JP3226438B2 - 乗員拘束具作動制御装置及び方法 - Google Patents
乗員拘束具作動制御装置及び方法Info
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Description
の乗員拘束具の作動を制御する装置及び方法に関し、よ
り詳しくは、側面衝突に対する防護を目的とした乗員拘
束具を制御するための方法及び装置に関する。
ムであって、そのエアバッグを乗員の座乗位置の正面に
装備するようにしたものが公知となっている。この種の
正面装備形の拘束システムは更に、衝突状態の発生を検
出するために慣性スイッチか加速度計かのいずれかを備
えている。そして、十分な強さの衝突状態が検出された
ときに、正面に装備したエアバッグを展開するようにし
ている。同様にエアバッグを使用した拘束システムであ
って、そのエアバッグを座席側方のドアの中に装備し
た、側方装備形のエアバッグ式拘束システムも公知とな
っている。従来の側方装備形のエアバッグ式拘束システ
ムには、接触式スイッチをドアの中に装備したものがあ
った。そのドアに対して、十分な強さの衝突が発生する
と、接触式スイッチが作動し、それによってドアの中に
装備したエアバッグが作動するようにしたものであっ
た。ドア取付形のエアバッグ式拘束システムのうちに
は、加速度計を使用して側面衝突を検出するようにした
ものもあった。この加速度計にはコントローラが接続し
ている。そして、そのコントローラが、十分な強さの側
面衝突が発生したと判定したときに、ドアの中に装備し
たサイド・エアバッグが作動するようにしている。この
種の拘束システムの一例は米国特許第 5202831号(Blac
kburn et al.)に開示されている。
グ式拘束システムにおいて、衝突検出用の加速度計をド
アの中に装備すると、ある特別の問題が発生する。その
問題とは、ドアを開けた拍子に近くの物にドアをぶつけ
てしまった場合に、ドアに取付けてあるエアバッグが不
用意に展開してしまうおそれがあるということである。
開けたドアが物にぶつかったときの突然のドアの停止
が、加速度計にとっては、外部の物体がドアに激しく衝
突したのと同じように「認識」される。なぜならば、そ
のときの衝撃の方向が、他の車両がそのドアに衝突した
ときに発生する衝撃の方向と同じだからである。この突
然のドアの停止によって、加速度計から出力が送出さ
れ、その出力をコントローラが、エアバッグを展開すべ
き衝突状態と誤認し、そのためにコントローラがエアバ
ッグを展開させてしまうおそれがあるのである。
ッグの作動を制御する方法及び装置が提供され、この方
法及び装置は、ドアを開けた拍子に何らかの障害物にぶ
つけてしまった場合でも、不用意なエアバッグの展開を
防止することのできる方法及び装置である。本発明の一
実施例によれば、乗員拘束具の不用意な作動を防止する
装置が提供される。この装置は、車両のドアが開けられ
ていることを検出してそのことを表す信号を送出する検
出手段と、前記検出手段と前記乗員拘束具とに機能的に
接続した、前記検出手段からの前記信号が前記車両のド
アが開けられていることを表しているときに前記乗員拘
束具の作動を防止する制御手段とを備えたことを特徴と
する装置である。
両のドアに装備したエアバッグとそのドアに装備した衝
突検出手段とを備えており、この衝突検出手段はドアの
加速度を表す信号を送出する。この装置は更に、付勢さ
れたときにエアバッグ式拘束具を作動させる作動手段を
備えている。制御手段が、前記作動手段と前記衝突検出
手段とに接続しており、この制御手段は、前記衝突検出
手段からの前記信号が車両衝突状態を表したときに前記
作動手段を制御して前記エアバッグ式拘束具を作動させ
る。前記制御手段は更に、ドア開け状態を表す前記衝突
検出手段からの出力信号に応答して前記作動手段の不用
意な付勢を防止する付勢防止手段を備えている。前記衝
突検出手段はドアに装備した加速度計を備えている。前
記制御手段は、前記加速度計の出力をモニタしてドア速
度を求める。前記制御手段は、加速度信号の値が第1加
速度スレショルド値と第2加速度スレショルド値との間
にあり且つ求めた速度が第1速度スレショルド値と第2
速度スレショルド値との間にあるときに、ドア開け状態
が発生していると判定する。この装置は、ドア開け状態
の発生が判定されてから所定時間を計時する計時手段を
備えたものとすることが好ましい。前記作動手段の付勢
を防止する前記付勢防止手段は、前記計時手段に応答し
て、該計時手段が前記所定時間を計時している間、作動
防止を有効化した状態を持続する。平均加速度値が平均
加速度スレショルド値より大きいことに応答し、求めた
衝突速度値が衝突速度スレショルド値より大きいことに
応答して、エアバッグの作動を制御する。一実施例にお
いては、前記付勢防止手段が、前記計時手段が前記所定
時間を計時している間、作動を完全に防止するようにし
ている。別の実施例においては、求めた衝突速度値と比
較する前記衝突速度スレショルド値を、前記所定時間が
経過するまでの間、大きな値にしておくようにしてい
る。
の作動を防止する方法が提供され、この方法は、車両の
ドアが開けられていることを検出してそのことを表す信
号を送出するドア開け状態検出ステップと、前記検出手
段からの前記信号が車両のドアが開けられていることを
表しているときに前記乗員拘束具の作動を防止する作動
防止ステップとを含んでいることを特徴とする方法であ
る。本発明の更に別の一局面においては、エアバッグを
車両のドアに装備したエアバッグ式拘束具を制御する方
法が提供され、この方法は、車両のドアの横方向加速度
を表す信号を送出するステップを含んでいる。この方法
は更に、加速度信号からドア速度を求めるステップと、
前記加速度信号と求めたドア速度とが前記車両のドアが
開けられていることを表しているときに前記エアバッグ
の作動を防止するステップとを含んでいる。この方法
は、前記加速度信号の値が第1スレショルド値と第2ス
レショルド値との間にあり且つ前記加速度信号から求め
た前記速度が第1速度スレショルド値と第2速度スレシ
ョルド値との間にあるときにドア開け状態を表すステッ
プを含んでいるものとすることが好ましい。この方法は
更に、ドア開け状態が判定された後に所定時間を計時す
るステップと、前記計時手段に応答して前記作動手段の
不用意な付勢を防止することによって、前記計時手段が
前記所定時間を計時している間、不用意な作動が防止さ
