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JP3224865B2 - 農業用被覆フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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JP3224865B2 - 農業用被覆フィルム及びその製造方法 - Google Patents

農業用被覆フィルム及びその製造方法

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JP3224865B2
JP3224865B2 JP20984892A JP20984892A JP3224865B2 JP 3224865 B2 JP3224865 B2 JP 3224865B2 JP 20984892 A JP20984892 A JP 20984892A JP 20984892 A JP20984892 A JP 20984892A JP 3224865 B2 JP3224865 B2 JP 3224865B2
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆フィルム及びその
製造方法、特に、農業用被覆フィルム及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】植物栽培用の温室やトンネルハウス等の
グリーンハウスに用いられる農業用被覆フィルムとし
て、フッ素樹脂フィルムが利用されている(例えば特開
昭64−43535号参照)。ところが、フッ素樹脂フ
ィルムを用いたグリーンハウスは、表面が不活性なた
め、内面に水滴が付着し易い。グリーンハウスに付着し
た水滴は、太陽光線を遮ったり、滴下すると栽培中の植
物に付着するので、植物の良好な成育を妨げる原因とな
る。
【0003】そこで、防曇機能を有する、水滴が付着し
にくい農業用のフッ素樹脂フィルムが種々提供されてい
る。例えば、特開昭62−179938号には、層状の
ケイ酸塩とシランカップリング剤とを含む防曇剤が塗布
された農業用フッ素樹脂フィルムが示されている。ま
た、特開平1−123737号には、粒子状のシリカ、
アルミナ及び酸化チタンから選ばれた少なくとも1種以
上を含む防曇剤が塗布された農業用フッ素樹脂フィルム
が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】防曇性を有する前記農
業用フッ素樹脂フィルムは、フィルムの耐久性は良好で
あるが、フィルムの耐用年数に比べて防曇性の持続期間
が短い。したがって、前記従来の農業用フッ素樹脂フィ
ルムは、長期間使用すると防曇性が低下してしまうの
で、定期的に防曇剤を塗布し直さなければ防曇機能を持
たない農業用フッ素樹脂フィルムと同様の問題を起こし
てしまう。
【0005】第1及び第2の発明の目的は、耐久性が良
好でありかつ防曇性が長期間良好に持続し得る農業用被
覆フィルムを提供することにある。第3の発明の目的
は、耐久性が良好でありかつ防曇性が長期間良好に持続
し得る農業用被覆フィルムを効率良く製造するための製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る農業用
被覆フィルムは、特定の表面特性を持つフッ素樹脂フィ
ルム層と、フッ素樹脂フィルム層に配置された防曇剤層
とを備えている。防曇剤層は、無機親水性コロイド物質
と、界面活性剤と、リチウムシリケート及び/又はシラ
ン誘導体とを含んでいる。
【0007】第2の発明に係る農業用被覆フィルムは、
特定の表面特性を持つフッ素樹脂フィルム層と、フッ素
樹脂フィルム層上に形成されかつ酸素及び/又は窒素を
含む原子団を有する有機化合物からなる下地層と、下地
層上に形成されかつ無機親水性コロイド物質と界面活性
剤とリチウムシリケート及び/又はシラン誘導体とを含
む防曇剤層とを備えている。
【0008】第3の発明に係る農業用被覆フィルムの製
造方法は、次の工程を含んでいる。 ◎フッ素樹脂フィルムを用意する工程。 ◎フッ素樹脂フィルムに表面処理面を設ける工程。 ◎表面処理面に、無機親水性コロイド物質と界面活性剤
とリチウムシリケート及び/又はシラン誘導体とを含む
防曇剤を塗布する工程。
