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JP3331990B2 - 調質圧延時の材料曲線の変極点判断方法 - Google Patents
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JP3331990B2 - 調質圧延時の材料曲線の変極点判断方法 - Google Patents

調質圧延時の材料曲線の変極点判断方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼鈍後の鋼板の調質
圧延において、ロールギャップと圧下力の関係を示す材
料曲線の変極点を判断する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブリキ原板等板厚の薄い焼鈍後の鋼板を
調質圧延する際に、ロールギャップと圧下力の関係を示
す材料曲線の変極点では、連続的に圧下力を変更した際
に伸び率が急激に変化するジャンピング現象が発生す
る。これは、一般の引っ張り試験の応力−歪みの関係で
観察される降伏点伸び現象と同現象であり、伸び率が急
激に変化すると、伸び率を積極的に制御しようとするた
めに、ジャンピング現象が生じて伸び率が大きく変動
し、伸び率異常等の品質不良が発生する。
【0003】ジャンピング現象は圧延液を使用した調質
圧延(以下、湿式圧延)の伸び率約15%以下の低圧下
領域において発生しやすい。圧延液を使用しない調質圧
延(以下、乾式圧延)では、ジャンピング現象は、発生
しにくいが、伸び率が約2〜5%の圧延時に発生する場
合がある。
【0004】湿式圧延の伸び率約15%以下の低圧下領
域におけるジャンピング現象の発生を防止する方法が製
鉄研究第319号(1985),p.52〜59(以
下、先行技術1)に記載されている。先行技術1では、
焼鈍後の鋼板の調質圧延時に、適切なロール径と摩擦係
数の大きな圧延液を使用してジャンピング現象が発生す
る領域を狭くするとともに、張力設定値、圧下率、伸び
率等を前記領域を避ける条件に設定して圧延することに
よってジャンピング現象の発生を防止している。
【0005】しかし、先行技術1では、調質圧延のサイ
クル自体の変更や個別の材料特性の変動の影響等により
ジャンピング現象が発生するロールギャップと圧下力の
関係を示す材質曲線の変極点付近の領域で調質圧延を行
ってしまい、その際伸び率を制御することでジャンピン
グ現象が発生し、このジャンピング現象の発生を確実に
防止できない。
【0006】さらに、先行技術1では、適切なロール径
と摩擦係数の大きい圧延液の採用が必要になるので、設
備改造や圧延液の変更が必要で、操業上の制約が大きく
なり、既存の調質圧延機において簡単に実施できない点
も多くなるという問題点もある。
【0007】乾式圧延の低圧下領域ではジャンピング現
象が発生しにくいので、従来よりブリキ原板等の板厚の
薄い焼鈍後の鋼板の調質圧延には乾式圧延が採用されて
いるが、比較的高い伸び率(35%程度迄)を要求する
DR材については湿式圧延を採用している。湿式圧延で
はジャンピング現象が頻繁に発生し、特にジャンピング
現象の防止が操業上肝要である。特に、調質圧延機が連
続焼鈍炉等、所謂連続ラインと直列に接続されている場
合に、ジャンピング現象の発生により、調質圧延条件、
延いてはライン全体の操業条件の変更を迫られ、生産品
の品質と操業に著しい不都合を生じせしめる。
【0008】また、乾式圧延においては、伸び率が約2
〜5%の圧延時におけるジャンピング現象の発生を事前
に把握してジャンピング現象の発生を確実に防止できる
有効な手段についてはこれまで提案されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の調質
圧延においては、ジャンピング現象の発生を事前に把握
できないため、伸び率異常等のジャンピング現象をオペ
レータが確認してはじめて何らかの対応を取るため、対
応が遅れ、または対応が取れなかったり、或いは対応し
たとしても状況判断を誤って操作ミスを生じ、これらに
より品質異常の影響範囲を拡大させていた。
【0010】調質圧延時に、ロールギャップと圧下力の
関係を示す材料曲線の変極点或いは変極点に近づいたこ
とを的確に把握できれば、早期に圧延条件を変更し、湿
式圧延や乾式圧延における前記ジャンピング現象の発生
を防止できるようになる。
【0011】本発明は、前記事情を考慮して、焼鈍後の
鋼板を調質圧延する際に、ロールギャップと圧下力の関