れるようにするステップとを含んでいる。平均加速度値
が平均加速度スレショルド値より大きいことに応答し
て、また、求めた速度値が速度スレショルド値より大き
いことに応答して、エアバッグの作動を制御するように
している。一実施例においては、前記所定時間の間、エ
アバッグの展開を完全に防止するようにしている。別実
施例においては、求めた衝突速度値と比較する衝突速度
スレショルド値を、前記所定時間の間、大きな値にして
おくようにしている。
つかの実施例について詳細に説明して行く。先ず図1に
ついて説明すると、本発明に従って構成したドア取付形
のエアバッグ式拘束システム10は、ドア・アセンブリ
14の内部に取付けたエアバッグ・アセンブリ12を備
えている。ここでは説明を理解し易くするために、図示
の本発明の拘束システムは運転席のドアに装備されてい
るものとする。ただし本発明は、車両のどのドアにでも
適用することができる。エアバッグ・アセンブリ12は
エアバッグ16を含んでいる。エアバッグ16は収納容
器19の中に収納されており、その収納容器19をドア
・アセンブリ14の内部に取付けてある。尚、図示例で
は、エアバッグ・アセンブリ12をドアの中に装備して
あるが、当業者には容易に理解されるように、本発明
は、エアバッグのどのような側面取付態様にも適用可能
であり、例えばエアバッグ・アセンブリをドアのアーム
レストの内部に取付けたもの、車両の座席の内部に取付
けたもの、更にその他の位置に取付けたものにも適用可
能である。本発明は更に、展開式のボルスターや、その
他の様々な側面衝突防護装置にも適用可能である。
ローラ20が、機能的に接続している。より詳しくは、
コントローラ20は、トランジスタ・スイッチ27を介
してエアバッグ・アセンブリ12の中のスキブ26に機
能的に接続しており、このスキブ26は通電によって作
動させる形式のものである。コントローラ20はトラン
ジスタ27のベースに電気的に接続している。トランジ
スタ27のエミッタは接地してある。トランジスタ27
のコレクタはスキブ26の一方の端子に接続している。
スキブ26の他方の端子は、ダイオード29を介して車
載バッテリに接続していると共に、更に、キャパシタ3
1で構成したバックアップ電源にも接続している。コン
トローラ20は、トランジスタ27を導通状態にしてス
キブ26を発火させることによって、このスキブ26を
作動させる。スキブ26は膨張用流体発生源28に、機
能的に接続している。コントローラ20がスキブ26を
発火させたならば、この膨張用流体発生源28がエアバ
ッグ16の中へ膨張用流体を流入させる。エアバッグ1
6は、膨張する際に、エアバッグ・アセンブリ12を覆
っているカバーである展開用ドア30を押しあける。エ
アバッグ16は、膨張した後には、図1に参照番号1
6’で示した作動位置、即ち拘束位置へ膨出した状態と
なる。
ブリ30に電気的に接続している。加速度センサ・アセ
ンブリ30の取付位置は、ドア・アセンブリ14のトリ
ムパネル42の内側とすることが好ましく、また、ドア
・アセンブリ14を上下及び前後の4つの4分の1領域
に分けたときの、下方後方の4分の1領域に含まれる位
置とすることが好ましい。図2に示すように、加速度セ
ンサ・アセンブリ30は加速度計32を含んでいる。こ
の加速度センサ・アセンブリ30は2つの出力34、3
6を備えている。出力34は加速度計32の出力に直接
に接続している。出力36は増幅回路38を介して加速
度計32の出力に接続している。出力36の大きさは、
出力34の大きさに増幅回路38の増幅率を乗じた大き
さである。増幅回路38の増幅率は約「25」とすること
が好ましい。この構成とすることによって1個の加速度
計でドア開け事象の検出(増幅出力36を使用する)
と、側面衝突事象の検出(非増幅出力34を使用する)
との、両方の目的を果たすことができる。加速度計32
には、±500 G (G は加速度単位であり 9.8 m/s2 であ
る)まで測定可能なものを用いることが好ましい。尚、
以下の説明では、出力36を「低G加速度」出力信号と
呼び、出力34を「高G加速度」出力信号と呼ぶことに
する。当業者には容易に理解されるように、本発明は、
高G加速度計と低G加速度計との2つの別体の加速度計
を備えた加速度検出アセンブリを使用することも可能で
ある。このように2つの加速度計を使用する場合には、
例えば、高G加速度計の方を±500 G まで測定可能なも
のとし、低G加速度計の方を ±20 G まで測定可能なも
のとすることが考えられる。
は、感度軸心40(図1)を有するものを使用してい
る。ドア・アセンブリ14が閉じているときに、この軸
心40は、車両の前後方向軸心である縦方向軸心(不図
示)に対し略々直交している。加速度計32は方向性を
有しており、軸心40に沿った方向を持ち矢印43また
は44の向きを持った成分を有する加速度を検出するこ
とができる。この加速度計32は、軸心40に対して垂
直な方向の加速度に対しては比較的感度が低い。軸心4
0に沿って測定した加速度が、矢印43の向きを持つ場
合に、その加速度を、負方向の加速度であると定義す
る。同様に、測定した加速度で矢印44の向きを持つ場
合に、その加速度を、正方向の加速度であると定義す
る。従って、ドア14を開けはじめたときには負の加速
度信号が発生し、一方、このドア14へ衝突する衝突事
象が発生したときには正の加速度信号が発生する。
の発生によって生じるような、車両のドアに作用する大
きな横方向加速度を検出するためにコントローラ20が
モニタする信号である。低G加速度出力信号36は、車
両のドア14を開ける際に生じるような、車両のドアに
作用する小さな加速度を検出するためにコントローラ2
0がモニタする信号である。車両のドア14を開けたり
閉めたりする事象に伴う例えば ±20 G 程度の小さな低
G加速度値を検出できるようにするためには、加速度計
の出力を増幅する必要がある。コントローラ20は、高
G加速度出力信号34を評価することによって、個々の
衝突事象が、展開相当衝突事象と非展開相当衝突事象と
のいずれに該当するかを判定し、即ち、エアバッグを展
開すべき衝突事象かそれとも展開すべきでない衝突事象
かを判定する。エアバッグが展開されるのは、コントロ
ーラ20が、展開相当衝突事象が発生したと判定したと
きだけである。
信号を発生させるような、例えば、車輪が路面の小さな
窪みに落ち込んだり、でこぼこ道を走行したり、縁石に
