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JP3340367B2 - 燃料電池材料塗布装置、燃料電池材料の塗布方法及びそれを用いた燃料電池材料の成膜方法 - Google Patents
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JP3340367B2 - 燃料電池材料塗布装置、燃料電池材料の塗布方法及びそれを用いた燃料電池材料の成膜方法 - Google Patents

燃料電池材料塗布装置、燃料電池材料の塗布方法及びそれを用いた燃料電池材料の成膜方法

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JP3340367B2
JP3340367B2 JP32499197A JP32499197A JP3340367B2 JP 3340367 B2 JP3340367 B2 JP 3340367B2 JP 32499197 A JP32499197 A JP 32499197A JP 32499197 A JP32499197 A JP 32499197A JP 3340367 B2 JP3340367 B2 JP 3340367B2
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淳一 藤田
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正孝 望月
雅克 永田
波子 兼田
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Kansai Electric Power Co Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池材料塗布
装置、燃料電池材料の塗布方法およびそれを用いた燃料
電池材料の成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒縦縞方式の固体電解質型燃料
電池として、たとえば、特開平7−263001号公報
に記載され、また図7に示す構造の固体電解質型燃料電
池110が提案されている。この従来の固体電解質型燃
料電池110は、中心部に燃料供給用導電性チューブ1
11を挿入する構造を特徴としていて、内側から順に燃
料極112、固体電解質113、空気極114を形成
し、中心部に燃料噴出のために多孔質にした燃料供給用
導電性チューブ111を挿入し、この導電性チューブ1
11と燃料極112との間に燃料改質機能を持つ導電性
フェルト115を充填し、そして導電性チューブ111
に燃料ガス116を供給し、外周に空気117を流通さ
せるようにした構造である。
【0003】この固体電解質型燃料電池110の発電作
用について説明すると、電池110の導電性チューブ1
11内に天然ガス、メタン、石炭ガス化ガスなどの燃料
ガス116を供給し、導電性チューブ111の多孔質の
管壁を通じて導電性フェルト115の部分に噴出させ、
この導電性フェルト115と燃料極112と固体電解質
113の部分で高温度条件下、通常、650℃〜105
0℃の条件下で次の化1式の改質反応を起こさせる。
【0004】
【化1】 この改質反応で発生する水素に対して、固体電解質11
3を介して対極する燃料極112と空気極114との部
分で次の化2式の発電反応を起こし、遊離した電子を集
電することによって発電力を得る。
【0005】
【化2】 つまり、燃料極112においては化2(a)式に示すよ
うに、改質反応で生成された水素が、固体電解質113
から供給される酸化物イオンと反応して水蒸気と電子を
生成する。そして燃料極112で生成された電子が導電
性フェルト115と導電性チューブ111を経て陰極1
18から外部回路に回り、陽極119を経て空気極11
4に到達すると、この空気極114において、化2
(b)式に示すように空気117中の酸素と反応して酸
化物イオンを生成し、これが固体電解質113に放出さ
れ、燃料極112側に到達して化2(a)式の反応に供
されるのである。
【0006】このような発電機構の円筒固体電解質型燃
料電池110において、空気極114、固体電解質11
3及び燃料極112の部分は、従来、次にようにして形
成していた。まず空気極114となるランタンマンガネ
ート系の多孔質の基体管に対して電気化学蒸着法、つま
り、CVD(Chemical Vapor Deposition )−EVD
(Electrocheical Vapor Deposition )法を用いて薄
く、かつ緻密なYSZ膜を固体電解質113として形成
し、さらにこのYSZ膜にニッケル、コバルト、ニッケ
ル又はコバルトを主成分とする合金、あるいはニッケル
ジルコニアサーメットの粉末をスラリーコートし、乾燥
後に焼成して多孔質の燃料極112を成膜するのであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の燃料電池材料の成膜方法では、特に固体電解質の
成膜方法には電気化学蒸着法を用いていたために成膜に
時間がかかり、かつ装置、原料など設備及び製造コスト
が高くなる問題点があった。
【0008】また従来、燃料極の成膜方法についてはス
ラリーコートによって燃料極材料スラリーを基体管の内
周面に塗布し、乾燥させた後に所定の高温度環境下に焼
成する方法を用いていたのであるが、スラリーコートす
る場合には、比較的粘度の低いスラリーを基体管内周に
噴霧して塗布するか、若しくは比較的粘度の高いスラリ
ーを排泥鋳込み法で基体管内周に所定の膜厚に塗布する
方法を用いていたが、燃料電池材料スラリーを噴霧して
基体管の内周面に塗布する方法では、基体管が長い場合
や細い場合に、その内部に噴霧管を差し込むことが困難
となり、また排泥鋳込み法によって燃料極材料スラリー
を基体管の内周面に塗布する場合には必要な場所だけに
塗布することが難しい問題点があった。
【0009】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、設備コストが低くでき、しかも管内径
が小さくても基体管の内周面の所望の位置に固体電解質
材料スラリーや燃料極材料スラリーを確実に、かつ所定
の膜厚で塗布することができ、したがって均一な膜厚の
固体電解質や燃料極を成膜することができる燃料電池材
料塗布装置、燃料電池材料の塗布方法およびそれを用い
た燃料電池材料の成膜方法を提供することを目的とす
る。
【0010】本発明はまた、基体管がだ円筒形であって
もその内周面に燃料電池材料を均一に塗布し、成膜する
ことができる燃料電池材料塗布装置、燃料電池材料の塗
布方法およびそれを用いた燃料電池材料の成膜方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の燃料電
池材料塗布装置は、基体管を保持する基体管保持手段
と、前記基体管保持手段に保持される基体管に軸方向に
移動自在に挿入され、その先端のスラリー吐出口から燃
料電池材料スラリーを前記基体管内に供給するスラリー
供給管と、前記スラリー供給管に内挿され、先端にゴム
弾性を有するバルーンが取付けられた空気供給管とを備
え、前記スラリー吐出口から吐出する前記燃料電池材料
スラリーを、その軸方向の移動によって前記バルーンに
よって前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付けて燃料
電池材料塗膜を形成することようにしたものである。
【0012】請求項1の発明の燃料電池材料塗布装置で
は、基体管保持手段で基体管を保持し、基体管内に挿入
したスラリー供給管を通して燃料電池材料スラリーを基
体管内に供給しつつ、当該スラリー供給管を基体管の長
手方向に移動させ、スラリー供給管に内挿した空気供給
管の先端に取付けられたゴム弾性を有するバルーンによ
って、スラリー吐出口から吐出する燃料電池材料スラリ
ーを基体管の内壁に所定膜厚になすり付けることによっ
て燃料電池材料の塗膜を形成する。
【0013】請求項2の発明の燃料電池材料の塗布方法
は、基体管を保持し、前記基体管内に挿入したスラリー
供給管を通して固体電解質材料スラリーを前記基体管内
に供給しつつ、当該スラリー供給管を前記基体管の長手
方向に移動させ、前記スラリー供給管のスラリー吐出口
の外側に取り付けたゴム弾性を有するバルーンによっ
て、前記スラリー吐出口から吐出する前記固体電解質材
料スラリーを前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付け
ることを特徴とするものである。
【0014】請求項2の発明の燃料電池材料の塗布方法
では、基体管内にスラリー供給管を通して供給される固
体電解質材料スラリーをゴム弾性を有するバルーンによ
って基体管の内壁になすり付けながら当該バルーンとス
ラリー供給管を移動することにより、基体管の形状が完
全な円筒形でなくてだ円筒形であっても、バルーンの柔
軟性によってその内周面各部に均一な圧力で材料スラリ
ーをなすり付けながら移動し、均一な膜厚で固体電解質
材料スラリーの塗膜を形成する。またバルーン内の空気
圧を調整することによって材料スラリーの塗膜厚を適宜
に制御する。さらに、基体管の長手方向の所望の位置だ
