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JP3293320B2 - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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JP3293320B2 - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品の製造方法

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JP3293320B2
JP3293320B2 JP09496494A JP9496494A JP3293320B2 JP 3293320 B2 JP3293320 B2 JP 3293320B2 JP 09496494 A JP09496494 A JP 09496494A JP 9496494 A JP9496494 A JP 9496494A JP 3293320 B2 JP3293320 B2 JP 3293320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内部電極が卑金属を
含み、この内部電極に外部電極が電気的に接続される構
造を有するセラミック電子部品の製造方法に関するもの
で、内部電極と外部電極との間での良好な金属的接合を
確保するための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この発明にとって興味あるセラミック電
子部品として、たとえば積層セラミックコンデンサがあ
る。図5は、従来の積層セラミックコンデンサ1を示す
断面図である。積層セラミックコンデンサ1は、セラミ
ックの積層体からなる部品本体2を備える。部品本体2
の内部には、内部電極3および4がそれぞれ形成され
る。内部電極3および4のそれぞれの端縁は、部品本体
2の外表面、より特定的には端面5おび6に露出され
る。そして、これら内部電極3および4のそれぞれの端
縁に電気的に接続されるように、外部電極7および8が
部品本体2の端面5および6上に形成される。
【0003】上述したような積層セラミックコンデンサ
1を製造する場合、内部電極3および4が形成された部
品本体2がまず用意され、次いで、部品本体2の端面5
および6上に、外部電極7および8となる導電性ペース
トが付与され、そして、この導電性ペーストが500〜
900℃で焼成されることにより、内部電極3および4
との間で金属的接合が図られた外部電極7および8が形
成される。
【0004】ところで、積層セラミックコンデンサ1に
おいて、そのコストダウンを図るため、内部電極3およ
び4にニッケル等の卑金属を使用し、外部電極7および
8にたとえば銅を使用したものがある。このように、内
部電極3および4に含まれる金属または外部電極7およ
び8に含まれる金属の少なくとも一方が酸化されやすい
場合、外部電極7および8のための導電性ペーストを焼
成する工程において、このような酸化が生じ、その結
果、内部電極3および4と外部電極7および8との金属
的接合が阻害されることがある。したがって、従来、こ
のような酸化を防ぐため、外部電極7および8のための
導電性ペーストを焼成するとき、その焼成雰囲気の酸素
濃度を、たとえば20ppm以下というように、低く設
定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、低い酸素濃度の下で焼成を行なうと、外部電
極7および8のための導電性ペーストに含まれるバイン
ダ等の有機物の燃焼が不完全であったり、導電性ペース
トに含まれる銅のような金属とガラスとのぬれ性が悪く
なり、導電性ペースト中の金属の焼結が進まなかったり
して、外部電極7および8がポーラスになってしまう傾
向がある。
【0006】それゆえに、この発明の目的は、卑金属を
使用した内部電極を備えるセラミック電子部品におい
て、内部電極と外部電極との良好な金属的接合を確保し
ながら、緻密な外部電極を形成し得るための方法を提供
しようとすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、セラミック
からなる部品本体と、部品本体の内部に形成されるとと
もに、その端縁が部品本体の外表面に露出され、かつ卑
金属を含む、内部電極と、内部電極の端縁に電気的に接
続されるように部品本体の外表面上に形成される外部電
極とを備える、セラミック電子部品の製造方法に向けら
れるものであって、上述した技術的課題を解決するた
め、次のような工程を備えることを特徴としている。
