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JP3314451B2 - 高分子材料の表面処理方法 - Google Patents
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JP3314451B2 - 高分子材料の表面処理方法 - Google Patents

高分子材料の表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子材料の表面処理
方法に関する。さらに詳しくは、血液バック、輸血バッ
ク、カテーテル、血液チューブなど各種医療器具材料と
して好適な高分子材料の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料の表面に親水性を付与する方
法としては、従来、疎水性高分子材料の表面を酸または
アルカリ処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッ
タリング処理などの処理を行うことが知られている。し
かし、酸またはアルカリ処理、コロナ放電処理、プラズ
マ処理においては、一時的に表面に親水性が付与される
が、恒久的ではなく、時間の経過と共に親水性が低下す
ることが知られている。また、無機酸化物を用いたスパ
ッタリング処理においては、表面に形成された無機酸化
物膜と高分子との接着性が不十分となり、膜が剥離しや
すいという問題点を有している。さらに、特開昭46−
42759号公報、特開昭50−150793号公報、
特開昭51−24651号公報などにおいて、ポリ(2
−ヒドロキシエチル)メタクリレートやポリビニルアル
コールなどの親水性重合体を架橋処理して得られるヒド
ロゲルからなる抗血栓性材料が開示されているが、いず
れも強度が小さいという欠点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子材料本来の機械的強度や柔軟性、耐熱性などの性能を
損なうことなく、恒久的な親水性を持った抗血栓材料と
して好適に用いられる高分子材料の表面処理方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記課
題は、ポリブタジエン、ポリエチレンおよびスチレンブ
タジエンブロック共重合体から選ばれる高分子材料の表
面を放射線照射処理または低温プラズマ処理した後、前
記表面上で2個以上の水酸基および/または下記一般式
(1)で表される構造を有する(メタ)アクリレートまた
は(メタ)アクリルアミドを重合することを特徴とする高
分子材料の表面処理方法によって達成される。
【0005】
【化2】 [但し、R1は水素原子またはメチル基を表し、nは1
〜100の整数を表す]
【0006】以下、本発明を詳細に説明するが、これに
より、本発明の目的、構成および効果が明かとなるであ
ろう。本発明において用いられる高分子材料としては、
ポリブタジエン、ポリエチレン、スチレンブタジエンブ
ロック共重合体およびそれらのブレンド物を挙げること
ができ、これらの高分子材料には、熱、光、酸化などに
対する安定剤、架橋剤、架硫剤、染料、充填剤、補強
剤、可塑剤、染料、顔料などの添加剤が加えられていて
もよい。また、その形状は、フィルム、シート、チュー
ブ、繊維状物あるいは各種成形品であり、特に限定され
ない。
【0007】本発明においては、まず、高分子材料の表
面に放射線照射によってラジカルを形成させる処理、
または低温プラズマによってラジカルを形成させる処
理(以下、これらをまとめて「前処理」という。)を行
う。
【0008】の方法に用いられる放射線としては、1
600〜4000オングストロームの波長域を有する低
圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライ
ドランプ、カーボンアーク灯などの紫外線ならびにγ線
などを挙げることができる。
【0009】前記紫外線を用いる場合、特に1650〜
2050オングストロームまたは2350〜2750オ
ングストロームの波長の紫外線が好ましい。紫外線照射
は、酸素またはオゾンの存在下、あるいは不存在下で、
通常、0.005〜10J/cm2の照射量で行うこと
が望ましい。ここで、酸素またはオゾンの不存在下と
は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス中または、1
0Torr以下の真空下のことであるが、酸素が1容量
%未満、オゾンが0.1容量%未満含まれていてもよ
い。
【0010】また、γ線を用いる場合は0.01〜50
キログレイ、好ましくは0.05〜25キログレイの照
射量で行うことが好ましい。
【0011】これらのの方法においては増感剤を用い
て、ラジカルの形成を促進させてもよい。前記増感剤と
しては、ベンゾインメチルエーテルなどのベンゾインエ
ーテル類、アゾビスイソブチロバレロニトリルなどのア
ゾ化合物、ミヒラーケトンなどのケトン類を挙げること
ができる。増感剤は、前処理後にグラフト重合させる親
水性単位の溶液中に添加して行うという方法も採用でき
るが、その場合には高分子表面とグラフト重合せず、親
水性単位が互いに重合した重合体が多量生成するという
問題が生じるので、一般に増感剤は、放射線照射する前
に予め高分子表面に塗布、または含浸させることが好ま
しい。増感剤を塗布または含浸させる場合には、増感剤
をベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランなどの有機
溶媒に溶解した溶液を高分子表面に塗布または含浸させ
た後、乾燥して有機溶媒を除去することが好ましい。増
感剤の使用量は、高分子材料1m2当たり、一般に、1
〜1000g、好ましくは5〜300gである。
【0012】の方法における低温プラズマ処理とは、
既に知られているように、100Torr以下の低圧ガ
スに高周波電界、マイクロ波電界あるいは直流電界を印
加することによって低温プラズマを発生させ、このプラ
ズマガス中やプラズマ雰囲気中で、高分子材料の表面に
プラズマにより発生した活性種を生成させることにより
行う。前記プラズマ処理は、アルゴン、窒素、空気、水
素などの雰囲気中で、一般に10ー3〜10Torr、好
ましくは10ー2〜1Torrの圧力下に前記低温プラズ
マを一般に5秒〜60分間、好ましくは10秒〜10分
間、高分子材料の表面に照射することにより行われる。
【0013】以上の前処理を行った後、親水性単量をグ
ラフト重合させる。
【0013】ここで、グラフト重合に用いる2個以上の
水酸基を有する構造単位の例としては、ジ(ヒドロキシ
メチル)(メタ)アクリルアミド、ジ(ヒドロキシエチ
ル)(メタ)アクリルアミド、トリス(ヒドロキシメチ
ル)(メタ)アクリルアミド、トリス(ヒドロキシエチ
ル)(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。また、前
記構造単位は、高分子材料の表面にグラフト重合させた
後、酸またはアルカリなどで後処理することにより、1
単量体当たり2個以上の水酸基を有する化合物となるも
のでもよい。このような化合物としては、グリシジル
(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレートなどを
挙げることができる。
【0014】本発明で使用する式(1)で表される構造
単位を有する単量体の代表例としては、メトキシチレン
グリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラ
デカエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキ
シトリアコンタンエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、ブトキシノナエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ブトキシテトラデカエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ブトキシアコンタンエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリアコンタンエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロプレ
ングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテト
ラデカプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メ
トキシトリアコンタンプロピレングリコール(メタ)ア
クリレートなどを挙げることができる。これらの親水性
単位は単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
【0015】本発明において親水性単位は一般に0.1
〜100重量%、好ましくは1〜40重量%の濃度の溶
媒溶液で用いられる。ここで用いられる溶媒としては、
上記親水性単量体が溶解し、かつ高分子材料が溶解また
は膨潤しない溶媒、例えば水、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなど
が挙げられる。本発明におけるグラフト重合はこれらの
親水性単位が溶解している溶媒中に、前記高分子材料を
入れ、通常、窒素雰囲気下、反応温度は一般に0〜10
0℃、好ましくは20〜80℃の温度で、反応時間は一
般に2分〜96時間、好ましくは30分〜6時間で行
う。なお、親水性単位は前記高分子材料1cm2当た
り、1〜103μgを反応させる。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。ここで、各材料の性能評価は次の要領で行った。 接触角;協和界面科学(株)製の接触角測定器(CA−
DT・A型)を用いて行った。なお、接触角の数値は水
