JP3224085B2 - 耐摩耗性に優れた軸受 - Google Patents
耐摩耗性に優れた軸受Info
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Description
軸受に係わり、特に、高面圧化,高周速化,高温度化,
油膜厚さ減少等のより苛酷な条件下で使用しても十分に
良好な軸受性能を発揮する平軸受として好適な耐摩耗性
に優れた軸受に係るものである。
走行用エンジンには、高荷重用として平軸受などの軸受
が使用されている。このような高荷重用軸受は、例え
ば、半割状若しくは円筒状に形成された鋼板を裏金と
し、この鋼板裏金の上に銅系の合金などから成る軸受合
金層を形成することにより複層化して構成されたもので
あることが多い。そして、このような高荷重用軸受は、
軸受合金層が銅系の合金からなるものとしていて、耐荷
重性に優れたものである。
や駆動に要求される条件はきわめて苛酷になり、その条
件に適合するには、耐荷重性のほかに、軸受として必要
な種々の特性、例えば、耐焼付性、異物の埋収性、なじ
み性等が要求されている。
に由来する問題を解決するために、鋼板裏金上の軸受合
金層を強化するほかに、なじみ性や異物の埋収性を備え
た金属や合金を軸受合金層の上にオーバレイ合金層とし
てめっき等により形成することも行われている。
て錫などを含みかつ主成分が銅よりなる銅−鉛合金の軸
受合金層を焼結または鋳造によって形成し、この軸受合
金層の上に、めっきが施されてオーバレイ合金層が形成
されたものとなっている。そして、通常の場合、オーバ
レイ合金層と軸受合金層との間には、中間層として約1
〜2μm厚さのニッケルめっき層が設けられている。
性を与える鉛ならびに錫を含む鉛−錫合金のめっき層と
して構成され、Pb−Sn系、Pb−Sn−Cu系、P
b−Sn−In系等のものが知られ、特に、米国特許第
2,605,149号明細書によって開示された鉛85
〜90%、錫8〜12%、銅2〜3%のPb−Sn−C
u系オーバレイ合金層が最も多く使用されている。
ジンでは、高性能化、高出力化により、これに適用され
る平軸受は、高面圧化、高温度化、油膜厚さの減少な
ど、より苛酷な条件を強いられるようになってきた。
は、軸受面圧の増加に伴ない、オーバレイ合金層のクラ
ック発生、摩耗消滅からの焼付発生などが心配されるこ
とから、より一層耐摩耗性の優れたオーバレイ合金層を
そなえた平軸受等の軸受の開発が求められているという
課題があった。
みてなされたものであって、従来のPb−Sn−Cu系
オーバーレイ合金層よりもさらに優れた耐摩耗性を有す
るオーバレイ合金層をそなえた平軸受などの軸受を提供
することを目的としている。
優れた平軸受等の軸受は、請求項1に記載しているよう
に、表面が、重量%で、Pb:62〜84%、Cu:7
〜13%、Sn:5〜10%、In:4〜15%よりな
るオーバレイ合金層で形成されているものとしたことを
特徴としている。
受の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、裏金に設けた軸受合金層に、直接、請求項1に記載
のオーバレイ合金層を形成したものとすることができ
る。
受の実施態様においては、請求項3に記載しているよう
に、裏金に設けた軸受合金層に、中間めっき層を介し
て、請求項1に記載のオーバレイ合金層を形成したもの
とすることができ、この場合に請求項4に記載している
ように、中間めっき層が、Ni,Ni合金,Cu,Cu
合金,Ag,Ag合金のうち少なくともいづれかの金属
で形成されているものとすることができる。
の軸受は、上述した構成を有するものであり、軸受面の
高面圧化に対応するべくオーバレイ合金層の耐摩耗性を
さらに向上させるようにしたものであって、上記の構成
とした理由について各合金元素の作用と共に次に説明す
る。
組成上における最も大きな特徴は、Cuを多量に含有し
ているところにある。このCuは、Pb−Snオーバレ
イ合金層の耐摩耗性および疲労強度を高めるのに最も効
果的な成分である。
えることにより、オーバレイ合金層の耐摩耗性,疲労強
度は急激に増大する。この場合、含有量を7%以上とし
たことによるCuの効果は、めっき皮膜を微細化し、著
しく耐摩耗性を向上させる。ただし、本発明のごとく7
〜13%とCuを多く含有すると、Pb−Sn−Cuの
3元系では、なじみ性および疲労特性が低下するので、
