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JP3297526B2 - 無機・有機融合体被膜の製造方法 - Google Patents
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JP3297526B2 - 無機・有機融合体被膜の製造方法 - Google Patents

無機・有機融合体被膜の製造方法

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JP3297526B2
JP3297526B2 JP06525994A JP6525994A JP3297526B2 JP 3297526 B2 JP3297526 B2 JP 3297526B2 JP 06525994 A JP06525994 A JP 06525994A JP 6525994 A JP6525994 A JP 6525994A JP 3297526 B2 JP3297526 B2 JP 3297526B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性に優れかつ高硬
度の被覆を施した耐候性・耐熱性鋼板およびその被膜
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板は塗装されて使用されるのが一般的
である。塗装を行う目的は、大きくは素地の鋼板を保護
することと同時に耐久力を増加し、これを美化するもの
である。塗装された鋼板は、建築物、船舶、橋梁等の大
きなものから各種機械・自動車、家具、電気製品の小物
や生活用品まで使用されている。これら鋼板の塗装は一
般に加工・組立後、行われている(ポストコート)。し
かしながら、近年、特に家電分野などでは既に塗装され
ている鋼板(プレコート鋼板)をそのまま加工・組立す
る方式に移行しつつある。プレコート鋼板には、従来の
防食等の機能に加えて加工性が要求される。したがっ
て、前記機能を満たすために、ポリエステル系樹脂等の
有機高分子が塗料として使用されている。一方、耐熱
性、耐食性等に優れた被覆としては、鋼板にガラスを被
覆した琺瑯がある。琺瑯は、所望の形状に鋼板を加工し
た後ガラスをコーティングして製造されている(ポスト
コート)。
【0003】プレコート鋼板は、加工・組立ラインから
塗装工程を省略できるため、現在ポストコートに頼って
いる分野(例えば、高硬度、高耐候性、高耐熱性等)に
もプレコート化が要求されるようになってきた。しかし
ながら、従来のプレコート鋼板では、基本的には有機高
分子で塗装されているために、表面硬度、耐候性、耐熱
性等には限界があった。これに対して、ガラスやセラミ
ックスをコーティングして鋼板の表面硬度、耐熱性を向
上させる方法が考えられるが、加工性が損なわれ、プレ
コート鋼板としては使用できない。例えば、琺瑯は加工
出来ない。もし折り曲げ等の加工を行えば、コーティン
グされたガラスは簡単に剥がれてしまう。近年、可撓性
を有しかつ高硬度・耐熱性の塗装鋼板として、無機ポリ
マー骨格の一部を有機基で置換した無機・有機融合体を
被覆した鋼板が考えられてきた。前記被覆鋼板によれ
ば、有機塗装鋼板に比べ硬度、耐熱性が高く、琺瑯等の
無機塗装鋼板に比べ加工性が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】無機・有機融合体を被
覆した鋼板の製造方法として、無機成分としてアルコキ
シドあるいは加水分解したアルコキシドと有機成分とし
てジアルキルジアルコキシシランを加水分解して調製し
た溶液を鋼板に塗布、熱処理する方法がある。これらの
アルコキシドおよびジアルキルアルコキシシランを加水
分解するためには、加水分解の水との両溶媒、例えばア
ルコールが必要である。しかしながら、前記溶液は、ア
ルコキシドが重合しても溶媒を使用しているために、粘
度が低い。また、溶液の粘度を上げるために加水分解溶
液を濃縮して使用すると、すぐにゲル化したり、放置し
ている間の粘度の変化が著しい。粘度は塗布工程におい
て膜厚等の重要な制御因子であるにもかかわらず、前記
アルコキシド溶液では粘度の制御性が難しい。本発明
は、上記課題を解決するために創案されたものであり、
溶液の粘度を増加でき、粘度の時効変化を少なくして塗
布工程を容易にする無機・有機融合体被膜およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、アルコキシドとジアルキルジアルコキシシランを混
合し加水分解した溶液に、可溶性の有機高分子を添加
塗布溶液製造する工程、該塗布溶液で塗膜を形成す
る工程と該塗膜を100〜600℃で熱処理する工程に
より有機・無機融合体被を製造する。
【0006】無機・有機融合体とは、炭素、水素、酸
素、窒素等からなる有機物に、金属、半金属が化学結合
して重合することにより、原子・分子レベルで融合した
材料である。塗布溶液の製造工程において、溶液の混合
順番、加水分解の順番・回数等は、いろいろ取り得る。
例えば、アルコキシドとジアルキルジアルコキシシラ
ンの混合溶液に可溶性の有機高分子を添加した後、加水
分解して塗布溶液を製造する、アルコキシドとジアル
キルアルコキシシランを加水分解した溶液に可溶性の有
機高分子を添加して塗布溶液を製造する、アルコキシ
ドとジアルキルジアルコキシシランを加水分解した溶液
に可溶性の高分子を添加し、さらに加水分解して塗布溶
液を製造する等である。
【0007】有機成分となるジアルキルアルコキシシラ
ン(A)と無機成分となるアルコキシド(B)の割合
が、A/Bのモル比で8.0〜0.1の範囲が好まし
い。0.1未満になると、加工性が損なわれるために加
工時に被膜が剥離したり、クラックが生じる。一方、
8.0を越えると、加工性には問題ないが、表面硬度や
耐熱性が著しく低下する。有機高分子の割合は0.1〜
10wt%の範囲が好ましい。0.1wt%未満では、
加水分解したアルコキシド溶液の粘度を十分高くできな
い。10wt%を越えると、加水分解したアルコキシド
溶液の粘度が高くなりすぎたり、塗膜中に多量のセルロ
ースが残留して塗膜の硬度、耐熱性が低下する。
【0008】本発明における有機高分子とはセルロー
ス、ポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアルコールのなかで1種もしくは2種以上で
ある。本発明で使用するアルコキシドは特に限定しない
が、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、
ブトキシド等が挙げられる。また、アルコキシドは、ア
ルコキシ基の一部をβ−ジケトン、β−ケトエステル、
アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、有
機酸等で置換した誘導体、加水分解したアルコキシドを
含む。本発明における無機成分を構成する金属、半金属
は、アルコキシドを形成することができるものに限定さ
れる。例えば、Si,Al,Ti,Zr,Ta,Nb,
Y,Co等である。
【0009】本発明におけるアルコキシドの加水分解で
は、アルコキシドに対して10モル倍までの水を添加し
て加水分解することである。この際、無機酸、有機酸あ
るいはそれらの両方を触媒として使用してもよい。添加
する水は、アルコール等の有機溶媒で希釈してもよい。
10モル倍以上の水を使用するとすぐにゲル化するため
に、好ましくない。
【0010】本発明で使用するジアルキルジアルコキシ
シランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラ
ン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキ
シシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメ
トキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピ
ルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブ
トキシシラン等が挙げられる。
【0011】本発明の加水分解では、未加水分解のアル
コキシ基に対して0.5〜10.0モル倍の水を添加す
る。この際、無機酸、有機酸あるいはそれらの両方を触
媒として使用してもよい。添加する水は、アルコール等
の有機溶媒で希釈してもよい。0.5モル倍未満の水で
は、重合度が低く、熱処理の際に揮発するために塗布で
きない。一方、10.0モル倍を越えると、すぐにゲル
化して塗布できない。加水分解においては、ジアルキル
ジアルコキシシランおよびアルコキシドを均一に分散、
溶解できる有機溶媒が使用される。例えば、メタノー
ル、エタノール、ブロパノール、ブタノール等の各種ア
ルコール、アセトン、トルエン、キシレン等である。加
水分解後、溶媒、加水分解で生成したアルコール等を常
圧あるいは減圧下で留去して塗布してもよい。
【0012】本発明で使用する鋼板は特に限定しない
が、例えば、ステンレス鋼板、アルミ・亜鉛等の各種メ
ッキ用鋼板およびこれらのメッキを施した鋼板等が挙げ
られる。鋼板への塗布は、スプレーコート法、ディップ
コート法、スプレーコート法、ロールコート法、スピン
コート法等で行われる。塗布後の熱処理は、100〜6
00℃で行う。100℃未満であると、溶媒等が十分蒸
発せず、硬度、耐熱性が得られない。600℃を越える
と、溶媒等が急激に蒸発して、被膜にピンホールやクラ
ックが発生する。
【0013】
【作用】本発明の無機・有機融合体被覆鋼板の製造方法
では、加水分解したアルコキシドおよびジアルキルジア
ルコキシシランの溶液中に有機高分子を溶解しているた
めに、有機高分子の増粘性により、溶液の粘度を増加す
ることができる。加水分解したアルコキシドおよびジア
ルキルジアルコキシシランの溶液を濃縮すれば粘度を増
加することができるが、縮合アルコキシドの濃度が高く
なって分子間距離が短くなるためさらに縮合反応が進み
易く、粘度の変化が著しかったり、すぐゲル化したりす
る。本発明によれば、有機高分子による粘度制御である
ために、溶液中の縮合アルコキシドの分子間距離が短く
なることはなく、粘度が安定で、ゲル化が起こりにく
い。
【0014】
【実施例】本発明の無機・有機融合体被覆鋼板の製造方
法を以下の実施例によって具体的に説明する。ただし、
本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではな
い。表1に示すような条件で、可溶性の有機高分子を含
有した加水分解アルコキシド溶液をSUS403鋼板に
バーコーターで塗布後、熱処理して無機・有機融合体被
覆鋼板を作製した。調製溶液の粘度、塗布性および作製
した無機・有機融合体被覆鋼板の耐熱性、表面硬度、加
工性を評価した。溶液の粘度測定は、B型回転粘度計を
使用した。耐熱性は、200℃〜600℃で48時間加
熱した後、塩水噴霧試験で錆が発生しない温度を調べ
た。表面硬度は、鉛筆硬度試験法で行った。加工法は、
JIS G 3312 180°折り曲げ後の塗膜クラ
ックの限界で評価した。
【0015】
【表1】
【0016】表2にその結果を示す。実施例では、塗布
性が良く、作製した被覆鋼板の耐熱性は450〜600
℃を示し、表面高度(3〜6H)および加工性(0〜1
T)も良かった。一方、比較例として、有機高分子を添
加しなかった場合(No.15)や添加量が少なかった
場合(No.16)では、溶液の粘度が低すぎて塗膜厚
が薄くなり、その結果、塗布できた部分と出来なかった
部分が生じた。また、有機高分子の添加量が多すぎる場
合(No.17、18)では、溶液粘度が非常に高くな
ったために塗布するのが困難であった。さらに、被覆鋼
板は、添加した有機高分子が塗膜中に多量に残留してい
るために、耐熱性が低く、表面硬度も低くなった。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明の無機・有機融合体被覆鋼板の製造方法によれば、
塗布溶液の粘度を増加でき、粘度の制御が容易であるた
め、均一な被覆を有した品質の良い無機・有機融合体被
覆鋼板を提供できる。さらに、従来の無機・有機融合体
被覆用の塗布溶液に比較して溶液の安定性が高く保存が
可能であるため、生産計画を立て易い。したがって、加
工性を有しかつ耐熱性、高度の高い無機・有機融合体被
覆鋼板を効率良く生産できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−36282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/14 B05D 7/24 302 C09D 163/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシドとジアルキルジアルコキシ
    シランを混合し加水分解した溶液に、可溶性の有機高分
    子を添加して塗布溶液製造する工程、該塗布溶液で塗
    膜を形成する工程と該塗膜を100〜600℃で熱処理
    する工程を有する事を特徴とする有機・無機融合体被
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジアルキルジアルコキシシラン(A)と
    アルコキシド(B)の割合が、A/Bのモル比で8.0
    〜0.1の範囲で、有機高分子の割合が溶液の0.1〜
    10wt%であることを特徴とする請求項1記載の無機
    ・有機融合体被の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機高分子が、セルロース、ポリエチレ
    ングリコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアル
    コールの1種もしくは2種以上であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の無機・有機融合体被の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記塗布溶液で塗膜を形成する工程が、
    鋼板上に塗膜を形成する工程であることを特徴とする請
    求項1〜3記載の無機・有機融合体被膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルコキシドとジアルキルジアルコキシ
    シランの加水分解物と該溶液に可溶性の有機高分子を含
    むことを特徴とした塗布溶液。
  6. 【請求項6】 ジアルキルジアルコキシシラン(A)と
    アルコキシド(B)の割合が、A/Bのモル比で8.0
    〜0.1の範囲で、有機高分子の割合が溶液の0.1〜
    10wt%であることを特徴とする請求項5記載の塗布
    溶液。
  7. 【請求項7】 有機高分子が、セルロース、ポリエチレ
    ングリコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアル
    コールの1種もしくは2種以上であることを特徴とする
    請求項5記載の塗布溶液。
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