JP3322845B2 - 吸音構造体 - Google Patents
吸音構造体Info
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Description
吸音構造体に関し、特に自動車用エンジンカバーに好適
に用いられる吸音構造体に関する
ルなどの連続気泡のみからなる多孔質体は、良好な吸音
特性を有することが一般的に知られている。そのため、
例えば自動車から放射される騒音低減を目的として、自
動車のエンジンカバーの内部やボンネットの内部などの
吸音処理に用いられている。しかし、これらの連続気泡
構造の多孔質体は中低音域の吸音率を高くするためには
吸音材を厚くする必要があるが、エンジンカバーやボン
ネットの内側はスペースが限られているために厚い吸音
材を設置できない場合が多く、従来の連続気泡構造の吸
音材では十分な吸音効果が得られない。
構造を有するフォーム材も使用されている。この混成気
泡構造を有するフォーム材は比較的低周波側に吸音のピ
ークを有するが、そのピーク値自体は十分に高いとはい
えない。また、厚いものほど低周波側に吸音ピークがシ
フトするが、そのピーク自体の周波数の幅が狭く、特定
の単一周波数もしくはその極く近傍の周波数の音源に対
しては、それらの周波数に対応した厚さの材料を用いる
ことである程度の吸音効果が得られる場合がある。しか
し、例えば、エンジンカバーの内部やボンネットの内部
などの使用部位の構造の制約上、フォーム材の厚さを自
由に変更することができない場合が多い。また、自動車
のエンジンルームの騒音は、通常ある程度の幅を持った
周波数域で大きい値を示すため、吸音率のピークの周波
数の幅が狭く、しかもこのピークを示す周波数が厚さに
依存する混成気泡構造を有するフォーム材では、十分な
吸音効果が得られない。
するフォーム材も使用されているが、全周波数域におい
て吸音率が低く、それ自体ほとんど吸音効果を示さな
い。
鑑みてなされたものであり、広い周波数域において良好
な吸音特性を有し、更に目的等に応じて所望の周波数域
における吸音特性を特に高くすることが可能な吸音構造
体及び自動車用エンジンカバーを提供することを目的と
するものである。
た結果、特定の気泡構造を有するフォーム材を特定の状
態で積層配置することで、広い周波数域において良好な
吸音効果を有し、また容易に所望の周波数域における吸
音特性を特に高くすることができることを見出した。さ
らに、従来のフォーム材からなる吸音材と比較して、そ
の厚さが半分以下であっても同等以上の吸音特性を示す
ことを見い出した。本発明はこのような知見に基づくも
のである。すなわち、本発明は、ゴムまたはエラストマ
ーを主成分とし、連続気泡と独立気泡との混成の気泡構
造を有するフォーム材を二層以上、フォーム材同士が少
なくとも1つの界面において他方のフォーム材と非固着
状態で積層されていることを特徴とする吸音構造体、及
びゴムまたはエラストマーを主成分とし、連続気泡と独
立気泡との混成の気泡構造を有するフォーム材を二層以
上、フォーム材同士が少なくとも1つの界面において他
方のフォーム材と部分的に固着した状態で積層されてい
ることを特徴とする吸音構造体、並びに、前記吸音構造
体を用いた自動車用エンジンカバーである。
する。一般的にフォーム材の気泡構造は連続気泡単独、
連続気泡と独立気泡との混成、独立気泡単独に大別され
る。連続気泡のみからなるフォーム材は低周波側の垂直
入射吸音率が低いため、材料を厚くする必要ある。ま
た、この連続気泡構造を有するフォーム材同士を積層し
ても吸音効果はまったく向上しない。一方、独立気泡の
みからなるフォーム材は、全周波数域において低い垂直
入射吸音率しか示さない。また、この独立気泡構造を有
するフォーム材同士を積層しても吸音効果はまったく向
上しない。
気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有するフォーム材
を二層以上積層することにより、広い周波数域において
良好な吸音効果を有する吸音構造体となる。本発明で使
用する連続気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有する
フォーム材料は、その主成分がゴムまたはエラストマー
である。これらは柔軟なフォームとなり、セルの膜振動
による吸音構造が発現するため、吸音特性の良好な吸音
構造体が得られる。ゴムまたはエラストマーとしては天
然ゴム、CR(クロロプレンゴム)、SBR(スチレン
・ブタジエンゴム)、NBR(ニトリル・ブタジエンゴ
ム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共
重合体)ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリル
ゴムなどの各種ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質ウレ
タン等の各種エラストマーが挙げられるが、これらに限
定されない。特にEPDMゴムを主成分とするフォーム
材は耐熱性、耐オゾン性、価格のバランズが良いため、
自動車のエンジンカバー用としては好ましい。また、こ
のようなフォーム材として、例えば建築用や弱電用の止
水シール材として市販されているEPDMやNBRのフ
ォーム材シートを使用してもよい。
と独立気泡との混成気泡構造であるから、連続気泡の割
合が多くなると連続気泡単独のフォーム材の欠点が現れ
るようになり、独立気泡の割合が多くなると、独立気泡
単独のフォーム材の欠点が現れるようになる。一般的
に、連続気泡構造のフォーム材は吸水率が大きく、独立
気泡構造のフォーム材は吸水率が小さく、連続気泡と独
立気泡の混成気泡構造のフォーム材はその中間である。
従って、この吸水率を特定することにより、連続気泡と
独立気泡との割合を規定することができるようになる。
吸水率はJIS K6767のB法によって測定され、本発明で使
用するフォーム材の吸水率は好ましくは0.01 g/cm3以上
で0.2g/cm3以下、より好ましくは0.02g/cm3以上で0.15g
/cm3以下、さらに好ましくは0.04g/cm3以上で0.1g/m3以
下とするのが良い。
射吸音率が低いため、材料を厚くすの必要がある。ま
た、密度の低いフォーム材同士を積層しても吸音効果は
ほとんど向上しない。密度の高いフォーム材は全周波数
域において低い垂直入射吸音率しか示さない。また、密
度の高いフォーム材同士を積層しても吸音効果はほとん
ど向上しない。よって、本発明で使用するフォーム材は
ある特定の範囲の密度を持つことが好ましい。本発明で
使用するフォーム材の密度は好ましくは20kg/m3 以上で
400kg/m3以下、より好ましくは30kg/m3 以上で300kg/m3
以下、さらに好ましくは50kg/m3 以上で200kg/m3以下と
するのが良い。
の膜振動による吸音機構が発現するため、吸音特性の良
好な構造体が得られる。逆に硬いフォーム材はセルの膜
振動による吸音機構が発現しないため、全周波数域にお
いて低い垂直入射吸音率しか示さない。このような硬い
フォーム材同士を積層しても吸音効果はほとんど向上し
ない。従って、本発明で使用するフォーム材はある特定
の範囲の圧縮硬さを持つことが好ましい。具体的には、
25%圧縮硬さにおいて、好ましくは0.5N/cm2以下、より
好ましくは0.3N/cm2以下、さらに好ましくは0.1N/cm2以
下とするのが良い。この範囲の25%圧縮硬さを有する連
続気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有するフォーム
材は、特に接着せずに積層したときの吸音特性の向上効
果が大きい。尚、この25%圧縮硬さはJIS K6767によっ
て測定される。
を2層以上積層して構成される。この時、フォーム材同
士は、その少なくとも1つの界面において、他方のフォ
ーム材と非固着状態、即ちフォーム材同士がその界面に
おいて自由に動くことができる状態で積層されても良い
し、他方のフォーム材と部分的に固着した状態で積層さ
れてもよい。非固着状態で積層する場合は、全体をメッ
シュ等で包囲して積層状態を維持する必要がある。他
方、部分的に固着する場合は、その固着方法は制限され
るのではなく、例えば両面テープや接着材を用いて接着
しても良いし、フォーム材同士を縫製やピン止めによっ
て接合しても良い。また、これらの方法を併用すること
も可能である。
場合は、固着されている面積の合計(以下、全固着面積
と呼ぶ)が、界面の全面積に占める割合が大きすぎと十
分に高い吸音特性を示さなくなる。本発明においては、
この全固着面積の割合がある特定の範囲の値を持つこと
が好ましく、好ましくは、50%以下、より好ましくは30
%以下、さらに好ましくは10%以下とするのが良い。全
固着面積の割合がこの範囲にある吸音構造体は、吸音特
性の向上効果が大きい。また、フォーム材同士の界面の
全面を固着した場合は、積層しない場合よりもむしろ吸
音特性は低下する。本発明において、フォーム材同士を
積層することにより、吸音特性が向上する理由は定かで
はないが、入射した音響波がフォーム材界面においてフ
ォーム材を振動させて、音響波自身が減衰することによ
るものと推察される。従って、フォーム材同士を全面的
に固着すると、この効果が発現せず、吸音特性の向上が
得られなくなる。
制限されるものではなく、例えば3層、4層を積層する
ことも可能である。全厚が同じであれば、フォーム材の
積層枚数が多いほど、高周波側の吸音率が向上する。逆
に、積層枚数が少ないほど低周波側の吸音率が向上す
る。このように、本発明によれば、フォーム材の積層枚
数を適宜変更することにより、所望の周波数の吸音率を
高めることが可能となる。
材の種類が異なっても良い。例えば、密度の異なるフォ
ーム材同士を積層しても良いし、エラストマーやゴムの
種類の異なるフォーム材同士(例えば、EPDMとNB
R)を積層しても良く、その他にも種々の積層形態とす
ることができる。
用エンジンカバーに適用するには、例えばピン止め、網
掛け、縫製等の手段によりカバー本体に固定する。これ
らの手段は複数を併用することもできる。
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)EPDM製で厚さ15mm、密度100kg/m3、吸水率
0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2のフォーム材2枚
を接着せずに積層して吸音構造体を作製した。
g/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2のフ
ォーム材3枚を接着せずに積層して吸音構造体を作製し
た。
kg/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2の
フォーム材4枚を接着せずに積層して吸音構造体を作製
した。
g/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2の第
1のフォーム材と、EPDM製で厚さ20mm、密度100kg/m3、
吸水率0.071 g/cm 3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2の第2のフ
ォーム材とを接着せずに積層して吸音構造体を作製し
た。尚、垂直入射吸音率は第2のフォーム材側が剛壁に
なるように吸音構造体を設置して測定した。
/m3、吸水率0.058 g/cm3、25%圧縮硬さ0.070N/cm 2のフ
ォーム材2枚を接着せずに積層して吸音構造体を作製し
た。
g/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2の第
1のフォーム材と、NBR製で厚さ15mm、密度120kg/m3、
吸水率0.058 g/cm3、25%圧縮硬さ0.070N/cm2の第2のフ
ォーム材とを接着せずに積層して吸音構造体を作製し
た。尚、垂直入射吸音率はNBR製のフォーム材側が剛壁
になるように吸音構造体を設置して測定した。
g/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2のフ
ォーム材2枚を用い、それぞれの表面の中心部分のみを
接着して吸音構造体を作製した。尚、接着部分の形状は
円形とし、接着部分の面積は界面の全面積の10%になる
ようにした。
g/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2のフ
ォーム材2枚を用い、それぞれの中心部分のみをピンで
留めて吸音構造体を作製した。
m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2のフォ
ーム材2枚を用い、界面全面を両面テープで接着して吸
音構造体を作製した。
g/m3、吸水率0.071 g/cm3、25%圧縮硬さ0.040N/cm2のフ
ォーム材1枚を吸音構造体とした。
g/m3、吸水率0.0028 g/cm3、25%圧縮硬さ1.05N/cm2のフ
ォーム材2枚を接着せずに積層して吸音構造体を作製し
た。
密度25kg/m3、吸水率0.76 g/cm3、25%圧縮硬さ0.065N/c
m2のフォーム材2枚を接着せずに積層して吸音構造体を
作製した。
密度25kg/m3、吸水率0.76 g/cm3、25%圧縮硬さ0.065N/c
m2のフォーム材1枚を吸音構造体とした。
ごとに垂直入射吸音率を測定した。測定はJIS A1405に
従って、剛壁密着の条件で測定した。結果を表1および
表2に示す。
が広い周波数域において優れた吸音特性を有することは
明らかである。よって、自動車のエンジンカバー等に好
適な吸音構造体を提供することができる。
続気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有するフォーム
材が2枚、界面全体が接着された状態で積層されてお
り、低い吸音特性しか示さなかった。比較例2の吸音構
造体は連続気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有する
フォーム材が一層のみで構成されているもので、低い吸
音特性しか示さなかった。比較例3の吸音構造体は独立
気泡の気泡構造を有し、25%圧縮硬さおよび密度が本発
明の範囲よりも大きいフォーム材が2枚接着せずに積層
されたもので、低い吸音特性しか示さなかった。比較例
4の吸音構造体は連続気泡の気泡構造を有するフォーム
材が2枚接着せずに積層されており、比較例5の吸音構
造体は連続気泡の気泡構造を有するフォーム材が一層の
みで構成されている。比較例4の吸音構造体と5の吸音
構造体とは同等の吸音特性であり、また、ともに中低音
域では低い吸音特性しか示さなかった。連続気泡のみの
気泡構造を有するフォーム同士を積層しても吸音特性は
向上しないことが確認された。
広い周波数に周波数域において良好な吸音特性を有し、
更に目的等に応じて所望の周波数域における吸音特性を
高くすることが可能で、自動車用エンジンカバー等に好
適な吸音構造体を提供することができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 ゴムまたはエラストマーを主成分とし、
連続気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有するフォー
ム材を二層以上、フォーム材同士が少なくとも1つの界
面において他方のフォーム材と非固着状態で積層されて
いることを特徴とする吸音構造体。 - 【請求項2】 ゴムまたはエラストマーを主成分とし、
連続気泡と独立気泡との混成の気泡構造を有するフォー
ム材を二層以上、フォーム材同士が少なくとも1つの界
面において他方のフォーム材と部分的に固着した状態で
積層されていることを特徴とする吸音構造体。 - 【請求項3】 EPDMゴムを主成分とすることを特徴
とする請求項1または2記載の吸音構造体。 - 【請求項4】 フォーム材同士の固着面積の合計が界面
の面積に対して50%以下であることを特徴とする請求項
2または3記載の吸音構造体。 - 【請求項5】 フォーム材同士がピン留めおよび/また
は縫製によって固定されていることを特徴とする請求項
2〜4のいずれか一項に記載の吸音構造体。 - 【請求項6】 フォーム材の吸水率が0.01 g/cm 3 以上で
0.2g/cm 3 以下であることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか一項に記載の吸音構造体。 - 【請求項7】 フォーム材の密度が20kg/ m 3 以上で400k
g/ m 3 以下であることを特徴とする請求項1〜6のいず
れか一項に記載の吸音構造体。 - 【請求項8】 フォーム材の25%圧縮硬さが0.5N/cm 2 以
下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項
に記載の吸音構造体。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸
音構造体を用いたことを特徴とする自動車用エンジンカ
バー。 - 【請求項10】 ピン止め、網掛けおよび縫製の少なく
とも1つの手段により吸収音構造体をカバー本体に固定
したことを特徴とする請求項9記載の自動車用エンジン
カバー。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07615399A JP3322845B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 吸音構造体 |
| EP00100679.0A EP1020846B1 (en) | 1999-01-14 | 2000-01-13 | Sound absorbing structure |
| US09/482,731 US6720069B1 (en) | 1999-01-14 | 2000-01-14 | Sound absorbing structure |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07615399A JP3322845B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 吸音構造体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000263679A JP2000263679A (ja) | 2000-09-26 |
| JP3322845B2 true JP3322845B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=13597095
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07615399A Expired - Lifetime JP3322845B2 (ja) | 1999-01-14 | 1999-03-19 | 吸音構造体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3322845B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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|---|---|---|---|---|
| JP2002180845A (ja) * | 2000-12-12 | 2002-06-26 | Nichias Corp | 自動車エンジン用防音カバー |
| WO2010036562A1 (en) * | 2008-09-29 | 2010-04-01 | Dow Global Technologies Inc. | Laminated perforated acoustical foam |
| JP2023042328A (ja) * | 2021-09-14 | 2023-03-27 | フクビ化学工業株式会社 | 吸音壁材 |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP07615399A patent/JP3322845B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000263679A (ja) | 2000-09-26 |
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