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JP3318192B2 - 眼内レンズ - Google Patents
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JP3318192B2 - 眼内レンズ - Google Patents

眼内レンズ

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JP3318192B2
JP3318192B2 JP10383996A JP10383996A JP3318192B2 JP 3318192 B2 JP3318192 B2 JP 3318192B2 JP 10383996 A JP10383996 A JP 10383996A JP 10383996 A JP10383996 A JP 10383996A JP 3318192 B2 JP3318192 B2 JP 3318192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶体の代わりに
眼内へ埋め込むための眼内レンズに係り、詳しくは眼内
への挿入時に変形させて小切開創より挿入できる変形可
能な眼内レンズに関わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、白内障患者等の病んだ水晶体
を摘出し、摘出した水晶体の代わりに人工的に製造され
た眼内レンズを挿入する治療方法が知られている。眼内
レンズ挿入手術において、眼内レンズを挿入するために
切り開かれる切開創は、小さい程治療後の創の回復が早
く、また、術後乱視や嚢混濁も生じにくいといわれる。
そこで、眼内レンズ挿入時の切開創を小さくするため
に、眼内レンズのレンズ直径より小さい切開創からでも
挿入できる変形可能なソフト眼内レンズが提案されてい
る。提案されているソフト眼内レンズには、シリコーン
樹脂、非含水性アクリル系樹脂、含水性ヒドロキシエチ
ルメタクリレート等の比較的生体組織適合性が高い材料
によって製作されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーン樹脂製の眼内レンズは折り畳みが容易で強度が高い
という利点を備えるが、この眼内レンズは眼内で解放時
に急に開くことから、眼の内皮細胞層を傷付ける可能性
があるとともに、眼内での扱いが難しい。また、屈折率
が比較的に低いため、レンズの厚さが比較的厚くなって
しまう。さらに、表面に水分が付着すると滑るようにな
り、非常に扱いにくくなるという問題点を持っている。
例えば、手術中においては、術眼の洗浄に多くの水分を
使用しており、誤って落としたりして水分が付着するこ
とがある。
【0004】 また、非含水性のアクリル系樹脂製の眼内
レンズは、レンズ表面の粘着性が比較的に強く、眼内レ
ンズを折り曲げて変形させ、眼内へ挿入する際にレンズ
の両端が張り付いたり、挿入用の鑷子に張り付いてしま
ったりすることから、扱いにくいという問題点を持って
いる。
【0005】 含水性であるヒドロキシエチルメタクリレ
ート(以下、HEMAと記す)は、その柔軟性から早い
時期より折り畳みレンズとしての応用が試みられている
が、柔らか過ぎるという特性のため、挿入後の眼内にお
いて、その形状を保つことが困難であるという問題点を
持っている。また、比較的に脆い特性を備えているため
に、手術中にレンズが裂けてしまう危険性もある。
【0006】 本発明は上記問題点を鑑み、生体適合性が
高く、レンズ挿入時にレンズが扱い易く、眼内での挙動
も比較的穏やかに開くとともに、十分な強度を備えた眼
内レンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、以下の構成を備えることを特徴とする。
【0008】(1) 水晶体摘出後に眼内に挿入する眼
内レンズにおいて、前記眼内レンズの光学部の素材を、
ヒドロキシエチルメタクリレ−ト(配合比80〜90重
量%)、エチルメタクリレ−ト(配合比8〜20重量
%)、及び架橋剤(配合比0〜10重量%)を共重合成
分とする共重合体とし、前記眼内レンズの光学部の一端
を重量秤の測量面に置き他端をピンセットで挟み両端が
接する直前までU字形状に折り曲げたときの重量秤の目
盛が約50〜150gであり、ピンセットで両端が接す
る直前までU字形状に折り曲げて約25℃の水中で解放
したときに元の形状に復元する解放速度が約1〜72秒で
あることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【実施例】HEMAは生体適合性が高く、レンズ表面の
特性も良い他、後発白内障である後嚢混濁を治療するた
めのYAGレーザの衝撃に対して強靭であることや、親
水性であるため角膜に対する接触傷害が少ない等の利点
を持つ。このようなHEMAを主成分として、問題点と
なる柔らか過ぎるという特性を制御し、適当な硬さ、強
さを持たせるために、HEMAと重合し易く、生体適合
性も高い特性を持っているメタクリル酸エステルを共重
合成分として使用した。
【0015】 次に製造された眼内レンズの評価方法につ
いて説明する。眼内レンズは光学部と支持部から構成さ
れ、光学部と支持部を一体にして作製した1ピースレン
ズと、光学部と支持部を別々に作製した3ピースレンズ
が知られているが、使用した眼内レンズは支持部のない
光学部のみを作成した。レンズ直径6.0mm、レンズ
表面の曲率半径8.0mm、コバ厚0.35mmのレン
ズを作製し、約30分間オートクレーブ滅菌を行って十
分水和させたものを使用し、曲げに要する力と、解放速
度について測定した。
【0016】 曲げに要する力は、レンズを変形させるの
に必要な力の重要な指針となる。測定方法は、眼内レン
ズの一端を秤の測量面に接地させ、他端をピンセットで
U字形状に曲げていった時の秤の目盛りを読んで行っ
た。測定時の変形量は、レンズの両端が接する直前まで
変形させており、この変形量の時の秤の目盛りを曲げに
要する力として測定した。
【0017】 解放速度は、眼内でのレンズの開化状態を
示す指針となる。測定は両端が接するぐらいの変形量を
与えたレンズをピンセットで挟み、変形を維持したまま
約25℃の水中へ入れ、水中でピンセットを開くことに
よってレンズの変形を解放した時に、元の形状に戻るま
での復元時間を計測して行った。元の形状に戻ったこと
の確認は、目測で行った。
【0018】 <実験例1> 図1に配合比をHEMA:共重合成分=80:20とし
た場合の実験結果を示す。本実施例では、共重合成分と
しては、メタクリル酸エステルの中でもn−ブチルメタ
クリレート(以下、n−BMAと記す)、エチルメタク
リレート(以下、EMAと記す)、メチルメタクリレー
ト(以下、MMAと記す)の3種について選択した。置
換基の炭素数が多いと化学的に不安定になりがちである
ので、共重合成分としては、置換基の炭素数が少ないも
のが好ましい。3種類のメタクリル酸エステルのモノマ
ーとしての特性を簡単に挙げると、n−BMAは、ブチ
ル基による立体構造により弾性が強く、EMAは強度的
にねばり強さを持ち、MMAは硬くて脆い特性を持つ。
【0019】 これらのモノマーの特性を持った重合体と
して考えると、図1の実験結果からも分かるように、H
EMAにn−BMAを配合したものは、解放速度が0秒
と記されていることからも分かるように、瞬時に元の形
状に戻ったことが分かる。これは、シリコーン樹脂系の
ものと同様の反応であり、眼内で非常に扱いにくいこと
を示すものである。
【0020】 また、HEMAにMMAを配合したもの
は、逆に解放速度が非常に長く、曲げに要する力が多く
必要であり、変形させることが困難であることが分か
る。解放速度が長いこと自体は眼内でのレンズの扱い易
さに影響するものではないが、解放速度が長過ぎること
は、手術に長い時間を要したり、レンズの眼内での安定
性を確認しないで切開創を閉じてしまうことにも繋がる
こととなる。
【0021】 HEMAにEMAを配合したものは、n−
BMAとMMAの中間的な値を示しており、比較的穏や
かな解放速度と、比較的容易に変形が可能であることが
分かる。さらに、EMAのねばり強さを特性として備え
ており、従来のHEMAと比べて十分な強度を持ってい
る。
【0022】 <実験例2> 次に、HEMAと、3種類のメタクリル酸エステルの中
で良好な結果が得られたEMAの配合比を変化させて実
験を行った。その実験結果を図2に示す。図2では、H
EMAを70〜90重量%の間で変化させ、5種類の配
合比で実験を行った。共重合成分としては、EMAを8
〜30重量%とし、架橋剤としてエチレングリコールジ
メタクリレート(以下、EGDMAと記す)を0〜2重
量%の割合で添加した。
【0023】 架橋剤は、化学結合を強化し、安定性を与
えるために添加され、EGDMAの代わりに、4−ビニ
ルベンジン(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジン
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アク
リレート等の周知のものが使用できる。
【0024】 図2の実験結果に示したように、配合比1
のようにHEMAの配合比率を少なくすると、曲げに要
する力が大きくなり解放速度は遅くなり、図1のMMA
を重合させた場合の挙動に類似したものとなる。逆に、
配合比2または4のようにHEMAの配合比率を多くす
ると、曲げに要する力は小さくなり解放速度は速くな
る。また、曲げに要する力は、HEMAとEMAの配合
比にほぼ比例していることが分かる。
【0025】 架橋剤EGDMAを添加した配合比3また
は5の場合は、添加しなかった場合の配合比2または4
と比較して、曲げに要する力が大きくなり、解放速度が
速くなる傾向があることが分かる。
【0026】 眼内レンズ挿入手術において最も扱いやす
い変形可能な眼内レンズは、曲げに要する力が約50〜
150g程度であり、解放速度が数秒〜数十秒程度であ
ることから、図1および図2より得られる最適な配合比
は、HEMAが80〜90重量%前後のものであること
が分かる。しかし、従来のこの種の眼内レンズとの比較
でいえば、HEMAの組成割合が60〜95重量%であ
れば、何らかの優位性が認められる。
【0027】 本実施例では、数種類の配合比率を基に説
明を行ったのみであるが、架橋剤については、2重量%
に限定されるものではなく、HEMAの配合比と関連し
10重量%程度までは必要に応じて添加することも可能
である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では生体適
合性が高く、レンズ挿入時にレンズが扱い易く、眼内で
の挙動も比較的穏やかであり、十分な強度を持った眼内
レンズを得ることができ
【図面の簡単な説明】
【図1】HEMAにメタクリル酸エステルを重合させた
場合の実験結果である。
【図2】HEMAにEMAを重合させた場合の実験結果
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶体摘出後に眼内に挿入する眼内レン
    ズにおいて、前記眼内レンズの光学部の素材を、ヒドロ
    キシエチルメタクリレ−ト(配合比80〜90重量
    %)、エチルメタクリレ−ト(配合比8〜20重量
    %)、及び架橋剤(配合比0〜10重量%)を共重合成
    分とする共重合体とし、前記眼内レンズの光学部の一端
    を重量秤の測量面に置き他端をピンセットで挟み両端が
    接する直前までU字形状に折り曲げたときの重量秤の目
    盛が約50〜150gであり、ピンセットで両端が接す
    る直前までU字形状に折り曲げて約25℃の水中で解放
    したときに元の形状に復元する解放速度が約1〜72秒で
    あることを特徴とする眼内レンズ。
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