【0009】******* フッ素樹脂フィルム層 本発明の農業用被覆フィルムを構成するフッ素樹脂フィ
ルム層は、分子構造にフッ素を含む高分子化合物からな
るものである。一般的なフッ素樹脂は、次の繰り返し単
位(1)を含む重合体である。
【0010】
【化1】 式中、X1 、X2 及びX3 は、H,Cl,F,−Rf
−O−Rf のうちから選択された置換基である。また、
f は、炭素原子を1〜12個含むパーフルオロアルキ
ル基である。
【0011】フッ素樹脂フィルム層を構成するフッ素樹
脂の具体例としては、次のものが挙げられる。 テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン
との共重合体樹脂。
【0012】特に、95〜50重量%のテトラフルオロ
エチレンと5〜50重量%のヘキサフルオロプロピレン
とからなる共重合体樹脂が好ましい。 クロロトリフルオロエチレンとエチレンとの共重合体
樹脂。 テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体樹
脂。
【0013】特に、40〜60モル%のテトラフルオロ
エチレンと40〜60モル%のエチレンとからなる共重
合体樹脂が好ましい。なお、この共重合体樹脂では、必
要により、パーフルオロアルキルビニルが第3成分とし
て共重合されていても良い。パーフルオロアルキルビニ
ルは、次の一般式(2)で示される。なお、式中nは、
2〜10の整数である。
【0014】
【化2】 パーフルオロアルキルビニルを第3成分として含む共重
合体樹脂として好ましいのは、45〜65モル%のテト
ラフルオロエチレンと、35〜55モル%のエチレン
と、0.1〜10モル%のパーフルオロアルキルビニル
を含む共重合体樹脂である。 テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニ
ルエーテルとの共重合体樹脂。
【0015】特に、50〜95重量%のテトラフルオロ
エチレンと、5〜50重量%のパーフルオロプロピルビ
ニルエーテルとを含む共重合体樹脂が好ましい。 ポリフッ化ビニリデン樹脂。 ポリフッ化ビニル樹脂。
【0016】本発明で用いられるフッ素樹脂フィルム層
は、上述のフッ素樹脂を例えば押し出し成型法やインフ
レーション成型法等によりフィルム化したものである。
フッ素樹脂フィルム層の厚みは、一般に、25〜750
μm、好ましくは35〜350μmに設定される。厚み
が25μm未満の場合は、本発明に係る農業用被覆フィ
ルムが破れ易くなる。逆に、厚みが750μmを超える
と、切断,接着及び展張等の作業性が低下し、また不経
済である。
【0017】なお、フッ素樹脂フィルム層には、必要に
応じて着色剤が添加されていても良い。着色剤として
は、酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、沈降性シリ
カ、カーボンブラック、クロムイエロー、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン等が例示できる。
【0018】フッ素樹脂フィルム層は、防曇剤層が配置
される面に表面処理を施し、フィル ム表面の濡れ張力が
30dyne/cm以上である必要がある。フィルム表
面の濡れ張力が30dyne/cm以上であると、その
表面に投錨効果が発現し、フッ素樹脂フィルム層と下地
層又は防曇剤層との馴染みが改善され、防曇性とその持
続性が向上する。フィルム表面の濡れ張力が30dyn
e/cm未満では、防曇性能及びその持続性に劣ったも
のとなる。
【0019】表面処理の態様としては、薬液処理や放電
処理が例示できる。薬液処理は、金属ナトリウムのアン
モニア溶液や、ナトリウム・ナフタリン錯体のテトラヒ
ドロフラン溶液にフッ素樹脂フィルムを浸漬する表面処
理方法である。一方、放電処理は、フッ素樹脂フィルム
表面でコロナ放電、グロー放電(プラズマ処理)、スパ
ッタエッチング等を行い、フィルム表面に高エネルギー
粒子を衝突させる処理方法である。
【0020】なお、表面処理後のフッ素樹脂フィルム表
面では、炭素原子数(C)に対するフッ素原子数(F)
の比(F/C)が0.8〜1.8であり、かつ炭素原子
数に対する酸素原子数(O)の比率(O/C)と上述の
F/Cとの関係が次の関係式(1)を満たし、さらに表
面処理された表層以外の部分のF/C値が1.9〜2.
