Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP3230729B2 - 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP3230729B2 - 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置

Info

Publication number
JP3230729B2
JP3230729B2 JP8851797A JP8851797A JP3230729B2 JP 3230729 B2 JP3230729 B2 JP 3230729B2 JP 8851797 A JP8851797 A JP 8851797A JP 8851797 A JP8851797 A JP 8851797A JP 3230729 B2 JP3230729 B2 JP 3230729B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
film
carbon
electron beam
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8851797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10283955A (ja
Inventor
博光 高瀬
博嗣 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP8851797A priority Critical patent/JP3230729B2/ja
Publication of JPH10283955A publication Critical patent/JPH10283955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3230729B2 publication Critical patent/JP3230729B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Photo Coupler, Interrupter, Optical-To-Optical Conversion Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線装置および
その応用である表示装置等の画像形成装置に関し、特に
大気圧耐用のスペーサを有する画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型
放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られてい
る。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio Eng.ElectronPhys.,10,1290,(196
5)や、後述する他の例が知られている。表面伝導型放出
素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平
行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用
するものである。この表面伝導型放出素子としては、前
記エリンソン等によるSnO2薄膜を用いたものの他
に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:"Thin Solid Fi
lms",9,317(1972)]や、In23/SnO2 薄膜による
もの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:"IEEE Trans.ED
Conf.",519(1975)]や、カ−ボン薄膜によるもの[荒
木久 他:真空、第26巻、第1号、22(198
3)]等が報告されている。
【0004】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図20に前述のM.Hartwellらによる
素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜3
004に後述の通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を
施すことにより、電子放出部3005が形成される。図
中の間隔Lは、0.5〜1[mm],Wは、0.1[m
m]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出
部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で
示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出
部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0005】M.Hartwellらによる素子をはじめとして上
述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前
に導電性薄膜3004に通電フォ−ミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより、電子放出部3005を形成す
るのが一般的であった。すなわち、通電フォ−ミングと
は、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、
もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとした
レ−トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄
膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せ
しめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形
成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もし
くは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発
生する。前記通電フォ−ミング後に導電性薄膜3004
に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近におい
て電子放出が行われる。
【0006】また、FE型の例は、たとえば、W.P.Dyke
&W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron Ph
ysics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt,"Physical
properties of thin-film field emission cathodes w
ith molybdenium cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)
などが知られている。
【0007】FE型の素子構成の典型的な例として、図
21に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示す。
同図において、3010は基板で、3011は導電材料
よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコ−ン、3
013は絶縁層、3014はゲ−ト電極である。本素子
は、エミッタコ−ン3012とゲ−ト電極3014の間
に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ−ン3
012の先端部より電界放出を起こさせるものである。
また、FE型の他の素子構成として、図21のような積
層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッ
タとゲ−ト電極を配置した例もある。
【0008】また、MIM型の例としては、たとえば、
C.A.Mead,"Operationof tunnel-emission Devices,J.Ap
pl.Phys.,32,646(1961)などが知られている。MIM型
の素子構成の典型的な例を図22に示す。同図は断面図
であり、図において、3020は基板で、3021は金
属よりなる下電極、3022は厚さ100オングストロ
−ム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜300オ
ングストロ−ム程度の金属よりなる上電極である。MI
M型においては、上電極3023と下電極3021の間
に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の
表面より電子放出を起こさせるものである。
【0009】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒ−
タ−を必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構
造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、
基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱
溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ
−タ−の加熱により動作するため応答速度が遅いのとは
異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利
点もある。
【0010】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0011】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば特開昭64−31332号公報に
おいて開示されるように、多数の素子を配列して駆動す
るための方法が研究されている。
【0012】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビ−ム源、等が研究されている。特
に、画像表示装置への応用としては、たとえばUSP5,06
6,883や特開平2−257551号公報や特開平4−2
8137号公報において開示されているように、表面伝
導型放出素子と電子ビ−ムの照射により発光する蛍光体
とを組み合わせて用いた画像形成装置が研究されてい
る。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用い
た画像形成装置は、従来の他の方式の画像形成装置より
も優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及し
てきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるため
バックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優
れていると言える。
【0013】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、たとえば本出願人によるUSP4,904, 895に開示さ
れている。また、FE型を画像形成装置に応用した例と
して、たとえば、R.Meyerらにより[R.Meyer:"Recent
Development on Micro-tips Display at LETI",Te
ch.Digest of 4th Int. Vacuum Microele-ctronic
s Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1991)]で、報告された平
板型表示装置が知られている。
【0014】また、MIM型を多数個並べて画像形成装
置に応用した例は、たとえば特開平3−55738号公
報に開示されている。
【0015】上記の様な電子放出素子を用いた画像形成
装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペー
スかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に
置き換わるものとして注目されている。
【0016】図23は平面型の画像形成装置をなす表示
パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すた
めにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0017】図中、3115はリアプレート、3116
は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレ
ート3115、側壁3116およびフュースプレート3
117により表示パネルの内部を真空に維持するための
外囲器(気密容器)を形成している。
【0018】リアプレート3115には基板3111が
固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子
3112が、n×m個形成されている。(n、mは2以
上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じ適宜
設定される。)また、前記n×m個の冷陰極素子311
2は、図23に示すとおり、m本の行方向配線3113
とN本の列方向配線3114により配線されている。こ
れら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線3
113および列方向配線3114によって構成される部
分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線31
13と列方向配線3114の少なくとも交差する部分に
は、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気
的な絶縁が保たれている。
【0019】フェースプレート3117の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤
(R)、緑(G)、育(B)の3原色の蛍光体(不図
示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をな
す上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあ
り、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の
面には、Al等からなるメタルバック3119が形成さ
れている。
【0020】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dy
nおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路と
を電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用
端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行
方向配線3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビー
ム源の列方向配線3114と、Hvはメタルバック31
19と各々電気的に接続している。
【0021】また、上記気密容器の内部は10-6Tor
r程度の真空に保持されており、画像形成装置の表示面
積が大きくなるにしたがい、気密容器内部と外部の気圧
差によるリアプレート3115およびフェースプレート
3117の変形あるいは破壊を防止する手段が必要とな
る。リアプレート3115およびフェースプレート31
17を厚くすることによる方法は、画像形成装置の重量
を増加させるのみならず、斜め方向から見たときに画像
のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図23において
は、比較的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための
構造支持体(スペーサ、あるいはリブと呼ばれる)31
20が設けられている。このようにして、マルチビーム
電子源が形成された基板3111と蛍光膜3118が形
成されたフェースプレート3116間は通常サブミリな
いし数ミリに保たれ、前述したように気密容器内部は高
真空に保持されている。
【0022】以上説明した表示パネルを用いた画像形成
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加する
と、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート3117の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した画像形成
装置の表示パネルにおいては、以下のような問題点があ
った。
【0024】第1に、スペーサ3120の近傍から放出
された電子の一部がスペーサ3120に 当たることに
より、あるいは放出電子の作用で、スペーサ帯電をひき
おこす可能性がある。このスペーサの帯電により冷陰極
素子3112から放出された電子はその軌道を曲げら
れ、蛍光体上の正規な位置とは異なる場所に到達し、ス
ペーサ近傍の画像がゆがんで表示される。
【0025】第2に、冷陰極素子3112からの放出電
子を加速するためにマルチビーム電子 とフェースプレ
ート3117との間には数百V以上の高電圧(即ち1k
V/mm以上の高電界)が印加されるため、スペーサ3
120表面での沿面放電が懸念される。特に、上記のよ
うにスペーサが帯電している場合は、放電が誘発される
可能性がある。
【0026】この問題点を解決するために、スペーサに
微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案がなさ
れている(特開昭57−118355号公報、特開昭6
1−124031号公報)。そこでは絶縁性のスペーサ
の表面に高抵抗薄膜を形成することにより、スペーサ表
面に微小電流が流れるようにしている。ここで用いられ
ている帯電防止膜は酸化スズ、あるいは酸化スズと酸化
インジウム混晶薄膜や金属膜である。
【0027】上記提案に使用された酸化スズ等の半導体
型薄膜は、ガスセンサに応用されるほど酸素等のガスに
敏感なため、雰囲気でその抵抗値が変化しやすい。ま
た、これらの材料あるいは金属膜は比抵抗が小さいため
に、高抵抗化するには島状に成膜したり、極めて薄膜化
する必要がある。すなわち、従来の高抵抗膜は成膜の再
現性が難しかったり、ディスプレイ作製工程でのフリッ
ト封着やベーキングといった熱工程で抵抗値が変化しや
すいという欠点があった。
【0028】また、スペーサ3120の近傍から放出さ
れた電子の一部が、高抵抗膜に当たる際に放出される2
次電子量は、高抵抗膜の状態、膜厚に依存するために、
高抵抗膜を島状に成膜したり、極めて薄い膜として成膜
する場合、高抵抗膜の面内で帯電が除去される程度にバ
ラツキがでるという欠点があった。
【0029】本発明は上記従来スペーサの欠点を克服す
るものであり、安定性が高いスペーサ用帯電防止膜
いた画像形成装置を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成を有する電子線装置により達成される。すなわち、
複数の冷陰極素子を有する電子源と、前記電子源より放
出された電子を制御する電極と、前記電子より放出され
た電子を照射するターゲットと、前記電子源と前記電極
との間に配置されたスペーサとを有する電子線装置にお
いて、該スペーサは絶縁性部材の表面にカーボンが分散
している層を有する比抵抗が0.1Ω・cm〜1.0×1
8Ω・cmの半導電膜から成る帯電防止膜を有する構
成、または、絶縁性部材の表面に形成された比抵抗が
0.1〜1.0×108Ω・cmの半導電膜表面にカーボ
ンを島状に堆積した帯電防止膜を有する構成、さらに
は、絶縁性部材の表面にカーボンが分散している層を有
する比抵抗が0.1〜1.0×108Ω・cmの半導電膜
上にカーボンを島状に堆積した帯電防止膜を有する構成
を有する帯電防止膜であるこを有する帯電防止膜である
ことを特徴とし、且つ、前記電子源および前記電極との
当接面に導電膜を有しており、前記帯電防止膜が前記電
子源および前記電極に対して電気的に接続されている構
成を有することを特徴とする電子線装置により本発明の
目的が達成される。
【0031】図1(a)〜(c)は本発明によるスペー
サの断面模式図であり、1は帯電防止が施される絶縁性
部材であるスペーサの基体、2は絶縁性部材の基体1の
表面に形成した帯電防止膜である。帯電防止膜2は島状
に形成されたカーボン3または、分散されたカーボン4
と半導電膜5から構成される。
【0032】本発明の電子線装置は、以下のような形態
を有するものであってもよい。
【0033】(1)前記電子線装置は、前記電極が前記
電子源より放出された電子を加速する加速電極であり、
入力信号に応じて前記冷陰極素子から放出された電子を
前記ターゲットに照射して画像を形成する画像形成装置
をなす。特に、前記ターゲットが蛍光体である画像形成
装置をなす。
【0034】(2)前記冷陰極素子は、電子放出部を含
む導電性薄膜を一対の電極間に有する冷陰極素子であ
り、特に好ましくは表面伝導型電子放出素子である。
【0035】(3)前記電子源は、複数の行方向配線と
複数の列方向配線とでマトリクス配線された複数の冷陰
極素子を有する単純マトリクス状配置の電子源をなす。
【0036】(4)前記電子源は、並列に配置した複数
の冷陰極素子の個々を両端で接続した冷陰極素子の行を
複数配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向
(列方向と呼ぶ)に沿って、冷陰極素子の上方に配した
制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、冷陰極素子から
の電子を制御するはしご状配置の電子源をなす。
【0037】(5)また、本発明の思想によれば、表示
用として好適な画像形成装置に限るものでなく、感光性
ドラムと発光ダイオード等で構成された光プリンタの発
光ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成
装置を用いることもできる。またこの際、上述のm本の
行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択すること
で、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源とし
ても応用できる。この場合、画像形成部材としては、以
下の実施形態で用いる蛍光体のような直接発光する物質
に限るものではなく、電子の帯電による潜像画像が形成
されるような部材を用いることもできる。
【0038】また、本発明の思想によれば、例えば電子
顕微鏡のように、電子源からの放出電子の被照射部材
が、蛍光体等の画像形成部材以外のものである場合につ
いても、本発明は適用できる。従って、本発明は被照射
部材を特定しない一般的電子線装置としての形態もとり
うる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0040】本発明は、画像形成装置やこれに用いる電
子線装置、電子源において、耐大気圧用のスペーサの基
体である絶縁性部材上に、(1)カーボンを分散した層
を有する比抵抗が0.1〜108Ωcmの半導電膜を形成
した構成、または、(2)スペーサ基体の絶縁性部材上
に形成された比抵抗が0.1〜108Ωcmの半導電膜表
面にカーボンを島状に堆積した構成、または、(3)カ
ーボンを分散した層を有する比抵抗が0.1〜108Ωc
mの半導電膜上にカーボンを島状に堆積した構成、であ
ることを特徴とする帯電防止膜に関するものである。
【0041】(帯電防止膜の構成の説明)まず、本発明
による帯電防止膜の模式図を図面を用いて説明する。図
1(a)〜(c)は、本発明によるスペーサ上の帯電防
止膜の断面模式図であり、1は帯電防止が施される絶縁
性部材、2は絶縁性部材1の表面に形成した帯電防止膜
である。帯電防止膜2は島状に堆積されたカーボン3ま
たは、分散されたカーボン4と、半導電膜5から構成さ
れる。
【0042】(画像形成装置の構成)また、本発明は上
記帯電防止膜をスペーサに用いた平面型の画像形成装置
(電子線装置)であり、図4にその構造概略を示すよう
に(詳細は後述)、複数の冷陰極素子1012を形成し
た基板1011と発光材料である蛍光膜1018を形成
した透明なフェースプレート1017とをスペーサ10
20を介して対向させた構造を有する表示装置であり、
特にスペーサ1020が絶縁性部材の表面に、カーボン
を分散した層を有する比抵抗が0.1〜108Ωcmの帯
電防止膜を形成した構成または、絶縁性部材上に形成さ
れた比抵抗が0.1〜108Ωcmの半導電膜表面にカー
ボンを島状に堆積した構成または、カーボンを分散した
層を有する比抵抗が0.1〜108Ωcmの半導電膜上に
カーボンを島状に堆積した構成でであることを特徴とす
る表示装置に関するものである。
【0043】本発明の画像形成装置において、上記スペ
ーサ1020の一方の辺は、冷陰極素子を形成した基板
1011上の配線1013上に電気的に接続されてい
る。また、その対向する辺は冷陰極素子より放出した電
子を高いエネルギで発光材料(蛍光膜1018)に衝突
させるための加速電極(メタルバック1019)に電気
的接続される。すなわち、スペーサ1020の表面に形
成された帯電防止膜にはほぼ加速電圧を帯電防止膜の抵
抗値で除した電流が流される。
【0044】(帯電防止膜の形成の説明)そこで、スペ
ーサ1020の抵抗値Rsは帯電防止および消費電力か
らその望ましい範囲に設定される。帯電防止の観点から
表面抵抗Rsは1012Ω以下であることが好ましい。十
分な帯電防止効果を得るためには表面抵抗Rsは1011
Ω以下がさらに好ましい。表面抵抗の下限はスペーサ形
状とスペーサ間に印加される電圧により左右されるが、
105Ω以上であることが好ましい。
【0045】絶縁材料上に形成された帯電防止膜の厚み
tは10nm〜1μmの範囲が望ましい。材料の表面エ
ネルギーおよび基板との密着性や基板温度によっても異
なるが、一般的に10nm以下の薄膜は島状に形成さ
れ、抵抗が不安定で再現性に乏しい。一方膜厚tが1μ
m以上では膜応力が大きくなって膜はがれの危険性が高
まり、かつ成膜時間が長くなるため生産性が悪い。従っ
て、膜厚は50〜500nmであることが望ましい。
【0046】表面抵抗Rsはρ/tであり、以上に述べ
た表面抵抗Rsと膜厚tの好ましい範囲から、帯電防止
膜の比抵抗ρは0.1〜108Ωcmが好ましい。さらに
表面抵抗Rsと膜厚tのより好ましい範囲を実現するた
めには、比抵抗ρは102〜106Ωcmとするのが良
い。比抵抗ρがこれより小さい場合には、高電圧による
消費電力が増大して過熱状態になり、また比抵抗ρがこ
れより大きい場合には、帯電防止効果が劣化するため
で、さらに、比抵抗ρを102〜106Ωcmとするの
は、スペーサによる消費電力と画像形成装置としての画
像表示用の消費電力との合理的な比率であるか否かの判
断と、帯電防止効果が顕著に発揮される範囲であると判
断されるからである。
【0047】スペーサ1020は上述したようにその上
に形成した帯電防止膜を電流が流れることにより、ある
いはディスプレイ全体が動作中に発熱することにより、
その温度が上昇する。帯電防止膜の抵抗温度係数が大き
な負の値であると温度が上昇した時に抵抗値が減少し、
スペーサ1020に流れる電流が増加し、さらに温度上
昇をもたらす。そして電流は電源の限界を越えるまで増
加しつづける。このような電流の暴走が発生する抵抗温
度係数の値は、経験的に負の値で絶対値が1%以上であ
る。すなわち、帯電防止膜の抵抗温度係数はマイナス1
%未満であることが望ましい。
【0048】帯電防止膜特性を有する材料として、金属
酸化物が優れている。金属酸化物の中でも、クロム、ニ
ッケル、銅の酸化物が好ましい材料である。その理由は
これらの酸化物は二次電子放出効率が比較的小さく、電
子放出素子から放出された電子がスペーサに当たった場
合においても帯電しにくいためと考えられる。金属酸化
物以外にも炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材
料である。
【0049】しかしながら、上記金属酸化物、あるいは
カーボンはその抵抗値が帯電防止膜として望ましい比抵
抗の範囲に調整することが難しかったり、雰囲気により
抵抗が変化しやすいため、これらの材料のみでは抵抗の
制御性が乏しい。
【0050】アルミと遷移金属合金の窒化物は、遷移金
属の組成を調整することにより、良電導体から絶縁体ま
で広い範囲に抵抗値を制御できるのでスペーサの帯電防
止膜として適用できると考えられる。さらには後述する
表示装置作製の工程において抵抗値の変化が少なく安定
な材料である。かつ、その抵抗温度係数がマイナス1%
未満であり、実用的に使いやすい材料である。遷移金属
元素としてはTi,Cr,Ta等があげられる。遷移金
属含有率が5atom%以上のとき比抵抗が108Ωc
m以下となり、帯電防止効果が得られる。
【0051】さらにスペーサとして用いる場合、膜中に
含まれる遷移金属の割合は、Alに対して5〜60at
om%が好ましい。
【0052】本発明による帯電防止膜は、図1に示すよ
うにアルミ遷移金属合金窒化膜から成る半導電膜5(以
下、合金窒化膜と略す)の表面をカーボン3を分散した
合金窒化膜にする構成、または、絶縁性部材上に形成さ
れた半導電膜表面にカーボンを島状に堆積した構成また
は、カーボンを分散した層を有する合金窒化膜の半導電
膜上にカーボンを島状に堆積した構成であることを特徴
とする。
【0053】帯電防止膜全体の抵抗値は、概ね合金窒化
膜の抵抗値で規定され、表面近傍に存在するカーボンに
は2次電子放出を抑える効果を持たせることにより、望
ましい範囲の比抵抗を有する帯電防止膜とすることがで
きる。
【0054】スペーサ1020の近傍から放出された電
子がスペーサ表面に入射する場合、そのエネルギーはリ
アプレートとフェースプレート間にかけられる電圧によ
って決められ、数KVから10数KV程度である。
【0055】また、放出された電子の軌道を考慮する
と、放出された電子はスペーサ1020に対し斜めから
入射する場合が多くなる。一般的に物質の表面に電子が
入射した場合、2次子の放出率は垂直に入射する場合が
最小で、斜めから入射した場合は、試料面法線から測定
した入射角θに対して、1/cosθで増加する。
【0056】合金窒化膜の表面に膜状にカーボンが形成
されている場合には、斜めから入射する電子により、本
来の目的である帯電を抑える効果を低減させる場合がで
てくる。
【0057】これに対して、表面に島状にカーボンが形
成されている場合、図2に示すように、スペーサ102
0の表面にθの入射角度をもって斜入射する電子ビーム
は、各々の島に対しては、局所的にはより各々のカーボ
ン粒子表面に対して法線に近い角度(θ’)からの入射
となるために、2次電子放出率の抑制を維持することが
可能となり、カーボン粒子による帯電抑制効果を十分に
発揮することが可能である。
【0058】また、島状に形成したカーボンにおいて
は、各々の粒径が小さい場合、図3(a)に示す様に、
一つのカーボン粒子に入射する電子は透過して隣接する
カーボン粒子に入射する。このとき2次電子は粒子と粒
子の間隙に放出されることになり、スペーサ表面から放
出される2次電子量を低減させることができる。
【0059】これに対して各々の粒径が大きい場合は、
図3(b)に示す様に、カーボンから放出される2次電
子は、スペーサ表面から放出されることとなり帯電抑制
効果を低減させる場合がでてくる。
【0060】さらに、2次電子が放出する深さは物質に
よって異なり、電子が物質表面に垂直に入射した場合、
数nmから20nm程度と見積もられる。表面から当該
深さまでの領域にカーボンを分散した構成とする場合、
二次電子がカーボンと衝突することにより、2次電子放
出を抑えることが可能になる。
【0061】カーボンは2次電子放出率がほぼ1である
ため、帯電を抑える目的には最適であるが、安定した抵
抗の半導電膜を得ることが難しい。
【0062】これに対して、半導電膜上にカーボンが島
状に堆積している場合、スペーサの抵抗は半導電膜で規
定されるために、2次電子の放出量を抑制する目的で使
うことができるようになる。
【0063】スペーサの抵抗を規定する合金窒化膜はス
パッタ、窒素ガス雰囲気中での反応性スパッタ、電子ビ
ーム蒸着、イオンプレーティング、イオンアシスト蒸着
法等の薄膜形成手段により絶縁性部材上に形成される。
【0064】カーボンは蒸着法、スパッタ法、CVD
法、プラズマCVD法で数nmの厚さに調整されれば、
島状に堆積するので、合金窒化膜の形成の最終段階で合
金窒化膜と島状カーボンの形成を交互に行なうことによ
り、表面にカーボンが分散した合金窒化膜を有する合金
窒化膜を作製することができる。又、非晶質カーボンを
作製する場合には、成膜中の雰囲気に水素が含まれるよ
うにするか、成膜ガスに炭化水素ガスを使用することが
可能である。半導電膜表面にカーボンを島状に形成させ
る場合も同様な手法を用いて作製することが可能であ
る。
【0065】CVD法、プラズマCVD法の場合、カー
ボンの原料としてはCH4、C410を水素で希釈して用
いることが可能である。
【0066】本発明による帯電防止防止膜を平面型の表
示装置のスペーサ帯電防止に対して説明したが、これに
限らず他の用途における帯電防止膜として使用できるこ
とができる。
【0067】(画像形成装置の構成と製造法)次に、本
発明を適用した画像形成装置の表示パネルの構成と製造
法について、具体的な例を示して説明する。
【0068】図4は、本実施形態に用いた表示パネルの
斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切
り欠いて示している。
【0069】図中、1015はリアプレ−ト、1016
は側壁、1017はフェ−スプレ−トであり、リアプレ
−ト1015〜フェ−スプレ−ト1017により表示パ
ネルの内部を真空に維持するための気密容器を形成して
いる。気密容器を組み立てるにあたっては、各部材の接
合部に十分な強度と気密性を保持させるため封着する必
要があるが、たとえばフリットガラスを接合部に塗布
し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂氏400〜50
0度で10分以上焼成することにより封着を達成した。
気密容器内部を真空に排気する方法については後述す
る。また、上記気密容器の内部は、1×10-6[Tor
r]程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃
などによる気密容器の破壊を防止する目的で、耐大気圧
構造体として、スペーサ1020が設けられている。
【0070】リアプレ−ト1015には、基板1011
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1012
がn×m個形成されている。n,mは2以上の正の整数
であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
表示装置においては、n=3000,m=1000以上
の数を設定することが望ましい。前記n×m個の冷陰極
素子は、m本の行方向配線1013とn本の列方向配線
1014により単純マトリクス配線されている。基板1
011〜列方向配線1014によって構成される部分を
マルチ電子ビ−ム源と呼ぶ。
【0071】本発明の画像形成装置に用いるマルチ電子
ビ−ム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制
限はない。したがって、たとえば表面伝導型放出素子や
FE型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いるこ
とができる。
【0072】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レ−ト1015にマルチ電子ビ−ム源の基板1011を
固定する構成としたが、マルチ電子ビ−ム源の基板10
11が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレ−トとしてマルチ電子ビ−ム源の基板10
11自体を用いてもよい。
【0073】また、フェ−スプレ−ト1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施形態はカ
ラ−表示装置であるため、蛍光膜1018の部分にはC
RTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体
が塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図5
の(a)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビ
−ムの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが
生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐ事、電子ビ−ムによる蛍光膜の
チャ−ジアップを防止する事などである。黒色の導電体
1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0074】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図5(a)に示したストライプ状の配列に限られるもの
ではなく、たとえば図5(b)に示すようなデルタ状配
列や、それ以外の配列であってもよい。
【0075】なお、モノクロ−ムの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0076】また、蛍光膜1018のリアプレ−ト側の
面には、図4に示すように、CRTの分野では公知のメ
タルバック1019を設けてある。メタルバック101
9を設けた目的は、蛍光膜1018が発する光の一部を
鏡面反射して光利用率を向上させる事や、負イオンの衝
突から蛍光膜1018を保護する事や、電子ビ−ム加速
電圧を印加するための電極として作用させる事や、蛍光
膜1018を励起した電子の導電路として作用させる事
などである。メタルバック1019は、蛍光膜1018
をフェ−スプレ−ト基板1017上に形成した後、蛍光
膜表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方
法により形成した。なお、蛍光膜1018に低電圧用の
蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック1019は
用いない。
【0077】また、本実施形態では用いなかったが、加
速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フ
ェ−スプレ−ト基板1017と蛍光膜1018との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0078】図6は図4のA−A’の断面模式図であ
り、図7はスペーサ1020の断面模式図である。各部
の番号は図4に対応している。スペーサ1020はスペ
ーサ基体である絶縁性部材1020aの表面に帯電防止
を目的とした半導電膜1020bを成膜し、かつフェー
スプレート1017の内側(メタルバック1019等)
及び基板1011の表面(行方向配線1013または列
方向配線1014)に面したスペーサ1020の当接面
に低抵抗膜1020cを成膜した部材からなるもので、
上記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔
をおいて配置され、フェースプレート1017の内側お
よび基板1011の表面に導電性の接合材1040によ
り固定される。
【0079】また、帯電防止膜1020bは、絶縁性部
材1020aの表面のうち、少なくとも気密容器内の真
空中に露出している面に成膜されており、スペーサ10
20上の低抵抗膜1020cおよび導電性接合材104
0を介して、フェースプレート1017の内側(メタル
バック1019等)及び基板1011の表面(行方向配
線1013または列方向配線1014)に電気的に接続
される。
【0080】ここで説明される態様においては、スペー
サ1020の形状は薄板状とし、行方向配線1013に
平行に配置され、行方向配線1013に電気的に接続さ
れている。
【0081】スペーサ1020としては、基板1011
上の行方向配線1013および列方向配線1014とフ
ェースプレート1017内面のメタルバック1019と
の間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、
かつスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の
導電性を有する必要がある。この点に関しては、既に述
べた通りである。
【0082】スペーサ1020の絶縁性部材1020a
としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を
減少したガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセ
ラミックス部材等が挙げられる。なお、絶縁性部材10
20aはその熱膨張率が気密容器および基板1011を
成す部材と近いものが好ましい。
【0083】また、帯電防止膜1020bとしては、既
に述べたように帯電防止効果の維持及びリーク電流によ
る消費電力抑制を考慮して、その表面抵抗値Rsが10
5[Ω/□]から1012[Ω/□]の範囲のものである
ことが好ましく、その材料としては、前述の各種の材料
が用いられる。
【0084】また、低抵抗膜1020cは、帯電防止膜
1020bに比べ十分に低い抵抗値を選択すればよく、
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属、あるいは合金、及びPd,Ag.A
u,RuO2、Pd−Ag等の金属や金属酸化物と、ガ
ラス等から構成される印刷導体、あるいはIn23−S
nO2等の透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等
より適宜選択される。
【0085】導電性接合材1040はスペーサ1020
が行方向配線1013およびメタルバック1019と電
気的に接続するように、導電性をもたせる必要がある。
すなわち、導電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを
添加したフリットガラスが好適である。
【0086】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dy
nおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路と
を電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用
端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビ−ム源の行
方向配線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビ−
ム源の列方向配線1014と、Hvはフェ−スプレ−ト
のメタルバック1019と電気的に接続している。
【0087】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10-7[Torr]程度
の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、
気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前ある
いは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッタ−膜(不
図示)を形成する。ゲッタ−膜とは、たとえばBaを主
成分とするゲッタ−材料をヒ−タ−もしくは高周波加熱
により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッタ−膜
の吸着作用により気密容器内は1×10-5ないしは1×
10-7[Torr]の真空度に維持される。
【0088】以上説明した表示パネルを用いた画像形成
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加する
と、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート1017の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0089】通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導
型放出素子への1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の電圧0.
1[kV]から10[kV]程度である。
【0090】以上、本発明の実施形態の表示パネルの基
本構成と製法、および画像形成装置の概要を説明した。
【0091】(マルチ電子ビ−ム源の製造方法)次に、
前記実施形態の表示パネルに用いたマルチ電子ビ−ム源
の製造方法について説明する。
【0092】本発明の画像形成装置に用いるマルチ電子
ビ−ム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制
限はない。したがって、たとえば表面伝導型放出素子や
FE型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いるこ
とができる。
【0093】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコ−ンとゲ−ト電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。
【0094】また、発明者らは、表面伝導型放出素子の
中でも、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から
形成したものがとりわけ電子放出特性に優れ、しかも製
造が容易に行えることを見いだしている。したがって、
高輝度で大画面の画像形成装置のマルチ電子ビ−ム源に
用いるには、最も好適であると言える。そこで、上記実
施形態の表示パネルにおいては、電子放出部もしくはそ
の周辺部を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素子を
用いた。そこで、まず好適な表面伝導型放出素子につい
て基本的な構成と製法および特性を説明し、その後で多
数の素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビ−ム源
の構造について述べる。
【0095】電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜
から形成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、
平面型と垂直型の2種類があげられる。
【0096】まず最初に、平面型の表面伝導型放出素子
の素子構成と製法について説明する。図8に示すのは、
平面型の表面伝導型放出素子の構成を説明するための平
面図(a)および断面図(b)である。図中、1101
は基板、1102と1103は素子電極、1104は導
電性薄膜、1105は通電フォ−ミング処理により形成
した電子放出部、1113は通電活性化処理により形成
した薄膜である。
【0097】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0098】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23−SnO2をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜材
料を選択して用いればよい。電極を形成するには、たと
えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィ−、
エッチングなどのパタ−ニング技術を組み合わせて用い
れば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば印
刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0099】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストロ−ム
から数百マイクロメ−タ−の範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメ−タ−より数十マイクロメ−タ
−の範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロ−ムから数マイクロメ−タ−の
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0100】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0101】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロ−ムから数千オングストロ−ムの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロ−ムから200オングストロ−ムの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02,1103と電気的に良好に接続するのに必要な条
件、後述する通電フォ−ミングを良好に行うのに必要な
条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にす
るために必要な条件、などである。具体的には、数オン
グストロ−ムから数千オングストロ−ムの範囲のなかで
設定するが、なかでも好ましいのは10オングストロ−
ムから500オングストロ−ムの間である。
【0102】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In23,PbO,Sb23,などをはじめと
する酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6
YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、Ti
C,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfNなどをは
じめとする窒化物や、Si,Geなどをはじめとする半
導体や、カ−ボン、などがあげられ、これらの中から適
宜選択される。
【0103】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシ−ト抵抗値については、
103から107乗[オ−ム/sq]の範囲に含まれるよ
う設定した。
【0104】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図8の例においては、下
から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0105】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォ−ミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロ−ムから数百オングストロ−ム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図8においては模式的に示した。
【0106】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォ−ミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カ−ボンのいずれかか、もし
くはその混合物であり、膜厚は500オングストロ−ム
以下とするが、300オングストロ−ム以下とするのが
さらに好ましい。なお、実際の薄膜1113の位置や形
状を精密に図示するのは困難なため、図8においては模
式的に示した。また、平面図(a)においては、薄膜1
113の一部を除去した素子を図示した。
【0107】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、本実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0108】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロ−
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメ−タ−]とした。微
粒子膜の主要材料としてPdもしくはPdOを用い、微
粒子膜の厚さは約100[オングストロ−ム]、幅Wは
100[マイクロメ−タ]とした。
【0109】(平面型の表面伝導型電子放出素子の製造
方法)次に、好適な平面型の表面伝導型電子放出素子の
製造方法について説明する。図9の(a)〜(d)は、
表面伝導型電子放出素子の製造工程を説明するための断
面図で、各部材の表記は前記図8と同一である。
【0110】(1)まず、図9(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。形成するにあたっては、あらかじめ基板1101
を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、素子電
極の材料を堆積させる。堆積する方法としては、たとえ
ば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用ればよ
い。その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラフィ
−・エッチング技術を用いてパタ−ニングし、図9
(a)に示した一対の素子電極1102,1103を形
成する。
【0111】(2)次に、同図(b)に示すように、導
電性薄膜1104を形成する。形成するにあたっては、
まず前記(a)の基板に有機金属溶液を塗布して乾燥
し、加熱焼成処理して微粒子膜を成膜した後、フォトリ
ソグラフィ−・エッチングにより所定の形状にパタ−ニ
ングする。ここで、有機金属溶液とは、導電性薄膜に用
いる微粒子の材料を主要元素とする有機金属化合物の溶
液である。具体的には、本実施形態では主要元素として
Pdを用いた。また、実施形態では塗布方法として、デ
ィッピング法を用いたが、それ以外のたとえばスピンナ
−法やスプレ−法を用いてもよい。また、微粒子膜で作
られる導電性薄膜の成膜方法としては、本実施形態で用
いた有機金属溶液の塗布による方法以外の、たとえば真
空蒸着法やスパッタ法、あるいは化学的気相堆積法など
を用いる場合もある。
【0112】(3)次に、同図(c)に示すように、フ
ォ−ミング用電源1110から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電フォ−ミング処理
を行って、電子放出部1105を形成する。
【0113】通電フォ−ミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0114】通電方法をより詳しく説明するために、図
10に、フォ−ミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォ−ミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施形態の場合には、同図に示したようにパル
ス幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印
加した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、
順次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況を
モニタ−するためのモニタ−パルスPmを適宜の間隔で
三角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流
計1111で計測した。
【0115】本実施形態においては、たとえば10
-5[torr]程度の真空雰囲気下において、たとえば
パルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10
[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1
[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加す
るたびに1回の割りで、モニタ−パルスPmを挿入し
た。フォ−ミング処理に悪影響を及ぼすことがないよう
に、モニタ−パルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定
した。そして、素子電極1102と1103の間の電気
抵抗が1×106[オ−ム]になった段階、すなわちモ
ニタ−パルス印加時に電流計1111で計測される電流
が1×10-7[A]以下になった段階で、フォ−ミング
処理にかかわる通電を終了した。
【0116】なお、上記の方法は、本実施形態の表面伝
導型電子放出素子に関する好ましい方法であり、たとえ
ば微粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど
表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに
応じて通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0117】(4)次に、図9の(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0118】通電活性化処理とは、前記通電フォ−ミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。図9においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。
【0119】なお、通電活性化処理を行うことにより、
行う前と比較して、同じ印加電圧における放出電流を、
典型的には100倍以上に増加させることができる。具
体的には、10-4ないし10-5乗[torr]の範囲内
の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に印加すること
により、真空雰囲気中に存在する有機化合物を起源とす
る炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆積物111
3は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイト、非晶
質カ−ボン、のいずれかか、もしくはその混合物であ
り、膜厚は500[オングストロ−ム]以下、より好ま
しくは300[オングストロ−ム]以下である。
【0120】通電方法をより詳しく説明するために、図
11の(a)に、活性化用電源1112から印加する適
宜の電圧波形の一例を示す。本実施形態においては、一
定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行
ったが、具体的には,矩形波の電圧Vacは14
[V],パルス幅T3は1[ミリ秒],パルス間隔T4
は10[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本
実施形態の表面伝導型電子放出素子に関する好ましい条
件であり、表面伝導型電子放出素子の設計を変更した場
合には、それに応じて条件を適宜変更するのが望まし
い。
【0121】図9の(d)に示す1114は該表面伝導
型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するため
のアノ−ド電極で、直流高電圧電源1115および電流
計1116が接続されている。なお、基板1101を、
表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合
には、表示パネルの蛍光面をアノ−ド電極1114とし
て用いる。活性化用電源1112から電圧を印加する
間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電活性
化処理の進行状況をモニタ−し、活性化用電源1112
の動作を制御する。電流計1116で計測された放出電
流Ieの一例を図11(b)に示すが、活性化電源11
12からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過と
ともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほと
んど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ
飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加を
停止し、通電活性化処理を終了する。
【0122】なお、上述の通電条件は、本実施形態の表
面伝導型電子放出素子に関する好ましい条件であり、表
面伝導型電子放出素子の設計を変更した場合には、それ
に応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0123】以上のようにして、図9(e)に示す平面
型の表面伝導型電子放出素子を製造した。
【0124】(垂直型の表面伝導型電子放出素子の製造
方法)次に、電子放出部もしくはその周辺を微粒子膜か
ら形成した表面伝導型放出素子のもうひとつの代表的な
構成、すなわち垂直型の表面伝導型電子放出素子の構成
について説明する。
【0125】図12は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォ−ミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜、である。
【0126】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、前記図8の平面型における素子電極間隔L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1
204、については、前記平面型の説明中に列挙した材
料を同様に用いることが可能である。また、段差形成部
材1206には、たとえばSiO2のような電気的に絶
縁性の材料を用いる。
【0127】次に、垂直型の表面伝導型電子放出素子の
製法について説明する。図13の(a)〜(f)は、製
造工程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記
図12と同一である。
【0128】(1)まず、図13(a)に示すように、
基板1201上に素子電極1203を形成する。
【0129】(2)次に、同図(b)に示すように、段
差形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、たとえばSiO2をスパッタ法で積層すればよい
が、たとえば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を
用いてもよい。
【0130】(3)次に、同図(c)に示すように、絶
縁層の上に素子電極1202を形成する。
【0131】(4)次に、同図(d)に示すように、絶
縁層の一部を、たとえばエッチング法を用いて除去し、
素子電極1203を露出させる。
【0132】(5)次に、同図(e)に示すように、微
粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成す
るには、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗布法な
どの成膜技術を用いればよい。
【0133】(6)次に、前記平面型の場合と同じく、
通電フォ−ミング処理を行い、電子放出部を形成する。
通電フォ−ミング処理は、図9(c)を用いて説明した
平面型の通電フォ−ミング処理と同様の処理を行えばよ
い。
【0134】(7)次に、前記平面型の場合と同じく、
通電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。通電活性化処理は、図9
(d)を用いて説明した平面型の通電活性化処理と同様
の処理を行えばよい。
【0135】以上のようにして、図13(f)に示す垂
直型の表面伝導型電子放出素子を製造した。
【0136】(表面伝導型電子放出素子の特性)以上、
平面型と垂直型の表面伝導型電子放出素子について素子
構成と製法を説明したが、次に画像形成装置に用いた素
子の特性について述べる。
【0137】図14に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、
これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメ−タ
を変更することにより変化するものであるため、2本の
グラフは各々任意単位で図示した。
【0138】画像形成装置に用いた素子は、放出電流I
eに関して、以下に述べる3つの特性を有している。
【0139】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。すな
わち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを
持った非線形素子である。
【0140】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0141】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0142】以上のような特性を有するため、表面伝導
型電子放出素子を画像形成装置に好適に用いることがで
きた。たとえば多数の素子を表示画面の画素に対応して
設けた画像形成装置において、第一の特性を利用すれ
ば、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能であ
る。
【0143】すなわち、駆動中の素子には所望の発光輝
度に応じて閾値電圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非
選択状態の素子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加す
る。駆動する素子を順次切り替えてゆくことにより、表
示画面を順次走査して表示を行うことが可能である。
【0144】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0145】(マルチ電子ビ−ム源の構造)次に、上述
の表面伝導型電子放出素子を基板上に配列して単純マト
リクス配線したマルチ電子ビ−ム源の構造について述べ
る。
【0146】図15に示すのは、図4の表示パネルに用
いたマルチ電子ビ−ム源の平面図である。基板上には、
図8で示したものと同様な表面伝導型放出素子が配列さ
れ、これらの素子は行方向配線電極1003と列方向配
線電極1004により単純マトリクス状に配線されてい
る。行方向配線電極1003と列1004の交差する部
分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成されており、
電気的な絶縁が保たれている。
【0147】図15のB−B’に沿った断面を、図16
に示す。このような構造のマルチ電子源は、あらかじめ
基板上に行方向配線電極1003、列方向配線電極10
04、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型電子
放出素子の素子電極1102、1103と導電性薄膜1
104を形成した後、行方向配線電極1003および列
方向配線電極1004を介して各素子に給電して通電フ
ォ−ミング処理と通電活性化処理を行うことにより製造
した。
【0148】図17は、NTSC方式のテレビ信号に基
づいてテレビジョン表示を行う為の駆動回路の概略構成
をプロック図で示したものである。同図中、表示パネル
1701は前述した表示パネルに相当するもので、前述
した様に製造され、動作する。また、走査回路1702
は表示ラインを走査し、制御回路1703は走査回路へ
入力する信号等を生成する。シフトレジスタ1704は
1ライン毎のデータをシフトし、ラインメモリ1705
は、シフトレジスタ1704からの1ライン分のデータ
を変調信号発生器1707に入力する。同期信号分離回
路1706はNTSC信号から同期信号を分離する。
【0149】以下、図17の装置各部の機能を詳しく説
明する。まず表示パネル1701は、端子Dx1ないし
Dxmおよび端子Dy1ないしDyn、および高圧端子
Hvを介して外部の電気回路と接続されている。このう
ち、端子Dx1ないしDxmには、表示パネル1701
内に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちm行
n列の行列状にマトリクス配線された冷陰極素子を1行
(n素子〉ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が印加さ
れる。一方、端子Dy1ないしDynには、前記走査信
号により選択された1行分のn個の各素子の出力電子ビ
ームを制御する為の変調信号が印加される。また、高圧
端子Hvには、直流電圧源Vaより、たとえば5[k
V]の直流電圧が供給されるが、これはマルチ電子ビー
ム源より出力される電子ビームに蛍光体を励起するのに
十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0150】次に、走査回路1702について説明す
る。同回路は、内部にm個のスイッチング素子(図中、
S1ないしSmで模式的に示されている)を備えるもの
で、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧
もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を
選択し、表示パネル1701の端子Dx1ないしDxm
と電気的に接続するものである。S1ないしSmの各ス
イッチング素子は、制御回路1703が出力する制御信
号Tscanに基づいて動作するものだが、実際にはた
とえばFETのようなスイッチング素子を組合わせる事
により容易に構成することが可能である。なお、前記直
流電圧源Vxは、図14に例示した電子放出素子の特性
に基づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が
電子放出しきい値電圧Vth電圧以下となるよう、一定
電圧を出力するよう設定されている。
【0151】制御回路1703は、外部より入力する画
像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の
動作を整合させる働きをもつものである。次に説明する
同期信号分離回路1706より送られる同期信号Tsy
ncに基づいて、各部に対してTscanおよびTsf
tおよびTmryの各制御信号を発生する。
【0152】同期信号分離回路1706は、外部から入
力されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分
と輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られて
いるように周波数分離(フィルタ)回路を用いれば容易
に構成できるものである。同期信号分離回路1706に
より分離された同期信号は、良く知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表すが、同信号はシフトレジスタ1704に入
力される。
【0153】シフトレジスタ1704は、時系列的にシ
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路1703より送られる制御信号Tsftに基づ
いて動作する。すなわち、制御信号Tsftは、シフト
レジスタ1704のシフトクロックであると言い換える
ことができる。シリアル/パラレル変換された画像1ラ
イン分(電子放出素子n素子分の駆動データに相当す
る)のデータは、Id1ないしIdnのn個の信号とし
て前記シフトレジスタ1704より出力される。
【0154】ラインメモリ1705は、画像1ライン分
のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路1703より送られる制御信号Tmryに
したがって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。
記憶された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力
され、変調信号発生器1707に入力される。
【0155】変調信号発生器1707は、前記画像デー
タI’d1ないしI’dnの各々に応じて、電子放出素
子1015の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、
その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて表示
パネル1701内の電子放出素子1015に印加され
る。
【0156】図14を用いて説明したように、本発明に
関わる表面伝導型電子放出素子は放出電流Ieに対し
て、以下の基本特性を有している。
【0157】すなわち、電子放出には明確な閾値電圧V
th(後述する実施例の表面伝導型電子放出素子では8
[V])があり、閾値Vth以上の電圧を印加された時
のみ電子放出が生じる。また、電子放出閾値Vth以上
の電圧に対しては、図14のグラフのように電圧の変化
に応じて放出電流Ieも変化する。このことから、本素
子にパルス状の電圧を印加する場合、たとえば電子放出
閾値Vth以下の電圧を印加しても電子放出は生じない
が、電子放出閾値Vth以上の電圧を印加する場合には
表面伝導型放出素子から電子ビームが出力される。その
際、パルスの波高値Vmを変化させることにより出力電
子ビームの強度を制御することが可能である。また、パ
ルスの幅Pwを変化させることにより出力される電子ビ
ームの電荷の総量を制御することが可能である。
【0158】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。
【0159】電圧変調方式を実施するに際しては、変調
信号発生器1707として、一定長さの電圧パルスを発
生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を
変調するような電圧変調方式の回路を用いることができ
る。
【0160】また、パルス幅変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器1707として、一定の波高値の
電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電
圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路
を用いることができる。シフトレジスタ1704やライ
ンメモリ1705は、デジタル信号式のものでもアナロ
グ信号式のものでも採用できる。すなわち、画像信号の
シリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行われれ
ばよいからである。
【0161】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路1706の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これには同期信号分離回路170
6の出力部にA/D変換器を設ければよい。これに関連
してラインメモリ115の出力信号がデジタル信号かア
ナログ信号かにより、変調信号発生器に用いられる回路
が若干異なったものとなる。すなわち、デジタル信号を
用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器1707に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。
【0162】パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器
1707には、例えば高速の発振器および発振器の出力
する波数を計数する計数器(カウンタ)および計数器の
出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパ
レータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、比
較器の出力するパルス幅変調された変調信号を電子放出
素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加
することもできる。
【0163】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器1707には、例えばオペアンプな
どを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてシフトレ
ベル回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)
を採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧また
は電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0164】このような構成をとりうる本発明の適用可
能な画像形成装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dx1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを介して電
圧を印加することにより、電子放出が生じる。高圧端子
Hvを介してメタルバック1019あるいは透明電極
(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加
速された電子は、蛍光膜1018に衝突し、発光が生じ
て画像が形成される。
【0165】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の思
想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につい
てはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限るも
のではなく、PAL、SECAM方式など他、これらよ
り多数の走査線からなるTV信号(MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0166】なお、上記実施形態では、スペーサの形状
を薄板状の例を示しているが、その他平板型、十字型、
L型、櫛型等があり、さらに図18(a),(b)に示
すように蜂の巣状に円柱の孔を開けたりライン状に切り
欠いた基板に各電子源又は複数の電子源に対応して、種
々の形態で設定される。また、帯電防止膜で覆ったスペ
ーサ1020の利用により、画像形成装置が大型化する
のに従って効果が顕著になる。
【0167】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳述
する。
【0168】以下に述べる各実施例においては、マルチ
電子ビーム源として、前述した、電極間の導電性微粒子
膜に電子放出部を有するタイプのn×m個(ここで、n
=3072、m=1024とする)の表面伝導型放出素
子を、m本の行方向配線と、n本の列方向配線とによ
り、マトリクス配線(図4および図15参照)したマル
チ電子ビーム源を用いた。
【0169】本実施例では、前述した図4に示すスペー
サ1020を配置した表示パネルを作製した。以下、図
4および図6、図7を用いて詳述する。
【0170】まず、あらかじめ基板上に行方向配線電極
1013、列方向配線電極1014、電極間絶縁層(不
図示)、および表面伝導型放出素子の素子電極と導電性
薄膜を形成した基板1011を、リアプレート1015
に固定した。次に、ソーダライムガラスからなる絶縁性
部材1020aの表面のうち、気密容器内に露出する4
面に後述の半導電膜1020bおよびカーボン1020
dを形成し、当接面に導電膜1020cを成膜したスペ
ーサ1020(高さ5[mm]、板厚200[マイクロ
メートル]、長さ20mm)を、基板1011の行方向
配線1013上に等間隔で、行方向配線1013と平行
に固定した。その後、基板1011の5mm上方に、内
面に蛍光膜1018とメタルバック1019が付設され
たフェースプレート1017を側壁1016を介し配置
し、リアプレート1015、フェースプレート101
7、側壁1016およびスペーサ1020の各接合部を
固定した。基板1011とリアプレート1015の接合
部、リアプレート1015と側壁1016の接合部、お
よびフェースプレート1017と側壁1016の接合部
は、フリットガラス(不図示)を塗布し、大気中で40
0℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着し
た。
【0171】また、スペーサ1020は、基板1011
側では行方向配線1013(線幅300[マイクロメー
トル])上に、フェースプレート1017側ではメタル
バック1019面上に、導電性フィラーあるいは金属等
の導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を
介して配置し、上記気密容器の封着と同時に、大気中で
400℃乃至500℃で、10分以上焼成することで、
接着しかつ電気的な接続をとった。なお、本実施例にお
いては、蛍光膜1018は、図19に示すように、各色
蛍光体21aが列方向(Y方向)に延びるストライプ形
状を採用し、黒色の導電体21bは各色蛍光体(R,
G,B)21a間だけでなく、Y方向の各画素間をも分
離するように配置された蛍光膜が用いられ、スペーサ1
020は、行方向(X方向)に平行な黒色の導電体21
b領域(線幅300[マイクロメートル])内にメタル
バック1019を介して配置された。なお、前述の封着
を行う際には、各色蛍光体21aと基板1011上に配
置された各素子とを対応させなくてはいけないため、リ
アプレート1015、フェースプレート1017および
スペーサ1020は十分な位置合わせを行った。
【0172】以上のようにして完成した気密容器内を排
気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真
空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜
Dynを通じ、行方向配線電極1013および列方向配
線電極1014を介して各素子に給電して、前述の通電
フォーミング処理と通電活性化処理を行うことによりマ
ルチ電子ビーム源を製造した。
【0173】次に、10-6[Torr]程度の真空度
で、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着
し外囲器(気密容器)の封止を行った。最後に、封止後
の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0174】[実施例1]表示パネル内に配置されたス
ペーサ1020を以下のようにして作製した。ソーダラ
イムガラスからなる絶縁性部材1020aの表面のう
ち、気密容器内に露出する4面に、カーボンが分散した
層を有するCr−Al合金窒化膜の半導電膜1020b
を形成し、当接面に導電膜1020cを成膜してスペー
サ1020とした。Cr−Al合金窒化膜は、Crおよ
びAlのターゲットを高周波電源で同時スパッタするこ
とにより形成した。スパッタガスはAr:N2 が7:3
の混合ガスで全圧力は4×10-3Torrである。C
r,Alターゲットに加える高周波電力をそれぞれ13
W、500Wに調整し、所望の比抵抗を持つ合金窒化膜
を作製した。Cr濃度が1〜3atom%の範囲で、比
抵抗5×104 〜 3×105 Ωcmの膜が得られる。
膜厚が180nmで表面抵抗Rs=3×109 ΩのCr
−Al合金窒化膜を形成した後、炭素のターゲットに替
え、スパッタガスをAr:H2 =7:3として同様に高
周波電源でスパッタして厚さ2nmの島状のカーボンを
形成した。Ar+H2 の全圧力は4×10-3Torrと
した。この後、再びターゲットをCrとAlに替えてA
r:N2 が7:3の混合ガスで、全圧力は4×10-3
orrとして高周波電源で同時にスパッタすることによ
り、厚さが2nmの島状のCr−Al合金窒化物を形成
した。炭素をターゲットとしたスパッタとCr,Alを
ターゲットとした高周波電源でのスパッタを交互に行う
ことによりカーボンが分散したCr−Al合金窒化膜を
20nm形成した。
【0175】本試料をそれぞれ、425℃熱処理、真空
中200℃熱処理後の抵抗値を測定したが、抵抗値は安
定であった。すなわち本発明帯電防止膜は熱処理後も抵
抗変化が小さいので、電子線ディスプレイのように使用
環境が真空であったり、作製工程に高温熱処理、真空熱
処理を含む用途に対して特に有効なものである。
【0176】次に低抵抗膜1020cとしてフェースプ
レート、リアプレートとの接続部に接続部と平行に30
μmの帯状に0.1μm厚みのPt膜を形成した。
【0177】以上のように作製したスペーサを、図4お
よび図6、図7に示されるような表示パネル内に組み込
んだ画像表示装置において、各冷陰極素子(表面伝導型
放出素子)1012には、容器外端子Dx1〜Dxm,
Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示
の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより電子を
放出させ、メタルバック1019には、高圧端子Hvを
通じて高電圧Vaを印加することにより放出電子ビーム
を加速し、蛍光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光
体21a(図19のR,G,B)を励起・発光させるこ
とで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧
Vaは3[kV]ないし10[kV]、各配線101
3,1014間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0178】このとき、スペーサ1020に近い位置に
ある冷陰極素子1012からの放出電子による発光スポ
ットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成
され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。
このことは、スペーサ1020を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示した。
【0179】[実施例2]本実施例においては、表示パ
ネル内に配置されたスペーサ1020帯電防止膜をCr
−Al合金窒化膜の半導電膜上にカーボンを島状に堆積
した構成とする以外は、実施例1と同じである。本実施
例においては実施例1と同じ条件で膜厚190nmのC
r−Al合金窒化膜を作製した後、炭素のターゲットに
替え、スパッタガスをAr:H2 =7:3として同様に
高周波電源でスパッタして厚さ10nmの島状のカーボ
ンを形成した。Ar+H2 の全圧力は4×10-3Tor
rとした。本試料をそれぞれ、425℃熱処理、真空
中、真空中200℃熱処理後の抵抗値を測定したが、抵
抗値は安定であった。すなわち本発明による帯電防止膜
は、熱処理後も抵抗変化が小さいので、電子線ディスプ
レイのように使用環境が真空であったり、作製工程に高
温熱処理、真空熱処理を含む用途に対して特に有効なも
のである。実施例1と同様に画像を表示させたところ、
スペーサ1020に近い位置にある冷陰極素子1012
からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に
等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性の
よいカラー画像表示ができた。
【0180】[実施例3]本実施例においては、表示パ
ネル内に配置されたスペーサ1020の帯電防止膜をカ
ーボンを分散した層を有するCr−Al合金窒化膜の半
導電膜上に、カーボンを島状に堆積した以外は実施例1
と同じである。
【0181】本実施例においては、実施例1と同じ条件
で膜厚180nmのCr−Al合金窒化膜を作製した
後、炭素のターゲットに替え、スパッタガスをAr:H
2 =7:3として同様に高周波電源でスパッタして厚さ
2nmの島状のカーボンを形成した。Ar+H2 の全圧
力は4×10-3Torrとした。この後再びターゲット
をCrとAlに替えて、Ar:N2 が7:3の混合ガス
で全圧力は4×10-3Torrをスパッタガスとして高
周波電源で同時にスパッタすることにより、厚さが2n
mの島状のCr−Al合金窒化物を形成した。炭素をタ
ーゲットとしたスパッタと、Cr,Alをターゲットと
した高周波電源でのスパッタを交互に行うことにより、
カーボンが分散したCr−Al合金窒化膜を200nm
形成した。
【0182】さらに、当該半導電膜の表面に、炭素をタ
ーゲットに替え、スパッタガスをAr:H2 =7:3と
して同様に高周波電源でスパッタして厚さ10nmの島
状のカーボンを作成した。Ar+H2 の全圧力は4×1
-3Torrとした。本試料をそれぞれ、425℃熱処
理、真空中、真空中200℃熱処理後の抵抗値を測定し
たが、抵抗値は安定であった。すなわち本発明帯電防止
膜は熱処理後も抵抗変化が小さいので、電子線ディスプ
レイのように使用環境が真空であったり、作製工程に高
温熱処理、真空熱処理を含む用途に対して特に有効なも
のである。
【0183】実施例1と同様に、画像を表示させたとこ
ろスペーサ1020に近い位置にある冷陰極素子101
2からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状
に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性
のよいカラー画像表示ができた。
【0184】[実施例4]実施例2において示した島状
のカーボンの作成法において、スパッタ法に換えてプラ
ズマCVD法を用いた以外は実施例2と同じである。原
料としてはH2 で希釈したメタンガスを用いてプラズマ
CVD法によりCr−Al合金窒化膜上に非晶質カーボ
ン膜を2nm厚形成した。
【0185】本試料をそれぞれ、425℃熱処理、真空
中、真空中200℃熱処理後の抵抗値を測定したが、抵
抗値は安定であった。すなわち本発明帯電防止膜は熱処
理後も抵抗変化が小さいので、電子線ディスプレイのよ
うに使用環境が真空であったり、作製工程に高温熱処
理、真空熱処理を含む用途に対して特に有効なものであ
る。
【0186】実施例1と同様に、画像を表示させたとこ
ろスペーサ1020に近い位置にある冷陰極素子101
2からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状
に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性
のよいカラー画像表示ができた。
【0187】
【発明の効果】本発明によれば、電子線装置に用いるス
ペーサにカーボンを分散、堆積した帯電防止膜で覆って
いいるので、安定した高抵抗値が得られ、電子線の放射
による2次電子量の発生を防止できる。また、高抵抗膜
を島状に成膜したり、極めて薄い膜として成膜すること
で、高抵抗膜の面内で帯電が除去される程度のバラツキ
を抑えることができた。
【0188】また、本発明により、安定性の高いスペー
サ用帯電防止膜およびそれを用いた画像形成装置を提供
することで、画像の揺らぎ等の発生を防止し、品質の良
い画像を形成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の帯電防止膜の概略断面図で
ある。
【図2】本発明による表面に島状に堆積された粒子近傍
での電子ビームの入射角度を示す概略図である。
【図3】本発明による表面に島状に堆積された粒子近傍
での電子ビームの入射角度を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態である画像形成装置の、表示
パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図5】本発明による表示パネルのフェ−スプレ−トの
蛍光体配列を例示した平面図である。
【図6】本発明の実施形態である表示パネルのA−A’
断面図である。
【図7】本発明の実施形態の帯電防止膜の概略断面図で
ある。
【図8】本発明による実施形態で用いた平面型の表面伝
導型放出素子の平面図(a),断面図(b)である。
【図9】本発明による平面型の表面伝導型放出素子の製
造工程を示す断面図である。
【図10】本発明による通電フォ−ミング処理の際の印
加電圧波形である。
【図11】本発明による通電活性化処理の際の印加電圧
波形(a),放出電流Ieの変化(b)である。
【図12】本発明による実施形態で用いた垂直型の表面
伝導型放出素子の断面図である。
【図13】本発明による垂直型の表面伝導型放出素子の
製造工程を示す断面図である。
【図14】本発明による実施形態で用いた表面伝導型放
出素子の典型的な特性を示すグラフである。
【図15】本発明による実施形態で用いたマルチ電子ビ
−ム源の基板の平面図である。
【図16】本発明による実施形態で用いたマルチ電子ビ
−ム源の基板の一部断面図である。
【図17】本発明の実施形態である画像形成装置の駆動
回路の概略構成を示すブロック図である。
【図18】本発明による実施形態で用いることのできる
スペーサの形状を示す外観図である。
【図19】本発明による蛍光体の他の構成例を説明する
為の図である。
【図20】従来知られた表面伝導型放出素子の一例であ
る。
【図21】従来知られたFE型素子の一例である。
【図22】従来知られたMIM型素子の一例である。
【図23】画像形成装置の表示パネルの一部を切り欠い
て示した斜視図である。
【符号の説明】
1 スペーサ基体である絶縁性部材 2 帯電防止膜 3 堆積されたカーボン 4 分散されたカーボン 5 半導電膜 1011,3111 基板 1012,3112 冷陰極素子 1013,3113 行方向配線 1014,3114 列方向配線 1015,3115 リアプレート 1016,3116 側壁 1017,3117 フェースプレート 1018,3118 蛍光膜 1019,3119 メタルバック 1020,3120 スペーサ 1040 導電性接合材 1101 基板 1102,1103 素子電極 1104 導電性薄膜 1105 電子放出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 5/68 H01J 1/30 E (56)参考文献 特開 平8−180821(JP,A) 特開 平9−22649(JP,A) 特開 平4−132136(JP,A) 特開 平8−250032(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/87 H01J 31/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子を有する電子源と、前記電
    子源より放出された電子を制御する電極と、前記電子源
    より放出される電子が照射されるターゲットと、前記電
    子源と前記電極との間に配置されたスペーサを有する電
    子線装置において、 前記スペーサは、絶縁体部材に高抵抗膜を有し、且つ前
    記高抵抗膜にカーボンが分散している、及び/又は前記
    カーボンが島状に堆積していることを特徴とする電子線
    装置。
  2. 【請求項2】 前記スペーサは、絶縁性部材上の高抵抗
    膜中にカーボンが分散している層を有した構成であり、
    かつ、前記電子源および前記電極に対して電気的に接続
    されていることを特徴とする請求項1に記載の電子線装
    置。
  3. 【請求項3】 前記スペーサは、絶縁性部材上に高抵抗
    膜を有し、該高抵抗膜の表面に島状に形成されたカーボ
    ンを有した構成であり、前記電子源および前記電極に対
    して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1
    に記載の電子線装置。
  4. 【請求項4】 前記スペーサは、絶縁性部材上の高抵抗
    膜中にカーボンが分散している層を有しかつ、該高抵抗
    膜の表面に島状に形成されたカーボンを有した構成であ
    り、かつ、前記電子源および前記電極に対して電気的に
    接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子
    線装置。
  5. 【請求項5】 前記高抵抗膜は0.1から1×108Ω
    cmの比抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載の電子線装置。
  6. 【請求項6】 前記高抵抗膜の厚さが50〜500nm
    であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載の電子線装置。
  7. 【請求項7】 前記高抵抗膜中にカーボンが分散してい
    る層は、厚さが少なくとも10nmであることを特徴と
    する請求項1に記載の電子線装置。
  8. 【請求項8】 前記高抵抗膜に島状に堆積しているカー
    ボンは、その粒径が20nm以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の電子線装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の電子線装置における電
    子源において、電子放出素子を配列した素子列を少なく
    とも一列以上有し、該電子放出素子を駆動するための配
    線を有することを特徴とする電子源。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電子源において、前
    記配線がマトリックス配置されていることを特徴とする
    電子源。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の電子源において、前
    記配線が梯子状配置されていることを特徴とする電子
    源。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至11のいずれか1項に記
    載の電子源を用いた画像形成装置において、前記ターゲ
    ットは、少なくとも前記電子源からの電子線の照射によ
    り画像を形成する画像形成部材とから構成されたことを
    特徴とする画像形成装置。
JP8851797A 1997-04-07 1997-04-07 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置 Expired - Fee Related JP3230729B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8851797A JP3230729B2 (ja) 1997-04-07 1997-04-07 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8851797A JP3230729B2 (ja) 1997-04-07 1997-04-07 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10283955A JPH10283955A (ja) 1998-10-23
JP3230729B2 true JP3230729B2 (ja) 2001-11-19

Family

ID=13945031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8851797A Expired - Fee Related JP3230729B2 (ja) 1997-04-07 1997-04-07 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3230729B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1998355A3 (en) 2004-01-22 2009-02-25 Canon Kabushiki Kaisha Antistatic film, spacer using it and picture display unit

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10283955A (ja) 1998-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3234188B2 (ja) 画像形成装置とその製造方法
JP3305252B2 (ja) 画像形成装置
JP3187367B2 (ja) 電子装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3195290B2 (ja) 画像形成装置
JP2000311631A (ja) 電子線装置及びスペーサ
JPH1116521A (ja) 電子装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3703287B2 (ja) 画像形成装置
JP3466870B2 (ja) 画像形成装置の製造方法
JPH10326579A (ja) 画像形成装置とその製造方法
JP3302293B2 (ja) 画像形成装置
JP4095195B2 (ja) 電子線発生装置および画像形成装置
JP3581586B2 (ja) スペーサの製造方法及び電子線装置の製造方法
JP3230729B2 (ja) 電子線装置とその電子源及びそれを用いた画像形成装置
JP3624111B2 (ja) 画像形成装置
JP2000251796A (ja) 電子線装置、画像形成装置、および電子線装置の製造方法
JP3478706B2 (ja) 電子線装置および画像形成装置
JP2000113997A (ja) 帯電防止膜、部材、この部材を用いた電子線装置、画像形成装置
JP3619043B2 (ja) 画像形成装置
JP3466868B2 (ja) 電子線発生装置及び画像形成装置
JP2000251785A (ja) 電子線装置、および画像形成装置
JPH11339696A (ja) 画像形成装置
JP3466848B2 (ja) 画像表示装置
JP3728099B2 (ja) 帯電防止膜及び表示装置
JPH10284284A (ja) 帯電防止膜及び表示装置
JP2000243319A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070914

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees