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JP3254566B2 - グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液の安定化方法 - Google Patents
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JP3254566B2 - グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液の安定化方法 - Google Patents

グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液の安定化方法

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JP3254566B2 JP28816092A JP28816092A JP3254566B2 JP 3254566 B2 JP3254566 B2 JP 3254566B2 JP 28816092 A JP28816092 A JP 28816092A JP 28816092 A JP28816092 A JP 28816092A JP 3254566 B2 JP3254566 B2 JP 3254566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリシジル第四級アンモ
ニウム塩水溶液の安定化方法に関するものである。グリ
シジル第四級アンモニウム塩はセルロース、澱粉、ポリ
アミンなどのカチオン化剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液
の製造法に関する公知技術は、以下の(1) 〜(4) に集約
されるが、このうち(3) 及び(4) が特に安定性の改良を
考慮した製造法に関するものである。
【0003】(1) エピハロヒドリンと第三級アミンと
を、エピハロヒドリンの過剰量又は非極性溶媒存在下で
反応させた後、得られたグリシジル第四級アンモニウム
塩を分離、乾燥し、粗結晶の形で得る製造方法〔J.Org.
Chem., Vol.35, No.6, 2059 (1970)〕。
【0004】(2) 上記(1) の方法で得られたグリシジル
第四級アンモニウム塩の粗結晶に、水を添加し、有機層
と水層とに分離し、水層を減圧トッピングして、グリシ
ジル第四級アンモニウム塩を水溶液の形で得る製造方法
(特開昭55-082973 号公報明細書)。
【0005】(3) グリシジル第四級アンモニウム塩水溶
液にハロゲン化水素酸又はグリシジル第四級アンモニウ
ム塩とハロゲン化水素酸との開還付加反応物を添加し、
グリシジル第四級アンモニウム水溶液の保存安定性を改
良する方法(特開昭59-253225号公報明細書)。
【0006】(4) 前記(1) の方法で、エピハロヒドリン
を過剰に用いる反応に際し、少量の1,3-ジハロヒドリン
を添加して反応を行い、得られたグリシジル第四級アン
モニウム塩を水溶液にしたときの保存安定性を改良する
方法(特公平4-53864 号公報明細書)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記(2) の方法で得ら
れるグリシジル第四級アンモニウム塩は、水溶液の形で
得られるので、その取扱いが容易であるが、グリシジル
第四級アンモニウム塩が水溶液中で加水分解し、経時的
にその純度が低下する。
【0008】上記(3) の安定化方法は、用いるハロゲン
化水素酸が強酸であるため、取扱いが困難である。ま
た、その添加はグリシジル第四級アンモニウム塩の精製
後の水溶液に添加されなければならない。
【0009】上記(4) の方法では、得られたグリシジル
第四級アンモニウム塩粗結晶中の未反応ジハロヒドリン
の除去が困難である。
【0010】本発明の目的は、グリシジル第四級アンモ
ニウム塩水溶液の保存安定性を向上させることにある。
グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液は塩基性水溶液
であり、それゆえグリシジル基が水による加水分解をう
け、経時的に純度が低下する。このため、副生物の生成
を伴わず、且つ簡単な操作で水溶液の塩基性を低下さ
せ、グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液の安定性を
向上させる方法を開発することが本発明の課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、グリシジル第
四級アンモニウム塩水溶液をハロヒドリンで処理するこ
とにより水溶液の塩基性を下げて、グリシジル第四級ア
ンモニウム塩水溶液の保存安定性を向上させるものであ
る。
【0012】すなわち、本発明は、グリシジル第四級ア
ンモニウム塩を含む水溶液にハロヒドリンを添加して処
理した後、脱気処理を行うことを特徴とするグリシジル
第四級アンモニウム塩水溶液の安定化方法である。
【0013】
【発明の具体的説明】本発明に使用されるグリシジル第
四級アンモニウム塩水溶液は、公知の方法によって得ら
れる未精製の粗液及び精製した後の製品など、グリシジ
ル第四級アンモニウム塩を含む全ての水溶液を対象とし
ている。すなわち、過剰のエピハロヒドリン存在下、も
しくは不活性溶媒存在下、第三級アミンとエピハロヒド
リンを含んだ反応せしめ、得られたスラリーに水を添加