0に設定されているのが好ましい。
【0021】
【数1】 下地層 上述のフッ素樹脂フィルム層には、必要により下地層を
形成しても良い
【0022】下地層は、酸素及び/又は窒素を含む原子
団を有する有機化合物からなる。酸素及び/又は窒素を
含む原子団としては、アミノ基、イミノ基、カルボキシ
ル基、水酸基、カルボニル基、エーテル基、エポキシ
基、イソシアネート基、アミド基、ウレタン基、エステ
ル基、尿素基、シアノ基等が例示できる。このような原
子団を有する有機化合物としては、ポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリ
ビニルアルコール等が例示できる。
【0023】下地層の厚さは、0.01〜1.0μm、
好ましくは0.05〜0.5μmに設定される。フッ素
樹脂フィルム層にこのような下地層を設けると、防曇性
の持続効果がより向上する 防曇剤層 本発明の農業用被覆フィルムを構成する防曇剤層に用い
られる防曇剤は、無機親水性コロイド物質と、界面活性
剤と、リチウムシリケート及び/又はシラン誘導体とを
含んでいる。この防曇剤で用いられる無機親水性コロイ
ド物質としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミ
ナ、コロイド状のFe(OH)2 ,コロイド状のSn
(OH)4 ,コロイド状のTiO2 ,コロイド状のBa
SO4 及びコロイド状のリチウムシリケートが例示でき
る。これらのコロイド物質は、2種以上併用されてもよ
い。なお、無機親水性コロイド物質として特に好ましい
のは、コロイダルシリカまたはコロイダルアルミナであ
る。上述のコロイド物質は、水性ゾル型のものが好まし
い。
【0024】前記防曇剤に用いられる界面活性剤は、ア
ニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤及び両性界面活性剤のいずれでも良い。但し、界
面活性剤は、上述の無機親水性コロイドとの関係で適宜
選択するのが好ましい。例えば、コロイダルシリカを用
いた場合は、アニオン界面活性剤及び/又はノニオン界
面活性剤を用いるのが好ましい。また、コロイダルアル
ミナを用いた場合は、カチオン界面活性剤及び/又はノ
ニオン界面活性剤を用いるのが好ましい。
【0025】前記防曇剤に用いられるリチウムシリケー
トは、二酸化珪素と炭酸リチウム等のリチウム塩とを融
解することによって得られるものであり、次の一般式
(3)で表される。
【0026】
【化3】 なお、リチウムシリケートは、二酸化珪素とリチウム塩
との配合割合によって、水溶性の異なるものが得られ
る。例えば、一般式中nが6〜10のものは水に不溶で
ある。したがって、この場合、リチウムシリケートは、
コロイド状になり得るので、上述の無機親水性コロイド
物質としても利用できる。一方、nが2〜5のリチウム
シリケートは水溶性であるため、バインダーとして上述
の無機親水性コロイド物質とともに使用できる。
【0027】前記防曇剤に含まれるシラン誘導体は、次
の一般式(4)で表されるものである。
【0028】
【化4】 式中R1 は、アミノ基、エポキシ基、エポキシ基含有
基、ウレイド基、アンモニウム基及びエチレン性不飽和
結合含有基のうちから選ばれた反応性基を少なくとも1
個有するアルキル基又はアリール基である。また、R2
及びR3 は、それぞれ炭素数が1〜3のアルキル基を示
しており、R2 とR3 とは同一であっても良いし異なっ
ていても良い。さらに、nは、1〜3の整数を示してい
る。
【0029】前記防曇剤は、無機親水性コロイド物質を
80重量%以上94.5重量%以下、界面活性剤を0.
5重量%以上15重量%以下、リチウムシリケート及び
/又はシラン誘導体を5重量%以上19.5重量%以下
含み、水及び/又はアルコール中に分散されているもの
が好ましい。
【0030】防曇剤として最も好ましいのは、コロイダ
ルシリカと、エーテル型非イオン界面活性剤と、R1 が
エポキシ基又はエポキシ基含有基を少なくとも1個有す
るアルキル基でありかつR2 及びR3 が炭素数が1〜3
のアルキル基である上述のシラン誘導体とを含む、炭素
数が1〜4のアルコールを分散媒とするものである。農業用被覆フィルムの製造方法 まず、フッ素樹脂フィルムを用意する。フッ素樹脂フィ
ルムは、既述したように、上述のフッ素樹脂から押し出
し成型やインフレーション成型により得られる。この
際、フッ素樹脂フィルムの厚みは、25〜750μm、
好ましくは35〜350μmに設定する。なお、フッ素
樹脂フィルムを着色する場合は、成型前のフッ素樹脂に
予め上述の着色剤を添加しておく。
【0031】次にフッ素樹脂フィルムに表面処理を施