係を示す材料曲線の変極点を的確に判断できる方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ロールギ
ャップと圧下力の関係を示す材料曲線の変極点を的確に
把握する方法について種々検討した。その結果、板厚或
いは伸び率或いは圧下力或いはロールギャップの時系列
データの周波数分析を行ったところ、前記材料曲線の変
極点では、前記データの特定領域の周波数帯における周
波数の強度レベルが高くなり、この周波数強度レベルを
把握することによって材料曲線の変極点を的確に把握で
きることを見出した。
【0013】本発明は上記知見に基くものであり、前記
課題を解決するための本発明の手段は以下の通りであ
る。
【0014】第1発明は、焼鈍後の鋼板を調質圧延する
際に、板厚或いは伸び率或いは圧下力或いはロールギャ
ップのいづれかの時系列データをもとに周波数分析を行
い、特定領域の周波数帯における周波数の強度レベルが
予め設定した値を越えた場合に、ロールギャップと圧下
力の関係を示す材料曲線の変極点であると判断すること
を特徴とする調質圧延時の材料曲線の変極点判断方法で
ある。
【0015】第2発明は、焼鈍後の鋼板を調質圧延する
際に、板厚或いは伸び率或いは圧下力或いはロールギャ
ップのいづれかの時系列データをもとに周波数分析を行
い、特定領域の周波数帯における周波数の強度レベルが
予め設定した値に近づいた場合に、ロールギャップと圧
下力の関係を示す材料曲線の変極点付近であると判断す
ることを特徴とする調質圧延時の材料曲線の変極点判断
方法である。
【0016】第3発明は、第1発明又は第2発明におい
て、調質圧延時のライン速度に応じて、特定領域の周波
数帯を変更することを特徴とする調質圧延時の材料曲線
の変極点判断方法である。
【0017】調質圧延における焼鈍後の鋼板の低圧下領
域におけるロールギャップと圧下力の関係を示す材料曲
線を図1に示す。この場合、 (1)圧下力を増加してミル弾性曲線を→に移動さ
せていくと、ミル弾性曲線が材料曲線との交点aを僅か
に越えた瞬間、点bに飛び移る。 (2)更に圧下力を→へ増加していくと、圧下力と
ロールギャップは点b→点cに沿う安定した関係を示
す。 (3)低い伸び率を得るために、ミル弾性曲線を→
へ下げていく場合、ミル弾性曲線が材料曲線との交点d
を下回ると、点eに飛び移る。
【0018】即ち、a−b−c−d−eのヒシテリシス
履歴が描かれることになる。点a→点b、点d→点eへ
の急激な飛び移りにより制御が不安定化することによっ
て、ジャンピング現象が発生すると考えられる。
【0019】図1において、圧下力を減少してミル弾性
曲線を→に移動する場合、点d〜点eの領域、また
圧下力を増加してミル弾性曲線を→に移動する場
合、点a〜点bの領域はジャンピング現象が発生する不
安定領域である。本発明においては、点a、点dのよう
に、圧下力を連続的に変更した際に同じ圧下力に対して
違うロールギャップを持つ点をロールギャップと圧下力
の関係を示す材料曲線の変極点という。
【0020】板厚或いは伸び率或いは圧下力或いはロー
ルギャップのいづれかの時系列データをもとに周波数分
析を行った場合、ミル弾性曲線と材料曲線の交点が点d
又は点aに近づくと、特定領域の周波数帯における周波
数の強度レベルが高くなる。したがって、予め圧下力を
連続的に減少する場合の材料曲線の点d、圧下力を連続
的に増加する場合の材料曲線の点aにおける特定の周波
数帯における周波数強度レベルを予め調査して求めてお
き(以下、設定値)、調質圧延時に前記特定領域の周波
数帯における周波数分析を行ってその周波数帯の強度レ
ベルを求め(以下、測定値)、測定値と設定値の大小を
比較することによって、ミル弾性曲線が材料曲線の変極
点d又は点aに近づいているか否かを判断、すなわち、
測定値が設定値より幾分小さい場合変極点に近いと判断
でき、また測定値が設定値を越える場合変極点であると
判断できる。
【0021】図1は、低圧下領域における湿式圧延の場
合についての説明であるが、乾式圧延の場合において
も、圧下力を連続的に変更した際にジャンピング現象が
発生する領域において、予め特定の周波数帯における周
波数強度レベルを調査しておくことによって、前記と同
様にして材料曲線の変極点又は変極点に近いか否かを判
断できる。
【0022】本発明によれば、ロールギャップと圧下力
の関係を示す材料曲線の変極点を的確に判断できる。こ
の判断に基いて、オペレータ或いは自動制御により材料
曲線の変極点において出側張力の変更や速度ダウンなど
のアクションを取ることによって、伸び率変動や板厚変
動等による品質異常の発生を抑制することが可能とな