【0008】すなわち、まず、内部電極が形成された部
品本体が用意される。次いで、注目すべきは、この部品
本体の外表面上であって、少なくとも内部電極が露出す
る部分に、ホウ酸が付与される。そして、このホウ酸が
付与された部品本体の外表面上に、外部電極となる導電
性ペーストが付与され、焼成される。
【0009】外部電極となる導電性ペーストに含まれる
金属は、内部電極に含まれる卑金属と合金化等による金
属的接合を達成し得るものであれば、どのような金属で
あってもよい。内部電極に含まれる卑金属および外部電
極に含まれる金属の組合わせとしては、たとえば、前者
がニッケルで後者が銅、前者および後者がともにニッケ
ル、前者および後者がともに銅、前者が銅で後者が銀、
といった組合わせがある。
【0010】
【作用】この発明において用いられるホウ酸(H3 BO
3 )は、約300℃に加熱されたとき、脱水反応により
酸化ホウ素(B2 3 )を生成し、溶融状態となる。こ
の溶融した酸化ホウ素は、金属酸化物に沿ってぬれる性
質があり、金属酸化物を溶解する。そのため、酸化物が
除去された金属表面は、溶融状態の酸化ホウ素によって
薄く覆われる。この酸化ホウ素は、金属のそれ以上の酸
化を防止する。
【0011】他方、上述のように酸化ホウ素の薄い膜が
介在していても、内部電極に含まれる卑金属と外部電極
に含まれる金属粒子の一部とが接触すると、これらが相
互拡散し、それに応じて、酸化ホウ素の膜を押し退けな
がら、これら金属が焼結し、内部電極と外部電極との間
での良好な金属的接合が達成される。
【0012】また、上述のように約300℃で溶融した
酸化ホウ素は、金属の表面を覆い、それによって金属の
酸化を防止するため、外部電極のための導電性ペースト
を焼成する工程において、焼成雰囲気の酸素濃度を比較
的高くすることができる。このように、酸素濃度を高く
することにより、導電性ペーストに含まれるガラスと金
属とのぬれ性が良好になり、金属の焼結が円滑に進み、
緻密な外部電極を得ることができる。上述した焼成雰囲
気の酸素濃度は、好ましくは、50ppm以上に選ば
れ、より好ましくは、100ppm以上に選ばれ、さら
に好ましくは、200ppm以上に選ばれる。
【0013】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、部品本
体の外表面上であって、少なくとも内部電極が露出する
部分に付与されたホウ酸が、外部電極のための導電性ペ
ーストの焼成において及ぼされる熱により、溶融状態の
酸化ホウ素となり、この酸化ホウ素が、金属酸化物を溶
解して除去するとともに、金属表面を薄く覆って金属の
酸化を防止しながらも、内部電極に含まれる卑金属と外
部電極に含まれる金属との相互拡散を許容するので、内
部電極と外部電極との間での良好な金属的接合を確保し
ながら、比較的高い酸素濃度による焼成を適用できるの
で、緻密な外部電極を得ることができる。その結果、耐
湿性等に優れたセラミック電子部品を得ることができ
る。
【0014】この発明が積層セラミックコンデンサの製
造方法に適用されたときには、得られた積層セラミック
コンデンサの静電容量の低下および等価直列抵抗の増大
を防止することができる。
【0015】この発明において、好ましくは、ホウ酸は
部品本体の外表面全域に付与される。これによれば、外
部電極のための導電性ペーストの焼成を終えたとき、部
品本体の外表面が酸化ホウ素の膜で覆われる。この酸化
ホウ素の膜は、残留応力や半田付け時または使用時の熱
応力により、セラミックからなる部品本体にクラックが
入ることを有利に防止する。
【0016】
【実施例】図1ないし図4は、この発明の一実施例によ
るセラミック電子部品の製造方法に含まれる代表的な工
程を断面図で示している。この実施例は、特に、図4に
示すような積層セラミックコンデンサ11の製造方法に
向けられている。
【0017】まず、図1に示すように、セラミックの積
層体からなる部品本体12が用意される。この部品本体
12の内部には、卑金属を含む内部電極13および14
が形成されている。内部電極13および14のそれぞれ
の端縁は、部品本体12の外表面に露出される。より具
体的には、内部電極13の各端縁は、部品本体12の一
方の端面15に露出され、内部電極14の各端縁は、部
品本体12の他方の端面16に露出されている。
【0018】次に、図2における拡大した部分に示すよ
うに、部品本体12の外表面上であって、少なくとも内
部電極13および14が露出する部分に、ホウ酸17が
付与される。この実施例では、部品本体12の外表面全
域にホウ酸17が付与されている。ホウ酸17を付与す
るため、たとえば、ホウ酸を水、アルコールまたはケト
