JP3244249B2 - センサー用電極 - Google Patents
センサー用電極Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い検出感度を有するセ
ンサー用電極に関する。
ンサー用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶液中の微量物質の検出などには
電気化学測定が多く用いられていた。一般には電極のサ
イズが大きいため、感度が低いという問題があった。こ
れを改善するため数μm〜10μm幅で数mmの長さの
金属を櫛形に配置した電極を用いて微量物質を検出しよ
うという試みもなされてきた[例えばO.Niwa, M.Morit
a, and H.Tabei, Electroanalysis, 3, 163(1991)]。
一方、このような方式により、電解液とこれに導入した
ガスとの反応で起こる電気分解を利用することで溶液中
の分析のみならず、大気中のガスを検出しようとする電
気化学式ガスセンサーも提案されていた。ガスセンサー
はこの方法以外に酸化物半導体、有機半導体、固体電解
質、多孔質セラミックスを使用するものなども多数提案
されていた[例えば新田正義、武田義章、原留美吉著ガ
スセンサとその応用(パワー社)]。半導体の性質を持
つセラミックスを用いたガスセンサーはセラミックス表
面で起こる各種ガスの吸着および脱離によるセラミック
スの電気伝導度の変化を利用する。電解質セラミックス
を用いたガスセンサーでは相対する2つの面でガスの濃
度に差があるとき、セラミックス内をイオンが移動し、
このため起電力が生じる。セラミックスの一方の面でガ
ス濃度が明らかになっていればこの起電力を利用して他
方の面でのガス濃度が検出可能となる。多孔質セラミッ
クスを用いたガスセンサーでは表面に触媒を分散させた
セラミックス担体が高温状態で可燃性ガスに触れるとガ
スが燃焼し、セラミックスの温度が上昇する。セラミッ
クスの内部に金属線を埋め込んでおくと、金属線の抵抗
値が変化するので、これを利用することでガス濃度が明
らかになるなど多くの方法が用いられている。これら以
外にガス吸着により生じる重量変化を利用したセンサー
などもある。いずれにしても問題は感度が十分でなく、
ppmオーダー以下のガス濃度の分析が極めて困難なこ
とであった。
電気化学測定が多く用いられていた。一般には電極のサ
イズが大きいため、感度が低いという問題があった。こ
れを改善するため数μm〜10μm幅で数mmの長さの
金属を櫛形に配置した電極を用いて微量物質を検出しよ
うという試みもなされてきた[例えばO.Niwa, M.Morit
a, and H.Tabei, Electroanalysis, 3, 163(1991)]。
一方、このような方式により、電解液とこれに導入した
ガスとの反応で起こる電気分解を利用することで溶液中
の分析のみならず、大気中のガスを検出しようとする電
気化学式ガスセンサーも提案されていた。ガスセンサー
はこの方法以外に酸化物半導体、有機半導体、固体電解
質、多孔質セラミックスを使用するものなども多数提案
されていた[例えば新田正義、武田義章、原留美吉著ガ
スセンサとその応用(パワー社)]。半導体の性質を持
つセラミックスを用いたガスセンサーはセラミックス表
面で起こる各種ガスの吸着および脱離によるセラミック
スの電気伝導度の変化を利用する。電解質セラミックス
を用いたガスセンサーでは相対する2つの面でガスの濃
度に差があるとき、セラミックス内をイオンが移動し、
このため起電力が生じる。セラミックスの一方の面でガ
ス濃度が明らかになっていればこの起電力を利用して他
方の面でのガス濃度が検出可能となる。多孔質セラミッ
クスを用いたガスセンサーでは表面に触媒を分散させた
セラミックス担体が高温状態で可燃性ガスに触れるとガ
スが燃焼し、セラミックスの温度が上昇する。セラミッ
クスの内部に金属線を埋め込んでおくと、金属線の抵抗
値が変化するので、これを利用することでガス濃度が明
らかになるなど多くの方法が用いられている。これら以
外にガス吸着により生じる重量変化を利用したセンサー
などもある。いずれにしても問題は感度が十分でなく、
ppmオーダー以下のガス濃度の分析が極めて困難なこ
とであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶液中の微量物質を検
出する電気化学測定においては電極サイズが大きいた
め、感度に限界がある。現在、最も高感度の電極とされ