けに限定して材料塗膜を形成する場合には、スラリー供
給管から材料スラリーを吐出させる位置を調整する。
【0015】請求項3の発明の燃料電池材料の成膜方法
は、請求項2の燃料電池材料の塗布方法によって前記基
体管内に塗布された固体電解質材料スラリーを乾燥さ
せ、所定の焼成温度によって前記固体電解質材料膜を焼
成して固体電解質を成膜することを特徴とするものであ
る。
【0016】請求項4の発明の燃料電池材料の塗布方法
は、基体管を保持し、前記基体管内に挿入したスラリー
供給管を通して燃料極材料スラリーを前記基体管内に供
給しつつ、当該スラリー供給管を前記基体管の長手方向
に移動させ、前記スラリー供給管のスラリー吐出口の外
側に取り付けたゴム弾性を有するバルーンによって、前
記スラリー吐出口から吐出する前記燃料極材料スラリー
を前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付けることを特
徴とするものである。
【0017】請求項4の発明の燃料電池材料の塗布方法
では、基体管内にスラリー供給管を通して供給される燃
料極材料スラリーをゴム弾性を有するバルーンによって
基体管の内壁になすり付けながら当該バルーンをスラリ
ー供給管と共に移動することにより、基体管の形状が完
全な円筒形でなくてだ円形であっても、バルーンの柔軟
性によってその内周面各部に均一な圧力で材料スラリー
をなすり付けながら移動し、均一な膜厚で燃料極材料ス
ラリーの塗膜を形成する。またバルーン内の空気圧を調
整することによって材料スラリーの塗膜厚を適宜に制御
する。さらに、基体管の長手方向の所望の位置だけに限
定して材料塗膜を形成する場合には、スラリー供給管か
ら材料スラリーを吐出させる位置を調整する。
【0018】請求項5の発明の燃料電池材料の成膜方法
は、請求項4の燃料電池材料の塗布方法によって前記基
体管内に塗布された燃料極材料スラリーを乾燥させ、所
定の焼成温度によって前記燃料極材料膜を焼成して燃料
極を成膜するものである。
【0019】請求項6の発明の燃料電池材料の成膜方法
は、固体電解質組成から燃料極組成に段階的に変化する
複数種の組成の材料スラリーを用意し、当該複数種の組
成の材料スラリーを前記固体電解質組成から燃料極組成
に至る順に1種類ずつ選択し、基体管を保持し、前記基
体管内に挿入したスラリー供給管を通して前記選択され
た材料スラリーを前記基体管内に供給しつつ、当該スラ
リー供給管を前記基体管の長手方向に移動させ、前記ス
ラリー供給管のスラリー吐出口の外側に取り付けたゴム
弾性を有するバルーンによって、前記スラリー吐出口か
ら吐出する前記選択された材料スラリーを前記基体管の
内壁に所定膜厚になすり付けて塗布して前記複数種の組
成の材料スラリーの塗膜を順次形成し、前記複数種の組
成による複数層の塗膜を同時に焼成して前記基体管の内
周面に固体電解質組成から燃料極組成に至る傾斜化され
た組成の材料膜を成膜することを特徴とするものであ
る。
【0020】請求項6の発明の燃料電池材料の成膜方法
では、固体電解質組成から燃料極組成に段階的に変化す
る複数種の組成の材料スラリーを用意し、基体管内に挿
入したスラリー供給管を通して材料スラリーを基体管内
に供給しつつ、ゴム弾性を有するバルーンによって前記
スラリー吐出口から吐出する前記選択された材料スラリ
ーを前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付けて塗布す
る工程を前記複数種の組成の材料スラリーそれぞれにつ
いて繰り返すことによって、固体電解質組成から燃料極
組成に至る傾斜化した組成の塗膜を基体管の内周面に均
一厚に形成することができる。このために、この後の焼
成工程によって固体電解質組成から燃料極組成に至る傾
斜化された組成の材料膜を均一厚に成膜することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。
【0022】<固体電解質材料の塗布方法及び固体電解
質の成膜方法の実施の形態>第1の実施の形態は、基体
管の内周面に固体電解質材料を所定膜厚に塗布し、さら
に焼成することによって固体電解質を成膜する方法であ
る。
【0023】基体管10は、ストロンチウム添加ランタ
ンマンガネート(LSM)製、円筒体の多孔質空気極で
あり、この基体管10の寸法は特に制限されるものでは
ないが、固体電解質型燃料電池用として、以下では外形
21mmφ、内径17mmφ、長さ0.5〜1mのもの
を用いた場合について説明する。
【0024】固体電解質材料スラリーは、粒径0.1μ
m〜1.0μmのYSZ粉末とエタノールのような希釈