ンに溶解した溶液を用意し、その中に部品本体12を浸
漬し、その後、部品本体12を引上げてから乾燥するこ
とが行なわれる。上述したホウ酸を溶解する溶液は、不
飽和、飽和、または過飽和のいずれの溶液であってもよ
い。このような付与方法に代えて、部品本体12の外表
面をたとえば水によりぬらし、粉末が付着しやすい状態
としてから、この部品本体12をホウ酸粉末と接触させ
ることによって、部品本体12の外表面上にホウ酸17
を付与するようにしてもよい。このように、部品本体1
2の外表面上に付与されたホウ酸17は、粉末状態であ
り、たとえば、厚み5μm程度の層をなしている。な
お、このホウ酸17の厚みは、10μm以下であること
が実用的で、5μm以下にすることがより好ましい。
【0019】次に、図3に示すように、部品本体12の
端面15および16上に、外部電極となる導電性ペース
ト18が付与される。導電性ペースト18は、図3にお
ける拡大した部分によく示されているように、部品本体
12の外表面を覆うホウ酸17をさらに覆うように付与
されている。
【0020】次に、上述した導電性ペースト18が焼成
され、それによって、図4に示すように、外部電極19
および20が形成される。また、ホウ酸17は、加熱脱
水され、ガラス状の酸化ホウ素膜21を、部品本体12
の外表面上に形成する。このようにして、積層セラミッ
クコンデンサ11が得られる。
【0021】次に、上述した実施例に基づいて行なった
実験例について説明する。この実験例では、内部電極に
ニッケルを使用し、外部電極に銅を使用した積層セラミ
ックコンデンサが製造される。
【0022】まず、ホウ酸1gを100ccのアセトン
に溶解した溶液に、3.2mm×1.6mm×0.8m
mの大きさの部品本体を500個入れ、この溶液を5分
間攪拌した。次いで、部品本体を溶液から取出し、常温
(25℃)で10分間乾燥させた。この段階で、部品本
体の外表面を顕微鏡で1000倍に拡大して観察する
と、ホウ酸の白い粉末が確認された。
【0023】次に、各部品本体に外部電極となる銅を含
む導電性ペーストを塗布した。その後、この導電性ペー
ストを、最高温度750℃で焼成し、目的とする積層セ
ラミックコンデンサを得た。なお、この焼成工程におい
て、焼成雰囲気の酸素濃度を、20ppmとした場合
と、200ppmとした場合とについて、それぞれ実験
を行なった。また、比較例として、ホウ酸を付与しない
場合についても同様の実験を行なった。
【0024】このようにして得られた各試料としての積
層セラミックコンデンサの静電容量および外部電極の焼
結度を評価した。その結果が、以下の表1に示されてい
る。表1において、静電容量は、試料個数20の平均値
であり、その単位はnFである。また、焼結度は、外部
電極の断面をSEMで観察することにより評価したもの
で、10μmを超える穴が形成されているとき、「ポー
ラス」と判定した。
【0025】
【表1】
【0026】上記表1に示すように、酸素濃度を200
ppmとしたとき、ホウ酸の付与の有無にかかわらず、
緻密な外部電極が得られるが、ホウ酸を付与しない場
合、静電容量が大幅に低下している。これは、内部電極
が酸化されたためである。これに対して、ホウ酸を付与
した場合、ほぼ設計通りの静電容量が得られている。
【0027】他方、酸素濃度を20ppmとした場合に
は、静電容量については高い値が維持されるが、外部電
極は、ホウ酸付与の有無にかかわらず、ポーラスな状態
となった。そして、このようにポーラスな外部電極を備
える各試料は、温度70℃および相対湿度90〜95%
の雰囲気下で定格電圧を印加する耐湿負荷試験におい
て、いずれも不良の結果を示した。
【0028】なお、ホウ酸が、どのような原理に基づい
て、上述した実験例のように、その効果を発揮するかに
ついて調査するため、次のような実験を行なった。ま
ず、銅板を用意し、その上にホウ酸の粉末を置き、銅板
を加熱した。この加熱に従って、銅板が約300℃に達
したとき、ホウ酸は、酸化ホウ素となり溶融した。この
溶融した酸化ホウ素は、銅板の表面に存在する銅の酸化
物に沿って銅板をぬらし、銅の酸化物は、溶融状態の酸
化ホウ素に溶解した。したがって、溶融状態の酸化ホウ
素の膜の下方には、金属銅が存在していた。同様の現象
が、ニッケル板についても確認された。したがって、上
述した実験例において、導電性ペーストが焼成されると
き、ホウ酸から得られた溶融状態の酸化ホウ素が、外部
電極に含まれる銅および内部電極に含まれるニッケルの
双方の表面を薄く覆い、この状態で、ニッケルと銅とが
一部において接触すると、相互拡散を生じ、酸化ホウ素
の膜を押し退けならが、銅が焼結される。そして、この
ような焼成工程では、酸化ホウ素の膜が銅およびニッケ