る櫛形電極においてさえ、最も微小なサイズが数μmで
あるため、溶液中においても10nmol/dm3を切
る濃度を検出する感度がやっとであった。また、これを
ガスセンサーとして使用する場合においても、ガス成分
が溶液にとけ込む量が極めて少ないため、感度は桁違い
に悪くなるという欠点があった。本発明によるガスセン
サーとして関連するのは、上記の電気分解反応を利用し
た電気化学式ガスセンサー以外に多孔質セラミックスセ
ンサーが存在する。この多孔質セラミックスセンサーも
感度が高くないという問題を持つ。しかも多孔質セラミ
ックスセンサーはこれに加え、ガス吸着用の細孔のサイ
ズを最適化すること、また、その分布を最適に制御する
ことが困難であるという問題があった。また、溶液を用
いる電気化学式ガスセンサーは電極面で起こる電極反応
による電流を検知するのに、電解液を用いる必要がある
ので電解液の水分の蒸発・吸収などが生じるため制御が
困難という問題もあった。本発明は従来の問題点を解決
し、感度が高く、作製制御性に優れたガスセンサーを提
供することを目的としている。
出する電気化学測定においては電極サイズが大きいた
め、感度に限界がある。現在、最も高感度の電極とされ
る櫛形電極においてさえ、最も微小なサイズが数μmで
あるため、溶液中においても10nmol/dm3を切
る濃度を検出する感度がやっとであった。また、これを
ガスセンサーとして使用する場合においても、ガス成分
が溶液にとけ込む量が極めて少ないため、感度は桁違い
に悪くなるという欠点があった。本発明によるガスセン
サーとして関連するのは、上記の電気分解反応を利用し
た電気化学式ガスセンサー以外に多孔質セラミックスセ
ンサーが存在する。この多孔質セラミックスセンサーも
感度が高くないという問題を持つ。しかも多孔質セラミ
ックスセンサーはこれに加え、ガス吸着用の細孔のサイ
ズを最適化すること、また、その分布を最適に制御する
ことが困難であるという問題があった。また、溶液を用
いる電気化学式ガスセンサーは電極面で起こる電極反応
による電流を検知するのに、電解液を用いる必要がある
ので電解液の水分の蒸発・吸収などが生じるため制御が
困難という問題もあった。本発明は従来の問題点を解決
し、感度が高く、作製制御性に優れたガスセンサーを提
供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は溶液またはガスを検知するセンサーにおい
て、基板上に絶縁体薄膜と金属薄膜とが積み重なった構
造の多層膜からなり、前記多層膜を基板に対して様々な
傾きをもった角度で切断することにより、積層膜の断面
を露出させた該金属薄膜を電極として使用することを発
明の特徴とするものである。さらに本発明は前記絶縁体
薄膜と前記金属薄膜とが交互に2層以上積層されている
ことを発明の特徴とするものである。
め本発明は溶液またはガスを検知するセンサーにおい
て、基板上に絶縁体薄膜と金属薄膜とが積み重なった構
造の多層膜からなり、前記多層膜を基板に対して様々な
傾きをもった角度で切断することにより、積層膜の断面
を露出させた該金属薄膜を電極として使用することを発
明の特徴とするものである。さらに本発明は前記絶縁体
薄膜と前記金属薄膜とが交互に2層以上積層されている
ことを発明の特徴とするものである。
【0005】
【作用】電気化学判定において電極面積を小さくする
と、電極形状にもよるが、電極への物質の拡散状態が一
次元から2次元、3次元拡散が支配的となる、即ち、斜
め方向の拡散によっても物質が電極に供給されるため、
単位時間、単位体積あたりに到達する物質量が電極の微
細化にともない急激に増加する。その結果、観測される
電流密度が大幅に増大する。このような電極面積の小さ
な電極を電気化学判定に適用すると 電極が小さいた
め電流値が小さくなりiRドロップが小さくなる。この
ため電気抵抗の高い試料の測定が可能になる。 電気
2重層の充電電流が小さくなるため高速でS/N比の高
い測定が可能になる。 拡散が等方的になるため電流
密度が高く、定常状態になる時間が早い。などの特徴が
現れるようになる。
と、電極形状にもよるが、電極への物質の拡散状態が一
次元から2次元、3次元拡散が支配的となる、即ち、斜
め方向の拡散によっても物質が電極に供給されるため、
単位時間、単位体積あたりに到達する物質量が電極の微
細化にともない急激に増加する。その結果、観測される
電流密度が大幅に増大する。このような電極面積の小さ
な電極を電気化学判定に適用すると 電極が小さいた
め電流値が小さくなりiRドロップが小さくなる。この