車輪が当たったりするような事象も発生する。この種の
事象によって発生する加速度信号をここでは「加速度ノ
イズ」と呼ぶ。コントローラ20は、加速度ノイズと展
開相当衝突状態とを識別することによって、エアバッグ
が加速度ノイズに反応して不用意に展開してしまうのを
防止する。コントローラ20は、出力36、即ち低G加
速度出力信号をモニタして、この信号を解析することに
よって、ドア開け事象が発生したか否かを判定してい
る。コントローラ20は、この低G加速度出力信号36
に関しても、その信号から加速度ノイズを分離するよう
にしている。ドア14を開けるとき、ドア14は最初に
矢印43の向きに加速される。当業者には容易に理解さ
れるように、このドア14がその枢着軸心を中心として
揺動するに従って、このドア14の加速度の方向が車体
の縦方向軸心に対して成す相対的角度は次第に変化して
行くが、前述の軸心40はドア14に対して相対的に固
定されているため、その加速度の方向は軸心40に対し
ては平行なままである。
けた際に、このドアが、例えば固定した柱、建物の外
壁、それに駐車中の車両等の、静止している障害物50
にぶつかったならば、その障害物によってドアの揺動が
突然停止されるため、矢印44の向きの大きな正の加速
度成分が発生する。ドア14の基準フレームに対するこ
の正の加速度成分のために、加速度計32は出力信号を
発生し、その信号が出力34へ送出される。コントロー
ラ20が、本発明に従って構成したものでない場合に
は、そのコントローラ20は、この正の加速度成分のた
めに、展開相当衝突事象が発生したものと誤認して、ス
キブ26の付勢をトリガし、そのために、エアバッグの
展開が不要であるにも関わらず、エアバッグを展開させ
てしまう。これに対して、本発明によれば、コントロー
ラ20はドア開け事象が発生したことを判定し、そのド
ア開け事象の発生に応答して、(i)ドア開け事象が検出
された時点から所定時間が経過するまでの間、エアバッ
グの展開をディスエーブルすなわち禁止状態にするか、
或いは、(ii)コントローラ20がスキブ26を付勢する
ためには超えていなければならないトリガ動作のスレシ
ョルド値を所定時間に渡って大きな値にしておくかの、
いずれかを行う。
0 G まで測定可能なものを使用することが好ましく、ま
た、検出された加速度に対して、約 5 mV/G の大きさの
電気信号を出力するものを使用することが好ましい。ド
ア開け事象は -1 〜 -3.5 Gの範囲内の加速度を生じさ
せることが判明している。従って、ドア開け事象に起因
する加速度によって、加速度計32からは、-5 mV 〜 -
17.5 mV の範囲内の電圧が発生する。このように小さな
値の範囲の加速度を良好に測定するために、記述の如
く、この加速度計の出力を、増幅回路38(利得が「2
5」の回路とすることが好ましい)で増幅するようにし
ている。増幅回路38の出力36はコントローラ20の
入力61(図3)に接続している。
れる諸機能を、機能ブロック図の形で模式的に示した図
である。コントローラ20は、マイクロコンピュータで
構成することが好ましい。説明を明瞭にし、理解を容易
にするために、コントローラ20の動作をこの機能ブロ
ック図に即して説明して行く。図示の諸機能はマイクロ
コンピュータでも実行し得るものであり、そうする場合
の実行の仕方については後述する。マイクロコンピュー
タを使用することが好ましいが、ただし、当業者には容
易に理解されるように、このコントローラ20が実行す
る諸機能を個別のアナログ回路及びディジタル回路を用
いて実施することも可能である。それら回路を、この図
3に示したように接続すれば、この図3に示した諸機能
を実行させることができる。
ーラ20の比較機能62によって、第1スレショルド値
60と比較される。加速度計32の増幅出力36は更
に、コントローラ20の比較機能66によって、第2ス
レショルド値64とも比較される。これら比較機能6
2、66の夫々の比較結果は、コントローラ20のAN
D機能70によって、それらの間のANDが取られる。
第1スレショルド値60及び第2スレショルド値64
は、ドア14がドア開け事象を発生しているか否かをコ
ントローラ20が判定するために、使用されているスレ
ショルド値である。ドア開け事象によって発生する加速
度は負方向の加速度であるため、第1スレショルド値6
0及び第2スレショルド値64は、負の値を持つように
定められている。そして、ドア開け事象は、発生する加
速度値が第1スレショルド値60より小さく第2スレシ
ョルド値64より大きいものであると規定されている。
テム10を搭載する具体的な車両基本構成に適合する値
となるように実験的に決定する。それには、試験を行っ
て、加速度ノイズを生じる運転事象が起きているときに
発生する加速度レベルを測定する。また更に、同様に試
験を行って測定した試験データを用いて、実際のドア開
け事象に伴って発生する加速度レベルを求める。ある特
定の車両基本構成に関して試験したところ、その典型的
なドア開け加速度は、-1.75 G であることが判明した。
更にこれも試験の結果、第1スレショルド値のレベルを
-1 G にすれば加速度ノイズを適切に除去できることが
判明した。そのため、一実施例においては、この第1ス
レショルド値60を -1 G という値に選定している。
に実験的に決定する。この第2スレショルド値を決定す
る上での重要なファクタの1つに、この拘束システム1
0を搭載した側とは反対側の車両側面への衝突事象によ
って発生する加速度の大きさがある。例えば、図1に示
した拘束システム10が、運転席のドアに装備されてい
るものとする。その車両の助手席側の側面への衝突が発
生すると、矢印43の向きの加速度が車両に作用し、こ
の加速度は当然、運転席のドアにも作用する。ドア開け
加速度の向きも、同じく矢印43の向きであるため、助
手席のドアへの衝突は、加速度計の出力信号の極性に関
する限り、あたかもドア開け事象であるかのように「見
える」ことになる。違っているのは、その加速度信号の
大きさだけである。助手席側の車両側面への衝突が発生
したときに運転席のドアに装備したエアバッグの展開が
ディスエーブルされることは望ましくなく、なぜなら
ば、その衝突によって、運転席のドアが別の車両に衝突
する二次衝突が発生したり、車両が障害物にかなり大き
な力でぶつかったりすることがあり得るからである。実
験を行ったところ、第2スレショルド値のレベルを -3.