し、水層に抽出分離したエピハロヒドリンを含んだ反応
粗液、この反応粗液をトッピングにより精製した水溶
液、反応後のスラリーを溶媒洗浄した後、水を添加した
水溶液、反応後のスラリーを溶媒洗浄した後、減圧乾燥
し、水を添加した水溶液、反応後のスラリーを減圧乾燥
した後、水を添加した水溶液等である。
【0014】グリシジル第四級アンモニウム塩は、エピ
ハロヒドリンと第三級アミンとの反応により得られる。
グリシジル第四級アンモニウム塩の原料となるエピハロ
ヒドリンは、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリ
ン、エピヨードヒドリン、エピフルオルヒドリンがある
が、価格、反応性、生成物の有用性等の点から、エピク
ロルヒドリンが好ましい。
【0015】グリシジル第四級アンモニウム塩の原料と
なる第三級アミンとしては、炭素数1〜20の鎖状及び分
岐状アルキル基、炭素数 3〜6 のシクロアルキル基を含
むものが挙げられ、また、ヘテロ環としては、 Nを介し
5〜6 員環であり、さらに O、 Sを含有してもよい。
【0016】具体的には、例えばトリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ- n-プロピルアミン、トリ- n-ブ
チルアミン、トリ- n-ヘキシルアミン、ジメチルエチル
アミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル- n-ブ
チルアミン、ジメチル- n-ドデシルアミン、ジメチル-
n-オクタデシルアミン、メチルエチル- n-プロピルアミ
ン、メチルエチル- n-ブチルアミン、N-メチルピペリジ
ン、N-エチルピペリジン、N-n-プロピルピペリジン、ピ
リジン、α- ピコリン、β- ピコリン、γ- ピコリン、
ジメチルペンジルアミン等が用いられる。
【0017】グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液に
添加されるハロヒドリンは、下式の様な構造式で表され
る。容易に分子内環化が起き、それによってハロゲン酸
を放出し、自身は低沸点の環化合物となる。
【0018】
【化1】 ここでX はCl、Br、I 又はF であり、R1、R2はそれぞれ
独立にH 又はアルキル基であり、且つR1、R2の単素数の
和が 4以下である。
【0019】このようなハロヒドリンとしては、例え
ば、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリ
ン、エチレンヨードヒドリン、エチレンフルオルヒドリ
ン、プロピレンクロルヒドリン、2-クロロシクロヘキサ
ノール、2-クロロ- 1-ブタノール、3-クロロ- 2-ブタノ
ール等が挙げられる。
【0020】ハロヒドリンの添加量は、グリシジル第四
級アンモニウム塩 1モルに対して、0.01〜0.1 モルであ
り、好ましくは0.03〜0.06モルであるが、添加量は水溶
液のpHに応じて必要量を適宜決定することができる。添
加の方法は任意で、ハロヒドリンをグリシジル第四級ア
ンモニウム塩水溶液に対して一括添加しても分割して添
加してもよい。
【0021】ハロヒドリンの添加後、この水溶液は 0〜
80℃、好ましくは30〜50℃の温度で、 1〜10時間、好ま
しくは 1〜5 時間熟成を行う。熟成時間が短すぎた場
合、ハロヒドリンの反応が不十分となり、長すぎる場合
には、目的物の加水分解が起き易くなる。熟成後の脱気
時に十分な熱が加わる場合にはこの熟成を省略すること
ができる。
【0022】熟成後の水溶液は、脱気処理により、ハロ
ヒドリンから転化した閉環物を除去する。脱気処理は、
常圧トッピング、減圧トッピングどちらでもよく、さら
にこれに窒素、空気、アルゴン等の不活性ガスによるバ
ブリングを併用することができる。
【0023】
【作用】グリシジル第四級アンモニウム塩水溶液には、
反応による副生成物としてグリシジル第四級アンモニウ
ムヒドロキシド(I)が含まれる。このものは塩基性が
強く、従って水溶液は塩基性を示す。このため、目的物
のグリシジル基と水の反応により、グリシジル基の開環
反応が起き、目的物の純度が徐々に低下していく。
【0024】本発明では、水溶液でグリシジル第四級ア
ンモニウム塩の加水分解を促進すると考えられるグリシ
ジル第四級アンモニウムヒドロキシド(I)に対して、
添加したハロヒドリン(II)は下記の反応式によって
(I)を中和し、自らは閉環してエポキシドとなる。こ
のため処理されたグリシジル第四級アンモニウム塩水溶
液の塩基性は低下し、その低下は 5%水溶液でのpH測定
値で僅か 1〜1.5 程度に過ぎないが、目的物のグリシジ
ル第四級アンモニウム塩の加水分解は確実に抑制され
る。また、添加されたハロヒドリンは低沸点の環化物と
なり、脱気処理により容易に系内から除去される。
【0025】
【化2】
【0026】ハロヒドリンの反応は、副反応を伴わず、
製品に不純物の混入を伴わない。
【0027】
【実施例】
実施例1 温度計、ガス導入管及び攪拌機を備えた30リットル容オ
ートクレーブにエピクロルヒドリン7.60kg及び1,2-ジク
ロルエタン 11.71kgを仕込み、系内温度30±5℃で攪拌
下にトリメチルアミン2.41kgを供給した。トリメチルア
ミン供給後、同温度で 8時間熟成した。反応生成物に水
2.05kgを添加し、グリシジルトリメチルアンモニウムク
ロリド粗結晶を溶解させた。静置して、上層と下層とを
分離し、水層8.41kg、有機媒体層 15.31kgを得た。