ため電気抵抗の高い試料の測定が可能になる。 電気
2重層の充電電流が小さくなるため高速でS/N比の高
い測定が可能になる。 拡散が等方的になるため電流
密度が高く、定常状態になる時間が早い。などの特徴が
現れるようになる。
【0006】薄膜を積み重ねた多層膜は1nm程度から
数μmの微細な積層構造をとることができる。このた
め、複数の金属層を絶縁体層を挟んで1nm程度から数
μmの微細な間隔で並べたのち、薄膜面に垂直あるいは
様々な傾きをもった角度で切断することにより積層膜の
断面を露出させ金属層を電極とし、これら電極間に電圧
源と接続する配線を形成すると1nm程度から数100
0nmサイズという微小な電極が容易に形成可能とな
る。これを電極として用いると極めて高い抵抗溶液中に
おいても溶液内の電位降下が小さくなりより正確に電極
電位を測定できることになる。また、電流密度が大きく
なるので、低濃度溶液中の物質の検出や濃度の検出が可
能となる。また、このような電極サイズでは水蒸気、エ
チルアルコール、アンモニアガスその他の可燃性ガスな
どが電極を覆った場合においても、電極間隔が極めて小
さいので、電極表面に吸着したガス分子を抵抗変化等に
より電気的に検出することが可能となる。この電流を読
みとることでガスの検知が可能となる。上記の微細電極
であるため感度が高いという特徴[青木幸一:電気化学
56,1391A(1988)]のみならず、通常の電
気化学式センサーにくらべ電解液が不要となるため取り
扱いも簡単になるという効果が生じる。以下にその実施
例を示す。本発明の電極としては導電性が高ければ良い
ため、Al,Cu,Au,Pt等の金属が好適に使用で
きる。電極間の間をあけるスペーサー層としては酸化物
などの絶縁体であればよいのでSiO2等の酸化物、S
i3N4等の窒化物が好適に使用できる。
数μmの微細な積層構造をとることができる。このた
め、複数の金属層を絶縁体層を挟んで1nm程度から数
μmの微細な間隔で並べたのち、薄膜面に垂直あるいは
様々な傾きをもった角度で切断することにより積層膜の
断面を露出させ金属層を電極とし、これら電極間に電圧
源と接続する配線を形成すると1nm程度から数100
0nmサイズという微小な電極が容易に形成可能とな
る。これを電極として用いると極めて高い抵抗溶液中に
おいても溶液内の電位降下が小さくなりより正確に電極
電位を測定できることになる。また、電流密度が大きく
なるので、低濃度溶液中の物質の検出や濃度の検出が可
能となる。また、このような電極サイズでは水蒸気、エ
チルアルコール、アンモニアガスその他の可燃性ガスな
どが電極を覆った場合においても、電極間隔が極めて小
さいので、電極表面に吸着したガス分子を抵抗変化等に
より電気的に検出することが可能となる。この電流を読
みとることでガスの検知が可能となる。上記の微細電極
であるため感度が高いという特徴[青木幸一:電気化学
56,1391A(1988)]のみならず、通常の電
気化学式センサーにくらべ電解液が不要となるため取り
扱いも簡単になるという効果が生じる。以下にその実施
例を示す。本発明の電極としては導電性が高ければ良い
ため、Al,Cu,Au,Pt等の金属が好適に使用で
きる。電極間の間をあけるスペーサー層としては酸化物
などの絶縁体であればよいのでSiO2等の酸化物、S
i3N4等の窒化物が好適に使用できる。
【0007】
【実施例】次に本発明を実施例について説明する。なお
実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しな
い範囲で、種々の変更あるいは改良を行いうることは云
うまでもない。 (実施例1) 基板1としてSiを使用し、これを真空チャンバーの下
部に2つのスパッタ蒸着源(ターゲットと呼ぶ)をもち
基板をターゲットに対向させてチャンバーの上部にとり
つけることができ、かつ、基板ホルダーが公転してター
ゲット上を回転することが可能な回転式対向型スパッタ
装置にセットする。蒸着源にAuとSiO2を使用し、
真空チャンバー内を10−8Torr台まで排気後Ar
ガスを5×10−3torr導入し、Auターゲットは
200Wの、SiO2は300Wのパワーでrf放電を
行う。このあとSi基板を基板ホルダーごと回転させ
て、Si基板をAuターゲット上とSiO2ターゲット
上を交互に通過させる。この場合、基板ホルダーは一定
速度で回転していることでスパッタ法ではスパッタ粒子
の堆積速度がほとんど一定であることから、基板上に形
成される薄膜の厚みは6インチ(15.24cm)径の