5 〜 -5 G の範囲にすれば、真正のドア開け事象と反対
側の車両側面への衝突とを識別できることが判明した。
説明を具体的にして理解し易くするために、ここでは、
第2スレショルド値として -3.5 G という値を使用して
いるものとする。検出された加速度がこの -3.5 G とい
う第2スレショルド値より小さな、例えば -6 G という
値であったならば、本発明のコントローラの構成では、
エアバッグの展開をディスエーブルすることも、展開す
るための条件を変更することも、いずれも行わないよう
にしている。その加速度の値が -3.5 G より小さけれ
ば、その加速度は、反対側の車両側面への衝突の結果と
して発生したものであると判断される。実際に使用する
第2スレショルド値は、車両の基本構成が異なれば異な
った値となり得る。
32からの信号出力36によって表されている加速度の
大きさが第1スレショルド値の -1 G と第2スレショル
ド値の -3.5 G との間にあるときにのみ、AND機能7
0の出力がディジタルのハイ状態即ち真状態となる。当
業者には容易に理解されるように、ここでスレショルド
値を -1 G や -3.5 G に設定すると述べているのは、実
際には、対応する加速度値を表すように電圧値を設定す
るということに他ならない。例えば、加速度計の出力が
5 mV/G で送出される場合には、-5 mV が -1 G に対応
し、 -17.5 mVが -3.5 G に対応する。加速度計32の
非増幅出力34は、コントローラ20の、入力76に接
続している。コントローラ20が、加速度計32から送
出されるこの信号出力34を解析する目的は、エアバッ
グ・アセンブリ12を取付けた側の車両側面への展開相
当衝突が発生したか否かを判定することにある。エアバ
ッグ・アセンブリ12を取付けた側の車両側面への衝突
によって発生する加速度の向きは、正の向き44であ
る。
ーラ20は、車両の衝突状態が発生したか否かを判定す
るために、加速度信号34の2通りの解析を実行してい
る。それら2通りの解析とは、(i) 正の向き44の横方
向加速度の平均値80が、所定の平均加速度スレショル
ド値82より大きいか否かを判定すること、(ii)加速度
信号32から求めた正の向き44の横方向速度値94
が、最終的速度スレショルド値84より大きいかを判定
すること、以上2つである。アナログ回路を使用した実
施例では、平均加速度値を得るための機能80を、ロー
パス・フィルタを用いて実現することができる。マイク
ロプロセッサを使用した実施例(後に詳述する)では、
この機能80を実現するためには、現在加速度値と、現
在加速度値に先行する直前の5つの加速度値とを合計し
た、刻々と変化する合計値を次々と算出するようにすれ
ばよい。適切な平均値を得るためには6個ないし10個
程度のサンプル値を合計すれば十分であると考えられ
る。ここで6個のサンプル値を合計するようにしている
のは、説明を簡明にするためである。
ド値82との比較は、コントローラ20の比較機能86
で行われる。平均加速度スレショルド値82は、この拘
束システムを装備する特定の車両基本構成に適合するよ
うに実験的に決定する。平均加速度スレショルド値を決
定するには、所望の基本構成の車両に加速度計を装備し
て、展開相当衝突条件と非展開相当衝突条件との夫々に
対応した平均加速度値を測定する。そして、それら衝突
事象に基づいて、展開相当衝突事象の発生によって生じ
る平均加速度値が超える値をもって、平均加速度スレシ
ョルド値82の値とする。平均加速度値80が平均加速
度スレショルド値82より大きければ、比較機能86の
出力がハイ状態即ち真状態になる。この比較機能86の
出力は、コントローラ20のAND機能88の一方の入
力として使用されている。
出力34に基づい、速度値94を求める。この速度値9
4は、加速度信号を時間で積分することによって得られ
る。こうして求めた速度値を最終的速度スレショルド値
84と比較して、エアバッグを展開すべきか否かを判定
する。この積分の演算は、車両が「キー・オン」状態に
なると共に、即ち車両の始動と共に開始されるため、ド
アの加速度を表す信号の積分を続けているうちに、ドア
の開閉が行われる度に発生する、全てのドア加速度に応
じて、速度値が累積される。こうして求めた速度値が、
時間の経過と共に自然にゼロへ回帰するものでない場合
には、累積された速度値がついには最終的速度スレショ
ルド値84を超えてしまい、非展開相当状態にあるにも
かかわらずエアバッグが展開してしまうことにもなりか
ねない。このような速度値の累積に起因する不用意なエ
アバッグの展開を回避するために、コントローラ20は
ゼロ回帰機能96を備えている。このゼロ回帰機能96
は、加速度信号のサンプリングを実行する度に、得られ
た速度値のうちの僅かな割合の部分を積分値から差し引
くようにしたものである。これを行うことによって、ド
アの加速度値から得られる速度値が実際にゼロへ復帰し
た後には積算速度値も徐々にゼロへ回帰して行くように
している。
ーラ20が実行する比較機能100の一方の入力にして
いる。この速度値94と比較する値は、所定の速度スレ
ショルド値104に乗算機能114を用いてある倍率を
乗じた値であり、その倍率は倍率/計時機能110によ
って設定される。その倍率を乗じることによって最終的
速度スレショルド値84が得られ、この最終的スレショ
ルド値84を比較機能100の第2入力としている。速
度スレショルド値104は、経験的に決定する値であ
り、そのためには、所望の基本構成の車両に加速度計を
装着し、その車両を展開相当衝突状態と非展開相当衝突
状態との両方の状態で衝突させればよい。そして、展開
相当衝突状態において速度値が確実に超える値をもっ
て、速度スレショルド値104の値とする。
1 〜 -3.5 G の値域に入らない事象が発生しているとき
には、前述の倍率を「1」に設定して、得られた速度値
94を所定の速度スレショルド値104と比較するよう
にしている。比較機能100の出力はAND機能88の
第2入力へ供給されている。非ドア開け事象が発生して
いるときには、得られた速度値94が速度スレショルド
値104より大きければ、比較機能100の出力がハイ
状態即ち真状態になる。得られた平均加速度値80が平
均加速度スレショルド値82より大きく、また得られた
速度値94が、速度スレショルド値104に倍率110
を乗じた値、即ち最終的速度スレショルド値84よりも
大きければ、AND機能88の出力はハイ状態即ち真状
態になる。コントローラ20のAND機能88の出力
は、既述の如くトランジスタ・スイッチ27のベースに
接続している。AND機能88の出力がハイ状態即ち真
状態になったためにトランスデューサ27が導通状態に
なると、スキブ26が付勢されてエアバッグ16が展開
される。
否かを表している前述のコントローラ20のAND機能
70の出力は、遅延機能130に接続してある。この遅
延機能130を、図には、抵抗132とキャパシタ13
4とから成るRC回路網の形で模式的に示した。そのR
C接続点が、遅延機能130の出力であり、これがコン
トローラ20の倍率/計時機能110の入力に接続して
いる。端子36に送出されてモニタされている加速度信
号(前述の低G加速度出力)の値によって表されている
加速度値が第1スレショルド値60と第2スレショルド
値64との間にある状態が、遅延機能130の時定数に
よって定められる所定の時間長さを超えて継続したとき
に、倍率/タイマ回路110によって、前述の倍率が、
より大きな値に変更されるようにしてある。この倍率が
「1」という値から、より大きな値(例えば「4」)に
変更されると、比較機能110で用いられる最終的速度
スレショルド値84がより大きな値に変更され、その大