Inを添加した4元系の成分とすることによって、バラ
ンスのとれたオーバレイ合金層の組成とした。そして、
Cu含有量が13%を超えるともろくなり、オーバレイ
特性としてのバランスがとれがたくなるので、13%以
下とした。
含有量が5%未満では耐蝕性が急激に低下する。一方、
Sn含有量が15%超過であるとCuSnの金属間化合
物を多く生成して脆くなる。従って、Sn含有量は好ま
しくは5〜10%である。
添加量が4%未満であると耐食性が著しく低下し、耐焼
付性も劣化する。そして、InとSnの共存が耐食性に
大きく寄与するが、In添加量が15%を超えると柔ら
かくなり、耐摩耗性が低下する。そして、より好ましい
In添加量は9〜11%である。
添加することにより、耐食性を大幅に向上させるほか
に、優れたなじみ性を発揮し、耐焼付性等の特性を高め
る。
u−Sn−Inの組合せとすることにより、耐摩耗性を
大幅に向上させることが可能となり、Cuを多く含有さ
せたことによる耐食性,耐焼付性の劣化はInを添加し
たPb−Cu−Sn−In4元系の組合せとすることに
より解消される。
良好で且つまた、耐摩耗性の向上したオーバレイ合金層
が形成でき、耐摩耗性に優れそしてまたなじみ性,耐焼
付性に優れた平軸受等の軸受とすることが可能となる。
述した理由により、表面が、重量%で、Pb:62〜8
4%、Cu:7〜13%、Sn:5〜10%、In:4
〜15%よりなるオーバレイ合金層で形成されるものと
しており、この場合、裏金に設けた軸受合金層に、直
接、あるいは中間めっき層を介して、上記成分組成のオ
ーバレイ合金層を形成しているものとしている。そし
て、後記する実施例では鋼裏金付鉛青銅合金(軸受合金
層)上に1〜2μm厚さのニッケルめっき中間層を形成
し、その上に本発明に係るオーバレイ合金層を形成する
最もポピュラーな構成としているが、本発明では、この
ようなニッケルめっき中間層は必須ではなく、中間層を
形成する場合であっても中間層の材質をニッケルに限定
するものでもない。
層)が鉛を含む銅基合金の場合に、従来のPb−Sn−
Cu系オーバレイ合金層中のSnが軸受使用中に下地合
金中の主にPb相に拡散して、Pb−Sn−Cu系オー
バレイ合金層中のSnが減少することで、耐食性が劣化
するのを防止する役目をはたす中間層である。
性に不安がないIn含有の本発明品では、下地層とオー
バレイ合金層との間に拡散防止用のめっき中間層を介在
させる必要性は大きくなく、めっきによる中間層なし、
つまり、下地である軸受合金層上に直接本発明に係るオ
ーバレイ合金層を設ける構造であっても、性能上支障は
ない。
が下地合金層に拡散するものの、Inを伴なう4元系で
あるので耐食性はそれ程劣化しない。また、下地のPb
相に耐食性のあるSn,Inが拡散することで、万一、
オーバレイ合金層が部分的になくなり、下地合金層が露
出した場合でも、下地合金層の耐食性は元のままよりも
向上しており、長寿命の耐久性が得られる。
ては、銅基下地合金と鉛基オーバレイ合金層との密着性
を少なくとも阻害せず、オーバレイ合金層中の成分が下
地合金中に拡散移動するのを防止できる機能を持つ必要
がある。これらの機能を果たす材質としては、Ni,N
i合金,Cu,Cu合金,Ag,Ag合金をあげること
ができ、いづれも使用可能であるが、最も普及している
のがNiである。
述のような下地のPb相への拡散は耐食性を劣化させる
レベルでは起こらないので、めっき中間層の役割は下地
合金と鉛基オーバレイ合金層との密着性向上が主なもの
となる。そして、このような構造とすることで、一般的
には、オーバレイ合金層よりもなじみ性や異物埋収性等
の表面性能が劣るアルミニウム合金系軸受の表面性能を
一段と向上させることができる。
ものが使用される。
説明する。
上に1〜2μmの厚さでニッケルめっきを施して中間層
を形成し、このニッケルめっきよりなる中間層上に表1
に示す浴組成のめっき浴とめっき条件によってPb−C
u−Sn系合金の電気めっきを施した。
たのち、温度150℃で熱処理した。このオーバレイ合
金層の厚さは、通常、15〜20μmである。
緻密なものが得られ、また、組織もオーバレイ合金層中
で元素偏析は見られず均一なものであった。
較のために本実施例のInめっきを施す前の状態のもの
である比較例1、In添加量を3%にした比較例2、I
n添加量を増加して19%とした比較例3、Sn添加量