し、フィルム表面の濡れ張力を30dyne/cm以上
とする。表面処理方法としては、上述の薬液処理及び放
電処理が採用され得る。放電処理方法としてコロナ放電
処理を採用する場合、放電処理は、空気、酸素、窒素、
二酸化炭素、低分子有機化合物及びこれらの混合物のい
ずれの雰囲気中で行っても良い。また、グロー放電処理
を採用する場合は、低圧及び常圧のいずれの雰囲気中で
処理が行われても良い。この場合、プラズマ気体として
は、酸素、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、アンモニア、
低分子有機化合物及びこれらの混合ガスが利用できる。
なお、グロー放電処理として特に好ましいのは、低温プ
ラズマ処理である。低温プラズマ処理によれば、フッ素
樹脂本来の特性を損なうことなくフィルムの表層部のみ
を改質できる
【0032】放電処理を行う場合、処理の種類はフッ素
樹脂フィルムの種類に応じて適宜選択できる。例えば、
テトラフルオロエチレンやヘキサフルオロプロピレンを
含む共重合体樹脂のように、フッ素置換度の高いフッ素
樹脂フィルムの場合は、プラズマ処理やスパッタエッチ
ング処理が好ましい。特に、低分子化合物のガス雰囲気
中での放電処理(例えば特公昭37−17485号、特
公昭37−17682号、特公昭49−12900号参
照)が好ましい。なお、プラズマ処理した場合は、高湿
下で紫外線照射された場合でも接着性の低下が起こりに
くい。
【0033】放電処理による場合の処理条件は、組成,
濃度,圧力,温度等のガス雰囲気条件の他、放電時の電
気エネルギーが主な条件になる。電気エネルギーは、電
極間を通過するフィルムに与えられるエネルギー量であ
り、W.min/m2 で示される。処理時の好ましい電
気エネルギー量は、放電の種類、ガス雰囲気、及びフィ
ルムを構成するフッ素樹脂の化学構造等により異なる
が、コロナ放電処理の場合は(10/フッ素樹脂の水素
置換係数)W.min/m2 以上であり、プラズマ処理
の場合は(5/フッ素樹脂の水素置換係数)W.min
/m2 以上である。ここで、フッ素樹脂の水素置換係数
とは、フッ素樹脂の炭素骨格に結合している水素原子の
比率であり、次の式(2)により求められる。
【0034】
【数2】 フッ素樹脂の水素置換係数の具体例は、次の通りであ
る。 テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン
との共重合体樹脂(水素置換度:0):0.1 テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体樹脂
(モノマー数比で1:1の共重合体、水素置換度:0.
5):0.6 ポリフッ化ビニリデン(水素置換度:0.5):0.
6 ポリフッ化ビニル(水素置換度:0.75):0.8
5 なお、放電処理時の放電電圧は、1KV以上に設定する
のが好ましい。放電電圧が1KV以下の場合は、防曇剤
層による防曇性が長期間持続しにくくなり、また防曇性
が不均一になり易い。
【0035】表面処理後の濡れ張力は、30dyne/
cm以上が必要である。なお、濡れ張力は、JIS−K
6768による値である。上述の表面処理面には、必要
に応じて下地層を形成する。下地層は、上述の樹脂をフ
ッ素樹脂フィルム層上に塗布すると形成できる。また、
上述の樹脂のプレポリマー、又はプレポリマーとモノマ
ーとの配合物を塗布し、これを加熱処理又は電磁波照射
処理して高分子化することにより形成することもでき
る。
【0036】次に、フッ素樹脂フィルムに形成された表
面処理面又は下地層上に防曇剤を塗布する。防曇剤の濃
度は、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%に設定する。防曇剤は、スプレーやコーター等
により塗布する。この際、塗布量は、2g/m2 以下に
設定する。塗布量が2g/m2 を超えると、かえって防
曇性及び防曇性の持続性が低下してしまう。
【0037】塗布後、防曇剤に含まれる水及び/又はア
ルコールを除去して乾燥すると、防曇剤層が形成され
る。この防曇剤層は、リチウムシリケートやシラン誘導
体が無機親水性コロイドのバインダーとして作用するの
で、脱落や剥がれが起こりにくく、防曇効果を長期間持
続し得る 農業用被覆フィルムの利用 本発明の農業用被覆フィルムは、例えば作物の栽培を行
うためのトンネルハウスや温室等のグリーンハウス用と
して用いられる。ここで、農業用被覆フィルムは、防曇
剤層がグリーンハウスの内周面となるよう用いられる。
【0038】グリーンハウスに用いられた本発明の農業
用被覆フィルムは、フィルム表面の濡れ張力が30dy
ne/cm以上のフッ素樹脂製であるため耐久性が良好
である。また、フィルム表面で凝縮した水は防曇剤の作
用により水滴にならずに連続水膜になるので、フィルム
の内周面には水滴が付着しにくい。よってグリーンハウ
ス内では、太陽光線が水滴により遮られたり、成育中の
植物上に水滴が落下したりしにくいので、良好な環境下
で植物を栽培できる。また、フィルムの防曇性は長期間
持続し得るので、フィルムの耐用期間中であれば、防曇
剤の再塗布等を行う必要性は少ない。
【0039】
【実施例】実施例1〜4、比較例1,2 実施例1,2無機親水性コロイド物質として、 コロイダルシリカ(触
媒化成工業(株)製イソプロピルアルコール分散OSC
AL)(a)と、シラン誘導体として、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
(b)と、界面活性剤として、ポリオキシエチレン(1
0モル)−ラウリルエーテル(c)とを固形成分比a
b:c=85:4:11となるように攪拌混合した
られた混合物をエタノール中に分散し、有効成分濃度が
20重量%の防曇剤を作成した。
【0040】被覆フィルムに用いるフッ素樹脂フィルム
として、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体ペレット”テフロン”FEP 100J
(三井デュポンフロロケミカル(株)製)を押出機に供
給し、常法により溶融して、Tダイ口金に導入し、厚み
100μmのフィルム(A)を製膜した。該フィルムの
表面に空気中で処理強度500W・min/m 2 でコロ
ナ放電処理を施した。この放電処理面に前述の防曇剤
を、乾燥後の固形分量が0.5g/m2となるようロー
ルコーターで塗布し、熱風乾燥により防曇剤中のエタノ
ールを蒸発させ、農業用被覆フィルムを得た(実施例
1)
【0041】表面処理を常圧空気中で酸素を混入させな
がら、処理強度700W・min/m 2 でプラズマ処理
を施した以外は、実施例1と全く同様にして農業用被覆
フィルムを得た(実施例2)。 実施例3,4 被覆フィルムに用いるフッ素樹脂フィルムとして、テト
ラフルオロエチレン(53モル)−エチレン(46モ
ル)−パーフルオロブチルエチレン(1モル)共重合体
ペレットを実施例1と同様に、厚み100μmのフィル
ム(B)を製膜した。該フィルムの表面に空気中で処理
強度60W・min/m 2 でコロナ放電処 理を施した以
外は実施例1と同様にして農業用被覆フィルムを得た
(実施例3)。
【0042】表面処理を常圧空気中で酸素を混入させな
がら、処理強度300W・min/m 2 でプラズマ処理
を施した以外は、実施例1と全く同様にして農業用被覆
フィルムを得た(実施例4)。 比較例1,2 実施例1〜2で用いたフッ素樹脂フィルム(A)を表面
処理しないで、防曇剤を塗布した以外は実施例1と同様
にして農業用被覆フィルムを得た(比較例1)。
【0043】実施例3〜4で用いたフッ素樹脂フィルム
(B)を表面処理しないで、防曇剤を塗布した以外は実
施例1と同様にして農業用被覆フィルムを得た(比較例
2)。
【0044】
【表1】 実施例5,6、比較例3 実施例1で用いたフッ素樹脂フィルム(A)のコロナ放
電処理条件を表2の通りに変更し、実施例1と同様の農
業用被覆フィルムを製造した。
【0045】
【表2】 実施例7、比較例4〜6 メタノールシリカゾル(日産化学(株)製)(a)と、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン(b)と、ポリオキシエチレン(8モル)
ノニルフェニルエーテル(c)とを固形分比がa:b:
c=80:7:13となるように攪拌混合した。そし
て、得られた混合物をエタノール中に分散し、有効成分
濃度が20重量%の防曇剤を作成した。
【0046】この防曇剤を、乾燥後の固形分量が0.4
g/m2 となるよう表3に示すフィルムにロールコータ
ーを用いて塗布した。そして、熱風乾燥により防曇剤中
のエタノールを蒸発させ、農業用被覆フィルムを得た。
【0047】
【表3】 実施例8,9 メタノールシリカゾル(日産化学(株)製)(a)と、
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(b)
と、ポリオキシエチレン(10モル)−ノニルフェニル
エーテル(c)とを固形部比がa:b:c=90:1:
9になるよう攪拌混合した。そして、得られた混合物を
エタノール中に分散し、有効成分濃度が20重量%の防
曇剤を作成した。この防曇剤を実施例3及び実施例4で
用いたのと同じフィルムに塗布し、農業用被覆フィルム
を得た。なお、実施例3で用いたフィルムと前記防曇剤
との組み合わせが実施例8であり、実施例4で用いたフ