きな値が所定の時間長さ(例えば2秒間)に亙って維持
される。その倍率の値と、スレショルド値がより大きな
値に維持される時間長さとは、この拘束システムを搭載
する様々な車両基本構成の各々ごとに、実験的に決定す
るようにしている。
反対側への衝突が発生したにもかかわらず、ドア開け状
態の表示(AND機能70の出力がハイ状態になるこ
と)が発生して、倍率/計時機能100がトリガされる
という事態を防止することにある。当業者には容易に理
解されるように、車両の反対側への衝突が発生し、それ
によって -3.5 G 以下の(例えば -6 G の)負の加速度
が生じた場合には、加速度値は、その -6 G という値に
達する途中で、必ず -1 〜 -3.5 G の範囲を通過する。
スレショルド値60と64とで規定されるこの範囲を加
速度値が通過する際に、AND機能70の出力はハイ状
態即ち真状態になる。遅延機能130は、AND機能7
0の出力がハイ状態になったときに計時動作を開始す
る。そして、AND機能70の出力が所定の時間長さ以
上に亙ってハイ状態を持続したときにのみ倍率/計時機
能110がトリガされるようにしている。もし遅延機能
130が存在していなければ、倍率/計時機能110
は、反対側の車両側面への衝突が発生したときにも作動
されてしまう。遅延機能130の実際の遅延時間の値は
実験的に決定するが、その具体的な一例を示すならば例
えば 75 msec. である。
成態様は、プログラムで制御されるマイクロコンピュー
タ・コントローラにするというものである。マイクロコ
ンピュータ・コントローラは、一般的にそうであるよう
に、中央処理装置、適当なレジスタないしスクラッチ・
パッド・メモリ、プログラムを格納するためのリード・
オンリー・メモリ(「ROM」)、入力してくるアナロ
グ信号をディジタル形式に変換するためのアナログ・デ
ィジタル・コンバータ、幾つかのプルグラマブル・タイ
マ、幾つかの割込コントローラ、等々を含むものであ
る。それら構成要素並びにそれら構成要素間の相互接続
態様は公知であり、それゆえここでは説明を省略する。
コントローラ20の実施例が実行して行く制御プロセス
300をフローチャートの形で示した図である。プロセ
ス300は初期化ステップ302を含んでおり、そこで
は、コントローラの内部メモリをリセットし、様々なカ
ウンタを初期値にセットし、また様々な内部タイマをリ
セットするが、これらはいずれも公知のプロセスであ
る。ステップ304では、高G加速度出力信号34と低
G加速度出力信号36とを含めた加速度計32の出力を
サンプリングする。ステップ306では平均加速度値8
0を求める。平均加速度値80を求めるには、ある時間
に亙って出力34からサンプリングした所定個数の加速
度値を合計するようにしている。先ず、加速度信号34
を、所定の回数サンプリングする。所定個数の(例えば
6個の)サンプリングした加速度値を合計することによ
って、6回の加速度値のサンプリングに要する時間に亙
る平均加速度値が得られる。加速度を適当に平均化する
ためには、6回ないし10回のサンプリングで十分であ
ると考えられる。説明を簡明にするために、ここでは、
そのサンプリングの回数は6回であるものとする。
を継続的に更新して行くようにしており、それには、平
均加速度値80から、以前の6回のサンプリングで得た
加速度のうち最も古い加速度値を差し引くと共に、新た
なサンプリングで得た加速度値を加えるようにしてい
る。このプロセスを実行するためには、平均加速度値を
求める機能ブロック80の内部のメモリに6個の加速度
値を格納しておく必要がある。内部プログラム・ポイン
タをこの機能ブロック80の第1番記憶位置からスター
トさせ、第1回目にサンプリングした加速度値を第1番
記憶位置に格納する。第1番目の加速度値を格納したな
らばポインタを第2番記憶位置へ進める。その次にサン
プリングした加速度値を第2番記憶位置に格納する。6
個の加速度値を格納したならば、ポインタを第1番記憶
位置へ戻す。平均加速度値を更新するためには、メモリ
の現在ポインタ位置に格納されている加速度値を合計値
から差し引く。そして、新たな加速度値をそこに格納す
ると共に、その加速度値を合計値に加えて新たな平均加
速度値を作り出す。当業者には容易に理解されるよう
に、この機能ブロック80で発生される平均加速度値
は、6回の加速度値サンプリングを実行するのに必要な
時間長さに等しい長さのスライド時間窓において算出さ
れる値である。
そこでは速度値94を求める。本発明の好適実施例にお
いては、この衝突速度値94を求めるためには、加速度
信号を時間で積分するようにしている。加速度値をAと
するとき、文字Vで表す速度値94は、次のように表さ
れる。 V=∫A dt コントローラ20は更に、ゼロ回帰プロセス96を実行
して、速度値94をゼロへ回帰させる。このゼロ回帰プ
ロセス96は、ステップ304において新たな加速度値
がサンプリングされ、ステップ308において速度値が
求められる度に、速度値Vに対して実行するプロセスで
ある。このゼロ回帰プロセスは次のように表わされる。 Vnew = Vold − {(Vold+128)/256} Vold の値が「128」以下になったならば、このゼロ
回帰ルーチンを、次のように切り換えるようにしてい
る。 Vnew = Vold − 1
06で求めた平均加速度値Aが図中にATHで表した平均
加速度スレショルド値82より大きいか否かを判定する
プロセスである。ステップ320での判定結果が否定で
あったならば、プロセスはステップ304へ戻り、そこ
で次の加速度値のサンプリングを実行する。一方、ステ
ップ320での判定結果が肯定であったならば、プロセ
スはステップ330へ進み、そこでは、倍率/計時機能
110のタイマ(これを第2タイマと呼ぶことにする)
が計時動作を続行中か否かを判定する。このループへ最
初に入ってきたときには、このステップ330での判定
結果は否定である。ステップ330での判定結果が否定
であるときには、プロセスはステップ340へ進み、そ
こでは、低G加速度出力信号36からの加速度値36
が、第1加速度スレショルド値60と第2加速度スレシ
ョルド値64との間にあるか否かを判定する。このステ
ップ340の目的は、ドア開け事象が発生しているか否
かを判定することにある。
その加速度値がゼロと第1スレショルド値60との間の
値であったならば(この第1スレショルド値60は負で
あることに注意されたい)、その加速度値は、加速度ノ
イズによって発生したものであってドア開け事象によっ
て発生したものではないと判断される。一方、その加速
度値が第2スレショルド値64以下の値であったならば
(即ち、第2スレショルド値より更に絶対値の大きな負
の数であったならば)、その加速度値は、車両の当該セ
ンサとは反対側の側面への側面衝突によって発生したも
のと判断される。そして、その加速度値が第1スレショ
ルド値60と第2スレショルド値64との間の値であっ
たならば、その加速度は、ドア開け事象によって発生し
たものであると判断される。既述の如く、第1スレショ
ルド値60及び第2スレショルド値64の夫々の値は、
各々の車両基本構成に合わせて実験的に定めるようにし
ている。
たならば、即ち、ドア開け事象が発生している可能性が
ある場合には、コントローラ20のプロセスの流れはス
テップ345へ進み、そこでは、遅延機能130(これ
を第1タイマと呼ぶことにする)の動作を開始させる
か、或いは、既に動作を開始していたならば、その動作
を続行させる。続いてプロセスはステップ350へ進
み、そこでは第1タイマが75 msec. に達したか否かを
判定する。このループへ最初に入ってきたときには、こ
の判定結果は否定であり、この判定結果が否定である場
