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JP3242380B2 - 電波吸収壁の構造およびその構築方法 - Google Patents
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JP3242380B2 - 電波吸収壁の構造およびその構築方法 - Google Patents

電波吸収壁の構造およびその構築方法

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JP3242380B2
JP3242380B2 JP18147699A JP18147699A JP3242380B2 JP 3242380 B2 JP3242380 B2 JP 3242380B2 JP 18147699 A JP18147699 A JP 18147699A JP 18147699 A JP18147699 A JP 18147699A JP 3242380 B2 JP3242380 B2 JP 3242380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の壁面から
テレビやその他の電波が反射される電波反射障害を防止
するための電波吸収壁の構造およびその構築方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、抵抗膜を用いたテレビ電波吸収壁
としては、特願平9−355514号に本出願人によっ
て、抵抗膜の裏面にコンクリートからの水分の侵入を防
ぐための樹脂モルタル等の防水層を兼ねて損失が極めて
小さい誘電体層が設けられた電波吸収壁が提案されてい
る。
【0003】この抵抗膜型電波吸収(プレキャストコン
クリート)壁においては、図10および図11に示すよ
うに、抵抗膜21とコンクリート層11とは完全に防水
層22によって隔離されており、コンクリートの水分が
抵抗膜内または抵抗膜近傍に侵入することはない。そし
て、抵抗膜近傍は誘電率が極めて小さく、当初予定した
周波数付近で高い電波吸収性能が得られている。
【0004】しかし、樹脂モルタル等の防水層22を兼
ねた誘電体層の形成には手間がかかり、製造効率が悪い
上に材料自体が高価である。そして、表面仕上げ材10
が石または大型陶板の場合には製造工程が1〜2工程増
え、誘電体層の硬化に時間がかかって生産効率が低下す
る。また、表面仕上げ材10がタイルの場合には生産効
率が低下すると共に、タイル裏面に抵抗膜を直接敷設す
るとタイルの接着性が低下して剥離の原因となったり、
あるいはタイルと抵抗膜との隙間に水分が侵入して電波
吸収性能の低下の原因となる。あるいは、表面仕上げ材
10が塗装の場合には表面の塗装下地としてコンクリー
トあるいは繊維補強コンクリートを薄く打設し、硬化後
に抵抗膜21および誘電体層の敷設を行わなければなら
ず、生産効率が非常に低下する。
【0005】さらに、この場合の第1層のコンクリート
あるいは繊維補強コンクリート11は、電波吸収性能、
軽量性および経済性の面から30mm以下に薄くするの
が好ましく、コンクリートを用いる場合には、施工上難
しいといった問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、樹脂モルタル等の防水層を兼ねた誘電体層に代わ
り、抵抗膜へのコンクリートの水分の侵入を完全に防止
すると共に、あらゆる表面仕上げ材においても効率良
く、かつ精度良く抵抗膜を壁体内部に埋設することが可
能で、しかも表面仕上げ材の剥離等の恐れのないテレビ
電波吸収壁の構造およびその構築方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電波吸収壁の構
造によれば、誘電率が極めて小さいプラスチックまたは
繊維強化プラスチックの内部に帯状の抵抗膜を埋設また
は挿入した剛性が大きく防水性を有する抵抗棒を面抵抗
が10Ω〜550Ωになるように所定間隔で水平方向に
平行に多数本を並設した抵抗棒群と、反射筋および構造
筋とをスペーサーを介して配設し、コンクリートを打設
している。
【0008】また、本発明の電波吸収壁の構築方法によ
れば、帯状に加工した抵抗膜をさや状に形成したプラス
チックまたは繊維強化プラスチックに挿入するか、ある
いは帯状に加工した抵抗膜をプラスチックまたは繊維強
化プラスチックに埋設して棒状に成形する抵抗棒成形工
程と、抵抗棒を面抵抗が10Ω〜550Ωになるように
所定間隔で水平方向に平行に多数本を並べて治具に固定
する抵抗棒群作成工程と、表面仕上げ材または型枠定盤
上にスペーサーを介して抵抗棒群を設置しさらにその上
方にスペーサーを介して反射筋と構造筋とを設置してコ
ンクリートを打設するか、予め抵抗棒群と反射筋と構造
筋とをスペーサーまたは幅筋を介して一体化し、表面仕
上げ材または型枠定盤上にスペーサーを介して設置する
かまたは型枠上部から吊り下げるかしてコンクリートを
打設するかのいずれかであるコンクリート打設工程とを
有している。
【0009】なお、前記誘電率が極めて小さいプラスチ
ックとしては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビニル
エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の
熱可塑性樹脂を例示することができる。
