金
属元素の原子半径(0.125〜0.128nm)より
少なくとも5%以上大きい元素であるAg(0.144
nm)、Au(0.144nm)を母相に用いることで
板状に磁性体が析出する。従って組成は一般式(II)で
示されるものである。
【0020】上記一般式(I)及び(II)で示される組
成から、本発明の非磁性体相に形状異方性を有する磁性
体元素からなる磁気抵抗効果材料を作製するには、ま
ず、非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる合金材料を
作製し、これに特定の応力又は温度勾配を与えて、熱処
理することにより異方性を有する磁性体微粒子の方向を
揃えられる。上記の各工程を具体的に説明する。
成から、本発明の非磁性体相に形状異方性を有する磁性
体元素からなる磁気抵抗効果材料を作製するには、ま
ず、非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる合金材料を
作製し、これに特定の応力又は温度勾配を与えて、熱処
理することにより異方性を有する磁性体微粒子の方向を
揃えられる。上記の各工程を具体的に説明する。
【0021】非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる合
金材料の作製は合金組成を過飽和固溶体、強制固溶体に
できればよく、例えば冷却速度102K/sec以上に
て容易に作製できる。冷却速度102K/sec以上と
する方法として、真空蒸着、イオンプレーティング、ス
パッタなどの気相蒸着法、メルトスピン、ガスアトマイ
ズ、液中紡糸などの液体急冷法、高温からの水焼入れ法
などが有る。
金材料の作製は合金組成を過飽和固溶体、強制固溶体に
できればよく、例えば冷却速度102K/sec以上に
て容易に作製できる。冷却速度102K/sec以上と
する方法として、真空蒸着、イオンプレーティング、ス
パッタなどの気相蒸着法、メルトスピン、ガスアトマイ
ズ、液中紡糸などの液体急冷法、高温からの水焼入れ法
などが有る。
【0022】また、作成される合金材料は用途に応じ
て、薄膜、薄帯、粉末、線材などに作製することができ
る。また、本発明において粉末を作製し、これを集成固
化し、バルク(固化材)としてもかまわない。この場
合、まず固化成形し、この後熱処理を施す。最終形状
(製品形状)の成形は集成固化後または熱処理後いずれ
でもかまわない。
て、薄膜、薄帯、粉末、線材などに作製することができ
る。また、本発明において粉末を作製し、これを集成固
化し、バルク(固化材)としてもかまわない。この場
合、まず固化成形し、この後熱処理を施す。最終形状
(製品形状)の成形は集成固化後または熱処理後いずれ
でもかまわない。
【0023】上記熱処理温度は200〜600℃であ
る。200〜600℃で30分以上熱処理することで、
微細な強磁性微粒子が析出され、大きな磁気抵抗効果が
得られる。さらに好ましくは熱処理温度を300〜50
0℃とすることにより、より大きな磁気抵抗効果が得ら
れる。熱処理温度が200℃未満では所望の大きさの強
磁性体微粒子が得られない。又、600℃を超えた場合
には析出される強磁性体微粒子が大きくなり過ぎて、本
発明の目的である磁気抵抗効果を有する材料が得られな
い。また、高温短時間の場合は析出の際の均一性が失わ
れやすい。
る。200〜600℃で30分以上熱処理することで、
微細な強磁性微粒子が析出され、大きな磁気抵抗効果が
得られる。さらに好ましくは熱処理温度を300〜50
0℃とすることにより、より大きな磁気抵抗効果が得ら
れる。熱処理温度が200℃未満では所望の大きさの強
磁性体微粒子が得られない。又、600℃を超えた場合
には析出される強磁性体微粒子が大きくなり過ぎて、本
発明の目的である磁気抵抗効果を有する材料が得られな
い。また、高温短時間の場合は析出の際の均一性が失わ
れやすい。
【0024】熱処理中に応力又は温度勾配を与えて上記
熱処理を行うことにより、異方性を有する磁性体微粒子
の方向を揃えて配向析出させることができる。具体的に
は、これら磁性粒子が異方的な形状を持って析出する合
金の過飽和固溶体に時効を施すときに任意の方向からあ
るいはある結晶面に対し、例えば、(1) 0%<ε≦80%の歪み、望ましくは1%≦ε≦
50%の歪みを与え時効する、(2) 一方向に温度差を1℃/cm≦△T≦10℃/c
m、望ましくは2℃/cm≦△T≦5℃/cmを与えて
時効する、により析出方向を揃えることができる。さら
には (3) 時効温度における0.2%耐力の10%から90
%の応力下、望ましくは50%〜90%の応力下で時効
する。
熱処理を行うことにより、異方性を有する磁性体微粒子
の方向を揃えて配向析出させることができる。具体的に
は、これら磁性粒子が異方的な形状を持って析出する合
金の過飽和固溶体に時効を施すときに任意の方向からあ