合には、プロセスはステップ304へ戻る。一方、ステ
ップ350での判定結果が肯定であったならば、ドア開
け事象が実際に発生していると判断され、コントローラ
20はステップ360で、速度スレショルド値104に
所定値を乗じることによって、速度スレショルド値10
4の値を変更する。また、これを行うために、ステップ
370において、倍率/計時機能110をイネーブルす
る。このステップ370でイネーブルされたタイマは、
所定の時間長さ(例えば2秒間)を計時するための計時
動作を実行する。ステップ376では、ステップ308
で求めた速度値が、速度スレショルド値84(VTH)よ
り大きいか否かを判定する。
求めた速度値と比較する速度スレショルド値VTHは、速
度スレショルド値104である。一方、ドア開け事象が
発生したときには、ステップ360及び370の働きに
よって、比較対象の速度スレショルド値がより大きな値
に変更されて、その大きな値が所定の時間長さに亙って
維持される。このとき例えば、速度スレショルド値に
「4」を乗じるようにすればよい。より大きな値に変更
した速度スレショルド値を維持する時間は、ドア開け事
象が完了するまでの短い時間であり、たいていの場合2
秒程度にすればよい。ステップ376での判定結果が否
定であったならば、プロセスはループしてステップ30
4へ戻り、そこで次の加速度値をサンプリングし、処理
して格納する。一方、ステップ376での判定結果が肯
定であったならば、それは、平均加速度値がスレショル
ド値ATHより大きく、しかも、速度値が最終的スレショ
ルド値VTHより大きいことに他ならず、この場合には、
プロセスはステップ380へ進み、そこで拘束具(エア
バッグ)を作動させる。
たならば、それは、発生している事象がドア開け事象で
はないことを表しており、この場合にはプロセスはステ
ップ376へ進む。この経路をたどってプロセスがステ
ップ376へ進んできたときには、ステップ376での
判定に用いられる速度スレショルド値VTHは、速度スレ
ショルド値104に「1」を乗じた値となる。ステップ
330での判定結果が肯定であったならば、それは、以
前にドア開け事象が検出されたときにステップ370で
始動された第2タイマの計時動作が、まだ完了せずに続
行していることを表しており、この場合にはコントロー
ラ20のプロセスはステップ394へ進み、そこでは、
ステップ376での判定に用いる速度スレショルド値と
して、(ステップ360で)変更した速度スレショルド
値を選択する。従って、当業者には容易に理解されるよ
うに、ドア開け事象が一度検出されたならば、ステップ
370で始動する第2タイマが計時動作を続行している
間、速度値との比較に変更速度スレショルド値が使用さ
れるようにしている。ドア開け事象が発生しているとき
にテップ376で実行した判定の結果、速度値が変更速
度スレショルド値を超えていた場合には、拘束具(エア
バッグ)を作動させる。
分の変更構成を示しており、従って本発明の別実施例を
示している。この実施例においては、遅延機能回路13
0の出力を、倍率/計時機能110にではなく、ディス
エーブル計時機能400に接続している。比較機能10
0は、速度値94を、固定値である速度スレショルド値
104と比較している。ディスエーブル計時機能400
は、イネーブルされたならば所定のディスエーブル時間
を計時する。ディスエーブル計時機能400の出力はス
イッチング・トランジスタ410に接続している。この
トランジスタ410は、AND機能88の一方の入力と
グラウンドとの間に介在するように接続されている。比
較機能100の出力は、抵抗を介してAND機能88の
前記一方の入力に接続している。ディスエーブル計時機
能400が計時動作を続行している間は、AND機能8
8の前記一方の入力がプル・ダウンされてロー状態にな
っている。これによって、スレショルド値を大きな値に
変更せずに、エアバッグ16の展開を防止している。
0がマイクロコンピュータである場合には、以上に説明
したディスエーブル機能もコントローラ20の内部で実
行される。これについて図6を参照して説明すると、図
4の(A)に示したディスエーブル方式の別実施例で
は、ステップ340での判定結果が肯定であったなら
ば、プロセスはステップ415へ進み、そこでは、計時
機能400によって制御される所定長さの時間が経過す
るまでの間、拘束システムがディスエーブルされた状態
に維持される。その所定長さの時間が経過したならばプ
ロセスはステップ304へ戻る。従って、そのディスエ
ーブル時間が経過するまでの間、拘束具(エアバッグ)
の作動が防止された状態が維持される。
分の更に別の変更構成を示しており、この図に示した更
なる別実施例はドア・スイッチ450を含んでおり、こ
のドア・スイッチ450を、ディジタルのハイ状態に相
当する電源とディスエーブル計時機能400との間に接
続してある。スイッチ450は常閉スイッチであり、こ
のスイッチ450を装備したドア14が閉じているとき
にだけ開いている。ドア14を開ければスイッチ450
は閉成する。スイッチ450は、閉成したならば、ディ
ジタルの“H(ハイ)”状態に相当する電圧をディスエ
ーブル計時機能400の入力へ供給し、それによって、
ディスエーブル計時機能400は所定長さのディスエー
ブル時間の計時動作を開始する。先に説明したものと同
様に、ディスエーブル計時機能400が計時動作を続行
している間、AND機能88の一方の入力がプルダウン
されてロー状態に維持される。そのため、ドア14を開
けたならば、その後ある時間が経過するまでの間、拘束
システムはディスエーブルされた状態に維持される。更
なる変更例として、ドアが開けられたことをドア・ラッ
チ・スイッチを利用して検出するようにしてもよい。
は、ドア・スイッチ450を直接トランジスタ・スイッ
チ410に接続してある。ドアが開けられることによっ
て、ドア・スイッチ450が閉成されたならば、AND
機能88の一方の入力がプルダウンされて“L(ロ
ー)”状態になり、それによって拘束システムがディス
エーブルされる。図4の(D)に示した更に別の実施例
では、ドア・スイッチ450を、ディジタルのハイ状態
に相当する電源と倍率/計時機能110との間に接続し
てある。この実施例においても、スイッチ450は常閉
スイッチであり、それを装備したドア14が閉じている
ときだけ開いている。ドア14が開けられたならば、そ
れによってスイッチ450は閉成し、ディジタルのハイ
状態に相当する電圧を倍率/計時機能110の入力へ供
給するようになる。その結果として、既述の如く、速度
スレショルド値104に所定の倍率が乗じられることに
なる。そのため、ドア14が開けられたならば、倍率/
タイマ回路110の働きによって、比較機能100で用
いられる速度スレショルド値がより大きな値に変更さ
れ、この大きな値は、それ以後、所定の時間が経過する
まで維持される。
け事象が発生したときの、加速度計出力信号36と加速
度計出力信号34の、時間的な変化を示している。図8
は、算出して求めた速度値94の時間的な変化を示して
いる。図7の(B)の振幅を表している目盛の尺度は、
図7の(A)の目盛の尺度の約 150倍である。時刻 0ms
ec.において、ドアを開ける動作が開始される。このド
ア開け事象が発生してから約 80 msec. 後(図7の
(A))に、加速度値が第1スレショルド値である-1 G
より小さな値になる。その時点から更に、遅延機能1
30によって提供される 75 msec. の遅延の後に(従っ
て、ドア開け事象が発生してから約 155 msec.後に)そ
れまで 6 feet/sec.(約 1,8 m/sec. )であった所定の
速度スレショルド値104に「4」を乗じる変更が施さ