面積内で平均値が0.1nm以内のずれまでで制御する
ことができた。この手法を用いて10nmのAu電極層
と100nmのSiO2絶縁層が50対形成した。この
多層膜を薄膜平面に垂直方向にスクライバーで所要のサ
イズにカット後、カット面をバフ研磨で研磨後、この多
層膜中の電極層を利用した電極形成を、フォトリソグラ
フィと反応性イオンエッチングによって行った。
実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しな
い範囲で、種々の変更あるいは改良を行いうることは云
うまでもない。 (実施例1) 基板1としてSiを使用し、これを真空チャンバーの下
部に2つのスパッタ蒸着源(ターゲットと呼ぶ)をもち
基板をターゲットに対向させてチャンバーの上部にとり
つけることができ、かつ、基板ホルダーが公転してター
ゲット上を回転することが可能な回転式対向型スパッタ
装置にセットする。蒸着源にAuとSiO2を使用し、
真空チャンバー内を10−8Torr台まで排気後Ar
ガスを5×10−3torr導入し、Auターゲットは
200Wの、SiO2は300Wのパワーでrf放電を
行う。このあとSi基板を基板ホルダーごと回転させ
て、Si基板をAuターゲット上とSiO2ターゲット
上を交互に通過させる。この場合、基板ホルダーは一定
速度で回転していることでスパッタ法ではスパッタ粒子
の堆積速度がほとんど一定であることから、基板上に形
成される薄膜の厚みは6インチ(15.24cm)径の
面積内で平均値が0.1nm以内のずれまでで制御する
ことができた。この手法を用いて10nmのAu電極層
と100nmのSiO2絶縁層が50対形成した。この
多層膜を薄膜平面に垂直方向にスクライバーで所要のサ
イズにカット後、カット面をバフ研磨で研磨後、この多
層膜中の電極層を利用した電極形成を、フォトリソグラ
フィと反応性イオンエッチングによって行った。
【0008】図1は形成した多層膜の断面構造の模式図
を示す。図において1は基板、2は金属層、3は絶縁層
を示す。図2には、電極配線接続を行うため、金属層の
露出面積を広げるため行った斜めイオンエッチング後の
多層膜の断面構造を示す。図において、1は基板、2は
金属層、3は絶縁層を示す。本発明ではエッチング不要
部分はレジストコートしておきエッチング終了後、レジ
ストは除去する方法を用いた。基板上の電極およびリー
ド線用配線部作製後、配線部分をSiO2薄膜でコート
した。
を示す。図において1は基板、2は金属層、3は絶縁層
を示す。図2には、電極配線接続を行うため、金属層の
露出面積を広げるため行った斜めイオンエッチング後の
多層膜の断面構造を示す。図において、1は基板、2は
金属層、3は絶縁層を示す。本発明ではエッチング不要
部分はレジストコートしておきエッチング終了後、レジ
ストは除去する方法を用いた。基板上の電極およびリー
ド線用配線部作製後、配線部分をSiO2薄膜でコート
した。
【0009】図3は多層膜の一部を斜めエッチングし、
金属層2、絶縁層3の露出部分を大きくして、リード配
線4との接続を容易にした状態での多層膜中の金属層と
リード配線との接続状態を模式的に示したものである。
図において1は基板、2は金属層、3は絶縁層、4はリ
ード線、5はコンタクト部、6はリード線、7は電気掃
引用電圧発生部、8は配線部分絶縁用絶縁膜を示す。図
4は図3の鳥瞰図を示す。この多層膜電極を1nmol
/dm3のドーパミン溶液の中にいれ測定したところ、
図5に示すようなボルタノグラムが得られ、このような
低濃度物質の検出ができることが確認された。また、こ
の濃度のドーパミンが6倍量アスコルビン酸と共存する
場合においてもドーパミンは検出できた。
金属層2、絶縁層3の露出部分を大きくして、リード配
線4との接続を容易にした状態での多層膜中の金属層と
リード配線との接続状態を模式的に示したものである。
図において1は基板、2は金属層、3は絶縁層、4はリ
ード線、5はコンタクト部、6はリード線、7は電気掃
引用電圧発生部、8は配線部分絶縁用絶縁膜を示す。図
4は図3の鳥瞰図を示す。この多層膜電極を1nmol
/dm3のドーパミン溶液の中にいれ測定したところ、
図5に示すようなボルタノグラムが得られ、このような
低濃度物質の検出ができることが確認された。また、こ
の濃度のドーパミンが6倍量アスコルビン酸と共存する
場合においてもドーパミンは検出できた。
【0010】(実施例2) 実施例1と同様基板1としてSiを使用し、これを真空