るいはある結晶面に対し、例えば、(1) 0%<ε≦80%の歪み、望ましくは1%≦ε≦
50%の歪みを与え時効する、(2) 一方向に温度差を1℃/cm≦△T≦10℃/c
m、望ましくは2℃/cm≦△T≦5℃/cmを与えて
時効する、により析出方向を揃えることができる。さら
には (3) 時効温度における0.2%耐力の10%から90
%の応力下、望ましくは50%〜90%の応力下で時効
する。
【0025】このように異方性(板状、針状)を持った
ナノサイズの磁性粒子を持った粒子の方向を揃えること
により磁界に対する応答性、信号変化も大きくなり、磁
気センサーとして望ましい性能を示す。
ナノサイズの磁性粒子を持った粒子の方向を揃えること
により磁界に対する応答性、信号変化も大きくなり、磁
気センサーとして望ましい性能を示す。
【0026】応力下の熱処理として、0.2%耐力の1
0%〜90%の応力下での時効では、10%未満の場
合、磁性体微粒子の方向が揃えにくい。磁性体微粒子の
方向を揃えやすい点で50〜90%の応力下がより好ま
しい。
0%〜90%の応力下での時効では、10%未満の場
合、磁性体微粒子の方向が揃えにくい。磁性体微粒子の
方向を揃えやすい点で50〜90%の応力下がより好ま
しい。
【0027】応力下の時効を他の指標で示すと、歪みを
εとすると、0%<ε≦80%の歪みでの時効が挙げら
れ、80%を超える歪みを与えた場合、結晶が細かくな
り、電気抵抗が大きくなり、磁気抵抗比が小さくなる。
εとすると、0%<ε≦80%の歪みでの時効が挙げら
れ、80%を超える歪みを与えた場合、結晶が細かくな
り、電気抵抗が大きくなり、磁気抵抗比が小さくなる。
【0028】一方向に温度差を与えての時効では、1℃
/cmの温度差未満の場合、上記と同様に方向が揃えに
くい。
/cmの温度差未満の場合、上記と同様に方向が揃えに
くい。
【0029】本発明は上記に述べたように、異方的な磁
性体粒子が析出する合金系に対し、応力時効、歪み時
効、温度差をかけて時効を施すことにより異方性を持っ
た磁性体粒子を配向析出させ、優れた磁気抵抗センサー
とすることを主眼とする。この方法を用いることにより
図1に模式される、磁気抵抗効果に寄与する磁性体−非
磁性体界面の面積を小さくすることなく、磁性体微粒子
の体積を大きくできる。これから熱(室温)による磁界
の撹乱を受けにくくなり外部磁界に対する磁性微粒子の
磁化の応答性が良くなる。従って、磁気抵抗効果はより
低磁界で大きな変化を示す。また周期的に配置された磁
性粒子はその相互作用により協調的に強磁性になろうと
しやすくなることから、低い外部磁界で強磁性的に結合
し、電気抵抗は減少する。
性体粒子が析出する合金系に対し、応力時効、歪み時
効、温度差をかけて時効を施すことにより異方性を持っ
た磁性体粒子を配向析出させ、優れた磁気抵抗センサー
とすることを主眼とする。この方法を用いることにより
図1に模式される、磁気抵抗効果に寄与する磁性体−非
磁性体界面の面積を小さくすることなく、磁性体微粒子
の体積を大きくできる。これから熱(室温)による磁界
の撹乱を受けにくくなり外部磁界に対する磁性微粒子の
磁化の応答性が良くなる。従って、磁気抵抗効果はより
低磁界で大きな変化を示す。また周期的に配置された磁
性粒子はその相互作用により協調的に強磁性になろうと
しやすくなることから、低い外部磁界で強磁性的に結合
し、電気抵抗は減少する。
【0030】応力、温度勾配を与えることにより、図1
に示されるように、非磁性を有する母相1中に、形状異
方性を有する磁性微粒子2が方向を揃えて均一に分散さ
れる。
に示されるように、非磁性を有する母相1中に、形状異
方性を有する磁性微粒子2が方向を揃えて均一に分散さ
れる。
【0031】図2はAu90Co10を溶体化処理した後
に、300℃で1時間時効処理した試料の透過電子顕微
鏡(TEM)像であり、図3はAu90Co10を溶体化処
理した後に、300℃で1時間、図中の矢印方向に5%
の歪み時効を与えた試料のTEM像である。
に、300℃で1時間時効処理した試料の透過電子顕微
鏡(TEM)像であり、図3はAu90Co10を溶体化処
理した後に、300℃で1時間、図中の矢印方向に5%
の歪み時効を与えた試料のTEM像である。
【0032】図2に示される通常の時効では、板状Co
粒子の析出(写真では線状)が認められ、それが水平及
び垂直方向そして紙面に平行に3方向均一に析出してい
る。それに対し、図3の5%の歪み時効を施した試料で
は、Co粒子が歪み方向に対し垂直にのみ析出してい
る。この板状Co粒子の析出方向が揃ったことにより磁
気抵抗比は8%から18%まで大きくなった。このよう
に本発明では、異方的な磁性粒子の方向を揃えること
で、粒子分散型磁気抵抗効果の問題点であった低磁界で
の抵抗変化の小ささを解決することができる。
粒子の析出(写真では線状)が認められ、それが水平及
び垂直方向そして紙面に平行に3方向均一に析出してい