る。
【0023】また、変極点に近づいた場合にオペレータ
にアラームを発報すると、前記アクションを早期により
確実に取ることができる。
【0024】調質圧延時のライン速度によって、強度レ
ベルが高くなる周波数帯が変化することが判明してい
る。したがって、調質圧延時のライン速度に応じて、判
断する際の特定領域の周波数帯を変更すると、材料曲線
の変極点をより的確に把握できるようになる。
【0025】また、上記変極点判断方法は、新設の調質
圧延機のみならず、既設の調質圧延機にも、安価に備え
付けられる利点がある。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に説明す
る。
【0027】図2は本発明の実施の形態を説明するため
の調質圧延機の制御系統を示すブロック図である。図2
において、Sは焼鈍後の鋼板、1は調質圧延ロール、2
は油圧圧下装置、3aは入側ブライドルロール、3bは
出側ブライドルロール、4は板厚計、6は圧延荷重計、
7aは入側ブライドルの板送り長、7bは出側ブライド
ル板送り長、8は伸び率演算装置、9は周波数分析装
置、10は材料曲線の変極点を判断する変極点判別装
置、16は警報発生装置である。
【0028】図2の調質圧延機では、焼鈍後の鋼板に調
質圧延を施すにあたって、油圧圧下装置2によって圧下
力等を制御して、伸び率演算装置8で演算される伸び率
が所定伸び率になるように又は板厚計4で検出した鋼板
板厚が所定板厚になるように、フィードバック制御す
る。その際、以下に説明するようにして、ロールギャッ
プと圧下力の関係を示す材料曲線の変極点を判別する。
【0029】図2において、入側ブライドルロール3a
の回転数から調質圧延機1の入側板送り長、出側ブライ
ドルロール3bの回転数から調質圧延機の出側板送り長
を求め、それぞれの板送り長を伸び率演算装置8に入力
して伸び率を演算する。前記で演算した伸び率のデー
タ、また油圧圧下装置2の油柱位置から検出したロール
ギャップ、板厚計4で検出した板厚、圧延荷重計6で検
出した圧下力の各データを周波数分析装置9へ出力す
る。
【0030】周波数分析装置9では、入力された板厚或
いは伸び率或いは圧下力或いはロールギャップのデータ
をもとに周波数分析を行い、分析結果を変極点判別装置
10へ出力する。
【0031】変極点判別装置10では、板厚或いは伸び
率或いは圧下力或いはロールギャップについて、それぞ
れ予め特定領域の周波数帯f0〜f1及びその周波数帯に
おける周波数強度レベルS1の全体の強度S0に対する比
率S1/S0について高低二水準の設定値k1、k2が設定
できるようになっている。高レベル側の設定値k1は、
材料曲線の変極点に設定され、低レベル側の設定値k2
は、材料曲線の変極点近傍に設定されている。
【0032】変極点判別装置10では、周波数分析装置
9から送られてきた板厚或いは伸び率或いは圧下力或い
はロールギャップの時系列データについての周波数分析
結果を判別する。即ち、周波数分析データの予め設定さ
れている周波数帯f0〜f1の周波数強度が低レベル側の
設定値k2を越える場合材料曲線の変極点に近づいてい
ると判断し、更に高レベル側の設定値k1を越える場
合、ロールギャップと圧下力の関係を示す材料曲線の変
極点であると判断する。
【0033】以下、圧下力測定値の時系列データをもと
に周波数分析を行って材料曲線の変極点を判断する場合
について図3を用いて具体的に説明する。
【0034】図3(a)は、圧延荷重計6の圧下力の時
系列データの図である。図3(b)は、前記時系列デー
タを周波数分析装置9へ出力し、圧下力の時系列データ
の有する周波数成分を0〜500Hzまでの周波数スペ
クトルとして抽出した図である。この結果を材料曲線の
変極点判別装置10に入力する。
【0035】変極点判別装置10では、特定領域の周波
数帯f0〜f1が200〜400Hzに設定され、この周
波数帯における周波数強度S1の全体の強度S0に対する
比率S1/S0が50%になるレベルに高レベル側の設定
値k1、比率S1/S0が30%になるレベルに低レベル
側の設定値k2が設定されている。高レベル側の設定値
1は材料曲線の変極点に対応しており、低レベル側の
設定値k2は材料曲線の変極点の近傍に設定されてい
る。
【0036】変極点判別装置10に入力した周波数スペ
クトルの200〜400Hzまでの周波数帯内の周波数
の強度レベルの測定値が低レベル側の設定値k2を越え
た場合、材料曲線の変極点付近であると判断され、更に
高レベル側の設定値k1を越えた場合材料曲線の変極点
であると判断される。