れる(図8)。加速度値が -1 〜 -3.5 G の値域に入っ
たままであるため、155 msec. の時点で、倍率/計時機
能110がトリガされる。それによって所定数を乗じら
れたスレショルド値、即ち、変更スレショルド値が、こ
の時点から2秒間に亙って使用される。従って、より大
きな値に変更されたスレショルド値が、ドア開け事象の
開始後 2155 msec. の時点まで維持される。また、ドア
開け事象が開始してから約 400 msec.後の時点で、ドア
が頑丈な障害物にぶつかっており、その結果、ドアにか
なり大きな正の向きの加速度が加わっている(図7の
(B))。
によって生じた、算出して得られた速度値を示した。ド
アが障害物にぶつかった直後に、その算出速度値が 6 f
eet/sec.(約 1.8 m/sec. )の速度スレショルド値10
4を超えている。もしこの速度スレショルド値が、比較
機能100の一方の入力に直接に接続されていたなら
ば、比較回路100の出力はハイ状態に切り替わったは
ずである。更に、このとき、かりに、平均加速度値80
が加速度スレショルド値82を超えていたとすれば、比
較回路100の出力がハイ状態へ切り替わったことによ
ってエアバッグが不用意に展開してしまったはずであ
る。しかしながら実際には、155 msec. の時点で速度ス
レショルド値が変更されたために、そのような不用意な
展開が防止されている。従って本発明によれば、ドアを
開けた拍子に障害物にぶつけてしまったときに、それに
よってエアバッグが不用意に展開されてしまうのを、防
止することができる。当業者には容易に理解されるよう
に、エアバッグ展開回路をディスエーブルする方式の前
述の別実施例の方法によっても、エアバッグの不用意な
展開を防止することができる。
を参照して本発明の更に別の実施例について説明する。
この実施例は、ドアの加速度と速度とに基づいて、ドア
が開けられているか否かを判定するようにしたものであ
る。図5の(A)について説明すると、同図もまた、図
3の一部分の変更構成を示したものであり、この変更構
成において、コントローラ20は機能ブロック500に
おいて、低G加速度信号36をモニタし、その加速度値
が所定の加速度値の値域の中にあるか否かを、先に説明
した実施例と同様にして判定する。コントローラ20は
更に機能ブロック502において、低G加速度信号36
から速度値を求め、その得られた速度値が所定の速度値
の値域の中にあるか否かを判定する。機能ブロック50
0の中の値域比較回路と機能ブロック502の中の値域
比較回路とは互いに同様の構成であり、スレショルド値
が異なっているだけである。低G加速度出力36によっ
て表されている加速度値が加速度値の値域の中にあれ
ば、加速度機能ブロック500の出力はディジタルのハ
イ状態即ち真状態になる。低G加速度出力36から求め
た速度値が速度値の値域の中にあれば、速度機能ブロッ
ク502の出力はディジタルのハイ状態即ち真状態にな
る。
能ブロック502の出力とは、AND機能510によっ
て、それらの間のANDが取られている。求めた速度値
と求めた速度値との両方が夫々の値域の中にある場合
に、AND機能510の出力はディジタルのハイ状態即
ち真状態になり、この出力が遅延機能520をトリガす
る。遅延機能520は、先に説明した遅延機能130と
同様に機能するものである。この実施例では、遅延機能
520の遅延時間は約 40 msec. にしてある。従って加
速度値と速度値とが夫々の値域の中に 40 msec. の間と
どまり続けたならば、遅延機能520の出力はディジタ
ルのハイ状態即ち真状態になる。この遅延機能520の
出力は倍率/計時機能110に接続している。
施例では、遅延機能520の出力をディスエーブル・タ
イマ400に接続してある。ディスエーブル・タイマ4
00は、他の実施例に関連して既に説明したのと同様に
して、トランジスタ410を制御している。遅延機能5
20の出力が、ディジタルのハイ状態即ち真状態になっ
たならば、その出力が、倍率/時計機能110(図5の
(A))、ないしはディスエーブル・タイマ400(図
5の(B))を、先に説明した実施例と同様にしてトリ
ガし、それによって、ドアを開けた拍子に障害物にぶつ
けたときのエアバッグの不用意な展開が防止される。
れ示した実施例をマイクロコンピュータで構成した場合
に実行される制御プロセスの詳細を示した図であり、こ
のプロセスは、構成要素500、502、510、及び
520に対応した機能ステップを含んでおり、それらに
ついて以下に説明する。ステップ600においてコント
ローラ20は初期化を実行し、この初期化は先に説明し
た実施例と同様に公知の方式で行われる。ステップ60
2において、コントローラ20は加速度計32の低G加
速度出力36を読取る。プロセスの流れはステップ60
4へ進み、そこでコントローラ20は、低G加速度出力
36から速度値を求めて更新する。ステップ606では
第2タイマが計時動作を続行中か否かを判定する。第2
タイマとは倍率/計時機能110のタイマ(図5の
(A))、またはディスエーブル計時機能400のタイ
マ(図5の(B))のことをいう。この制御プロセスが
はじめて実行されたときにはステップ606での判定結
果は否定である。そのためプロセスの流れはステップ6
10へ進み、そこでは加速度値と速度値とがドア開け事
象に対応した夫々の値域の中にあるか否かを判定する。
先に説明した実施例と同様に、加速度の値域は -1 〜 -
3.5 G としてある。また速度の値域は -3 〜 -6feet/se
c. (約 0.9 〜 1.8 m/sec.)としてある。
たならば、即ちドア14がドア開け事象を発生していな
かったならば、プロセスの流れはステップ620へ進
み、そこでコントローラ20は、高G加速度出力34を
モニタする。ステップ622では、コントローラ20
は、先に説明した実施例と同様の方式で平均加速度値8
0を算出する。ステップ624では、コントローラ20
は、先に説明した実施例と同様の方式で速度値94を求
める。続いてプロセスはステップ630へ進み、そこで
は平均加速度値80と速度値94とが夫々のスレショル
ド値より大きいか否かを判定する。このステップ630
での判定結果が肯定であったならば、ステップ640で
エアバッグを作動させる。一方、ステップ630での判
定結果が否定であったならば、プロセスの流れはステッ
プ650へ進み、そこでは、第2タイマ、即ち、倍率/
計時機能110の中のタイマまたはディスエーブル計時
機能400の中のタイマが、計時動作を続行中か否かを
判定する。このステップ650での判定結果が否定であ
ったならば、プロセスの流れはループしてステップ60
2へ戻る。
たならば、即ち、ドア14がドア開け事象を発生してい
たならば、プロセスの流れはステップ660へ進み、そ
こでは、第1タイマが計時動作を続行中か否かを判定す
る。このステップ660で参照される第1タイマとは、
遅延機能520のことである。このループの中へ最初に
入ってきたときには、ステップ660での判定結果は否
定である。そのためプロセスの流れはステップ666へ
進み、そこで第1タイマ520を始動させる。プロセス
はステップ666からステップ670へ進み、また、こ
のステップ670へは、ステップ660での判定結果が
肯定であった場合に、そこからもプロセスの流れが進ん
でくる。ステップ670では、遅延機能670が始動し
てから 40 msec. が経過したか、即ち遅延機能520が
その長さの計時動作を完了したか否かを判定する。ステ
ップ670及び遅延機能520は、真正のドア開け事象
の発生だけを確実に拾い出せるようにする、ふるい分け
の機能を果たしている。タイマ520は1回の計時動作
を実行するごとに自動的にリセットされる。既に説明し