【0028】単蒸溜用分留管を備え付た20リットル容オ
ートクレープに、上記水層8.41kg及びエチレンクロルヒ
ドリン 52.6gを入れ、これに水0.51kgを添加し、減圧ト
ッピングして、グリシジルトリメチルアンモニウムクロ
リド水溶液を得た。減圧トッピングの圧力は48〜30mmH
g、最終缶液温度は60℃(30mmHg)で、トッピング時間は4
時間であった。得られたグリシジルトリメチルアンモニ
ウムクロリドを 5%水溶液にして測定したpHは8.90であ
った。
【0029】この水溶液の保存安定性を20℃で60日間保
持したときのエポキシ残存率の変化をHCl-CaCl法による
分析によって測定し、その結果を表1に示す。
【0030】実施例2 実施例1と同じ分留管付きオートクレーブに、実施例1
と同様にして得た水層8.44kg及びプロピレンクロルヒド
リン 61.8gを入れ、これに水0.52kgを添加し、実施例1
と同様に減圧トッピングして、グリシジルトリメチルア
ンモニウムクロリド水溶液を得た。減圧トッピングの圧
力は48〜30mmHg、最終缶液温度は65℃(30mmHg)で、ト
ッピング時間は 3.5時間であった。得られたグリシジル
トリメチルアンモニウムクロリドの 5%水溶液のpH及び
保存安定性は表1に示す。
【0031】比較例1 実施例1と同じ分留管付きオートクレーブを用い、実施
例1と同様にして得た水層8.44kgに水0.52kgを添加し、
実施例1と同様に減圧トッピングして、グリシジルトリ
メチルアンモニウムクロリド水溶液を得た。減圧トッピ
ングの圧力は48〜30mmHg、最終缶液温度は65℃(30mmH
g)で、トッピング時間は 3.5時間であった。得られた
グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの 5%水溶
液のpH及び保存安定性は表1に示す。
【0032】実施例3 比較例1で得られたグリシジルトリメチルアンモニウム
クロリド水溶液6.00kgに、エチレンクロルヒドリン 42.
6gを入れ、これに水0.41kg添加し、実施例1と同様の操
作で減圧トッピングを行い、グリシジルトリメチルアン
モニウムクロリド水溶液を得た。減圧トッピングの圧力
は48〜30mmHg、最終缶液温度は63℃(30mmHg)で、トッ
ピング時間は 3時間であった。得られたグリシジルトリ
メチルアンモニウムクロリドの 5%水溶液のpH及び保存
安定性は表1に示す。
【0033】実施例4 温度計、ガス導入管、及び攪拌機を備えた30リットル容
オートクレープにエピクロルヒドリン7.69kg及び1,2-ジ
クロルエタン 11.69kgを仕込み、系内温度35±5 ℃で攪
拌下にトリエチルアミン4.10kgを供給した。トリエチル
アミン供給後、同温度で 8時間熟成した。反応生成物に
水2.05kgを添加してグリシジルトリエチルアンモニウム
クロリド粗結晶を溶解させた。静置した後、上層と下層
とを分離し、水層 10.22kgと有機媒体層 15.31kgとを得
た。
【0034】単蒸溜用分留管を備え付た20リットル容オ
ートクレープに、上記で得られた水層10.22kg 及びエチ
レンクロルヒドリン 53.0gを入れ、これに水0.50kgを添
加し、減圧トッピングして、グリシジルトリエチルアン
モニウムクロリド水溶液を得た。減圧トッピングの圧力
は48〜30mmHg、最終缶液温度は65℃(30mmHg)で、トッピ
ング時間は 4時間であった。得られたグリシジルトリエ
チルアンモニウムクロリドの 5%水溶液のpH及び保存安
定性を表1に示す。
【0035】比較例2 実施例4と同様にして得た水層 10.24kgに、水0.50kg添
加し、実施例 4と同様に減圧トッピングして、グリシジ
ルトリエチルアンモニウムクロリド水溶液を得た。減圧
トッピングの圧力は48〜30mmHg、最終缶液温度は65℃(3
0mmHg)で、トッピング時間は 3.5時間であった。得られ
たグリシジルトリエチルアンモニウムクロリドの 5%水
溶液のpH及び保存安定性は表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によるハロヒドリンの添加処理及
び脱気処理により、保存保存安定性良好なグリシジル第
四級アンモニウム塩水溶液を得ることができる。また、
処理される水溶液はエピハロヒドリン、不活性溶媒等を
含む反応粗液でも生成した製品でもよいので、本発明は
製造プロセスの途中に組み込むこともできるし、製造プ
ロセス終了後にさらに本発明を実施してもよい。使用さ
れる添加剤は取扱いが容易である。添加されたハロヒド
リンは自ら環化し、脱気処理により系内から除去される
ので、不純物として製品中に残存しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−130281(JP,A) 特開 昭50−62917(JP,A) 特開 昭61−134383(JP,A) 特開 昭55−89273(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 303/36 C07D 301/27 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリシジル第四級アンモニウム塩を含む
    水溶液にハロヒドリンを添加して処理した後、脱気処理
    を行うことを特徴とするグリシジル第四級アンモニウム
    塩水溶液の安定化方法。
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