剤とを混合したものである。その混合割合は、10〜4
0wt%程度で、1,000〜200,000mPaS
の粘度のものが好ましい。
【0025】図1に示すように、基体管10を水平若し
くは垂直に保持し、内部のスラリー供給管11と先端に
ゴム製のバルーン12が取り付けられているバルーン送
気管13との二重管を基体管10の奥の方の所定の深さ
まで挿入する。そして所定圧の空気をバルーン送気管1
3内に送り込んで先端のバルーン12を膨張させ、基体
管10の内周面に圧接させる。この状態で、上記の固体
電解質材料スラリー14をポンプ(図示せず)でスラリ
ー供給管11内に供給し、スラリー供給管11の先端吐
出口から基体管10の内部に吐出させながら、スラリー
供給管11とバルーン送気管13とを共に軸方向にゆっ
くりと引き抜く方向に移動させる。これによってバルー
ン12は基体管10内に吐出された固体電解質材料スラ
リー14を基体管10の内周面になすり付けながら移動
し、固体電解質材料スラリー14の均一な厚さの塗膜1
5を形成しながら移動する。この固体電解質材料スラリ
ー14の塗布は、基体管10の内周面に50〜150μ
mの膜厚になるように行う。
【0026】バルーン12の内圧、バルーン12の移動
速度(したがってスラリー供給管11及びバルーン送気
管13の移動速度)は固体電解質スラリーの濃度、供給
流量、温度によって実験的に決定するものであるが、例
示すれば、バルーン12が肉厚0.15mmである場
合、スラリー濃度30wt%、供給流量10立方cm/
分、バルーン内圧0.7kg/平方cm、移動速度5c
m/秒に設定することによって、約100μmの膜厚の
塗膜15を形成することができる。
【0027】このようにして基体管10の内周面に塗布
した固体電解質材料塗膜15は、ゴム弾性を有するバル
ーン12が基体管10の内周面の全体に均一な圧力で接
触しながら固体電解質材料スラリー14を基体管10の
内周面になすり付けるようにして塗布したものなので、
均一な膜厚の塗膜となる。
【0028】固体電解質材料スラリー14を所定の膜厚
に塗布した後には、塗膜15を乾燥させ、さらに従来か
ら行われている焼成を行うことによって、図2に示すよ
うに固体電解質材料塗膜15を緻密な固体電解質膜16
に成膜する。この焼成条件は特に限定されないが、約1
000〜1600℃、約1〜20時間で行う。
【0029】こうして基体管10の内周面に形成された
固体電解質膜16は、基体管10の内周面にバルーン1
2の移動によって固体電解質材料スラリー14をなすり
付けるように塗布することによって基体管10の内周面
に材料塗膜15を均一な膜厚に密着させ、その後に乾燥
し、焼成することによって成膜したものであるので、膜
厚が均一で基体管10との密着性も良好なものとなる。
【0030】<燃料極材料の塗布方法及び燃料極の成膜
方法の実施の形態>第2の実施の形態は、空気極とその
内周面にすでに固体電解質が成膜されている基体管10
に対して、その内周面に燃料極材料スラリーを所定の膜
厚で塗布し、さらに乾燥後に焼成して燃料極を成膜する
方法である。
【0031】基体管10は、従来例で説明したのと同様
に、ストロンチウム添加ランタンマンガネート(LS
M)製、円筒体の多孔質空気極1の内周面に、イットリ
ア安定化ジルコニア(YSZ)製の緻密な固体電解質2
をスラリーコーティング法、CVD−EVD法、あるい
は上記した成膜方法によって形成したものを用いる(図
3に示すように、空気極1と固体電解質2とで基体管1
0とする)。この基体管10の寸法は特に制限されるも
のではないが、固体電解質型燃料電池用として、以下で
は外形21mmφ、内径17mmφ、長さ0.5〜1m
のものを用いた場合について説明する。
【0032】燃料極材料スラリーは、ニッケル(Ni)
粉末、コバルト(Co)粉末、酸化ニッケル(NiO)
粉末、酸化コバルト(CoO)粉末、あるいはニッケル
ジルコニアサーメット粉末とYSZ粉末とを60wt
%:40wt%の割合で混合した混合粉末と、セルロー
ス系バインダのような希釈剤とを混合したものである。
その混合割合は、5wt%が好ましい。
【0033】使用する塗布装置は、第1の実施の形態と
同じく図1に示したものである。ただし、この第2の実
施の形態の場合、基体管10としては、空気極と共に固
体電解質がその内周に成膜されているものが用いられる
点、第1の実施の形態の基体管とは異なっている。燃料
極材料スラリー14の塗布工程では、基体管10の内周
面に50〜250μmの膜厚の塗膜15を形成する。
【0034】バルーン12の内圧、バルーン12の移動
速度は燃料極材料スラリーの濃度、供給流量、温度によ
って実験的に決定するものであるが、例示すれば、バル
ーン12が肉厚0.15mmである場合、スラリー濃度
50wt%、供給流量は20立方cm/分、バルーン内
圧1.2kg/平方cmで、移動速度3cm/秒と設定
することによって、約200μmの膜厚の塗膜15を形
成することができる。
【0035】所定の膜厚に燃料極材料スラリー14を塗
布して燃料極材料塗膜15を形成した後、第1の実施の
形態と同様に塗膜15を乾燥させ、さらに焼成すること
によって、図3に示すように基体管10の固体電解質2
の内周面にサーメット化した多孔質の燃料極17を成膜
する。この焼成条件は特に限定されないが、約1000
〜1400℃、約1〜20時間で行う。
【0036】こうして基体管10の内周面に成膜された
燃料極17は、基体管10の内周面にバルーン12の移
動によって燃料極材料スラリー14をなすり付けるよう
に塗布することによって基体管10の内周面に材料塗膜
15を均一な膜厚に密着させ、その後に乾燥し、焼成す
ることによって成膜したものであるので、膜厚が均一で
基体管10との密着性も良好なものとなる。
【0037】<固体電解質材料と燃料極材料との塗布方
法及び固体電解質と燃料極との成膜方法>第3の実施の
形態は、第1の実施の形態で説明した固体電解質材料の
塗布方法を用いて基体管をなす空気極の内周面に固体電
解質材料を塗布し、さらにこの固体電解質塗膜の内周面
に第2の実施の形態で説明した燃料極材料の塗布方法を
用いて燃料極材料を塗布し、これらを同時に焼成して成
膜することを特徴とする。すなわち、図4(a)に示す
ように、第1の実施の形態の固体電解質材料の塗布方法
を使用して基体管10である空気極の内周面にまず固体
電解質塗膜15aを塗布して乾燥させ、さらに同図
(b)に示すように、第2の実施の形態の燃料極材料の
塗布方法を使用して、固体電解質塗膜15aの内周面に
燃料極塗膜15bを塗布する。なお、基体管10の寸
法、材料組成、成膜条件等はすべて第1の実施の形態、
第2の実施の形態と共通する。
【0038】これら両材料の塗膜15a,15bを塗布
形成した後、第1の実施の形態と同様の焼成条件で焼成
することによって基体管10である空気極の内側に固体
電解質と燃料極が成膜された円筒固体電解質型燃料電池
を得る。
【0039】この第3の実施の形態の固体電解質材料及
び燃料極材料塗布方法、及び固体電解質及び燃料極の成
膜方法によれば、固体電解質と燃料極とを共にスラリー
コーティング方法によって成膜するので、従来の電気化
学蒸着法による成膜方法よりも製造時間を短縮すること
ができ、かつ第1の実施の形態、第2の実施の形態と同
様の効果も期待できる。
【0040】なお、この第3の実施の形態の場合、基体
管10の内周面に固体電解質材料の塗膜15aを塗布
し、乾燥させた後に焼成してまず固体電解質膜を成膜
し、その後、この固体電解質膜上に燃料極材料の塗膜1
5bを塗布し、乾燥させた後に焼成して燃料極を成膜す
る手順を採用することもできる。
【0041】次に、第4の実施の形態の燃料電池材料の
塗布方法及び燃料電池材料の成膜方法について説明す
る。この第4の実施の形態の特徴は、空気極で成る基体
管10の内周面に固体電解質組成から燃料極組成に至る
傾斜化させた組成の材料スラリー層を複数層に塗布し、
さらに焼成することによって固体電解質組成から燃料極
組成に至る傾斜化した傾斜組成膜18を同時に成膜する
点にある。以下、この塗布方法及び成膜方法について、
図5に基づいて説明する。
【0042】基体管10には第1の実施の形態と同一の
空気極をなす基体管を用いる。そして図1に示した装置
によって基体管10の内周面に第1の実施の形態と同じ
固体電解質の組成に調製された固体電解質材料スラリー
を塗布して固体電解質材料組成の塗膜21aを形成し、
乾燥させる(図5(a)参照)。
【0043】続いて、固体電解質組成と燃料極組成との
中間組成で、ニッケル(Ni)粉末、コバルト(Co)
粉末、酸化ニッケル(NiO)粉末、酸化コバルト(C
oO)粉末、あるいはニッケルジルコニアサーメット粉
末とYSZ粉末とを60wt%:40wt%の割合で混
合した混合粉末と、セルロース系バインダのような希釈
剤とを混合したスラリーであり、50wt%程度の混合
割合のものを用いる。そしてこの中間組成の材料スラリ
ーを図1に示した装置によって固体電解質材料塗膜21
aの内周面に塗布して中間組成材料塗膜21bを形成
し、乾燥させる(図5(b)参照)。
【0044】次に、第2の実施の形態で用いた燃料極組
成のスラリーを用いて、図1に示した装置によって中間
組成材料塗膜21bの内周面に塗布して燃料極材料塗膜
21cを形成して乾燥させる(図5(c)参照)。