チャンバーの下部に2つのスパッタ蒸着源(ターゲット
と呼ぶ)をもち基板をターゲットに対向させてチャンバ
ーの上部にとりつけることができ、かつ、基板ホルダー
が公転してターゲット上を回転することが可能な回転式
対向型スパッタ装置にセットする。蒸着源にPtとSi
O2を使用した。実施例1と同様にして、10nmのP
t電極層と100nmのSiO2絶縁層が50対からな
るセンサ用電極を形成した。この多層膜電極を用いて実
施例1と同様の溶液中てドーパミン検出を行ったところ
0.5nmol/dm3のドーパミン溶液においても検
出が可能となった。また、1nmol/dm3の濃度の
ドーパミンが10倍量アスコルビン酸と共存する場合に
おいてもドーパミンは検出できた。
チャンバーの下部に2つのスパッタ蒸着源(ターゲット
と呼ぶ)をもち基板をターゲットに対向させてチャンバ
ーの上部にとりつけることができ、かつ、基板ホルダー
が公転してターゲット上を回転することが可能な回転式
対向型スパッタ装置にセットする。蒸着源にPtとSi
O2を使用した。実施例1と同様にして、10nmのP
t電極層と100nmのSiO2絶縁層が50対からな
るセンサ用電極を形成した。この多層膜電極を用いて実
施例1と同様の溶液中てドーパミン検出を行ったところ
0.5nmol/dm3のドーパミン溶液においても検
出が可能となった。また、1nmol/dm3の濃度の
ドーパミンが10倍量アスコルビン酸と共存する場合に
おいてもドーパミンは検出できた。
【0011】(実施例3) 実施例1と同様にしてSiO2基板上に10nmのPt
電極層と12nmのSiO2絶縁層が10対からなるセ
ンサ用電極を形成した。この多層膜電極を用いて実施例
1と同様の溶液中でドーパミン検出を行ったところ0.
2nmol/dm3のドーパミン溶液においても検出が
可能となった。また、1nmol/dm3の濃度のドー
パミンが15倍量アスコルビン酸と共存する場合におい
てもドーパミンは検出できた。
電極層と12nmのSiO2絶縁層が10対からなるセ
ンサ用電極を形成した。この多層膜電極を用いて実施例
1と同様の溶液中でドーパミン検出を行ったところ0.
2nmol/dm3のドーパミン溶液においても検出が
可能となった。また、1nmol/dm3の濃度のドー
パミンが15倍量アスコルビン酸と共存する場合におい
てもドーパミンは検出できた。
【0012】(実施例4) 実施例1と同様にしてSiO2基板上に10nmのPt
電極層と9nmのSiO2絶縁層が3対からなるセンサ
用電極を形成した。この多層膜電極を用いて実施例1と
同様の溶液中でドーパミン検出を行ったところ0.1n
mol/dm3 のドーパミン溶液においても検出が可
能となった。また、1nmol/dm3の濃度のドーパ
ミンが30倍量アスコルビン酸と共存する場合において
もドーパミンは検出できた。
電極層と9nmのSiO2絶縁層が3対からなるセンサ
用電極を形成した。この多層膜電極を用いて実施例1と
同様の溶液中でドーパミン検出を行ったところ0.1n
mol/dm3 のドーパミン溶液においても検出が可
能となった。また、1nmol/dm3の濃度のドーパ
ミンが30倍量アスコルビン酸と共存する場合において
もドーパミンは検出できた。
【0013】(実施例5) 実施例1と同様にして5nmのPt電極層と20nmの
SiO2絶縁層が100対からなるセンサ用電極を形成
し多層膜電極を1気圧の大気中、40%の水蒸気雰囲気
中にいれ、電極間に2ボルトの電圧をかけたところ、約
10nAの電流値が得られた。水蒸気の分圧を増加させ
ていくと電流値も増加していくことも確認され、本発明
の多層膜型電極構造は湿度検出センサーとして機能する
ことが確認された。
SiO2絶縁層が100対からなるセンサ用電極を形成
し多層膜電極を1気圧の大気中、40%の水蒸気雰囲気
中にいれ、電極間に2ボルトの電圧をかけたところ、約
10nAの電流値が得られた。水蒸気の分圧を増加させ
ていくと電流値も増加していくことも確認され、本発明
の多層膜型電極構造は湿度検出センサーとして機能する
ことが確認された。
【0014】(実施例6) 作製した5nmのPt電極層と20nmのSiO2絶縁
層が100対からなるセンサ用電極を種々のSO2濃度
条件下に放置した場合の導電率変化を観測することによ
り、SO2センサーとしての特性を評価した。なお、作
製した薄膜の導電率は非常に小さかったため、実際には
印加電圧を変化させて、電流量が10−10〜10−N
Aの範囲になるように調整し、吸脱着による電流変化
を微小電流計を用いて測定した。SO2濃度は、乾燥窒