たようにこのふるい分けは、車両の反対側への側面衝突
が発生したときに、エアバッグの展開がディスエーブル
されたり、展開の条件が変更されたりしないように、そ
れらを防止するためのものである。
たならばプロセスはステップ620へ進む。一方、ステ
ップ670での判定結果が肯定であったならばプロセス
はステップ674へ進み、そこでは、倍率/計時機能1
10の中のタイマまたはディスエーブル計時機能400
の中のタイマである第2タイマの計時動作を始動させ
る。ステップ674では更に第1タイマをリセットす
る。プロセスはステップ674からステップ680へ進
む。このステップ680へは、ステップ606での判定
結果が肯定であった場合に、そこからもプロセスが進ん
でくる。ステップ680において、コントローラ20
は、比較機能100での比較に変更速度スレショルド値
を使用するようにし、そのために、速度スレショルド値
104に、倍率/計時機能110から得られる倍率を乗
じる(ただし、ディスエーブル計時機能400を使用し
た実施例では、ステップ680が省略されてプロセスが
ステップ674からステップ650へ進むことはいうま
でもない)。プロセスはステップ680からステップ6
20へ進み、ここから先のプロセスの進行は既に説明し
たとおりである。
らば、ステップ650での判定結果は肯定であり、この
場合には、プロセスの流れはステップ690へ進み、そ
こでは、2秒間が既に経過しているか否かを判定する。
このステップ690での判定結果が肯定であったなら
ば、即ち2秒間が経過していたならば、プロセスの流れ
はステップ694へ進み、そこでは、第2タイマをリセ
ットする。一方、ステップ690での判定結果が否定で
あった場合にはそこから直接に、また、ステップ694
からも、処理の流れはループしてステップ602へ戻
る。以上の説明から明らかなように、この実施例では、
加速度計32の低G加速度出力36から求めた加速度及
び速度の両方の関数として、ドアが開けられているか否
かを判定するようにしている。そして、遅延機能520
の出力を倍率/計時機能110に接続した構成では、速
度スレショルド値が大きな値に変更される。また、遅延
機能520の出力をタイマ400に接続した構成では、
既に説明したその種の実施例と同様にエアバッグの作動
が完全にディスエーブルされる。
32の低G加速度出力36を示したグラフであり、図7
の(A)に示したものと同一のドア開け事象を表してい
る。図10には更に、図3の機能ブロック502で、そ
して図9のフローチャートのステップ604で算出され
る、速度値を併せて描き入れてある。図10のグラフか
ら明らかなように、加速度出力36は、ドア開け事象が
開始してから約 80 msec. 後に -1 G より小さくなって
いる。しかしながらこの 80 msec. の時点では、算出速
度値はまだ、-3 〜 -6 feet/sec.(約 0.9 〜 1.8 m/se
c.)の値域へ入ってはいない。算出速度値は、ドア開け
事象の開始から約t1 後の時点で、-3〜 -6 feet/sec.
(約 0.9 〜 1.8 m/sec.)の値域へ入る。この時点でス
テップ610での判定結果が肯定になり、その結果、ス
テップ666で第1タイマ520が始動される。この時
点から遅延機能520ののタイマが計時する 40 msec.
が経過した後の時刻t2 になっても、加速度値500と
算出速度値502との両方が夫々の値域の中にとどまっ
ているため、時刻t2 において、コントローラ20は、
スレショルド値を変更するか、或いはエアバッグの展開
をディスエーブルする。この時刻t2 から始まって2秒
間が経過するまでの間、速度スレショルド値が変更され
た場合にはその変更値が維持され、また、エアバッグの
展開がディスエーブルされた場合にはそのディスエーブ
ル状態が維持される。
づいて、様々な改良、改変、及び変更にも容易に相当す
るであろう。それら改良、改変、及び変更もまた、本発
明の範囲に包含されるものである。
テムの模式図である。
図である。
た模式的ブロック図である。
更例を示す模式的ブロック図である。
変更例を示す模式的ブロック図である。
実施例を示したフローチャートである。
にぶつけてしまった場合の、図1に示した加速度計の出
力を時間の関数として示したグラフである。(B)H
A、ドアを開けた拍子に静止した障害物にぶつけてしま
った場合の、図1に示した加速度計の別の出力を時間の
関数として示したグラフである。
度から求められたドア速度を時間の関数として示したグ
ラフである。
の実施例を示したフローチャートである。
及び速度のグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 車両に備えられた乗員拘束具の作動を制
御する装置において、 車両のドアに装備され、車両の横方向加速度を検出する
加速度センサと、 加速度センサから出力される横方向加速度が第1の加速
度スレショルドを超えたときに、乗員拘束具を作動させ
るトリガ信号を発生させる第1の信号発生手段と、 加速度センサから出力されるドア開方向の横方向加速度
が、ドアが開放されつつあることを表している第2の及
び第3の加速度スレショルドの間にある場合に、ドアが
開放されつつあることを表すドア開信号を発生する第2
の信号発生手段と、 第2の信号発生手段からドア開信号が第1の所定時間継
続して発生された場合に、該第1の所定時間後から第2
の所定時間、第1の信号発生手段からのトリガ信号が乗
員拘束具に供給されないようにする禁止手段とからなる
ことを特徴とする乗員拘束具制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の乗員拘束具制御装置にお
いて、 該装置はさらに、加速度センサから出力される横方向加
速度に基づいて横方向速度を求める速度検出手段を備
え、 禁止手段はさらに、速度検出手段で得られた横方向速度
が速度スレショルドに到達するまで、第1の信号発生手
段からのトリガ信号が乗員拘束具に供給されないように
するよう構成されていることを特徴とする乗員拘束具制
御装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の乗員拘束具制御装置にお
いて、禁止手段はさらに、 第2の信号発生手段からドア開信号が第1の所定時間継
続して発生された場合に、速度スレショルドを増大させ
るよう構成されていることを特徴とする乗員拘束具制御
装置。 - 【請求項4】 車両に備えられた乗員拘束具の作動を制
御する装置において、 車両のドアに装備され、車両の横方向加速度を検出する
加速度センサと、 加速度センサから出力される横方向加速度に基づいて横
方向速度を求める速度検出手段と、 加速度センサから出力される横方向加速度が第1の加速
度スレショルドを超えたときに、第1のトリガ信号を発
生させる第1の信号発生手段と、 加速度センサから出力されるドア開方向の横方向加速度
が、ドアが開放されつつあることを表している第2及び
第3の加速度スレショルドの間にある場合に、ドアが開
放されつつあることを表すドア開信号を発生する第2の
信号発生手段と、 速度検出手段からの横方向速度が、速度スレショルドを
超えたときに、第2のトリガ信号を発生させる第3の信
号発生手段と、 第1のトリガ信号及び第2のトリガ信号が同時に発生さ
れた場合にのみ、乗員拘束具に対してトリガ信号を供給
するトリガ信号供給手段と、 第2の信号発生手段からドア開信号が所定時間継続して
発生された場合に、速度スレショルドを上昇させる手段
とからなることを特徴とする乗員拘束具制御装置。
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