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JP3299362B2 - 液体クロマトグラフィーのグラジエント分析方法および装置 - Google Patents
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JP3299362B2 - 液体クロマトグラフィーのグラジエント分析方法および装置 - Google Patents

液体クロマトグラフィーのグラジエント分析方法および装置

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JP3299362B2
JP3299362B2 JP32742393A JP32742393A JP3299362B2 JP 3299362 B2 JP3299362 B2 JP 3299362B2 JP 32742393 A JP32742393 A JP 32742393A JP 32742393 A JP32742393 A JP 32742393A JP 3299362 B2 JP3299362 B2 JP 3299362B2
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体クロマトグラフィー
のグラジエント分析において、迅速かつ高精度な分析が
可能な液体クロマトグラフィー分析方法および装置に関
し、特に、少量の試料で高感度な分析が可能な、口径の
小さい分離カラムおよびサプレッサーを用いた液体クロ
マトグラフィー分析に最適な、液体クロマトグラフィー
のグラジエント分析方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフィーを用いて、目的
成分よりも溶離時間(保持時間)が長い不要成分(以
下、マトリックス成分とする)を含む試料を分析する場
合には、高精度な分析を行うためには、マトリックス成
分による目的成分検出の妨害を防ぐために、マトリック
ス成分が分離カラムから溶離するまで次回の測定を待つ
必要がある。
【0003】例えば、広く一般に用いられるダイオネク
ス社製AS4A陰イオン分離カラムを用いて、過塩素酸
イオンをマトリックス成分として含む試料中の硫酸イオ
ンを測定する場合、硫酸イオンは10分前後で溶離し測
定を終えるが、過塩素酸イオンは溶離を始めるまでに測
定開始から1時間程度の時間が必要であり、過塩素酸イ
オンが溶離を終えるには、少なくとも測定開始から1時
間20分程度の時間が必要である。ここで、測定能率を
上げるために過塩素酸イオンが溶離し終わらない状態で
次々と試料を打ち込み測定を行うと、5〜6検体測定後
に、図8(a)〜(c)に示されるように測定目的成分
である硫酸イオンのピーク信号に過塩素酸イオンのピー
クがしばしば重なり、硫酸イオンの測定を妨害する。
【0004】また、過塩素酸イオンが分離カラム内に残
留している状態で次々と新しい試料を打ち込むと、分離
カラム内に過塩素酸イオン等が残留して分離カラムの性
能に影響を与え、硫酸イオン溶離時間の変動および検出
ピーク形状の変化が発生し、定性および定量上好ましく
ない状態に陥る場合がある。そのため、目的成分を溶離
した後、マトリックス成分を迅速に溶離させ、次回の測
定を迅速に行うことができる方法の検討が各種行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】測定目的成分の測定感
度や再現性に影響を与えずマトリックス成分を早く溶離
させる方法としては、測定目的成分溶離後に溶離液の流
量を増やす方法、目的物溶離後に溶離液濃度を高くする
方法等が知られている。しかし、溶離液の流量を増やす
と液体クロマトグラフ装置の圧力が上昇するので、装置
の使用可能圧力以下までしか溶離液の流量を増やすこと
ができない。そのため、通常の2倍〜3倍程度までしか
溶離液の流量は増やすことができないために効果は弱
い。
【0006】これに対し、測定時には希薄な溶離液を用
いることにより成分ごとの溶離時間差を大きくしてクロ
マトグラムのピークをシャープに出し、目的成分が溶離
した後に、溶離液の濃度を高くしてマトリックス成分の
溶離を促進する、いわゆるグラジエント分析法では、前
述の溶離液量を増やす方法より良好な効果が得られ、有
効な手段として知られている。しかしながら、溶離液の
濃度は装置の限界までしか向上することができず、ま
た、あまり高濃度な溶離液はサプレッサーや検出器等に
悪影響を及ぼす可能性がある。特に、分離カラムおよび
サプレッサーを用いる液体クロマトグラフ装置で、近年
注目されている小口径の分離カラムおよびサプレッサー
を用いた装置にグラジエント分析法を利用した際には、
サプレッサーに溶離液成分が滞留してしまい、測定感度
および測定精度の低下を起こすことが発見された。
【0007】小口径の分離カラムおよびサプレッサーを
用いた液体クロマトグラフ装置(以下、小口径クロマト
グラフ装置とする)とは、分離カラムおよびサプレッサ
ーを通常より小口径とすることにより、少量の試料でも
高感度の分析が可能である、少量の溶離液での分析が可
能である(口径が半分であれば、溶離液は1/4で済
む)、測定感度が良好である(口径が半分であれば溶離
液に対する試料濃度は4倍となり、感度は約4倍とな
る)、等の優れた特性を実現したものである。
【0008】ところが、本発明者らの検討によれば、小
口径型クロマトグラフ装置では、装置(分離カラムおよ
びサプレッサー)が耐えることができる濃度まで溶離液
濃度を高くして使用した場合は、高濃度溶離液でマトリ
ックス成分を溶離した後に、溶離液濃度を通常の測定濃
度に下げても高濃度の溶離液成分がサプレッサーに滞留
し、測定目的成分の測定感度の低下および測定精度の低
下を引き起こすことを見出した。
【0009】例えば、陰イオンを分析する場合は、通
常、溶離液にナトリウム塩溶液を使用するが、小口径型
クロマトグラフ装置でグラジエント分析法を利用した場
合には、溶離液濃度を高くした際にサプレッサーでナト
リウムイオンと水素イオンが充分にイオン交換されず、
サプレッサーのイオン交換膜表面および膜内部にナトリ
ウムイオンが滞留してしまう。そのため、溶離液濃度を
通常使用濃度まで下げてもサプレッサーのイオン交換膜
表面および膜内部にナトリウムイオンが残留していると
推察される。
【0010】イオン交換膜表面および膜内部のナトリウ
ムイオン濃度が、測定時における溶離液濃度と同等の濃
度まで低下しないうちに次の試料を注入すると、サプレ
ッサー内において、測定目的成分のナトリウム塩から酸
の形態へのイオン交換による変化が、通常の状態に比べ
て非定量的に不完全にしか行われないために、測定目的
成分の非定量的な感度の減少を生じる。これを防ぐには
水〜測定時濃度程度の溶離液で洗浄を行い、装置のフロ
ー内部を通常状態に戻せばよいが、小口径型クロマトグ
ラフ装置の場合、装置の洗浄に1時間以上必要であり、
測定時間の増大を招く。
【0011】他方、マトリックス成分による問題点を解
決するため、図9に示されるように、測定用の分離カラ
ム62の上流に、分離カラム62に比べて分離成分の溶
離時間が短いガードカラム等のマトリックス分離カラム
60を取り付け、マトリックス分離カラム60と分離カ
ラム62の間に経路切り替え用の三方切替弁64を設け
る構成も考えられる。このクロマトグラフ装置は、試料
aをマトリックス分離カラム60に流入し、次いで分離
カラム62に流入するものであり、分離カラム62を通
過した目的成分は、サプレッサーに流入して電気伝導度
検出器によって検出される。
【0012】一方、試料中の目的成分がマトリックス分
離カラム60を通過したことを確認すると、三方切替弁
64を切り替えることによって、マトリックス成分を分
離カラム62には送らずに廃液瓶66に流す。ここで、
前述のようにマトリックス分離カラム60は、マトリッ
クス成分の溶離時間が短いので、マトリックス成分は迅
速にマトリックス分離カラム60を通過し、次回の測定
を迅速に行うことが可能となる。
【0013】ところが、マトリックス成分の濃度によ
り、目的成分のマトリックス分離カラム60からの溶離
時間が変化し、しかもマトリックス成分と測定目的成分
の溶離時間差が短いために、三方切替弁64の切替えタ
イミング設定が難しく、実用化は困難である。また、マ
トリックス分離カラム60を、目的成分とマトリックス
成分との溶離時間の差が大きいものにして、三方切替弁
64の切替えタイミングを設定し易くした場合は、目的
成分のマトリックス分離カラム60および分離カラム6
2からの溶離時間が長くなり、分析時間の増大を招く。
【0014】他方、特開平3−242552号公報に
は、分離カラムの下流に、試料流路と洗浄液供給源とを
択一的に切り替える切替弁を設け、この三方切替弁より
分離カラムに洗浄液を供給して、分離カラムを洗浄可能
にした液体クロマトグラフ装置(金属成分分析装置)が
開示されている。
【0015】しかしながら、この公報に開示される装置
は、多数回の使用によって能力の低下した分離(濃縮)
カラムを洗浄して、分離能力を復活させることを目的と
したもので、分離カラムの洗浄は装置による分析操作を
完全に停止した後でないと行うことは不可能である。従
って、この公報に開示される装置では、液体クロマトグ
ラフィーにおいて、グラジエント分析方法を利用した迅
速な連続分析は不可能であり、特に、サプレッサーを用
いる液体クロマトグラフ、さらには小口径の分離カラム
およびサプレッサーを用いる小口径型クロマトグラフ装
置が特有に有する前述の問題点を解決しての迅速な連続
分析は不可能である。
【0016】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、グラジエント法を利用した液体ク
ロマトグラフィーにおいて、分離カラムからマトリック
ス成分を迅速に溶離して、マトリックス成分に起因する
測定感度および精度の低下のない、高精度な連続測定を
迅速に行うことができ、特に、分離カラムおよびサプレ
ッサーを用いる液体クロマトグラフィー(イオンクロマ
トグラフィー)で、近年注目されている小口径の分離カ
ラムおよびサプレッサーを用いた液体クロマトグラフィ
ーに好適に利用される、液体クロマトグラフィーのグラ
ジエント分析方法、およびこれを利用する装置を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の液体クロマトグラフィーのグラジエント分
析方法は、分離カラムとサプレッサーとを用いる液体ク
ロマトグラフィーにおいて、測定用溶離液によって目的
成分が前記分離カラムから流出した後に、前記測定用溶
離液よりも溶離能力の高い除去用溶離液を前記分離カラ
ムに流入して不要成分を分離カラムから流出せしめるグ
ラジエント分析方法であって、前記除去用溶離液を前記
分離カラムに流入すると共に前記分離カラムからの流出
経路をサプレッサーとは別の経路に切り換え、同時に前
記サプレッサーに前記除去用溶離液より溶離能力の低い
補助溶離液を流入することを特徴とする液体クロマトグ
ラフィーのグラジエント分析方法を提供する。
【0018】また、前記分離カラムおよびサプレッサー
の口径が3mm以下であるのが好ましい。
【0019】さらに、前記分析方法を利用する、本発明
の液体クロマトグラフィーのグラジエント分析装置は、
目的成分が分離カラムから流出した後に、測定用溶離液
より溶離能力の高い除去用溶離液を前記分離カラムに流
入して不要成分を分離カラムから流出せしめるグラジエ
ント分析を行う液体クロマトグラフィーのグラジエント
分析装置であって、分離カラムと、前記分離カラムの下
流側に配置されるサプレッサーと、前記サプレッサーに
流入した目的成分を検出する検出手段と、試料、前記分
離カラム中の成分を溶離する測定用溶離液、および前記
測定用溶離液よりも溶離能力の高い除去用溶離液をそれ
ぞれ前記分離カラムに供給する手段と、前記除去用溶離
液より溶離能力の低い補助溶離液を前記サプレッサーに
供給するための補助溶離液供給手段と、前記分離カラム
およびサプレッサーの間に配置され、前記分離カラムま
たは補助溶液供給手段と前記サプレッサーまたは廃液経
路とを接続自在にする多方向切換弁および流路とを有
し、前記検出手段による目的成分の検出が終了した後、
前記分離カラムに前記除去用溶離液を供給すると共に、
前記多方向切替弁を切り替え、前記分離カラムからの流
出経路を廃液経路に接続し、補助溶液供給手段と前記サ
プレッサーとを接続することを特徴とする液体クロマト
グラフィーのグラジエント分析装置を提供する。
【0020】また、前記分離カラムおよびサプレッサー
の口径が3mm以下である請求項3に記載のサプレッサー
を用いるのがが好ましい。
【0021】以下、本発明の液体クロマトグラフィーの
グラジエント分析方法および装置について、添付の図面
に示される好適実施例をもとに詳細に説明する。図1に
本発明の液体クロマトグラフィーのグラジエント分析方
法(以下、分析方法とする)を実施する、本発明の液体
クロマトグラフィーのグラジエント分析方法(以下、分
析装置とする)の概念図を示す。
【0022】図示例の分析装置は、各成分を分離する分
離カラム24、サプレッサー32、電気伝導度検出セル
34および電気伝導度検出器36を用いる、いわゆるイ
オンクロマトグラフィー(IC)を行う装置であって、
前記各部位に加え、オートサンプラー10、第1溶離液
槽12、第2溶離液槽14、濃度コントロールポンプ2
0、試料・溶離液切替弁16、多方向切替弁26、第3
溶離液槽28、第1廃液瓶40等の各種の部位が適宜組
み合わされて、接続されて構成される。このような本発
明の分析装置は、目的成分が分離カラム24から溶離し
た後に、分離カラム24に高溶離力の除去用溶離液を流
入し、マトリックス成分を迅速に溶離する、いわゆるグ
ラジエント分析方法を行うものである。
【0023】オートサンプラー10は、調整されたサン
プルを一定量採取して試料ループ22に供給するもので
ある。図示例の装置において、試料はオートサンプラー
10より試料・溶離液切替弁16に接続される試料ルー
プ22に注入され、この試料ループ22より分離カラム
24に流入される。本発明においては各種の公知のオー
トサンプラーがすべて利用可能である。また、本発明の
分析装置においては、オートサンプラー10は必ずしも
使用する必要はない。
【0024】一方、第1溶離液槽12は水等の希薄な溶
離液を充填し、また、第2溶離液槽14は測定に使用す
る測定用溶離液の5〜100倍程度、好ましくは十倍程
度の高濃度溶離液を充填する。
【0025】両溶離液槽には、脱気装置18および濃度
コントロールポンプ20が接続される。濃度コントロー
ルポンプ20は、両溶離液槽に充填される溶離液を汲み
上げ、混合・濃度調整して、測定時に分離カラム24か
ら目的成分を溶離するための測定用溶離液、あるいは測
定用溶離液よりも高濃度で溶離能力の高い除去用溶離液
を調整・吐出し、試料・溶離液切替弁16に供給する。
【0026】本発明においては、このような濃度コント
ロールポンプ20を利用するのに限定はされず、あらか
じめ測定用溶離液と除去用溶離液とを調整しておき、異
なるポンプで分離カラム24に供給する方法等、測定用
溶離液あるいは除去用溶離液を択一的に分離カラム24
に供給可能な公知の方法がすべて利用可能である。
【0027】オートサンプラー10および濃度コントロ
ールポンプ20は共に試料・溶離液切替弁16に接続さ
れる。試料・溶離液切替弁16は直結あるいは試料ルー
プ22を介して接続される2つの4方向切替弁で構成さ
れ、オートサンプラー10および濃度コントロールポン
プ20を、試料ループ22を介してあるいは介さずに、
分離カラム24および第1廃液瓶40に接続する。
【0028】なお、本発明においては、このような4方
向切替弁を2個組み合わせた試料・溶離液切替弁16を
使用しなくても、試料、測定用溶離液および除去用溶離
液のそれぞれに独立のポンプおよび経路切替手段を設け
る構成等、試料、測定用溶離液および除去用溶離液のそ
れぞれを独立して試料ループ22、分離カラム24等に
供給可能な構成がいずれも利用可能である。
【0029】試料・溶離液切替弁16の下流には分離カ
ラム24が配置される。分離カラム24は、試料に含有
される各成分を一旦保持(滞留)した後に溶離すること
で試料中の各成分を分離するもので、試料中の各成分
は、溶離液の流量や溶離能力に応じた各成分毎の溶離時
間(保持時間)に応じて、溶離時間の短いものから順次
溶離されて分離される。
【0030】本発明の分析装置(方法)において、分離
カラム24には特に限定はなく、測定する目的成分に応
じて、公知の分離カラムがすべて利用可能である。ここ
で、本発明はグラジエント分析を行うものであり、後に
詳述するが、除去用溶離液がサプレッサー32に流入す
ることがないので、サプレッサー32に溶離液成分が滞
留することによる測定感度や精度の低下がない。特に小
口径のサプレッサーにおいては、この利点は極めて重要
な意味を持つ。従って、少量の試料、少量の溶離液での
分析が可能で、測定感度を良好とできる、通常より口径
の小さい、好ましくは口径が3ミリ以下の小口径型の分
離カラムは、特に好適に利用可能である。
【0031】分離カラム24の下流には、4方向切替弁
である多方向切替弁26が配置される。多方向切替弁2
6には、除去用溶離液より溶離能力が低い、好ましくは
測定用溶離液とほぼ同等すなわち測定用溶離液と同様の
溶離力を有する(あるいは測定用溶離液と同じ組成の)
補助溶離液を充填しかつ供給する第3溶離液槽28が接
