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JP3313330B2 - 金属板を圧延する冷間タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方法 - Google Patents
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JP3313330B2 - 金属板を圧延する冷間タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方法 - Google Patents

金属板を圧延する冷間タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方法

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JP3313330B2
JP3313330B2 JP31634298A JP31634298A JP3313330B2 JP 3313330 B2 JP3313330 B2 JP 3313330B2 JP 31634298 A JP31634298 A JP 31634298A JP 31634298 A JP31634298 A JP 31634298A JP 3313330 B2 JP3313330 B2 JP 3313330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板を圧延する
冷間タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方法に係
り、特に光沢の優れた金属板を圧延するのに好適な冷間
タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、上下一対の圧延用ロールを用いた
金属板の冷間圧延、例えば、最も光沢が要求されるステ
ンレス鋼板の圧延は、ロール直径80mmφ程度で鏡面研磨
された小径の圧延用ロール(以下、ロールと呼ぶ。)を
備えたクラスタ型圧延機を用いて、低粘度油(10cSt (40
℃) 程度) の鉱物系圧延潤滑油を施しつつ、低速で行わ
れていた。
【0003】これに対して、近年、生産コストの低減の
ために、大径ロールを用いたタンデム圧延で行われるよ
うになった。タンデム圧延においては、ロール径を大き
くし、高速圧延とするために、高粘度の圧延潤滑油を用
いてロールと鋼板との焼き付きを防止している。このた
め、ロールバイト内に引き込まれる潤滑油量が増大し、
油膜厚さが厚くなるので、深さ数μm 程度のオイルピッ
トと呼ばれるミクロ欠陥が発生する。また、ロールの研
磨目が転写し深さ1μm 程度のスクラッチと呼ばれるミ
クロ欠陥も発生する。これらのミクロ欠陥により、タン
デム圧延された鋼板は粗度が大きく一般に光沢が劣るの
である。
【0004】このようなタンデム圧延において光沢を改
善するために、たとえば、冷間タンデム圧延機の最終ス
タンドのロールに超硬合金の複合ロールを適用してタン
デム圧延することが提案されている。また、特開平8 −
267109号公報には、光沢の改善を目的として、円周方向
に対して傾斜し、互いに交差させてなるクロス研磨目を
付与したロールを用いて圧延することが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷間タ
ンデム圧延機の最終スタンドのロールに超硬合金の複合
ロールを適用しても円周方向に平行な研磨目を付与して
タンデム圧延を施していたので、光沢が光沢度400(GS20
°) 程度で不十分な場合があり、さらに光沢を改善する
ことが望まれていた。また、クロス研磨目は通常の円周
方向に平行な研磨目を付与する場合に比較して、研磨コ
ストが高く研磨時間が長いので、少ないスタンドのロー
ルに付与することが要求されていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、従来技術が抱え
ている上記の問題点を解消することにあり、光沢度700
(GS20°) を超える光沢の優れた金属板を低コストで圧
延できる冷間タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者等は、上記課題の