【0010】また、繊維強化プラスチックとしては、繊
維にはガラス繊維、ポリビニールアルコール繊維(ビニ
ロン)、アラミド繊維等を、樹脂にはフェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ビニエステル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂等を例示することができる。
【0011】そして、抵抗膜は、短炭素繊維を抄紙して
得られる高周波における面抵抗が10Ω〜550Ωであ
る炭素繊維ペーパーを幅4mm〜20mmの帯状に切断
加工したものを用いるのが好ましい。
【0012】上記のように構成された電波吸収壁によれ
ば、抵抗膜はプラスチックまたは繊維強化プラスチック
によって完全に防水され、コンクリートの水分が抵抗膜
表面に侵入することはない。また、抵抗棒は剛性が大き
いため表面仕上げ材または型枠定盤から浮いた状態でコ
ンクリート打設が可能となり、したがって、抵抗棒が表
面仕上げ材とは直接接していないのでタイル等の剥離の
問題は生じない。そして、誘電体層の硬化に要する時間
やコンクリート2層打ち等の手間が省けるため製造効率
が非常に良くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1および図2には抵抗棒1Aおよ
び1B(以下符号1で総称する)が示されており、矩形
(図1参照)または楕円形(図2参照)断面の誘電率が
極めて小さいプラスチックまたは繊維強化プラスチック
製のロッド1aまたは1bの内部に、抵抗膜2が挿入ま
たは埋設されている。抵抗膜2には、短炭素繊維を抄紙
して得られる高周波における面抵抗が10Ω〜550Ω
である炭素繊維ペーパーを帯状に切断加工したものが用
いられている。
【0014】図3には、前記抵抗棒1をプレキャストコ
ンクリート壁の内部に埋設した状態が示されている。表
面仕上げ材10の裏面にコンクリート層11があり、そ
のコンクリート層11には、外壁表面に近い方から、面
抵抗が10Ω〜550Ωになるように抵抗棒1が所定間
隔で水平方向に平行に配設された抵抗棒群1G、その内
方に反射筋5、さらにその内方に構造用鉄筋6が配筋さ
れている。
【0015】図4にその詳細を示すように、抵抗棒1は
ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)メッシュ製の
固定治具9上に平行に並べられ、緊結し固定されてい
る。その上方には反射筋を兼ねた鉄筋5と構造用の鉄筋
6とが2層に組み立てられ、幅筋7を介して間隔が一定
に精度よく固定され、一体化されている。この一体化さ
れた抵抗棒群1G、反射筋5および鉄筋6は型枠定盤上
にスペーサー8を介して設置され、コンクリートが打設
されている。
【0016】また、図5に示す実施形態では、鋼製の固
定治具9Aに抵抗棒1が固定され、スペーサー8Aによ
って鉄筋5から吊り下げられ、コンクリートが打設され
ている。
【0017】そして、図6には、前記プレキャストコン
クリート壁の代わりにスチールフレーム方式の繊維補強
コンクリート壁を用いた実施形態が示されている。この
場合、前記図2における構造用鉄筋6はなく、代わりに
裏面にスチールフレーム12が取り付けられている。繊
維補強コンクリート部分11Aには、パネル破壊時の脱
落防止を兼ねて反射筋5があるのみである。
【0018】その詳細は図7に示すように、抵抗棒群1
Gと反射筋5との間隔を調整するのにスチールフレーム
15とコンクリートパネルとを接合するコネクターボル
ト16に反射筋5が吊り下げられており、さらに、図8
に示す実施形態では、抵抗棒1もスペイサー8Aを介し
て反射筋5から吊り下げられている。
【0019】この電波吸収壁の構築は、まず、抵抗棒1
の成形工程として、短炭素繊維を抄紙して得られる高周
波における面抵抗が10Ω〜550Ωである炭素繊維ペ
ーパーを幅4mm〜20mmの帯状に切断加工して抵抗
膜2を作成し、誘電率の極めて小さいプラスチックまた
は繊維強化プラスチック1aをさや状に形成してその抵
抗膜2を挿入するか、あるいは、プラスチックまたは繊
維強化プラスチック1aに抵抗膜2を埋設して棒状に成
形することで、防水性を有する剛性の大きい抵抗棒1を
成形する(抵抗棒成形工程)。
【0020】次に、その抵抗棒1を高周波における面抵
抗が10Ω〜550Ωになるように所定の一定間隔で水
平方向に平行に並べて繊維強化プラスチック(図4参
照)または鋼製(図5参照)の治具9または9Aに緊結
して固定する(抵抗棒群作成工程)。
【0021】そして、抵抗棒群1Gを表面仕上げ材10
または型枠定盤(図示なし)上にスペーサ8を介して設
置し、さらに、反射筋5および構造筋6を幅筋7を介し
て2層に組み立て、抵抗棒群1G上に幅筋7(図4参
照)またはスペーサー8A(図5参照)によって抵抗棒
1と反射筋5との間が一定になるように精度良く固定
し、コンクリートを打設する(コンクリート打設工
程)。
【0022】あるいは、予め抵抗棒群1Gと、反射筋5
および構造筋6とを幅筋7またはスペーサー8Aで一体
化してから、表面仕上げ材10または型枠定盤上にスペ
ーサー8を介して設置、または型枠上部から吊り下げて
コンクリートを打設する。
【0023】表面仕上げ材10は、従来のプレキャスト
コンクリートパネルと同様で、塗装仕上げの場合は、脱
型して所定の養生を行った後に塗装を施す。石、タイ
ル、大型陶板の場合は、型枠定盤に表面仕上げ材を予め