続される。さらに、多方向切替弁26の残りの口は、溶
離液成分を電気伝導度の低い形態に変えて電気伝導度測
定のバックグラウンドレベルを低下するサプレッサー3
2および第1廃液瓶40に接続される。
【0032】すなわち、図示例の分析装置においては、
分離カラム24および第3溶離液槽28は、多方向切替
弁26によってサプレッサー32および第1廃液瓶40
に択一的に接続自在にされる。
【0033】本発明の分析装置(方法)は、このような
構成を有することにより、グラジエント分析方法におい
て、マトリックス成分を分離カラム24から迅速に溶離
するための除去用溶離液をサプレッサー32に流入する
ことなく、第1廃液瓶40に流すことができる。
【0034】周知のように、グラジエント分析方法と
は、測定時には測定用の希薄な溶離液(測定用溶離液)
を用いてクロマトグラムのピークをシャープに出し、目
的成分が分離カラム24から溶離した後に、高濃度の溶
離液(除去用溶離液)を使用して分離カラム24からの
溶離の遅い成分の溶離を促進することにより、液体クロ
マトグラフ装置による迅速な連続分析を可能とする方法
である。なお、本来は徐々に濃度を変える(濃度勾配を
付ける)ことを意味しているが、低濃度から高濃度に一
挙に変えても別に問題はない。本発明者らの新たな知見
によれば、分離カラムおよびサプレッサーの口径が3mm
以下の小口径型クロマトグラフ装置で特に顕著に確認さ
れたが、高濃度溶離液を使用すると、マトリックス成分
を分離カラム24から溶離した後に、溶離液を希薄なも
のに変更しても、高濃度溶離液成分がサプレッサーに滞
留し、測定目的成分の測定感度の低下および測定精度の
低下を引き起こすのは前述のとおりである。
【0035】これに対し、本発明の分析装置(方法)に
よれば、除去用溶離液を分離カラム24に供給する際に
は、多方向切替弁26によって分離カラム24と第1廃
液瓶40とを接続し、除去用溶離液をサプレッサー32
に流入することなく、分離カラム24に残留するマトリ
ックス成分を迅速に溶離できる。しかも、この際にはサ
プレッサー32には第3溶離液槽28が接続され、測定
用溶離液と同等の補助溶離液が供給されているので、サ
プレッサー32は安定して立ち上がった状態となってお
り、分離カラム24からのマトリックス成分溶離終了
後、即座に次回の測定を行うことが可能である。従っ
て、本発明によれば、グラジエント法を利用した液体ク
ロマトグラフィーにおいて、除去用溶離液による悪影響
をサプレッサーや検出器に与えることがなく、分離カラ
ムからマトリックス成分を迅速に溶離して、マトリック
ス成分に起因する測定感度および精度の低下のない、高
精度な連続測定を迅速に行うことができ、特に、小口径
の分離カラムおよびサプレッサーを用いた液体クロマト
グラフィーに好適に利用可能である。
【0036】本発明に利用可能なサプレッサー32には
特に限定はなく、測定する目的成分に応じて、公知の分
離カラムがすべて利用可能であり、また、イオン交換膜
方式であっても電気透析型であってもよい。ここで、前
述のように本発明においてはサプレッサー32への除去
用溶離液の流入がなく、サプレッサー32に溶離液成分
が滞留することによる測定感度や精度の低下がないの
で、少量の試料、少量の溶離液での分析が可能で、測定
感度を良好とできる、小口径型のサプレッサーが特に好
適に利用可能である。
【0037】本発明においては、図示例のような第3溶
離液槽28を設けて補助溶離液をサプレッサーに供給す
るのに限定はされず、供給手段を設けて第1溶離液槽に
充填される希薄な溶離液を供給するように構成してもよ
い。
【0038】また、サプレッサー32には、サプレッサ
ー32の能力を再生するための再生液供給手段30が接
続が配置される。使用された再生液は、第2廃液瓶42
に排出される。
【0039】サプレッサー32の下流には、電気伝導度
検出セル34が配置され、この電気伝導度検出セル34
には第3廃液瓶44が接続される。また、電気伝導度検
出セル34には、溶離液の電気伝導度を計測して目的成
分を検出する電気伝導度検出器36が(電気的に)接続
され、この電気伝導度検出器36による計測結果は記録
装置38に記録される。
【0040】以下、本発明の分析装置(方法)の作用に
ついて説明する。まず、図1に示される状態に試料・溶
離液切替弁16および多方向切替弁26が切り替えら
れ、オートサンプラー10と試料ループ22、濃度コン
トロールポンプ20と分離カラム24、さらに分離カラ
ム24とサプレッサー32とが、それぞれ接続される。
この状態でオートサンプラー10から試料ループ22に
試料が注入される。また、第1溶離液槽12および第2
溶離液槽14に充填される希薄および高濃度溶離液は、
脱気装置18で脱気されつつ濃度コントロールポンプ2
0によって汲み上げられ、混合・濃度調整されて測定用
溶離液とされて試料・溶離液切替弁16に供給され、分
離カラム24〜サプレッサー32〜第3廃液瓶44に至
る主経路を流れている。なお、脱気装置18は設置が望
まれるが、本発明の場合には急に濃度が変わるので、必
ずしも脱気しなくてもガス泡による一時的な変動はさほ
ど致命的ではなく、必須の要件ではない。
【0041】試料ループ22への試料注入が終了する
と、試料・溶離液切替弁16が切り替えられて図2に示
される状態となり、濃度コントロールポンプ20、試料
ループ22および分離カラム24が接続されて、測定が
開始される。すなわち、試料ループ22に測定用溶離液
が供給され、試料はこの測定用溶離液と共に分離カラム
24に流入する。分離カラム24に試料(測定用溶離
液)が流入し、さらに測定用溶離液が供給されると、試
料中の成分のうち溶離時間の短いものから分離カラム2
4より流出し、多方向切換弁26を通過してサプレッサ
ー32で溶離液成分のバックグラウンドが低下され、次
いで電気伝導度検出セル34に流入して、電気伝導度検
出器36によって電気伝導度が測定されて、目的成分が
検出され、記録装置38に記録される。また、電気伝導
度検出セル34を通過した測定用溶離液(目的成分)
は、第3廃液瓶44に排出される。
【0042】電気伝導度検出器36あるいは記録装置3
8によって目的成分がすべて分離カラム24より流出し
たことが確認されると、多方向切替弁26が切り替えら
れ図3に示される状態となり、分離カラム24と第1廃
液瓶40が、第3溶離液槽28とサプレッサー32が、
それぞれ接続される。同時に、第3溶離液槽28からサ
プレッサー32に補助溶離液が供給され、他方、濃度コ
ントロールポンプ20は第1溶離液槽12および第2溶
離液槽14からの各溶離液の混合量を調整して除去用溶
離液とし、これを分離カラム24に供給して、残留する
マトリックス成分を迅速に溶離する。この際、必要に応
じて除去用溶離液の流量を増量してもよい。分離カラム
24を通過した除去用溶離液およびマトリックス成分
は、サプレッサー32には流入せずに第1廃液瓶40に
排出される。
【0043】分離カラム24からのマトリックス成分の
溶離が終了すると、濃度コントロールポンプ20は再度
溶離液の濃度を調整して、数分間測定用溶離液を供給す
ることによって、除去用溶離液が供給された系内を測定
用溶離液に置換し、さらに、溶離液流量を調整した場合
には流量を測定流量に戻す。
【0044】測定用溶離液への置換が終了すると、多方
向切替弁26を切り替えて図2に示される状態として分
離カラム24とサプレッサー32とを接続し、測定用溶
離液を分離カラム24〜第3廃液瓶44に至る主経路全
体に流して系内を安定させ、所定時間経過後に、試料・
溶離液切替弁16を切り替えて図1に示される状態とし
て、次回の測定を待機する。
【0045】以上、本発明の液体クロマトグラフィーの
グラジエント分析方法および装置について詳細に説明し
たが、本発明は上述の例には限定されず、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において、各種の変更および改良を行
ってもよいのはもちろんである。
【0046】
【実施例】以下、本発明の液体クロマトグラフィーのグ
ラジエント分析方法および装置の具体的実施例を挙げ、
本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実
施例に限定されない。
【0047】<実施例1>過塩素酸数100mg/l溶
液中の濃度数100μg/l〜数mg/lの硫酸イオン
の測定を、図1〜3に示される本発明の分析装置を用
い、本発明の分析方法によって行った。なお、各溶離液
や測定条件等は下記のとおりである。
【0048】第一溶離液槽12 イオン交換水 第二溶離液槽14 18mM Na2 CO3 、17m
M NaHCO3 第三溶離液槽28 1.8mM Na2 CO3 、1.
7mM NaHCO3 溶離液流量 第一溶離液、第二溶離液あわせて0.5
ml/min、または0.8ml/min 第三溶離液 0.5ml/min 再生液 25mM H2 SO4 再生液流量 5ml/min 試料量 10μl 分離カラム24 ダイオネクス社製 IONPAC
AS4A−SC2mm サプレッサー32 ダイオネクス社製 AMMS(2m
m)
【0049】上記条件で、試料の分析を行った。まず、
図1に示される状態として、オートサンプラー10から
試料ループ22に試料を10μl打ち込む。この間、濃
度コントロールポンプ20からは、1.8mM Na2
CO3 、1.7mM NaHCO3 に調整された測定用
溶離液が0.5ml/minの流量で試料・溶離液切替
弁16に供給されている。
【0050】次いで、試料・溶離液切替弁16を図2に
示されるように切り替え、濃度コントロールポンプ2
0、試料ループ22および分離カラム24を接続して、
測定を開始した。
【0051】上記条件では、10分後に目的成分(硫酸
イオン)の検出終了が確認されたので、多方向切替弁2
6を切り替えて図3に示される状態とし、サプレッサー
32に第三溶離液槽28に充填される1.8mM Na
2 CO3 、1.7mM NaHCO3 の補助溶離液を供
給し、同時に濃度コントロールポンプ20によって溶離
液の濃度を調整し、18mM Na2 CO3 、17mM
NaHCO3 の除去用溶離液を試料ループ22および
分離カラム24に供給した。また、除去用溶離液に切り
替えた時点で、流量は0.8ml/minに増量した。
なお、この除去用溶離液は多方向切替弁26を経て第1
廃液瓶40に排出される。
【0052】測定開始より18分経過したところで、濃
度コントロールポンプ20によって溶離液の濃度を調整
し、分離カラム24に供給する溶離液を1.8mM N
2CO3 、1.7mM NaHCO3 の測定用溶離液
に変更し、流量を再度0.5ml/minとした。
【0053】23分経過後、マトリックス成分の溶離、
および系内の測定用溶離液置換がほぼ終了したと見な
し、多方向切替弁26を切り替えて図2に示される状態
として、分離カラム24から第3廃液瓶44に至る主経
路に測定用溶離液を流し、30分経過後に、試料・溶離
液切替弁16を切り替えて、図1に示される次回の測定
待機状態とし、一介の測定ルーチンを終了し、直ちに次
回の測定を開始した。すなわち、本実施例(発明例)で
は、30分で一回の測定操作が終了した。なお、測定用
溶離液への置換は、サプレッサー32に溶離液を流して
予備測定を行う方法や、発色剤を混ぜてポストカラム吸
光光度法で測定する方法等によって確認してもよい。
【0054】以上の測定ルーチンを繰り返した結果を図
4に示す。図4に示されるように、本発明によれば、測
定後直ちに次の試料を測定しても感度の低下は起こらず
良好な再現性が得られた。
【0055】<実施例2>上記実施例1において、測定
開始後10分経過後の多方向切替弁26の切り替えを行
わず、除去用溶離液供給を終了(実施例1での22分経
過時)した後の測定用溶離液の供給時間を種々変更し
て、同様の測定を行い、硫酸イオンを測定して検出感度
の変動を検討した。同様の測定を3回行った結果を図5
に示す。また、比較のために、本発明法として、測定開
始後10分経過後の多方向切替弁26の切り替えを行っ
て上記と同様の実験を行い、感度の変動を測定した結果
を図6に示す。
【0056】図6に示されるように、多方向切替弁26
の切り替えを行って除去用溶離液を流す本発明では感度
の変動は起こっていないが、図5に示されるように、本
発明を用いない場合は感度が変動し、回復には2時間程
度安定させて装置のフロー内の溶離液濃度置換を行う必
要がある。
【0057】<実施例3>溶離液をほう酸および水酸化
ナトリウムに変更した以外は、前記実施例2と全く同様
にして感度の変動を測定した。なお、ほう酸溶離液およ
び水酸化ナトリウム溶離液共に測定用溶離液の濃度は4
0mM、除去用溶離液の濃度は400mMとした。結果
を図7に示す。なお、図7において、△は水酸化ナトリ
ウム溶離液での結果を、□はほう酸溶離液での結果をそ
れぞれ示す。また、前記実施例2における結果(本発明
を用いる場合および用いない場合)を○として併記す
る。
【0058】図7に示されるように、従来法では、溶離
液の種類を変えても炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウ
ム混合溶離液の場合と同様に感度の回復には2時間程度
安定させて装置のフロー内の溶離液濃度置換を行う必要
がある。また、通常の一定の溶離液濃度で測定すると、
分析時間は1試料あたり75分以上必要である。
【0059】なお、以上の実施例は、サプレッサー32
としてイオン交換膜方式のサプレッサー(ダイオネクス
社製 AMMS(2mm))を用いた例であるが、電気
透析型のサプレッサーを用いた際にも、ほぼ同様の結果
が得られた。
【0060】以上の結果より、本発明の効果は明らかで
ある。
【0061】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のグ