る。それに対し、図3の5%の歪み時効を施した試料で
は、Co粒子が歪み方向に対し垂直にのみ析出してい
る。この板状Co粒子の析出方向が揃ったことにより磁
気抵抗比は8%から18%まで大きくなった。このよう
に本発明では、異方的な磁性粒子の方向を揃えること
で、粒子分散型磁気抵抗効果の問題点であった低磁界で
の抵抗変化の小ささを解決することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に詳しく説明する。 実施例1 原子比がAg85Co15の組成を母合金をアーク溶解炉あ
るいは高周波溶解炉で溶製し、上記組成からなるターゲ
ットを作製し、これを水冷ポリイミドからなる基板上に
スパッタ蒸着した。この試料に対して、基板に蒸着した
膜を基板とともに曲げを加えることにより5%の引張り
歪みを与えて、500℃で1時間の時効を行った。該試
料を磁気特性はVSM(振動型磁化測定)により、抵抗
は4端子法により印加磁場15kOeにて測定したとこ
ろ32%の磁気抵抗効果比(△R/R%)であった。
に詳しく説明する。 実施例1 原子比がAg85Co15の組成を母合金をアーク溶解炉あ
るいは高周波溶解炉で溶製し、上記組成からなるターゲ
ットを作製し、これを水冷ポリイミドからなる基板上に
スパッタ蒸着した。この試料に対して、基板に蒸着した
膜を基板とともに曲げを加えることにより5%の引張り
歪みを与えて、500℃で1時間の時効を行った。該試
料を磁気特性はVSM(振動型磁化測定)により、抵抗
は4端子法により印加磁場15kOeにて測定したとこ
ろ32%の磁気抵抗効果比(△R/R%)であった。
【0034】比較例1 実施例1において、引張り歪みを与えず、500℃で1
時間の通常の時効を行った。印加磁場15kOeでの磁
気抵抗効果比は20%であった。
時間の通常の時効を行った。印加磁場15kOeでの磁
気抵抗効果比は20%であった。
【0035】実施例2 表1に示す組成(原子比)の母合金をアーク溶解炉ある
いは高周波溶解炉で溶解し、これを真空中1000℃で
2時間均質化処理し、氷水中へ急冷し、完全にあるいは
部分的に固溶させる。このようにしてバルク(鋳造)材
を得た。試料のうち実施例2の試料には10%の圧縮歪
みを与えて300℃で1時間時効した。磁気抵抗効果比
は実施例2の試料が18%であった。
いは高周波溶解炉で溶解し、これを真空中1000℃で
2時間均質化処理し、氷水中へ急冷し、完全にあるいは
部分的に固溶させる。このようにしてバルク(鋳造)材
を得た。試料のうち実施例2の試料には10%の圧縮歪
みを与えて300℃で1時間時効した。磁気抵抗効果比
は実施例2の試料が18%であった。
【0036】比較例2 実施例2において圧縮歪みを与えず、300℃で1時間
通常の時効を行った。結果を表1に示す。
通常の時効を行った。結果を表1に示す。
【0037】実施例3 表1に示す組成の母合金を実施例2と同様にして、柱状
バルク材(鋳造材)を作製し、次にこのバルク材を細引
き加工を施し、細線を作製した。該試料を均熱帯の小さ
な炉の中を移動させることにより、4℃/20mmの温
度差を与え、300℃で約1時間の時効を行った。結果
を表1に示す。
バルク材(鋳造材)を作製し、次にこのバルク材を細引
き加工を施し、細線を作製した。該試料を均熱帯の小さ
な炉の中を移動させることにより、4℃/20mmの温
度差を与え、300℃で約1時間の時効を行った。結果
を表1に示す。
【0038】比較例3 実施例3において、300℃で約1時間の通常の時効を
行った。結果を表1に示す。
行った。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】上記のとおり、本発明で得られる形状異
方性を有する磁性微粒子が方向を揃えて均一微細に分散
されることによって、通常の時効によって組織中に磁性
粒子がランダムに析出したものに比べて高感度の抵抗変
化を有するものであり、特に低磁界での磁気抵抗効果比
に優れている。
方性を有する磁性微粒子が方向を揃えて均一微細に分散
されることによって、通常の時効によって組織中に磁性
粒子がランダムに析出したものに比べて高感度の抵抗変
化を有するものであり、特に低磁界での磁気抵抗効果比
に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気抵抗効果材料の模式図。
【図2】通常の時効を行った材料のTEM像。
【図3】本発明の形状異方性を有する磁性微粒子が分散
された材料のTEM像。
された材料のTEM像。
1 非磁性を有する母相 2 形状異方性を有する磁性微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 43/12 G01R 33/06 R H01F 1/30 (56)参考文献 特開 平6−318749(JP,A) 特開 平6−268280(JP,A) 特開 平7−86017(JP,A) 欧州特許出願公開638943(EP,A 1) 電気学会マグネティクス研究会資料, Vol.MAG−94,No.85−100, pp.1−5(1994) 電気学会マグネティクス研究会資料, Vol.MAG−93,No.126−131, pp.1−8(1993) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/08 G01R 33/09 G11B 5/39 H01F 1/20 H01L 43/10 H01L 43/12 JICSTファイル(JOIS)
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる
合金材料を作製し、これに0%<ε≦80%の歪みを与
えて熱処理を施し、磁性体元素からなる形状異方性を有
する磁性体微粒子を非磁性体相中に方向を揃えて均一微
細に分散析出させることを特徴とする磁気抵抗効果材料
の製造方法。 - 【請求項2】 非磁性体相に磁性体元素を固溶してなる
合金材料を作製し、これに1℃/cm<△T≦10℃/
cmの温度差を与えて熱処理を施し、磁性体元素からな
る形状異方性を有する磁性体微粒子を非磁性体相中に方
向を揃えて均一微細に分散析出させることを特徴とする
磁気抵抗効果材料の製造方法。 - 【請求項3】 合金材料が一般式:Cu100-XNi50-Y
M1 Y(但し、M1はFe,Coから選ばれる少なくとも
1種の元素、X,Yは原子パーセントで0.1<X<5
0、1<Y<45)で示される組成からなる請求項1又
は2記載の磁気抵抗効果材料の製造方法。 - 【請求項4】 合金材料が一般式:A100-XM2 X(但
し、AはAg,Auから選ばれる少なくとも1種の元
素、M2はFe,Co,Niから選ばれる少なくとも1
種の元素、Xは原子パーセントで0.1<X<50)で
示される組成からなる請求項1又は2記載の磁気抵抗効
果材料の製造方法。 - 【請求項5】 0.2%耐力の10〜90%の応力下で
熱処理を施す請求項1又は2記載の磁気抵抗効果材料の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08766195A JP3219966B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08766195A JP3219966B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08264860A JPH08264860A (ja) | 1996-10-11 |
| JP3219966B2 true JP3219966B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
ID=13921139
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08766195A Expired - Fee Related JP3219966B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 粒子分散型磁気抵抗効果材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3219966B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112423913B (zh) * | 2018-07-12 | 2023-05-23 | 住友金属矿山株式会社 | 合金粉和合金粉的制造方法 |
| CN109082548A (zh) * | 2018-07-13 | 2018-12-25 | 湖州市道场乡资产经营有限公司 | 一种Cu-Ni系粉末烧结工艺 |
| CN113328035B (zh) * | 2020-02-28 | 2024-04-23 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 半导体结构及其形成方法 |
-
1995
- 1995-03-22 JP JP08766195A patent/JP3219966B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| 電気学会マグネティクス研究会資料,Vol.MAG−93,No.126−131,pp.1−8(1993) |
| 電気学会マグネティクス研究会資料,Vol.MAG−94,No.85−100,pp.1−5(1994) |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08264860A (ja) | 1996-10-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |