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JP3337607B2 - 粉体組成物 - Google Patents
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JP3337607B2 - 粉体組成物 - Google Patents

粉体組成物

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JP3337607B2
JP3337607B2 JP10277296A JP10277296A JP3337607B2 JP 3337607 B2 JP3337607 B2 JP 3337607B2 JP 10277296 A JP10277296 A JP 10277296A JP 10277296 A JP10277296 A JP 10277296A JP 3337607 B2 JP3337607 B2 JP 3337607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーと粉体と
からなる粉体組成物及びそれを含有する被覆材に関す
る。詳しくは、本発明は、粉体の分散性に優れた粉体組
成物及び被膜特性に優れた被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体材料、取り分け顔料とポリマー類と
を配合した組成物は、ペイント、絵の具等に広く使われ
ており、塗料等の被覆材等として有用である。ポリマー
類と粉体材料との組成物を被覆材等に用いる上で大きな
問題になるのは、ポリマー類の極性や濡れ性等の表面特
性や熱膨張率、粘弾性、熱伝導度等のポリマー自体の物
性と、粉体材料におけるそれらとの適合性である。往々
にしてポリマー類と粉体材料との物性の差は大きく、両
者を配合した組成物を塗料や被覆材として用いた場合
に、粉体の凝集等により被膜の強度が低下するという問
題が生じる場合があった。また、表面特性の違いから粉
体材料が凝集するなど、ポリマーの共存下で粉体材料の
分散性に問題が生じることも少なくなかった。
【0003】このようなポリマー類と粉体材料との適合
性、特に粉体材料の分散性を向上させるために、粉体と
の親和性が高く、粉体の分散性に悪影響を及ぼさないポ
リマーが種々開発されている。例えば、アクリロキシホ
スフェート等に代表される、リン酸基等の粉体親和性基
を有するモノマーを重合させたポリマーが挙げられる。
【0004】しかしながら、これらのポリマーにおいて
は、表面の極性、濡れ性等の表面特性同士の適合性と、
熱膨張率等の物性同士の適合性との調整が容易ではなか
った。すなわち、ポリマーと粉体との表面特性とを適合
させることはできても、同時に両者の熱膨張率等の物性
をも適合させることが困難であり、ポリマーの粉体から
の剥離、脱落等による粉体の凝集等が生じ、粉体の分散
性が不十分であった。そして、このような粉体組成物を
被覆材として用いた場合に、被膜強度、ガラス転移点等
の被膜特性に劣るという問題点があった。
【0005】よって、ポリマーと粉体との親和性が良好
であり、優れた被膜特性を有する被覆材を与える粉体組
成物の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況を踏まえて為されたものであり、粉体とポリマーと
の親和性が高く粉体の分散性に優れており、且つ被膜特
性に優れた被覆材を与える粉体組成物を提供することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の官能基を有する重合性モノマーを
共重合成分とする共重合体からなる外殻を有する多層ポ
リマー構造物を用いることにより、上記課題を解決でき
ることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、ポリマーと粉体とを
からなる粉体組成物において、前記ポリマーが、下記A
群から選ばれるビニル系モノマーと下記(1)〜(6)
に示す官能基群から選ばれる少なくとも1種の官能基を
有する官能基含有モノマーとの共重合体からなる外殻
と、ビニル系ポリマーからなる内核とを有する多層ポリ
マー構造物であることを特徴とする粉体組成物に関す
る。
【0009】(A群:アクリル系化合物、スチレン類、
ジエン類、塩化ビニル、ビニルアルコール)
【0010】(1)
【0011】
【化6】
【0012】[式中、Xは酸素原子又は炭化水素基で置
換されていてもよい−NH−基を表す。R1は二価の炭
化水素基を表す。Mは下記式で表される基からなる群か
ら選ばれるものである。ここで、R2及びR3は各々水素
原子又は炭化水素基を表す。]
【0013】
【化7】
【0014】(2)−XCH2CH(OH)CH2OH [式中、Xは酸素原子又は炭化水素基で置換されていて
もよい−NH−基を表す。]
【0015】(3)
【0016】
【化8】
【0017】[式中、Yは酸素原子、又は、水素原子も
しくは炭化水素基が付加していてもよい窒素原子を表
す。R2及びR3は各々水素原子又は炭化水素基を表
す。]
【0018】(4)−R2SO3H [式中、R2は水素原子又は炭化水素基を表す。]
【0019】(5)
【0020】
【化9】
【0021】[式中、R4はエポキシ基を有する炭化水
素基を表す。]
【0022】(6)−CN
【0023】また、本発明は、前記粉体組成物を含有す
る被覆材に関する。
【0024】本発明においては、前記(1)〜(6)に
示した官能基が、外殻、すなわちポリマー表面の極性、
濡れ性、表面張力等の表面特性に影響を与えるものであ
り、これらの官能基の種類と数を変えることにより、表
面特性の調整を幅広い範囲で自由に行うことができる。
よって、ポリマーと粉体との化学的親和力を高めること
ができる。また、内核を形成するビニル系ポリマーを適
宜選択することにより、熱膨張率、粘弾性、熱伝導度等
の物性を、共存する粉体の物性に適合させることができ
る。よって、このような多層構造のポリマー構造物を用
いることにより、ポリマーと粉体との表面特性や物性の
差によって生じる粉体からのポリマーの剥離や脱落など
を防ぎ、粉体の凝集を抑制して、粉体組成物中における
粉体の分散性を向上させることができる。そして、これ
により、被膜強度、ガラス転移点等の被膜特性に優れた
被覆材を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0026】(1)本発明の粉体組成物 本発明の粉体組成物は、ポリマーと粉体とからなるもの
であり、前記ポリマーが、前記A群から選ばれるビニル
系モノマーと、前記(1)〜(6)に示す官能基群から
選ばれる少なくとも1種の官能基(以下、各々、官能基
(1)〜(6)という。)を有する官能基含有モノマー
との共重合体からなる外殻とビニル系ポリマーからなる
内核とを有する多層ポリマー構造物であることを特徴と
する。
【0027】ここで、前記外殻を構成する官能基含有モ
ノマーの官能基(1)〜(6)について説明する。先
ず、官能基(1)は、下記一般式で表されるものであ
る。
【0028】
【化10】
【0029】ここで、式中、Xは酸素原子又は炭化水素
基で置換されていてもよい−NH−基を表す。R1は二
価の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12の直
鎖又は分岐の二価の炭化水素基である。Mは下記式で表
される基からなる群から選ばれるものである。ここで、
2及びR3は各々水素原子又は炭化水素基を表す。炭化
水素基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ま
しくは炭素数1〜12の直鎖又は分岐のものである。
【0030】
【化11】
【0031】このような官能基(1)の具体例として
は、ホスホエトキシカルボニル基、フェノキシホスホエ
トキシカルボニル基、ホスホビスエトキシカルボニル
基、ジメチルアミノメトキシカルボニル基、ジメチルア
ミノエトキシカルボニル基、ジエチルアミノエチルカル
ボニル基、ヒドロキシエトキシカルボニル基、ヒドロキ
シプロポキシカルボニル基、スルホプロポキシカルボニ
ル基、スルホ−1,1−ジメチルエチルアミノカルボニ
ル基等が挙げられる。
【0032】前記官能基(2)は、一般式:−XCH2
CH(OH)CH2OHで表されるものである。ここ
で、式中Xは酸素原子又は炭化水素基で置換されていて
もよい−NH−基を表す。また、前記炭化水素基として
は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜12程度の直鎖又は分岐の二価の炭化水素基であ
る。このような官能基(2)の具体例としては、2,3
−ジヒドロキシプロポキシ基、2,3−ジヒドロキシプ
ロピルアミノ基等が挙げられる。
【0033】前記官能基(3)は、下記一般式で表され
るものである。
【0034】
【化12】
【0035】ここで、式中、Yは酸素原子、又は、水素
原子もしくは炭化水素基が付加していてもよい窒素原子
を表す。R2及びR3は各々水素原子又は炭化水素基を表
す。かかる炭化水素基としては、炭素数1〜20、より
好ましくは炭素数1〜12の直鎖又は分岐のものが好ま
しい。このような官能基の具体例としては、ジメチルア
ミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアンモニウム基
等のアルキルアンモニウム基、アミノ基、水酸基等が挙
げられる。
【0036】前記官能基(4)は、一般式:−R2SO3
Hで表されるものであり、式中、R 2は水素原子又は炭
化水素基を表す。炭化水素基としては、好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12のものであ
る。このような官能基の具体例としては、スルホフェニ
ル基等が挙げられる。
【0037】前記官能基(5)は、下記一般式で表され
るものである。
【0038】
【化13】
【0039】ここで、式中、R4はエポキシ基を有する
炭化水素基を表す。炭化水素基の炭素数は2〜20、よ
り好ましくは2〜12程度が好ましい。このような官能
基としては、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシカ
ルボニル基、エポキシプロポキシカルボニル基等が挙げ
られる。
【0040】以上述べた官能基およびシアノ基(6)を
含めた(1)〜(6)の官能基群から選ばれる官能基を
有する本発明の官能基含有モノマーとしては、二重結合
又は三重結合を有する重合性のモノマーであれば特に限
定されないが、好ましくは、下記一般式(I)又は(I
I)で表される化合物である。
【0041】
【化14】
【0042】ここで、式(I)及び(II)中、Zは水
素原子、−(CH2r−CH3、−COO(CH2r
CH3、置換基を有していてもよいフェニル基又はシア
ノ基を表し、rは0又は1〜17の整数を表す。Qは前
記(1)〜(6)のいずれかの官能基を表す。nは好ま
しくは0又は1〜20の整数、より好ましくは0又は1
〜16の整数、更に好ましくは0又は1〜12の整数を
表す。
【0043】このような官能基含有モノマーの具体例と
しては、アクリロキシホスフェート、メタクリロキシホ
スフェート、アクリロキシエチルホスフェート、メタク
リロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフ
ェニルアシッドホスフェート、スルホプロピルアクリレ
ート、スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロ
キシブチルメタクリレート、アリルアルコール、プロパ
ルギルアルコール、アリルアミン、プロパルギルアミ
ン、グリセリルモノアリルエーテル、グリセリルジアリ
ルエーテル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミ
ノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルアクリレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
ブタジエンモノオキサイド、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等が挙げられる。これらのうち1種又は2
種以上が選択される。
【0044】前記官能基含有モノマーと共に共重合体を
構成する前記A群から選ばれるビニル系モノマーについ
て説明する。前記A群は、アクリル系化合物、スチレン
類、ジエン類、塩化ビニル、及びビニルアルコールから
なる群であり、アクリル系化合物としては、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド等が挙げら
れる。このうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート
等が挙げられる。また、スチレン類としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げら
れる。ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン等が
挙げられる。本発明のビニル系モノマーは、これらのう
ちから適宜1種又は2種以上を選択することができる。
【0045】外殻における、官能基含有モノマーとビニ
ル系モノマーとの好ましい割合は、モル比で1:999
9〜3:7であり、更に好ましくは、1:999〜1:
9である。官能基含有モノマーの割合が少なすぎると表
面物性への寄与が少なくなることがあり、多すぎると表
面特性を損なうことがある。
【0046】多層ポリマー構造物の内核を構成するビニ
ルポリマーは、特に限定されないが、好ましくは、外殻
を構成するビニル系モノマーと同様、前記A群から選ば
れるビニル系モノマーであって、外殻に用いられるもの
とは異なるモノマーの重合体である。このようなビニル
系モノマーは、前記A群から1種又は2種以上を選択す
ることができる。外殻と内核とで相互に異なるモノマー
を用いることにより、各層が異なる物性を有する多層構
造物が得られ、不均一な多層構造の被膜を形成すること
ができるため、これにより種々の物性の被コーティング
材に対して経時的にも強固な被膜を得ることができる。
【0047】外殻及び内核を構成するポリマーには、通
常のポリマー材料に含有される任意成分が含有されてい
てもよい。このような任意成分としては、可塑剤、着色
剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤等が例示できる。
【0048】本発明の多層ポリマー構造物は、上述した
共重合体からなる外殻と、ビニル系ポリマーからなる内
核とを有する球状構造物であり、好ましくは平均粒径
0.05〜1μm程度の粒状物である。ここで、本発明
における外殻とは、球状構造物の表面層を形成するポリ
マー層をいうが、必ずしも構造物表面全体が前記外殻で
被覆されていなくても良く、構造物表面の多くの部分、
具体的には表面積の30%以上を占有すればよい。ま
た、本発明における内核とは、球状構造物の核を形成す
るポリマー層をいうが、構造物表面に露出部を全く有し
ないものである必要はなく、例えば表面積の50%程度
まで内核が露出していてもよい。
【0049】本発明の多層ポリマー構造物においては、
外殻で覆われた球状構造物1単位について、内核を1個
又は複数個含んでいてよい。また、外殻と内核とが必ず
しも明確に分離されている必要はなく、例えば外殻を構
成するポリマーと内核を構成するポリマーとが部分的に
相互に結合していてもよい。また、外殻全体が必ずしも
内核の外側にある必要はなく、例えば外殻と内核とが部
分的に相互に埋入していてもよい。
【0050】本発明の多層ポリマー構造物は、構成層が
外殻と内核との2層である場合の他に、前記外殻と内核
の間に更にポリマー層を設けて3層以上の層により構成
されていてもよい。このような中間のポリマー層を構成
するポリマーとしては、上述した外殻又は内核を構成し
うるビニル系モノマー群のなかから適宜選択することが
できる。構成層の数は2以上であれば特段の限定はされ
ないが、製造上のデメリットとこのような構造に由来す
る膜表面特性のメリットとを考え併せれば、2層が最も
好ましい。このようなポリマーにおいて、外殻は形成す
る膜の表面特性に影響を及ぼし、内核は膜物性自体に影
響を及ぼす。
【0051】本発明の多層ポリマー構造物の構造の一例
を図1に模式図として示す。具体的には、例えば、図1
の(A)、(B)又は(C)に示すような構造のものが
例示できる。図1(A)は、構造物表面全体を被覆する
外殻の内側に内核を1個有する、いわゆるコア・シェル
型ポリマー構造物である。図1(B)は、外殻の内側に
内核を複数個有する散弾型ポリマー構造物である。図1
(C)は、外殻の内側の層(内核又は中間のポリマー
層)が一部表面に露出している眼球型ポリマー構造物で
ある。これらの構造を組み合わせた構造であってもよ
い。これらのうち、特に好ましいものは、図1(A)又
は図1(B)で示した構造のものであって、構成層数が
2のものである。また、図1(A)のコア・シェル型ポ
リマーで2層の場合、内核の平均直径は、好ましくは
0.03〜0.7μm程度である。
【0052】前述した多層ポリマー構造物は、前記A群
から選ばれる1種以上のビニル系モノマーを重合して内
核を形成し、次いで前記A群から選ばれる1種以上のビ
ニル系モノマーであって前記内核を形成するビニル系モ
ノマーとは異なるものと前記官能基含有モノマーとを重
合して外殻を形成することにより製造することができ
る。
【0053】具体的な重合方法としては、特段の限定は
されず、例えば、転相状態でモノマーの混合物をコーテ
ィングしながら重合させる方法(表面から内部へ重合し
つつ表面と他の表面とを重合により結合させて重合物を
大きくさせる方法)、膜状にモノマーを重合させてポリ
マー膜を形成させ、その上部に更にモノマーを層状に重
合させて多層構造膜を作成し、この膜を粉砕する方法、
多段に亘る乳化重合により多層構造のポリマー構造物を
製造する方法等が挙げられる。これらのうち最も好まし
いものは、多段に亘る乳化重合による方法である。
【0054】乳化重合による多層ポリマー構造物の好ま
しい製造方法としては、前記A群から選ばれる1種以上
のビニル系モノマーを乳化重合して内核を形成し、次い
で前記内核の存在下に、前記A群から選ばれる1種以上
のビニル系モノマーであって前記内核を形成するビニル
系モノマーとは異なるものと前記官能基含有モノマーの
1種以上とを乳化重合して前記内核の周囲に外殻を形成
する方法が挙げられる。乳化重合は、従来から知られて
いる常法に従って行うことができる。即ち、乳化剤、モ
ノマー、分散媒を予め撹拌等により乳化しておき、これ
に重合開始剤を加えて重合させる。また、外殻の形成工
程を更に多段に分けて行うこともできる。すなわち、内
核形成後、まず前記内核の存在下に前記A群から選ばれ
る1種以上のビニル系モノマーであって前記内核を形成
するビニル系モノマーとは異なるものを乳化重合し、次
いで、更に前記官能基含有モノマーの1種以上を乳化重
合して前記内核の周囲に外殻を形成することもできる。
【0055】3層以上の多層ポリマー構造物の場合は、
まず内核を形成し、次いで外殻を形成する工程の前に、
更に新たな乳化重合工程を含めることにより、任意の構
成層数の多層ポリマー構造物を得ることができる。例え
ば、内核形成工程と外殻形成工程の間に更に乳化重合工
程を含めることにより、内核と外殻との間に中間層を有
する多層ポリマー構造物を得ることができる。
【0056】また、本発明で用いられる多層ポリマー構
造物は、前記A群から選ばれる1種以上のビニル系モノ
マーを乳化重合して内核を形成し、次いで前記内核の存
在下に、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又はフェニ
ル基を有する重合性モノマーと前記ビニル系モノマーと
を乳化重合させて共重合体を形成した後、前記共重合体
に濃硫酸、クロロメトキシメタン、及びトリメチルアミ
ンからなる群から選ばれる試薬を反応させて前記内核の
周囲に外殻を形成することにより得ることもできる。
【0057】すなわち、外殻を形成する方法として、官
能基含有モノマーをビニル系モノマーとともに乳化重合
させる方法の他に、前述した特定の重合性モノマーと前
記ビニル系モノマーとを乳化重合させた後、前記試薬を
反応させる方法をとることによって、外殻に前記(1)
〜(6)に示す官能基を導入することができる。フェニ
ル基を有する重合性モノマーとしては、スチレン、ブロ
モスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン類が挙げら
れる。また、ハロゲン原子を有する重合性モノマーとし
ては、塩化ビニル、アリルブロマイド等が挙げられる。
水酸基を有する重合性モノマーとしてはビニルアルコー
ル等が挙げられる。アミノ基を有する重合性モノマーと
してはアリルアミン等が挙げられる。前記試薬の使用量
は特に限定されず、所望する多層ポリマー構造物に応じ
て決定されるが、例えば前記重合性モノマーに対し、5
0〜200モル%である。
【0058】乳化重合に用いられる乳化剤としては、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナ
トリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナ
トリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエ
チレン・オキシプロピレンブロックポリマー等の非イオ
ン性界面活性剤;ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド
等のカチオン性界面活性剤;等が挙げられる。これらの
使用量は常法に従い適宜決定されるが、例えば全固形分
100重量部に対し0.1〜10重量部程度使用するの
が好ましい。
【0059】分散媒としては通常、水が用いられる。重
合開始剤としては、過酸化水素等の過酸化物、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、クメンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の
有機過酸化物もしくはこれらの過硫酸塩、又は過酸化
物、鉄イオン等の金属イオン、ナトリウムスルホキシレ
ート、ピロ亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸等の
還元剤との組合せによるレドックス開始剤等が挙げられ
る。これらの使用量は常法に従い決定されるが、例えば
全固形分100重量部に対して0.1〜4重量部程度使
用するのが好ましい。更に分子量を調節するためにメル
カプタン等の連鎖移動剤を添加することができる。重合
温度は30〜90℃程度、重合時間はモノマーの使用量
にもよるが、1〜10時間程度が好ましい。
【0060】本発明の粉体組成物に用いられる粉体は、
粉粒状物の集合体であれば特に限定されず、また、粉粒
状物の形状についても、球状、繊維状、鱗片状、板状等
のいずれであってもよい。好ましくは、平均粒径10μ
m以下、より好ましくは平均粒径0.1〜10μmの有
機又は無機粒状物である。
【0061】このような有機又は無機粒状物としては、
例えば、酸化チタン、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、鉛黄、
酸化亜鉛、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化
クロム等の無機顔料;キナクリドンイエロー、キナクリ
ドンレッド、銅フタロシアニン、ベンジジンイエロー等
の有機顔料;黄4号Al、赤色213Al、赤色230
Al等の有機色素のレーキ物;タルク、セリサイト、マ
イカ等の鉱物;チタンマイカ、酸化チタン焼き付けマイ
カ等の鉱物加工粉体;シリカゲル、珪酸カルシウム、炭
酸カルシウム等の合成粉体;等が挙げられる。
【0062】本発明の粉体組成物は、以上述べた多層ポ
リマー構造物と粉体とからなるものであり、前記多層ポ
リマー構造物及び粉体は、各々1種のみを用いてもよ
く、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
粉体と多層ポリマー構造物との含有比率は、粉体:多層
ポリマー構造物=1:99〜99:1が好ましく、更に
1:9〜9:1が好ましい。
【0063】(2)本発明の被覆材 本発明の被覆材は、前記本発明の粉体組成物を含有する
ものである。被覆材としては、具体的にはペイント、塗
料、絵の具、錆止め料等が挙げられる。本発明の被覆材
には、前記粉体及び多層ポリマー構造物からなる粉体組
成物以外に、用途に応じて、通常粉体分散製品に使われ
る任意成分を配合することができる。このような任意成
分としては、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプ
ロピル、クエン酸トリエチル、コハク酸ジイソプロピル
等の可塑剤、水やアルコールなどの溶剤、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、防腐剤、消泡剤、分散剤、分散助剤等が
挙げられる。更に、従来から用いられている被膜形成剤
などを含有することもできる。
【0064】このような本発明の被覆材における粉体及
び多層ポリマー構造物の好ましい含有量は、粉体組成物
の用途によっても異なるが、粉体が好ましくは1〜70
重量%、より好ましくは5〜60重量%、多層ポリマー
構造物が2〜50重量%、より好ましくは3〜20重量
%である。また、被覆材の製造方法は常法に従えば良
い。
【0065】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれらの実施例のみに限定を受けない
ことは言うまでもない。
【0066】
【製造例1】 (1)内核形成工程 水100重量部とラウリル硫酸ナトリウム3重量部とを
反応釜に仕込み、窒素バブリングで窒素置換して攪拌下
に70℃まで昇温した。一方において、予め、メチルメ
タクリレート63.6重量部、2−エチルヘキシルアク
リレート26.8重量部、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル1.5重量部、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル0.7重量部、n−ドデシルメルカプタ
ン1.6重量部を溶解混合して、内核形成用のコア・モ
ノマー液を調整した。反応釜にコア・モノマー液の2割
を加え、続けて水15重量部に過硫酸カリウム0.5重
量部を溶かして加え、重合を開始させた。45分反応さ
せた後残りのコア・モノマー液を滴下して加え、滴下終
了後4時間反応させた。
【0067】(2)外殻形成工程 前記重合反応の反応液に、更に過硫酸カリウム0.1重
量部を水15重量部に溶かしたものを加え、外殻形成用