解決に向けて鋭意検討を行った結果、本発明を完成させ
るに到った。すなわち、本発明は、上下一対の圧延用ロ
ールを設けたスタンドを複数連続して金属板を圧延する
冷間タンデム圧延機において、少なくとも最終スタンド
の上下一対の圧延用ロールを超硬合金製とし、該超硬合
金製の圧延用ロールの表面に円周方向に対して平行な研
磨目を付与し、一方少なくとも第1スタンドを含む他の
スタンドの上下一対の圧延用ロールを鋼製とし、該鋼製
の圧延用ロールの表面に円周方向に対して傾斜し互いに
交差した研磨目を有するクロス研磨目付与し、各スタ
ドに組み込んだことを特徴とする金属板を圧延する冷
間タンデム圧延機である。
【0008】前記クロス研磨目を付与した上下一対のロ
ールを、一つのスタンドに組み込むときは、第1スタン
ド、最終スタンドの1つ上流側のスタンドおよび最終ス
タンドの内のいずれかのスタンドに組み込むことが好ま
しく、最終スタンド組み込むのがさらに好ましい。ま
た、クロス研磨目を付与した上下一対のロールを複数ス
タンドに組み込むときは、連続するスタンドに組み込む
のが好ましく、第1スタンドを含む順次下流側のスタン
ド、最終スタンドの1つ上流側のスタンドを含む順次上
流側のスタンドまたは最終スタンドを含む順次上流側の
スタンドに組み込むのがさらに好ましい。また、前記超
硬合金製とした上下一対のロールを複数スタンドに組み
込むときは、最終スタンドを含む順次上流側のスタンド
にするのが好ましい。また、前記最終スタンドの超硬合
金製とした上下一対のロールを粗さRa0.05μm 以下の鏡
面研磨としてもよい。
【0009】また、前記冷間タンデム圧延機を用いて金
属板を圧延する冷間タンデム圧延方法である。また、前
記金属板が、熱間圧延後に焼鈍、酸洗、あるいはさらに
予備処理圧延を施されたステンレス鋼板であることを特
徴とする金属板を圧延する冷間タンデム圧延方法であ
る。
【0010】また、前記予備処理圧延が、円周方向に対
して傾斜し互いに交差した研磨目を有するクロス研磨目
を付与してなる上下一対のロールを用いて施されたこと
を特徴とする金属板を圧延する冷間タンデム圧延方法で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のタンデム圧延機の少なく
とも最終スタンドに用いる超硬合金ロールは、金属板に
接触するロール表層部分を超硬合金とし、これを鋼系材
質の心材に嵌合した構造のスリーブ型複合ロールとする
のがコスト低減に有利である。超硬合金としては、WCに
Co、Ni、Cr、Ti等を添加して破壊靱性を向上させたWC合
金が好適で、その内でもCoを添加したものがより好まし
い。WC合金の他に、ジルコニア(ZrO2)、サイアロン、
等の超硬合金がロールとして使用できる。
【0012】複合ロールのロール表層部分のヤング率
は、鋼系の21000kgf/mm2よりも大きくし、35000kgf/mm2
以上にするのが好ましい。ロール表層部分のヤング率を
35000kgf/mm2以上にすると光沢が顕著に向上するためで
ある。また、複合ロールのロール表層部分の厚みは、表
面光沢に大きな影響を与えることから、圧延中の偏平ロ
ール半径がWC合金一体ロールと大きく異ならず且つ製造
コストも考慮して適切にする必要があり、スリーブの厚
みとロール半径との比を、3%以上にすることが好まし
い。この理由は、WC合金一体ロールとの光沢度の差が10
%以内に収まり、WC合金一体ロールに匹敵する十分な光
沢向上効果が得られるからである。
【0013】但し、製造コストの許容範囲で一体ロール
としてもよい。上記の超硬合金ロールをタンデム圧延機
の少なくとも最終スタンドとしたのは、最終スタンドが
最もタンデム圧延機出側の金属板粗度を小さくでき、最
終スタンドを超硬合金製ロールとしないと、光沢度を向
上する効果が小さいためである。 本発明のタンデム圧
延機の1スタンド以上に組み込む上下一対のロールに施
されたクロス研磨目について詳細に説明する。
【0014】本発明に用いるクロス研磨目は、例えば図
1に示すように、円周方向に対して、時計回り方向に傾
斜角度θ1 をなす研磨跡(以下、研磨目と称す。)と、
反時計回り方向に傾斜角度θ2 をなす研磨目とが、互い
に交差するように表面に付与されたものである。ここ
で、図 1(a)は、研磨目の傾斜角度θ1 及びθ2 をそ
れぞれ均一とした研磨目であって、傾斜角度θ1 の平均
値と傾斜角度θ2 の平均値が略同じ場合を示しているが
クロス研磨目はこれに限られるものでない。図1(b)
に示すように、研磨目の傾斜角度θ1 及びθ2 をそれぞ
れ均一とし、傾斜角度θ1 の平均値と傾斜角度θ2 の平
均値を異ならせてもよい。また、図1(c)に示すよう
に研磨目の傾斜角度θ1 及びθ2 を不均一とし、傾斜角
度θ1 の平均値と傾斜角度θ2 の平均値を同じとしても
よいし、異ならせてもよい。
【0015】クロス研磨目をロールに付与すると、ロー
ルバイト内において金属板表面近傍の圧延方向の剪断変
形が大きくなり、金属板表面を平滑化して、スクラッチ
を削減できるとともに、クロス研磨目であることから圧
延油の封入を防ぎ、オイルピットの発生を少なくでき
る。さらに圧延方向の剪断変形が大きいので、圧延前の
金属板粗度も平滑化できて、圧延後の金属板粗度を小さ
くする。このため、金属板の光沢を向上できるのであ
る。
【0016】クロス研磨目の傾斜角度の平均値は、5〜
85°とするのが好ましい。この理由は、クロス研磨目の
斜角度の平均値が5 °未満では、相対滑りが大きい大
径ロールであっても平滑化効果が小さくなって光沢が向
上せず、一方、クロス研磨目の斜角度の平均値が85°
を超えると、クロス研磨目の圧延油封入抑制効果が小さ
くなり光沢が向上しないからである。
【0017】クロス研磨目の粗度は、中心線平均粗さRa
で0.04〜4.0 μm の範囲とするのが好ましい。クロス研
磨目の粗度が中心線平均粗さRaで0.04μm 未満では、平
滑化効果が小さいために光沢が向上せず、クロス研磨目
の粗度が中心線平均粗さRaで4.0 μm を超えると、クロ
ス研磨目の平滑化効果よりもスクラッチが転写する効果
が大きくなって、光沢が向上しないからである。
【0018】本発明のクロス研磨目は、連続的でなく断
続的としている。この理由は、タンデム圧延機の大径ロ
ールでは、研磨目を断続としてもロールバイト内の相対
滑り距離が数mmになり、数μm のオイルピット欠陥の大
きさの数百倍以上になっているので、オイルピット欠陥
を平滑化できるからある。また、クロス研磨目は断続的
でよいので連続するスパイラルマーク状の研磨目のよう
に研磨前にロール表面を鏡面仕上げする必要がなく、研
磨目を深くする必要もないので、研磨目を容易かつ効率
的に付与できる。
【0019】上記クロス研磨目を付与した上下一対のロ
ールをタンデム圧延機の1スタンド以上に組み込むこと
により、全スタンドの上下一対のロールに通常の円周方
向に平行な研磨目を付与した場合に比較して、金属板粗
度が減少するクロス研磨目による金属板粗度の低減効果
と、少なくとも最終スタンドを超硬合金ロールとして金
属板粗度を低減する効果とが相乗的に作用して、光沢が
向上するのである。
【0020】
【実施例】(実施例1)図2に示す鋼板を圧延する5ス
タンドからなる冷間タンデム圧延機の場合を例に説明す
る。図2において、最終スタンドの上下一対のロール2
EにWC-20wt%Coの超硬合金製ロール(肉厚30mmの複合ロ
ール) を用い、その他の第1〜第4スタンドの上下一対
のロール2A〜2Dに、5wt%Cr鍛鋼製ロールを用いたも
のであって、バックアップロール3A〜3Eおよびクー
ラントノズル4A〜4Eを備えている。被圧延材である
鋼板1は、図中左方向から右方向に圧延される。クーラ
ントノズル4A〜4Eからは圧延潤滑油が、ロール2A
〜2Eおよび鋼板1の上下に供給され、上下のロール2
A〜2Eを冷却しつつ、上下の、圧延材1およびロール
2A〜2Eを潤滑する。
【0021】本発明者らは、上記5スタンドからなるタ
ンデム圧延機で光沢の優れた鋼板を製造するために、表
1に示したロール条件Aの第1〜第4スタンド: 5wt%Cr
鍛鋼製ロール、第5スタンド: WC-20wt%Co製ロールとさ
れたロールに対して、最終スタンドのロールには通常研
磨目を付与し、第1〜第4スタンドには表2の研磨条件
1b〜1jに示したスタンドのロールにクロス研磨目を付与
して圧延を行った。
【0022】クロス研磨目は傾斜角度θ1 、θ2 の平均
値45°、傾斜角度θ1 、θ2 の標準偏差13°、粗度Ra0.
5 μm とし、通常研磨目は円周方向に平行な研磨目であ
ってその粗度をRa0.5 μm とした。上記ロールを用い
て、熱延後、焼鈍、酸洗を施された素材厚さ2.0mm のSU
S430フェライト系ステンレス鋼を、厚さ0.5mm に最終ス
タンドロール速度500m/minで10コイル(20ton/ コイル)
圧延し発明例とした。(実施例1−1とする。)その
際、粘度40cSt(40℃) 、濃度5%の圧延潤滑油を供給し
た。
【0023】従来例は、表1に示したロール条件Aのロ
ールに対して、表2の研磨条件1aに示したように第1〜
第5スタンドの上下ロールに粗度Ra0.5 μm の通常研磨
目を付与して、同様に10コイル(20ton/ コイル) 圧延し
た。前記圧延機にて冷間圧延した10コイルについて、焼
鈍、酸洗、調質圧延した後、各コイルの表裏の鋼板の光
沢度(GS20°、JIS Z8741 光沢度測定方法)を調査
し、平均値を求めた。
【0024】その結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2のロール条件Aの結果から以下のこと
がわかる。従来例よりも光沢の優れた鋼板を得るために
は、:最終スタンドの上下一対のロールを超硬合金製
とし、クロス研磨目が付与された上下一対のロールを1
スタンド以上に組み込むとよい。:クロス研磨目を付
与した上下一対のロールを一つのスタンドに組み込むと
きは、第1スタンドまたは最終スタンドの一つ上流スタ
ンドに組み込むことが好ましい。:クロス研磨目を付
与した上下一対のロールを複数スタンドに組み込むとき
は、連続するスタンドに組み込むのが好ましく、第1ス
タンドを含む順次下流側のスタンドまたは最終スタンド
の1つ上流側のスタンドを含む順次上流側のスタンドに
組み込むのがさらに好ましい。
【0028】但し、クロス研磨目は研削するコストが通
常研磨目よりも高いので、生産コストの許容範囲内でク
ロス研磨目を組み込むスタンド数を決定するのが好まし
い。さらに、本発明者らは、WC-20wt%Co製の超硬合金ロ
ールを組み込むスタンドを表1に示したロール条件B、
ロール条件C、ロール条件Dおよびロール条件Eのよう
に増加させかつ表2の研磨条件1b〜1jに示したスタンド
のロールにクロス研磨目を付与し、その他の条件は前記
実施例1−1と同じにしてタンデム圧延し発明例とした
(実施例1−2とする。)。
【0029】タンデム圧延した10コイルについて、焼
鈍、酸洗、調質圧延した後、各コイルの表裏の鋼板の光
沢度(GS20°、JIS Z8741 光沢度測定方法)を調査し
平均値を求めた。この結果を表2のロール条件B〜Eに
示す。表2に示したロール条件B〜Eの結果と従来例と
比較することにより、従来例よりも光沢の優れた鋼板
を得るためには、最終スタンドを含む複数のスタンドの
上下一対のロールを超硬合金製とし、クロス研磨目が付
与された上下一対のロールを1スタンド以上に組み込む
とよいことがわかる。
【0030】また、ロール条件を固定し、研磨条件1b〜
1jの光沢度を比較することにより、前記実施例1−1の
およびの結果と同じにすればよいことがわかる。ま
た、表2の研磨条件を固定し、ロール条件B〜Eの結果
を比較することにより、超硬合金製とした上下一対のロ
ールを複数スタンドに組み込むときは、最終スタンドを
含む連続するスタンドにするのが好ましいことがわか
る。第1スタンドの上下一対のロールを超硬合金製とし
ない理由は、超硬合金製ロールの光沢向上効果はロール
バイト内に引き込まれる油膜厚みの低減によるものであ
って、鋼板粗度が大きい第1スタンドでは後段に比べて
効果が小さいからである。 (実施例2)本発明者らは、さらに光沢を向上させるた
め前記5スタンドタンデム圧延機を用いて、最終スタン
ドの超硬合金製ロールに付与する研磨目を、実施例1で
施した粗度Ra0.50μm の通常の研磨目(ロールの周方向
に平行な研磨目)に代えて、粗度Ra0.15μm のクロス研
磨目とした。但し、研磨条件を2k、ロール条件Fを追加
し、また最終スタンドに付与したクロス研磨目の傾斜角
度および傾斜角度の標準偏差は第1スタンド〜第4スタ
ンドに付与したクロス研磨目と同じにした。
【0031】そして、表3に示したように超硬合金製ロ
ールの適用スタンドとスタンド数を変えたロール条件F
〜Jのロールに対して、表4の研磨条件2b〜2jに示した
スタンドのロールにクロス研磨目を付与し、またロール
条件Fに対して研磨条件2kとし、実施例1と同様にして
タンデム圧延し発明例とした。タンデム圧延した10コイ
ルについて、焼鈍、酸洗、調質圧延した後、各コイルの
表裏の鋼板の光沢度(GS20°、JIS Z8741 光沢度測定
方法)を調査し平均値を求めた。
【0032】研磨条件を2b〜2jとしたときのロール条件
F〜J毎の光沢度と、研磨条件2kでロール条件Fの光沢
度の結果を表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】この結果と表2の結果から次のことがわか
る最終スタンドの超硬合金製ロールを含む2スタンド以
上にクロス研磨目が付与された上下一対のロールを組み
込み、少なくとも最終スタンドの上下一対のロールを超
硬合金製することが、表2に示した発明例よりも光沢が
向上するので好ましい。これは、表2の研磨条件1b〜1j
と表4の研磨条件2b〜2jを対応させ、さらに表2のロー
ル条件A〜Eと表4のロール条件F〜Jを対応させて、
一致した欄の光沢度をそれぞれ比較することにより理解
できる。
【0036】クロス研磨目を付与された最終スタンドに
加えて、クロス研磨目を付与した上下一対のロールを第
1スタンドまたは最終スタンドの一つ上流スタンドに組
み込むことが好ましい。また、クロス研磨目を付与され
た最終スタンドに加えて、クロス研磨目を付与した上下
一対のロールを2スタンド以上組み込むときは、連続す
るスタンドに組み込むのが好ましく、さらに好ましくは
第1スタンドを含む順次下流側のスタンドまたは最終ス
タンドの1つ上流側のスタンドを含む順次上流側のスタ
ンドに組み込むとよい。これは、表4のロール条件を固
定して表4の研磨条件2b〜2jの欄に示された光沢度を比
較することにより理解できる。
【0037】クロス研磨目を付与したロールを一つのス
タンドに組み込むときは、最終スタンドの超硬合金製ロ
ールに付与するのが、第1スタンドや最終スタンドの一
つ上流スタンドに付与するよりも光沢が向上するのでさ
らに好ましい。これは、表2の研磨条件1b〜1eでロール
条件Aと、表4の研磨条件2kでロール条件Fの光沢度と
を比較することにより理解できる。
【0038】最終スタンドのクロス研磨目の粗度は、Ra
0.05〜1.0 μm の範囲が好ましい。この範囲を外れる
と、光沢が表2に示した光沢度を下回るためである。最
終スタンドのクロス研磨目の傾斜角度は、5 〜85°であ
ればよい。この範囲を外れると、光沢が表2に示した光
沢度を下回るためである。また、超硬合金製とした上下
一対のロールを複数スタンドに組み込むときは、最終ス
タンドを含む連続するスタンドにするのが好ましい。こ
れは、表4の研磨条件を固定して表4のロール条件F〜
Jの欄に示された光沢度を比較することにより理解でき
る。 (実施例3)本発明者らは、さらに光沢を向上させるた
め前記5スタンドタンデム圧延機を用いて、最終スタン
ドの超硬合金製ロールに付与する研磨目を、実施例1で
施した粗度Ra0.50μm の通常の研磨目(ロールの周方向
に平行な研磨目)に代えて、粗度Ra0.05μm の鏡面研磨
とした。
【0039】そして、表5に示したように超硬合金製ロ
ールの適用スタンドとスタンド数を変えたロール条件K
〜Oのロールに対して、表6の研磨条件3b〜3jに示した
スタンドのロールにクロス研磨目を付与し、実施例1と
同様にしてタンデム圧延し発明例とした。タンデム圧延
した10コイルについて、焼鈍、酸洗、調質圧延した後、
各コイルの表裏の鋼板の光沢度(GS20°、JIS Z8741
光沢度測定方法)を調査し平均値を求めた。
【0040】研磨条件を3b〜3jとしたときの、ロール条
件K〜O毎の光沢度を表6に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】この結果と表2の結果から次のことがわか
る。最終スタンドの超硬合金製ロールを粗度Raを0.05μ
m とした鏡面研磨とし、クロス研磨目が付与された上下
一対のロールを1スタンド以上に組み込み且つ少なくと
も最終スタンドの上下一対のロールを超硬合金製するこ
とが、表2に示した発明例よりも光沢が向上するので好
ましい。これは、表2の研磨条件1b〜1jと表6の研磨条
件3b〜3jを対応させ、さらに表2のロール条件A〜Eと
表6のロール条件K〜Oを対応させて、一致した欄の光
沢度をそれぞれ比較することにより理解できる。
【0044】また、クロス研磨目を付与した上下一対の
ロールを第1スタンドまたは最終スタンドの一つ上流ス
タンドに組み込むことが好ましい。また、クロス研磨目
を付与した上下一対のロールを複数スタンドに組み込む
ときは、連続するスタンドに組み込むのが好ましく、さ
らに好ましくは第1スタンドを含む順次下流側のスタン
ド、最終スタンドの1つ上流側のスタンドを含む順次上
流側のスタンドに組み込むとよい。これは、表6のロー
ル条件を固定して表6の研磨条件3b〜3jの欄に示された
光沢度を比較することにより理解できる。
【0045】また、超硬合金製とした上下一対のロール
を複数スタンドに組み込むときは、最終スタンドを含む
連続するスタンドにするのが好ましい。これは、表6の
研磨条件を固定して表6のロール条件K〜Oの欄に示さ
れた光沢度を比較することにより理解できる。最終スタ
ンドの鏡面研磨ロールの粗度は、Ra0.05μm 以下が好ま
しい。最終スタンドの鏡面研磨ロールの粗度がRa0.05μ
m を超えると、光沢が表2に示した光沢度を下回るため
である。 (実施例4)本発明者らは、さらに、光沢を向上させる
ためステンレス鋼板に次のようにして予備処理圧延を施
した後、前記5スタンドタンデム圧延機に送給してタン
デム圧延を施し、焼鈍、酸洗、調質圧延後、鋼板の光沢
を測定した。
【0046】すなわち、前記実施例1に用いたのと同じ
成分、同じ熱延、焼鈍、酸洗を施されたSUS430フェライ
ト系ステンレス鋼板に、通常の円周方向に平行な研磨目
を付与したロールで圧下率3%の予備処理圧延を施した
後、前記実施例1、実施例2または実施例3と同じ条件
でタンデム圧延を施した。それぞれの結果を表7、表
8、表9に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】また、前記実施例1に用いたのと同じ成
分、同じ熱延、焼鈍、酸洗を施されたSUS430フェライト
系ステンレス鋼板に、クロス研磨目を付与したロールで
圧下率3%の予備処理圧延を施した後、前記実施例1、実
施例2または実施例3と同じ条件でタンデム圧延を施し
た。それぞれの結果を表10、表11、表12に示す。
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】予備処理圧延を施した結果を示す表7〜表
9と、予備処理圧延を施さない結果を示す表2、表4、
表6とにおいて、研磨条件およびロール条件が同じ欄の
光沢度を比較することにより、実施例1〜3のタンデム
圧延に供されるステンレス鋼板素材に予備処理圧延を施
すことが好ましいことがわかる。また、同様にクロス研
磨目を付与したロールで予備処理圧延を施した結果を示
す表10〜表12と、予備処理圧延を施さない結果を示す表
2、表4、表6とにおいて、研磨条件およびロール条件
が同じ欄の光沢度を比較することにより、実施例1〜3
のタンデム圧延に供されるステンレス鋼板素材にクロス
研磨目を付与したロールで予備処理圧延を施すことが好
ましいことがわかる。
【0055】通常の研磨目が付与されたロールで予備処
理圧延した結果を示す表7〜表9と、クロス研磨目が付
与されたロールで予備処理圧延した結果を示す表10〜表
12とにおいて、研磨条件およびロール条件が同じ欄の光
沢度を比較することにより、予備処理圧延はクロス研磨
目を付与した上下一対のロールを用いて行うことがさら
に好ましいことがわかるタンデム圧延前に予備処理圧延
を施すと、ステンレス鋼板表面の凹部が効果的に低減さ
れ、その凹部が低減した効果とクロス研磨目の表面平滑