ィルムと前記防曇剤との組み合わせが実施例9である。実施例10 実施例2で用いたフィルムの表面処理面に、ポリウレタ
ン組成物である武田薬品工業株式会社製のタケダックA
−310とタケネートA−3との配合物(12:1)を
固形分量で0.2g/m2 となるよう塗布した。この配
合物を溶剤を除去すると共に加熱して高分子化し、下地
層を形成した。
【0048】下地層の上に、実施例2で用いた防曇剤を
乾燥後の固形分量が0.5g/m2となるように塗布し
て乾燥し、防曇剤層を形成した。これにより、農業用被
覆フィルムを得た。実施例11 実施例3で用いたフィルムの表面処理面に、実施例10
と同様に下地層を形成した。そして、この下地層上に、
実施例3で用いた防曇剤を実施例10と同じ条件で塗布
し、防曇剤層を形成した。これにより、農業用被覆フィ
ルムを得た。評価 (1) 実施例1〜9及び比較例1〜6でそれぞれ得ら
れた農業用被覆フィルムについて、防曇性と帯電防止性
とを評価した。結果を表4に示す。なお、評価方法は次
の通りである。 防曇性 200mlのビーカーに100mlの水を入れる。この
ビーカーに、防曇剤層が内側になるよう農業用被覆フィ
ルムを被せ、ゴムバンドでフィルムを止めた。
【0049】フィルムで覆われたビーカーを恒温水槽中
に漬け、次の加熱条件で加熱した。そして、その間のフ
ィルムへの水滴の付着状態を観察した。(加熱条件)3
0℃×5日→50℃×10日→60℃×10日→70℃
×30日。なお、この加熱条件は、グリーンハウスでの
実用年数の約3年に相当している。
【0050】評価の基準は次の通りである。 ○:水滴による曇りが発生しない。 △:一部に水滴が付着。
【0051】 ×:全面に水滴が付着。 帯電防止性 20℃、60%RHの雰囲気下で表面固有抵抗値を測定
した。測定には、ユニバーサルエレクトロメーターMo
del MMAII−17(川口電機製作所(株)製)と
P−601型測定箱(同社製)を用いた。
【0052】防曇性能との関係は次の通りである。 10 11 以下 :水滴による曇りが発生しな
い。 10 12 〜10 13 :一部に水滴が付着する。
【0053】10 14 以上 :半分以上から前面に水滴が付
着する。
【0054】
【表4】 (2) 実施例10,11で得られた農業用被覆フィル
ムについて、上述の(1)と同じ方法で防曇性を評価
した。但し、70°の加熱条件は、70°×50日に変
更した。結果を表5に示す。なお、表5には、比較のた
めに、実施例2,3の防曇性を併記している。
【0055】
【表5】 表5から明らかなように、下地層を設けると、防曇性効
果がより長期間持続する。
【0056】
【発明の効果】第1の発明では、特定の表面特性を持つ
フッ素樹脂フィルム層に上述の防曇剤層を配置している
ので、耐久性が良好でありかつ防曇性を長期間良好に持
続し得る農業用被覆フィルムが実現できる。
【0057】第2の発明では、特定の表面特性を持つ
ッ素樹脂フィルム層と上述の防曇剤層との間に下地層を
形成しているので、耐久性が良好でありかつ防曇性をよ
り長期間良好に持続し得る農業用被覆フィルムが実現で
きる。
【0058】第3の発明によれば、フッ素樹脂フィルム
に表面処理面を設けてから上述の防曇剤を塗布している
ので、耐久性が良好でありかつ防曇性を長期間良好に持
続し得る農業用被覆フィルムが効率良く製造できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム表面の濡れ張力が30dyne/
    cm以上のフッ素樹脂フィルム層と、 前記フッ素樹脂フィルム層に配置された、無機親水性コ
    ロイド物質と界面活性剤とリチウムシリケート及び/又
    はシラン誘導体とを含む防曇剤層と、 を備えた農業用被覆フィルム。
  2. 【請求項2】フィルム表面の濡れ得張力が30dyne
    /cm以上のフッ素樹脂フィルム層と、 前記フッ素樹脂フィルム層上に形成された、酸素及び/
    又は窒素を含む原子団を有する有機化合物からなる下地
    層と、 前記下地層上に形成された、無機親水性コロイド物質と
    界面活性剤とリチウムシリケート及び/又はシラン誘導
    体とを含む防曇剤層と、 を備えた農業用被覆フィルム。
  3. 【請求項3】フッ素樹脂フィルムを用意する工程と、 前記フッ素樹脂フィルムに表面処理面を設ける工程と、 前記表面処理面に、無機親水性コロイド物質と界面活性
    剤とリチウムシリケート及び/又はシラン誘導体とを含
    む防曇剤を塗布する工程と、 を含む農業用被覆フィルムの製造方法。
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