【0037】特定領域の周波数帯f0〜f1及びこの周波
数帯における周波数強度の設定値k 1、k2については、
ジャンピング現象が発生する領域またはその付近におけ
る圧下力の時系列データの周波数分析を行うことによっ
て求めることができる。
【0038】調質圧延時のライン速度によって、強度レ
ベルが高くなる周波数帯が幾分変化する。ライン速度に
応じて前記周波数強度の設定値k1、k2を変更すること
によって、調質圧延のライン速度が変化しても、材料曲
線の変極点をより的確に把握できる。
【0039】前記は圧下力の時系列データをもとに周波
数分析を行って材料曲線の変極点を判別する場合につい
ての説明であるが、板厚、伸び率或いはロールギャップ
の時系列データをもとに周波数分析を行って材料曲線の
変極点を判別する場合についても同様に行うことができ
る。
【0040】変極点判別装置10で測定した周波数強度
が低レベル側の設定値k2を越えると信号を警報発生装
置16に出力し、警報発生装置16からアラームを発し
てオペレータに知らせる。警報発生装置16で警報を発
する。周波数強度が低レベル側の設定値k2と高レベル
側の設定値k1の範囲内にある間に、オペレータは出側
張力や速度ダウン等のアクションを取り、ジャンピング
現象の発生を防ぐ。
【0041】本発明によれば、ジャンピング現象の発生
しやすい湿式圧延の低圧下領域や乾式圧延の高伸び率圧
延領域において、圧延時に材料曲線の変極点を的確に判
断できる。この判断に基いて、オペレータが出側張力や
速度ダウン等のアクションを取ることができるので、ジ
ャンピング現象の発生を防止して、延び率異常や板厚異
常等の品質異常の発生を防止できる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、材料曲線の変極点を的
確に判断できる。この判断に基いて、オペレータが変極
点において出側張力の変更や速度ダウン等のアクション
を取ることができるので、伸び率の変動による延び率異
常や板厚異常等の品質異常の発生を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】調質圧延におけるロールギャップと圧下力の関
係を示す材料曲線の図。
【図2】本発明の実施の形態を説明するための調質圧延
機の制御系統を示すブロック図。
【図3】圧下力測定値の時系列データとその周波数成分
のスペクトルを示す図で、(a)は時系列データ、
(b)は周波数スペクトルを示す。
【符号の説明】
1 調質圧延機 2 油圧圧下装置 3a 入側ブライドルロール 3b 出側ブライドルロール 4 板厚計 6 圧延荷重計 7a 入側ブライドル板送り長 7b 出側ブライドル板送り長 8 伸び率演算装置 9 周波数分析装置 10 変極点判別装置 16 警報発生装置 S 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−140917(JP,A) 特開 平7−75803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78 B21B 1/00 - 1/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼鈍後の鋼板を調質圧延する際に、板厚
    或いは伸び率或いは圧下力或いはロールギャップのいづ
    れかの時系列データをもとに周波数分析を行い、特定領
    域の周波数帯における周波数の強度レベルが予め設定し
    た値を越えた場合に、ロールギャップと圧下力の関係を
    示す材料曲線の変極点であると判断することを特徴とす
    る調質圧延時の材料曲線の変極点判断方法。
  2. 【請求項2】 焼鈍後の鋼板を調質圧延する際に、板厚
    或いは伸び率或いは圧下力或いはロールギャップのいづ
    れかの時系列データをもとに周波数分析を行い、特定領
    域の周波数帯における周波数の強度レベルが予め設定し
    た値に近づいた場合に、ロールギャップと圧下力の関係
    を示す材料曲線の変極点付近であると判断することを特
    徴とする調質圧延時の材料曲線の変極点判断方法。
  3. 【請求項3】 調質圧延時のライン速度に応じて、特定
    領域の周波数帯を変更することを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の調質圧延時の材料曲線の変極点判断
    方法。
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