化および圧延油の封入防止とが相乗的に作用して、光沢
の向上に寄与したと考えられる。
【0056】予備処理圧延は、タンデム圧延機で圧延す
るよりも凹部を効果的に平滑化するために、タンデム圧
延機とは別な圧延機で施す。圧延機は、焼鈍、酸洗ライ
ンに連続して設置してもよいが、連続していなくてもよ
い。予備処理圧延条件は、タンデム圧延とは異なり、ロ
ール径250 〜650mm φ、ロール粗度Ra0.10〜2.00μm、
圧延速度100 〜500m/min、無潤滑または圧延油の粘度10
〜50cSt(40℃) 、濃度3 〜10%の鉱物系圧延潤滑油で行
うのが好ましい。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、光沢度700(GS20°) を
超える光沢の優れた金属板を低コストで製造できる。予
備処理圧延が施された素材を用いて、冷間タンデム圧延
することにより、さらに光沢を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるクロス研磨目の傾斜を概念的に
示すロール表面の一部拡大図である。
【図2】本発明に係わる5スタンドからなるタンデム圧
延機のスタンド配置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被圧延材(鋼板) 2 ロール(圧延用ロール) 3 バックアップロール 4 クーラントノズル 5 クーラント(圧延潤滑油)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 肇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 砂盛 泰理 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平8−267105(JP,A) 特開 平8−267109(JP,A) 特開 平8−243603(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 11/00 B21B 27/00 - 35/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下一対の圧延用ロールを設けたスタン
    ドを複数連続して金属板を圧延する冷間タンデム圧延機
    において、少なくとも最終スタンドの上下一対の圧延用
    ロールを超硬合金製とし、該超硬合金製の圧延用ロール
    の表面に円周方向に対して平行な研磨目を付与し、一方
    少なくとも第1スタンドを含む他のスタンドの上下一対
    の圧延用ロールを鋼製とし、該鋼製の圧延用ロールの
    面に円周方向に対して傾斜し互いに交差した研磨目を有
    するクロス研磨目付与し、各スタンドに組み込んだ
    とを特徴とする金属板を圧延する冷間タンデム圧延機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷間タンデム圧延機を
    用いて、金属板を圧延することを特徴とする金属板を圧
    延する冷間タンデム圧延方法。
  3. 【請求項3】 前記金属板が、熱間圧延後に焼鈍、酸
    洗、あるいはさらに予備処理圧延を施されたステンレス
    鋼板であることを特徴とする請求項2に記載の金属板を
    圧延する冷間タンデム圧延方法。
  4. 【請求項4】 前記予備処理圧延が、円周方向に対して
    傾斜し互いに交差した研磨目を有するクロス研磨目を付
    与してなる上下一対の圧延用ロールを用いて施されたこ
    とを特徴とする請求項3に記載の金属板を圧延する冷間
    タンデム圧延方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101322945B1 (ko) * 2010-12-09 2013-10-29 주식회사 포스코 페라이트계 스테인리스강 및 이의 제조방법

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