を1%とした比較例4、さらには従来のオーバレイ合金
層の代表的なものである従来例1,2について、オーバ
レイ合金層の組成およびオーバレイ合金層の表面硬さを
比較して表わした。このとき、硬さ試験は、マイクロビ
ッカース硬度計により試験荷重10gfで行った。
2に比べてCuを多く含有した本発明実施例1,2で
は、表面硬さが従来例1,2よりも増加しており、耐摩
耗性を向上させる効果が認められた。そしてとくに、本
発明実施例1の硬さは、従来例1,2の約3倍になって
いた。
1,2のオーバレイ合金層の温度による表面硬さの変化
を示す。先に述べた様に、近年のエンジンの高性能化に
伴なう軸受の影響の一つに高温度化を上げることができ
る。このとき、運転温度はオーバレイ合金層の寿命に著
しく影響し、温度の上昇はオーバレイ合金材料の物理的
性質を低下させる。そして、オーバレイ合金層は鉛を主
体とした材質となっているため、その硬さは温度にきわ
めて依存しやすいものとなり、高温になれば硬さが低下
し、オーバレイ合金層に要求される特性のひとつである
耐摩耗性を減じる。
本発明実施例1,2では、従来例1,2に比べて高温硬
さの低下防止に効果があり、従って、実際のエンジンで
の使用における耐摩耗性向上に著しい効果を発揮するも
のであった。
験を行った。このときの摩耗試験条件は表3に示す通り
である。この摩耗試験結果を表4および図2に示す。
実施例1,2の摩耗量は従来例1,2の摩耗量に比べて
かなり少なくなっており、本発明品の耐摩耗性は従来品
に比べて大幅に向上していることが認められた。
較例3では、柔らかくなりすぎるため摩耗量が多くな
り、従来品と同レベルの耐摩耗性となっていることが認
められた。
験を行った。このときの焼付試験条件は表5に示す通り
である。この焼付試験結果を同じく表4および図2に示
す。
添加していない比較例1では焼付限界荷重が極端に低下
しているが、比較例1にInを10%添加した本発明実
施例1では、従来例1,2と同等の優れた耐焼付性を有
していることが認められた。
較例2、およびSn添加量を減らしたSn1%の比較例
4では、焼付限界荷重の低下が認められた。
験を行った。このときの腐食試験条件は表6に示す通り
であり、キャビテーション試験条件は表7に示す通りで
ある。この腐食試験結果を同じく表4および図2に示
し、キャビテーション試験結果を表4に示す。
に関して、銅はオイル中のいおう分のターゲットになり
うるので、Pb−Sn−Cu系の従来例1に比較してC
u含有量の多い比較例1では腐食量が多くなっている。
しかし、Inを添加して4元素系とすることで本発明実
施例1,2の腐食量は、従来例1よりも少なくなってい
ることが認められた。
に、InあるいはSn添加量を減らすと腐食量は増加す
ることとなり、SnとInが同時に添加されているもの
とすることで相乗効果を生むことにより耐食性の向上に
大きく寄与することが確かめられた。
来例1,2と比較して、耐摩耗性に優れていると共に耐
焼付性,耐食性は同等以上である。そして、In添加量
を3%とした比較例2では耐焼付性,耐食性が低下して
おり、In添加量を19%とした比較例3では耐焼付
性,耐食性は良好であるものの耐摩耗性が低下したもの
となっていた。さらに、Sn添加量を1%とした比較例
4では耐摩耗性に優れているものの、耐焼付性,耐食性
が劣るものとなっていた。
軸受に設けられた本発明実施例1および従来例1,2の
めっき皮膜について、アンダーウッド試験を行った。こ
のときのアンダーウッド試験条件は表8に示す通りであ
る。このアンダーウッド試験結果を表9に示す。
は従来例1,2のものに比べて肉厚減少量が少なく、耐
摩耗性に優れていることが認められた。
は、表面が、重量%で、Pb:62〜84%、Cu:7
〜13%、Sn:5〜10%、In:4〜15%よりな
るオーバレイ合金層で形成されているものであり、従来
のオーバレイ合金層の銅含有量を増加するとともにIn
を加えたPb−Cu−Sn−Inの4元系のオーバレイ
合金層を表面に形成した軸受としたから、なじみ性,耐
焼付性,耐食性等の諸特性を損なうことなしに耐摩耗性
が大幅に向上したオーバレイ合金層を表面に有する耐摩
耗性に優れた平軸受などの軸受とすることが可能であ
り、従って、近年のエンジンの高出力化、高性能化によ
り、軸受面における高面圧化,高温度化,油膜厚さの減
少など、より苛酷な条件で使用したとしても、十分に対