のシェル・モノマー液[アクリル酸4重量部、α−メチ
ルスチレン8.6重量部、スチレン2重量部、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル1.2重量部、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル0.3重量部、n−
ドデシルメルカプタン0.5重量部、メタクリロキシエ
チルホスフェート0.5重量部、及びメタクリロキシエ
チルフェニルアシッドホスフェート0.5重量部]を滴
下して加え、滴下終了後4時間反応させた。更に90℃
に昇温して1時間反応させた。反応液を冷却後アンモニ
ア水で中和し、多層ポリマー構造物の水分散液1を得
た。これを凍結させ、凍結切片とし電子顕微鏡で観察し
たところ、平均粒径0.5ミクロン、内核の粒径0.3
8ミクロンのコア・シェル型多層ポリマー構造物である
ことが判った。
【0068】
【製造例2】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、スルホプロピルメ
タクリレート0.5重量部及び2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸0.5重量部に代えた他
は、製造例1と同様にして、多層ポリマー構造物の水分
散液2を得た。凍結切片による観察より、このものは平
均粒径0.45ミクロン、内層に平均粒径0.1ミクロ
ンのポリマーを平均3.7個含有する散弾型多層ポリマ
ー構造物であることが判った。
【0069】
【製造例3】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、ヒドロキシエチル
メタクリレート2重量部、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート2重量部、及びヒドロキシプロピルメタアクリルレ
ート1重量部に代えた他は、製造例1と同様にして、多
層ポリマー構造物の水分散液3を得た。凍結切片による
観察より、このものは平均粒径0.6ミクロン、内核が
平均粒径0.48ミクロンのコア・シェル型多層ポリマ
ー構造物であることが判った。
【0070】
【製造例4】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、アリルアミン5重
量部に代えた他は、製造例1と同様にして、多層ポリマ
ー構造物の水分散液4を得た。凍結切片による観察よ
り、このものは平均粒径0.41ミクロン、内核が平均
粒径0.3ミクロンのコア・シェル型多層ポリマー構造
物であることが判った。
【0071】
【製造例5】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、グリセリルモノア
リルエーテル2重量部及びグリセリルジアリルエーテル
2重量部に代えた他は、製造例1と同様にして、多層ポ
リマー構造物の水分散液5を得た。凍結切片による観察
より、このものは平均粒径0.29ミクロン、内核が平
均粒径0.25ミクロンのコア・シェル型多層ポリマー
構造物であることが判った。
【0072】
【製造例6】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル2重量部、アクリル酸ジメチルアミノ
メチル2重量部、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル1重量部に代えた他は、製造例1と同様にして、多層
ポリマー構造物の水分散液6を得た。凍結切片による観
察より、このものは平均粒径0.29ミクロン、内核が
平均粒径0.25ミクロンのコア・シェル型多層ポリマ
ー構造物であることが判った。
【0073】
【製造例7】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、ジアリルジメチル
アンモニウムクロライド4重量部に代えた他は、製造例
1と同様にして、多層ポリマー構造物の水分散液7を得
た。凍結切片による観察より、このものは平均粒径0.
42ミクロン、内核が平均粒径0.32ミクロンのコア
・シェル型多層ポリマー構造物であることが判った。
【0074】
【製造例8】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、グリシジルアクリ
レート2重量部及び3,4−エポキシシクロヘキシルア
クリレート2重量部に代えた他は、製造例1と同様にし
て、多層ポリマー構造物の水分散液8を得た。凍結切片
による観察より、このものは平均粒径0.37ミクロ
ン、内核が平均粒径0.28ミクロンのコア・シェル型
多層ポリマー構造物であることが判った。
【0075】
【製造例9】製造例1のメタクリロキシエチルホスフェ
ート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニルア
シッドホスフェート0.5重量部を、アクリロニトリル
2重量部及びメタクリロニトリル2重量部に代えた他
は、製造例1と同様にして、多層ポリマー構造物の水分
散液9を得た。凍結切片による観察より、このものは平
均粒径0.41ミクロン、内核が平均粒径0.34ミク
ロンのコア・シェル型多層ポリマー構造物であることが
判った。
【0076】
【製造例10】製造例1のメタクリロキシエチルホスフ
ェート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニル
アシッドホスフェート0.5重量部を、スチレン5重量
部及びジビニルベンゼン5重量部に代えた他は、製造例
1と同様にして、多層ポリマー構造物の水分散液を得
た。但し、このものはアンモニアによる中和は行わなか
った。これに10重量部の濃硫酸を加えて90℃で2時
間加熱し、その後中和して本発明の多層ポリマー構造物
の分散液10を得た。凍結切片による観察より、このも
のは平均粒径0.98ミクロン、内核が平均粒径0.8
1ミクロンのコア・シェル型多層ポリマー構造物である
ことが判った。
【0077】
【製造例11】製造例1のメタクリロキシエチルホスフ
ェート0.5重量部及びメタクリロキシエチルフェニル
アシッドホスフェート0.5重量部を、スチレン5重量
部及びジビニルベンゼン5重量部に代えた他は、製造例
1と同様にして、多層ポリマー構造物の水分散液を得
た。但し、このものはアンモニアによる中和は行わなか
った。これに1重量部の濃硫酸とクロロメトキシメタン
10重量部を加えて90℃で2時間加熱し、その後中和
して更にトリメチルアミン20重量部を加え、90℃で
2時間加熱した。これをクエン酸で中和し、透析して本
発明の多層ポリマー構造物の分散液11を得た。凍結切
片による観察より、このものは平均粒径0.87ミクロ
ン、内核が平均粒径0.74ミクロンのコア・シェル型
多層ポリマー構造物であることが判った。
【0078】
【配合例1】以下の処方にしたがって、ペイント1を調
製した。即ち、以下に示す処方成分をボールミルに秤込
み、48時間ボールミルにかけて、ストレイナーでボー
ルを濾別し、ペイントを得た。 (処方成分)製造例1の多層ポリマー構造物水分散液:
50重量部(そのうち、多層ポリマー構造物18重量
部)、酸化チタン:30重量部、アジピン酸ジエチル:
10重量部、水:10重量部。
【0079】
【配合例2】以下の処方にしたがって、ペイント2を作
成した。即ち、以下に示す処方成分をボールミルに秤込
み、48時間ボールミルにかけて、ストレイナーでボー
ルを濾別し、ペイントを得た。 (処方成分)製造例2の多層ポリマー構造物水分散液:
50重量部(そのうち、多層ポリマー構造物21重量
部)、ベンガラ:30重量部、アジピン酸ジイソプロピ
ル:10重量部、水:10重量部。
【0080】
【配合例3】以下の処方にしたがって、ペイント3を作
成した。即ち、以下に示す処方成分をボールミルに秤込
み、48時間ボールミルにかけて、ストレイナーでボー
ルを濾別し、ペイントを得た。 (処方成分)製造例3の多層ポリマー構造物水分散液:
50重量部(そのうち、多層ポリマー構造物20重量
部)、黄色酸化鉄:30重量部、クエン酸トリエチル:
10重量部、水:10重量部。
【0081】
【配合例4】以下の処方にしたがって、ペイント4を作
成した。即ち、以下に示す処方成分をボールミルに秤込
み、48時間ボールミルにかけて、ストレイナーでボー
ルを濾別し、ペイントを得た。 (処方成分)製造例4の多層ポリマー構造物水分散液:
50重量部(そのうち、多層ポリマー構造物21重量
部)、水酸化クロム:30重量部、コハク酸ジイソプロ
ピル:10重量部、水:10重量部。
【0082】
【配合例5】以下の処方にしたがって、ペイント5を作
成した。即ち、以下に示す処方成分をニーダーで混練り
し、ロールにかけてペイントを得た。 (処方成分)製造例5の多層ポリマー構造物水分散液:
40重量部(そのうち、多層ポリマー構造物19重量
部)、黒色酸化鉄:30重量部、タルク:20重量部、
アジピン酸ジエチル:10重量部。
【0083】
【配合例6】以下の処方にしたがって、絵の具1を作成
した。即ち、以下に示す処方成分をニーダーに秤込み混
練りし、ロールにかけて絵の具を得た。 (処方成分)製造例1の多層ポリマー構造物水分散液:
20重量部(そのうち、多層ポリマー構造物20重量
部)、アクリル酸メチル水分散液(アクリル酸メチル1
0重量%含有):20重量部、酸化チタン:50重量
部、水:10重量部。
【0084】
【実施例1、比較例1】 <膜強度試験>配合例1〜6で得られた各組成物を用い
て、10ミルのドクターブレードでガラス上に被膜を作
成した。この被膜を、48時間サイクルで−10℃〜4
0℃の間を変化するエージングボックスに3ヶ月置き、
被膜の剥離状態を観察した(実施例1)。また、比較と
して、配合例1〜6における多層ポリマー構造物水分散
液を各々アクリル酸メチル水分散液(アクリル酸メチル
10重量%含有)に置換した他は配合例1〜6と同様の
処方によって得られた組成物を用いた(比較例1)。結
果を表1に示す。この結果から、本発明の粉体組成物
は、比較例より優れた経時密着性があることが判る。
【0085】
【表1】
【0086】
【実施例2、比較例2】 <経時試験>実施例1で作成したサンプル(配合例1〜
6の組成物)を試験管に10cmの高さになるように充
填し、40℃に放置して1ヶ月後に観察した(実施例
2)。また、比較として、上記比較例1と同様に、多層
ポリマー構造物水分散液の代わりにアクリル酸メチル水
分散液を用いた組成物についても同様にして観察した
(比較例2)。結果を表2に示す。この結果から、本発
明の粉体組成物は粉体の分散安定性に優れていることが
判る。
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、粉体分散性の良好な粉
体組成物が得られ、これを用いることにより、被膜強度