敷設し、抵抗棒1、反射筋5及び鉄筋6をその上に設置
してコンクリートを打設する。
【0024】図9には、前記図5に示した方法によって
製造した電波吸収壁の反射損失をタイムドメイン法測定
装置を用いて測定した結果が示されている。供試した試
験体は2000×2000×80mmのビニロン繊維補
強コンクリート製パネルで、抵抗棒の間隔はビニロン繊
維補強コンクリートの充填性を考慮して60mmに固定
し、抵抗棒・反射筋の間隔をd=15、20、30mm
と変化させた場合の反射損失(縦軸で示す)と周波数
(横軸で示す)との特性を表している。これからは、い
ずれも反射損失が15dB以上(電波のエネルギーの反
射率が3.16%以下)と高い電波吸収性能が示されて
いる。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成さ
れ、以下に示す効果を奏する。 (1) 抵抗膜はプラッスチックまたは繊維強化プラス
チックによって完全に防水され、コンクリートの水分が
抵抗膜表面に侵入することはないので高い電波吸収性能
を得ることができる。 (2) そして、抵抗棒は剛性が大きいために抵抗棒と
反射筋とを所定の間隔で精度良くコンクリートに埋設す
ることができ、高い電波吸収性能を得ることができる。 (3) また、抵抗棒は表面仕上げ材または型枠定盤か
ら浮いた状態でコンクリート打設が可能となり、タイル
等の表面仕上げ材の剥離等の問題は生じない。 (4) さらに、コンクリート1層で打設できるので製
造効率が非常に良く、コストが削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する抵抗棒の一実施形態を示す斜
視図。
【図2】抵抗棒の別の実施形態を示す斜視図。
【図3】本発明によるプレキャストコンクリートの電波
吸収壁の構造を示す斜視図。
【図4】図3の詳細断面図。
【図5】図5とは別の実施形態の詳細断面図。
【図6】本発明の別の実施形態(スチールフレームタイ
プ)の構造を示す斜視図。
【図7】図6の詳細断面図。
【図8】図7とは別の実施形態の詳細断面図。
【図9】本発明による電波吸収壁の電波吸収性能を示す
グラフ。
【図10】従来の抵抗膜型電波吸収プレキャストコンク
リート壁を示す斜視図。
【図11】図10の詳細を示す断面図。
【符号の説明】
1、1A、1B・・・抵抗棒 2・・・抵抗膜 5・・・反射筋 6・・・構造用鉄筋 7・・・幅筋 8、8A・・・スペーサー 9、9A・・・治具 10・・・表面仕上げ材 11、11A・・・コンクリート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 杉 隆 大 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 小 林 美亀雄 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 巴 史 郎 東京都杉並区梅里1丁目7番7号 株式 会社エフ・アール・シー内 (72)発明者 大 谷 陽 東京都中央区日本橋堀留町1−9−11 呉羽化学工業株式会社内 (72)発明者 永 井 愛 作 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工 業株式会社錦向上内 (72)発明者 椛 田 誠一郎 東京都中央区日本橋堀留町1−9−11 呉羽化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−210696(JP,A) 特開 平9−72020(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/92

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電率が極めて小さいプラスチックまた
    は繊維強化プラスチックの内部に帯状の抵抗膜を埋設ま
    たは挿入した剛性が大きく防水性を有する抵抗棒を面抵
    抗が10Ω〜550Ωになるように所定間隔で水平方向
    に平行に多数本を並設した抵抗棒群と、反射筋および構
    造筋とをスペーサーを介して配設し、コンクリートを打
    設したことを特徴とする電波吸収壁の構造。
  2. 【請求項2】 帯状に加工した抵抗膜をさや状に形成し
    たプラスチックまたは繊維強化プラスチックに挿入する
    か、あるいは帯状に加工した抵抗膜をプラスチックまた
    は繊維強化プラスチックに埋設して棒状に成形する抵抗
    棒成形工程と、抵抗棒を面抵抗が10Ω〜550Ωにな
    るように所定間隔で水平方向に平行に多数本を並べて治
    具に固定する抵抗棒群作成工程と、表面仕上げ材または
    型枠定盤上にスペーサーを介して抵抗棒群を設置しさら
    にその上方にスペーサーを介して反射筋と構造筋とを設
    置してコンクリートを打設するか、予め抵抗棒群と反射
    筋と構造筋とをスペーサーまたは幅筋を介して一体化
    し、表面仕上げ材または型枠定盤上にスペーサーを介し
    て設置するかまたは型枠上部から吊り下げるかしてコン
    クリートを打設するかのいずれかであるコンクリート打
    設工程とを有していることを特徴とする電波吸収壁の構
    築方法。
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