素とSO2の流量を変化させることにより制御した。S
O2の濃度が100ppbの場合にも十分な感度を有し
ていた。なお、電極材料をAgやAuに変更して同様の
実験を行った場合にも、本実施例と同様の結果が得られ
た。
層が100対からなるセンサ用電極を種々のSO2濃度
条件下に放置した場合の導電率変化を観測することによ
り、SO2センサーとしての特性を評価した。なお、作
製した薄膜の導電率は非常に小さかったため、実際には
印加電圧を変化させて、電流量が10−10〜10−N
Aの範囲になるように調整し、吸脱着による電流変化
を微小電流計を用いて測定した。SO2濃度は、乾燥窒
素とSO2の流量を変化させることにより制御した。S
O2の濃度が100ppbの場合にも十分な感度を有し
ていた。なお、電極材料をAgやAuに変更して同様の
実験を行った場合にも、本実施例と同様の結果が得られ
た。
【0015】(実施例7) 実施例5と同様にして作製した5nmのPt電極層と2
0nmのSiO2絶縁層が100対からなるセンサ用電
極を種々のSO2濃度条件下に放置した場合の導電率変
化を観測することにより、NO2センサーとしての特性
を評価した。NO2濃度は、乾燥窒素とNO2の流量を
変化させることにより制御した。NO2の濃度が600
ppbの場合にも十分な感度を有していた。なお、電極
材料をCuやNiに変更して同様の実験を行った場合に
も、本実施例と同様の結果が得られた。
0nmのSiO2絶縁層が100対からなるセンサ用電
極を種々のSO2濃度条件下に放置した場合の導電率変
化を観測することにより、NO2センサーとしての特性
を評価した。NO2濃度は、乾燥窒素とNO2の流量を
変化させることにより制御した。NO2の濃度が600
ppbの場合にも十分な感度を有していた。なお、電極
材料をCuやNiに変更して同様の実験を行った場合に
も、本実施例と同様の結果が得られた。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、溶液またはガスを検知
するセンサーにおいて、基板上に絶縁体薄膜と金属薄膜
とが積み重なった構造の多層膜からなり、前記多層膜を
基板に対して様々な傾きをもった角度で切断することに
より、積層膜の断面を露出させた該金属薄膜を電極とし
て使用することにより、電極間距離を極めて小さくする
ことができる上、電極面積を極めて小さくできるので、
従来の電気化学センサーと異なり高感度の溶液センサー
となる。特に電極間距離が10nmをきると極めて高感
度になる。また、電極間距離が極めて小さいため電極に
吸着したガス成分を抵抗変化等で検出することができる
ので溶液がなくともガスを検出することができる。この
ため溶液のいらない取り扱いの簡単なガスセンサーとな
るという効果を有するものである。本発明によれば、電
極が小さいため電流値が小さく、IRドロップ(電圧降
下)が小さくなるため、電気抵抗の高い試料の測定が可
能になる。電極表面に形成される電気2重層の充電電流
が小さくなるため、S/N比が高くかつ高速に応答す
る。電極に到達する検知対象物質の流入が等方的になる
ために、電流密度が高く、定常状態に安定化するまでの
時間が短い。 さらに、本発明によれば、多層膜を基板に
対して斜めに切断して露出させた電極には、斜め方向か
らの拡散(3次元拡散)により到達する検知対象物質の
数が多くなり、効率よく対象物質を検出できる。多層膜
を基板に対して斜めに切断して金属を露出させて電極を
作製するため、切断する角度により電極面積を調整する
ことが可能である。これにより、多層膜作製後に所望の
電極幅のセンサー用電極を得ることができる。多層膜の
作製には多大な工程と時間とを必要とするため、いった
ん多層膜を作製しておけば、その後の斜めの切断工程で
いかようにも所望の最適な電極幅を有する多層電極構造
を得ることができる。
するセンサーにおいて、基板上に絶縁体薄膜と金属薄膜
とが積み重なった構造の多層膜からなり、前記多層膜を
基板に対して様々な傾きをもった角度で切断することに
より、積層膜の断面を露出させた該金属薄膜を電極とし
て使用することにより、電極間距離を極めて小さくする
ことができる上、電極面積を極めて小さくできるので、
従来の電気化学センサーと異なり高感度の溶液センサー
となる。特に電極間距離が10nmをきると極めて高感
度になる。また、電極間距離が極めて小さいため電極に
吸着したガス成分を抵抗変化等で検出することができる
ので溶液がなくともガスを検出することができる。この
ため溶液のいらない取り扱いの簡単なガスセンサーとな