等の被膜特性に優れた被覆材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられる多層ポリマー構造物の構
造を示す模式図であり、(A)はコア・シェル型ポリマ
ー構造物、(B)は散弾型ポリマー構造物、(C)は眼
球型ポリマー構造物を示す。
【符号の説明】
1・・・外殻 2・・・内核
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−140203(JP,A) 特開 平1−201313(JP,A) 特開 昭62−119271(JP,A) 特開 平6−93189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 C08F 251/00 - 291/18 C08K 3/00 C09D 5/06 C09D 151/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーと粉体とからなる粉体組成物に
    おいて、前記ポリマーが、下記A群から選ばれるビニル
    系モノマーと下記(1)〜(6)に示す官能基群から選
    ばれる少なくとも1種の官能基を有する官能基含有モノ
    マーとの共重合体からなる外殻と、ビニル系ポリマーか
    らなる内核とを有する多層ポリマー構造物であることを
    特徴とする、粉体組成物。 (A群:アクリル系化合物、スチレン類、ジエン類、塩
    化ビニル、ビニルアルコール) (1) 【化1】 [式中、Xは酸素原子又は炭化水素基で置換されていて
    もよい−NH−基を表す。R1は二価の炭化水素基を表
    す。Mは下記式で表される基からなる群から選ばれるも
    のである。ここで、R2及びR3は各々水素原子又は炭化
    水素基を表す。] 【化2】 (2)−XCH2CH(OH)CH2OH [式中、Xは酸素原子又は炭化水素基で置換されていて
    もよい−NH−基を表す。] (3) 【化3】 [式中、Yは酸素原子、又は、水素原子もしくは炭化水
    素基が付加していてもよい窒素原子を表す。R2及びR3
    は各々水素原子又は炭化水素基を表す。] (4)−R2SO3H [式中、R2は水素原子又は炭化水素基を表す。] (5) 【化4】 [式中、R4はエポキシ基を有する炭化水素基を表
    す。] (6)−CN
  2. 【請求項2】 前記官能基含有モノマーが、下記一般式
    (I)又は(II)で表される化合物であることを特徴
    とする、請求項1記載の粉体組成物。 【化5】 [式(I)及び(II)中、Zは水素原子、−(C
    2r−CH3、−COO(CH2r−CH3、置換基を
    有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、rは
    0又は1〜17の整数を表す。Qは前記(1)〜(6)
    のいずれかの官能基を表す。nは0又は1〜20の整数
    を表す。]
  3. 【請求項3】 前記内核を構成するビニル系ポリマー
    が、前記A群から選ばれるビニル系モノマーであって前
    記外殻を構成するビニル系モノマーとは異なるものの重
    合体である、請求項1記載の粉体組成物。
  4. 【請求項4】 粉体が、平均粒径10μm以下の有機又
    は無機粒状物である、請求項1記載の粉体組成物。
  5. 【請求項5】 前記多層ポリマー構造物が、前記A群か
    ら選ばれる1種以上のビニル系モノマーを乳化重合して
    内核を形成し、次いで前記内核の存在下に、前記A群か
    ら選ばれる1種以上のビニル系モノマーであって前記内
    核を形成するビニル系モノマーとは異なるものと前記官
    能基含有モノマーの1種以上とを乳化重合して前記内核
    の周囲に外殻を形成することにより得られるものであ
    る、請求項1記載の粉体組成物。
  6. 【請求項6】 前記多層ポリマー構造物が、前記A群か
    ら選ばれる1種以上のビニル系モノマーを乳化重合して
    内核を形成し、次いで前記内核の存在下に、前記A群か
    ら選ばれる1種以上のビニル系モノマーであって前記内
    核を形成するビニル系モノマーとは異なるものを乳化重
    合し、更に前記官能基含有モノマーの1種以上を乳化重
    合して前記内核の周囲に外殻を形成することにより得ら
    れるものである、請求項1記載の粉体組成物。
  7. 【請求項7】 前記多層ポリマー構造物が、前記A群か
    ら選ばれる1種以上のビニル系モノマーを乳化重合して
    内核を形成する内核形成し、次いで前記内核の存在下
    に、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又はフェニル基
    を有する重合性モノマーと前記ビニル系モノマーとを乳
    化重合させて共重合体を形成した後、前記共重合体に濃
    硫酸、クロロメトキシメタン、及びトリメチルアミンか
    らなる群から選ばれる試薬を反応させて前記内核の周囲
    に外殻を形成することにより得られるものである、請求
    項1記載の粉体組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の粉体組
    成物を含有する被覆材。
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