ラジエント法を利用した液体クロマトグラフィー方法お
よび装置によれば、溶離力の高い除去用溶離液をサプレ
ッサーに流入することなく、分離カラムからマトリック
ス成分を迅速に溶離して、マトリックス成分に起因する
測定感度および精度の低下のない、高精度な連続測定を
迅速に行うことができる。サプレッサーに除去用溶離液
が流入することがないので、サプレッサーへの溶離液成
分による感度および精度低下を生じやすい小口径の分離
カラムおよびサプレッサーを用いた液体クロマトグラフ
ィーには、特に好適に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体クロマトグラフィーのグラジエン
ト分析装置の一例およびその動作を示す概念図である。
【図2】図1に示される液体クロマトグラフィーのグラ
ジエント分析装置の動作を示す概念図である。
【図3】図1に示される液体クロマトグラフィーのグラ
ジエント分析装置の動作を示す概念図である。
【図4】本発明の液体クロマトグラフィーのグラジエン
ト分析方法によるルーチン分析の結果を示すグラフであ
る。
【図5】従来の液体クロマトグラフィーのグラジエント
分析方法による安定時間と測定感度との関係を示すグラ
フである。
【図6】本発明の液体クロマトグラフィーのグラジエン
ト分析方法による安定時間と測定感度との関係を示すグ
ラフである。
【図7】本発明および従来の液体クロマトグラフィーの
グラジエント分析方法の別の例による安定時間と測定感
度との関係を示すグラフである。
【図8】(a)、(b)および(c)は、従来の液体ク
ロマトグラフィーにおいてルーチン分析を行った際のク
ロマトグラムである。
【図9】従来の液体クロマトグラフィーのグラジエント
分析方法を行う装置の一部を概念的に示す図である。
【符号の説明】
10 オートサンプラー 12 第1溶離液槽 14 第2溶離液槽 16 試料・溶離液切替弁 18 脱気装置 20 濃度コントロールポンプ 22 試料ループ 24 分離カラム 26 多方向切替弁 28 第3溶離液槽 30 再生液槽 32 サプレッサー 34 電気伝導度セル 36 電気伝導度検出器 38 記録装置 40 廃液瓶1 42 廃液瓶2 44 廃液瓶3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/34 G01N 30/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分離カラムとサプレッサーとを用いる液体
    クロマトグラフィーにおいて、測定用溶離液によって目
    的成分が前記分離カラムから流出した後に、前記測定用
    溶離液よりも溶離能力の高い除去用溶離液を前記分離カ
    ラムに流入して不要成分を分離カラムから流出せしめる
    グラジエント分析方法であって、 前記除去用溶離液を前記分離カラムに流入すると共に前
    記分離カラムからの流出経路をサプレッサーとは別の経
    路に切り換え、同時に前記サプレッサーに前記除去用溶
    離液より溶離能力の低い補助溶離液を流入することを特
    徴とする液体クロマトグラフィーのグラジエント分析方
    法。
  2. 【請求項2】前記分離カラムおよびサプレッサーの口径
    が3mm以下である請求項1に記載の液体クロマトグラフ
    ィーのグラジエント分析方法。
  3. 【請求項3】目的成分が分離カラムから流出した後に、
    測定用溶離液より溶離能力の高い除去用溶離液を前記分
    離カラムに流入して不要成分を分離カラムから流出せし
    めるグラジエント分析を行う液体クロマトグラフィーの
    グラジエント分析装置であって、 分離カラムと、前記分離カラムの下流側に配置されるサ
    プレッサーと、前記サプレッサーに流入した目的成分を
    検出する検出手段と、試料、前記分離カラム中の成分を
    溶離する測定用溶離液、および前記測定用溶離液よりも
    溶離能力の高い除去用溶離液をそれぞれ前記分離カラム
    に供給する手段と、前記除去用溶離液より溶離能力の低
    い補助溶離液を前記サプレッサーに供給するための補助
    溶離液供給手段と、前記分離カラムおよびサプレッサー
    の間に配置され、前記分離カラムまたは補助溶液供給手
    段と前記サプレッサーまたは廃液経路とを接続自在にす
    る多方向切換弁および流路とを有し、 前記検出手段による目的成分の検出が終了した後、前記
    分離カラムに前記除去用溶離液を供給すると共に、前記
    多方向切替弁を切り替え、前記分離カラムからの流出経
    路を廃液経路に接続し、補助溶液供給手段と前記サプレ
    ッサーとを接続することを特徴とする液体クロマトグラ
    フィーのグラジエント分析装置。
  4. 【請求項4】前記分離カラムおよびサプレッサーの口径
    が3mm以下である請求項3に記載の液体クロマトグラフ
    ィーのグラジエント分析装置。
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