【0045】この後、これらの固体電解質材料組成〜燃
料極材料間の傾斜化した組成の材料塗膜21a〜21c
が形成された基体管10に対して、第1の実施の形態と
同様の条件で焼成を行うことによって、図6に示すよう
に基体管10の内周面に固体電解質組成から燃料極組成
に至る傾斜化した組成の傾斜組成膜22を形成すること
ができる。
【0046】こうして基体管10の内周面に成膜した固
体電解質組成から燃料極組成に至る傾斜組成膜22は、
基体管10の内周面に複数種の組成の材料スラリーをバ
ルーン12によって順次塗布して塗膜21a〜21cを
形成するので第1〜第3の実施の形態と同様の効果を期
待することができ、その結果、傾斜組成膜22も膜厚が
均一で基体管10との密着性も良好なものとなる。また
固体電解質と燃料極とを同じ成膜工程で成膜するので、
製造工程の簡略化、成膜時間の短縮化が図れる。
【0047】
【実施例】(実施例1)空気極となる外径21mmφ、
内径17mmφ、長さ50cmであるLSM製の基体管
を垂直に保持し、内部に12mmφのスラリー供給管と
その内部に6mmφのバルーン送気管で先端部に肉厚
0.15mmのゴム製バルーンが取り付けられたものと
を挿入した。そして、バルーンを0.7kg/平方cm
の圧力で膨張させ、YSZ粉末10wt%をエタノール
希釈剤に混合した固体電解質材料スラリーをスラリー供
給管によって10立方cm/分の割合で基体管内に供給
しつつ、5cm/秒の速度でゆっくりと引き抜いていっ
た。
【0048】内部に形成された固体電解質材料塗膜を観
察したが、膜厚は約100μmで基体管の内周面に均一
に塗布されていた。
【0049】続いて、この基体管を焼成炉に入れて焼成
した。焼成条件は1400℃、10時間であった。この
結果、基体管の内周面に成膜された固体電解質膜は、4
0μmの均一な膜厚であった。
【0050】(実施例2)空気極となる外径21mmφ
のLSM管の内周面に固体電解質となるYSZ膜が成膜
されていて、外径21mmφ、内径17mmφ、長さ5
0cmである基体管を垂直に保持し、内部に実施例1と
同じスラリー供給管とバルーン送気管を挿入した。そし
て、バルーンを1.2kg/平方cmの圧力で膨張さ
せ、Ni粉末50wt%:YSZ粉末50wt%の混合
粉末をエタノール希釈剤と50wt%:50wt%の割
合で混合した燃料極材料スラリーをスラリー供給管によ
って20立方cm/分の割合で基体管内に供給しつつ、
3cm/秒の速度でゆっくりと引き抜いていった。
【0051】内部に形成された燃料極材料層塗膜を観察
したが、膜厚は150μmで均一に塗布されていた。
【0052】続いて、この基体管を焼成炉に入れて焼成
した。焼成条件は実施例1と同じであった。この結果、
基体管の内周面に成膜された燃料極膜は、60μmの均
一な膜厚であった。
【0053】(実施例3)実施例1と同じ仕様の基体管
の内周面に対して、YSZ粉末20wt%をエタノール
希釈剤に混合した固体電解質材料スラリーを実施例1と
同じ条件で塗布し、50μmの固体電解質材料塗膜21
aを形成し、乾燥させた。
【0054】続いて、この固体電解質材料塗膜21aの
内周面に対して、ニッケル粉末とYSZ粉末とを50w
t%:50wt%の割合で混合した混合粉末と、セルロ
ース系バインダの希釈剤とを5:5の割合で混合した固
体電解質組成と燃料極組成との中間組成のスラリーを用
い、固体電解質材料スラリーの場合と同じ条件で塗布し
て50μmの固体電解質と燃料極との中間組成の材料塗
膜21bを形成し、乾燥させた。
【0055】さらに、この中間組成の材料塗膜21bの
内周面に対して、実施例2と同じ組成の燃料極材料スラ
リーを実施例2と同じ条件で塗布して50μmの燃料極
材料塗膜21cを形成し、乾燥させた。
【0056】この後、3層の材料塗膜21a〜21cが
形成された基体管10を焼成炉に入れて焼成した。焼成
条件は1200℃、10時間であった。この結果、基体
管の内周面に固体電解質組成から燃料極組成に至るまで
組成が傾斜した傾斜組成膜22を形成することができ、
その膜厚は全体で60μmの均一なものであった。
【0057】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明の燃料電池
材料塗布装置によれば、基体管内にスラリー供給管を通
して供給される燃料電池材料スラリーをゴム弾性を有す
るバルーンによって基体管の内壁になすり付けながら移
動するので、基体管の形状が完全な円筒形でなくてだ円
形であっても、バルーンの柔軟性によってその内周面各
部に均一な圧力で材料スラリーをなすり付けながら移動
し、均一な膜厚の燃料電池材料塗膜を形成することがで