濡れ性の尺度であり、数値の小さいほうが水濡れ性が良
好であることを示す。 吸水率;次式に従って親水性単量体のグラフト重合直後
の試験片の吸水率を測定した。 吸水率(%)= (W−WO)/WO×100 上記式において、Wは平衡含水状態での試験片の重量
(g)、WOは乾燥状態での試験片の重量(g)を表
す。
【0017】安全性試験;表面処理後のフィルム(1c
m×1cm)を用いて、厚生省の「ディスポーザブル輸
血セット及び輸液セット基準」に基づき、重金属試験お
よび溶出物試験を行った。 血小板粘着試験;表面処理後のフィルムをヒト新鮮血か
ら分離して得た所定数の血小板とを5分間接触させた
後、グルタルアルデヒドを用いて固定化し、脱水した
後、走査型電子顕微鏡により、300倍の倍率でフィル
ム表面を観察し、1cm2当たりの血小板の粘着数を計
数した。
【0018】実施例1 1.2ー結合量が92%のポリブタジエン(RB820
日本合成ゴム(株)製)の厚さ0.2mm、長さ50
mm平方のフィルムをアルゴンガス気流下にて、0.5
〜0.6Torr、高周波電力40Wに保ちながら5分
間プラズマ処理を行った。処理後、フィルムを空気で常
圧に戻し、該フィルムを取り出し、メトキシトリエチレ
ングリコールメタクリレートの10重量%水溶液中に入
れ窒素雰囲気下で、水溶液温度を60℃に保ちながら、
5時間攪拌させながらグラフト重合した。重合後のフィ
ルムを充分水洗した後、乾燥した。このフィルムの各種
性能の評価結果を表1に示す。
【0019】比較例1 実施例1でプラズマ処理したフィルムを空気で常圧に戻
した後、該フィルムを取り出した。反応後のフィルムを
充分水洗した後、乾燥した。このフィルムの各種性能の
評価結果を表1に示す。
【0020】実施例2 実施例1でプラズマ処理したフィルムを空気で常圧に戻
し、該フィルムを取り出し、グリセロールモノメタクリ
レートの10重量%水溶液中に入れ窒素雰囲気下で、水
溶液温度を60℃に保ちながら、5時間攪拌させながら
反応した。重合後のフィルムを充分水洗した後、乾燥し
た。このフィルムの各種性能の評価結果を表1に示す。
【0021】実施例3 低密度ポリエチレン(密度0.925g/cm2)の厚
さ0.2mm、長さ50mm平方のフィルムをアルゴン
ガス気流下にて、0.5〜0.6Torr、高周波電力
80Wに保ちながら5分間プラズマ処理を行った。処理
後、フィルムを空気で常圧に戻し、該フィルムを取り出
し、グリセロールモノメタクリレートの10%水溶液中
に入れ窒素雰囲気下で、水溶液温度を60℃に保ちなが
ら、5時間攪拌させながらグラフト重合した。重合後の
フィルムを充分水洗した後、乾燥した。このフィルムの
各種性能の評価結果を表1に示す。
【0022】実施例4 スチレンブタジエンブロック共重合体(TR2000
日本合成ゴム(株)製)の厚さ0.2mm、長さ50m
m平方のフィルムを、(株)オーク社製の紫外線ランプ
VUV−040/A−2.2Uを用い、2357オング
ストロームの紫外線を空気中で30mmの距離から10
分間光照射した。光照射後のフィルムをグリセロールモ
ノメタクリレートの5重量%水溶液中にいれ、窒素雰囲
気下、60℃で5時間攪拌させながらグラフト重合し
た。反応後のフィルムを充分水洗した後、乾燥した。こ
のフィルムの各種性能の評価結果を表1に示す。
【0023】比較例2〜4 前処理を施していないRB820(比較例2)、ポリエ
チレン(比較例3)およびTR2000(比較例4)に
ついて、各種性能を評価した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の高分子材料の表面処理方法によ
れば、高分子材料本来の機械的強度や柔軟性、耐熱性な
どの性能を損なうことなく、恒久的な親水性を持った抗
血栓材料として有用な高分子材料を提供できる。また、
本発明により得られた高分子材料は、血液バック、輸血
バック、カテーテル、血液チューブなど各種医療器具材
料として好適に用いられる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリブタジエン、ポリエチレンおよびス
    チレンブタジエンブロック共重合体から選ばれる高分子
    材料の表面を放射線照射処理または低温プラズマ処理し
    た後、前記表面上で2個以上の水酸基および/または下
    記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリレ
    ートまたは(メタ)アクリルアミドを重合することを特徴
    とする高分子材料の表面処理方法。 【化1】 [但し、R1は水素原子またはメチル基を表し、nは1
    〜100の整数を表す]
  2. 【請求項2】 高分子材料が医療器具材料であることを
    特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
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