ルのそれ以上の酸化を防止しているので、たとえば20
0ppmといった高い酸素濃度であっても、銅およびニ
ッケルが酸化することがなく、また、このような高い酸
素濃度により、導電性ペーストに含まれるガラスと銅と
のぬれ性が向上し、緻密な外部電極が得られることにな
る。
【0029】次に、図4に示した酸化ホウ素膜21のク
ラック防止効果を確認するため、前述した実験例によっ
て得られた各試料を、室温から溶融半田中に浸漬し、約
325℃の温度差による熱衝撃を加えた。そして、部品
本体の断面を研磨し、クラックの入った試料の数を求め
たところ、酸化ホウ素膜を備えるものについては、試料
数100のうち、3個の試料においてクラックが発生し
ていたのに対し、酸化ホウ素膜が形成されない試料につ
いては、試料数100中、20個の試料においてクラッ
クが発生していた。
【0030】以上、この発明を積層セラミックコンデン
サに関連して説明したが、この発明は、積層セラミック
コンデンサに限らず、たとえば、積層インダクタ、積層
バリスタ、多層回路基板等の他の積層セラミック電子部
品に対しても、あるいは積層構造を備えないセラミック
電子部品に対しても、部品本体の内部に内部電極が形成
されるものであれば、どのようなセラミック電子部品に
対しても適用することができる。
【0031】また、このようなセラミック電子部品にお
いて、内部電極に含まれる卑金属および外部電極に含ま
れる金属の組合わせは、上述した実施例のように、ニッ
ケルおよび銅の組合わせに限らず、ニッケルおよびニッ
ケル、銅および銅、ならびに、銅および銀の各組合わせ
のいずれであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による積層セラミックコン
デンサの製造方法に含まれる第1の工程において用意さ
れる、内部電極13および14が形成された部品本体1
2を示す断面図である。
【図2】図1に示した第1の工程の後に実施される第2
の工程において、ホウ酸17が外表面上に付与された部
品本体12を示す一部拡大断面図である。
【図3】図2に示した第2の工程の後に実施される第3
の工程において、ホウ酸17が付与された部品本体12
の外表面上に導電性ペースト18が付与された状態を示
す一部拡大断面図である。
【図4】図3に示した第3の工程において付与された導
電性ペースト18を焼成して外部電極19および20が
形成された積層セラミックコンデンサ11を示す断面図
である。
【図5】従来の積層セラミックコンデンサ11を示す断
面図である。
【符号の説明】
11 積層セラミックコンデンサ 12 部品本体 13,14 内部電極 15,16 端面 17 ホウ酸 18 導電性ペースト 19,20 外部電極 21 酸化ホウ素膜

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックからなる部品本体と、前記部
    品本体の内部に形成されるとともに、その端縁が前記部
    品本体の外表面に露出され、かつ卑金属を含む、内部電
    極と、前記内部電極の端縁に電気的に接続されるように
    前記部品本体の外表面上に形成される外部電極とを備え
    る、セラミック電子部品の製造方法であって、 前記内部電極が形成された前記部品本体を用意し、 前記部品本体の外表面上であって、少なくとも前記内部
    電極が露出する部分に、ホウ酸を付与し、 前記ホウ酸が付与された前記部品本体の外表面上に、前
    記外部電極となる導電性ペーストを付与し、 前記導電性ペーストを焼成する、各工程を備える、セラ
    ミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記内部電極に含まれる卑金属および前
    記外部電極に含まれる金属の組合わせは、それぞれ、ニ
    ッケルおよび銅、ニッケルおよびニッケル、銅および
    銅、ならびに、銅および銀のいずれかに選ばれる、請求
    項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記導電性ペーストを焼成する工程にお
    いて、焼成雰囲気の酸素濃度が50ppm以上に選ばれ
    る、請求項1または2に記載のセラミック電子部品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記ホウ酸を付与する工程において、前
    記ホウ酸は前記部品本体の外表面全域に付与される、請
    求項1ないし3のいずれかに記載のセラミック電子部品
    の製造方法。
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