き、またバルーン内の空気圧を調整することによって材
料スラリーの塗膜厚を適宜に制御することができ、さら
に、基体管の長手方向の所望の位置だけに限定して材料
塗膜を形成することもできる。
【0058】請求項2の発明の燃料電池材料の塗布方法
によれば、基体管内にスラリー供給管を通して供給され
る固体電解質材料スラリーをゴム弾性を有するバルーン
によって基体管の内壁になすり付けながら移動するの
で、基体管の形状が完全な円筒形でなくてだ円形であっ
ても、バルーンの柔軟性によってその内周面各部に均一
な圧力で材料スラリーをなすり付けながら移動し、均一
な膜厚の固体電解質材料塗膜を形成することができ、ま
たバルーン内の空気圧を調整することによって材料スラ
リーの塗膜厚を適宜に制御することができ、さらに、基
体管の長手方向の所望の位置だけに限定して材料塗膜を
形成することもできる。
【0059】請求項3の発明の燃料電池材料の成膜方法
によれば、請求項2の燃料電池材料の塗布方法によって
基体管内に塗布された固体電解質材料スラリーを乾燥さ
せ、所定の焼成温度によって固体電解質材料膜を焼成し
て固体電解質を成膜するので、均一な膜厚の固体電解質
を容易に成膜することができる。
【0060】請求項4の発明の燃料電池材料の塗布方法
によれば、基体管内にスラリー供給管を通して供給され
る燃料極材料スラリーをゴム弾性を有するバルーンによ
って基体管の内壁になすり付けながら移動するので、基
体管の形状が完全な円筒形でなくてだ円形であっても、
バルーンの柔軟性によってその内周面各部に均一な圧力
で材料スラリーをなすり付けながら移動し、均一な膜厚
で燃料極材料スラリーの塗膜を形成することができ、ま
たバルーン内の空気圧を調整することによって材料スラ
リーの塗膜厚を適宜に制御することができ、さらに、基
体管の長手方向の所望の位置だけに限定して材料塗膜を
形成することができる。
【0061】請求項5の発明の燃料電池材料の成膜方法
によれば、請求項4の燃料電池材料の塗布方法によって
基体管内に塗布された燃料極材料スラリーを乾燥させ、
所定の焼成温度によって前記燃料極材料膜を焼成して燃
料極を成膜するので、均一な膜厚の燃料極を容易に成膜
することができる。
【0062】請求項6の発明の燃料電池材料の成膜方法
によれば、固体電解質組成から燃料極組成に段階的に変
化する複数種の組成の材料スラリーを用意し、基体管内
に挿入したスラリー供給管を通して材料スラリーを基体
管内に供給しつつ、ゴム弾性を有するバルーンによって
前記スラリー吐出口から吐出する前記選択された材料ス
ラリーを前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付けて塗
布する工程を前記複数層の材料スラリーそれぞれについ
て繰り返すことによって、固体電解質組成から燃料極組
成に至る傾斜化した組成の塗膜を基体管の内周面に均一
厚に形成することができ、このために、この後の焼成工
程によって固体電解質組成から燃料極組成に至る傾斜化
された組成の材料膜を均一厚に成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池材料の塗布方法に用いる塗布
装置の断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の燃料電池材料の塗
布方法によって固体電解質材料を基体管の内周面に塗布
した状態を示す断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の燃料電池材料の塗
布方法によって燃料極材料を基体管の内周面に塗布した
状態を示す断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の燃料電池材料の塗
布方法によって固体電解質材料と燃料極材料とを基体管
の内周面に塗布した状態を示す断面図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の燃料電池材料の成
膜方法において3種の傾斜組成材料塗膜を塗布した状態
の断面図。
【図6】上記の第4の実施の形態の燃料電池材料の成膜
方法で成膜した燃料電池セルの断面図。
【図7】一般的な円筒固体電解質型燃料電池の構造を示
す断面図。
【符号の説明】
1 空気極 2 固体電解質 10 基体管 11 スラリー供給管 12 バルーン 13 バルーン送気管 14 燃料電池材料スラリー 15,15a,15b 塗膜 16 固体電解質 17 燃料極 21a,21b,21c 塗膜 22 傾斜組成膜