るという効果を有するものである。本発明によれば、電
極が小さいため電流値が小さく、IRドロップ(電圧降
下)が小さくなるため、電気抵抗の高い試料の測定が可
能になる。電極表面に形成される電気2重層の充電電流
が小さくなるため、S/N比が高くかつ高速に応答す
る。電極に到達する検知対象物質の流入が等方的になる
ために、電流密度が高く、定常状態に安定化するまでの
時間が短い。 さらに、本発明によれば、多層膜を基板に
対して斜めに切断して露出させた電極には、斜め方向か
らの拡散(3次元拡散)により到達する検知対象物質の
数が多くなり、効率よく対象物質を検出できる。多層膜
を基板に対して斜めに切断して金属を露出させて電極を
作製するため、切断する角度により電極面積を調整する
ことが可能である。これにより、多層膜作製後に所望の
電極幅のセンサー用電極を得ることができる。多層膜の
作製には多大な工程と時間とを必要とするため、いった
ん多層膜を作製しておけば、その後の斜めの切断工程で
いかようにも所望の最適な電極幅を有する多層電極構造
を得ることができる。
【図1】本発明による多層膜電極構造の断面図を示す。
【図2】電極配線接続用に金属層の露出面積を広げるた
め行った斜めイオンエッチング後の多層膜の断面構造図
を示す。
め行った斜めイオンエッチング後の多層膜の断面構造図
を示す。
【図3】金属層とリード電圧発生部との接続状態を模式
的に示したものである。
的に示したものである。
【図4】図3の鳥瞰図を示す。(但し、図を単純化する
ため金属層及び配線部の数を減少させて描いた)
ため金属層及び配線部の数を減少させて描いた)
【図5】測定結果を示す。
1 基板 2 金属層 3 絶縁層 4 リード配線 5 コンタクト部 6 リード線 7 電気掃引用電圧発生部 8 配線部分絶縁用絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 重邦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−2007(JP,A) 特開 平2−19757(JP,A) 特開 平2−140655(JP,A) 特開 平1−223339(JP,A) 実開 平4−130064(JP,U) 特表 平3−505785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/30 G01N 27/12 G01N 27/28 331 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 溶液またはガスを検知するセンサーにお
いて、基板上に絶縁体薄膜と金属薄膜とが積み重なった
構造の多層膜からなり、前記多層膜を基板に対して様々
な傾きをもった角度で切断することにより、積層膜の断
面を露出させた該金属薄膜を電極として使用することを
特徴とするセンサー用電極。 - 【請求項2】 前記絶縁体薄膜と前記金属薄膜とが交互
に2層以上積層されていることを特徴とする請求項1記
載のセンサー用電極。
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|---|---|---|---|
| JP08870995A JP3244249B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | センサー用電極 |
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Family Applications (1)
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| JP08870995A Expired - Fee Related JP3244249B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | センサー用電極 |
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-
1995
- 1995-03-20 JP JP08870995A patent/JP3244249B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH08261979A (ja) | 1996-10-11 |
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