応できる耐摩耗性に優れたオーバレイ付(平)軸受を提
供することが可能であるという顕著な効果がもたらされ
る。
裏金に設けた軸受合金層に、直接、上記Pb−Cu−S
n−In4元系のオーバレイ合金層を形成したものとし
ても、オーバレイ合金層中のInが下地合金層に拡散し
た場合にこのInは耐食性を大きく低下させないことか
ら、耐摩耗性をはじめとして耐食性等の良好な軸受を中
間層形成工程を経ることなく製造することが可能である
という顕著な効果がもたらされる。
金に設けた軸受合金層に、中間めっき層を介して、上記
Pb−Cu−Sn−In4元系のオーバレイ合金層を形
成したものとすることによって、オーバレイ合金層中の
Sn,Inが下地合金層中に拡散するのを防止すること
が可能であると共に、下地合金層とオーバレイ合金層と
の密着性をより一層向上したものにすることが可能であ
るという顕著な効果がもたらされ、請求項4に記載して
いるように、中間めっき層がNi,Ni合金,Cu,C
u合金,Ag,Ag合金のうち少なくともいづれかの金
属で形成されているものとすることによって、下地合金
層とオーバレイ合金層との密着性を向上させそしてまた
オーバレイ合金層中の成分が下地合金層に拡散移動する
のを阻止することが可能であるという顕著な効果がもた
らされる。
オーバレイ合金層の温度による表面硬さの変化を調べた
結果を示すグラフである。
例1,2で測定した摩耗,焼付,腐食試験結果を示すグ
ラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面が、重量%で、Pb:62〜84
%、Cu:7〜13%、Sn:5〜10%、In:4〜
15%よりなるオーバレイ合金層で形成されていること
を特徴とする耐摩耗性に優れた軸受。 - 【請求項2】 裏金に設けた軸受合金層に、直接、請求
項1に記載のオーバレイ合金層を形成したことを特徴と
する耐摩耗性に優れた軸受。 - 【請求項3】 裏金に設けた軸受合金層に、中間めっき
層を介して、請求項1に記載のオーバレイ合金層を形成
したことを特徴とする耐摩耗性に優れた軸受。 - 【請求項4】 中間めっき層が、Ni,Ni合金,C
u,Cu合金,Ag,Ag合金のうち少なくともいづれ
かの金属で形成されている請求項3に記載の耐摩耗性に
優れた軸受。
Priority Applications (1)
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| JP33726896A JP3224085B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 耐摩耗性に優れた軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33726896A JP3224085B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 耐摩耗性に優れた軸受 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10176717A JPH10176717A (ja) | 1998-06-30 |
| JP3224085B2 true JP3224085B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=18307020
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP33726896A Expired - Fee Related JP3224085B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 耐摩耗性に優れた軸受 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP3224085B2 (ja) |
-
1996
- 1996-12-17 JP JP33726896A patent/JP3224085B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH10176717A (ja) | 1998-06-30 |
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