フロントページの続き (72)発明者 岩澤 力 東京都江東区木場1−5−1 株式会社 フジクラ内 (72)発明者 望月 正孝 東京都江東区木場1−5−1 株式会社 フジクラ内 (72)発明者 永田 雅克 東京都江東区木場1−5−1 株式会社 フジクラ内 (72)発明者 兼田 波子 東京都江東区木場1−5−1 株式会社 フジクラ内 (56)参考文献 特開 平4−315769(JP,A) 特開 平5−36433(JP,A) 特開 平6−72787(JP,A) 特開 平8−273676(JP,A) 特開 昭56−112067(JP,A) 実開 昭63−39469(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02 B05C 7/08 B05D 7/22 H01M 8/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体管を保持する基体管保持手段と、 前記基体管保持手段に保持される基体管に軸方向に移動
    自在に挿入され、その先端のスラリー吐出口から燃料電
    池材料スラリーを前記基体管内に供給するスラリー供給
    管と、 前記スラリー供給管に内挿され、先端にゴム弾性を有す
    るバルーンが取付けられた空気供給管とを備え、 前記スラリー吐出口から吐出する前記燃料電池材料スラ
    リーを、その軸方向の移動によって前記バルーンによっ
    て前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付けて燃料電池
    材料塗膜を形成することようにしたことを特徴とする燃
    料電池材料塗布装置。
  2. 【請求項2】 基体管を保持し、 前記基体管内に挿入したスラリー供給管を通して固体電
    解質材料スラリーを前記基体管内に供給しつつ、当該ス
    ラリー供給管を前記基体管の長手方向に移動させ、 前記スラリー供給管のスラリー吐出口の外側に取り付け
    たゴム弾性を有するバルーンによって、前記スラリー吐
    出口から吐出する前記固体電解質材料スラリーを前記基
    体管の内壁に所定膜厚になすり付けることを特徴とする
    燃料電池材料の塗布方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の燃料電池材料の塗布方法によ
    って前記基体管内に塗布された固体電解質材料スラリー
    を乾燥させ、 所定の焼成温度によって前記固体電解質材料膜を焼成し
    て固体電解質を成膜することを特徴とする燃料電池材料
    の成膜方法。
  4. 【請求項4】 基体管を保持し、 前記基体管内に挿入したスラリー供給管を通して燃料極
    材料スラリーを前記基体管内に供給しつつ、当該スラリ
    ー供給管を前記基体管の長手方向に移動させ、 前記スラリー供給管のスラリー吐出口の外側に取り付け
    たゴム弾性を有するバルーンによって、前記スラリー吐
    出口から吐出する前記燃料極材料スラリーを前記基体管
    の内壁に所定膜厚になすり付けることを特徴とする燃料
    電池材料の塗布方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の燃料電池材料の塗布方法によ
    って前記基体管内に塗布された燃料極材料スラリーを乾
    燥させ、 所定の焼成温度によって前記燃料極材料膜を焼成して燃
    料極を成膜することを特徴とする燃料電池材料の成膜方
    法。
  6. 【請求項6】 固体電解質組成から燃料極組成に段階的
    に変化する複数種の組成の材料スラリーを用意し、当該
    複数種の組成の材料スラリーを前記固体電解質組成から
    燃料極組成に至る順に1種類ずつ選択し、 基体管を保持し、前記基体管内に挿入したスラリー供給
    管を通して前記選択された材料スラリーを前記基体管内
    に供給しつつ、当該スラリー供給管を前記基体管の長手
    方向に移動させ、前記スラリー供給管のスラリー吐出口
    の外側に取り付けたゴム弾性を有するバルーンによっ
    て、前記スラリー吐出口から吐出する前記選択された材
    料スラリーを前記基体管の内壁に所定膜厚になすり付け
    て塗布して前記複数種の組成の材料スラリーの塗膜を順
    次形成し、 前記複数種の組成による複数層の塗膜を同時に焼成して
    前記基体管の内周面に固体電解質組成から燃料極組成に
    至る傾斜化された組成の材料膜を成膜することを特徴と
    する燃料電池材料の成膜方法。
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